JP2001297874A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 発光波長のスペクトル幅が従来の有機EL発
光素子に比べて格段に狭く、波長選択性に優れ、かつ指
向性持って光を出射でき、表示体だけでなく光通信など
にも適用できる、発光装置を提供する。 【解決手段】 端面発光型発光装置1000は、基板1
0と、陽極12と、エレクトロルミネッセンスによって
発光可能な有機発光層16と、陰極18と、を有する。
陽極12と発光層16との間に回折格子14が配置され
る。回折格子14は、陽極12を構成する材質からなる
第1の媒質層14aと、有機発光層16を構成する材質
からなる第2の媒質層14bと、を有する。陽極12
は、下記式(1)を満たす厚さTを有する。 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) ここで、λは出射光の波長を示し、T0は、波長λが550
nmのときの、回折格子の結合効率が10-2(μm-1)
以上となる陽極の厚さを示す。
光素子に比べて格段に狭く、波長選択性に優れ、かつ指
向性持って光を出射でき、表示体だけでなく光通信など
にも適用できる、発光装置を提供する。 【解決手段】 端面発光型発光装置1000は、基板1
0と、陽極12と、エレクトロルミネッセンスによって
発光可能な有機発光層16と、陰極18と、を有する。
陽極12と発光層16との間に回折格子14が配置され
る。回折格子14は、陽極12を構成する材質からなる
第1の媒質層14aと、有機発光層16を構成する材質
からなる第2の媒質層14bと、を有する。陽極12
は、下記式(1)を満たす厚さTを有する。 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) ここで、λは出射光の波長を示し、T0は、波長λが550
nmのときの、回折格子の結合効率が10-2(μm-1)
以上となる陽極の厚さを示す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL(エレクトロ
ルミネッセンス)を用いた発光装置に関する。
ルミネッセンス)を用いた発光装置に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】例え
ば、光通信システムで用いられる光源としては、半導体
レーザが用いられる。半導体レーザは、波長選択性に優
れ、単一モードの光を出射できる点で好ましいが、多数
回にわたる結晶成長が必要であり、作成が容易でない。
また、半導体レーザでは、発光材料が限定され、種々の
波長の光を発光することができないという難点を有す
る。
ば、光通信システムで用いられる光源としては、半導体
レーザが用いられる。半導体レーザは、波長選択性に優
れ、単一モードの光を出射できる点で好ましいが、多数
回にわたる結晶成長が必要であり、作成が容易でない。
また、半導体レーザでは、発光材料が限定され、種々の
波長の光を発光することができないという難点を有す
る。
【0003】また、従来のEL発光素子は、発光波長の
スペクトル幅が広く、表示体などの一部の用途では適用
されているものの、光通信などのスペクトル幅が狭い光
を要求される用途には不向きであった。
スペクトル幅が広く、表示体などの一部の用途では適用
されているものの、光通信などのスペクトル幅が狭い光
を要求される用途には不向きであった。
【0004】本発明の目的は、発光波長のスペクトル幅
が従来のEL発光素子に比べて格段に狭く、かつ指向性
があり、表示体だけでなく光通信などにも適用できる、
発光装置を提供することにある。
が従来のEL発光素子に比べて格段に狭く、かつ指向性
があり、表示体だけでなく光通信などにも適用できる、
発光装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る発光装置
は、基板と、陽極と、エレクトロルミネッセンスによっ
て発光可能な発光層と、陰極と、前記陽極と前記発光層
との間に配置された回折格子と、を含み、前記陽極は、
下記式(1)を満たす厚さTを有する。
は、基板と、陽極と、エレクトロルミネッセンスによっ
て発光可能な発光層と、陰極と、前記陽極と前記発光層
との間に配置された回折格子と、を含み、前記陽極は、
下記式(1)を満たす厚さTを有する。
【0006】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) ここで、λは出射光の波長を示し、T0は、波長λが550
nmのときの、回折格子の結合効率が10-2(μm-1)
以上(10-2〜100(μm-1))となる陽極の厚さを
示す。
nmのときの、回折格子の結合効率が10-2(μm-1)
以上(10-2〜100(μm-1))となる陽極の厚さを
示す。
【0007】この発光装置によれば、一対の電極層、す
なわち陰極と陽極とからそれぞれ電子とホールとが発光
