JP2001210249A - カラー陰極線管 - Google Patents
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Abstract
れたシャドウマスクを有するカラー陰極線管において、
色むらが少なく、安価で、品質が安定したカラー陰極線
管を提供する。 【解決手段】 支持体として、金属製素材を圧延するこ
とにより中間部から中間部の両側部にかけて薄肉の偏肉
部を有する帯板材を成形し、次いで、この帯板材をロー
ル成形により幅方向に曲げ変形して上記中間部に屈曲変
形部を形成することにより得られた、断面が略L字状の
部材を用いる。かかる方法で得られた支持体は、従来と
ほぼ同等の強度を維持しながら軽量化でき、比較的に簡
素な工程で経済的に加工できる。また、厚さばらつきが
少ないのでシャドウマスクに付与される張力のばらつき
を抑えることができる。
Description
する。特に、張力が付与されて架張保持されたシャドウ
マスクを含むカラー陰極線管に関する。
れた電子ビームが、フェイスパネル内面に形成された蛍
光体スクリーンを照射して、所望する画像が表示され
る。蛍光体スクリーンの電子銃側には所定の距離を隔て
て、色選択電極として機能するシャドウマスクが設けら
れる。シャドウマスクには、電子ビームが所定位置の蛍
光体を射突するように、多数の開口(電子ビーム通過
孔)が配列形成されている。
と、シャドウマスクは熱膨張する。これにより開口位置
が変化して、開口を通過した電子ビームが所定位置の蛍
光体を正しく射突しなくなり、色むらが発生する。この
ような現象はドーミングと呼ばれている。これを防止す
るために、温度上昇による熱膨張を吸収できるような張
力をシャドウマスクに予め付与した状態で、シャドウマ
スクはマスクフレームに架張保持される。このような架
張保持により、シャドウマスクの温度が上昇しても、シ
ャドウマスクの開口と蛍光体スクリーン面に形成された
蛍光体ストライプとの相対的位置ずれを低減することが
できる。
する、対向して配置された一対の支持体を含む鉄製の部
材を略矩形の枠状に組み立てて構成される。該支持体は
断面が略L字状をなし、その幅方向の一端側にシャドウ
マスクが架張される。シャドウマスクに所定の張力を付
与するためには、支持体がその張力に抗し得るだけの強
度を有する必要がある。
て、例えば、所定厚さの帯状の鉄板を幅方向の略中央部
で断面が略L字状になるようにプレス加工又はロール成
形により折り曲げる方法、略L字状の開口を有するダイ
スを用いて鉄材を引き抜き加工する方法、等が用いられ
ていた。
加工やロール成形で鉄板を折り曲げる方法では、折り曲
げ時に、折り曲げ角部の内側が凹み、角部の肉厚が薄く
なる、いわゆる「肉やせ」という現象が生じる。応力集
中部である角部が肉やせすると支持体の強度が低下する
から、シャドウマスクに所望する張力を付与できない。
所望する張力を付与するためには加工時の肉やせ量を予
測して厚い帯状鉄板を用いる必要があり、重量が増大
し、また、コスト高となる。
鋼板を用いた場合、熱延鋼板は厚さのばらつきが大きい
から、シャドウマスクに付与される張力ばらつきも大き
くなり、品質が安定した陰極線管が得られない。熱延鋼
板を折り曲げ加工する前に冷延すれば厚さばらつきは低
減するが、工程数が増大し、コスト高となる。
で、かつ薄肉の部材を得ることは困難である。肉厚が厚
いと、所望する張力が得られにくく、重量が増大し、更
に、コスト高となる。
クがマスクフレームに架張保持されて構成されるマスク
構体の重量が増大するため、マスク構体をフェイスパネ
ルに保持する弾性支持体の変形量が大きくなる。また、
外部からの衝撃などで該弾性支持体が永久変形しやすく
なる。これらはいずれも、色むらを生じさせる。
持されたシャドウマスクを有するカラー陰極線管におけ
る上記の従来の問題点を解決することを目的とする。即
ち、本発明は、重量の増加、コストの上昇を招くことな
く、シャドウマスクに所望する張力を付与することがで
き、品質が安定した支持体を備えることで、色むらの発
生が少なく、安価で、品質が安定したカラー陰極線管を
提供することを目的とする。