層内に注入され、この電子とホールとを発光層で再結合
させて、分子が励起状態から基底状態に戻るときに光が
発生する。そして、発光層で発生した光は、回折格子、
つまり互いに屈折率の異なる2種の媒質層が交互に周期
的に配置された格子により、波長選択性および指向性を
有する。
なわち陰極と陽極とからそれぞれ電子とホールとが発光
層内に注入され、この電子とホールとを発光層で再結合
させて、分子が励起状態から基底状態に戻るときに光が
発生する。そして、発光層で発生した光は、回折格子、
つまり互いに屈折率の異なる2種の媒質層が交互に周期
的に配置された格子により、波長選択性および指向性を
有する。
【0008】そして、本発明で特徴的なことは、陽極が
前述した所定範囲の厚さを有することにより、回折格子
の結合効率を大きくできるとともに、陰極での光の閉込
め係数を小さくできる。その結果、本発明の発光装置
は、発光層で発光した光を効率よく回折格子で帰還させ
ることができ、さらに、陰極での光の吸収も少ないた
め、スペクトル幅の小さい、所望の波長の光を高い効率
で得ることができる。
前述した所定範囲の厚さを有することにより、回折格子
の結合効率を大きくできるとともに、陰極での光の閉込
め係数を小さくできる。その結果、本発明の発光装置
は、発光層で発光した光を効率よく回折格子で帰還させ
ることができ、さらに、陰極での光の吸収も少ないた
め、スペクトル幅の小さい、所望の波長の光を高い効率
で得ることができる。
【0009】さらに、陽極の厚さを制御することによ
り、TEモードとTMモードとの偏光制御が容易にで
き、特に伝播モードがシャープなTE波を効率よく得る
ことができる。これらの理由の詳細は、後述する。
り、TEモードとTMモードとの偏光制御が容易にで
き、特に伝播モードがシャープなTE波を効率よく得る
ことができる。これらの理由の詳細は、後述する。
【0010】前記回折格子は、分布帰還型または分布ブ
ラッグ反射型の回折格子であることが望ましい。このよ
うに、分布帰還型または分布ブラッグ反射型の回折格子
を形成することにより、発光層で得られた光を共振さ
せ、その結果、波長選択性があり発光スペクトル幅が狭
く、かつ優れた指向性を有する光を得ることができる。
これらの回折格子においては、出射光の波長によって回
折格子のピッチおよび深さが設定される。
ラッグ反射型の回折格子であることが望ましい。このよ
うに、分布帰還型または分布ブラッグ反射型の回折格子
を形成することにより、発光層で得られた光を共振さ
せ、その結果、波長選択性があり発光スペクトル幅が狭
く、かつ優れた指向性を有する光を得ることができる。
これらの回折格子においては、出射光の波長によって回
折格子のピッチおよび深さが設定される。
【0011】さらに、分布帰還型の前記回折格子をλ/
4位相シフト構造または利得結合型構造とすることによ
り、出射光をより単一モード化することができる。ここ
で、λは、光導波路内の光の波長を表す。
4位相シフト構造または利得結合型構造とすることによ
り、出射光をより単一モード化することができる。ここ
で、λは、光導波路内の光の波長を表す。
【0012】特に、回折格子が分布帰還型であって、さ
らにλ/4位相シフト構造あるいは利得結合型構造を有
することは、本発明に係る発光装置において共通した望
ましい構成である。
らにλ/4位相シフト構造あるいは利得結合型構造を有
することは、本発明に係る発光装置において共通した望
ましい構成である。
【0013】前記発光層は、発光材料として有機発光材
料を含むことが好ましい。有機発光材料を用いることに
より、例えば半導体材料や無機材料を用いた場合に比べ
て材料の選択の幅が広がり、種々の波長の光を発光する
ことが可能となる。
料を含むことが好ましい。有機発光材料を用いることに
より、例えば半導体材料や無機材料を用いた場合に比べ
て材料の選択の幅が広がり、種々の波長の光を発光する
ことが可能となる。
【0014】このような発光装置は、例えば、以下の
(a)および(b)の態様をとることができる。
(a)および(b)の態様をとることができる。
【0015】(a)第1の態様の発光装置は、450〜650
nmの範囲の波長λの光を出射できる発光装置であっ
て、基板と、光学的に透明な陽極と、エレクトロルミネ
ッセンスによって発光可能な発光層と、陰極と、前記陽
極と前記発光層との間に配置され、前記陽極を構成する
材質からなる第1の媒質層と前記発光層を構成する材質
からなる第2の媒質層とを有する回折格子と、を含み、
前記陽極の屈折率n(anode)と、前記発光層の屈折率
n(EL)とが、n(anode)>n(EL)の関係にあると
き、前記陽極は、下記式(1)および(2)を満たす厚
さTを有する。
nmの範囲の波長λの光を出射できる発光装置であっ
て、基板と、光学的に透明な陽極と、エレクトロルミネ
ッセンスによって発光可能な発光層と、陰極と、前記陽
極と前記発光層との間に配置され、前記陽極を構成する
材質からなる第1の媒質層と前記発光層を構成する材質
からなる第2の媒質層とを有する回折格子と、を含み、
前記陽極の屈折率n(anode)と、前記発光層の屈折率
n(EL)とが、n(anode)>n(EL)の関係にあると
き、前記陽極は、下記式(1)および(2)を満たす厚
さTを有する。
【0016】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=600 …式(2) (b)第2の態様の発光装置は、450〜650nmの範囲の
波長λの光を出射できる発光装置であって、基板と、光
学的に透明な陽極と、エレクトロルミネッセンスによっ
て発光可能な発光層と、陰極と、前記陽極と前記発光層
との間に配置され、前記陽極を構成する材質からなる第
1の媒質層と前記発光層を構成する材質からなる第2の
媒質層とを有する回折格子と、を含み、前記陽極の屈折
率n(anode)と、前記発光層の屈折率n(EL)とが、
n(anode)<n(EL)の関係にあるとき、前記陽極
は、下記式(1)および(3)を満たす厚さTを有す
る。
波長λの光を出射できる発光装置であって、基板と、光
学的に透明な陽極と、エレクトロルミネッセンスによっ
て発光可能な発光層と、陰極と、前記陽極と前記発光層
との間に配置され、前記陽極を構成する材質からなる第
1の媒質層と前記発光層を構成する材質からなる第2の
媒質層とを有する回折格子と、を含み、前記陽極の屈折
率n(anode)と、前記発光層の屈折率n(EL)とが、
n(anode)<n(EL)の関係にあるとき、前記陽極
は、下記式(1)および(3)を満たす厚さTを有す
る。
【0017】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=1000 …式(3) (c)第3の態様の発光装置は、450〜650nmの範囲の
波長λの光を出射できる発光装置であって、基板と、光
学的に透明な陽極と、エレクトロルミネッセンスによっ
て発光可能な発光層と、陰極と、前記陽極と前記発光層
との間に配置され、前記陽極を構成する材質からなる第
1の媒質層と前記発光層を構成する材質からなる第2の
媒質層とを有する回折格子と、を含み、前記陽極は、波
長λに応じて、最大の厚さが約820〜1200nmである。
波長λの光を出射できる発光装置であって、基板と、光
学的に透明な陽極と、エレクトロルミネッセンスによっ
て発光可能な発光層と、陰極と、前記陽極と前記発光層
との間に配置され、前記陽極を構成する材質からなる第
1の媒質層と前記発光層を構成する材質からなる第2の
媒質層とを有する回折格子と、を含み、前記陽極は、波
長λに応じて、最大の厚さが約820〜1200nmである。
【0018】これらの態様の発光装置では、前記回折格
子は、前記陽極と前記発光層との間に配置される。この
構成の装置によれば、発光層で発生した光は、発光層を
含む領域で直接回折格子により共振し、その結果、波長
選択がなされ、かつ優れた指向性をもって出射される。
子は、前記陽極と前記発光層との間に配置される。この
構成の装置によれば、発光層で発生した光は、発光層を
含む領域で直接回折格子により共振し、その結果、波長
選択がなされ、かつ優れた指向性をもって出射される。
【0019】前記発光層が有機発光材料を用いた有機発
光層の場合には、さらに、ホール輸送層および電子輸送
層の少なくともひとつを有することができる。また、ク
ラッド層として機能する層は、光伝搬層(コア層)より
屈折率が小さい層であればよく、光の閉じ込めのみを目
的とする層のみならず、電極層、基板、ホール輸送層お
よび電子輸送層などを兼ねることができる。
光層の場合には、さらに、ホール輸送層および電子輸送
層の少なくともひとつを有することができる。また、ク
ラッド層として機能する層は、光伝搬層(コア層)より
屈折率が小さい層であればよく、光の閉じ込めのみを目
的とする層のみならず、電極層、基板、ホール輸送層お
よび電子輸送層などを兼ねることができる。
【0020】次に、本発明に係る発光装置の各部分に用
いることができる材料の一部を例示する。これらの材料
は、公知の材料の一部を示したにすぎず、例示したもの
以外の材料を選択できることはもちろんである。
いることができる材料の一部を例示する。これらの材料
は、公知の材料の一部を示したにすぎず、例示したもの
以外の材料を選択できることはもちろんである。
【0021】(発光層)発光層の材料は、所定の波長の
光を得るために公知の化合物から選択される。発光層の
材料としては、有機化合物および無機化合物のいずれで
もよいが、種類の豊富さや成膜性の点から有機化合物で
あることが望ましい。
光を得るために公知の化合物から選択される。発光層の
材料としては、有機化合物および無機化合物のいずれで
もよいが、種類の豊富さや成膜性の点から有機化合物で
あることが望ましい。
【0022】このような有機化合物としては、例えば、