達成するために以下の構成とする。
対向して配置された少なくとも一対の支持体を有する、
略矩形の枠状に形成されたマスクフレームと、張力を付
与された状態で前記支持体に架張保持された、色選択電
極として機能するシャドウマスクとを備えるカラー陰極
線管であって、前記支持体は、金属製素材を圧延するこ
とにより中間部の両側に前記中間部より薄肉の偏肉部を
有する帯板材を成形し、次いで、この帯板材をロール成
形により幅方向に曲げ変形して上記中間部に屈曲変形部
を形成することにより得られた、断面が略L字状の部材
であることを特徴とする。
管は、対向して配置された少なくとも一対の支持体を有
する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレームと、張
力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、色
選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカラ
ー陰極線管であって、前記支持体は、金属製素材を圧延
することにより、中間部の両側に前記中間部より薄肉の
偏肉部を有するとともに予定される屈曲変形部の外角部
に相当する上記中間部所定位置に厚肉条部を有する帯板
材を成形し、次いで、この帯板材をロール成形により上
記厚肉条部位置で幅方向に曲げ変形して屈曲変形部を形
成することにより得られた、断面が略L字状の部材であ
ることを特徴とする。
加工方法によれば、ロール成形によって得られる屈曲変
形部は、金属製素材の本来の厚さと同等かそれ以上の厚
さを持ち、屈曲変形部の両側に位置する偏肉部は、ロー
ル成形に先立つ圧延工程によって薄肉に形成される。従
って、本発明の支持体は、断面が略L字状の従来の支持
体とほぼ同等の強度を維持しながら軽量化させることが
できる。
ので、比較的に簡素な工程で経済的に加工を行うことが
できる。
としても、圧延工程で偏肉部を形成する際に、金属製素
材の厚さばらつきが修正され、厚さが均一化される。従
って、安価な熱延鋼板を用いることができ、低コストで
品質が安定した支持体が得られる。
スクを張力を付与しながら架張保持することで、色むら
が少なく、安価で、品質が安定したカラー陰極線管を提
供することができる。
加工に適した鋼材他の金属製素材であれば、その材質お
よび形状の如何を問わない。
では、中間部から中間部の両側部にかけて徐々に薄肉に
された偏肉部を形成する。また、予定される屈曲変形部
の外角部に相当する上記中間部所定位置に、適宜、厚肉
条部が形成される。厚肉条部は、1条でも良いが、帯板
材中間部に長さ方向に連続して延びる近接した2条の突
条とし、両突条間を弧状に窪ませたものであっても良
い。
うことができるが、常温下で行ない(冷間圧延)、圧延
時に発生する加工熱が前記帯板材に残留している間に次
工程である前記ロール成形を行なうことが好ましい。即
ち、圧延工程とロール成形工程を連続させることによ
り、圧延時に生じる加工熱を利用してロール成形を効率
良く行うことができる。
板材は、中間部の位置でロール成形により幅方向に曲げ
変形して屈曲変形部が形成される。かくして、所望する
断面が略L字状の支持体を得る。
工程として行なうのではなく、両工程をほぼ同時に並行
して行なうこともできる。
管は、対向して配置された少なくとも一対の支持体を有
する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレームと、張
力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、色
選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカラ
ー陰極線管であって、前記支持体は、金属製素材を圧延
することにより中間部の両側に前記中間部より薄肉の偏
肉部を形成しながら、前記金属製素材をロール成形によ
り幅方向に曲げ変形して上記中間部に屈曲変形部を形成
することにより得られた、断面が略L字状の部材である
ことを特徴とする。
管は、対向して配置された少なくとも一対の支持体を有
する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレームと、張
力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、色
選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカラ
ー陰極線管であって、前記支持体は、金属製素材を圧延
することにより、中間部の両側に前記中間部より薄肉の
偏肉部を有するとともに予定される屈曲変形部の外角部
に相当する上記中間部所定位置に厚肉条部を形成しなが
ら、前記金属製素材をロール成形により上記厚肉条部位
置で幅方向に曲げ変形して屈曲変形部を形成することに
より得られた、断面が略L字状の部材であることを特徴
とする。
形により偏肉部(必要により更に厚肉条部)を形成しな
がら、ロール成形により曲げ変形させても、上記第1及
び第2の構成と同様の効果を得ることができる。更に、
第3,第4の構成によれば、成形工程が簡略化でき、圧
延成形時の加工熱をロール成形に有効に利用することが
でき、成形効率が向上する。
持体の幅方向の端部にテーパ面及び/又は膨出部が形成
されていても良く、この場合には前記テーパ面及び/又
は膨出部を前記圧延又は前記ロール成形によって形成す
ることが好ましい。端部にテーパ面及び/又は膨出部を
形成するためには、従来は屈曲変形部の形成とは別の独
立した工程で行なう必要があった。これに対して、本発
明では圧延成形工程又はロール成形工程時に併せて形成
することができ、工程の簡略化が可能である。
前記一対の支持体は前記マスクフレームの長辺をなし、
前記シャドウマスクは短辺方向に張力が付与されていて
も良い。
する。
にかかるカラー陰極線管の概略断面図である。
は、内面に蛍光体スクリーン面101が形成された実質
的に長方形状のフェイスパネル102と、フェイスパネ
ル102の後方に接続されたファンネル103と、ファ
ンネル103のネック部103aに内蔵された電子銃1
04と、フェイスパネル102の内部に、蛍光体スクリ
ーン面101に対向して設けられたシャドウマスク11
0と、シャドウマスク110を架張保持するマスクフレ
ーム120とを備えている。マスクフレーム120は、
その外周面に設置された板バネ状の弾性支持体129
を、フェイスパネル102の内面に植設されたパネルピ
ン109に掛止することで、フェイスパネル102に保
持されている。ファンネル3の外周面上には、電子ビー
ム107を偏向し走査するための偏向ヨーク106が設
けられている。
レーム120に架張保持されてなるマスク構体105の
概略構成を示した斜視図である。
が略L字状の一対の支持体121a,121bと、短辺
をなす中空四角柱状の一対の固定部材122a,122
b(固定部材122bは図示せず)とを有する。支持体
121a,121bと固定部材122a,122bとは
それぞれ対向して配置され、略矩形の枠状に組み合わさ
れて、各接合部で溶接される。支持体121a,121
b及び固定部材122a,122bの外周面には、シャ
ドウマスク構体105をフェイスパネルのパネルピン1
09(図1参照)に掛止するための弾性支持体129が
固定されている。
長辺側端部が支持体121a,121bの自由端側端部
に溶接される。このとき、一対の支持体121a,12
1bの自由端側端部に、相互に接近する方向の外力を付
与しながら、シャドウマスク110を溶接固定すること
で、シャドウマスク110には図示したように短辺と平
行な方向Yの張力が付与された状態で架張される。シャ
ドウマスク110には多数の略長方形状の電子ビーム通
過孔である開口111がエッチングにより形成されてい
る。
す。支持体121aの、シャドウマスク110が固定さ
れる側とは反対側の端部には、テーパ面(傾斜面)12
3が形成されている。テーパ面123は、シャドウマス
ク110とは反対側、即ち、電子銃側の端部を面取りす
るように設けられる。電子銃から射出された電子ビーム
が支持体121aの端部に衝突した場合、テーパ面12
3で電子ビームを電子銃側に反射させることで、電子ビ
ームがシャドウマスク110側に入射するのを防止する