特開平10−153967号公報に開示された、アロマ
ティックジアミン誘導体(TPD)、オキシジアゾール
誘導体(PBD)、オキシジアゾールダイマー(OXD
−8)、ジスチルアリーレン誘導体(DSA)、ベリリ
ウム−ベンゾキノリノール錯体(Bebq)、トリフェ
ニルアミン誘導体(MTDATA)、ルブレン、キナク
リドン、トリアゾール誘導体、ポリフェニレン、ポリア
ルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェン、アゾメチ
ン亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ベンゾオキサゾー
ル亜鉛錯体、フェナントロリンユウロピウム錯体などが
使用できる。
特開平10−153967号公報に開示された、アロマ
ティックジアミン誘導体(TPD)、オキシジアゾール
誘導体(PBD)、オキシジアゾールダイマー(OXD
−8)、ジスチルアリーレン誘導体(DSA)、ベリリ
ウム−ベンゾキノリノール錯体(Bebq)、トリフェ
ニルアミン誘導体(MTDATA)、ルブレン、キナク
リドン、トリアゾール誘導体、ポリフェニレン、ポリア
ルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェン、アゾメチ
ン亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ベンゾオキサゾー
ル亜鉛錯体、フェナントロリンユウロピウム錯体などが
使用できる。
【0023】より具体的には、有機発光層の材料として
は、特開昭63−70257号公報、同63−1758
60号公報、特開平2−135361号公報、同2−1
35359号公報、同3−152184号公報、さら
に、同8−248276号公報および同10−1539
67号公報に記載されているものなど、公知のものが使
用できる。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種
類以上を混合して用いてもよい。
は、特開昭63−70257号公報、同63−1758
60号公報、特開平2−135361号公報、同2−1
35359号公報、同3−152184号公報、さら
に、同8−248276号公報および同10−1539
67号公報に記載されているものなど、公知のものが使
用できる。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種
類以上を混合して用いてもよい。
【0024】無機化合物としては、ZnS:Mn(赤色
領域)、ZnS:TbOF(緑色領域)、SrS:C
u、SrS:Ag、SrS:Ce(青色領域)などが例
示される。
領域)、ZnS:TbOF(緑色領域)、SrS:C
u、SrS:Ag、SrS:Ce(青色領域)などが例
示される。
【0025】(基板)基板あるいは必要に応じて設けら
れるクラッド層は、公知の無機材料および有機材料を用
いることができる。
れるクラッド層は、公知の無機材料および有機材料を用
いることができる。
【0026】代表的な無機材料としては、例えば特開平
5−273427号公報に開示されているような、Ti
O2、TiO2−SiO2混合物、ZnO、Nb2O5、S
i3N 4、Ta2O5、HfO2またはZrO2などを例示す
ることができる。
5−273427号公報に開示されているような、Ti
O2、TiO2−SiO2混合物、ZnO、Nb2O5、S
i3N 4、Ta2O5、HfO2またはZrO2などを例示す
ることができる。
【0027】また、代表的な有機材料としては、各種の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および光硬化性樹脂な
ど、公知の樹脂を用いることができる。これらの樹脂
は、層の形成方法などを考慮して適宜選択される。例え
ば、熱および光の少なくとも一方のエネルギーによって
硬化することができる樹脂を用いることで、汎用の露光
装置やベイク炉、ホットプレートなどが利用できる。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および光硬化性樹脂な
ど、公知の樹脂を用いることができる。これらの樹脂
は、層の形成方法などを考慮して適宜選択される。例え
ば、熱および光の少なくとも一方のエネルギーによって
硬化することができる樹脂を用いることで、汎用の露光
装置やベイク炉、ホットプレートなどが利用できる。
【0028】このような物質としては、例えば、本願出
願人による特願平10−279439号に開示された紫
外線硬化型樹脂がある。紫外線硬化型樹脂としては、ア
クリル系樹脂が好適である。様々な市販の樹脂や感光剤
を利用することで、透明性に優れ、また、短期間の処理
で硬化可能な紫外線硬化型のアクリル系樹脂を得ること
ができる。
願人による特願平10−279439号に開示された紫
外線硬化型樹脂がある。紫外線硬化型樹脂としては、ア
クリル系樹脂が好適である。様々な市販の樹脂や感光剤
を利用することで、透明性に優れ、また、短期間の処理
で硬化可能な紫外線硬化型のアクリル系樹脂を得ること
ができる。
【0029】紫外線硬化型のアクリル系樹脂の基本構成
の具体例としては、プレポリマー、オリゴマー、または
モノマーがあげられる。
の具体例としては、プレポリマー、オリゴマー、または
モノマーがあげられる。
【0030】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
【0031】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の
二官能性モノマー、トリメチロールプロバントリアクリ
レート、トリメチロールプロバントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが
利用できる。
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の
二官能性モノマー、トリメチロールプロバントリアクリ
レート、トリメチロールプロバントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが
利用できる。
【0032】(ホール輸送層)必要に応じて設けられる
ホール輸送層の材料としては、公知の光伝導材料のホー
ル注入材料として用いられているもの、あるいは有機発
光装置のホール注入層に使用されている公知のものの中
から選択して用いることができる。ホール輸送層の材料
は、ホールの注入あるいは電子の障壁性のいずれかの機
能を有するものであり、有機物あるいは無機物のいずれ
でもよい。その具体例としては、例えば、特開平8−2
48276号公報に開示されているものを例示すること
ができる。
ホール輸送層の材料としては、公知の光伝導材料のホー
ル注入材料として用いられているもの、あるいは有機発
光装置のホール注入層に使用されている公知のものの中
から選択して用いることができる。ホール輸送層の材料
は、ホールの注入あるいは電子の障壁性のいずれかの機
能を有するものであり、有機物あるいは無機物のいずれ
でもよい。その具体例としては、例えば、特開平8−2
48276号公報に開示されているものを例示すること
ができる。
【0033】(電子輸送層)必要に応じて設けられる電
子輸送層の材料としては、陰極より注入された電子を有
機発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料
は公知の物質から選択することができる。その具体例と
しては、例えば、特開平8−248276号公報に開示
されたものを例示することができる。
子輸送層の材料としては、陰極より注入された電子を有
機発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料
は公知の物質から選択することができる。その具体例と
しては、例えば、特開平8−248276号公報に開示
されたものを例示することができる。
【0034】(電極層)陰極としては、仕事関数の小さ
い(例えば4eV以下)電子注入性金属、合金電気伝導
性化合物およびこれらの混合物を用いることができる。
このような電極物質としては、例えば特開平8−248
276号公報に開示されたものを用いることができる。
い(例えば4eV以下)電子注入性金属、合金電気伝導
性化合物およびこれらの混合物を用いることができる。
このような電極物質としては、例えば特開平8−248
276号公報に開示されたものを用いることができる。
【0035】陽極としては、仕事関数の大きい(例えば
4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれ
らの混合物を用いることができる。陽極として光学的に
透明な材料を用いる場合には、CuI,ITO,SnO
2,ZnOなどの導電性透明材料を用いることができ、
透明性を必要としない場合には金などの金属を用いるこ
とができる。
4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれ
らの混合物を用いることができる。陽極として光学的に
透明な材料を用いる場合には、CuI,ITO,SnO
2,ZnOなどの導電性透明材料を用いることができ、
透明性を必要としない場合には金などの金属を用いるこ
とができる。
【0036】本発明において、回折格子の形成方法は特
に限定されるものではなく、公知の方法を用いることが
できる。その代表例を以下に例示する。
に限定されるものではなく、公知の方法を用いることが
できる。その代表例を以下に例示する。
【0037】リソブラフィーによる方法 ポジまたはネガレジストを紫外線やX線などで露光およ
び現像して、レジスト層をパターニングするこにより、
回折格子を作成する。ポリメチルメタクリレートあるい