ことができる(テーパ面123のエレクトロンシールド
機能)。図3では、支持体121aのテーパ面を示した
が、支持体121bにも同様のテーパ面が形成されてい
る。
用される支持体121a,121bの製造方法を説明す
る。
程を示すブロック図である。図示したように、支持体は
略等厚の帯状の鋼製素材に対して圧延加工を施して帯板
材を得た後、更にロール成形加工を施すことで得られ
る。
材の斜視図である。
ら成り、屈曲変形される中間部202とこの中間部から
左右に一体的に延びた不等厚の偏肉部203,204と
を備える。中間部202には、図5中上面に2条の突条
205,206を持つ厚肉条部208が形成されてい
る。厚肉条部208は、屈曲変形の際の外角部に相当す
る位置にあり、長手方向に沿って連続している。突条間
には、弧状の窪み部207が形成されている。窪み部2
07は、鋼製素板の偏肉部203,204の上面よりも
上方位置にある。
202から左右の両側端にかけて図5中下面を徐々に僅
かに薄肉にすることによって形成される。
鋼製素板の上下面及び左右両側端の四方から圧延ロール
を当接させ、鋼製素板が圧延ロール間を通過する間に上
記偏肉部203,204と厚肉条部208とを形成する
ことで得られる。
り中間部202を屈曲部として曲げ変形される。曲げ変
形は、厚肉条部208を外側に位置させて行われる。そ
して、所定の長さに切断されることにより、図8に示
す、断面が略L字状の支持体121が得られる。
けられることが好ましい。圧延によって帯板材200に
加工熱が生じるので、この加工熱が残留する間にロール
成形による曲げ塑性変形を行うことにより、曲げを比較
的容易かつ効率良く行うことができる。
のある中間部202下面と左右の偏肉部203,204
上面とにそれぞれ圧接ロールを当て、厚肉条部208の
窪み部207を中心として中間部202を徐々に屈曲さ
せてゆくと、厚肉条部208の左右の突条205,20
6は互いに離れる方向への引張り力を受ける。これによ
り、図6と図7に見られるように突条205,206は
徐々になだらかになり、一方、窪み部207は盛り上が
って、全体としてならされた状態になる。そして、所望
の屈曲角度にまで曲げ変形されると、断面が略L字状の
部材が成形される。
面123を形成する場合には、ロール成形工程時に併せ
て形成することができる。テーパ面123を含む偏肉部
端面は、ロール成形時の押出力を利用して切削刃あるい
は仕上げロールを当接することにより素板の工程走行中
に形成される。
支持体121は、屈曲変形部から一体的に延びる部分が
鋼製素板の本来の厚さよりも先端にゆくにつれて徐々に
薄くなるように形成されているために、従来の製造方法
によって得られる支持体に比べて軽量である。また、そ
の反面、屈曲変形部自体は充分な厚さを保持しているの
で、強度的には従来品とほとんど変わることはない。
205,206の高さと両突条の間隔及び窪み部207
の深さなどは、素板の伸び率や屈曲角度あるいは屈曲変
形部の曲率などに基づいて適宜設定され、これに応じて
圧延工程時のローラの位置や当接角度等が決定される。
カラー陰極線管の構成は、シャドウマスクを架張する支
持体を除いて実施の形態1と同様である。
の図4に示したのと同様に、略等厚の帯状の鋼製素材を
原材料として、圧延加工とロール成形加工とを順に施す
ことで得られる。
2に係る帯板材の端面図である。また、図10は図9の
帯板材をロール成形で屈曲させて得た本実施の形態2の
支持体の端面図である。
に、図中上面が中間部212から両側にかけてなだらか
に下り傾斜することにより、中間部212の左右に偏肉
部213,214が形成されている。実施の形態1と異
なり、中間部212には、厚肉条部が設けられていな
い。帯板材210は、上記実施の形態1と同様に圧延工
程を経て生成される。
して、ロール成形により曲げ変形して、図10に示す、
屈曲変形部の外角にほぼ丸みを帯びた、断面略L字状の
支持体211を得る。このとき、実施の形態1と同様
に、偏肉部214の端部にテーパ面123を形成しても
良い。
実施の形態1の図1〜図3に示したカラー陰極線管の支
持体121a,121bに代えて使用することができ
る。