はノボラック系樹脂などのレジストを用いたパターニン
グの技術としては、例えば特開平6−224115号公
報、同7−20637号公報などがある。
び現像して、レジスト層をパターニングするこにより、
回折格子を作成する。ポリメチルメタクリレートあるい
はノボラック系樹脂などのレジストを用いたパターニン
グの技術としては、例えば特開平6−224115号公
報、同7−20637号公報などがある。
【0038】また、ポリイミドをフォトリソブラフィー
によりパターニングする技術としては、例えば特開平7
−181689号公報および同1−221741号公報
などがある。さらに、レーザアブレーションを利用し
て、ガラス基板上にポリメチルメタクリレートあるいは
酸化チタンの回折格子を形成する技術として、例えば特
開平10−59743号公報がある。
によりパターニングする技術としては、例えば特開平7
−181689号公報および同1−221741号公報
などがある。さらに、レーザアブレーションを利用し
て、ガラス基板上にポリメチルメタクリレートあるいは
酸化チタンの回折格子を形成する技術として、例えば特
開平10−59743号公報がある。
【0039】光照射による屈折率分布の形成による方
法 光伝播部に屈折率変化を生じさせる波長の光を照射し
て、光伝播部に屈折率の異なる部分を周期的に形成する
ことにより回折格子を形成する。このような方法として
は、特に、ポリマーあるいはポリマー前駆体の層を形成
し、光照射などにより部分的に重合を行い、屈折率の異
なる領域を周期的に形成させて回折格子とすることが好
ましい。この種の技術として、例えば、特開平9−31
1238号公報、同9−178901号公報、同8−1
5506号公報、同5−297202号公報、同5−3
2523号公報、同5−39480号公報、同9−21
1728号公報、同10−26702号公報、同10−
8300号公報、および同2−51101号公報などが
ある。
法 光伝播部に屈折率変化を生じさせる波長の光を照射し
て、光伝播部に屈折率の異なる部分を周期的に形成する
ことにより回折格子を形成する。このような方法として
は、特に、ポリマーあるいはポリマー前駆体の層を形成
し、光照射などにより部分的に重合を行い、屈折率の異
なる領域を周期的に形成させて回折格子とすることが好
ましい。この種の技術として、例えば、特開平9−31
1238号公報、同9−178901号公報、同8−1
5506号公報、同5−297202号公報、同5−3
2523号公報、同5−39480号公報、同9−21
1728号公報、同10−26702号公報、同10−
8300号公報、および同2−51101号公報などが
ある。
【0040】スタンピングによる方法 熱可塑性樹脂を用いたホットスタンピング(特開平6−
201907号公報)、紫外線硬化型樹脂を用いたスタ
ンピング(特願平10−279439号)、電子線硬化
型樹脂を用いたスタンピング(特開平7−235075
号公報)などのスタンピングによって回折格子を形成す
る。
201907号公報)、紫外線硬化型樹脂を用いたスタ
ンピング(特願平10−279439号)、電子線硬化
型樹脂を用いたスタンピング(特開平7−235075
号公報)などのスタンピングによって回折格子を形成す
る。
【0041】エッチングによる方法 リソグラフィーおよびエッチング技術を用いて、薄膜を
選択的に除去してパターニングし、回折格子を形成す
る。
選択的に除去してパターニングし、回折格子を形成す
る。
【0042】以上、回折格子の形成方法について述べた
が、要するに、回折格子は互いに異なる屈折率を有する
2領域から構成されていればよく、屈折率の異なる2種
の材料により2領域を形成する方法、一種の材料を部分
的に変性させるなどして、屈折率の異なる2領域を形成
する方法、などにより形成することができる。
が、要するに、回折格子は互いに異なる屈折率を有する
2領域から構成されていればよく、屈折率の異なる2種
の材料により2領域を形成する方法、一種の材料を部分
的に変性させるなどして、屈折率の異なる2領域を形成
する方法、などにより形成することができる。
【0043】また、発光装置の各層は、公知の方法で形
成することができる。たとえば、発光層は、その材質に
よって好適な成膜方法が選択され、具体的には、蒸着
法、スピンコート法、LB法、インクジェット法などを
例示できる。
成することができる。たとえば、発光層は、その材質に
よって好適な成膜方法が選択され、具体的には、蒸着
法、スピンコート法、LB法、インクジェット法などを
例示できる。
【0044】
【発明の実施の形態】図1は、本実施の形態に係る端面
発光型発光装置(以下、「有機発光装置」という)10
00を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のA−
A線に沿った要部の断面図である。
発光型発光装置(以下、「有機発光装置」という)10
00を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のA−
A線に沿った要部の断面図である。
【0045】(構造)有機発光装置1000は、基板1
0上に、陽極12、有機発光層16および陰極18が、
この順序によって積層されている。この有機発光装置1
000は、基板10の屈折率が、陽極12の屈折率より
小さく設定されている。
0上に、陽極12、有機発光層16および陰極18が、
この順序によって積層されている。この有機発光装置1
000は、基板10の屈折率が、陽極12の屈折率より
小さく設定されている。
【0046】陽極12と有機発光層16との間に回折格
子14が配置されている。この回折格子14は、互いに
屈折率の異なる第1の媒質層14aと第2の媒質層14
bとからなる。第1の媒質層14aは、陽極12を構成
する物質からなり、第2の媒質層14bは有機発光層1
6を構成する物質からなる。
子14が配置されている。この回折格子14は、互いに
屈折率の異なる第1の媒質層14aと第2の媒質層14
bとからなる。第1の媒質層14aは、陽極12を構成
する物質からなり、第2の媒質層14bは有機発光層1
6を構成する物質からなる。
【0047】陽極12は、回折格子14の第1の媒質層
14aを構成するので、出射光に対して透明な導電材料
で構成される。このような透明電極の材料としては、前
述したものを用いることができる。また、陽極12は、
伝播モードの観点より、所定範囲の厚さを有することが
望ましい。伝播モードおよび陽極12の厚さについて
は、後述する。
14aを構成するので、出射光に対して透明な導電材料
で構成される。このような透明電極の材料としては、前
述したものを用いることができる。また、陽極12は、
伝播モードの観点より、所定範囲の厚さを有することが
望ましい。伝播モードおよび陽極12の厚さについて
は、後述する。
【0048】回折格子14は、分布帰還型の回折格子で
あることが好ましい。このように分布帰還型の回折格子
を形成することにより、光を光導波路内で共振させ、波
長選択性および指向性に優れ、発光スペクトル幅の狭い
光を得ることができる。さらに、回折格子14は、図示
はしないが、λ/4位相シフト構造または利得結合型構
造を有することが好ましい。このようにλ/4位相シフ
ト構造または利得結合型構造を有することにより、出射
光をより単一モード化することができる。
あることが好ましい。このように分布帰還型の回折格子
を形成することにより、光を光導波路内で共振させ、波
長選択性および指向性に優れ、発光スペクトル幅の狭い
光を得ることができる。さらに、回折格子14は、図示
はしないが、λ/4位相シフト構造または利得結合型構
造を有することが好ましい。このようにλ/4位相シフ
ト構造または利得結合型構造を有することにより、出射
光をより単一モード化することができる。
【0049】有機発光層16および陰極18は、前述し
た材料から構成される。また、有機発光層16および陰
極18の厚さは特に限定されない。有機発光層16は、
たとえば発光機能、導電性などを考慮して、100〜1
000nmの厚さを有することができる。また、陰極1
8は、たとえば導電性などを考慮して、50〜1000
nmの厚さを有することができる。
た材料から構成される。また、有機発光層16および陰
極18の厚さは特に限定されない。有機発光層16は、
たとえば発光機能、導電性などを考慮して、100〜1
000nmの厚さを有することができる。また、陰極1
8は、たとえば導電性などを考慮して、50〜1000
nmの厚さを有することができる。
【0050】有機発光装置1000は、主として、陽極
12、回折格子14および有機発光層16によってコア
層100が構成され、基板10および陰極18によって
クラッド層が構成される。
12、回折格子14および有機発光層16によってコア
層100が構成され、基板10および陰極18によって
クラッド層が構成される。
【0051】他の構成;有機発光装置1000において
は、図1に示すように、一方の端面には低反射率の第1
のコーティング層20aが形成され、他方の端面には高
反射率の第2のコーティング層20bが形成されてい
る。これらのコーティング層は、例えば一般的に半導体
DFBレーザで用いられる誘電体多層ミラーなどを用い
ることができる。
は、図1に示すように、一方の端面には低反射率の第1
のコーティング層20aが形成され、他方の端面には高
反射率の第2のコーティング層20bが形成されてい
る。これらのコーティング層は、例えば一般的に半導体
DFBレーザで用いられる誘電体多層ミラーなどを用い
ることができる。
【0052】有機発光装置1000の回折格子や有機発
光層などの製造方法および各層を構成する材料について
は、前述した方法あるいは材料などを適宜用いることが
できる。例えば、回折格子14の形成においては、工程
が比較的シンプルなスタンピングによる方法などを好ま
しく用いることができる。