を屈曲変形部としているから、強度は保持され、偏肉部
213,214による重量減少によって軽量化が達成さ
れる。
カラー陰極線管の構成は、シャドウマスクを架張する支
持体を除いて実施の形態1と同様である。
の図4に示したのと同様に、略等厚の帯状の鋼製素材を
原材料として、圧延加工とロール成形加工とを順に施す
ことで得られる。
持体221の斜視図である。図11において、202は
屈曲変形部(中間部)、203,204はその両側に形
成された偏肉部を示す。図11の支持体221は、圧延
工程を経て得られた実施の形態1に示した帯板材200
(図5参照)を用いて、実施の形態1と同様にロール成
形加工を施して得られたものである。但し、ロール成形
工程時に、偏肉部204の端部にテーパ面123を形成
することに加えて、本実施の形態3では、更に偏肉部2
03の端部に膨出部229を形成している。膨出部22
9は、偏肉部203に対して偏肉部204と同じ側に、
偏肉部204と略平行に形成されている。このような、
膨出部229は、テーパ面123と同様に、ロール成形
時にロールを偏肉部203の端部に当接させることで、
屈曲変形部の形成と並行して形成することができる。
実施の形態1の図1〜図3に示したカラー陰極線管の支
持体121a,121bに代えて使用することができ
る。
を用いたマスク構体の一部拡大斜視図である。図示した
ように、シャドウマスク110は膨出部229の端面に
架張される。このような構成により、シャドウマスク1
10と支持体221との接触面積が増大するので、陰極
線管の管軸方向に入る地磁気等による磁力線が通過しや
すくなって、磁気抵抗を低下させることができる。この
ため、電子ビームがシャドウマスクを通過する際に磁力
線の影響を受けにくくなり、電子ビームのランディング
位置のずれを抑えることができる。この結果、色むらの
少ないカラー陰極線管が得られる。
で、頂部が平坦面になるように、偏肉部の端部を形成し
て得られたものであれば、図11,図12の形状に限定
されない。例えば、膨出部を偏肉部203に対して偏肉
部204とは反対側に突出させて形成しても良く、断面
が略T字状となるように偏肉部203の両側に突出させ
て形成しても良い。
ームの長辺方向に設置された支持体にシャドウマスクが
架張される例を示したが、本発明はこのような構成のカ
ラー陰極線管に限定されない。
された支持体に、シャドウマスクが長辺方向に張力を付
与された状態で架張されてなるマスク構体を備えたカラ
ー陰極線管にも同様に適用できる。このとき、シャドウ
マスクを架張する支持体として、上記の実施の形態1〜
3に示した支持体を使用することができる。
の支持体321a,321bと短辺方向の支持体322
a,322bとを矩形状に接合したマスクフレーム32
0に、シャドウマスク110を、長辺方向X及び短辺方
向Yに張力を付与した状態で架張してなるマスク構体3
05を備えたカラー陰極線管にも適用できる。このと
き、支持体321a,321b,322a,322bと
して、上記の実施の形態1〜3に示した支持体を使用す
ることができる。
の厚肉条部に形成される突条は、上記の実施の形態1に
示したように必ずしも2つである必要はなく、屈曲変形
部の曲率や大きさに応じて単数もしくは多数とされるこ
ともある。
膨出部をロール成形工程時に形成したが、偏肉部を形成
する圧延工程時に、上記したのと同様の方法で形成して
も良い。
ーパ面や膨出部は、必要に応じて必要な端部に設けるこ
とができ、テーパ面を形成する側や傾斜角度、膨出部の
大きさや膨出方向等は適宜変更できる。
等厚の鋼製素材に対して、圧延成形とロール成形とを順
に施して断面が略L字状の支持体を得たが、本発明はこ
れに限定されない。即ち、上記ほぼ等厚の鋼製素材に対
して、圧延成形とロール成形とをほぼ同時に施すことに
より、幅方向の両側に偏肉部を形成しながら、中間部に
屈曲変形部を形成することもできる。これにより、成形
工程が簡略化でき、また、偏肉部の形成時に発生する加
工熱を有効に利用して屈曲変形部を形成することができ
る。
体に架張するタイプ(シャドウマスクの架張張力は全幅
当たり8.33N(850kgf))の、対角サイズが
25インチのカラー陰極線管を想定して、上記の実施の
形態2に示した方法で支持体230を製造した(本発明
品)。図14に支持体230の断面形状を示す。シャド
ウマスクは端部231側に架張される。他方の端部23
2には両面にテーパ面233,234が形成されてい
る。テーパ面233,234は屈曲変形部を形成するロ
ール成形工程で付与した。図示した寸法は、L10=30
mm、L11=20.5mm、L20=25mm、L21=1
5.5mm、T10=3.57mm、T11=4.5mm、
T20=3.8mm、T21=4.5mmである(いずれも
設計値)。支持体230の全長は467mmである。使
用した材料は、厚さ5.0mmのクロムモリブデン鋼か
らなる熱延材料である。
25インチのカラー陰極線管を想定して、上記と同じ材
質の厚さ4.5mmの帯状の熱延材料を用いて、従来と
同様のプレス加工により支持体240を製造した(従来
品)。図15に支持体240の断面形状を示す。シャド
ウマスクは端部241側に架張される。図示した寸法
は、L3=30mm、L4=25mm、T3=4.5m
m、T4=4.5mmである(いずれも設計値)。図示
したように、プレス加工時の工具が当接したことによ
り、屈曲変形部245の内側が凹み、いわゆる肉やせが
生じていた。肉やせした屈曲変形部245の厚さは約4
mmであった。支持体240の全長は467mmであ
る。
のような評価を行なった。
支持体230,240の、シャドウマスク架張側とは反
対側の面を水平面に固定して、シャドウマスク架張側の
端部231,241に784N(80kgf)の水平方
向荷重Fを付与したときの荷重付与点の変位量Dを測定
した。測定は、支持体の長手方向の端部と中央部の2箇
所で行なった。
板厚T11(図14参照)、T3(図15参照)を長手方
向にわたって測定し、設計値(いずれも4.5mm)に
対するばらつきを求めた。
持体230は比較例の支持体240に比べて約6%軽量
化されているにもかかわらず、変形量は約20%減少
(剛性は約20%向上)している。これは、本発明品が
従来品に比べて、応力集中部である屈曲変形部の厚さが
厚く、その両側の平板部分の板厚が薄く形成されている
ためである。
05を軽量化できる。したがって、陰極線管の搬送時の
衝突や落下等による衝撃、あるいはマスク構体105の
重みによって、弾性支持体129が変形して生じる色む
らの発生を防止することができる。
延材料を用いているにもかかわらず、厚さばらつきは本
発明品は従来品に比べて大幅に改善されている。厚さば
らつきは、支持体の強度のばらつき、更には、支持体に
架張されたシャドウマスクに付与される張力のばらつき
と密接に関係し、支持体の厚さばらつきが小さくできれ
ば、架張されるシャドウマスクの張力のばらつきを小さ
くすることができる。シャドウマスクに付与される張力
が設計値から外れると、シャドウマスクに発生した振動
の減衰特性が悪化したり、ドーミングの防止効果が低下
したりし、これらはいずれも電子ビームのランディング
位置ずれを招き、色むらの原因となる。本発明品は、厚
さばらつきが小さいので、色むらが少ない、品質の安定
したカラー陰極線管を提供することができる。
が略L字状の従来の支持体とほぼ同等の強度を維持しな
がら軽量化させることができる。また、比較的に簡素な
工程で経済的に加工することでき、焼鈍工程を有しない
ので、製品仕上がりは良好となる。更に、金属製素材に
厚さばらつきがあったとしても、圧延工程で厚さばらつ
きが修正され、厚さが均一化される。
スクを張力を付与しながら架張保持することで、色むら
が少なく、安価で、品質が安定したカラー陰極線管を提
供することができる。
る。
管に使用されるマスク構体の概略斜視図である。
の加工法を示すブロック図である。
である。
する状態を示す斜視図である。
する状態を示す斜視図である。
の形態1にかかる支持体の斜視図である。
である。
施の形態2にかかる支持体の端面図である。
視図である。
線管において、支持体とシャドウマスクとの取付部を示
した拡大斜視図である。
ク構体を示した概略斜視図である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 対向して配置された少なくとも一対の支
持体を有する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレー
ムと、 張力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、
色選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカ
ラー陰極線管であって、 前記支持体は、 金属製素材を圧延することにより中間部の両側に前記中
間部より薄肉の偏肉部を有する帯板材を成形し、 次いで、この帯板材をロール成形により幅方向に曲げ変
形して上記中間部に屈曲変形部を形成することにより得
られた、 断面が略L字状の部材であることを特徴とするカラー陰
極線管。 - 【請求項2】 対向して配置された少なくとも一対の支
持体を有する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレー
ムと、 張力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、
色選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカ
ラー陰極線管であって、 前記支持体は、 金属製素材を圧延することにより、中間部の両側に前記
中間部より薄肉の偏肉部を有するとともに予定される屈
曲変形部の外角部に相当する上記中間部所定位置に厚肉
条部を有する帯板材を成形し、 次いで、この帯板材をロール成形により上記厚肉条部位
置で幅方向に曲げ変形して屈曲変形部を形成することに
より得られた、 断面が略L字状の部材であることを特徴とするカラー陰
極線管。 - 【請求項3】 対向して配置された少なくとも一対の支
持体を有する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレー
ムと、 張力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、
色選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカ
ラー陰極線管であって、 前記支持体は、 金属製素材を圧延することにより中間部の両側に前記中
間部より薄肉の偏肉部を形成しながら、前記金属製素材
をロール成形により幅方向に曲げ変形して上記中間部に
屈曲変形部を形成することにより得られた、 断面が略L字状の部材であることを特徴とするカラー陰
極線管。 - 【請求項4】 対向して配置された少なくとも一対の支
持体を有する、略矩形の枠状に形成されたマスクフレー
ムと、 張力を付与された状態で前記支持体に架張保持された、
色選択電極として機能するシャドウマスクとを備えるカ
ラー陰極線管であって、 前記支持体は、 金属製素材を圧延することにより、中間部の両側に前記
中間部より薄肉の偏肉部を形成するとともに予定される
屈曲変形部の外角部に相当する上記中間部所定位置に厚
肉条部を形成しながら、前記金属製素材をロール成形に
より上記厚肉条部位置で幅方向に曲げ変形して屈曲変形
部を形成することにより得られた、 断面が略L字状の部材であることを特徴とするカラー陰
極線管。 - 【請求項5】 前記厚肉条部は、長さ方向に連続して延
びる近接した2条の突条を有し、両突条間が弧状に窪ん
でいる請求項2又は4に記載のカラー陰極線管。 - 【請求項6】 前記金属製素材の圧延を常温下で行な
い、上記圧延時に発生する加工熱が前記帯板材に保持さ
れている間に前記ロール成形を行なう請求項1又は2に
記載のカラー陰極線管。 - 【請求項7】 前記支持体は、幅方向の端部にテーパ面
及び/又は膨出部を有し、前記テーパ面及び/又は膨出
部は前記圧延又は前記ロール成形によって形成される請
求項1〜4のいずれかに記載のカラー陰極線管。 - 【請求項8】 前記一対の支持体は前記マスクフレーム
の長辺をなし、前記シャドウマスクは短辺方向に張力が
付与されている請求項1〜4のいずれかに記載のカラー
陰極線管。
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