光層などの製造方法および各層を構成する材料について
は、前述した方法あるいは材料などを適宜用いることが
できる。例えば、回折格子14の形成においては、工程
が比較的シンプルなスタンピングによる方法などを好ま
しく用いることができる。
【0053】(伝播モードの解析)次に、本実施の形態
の有機発光装置1000の基本的構成を有する発光装置
の伝播モードについて、図3を参照して説明する。図3
には、発光装置の基本的構成と、その各構成部分に対応
する伝播モードとが示されている。発光装置の構成は、
図1および図2示す部分と同一部分には同一の符号を付
してある。図3において、符号「a」で示す領域は、回
折格子14に対応し、符号「b」で示す領域は陰極18
に対応している。
の有機発光装置1000の基本的構成を有する発光装置
の伝播モードについて、図3を参照して説明する。図3
には、発光装置の基本的構成と、その各構成部分に対応
する伝播モードとが示されている。発光装置の構成は、
図1および図2示す部分と同一部分には同一の符号を付
してある。図3において、符号「a」で示す領域は、回
折格子14に対応し、符号「b」で示す領域は陰極18
に対応している。
【0054】伝播モードから、回折格子14での結合効
率および陰極18での光の閉込め係数などを解析するこ
とができる。伝播モードは、たとえば文献「Internatio
nalJournal of Optoelectronics ,1995,vo
l.10,No.5,pages331−335」に記載さ
れている、一般的なモード計算によって求めることがで
きる。以下、結合効率および閉込め係数などについて詳
述する。
率および陰極18での光の閉込め係数などを解析するこ
とができる。伝播モードは、たとえば文献「Internatio
nalJournal of Optoelectronics ,1995,vo
l.10,No.5,pages331−335」に記載さ
れている、一般的なモード計算によって求めることがで
きる。以下、結合効率および閉込め係数などについて詳
述する。
【0055】回折格子の結合効率;本発明の発光装置の
ように、多層構造の一部に周期的な凹凸(本実施の形態
での回折格子14に対応する)を設けて光の波長分散を
制御する場合には、回折格子14に伝播モードが効率よ
く結合することが重要である。伝播モードと回折格子と
の結合の度合を示す指標として、通常、結合効率(Coup
ling Coefficient)が用いられる。結合効率は、たと
えば、上記文献に記載の式(14)、(15)で表され
る。回折格子の結合効率は、図3の符号「a」で示す領
域の面積S100の大きさを反映したものとなる。すな
わち、回折格子を構成する2媒質層の条件および回折格
子の形状に関するファクターが固定された場合には、回
折格子の結合効率は、面積S100が大きいほど大きく
なる。そして、この結合効率が大きいほど、伝播モード
に対する回折格子14の寄与が大きい。
ように、多層構造の一部に周期的な凹凸(本実施の形態
での回折格子14に対応する)を設けて光の波長分散を
制御する場合には、回折格子14に伝播モードが効率よ
く結合することが重要である。伝播モードと回折格子と
の結合の度合を示す指標として、通常、結合効率(Coup
ling Coefficient)が用いられる。結合効率は、たと
えば、上記文献に記載の式(14)、(15)で表され
る。回折格子の結合効率は、図3の符号「a」で示す領
域の面積S100の大きさを反映したものとなる。すな
わち、回折格子を構成する2媒質層の条件および回折格
子の形状に関するファクターが固定された場合には、回
折格子の結合効率は、面積S100が大きいほど大きく
なる。そして、この結合効率が大きいほど、伝播モード
に対する回折格子14の寄与が大きい。
【0056】伝播モードは、発光装置を構成する層の
数、層の材質、厚さなどによって変化し、それに伴って
結合効率も変化する。発光装置において、発光した光を
回折格子内で効率よく帰還させ、所定波長の光を効率よ
く得るためには、回折格子14での結合効率大きくする
ことが重要である。そのためには、結合効率は、好まし
くは10-2(μm-1)以上(10-2〜100(μ
m-1))、より好ましくは10- 1(μm-1)以上であ
る。
数、層の材質、厚さなどによって変化し、それに伴って
結合効率も変化する。発光装置において、発光した光を
回折格子内で効率よく帰還させ、所定波長の光を効率よ
く得るためには、回折格子14での結合効率大きくする
ことが重要である。そのためには、結合効率は、好まし
くは10-2(μm-1)以上(10-2〜100(μ
m-1))、より好ましくは10- 1(μm-1)以上であ
る。
【0057】陰極での閉込め係数;発光装置1000に
おいて、通常、陰極18は金属で構成されるため、光の
吸収が非常に大きくなる。ディスプレイのように発光を
陽極側から観察する場合には、陰極18における光の吸
収はそれほど問題にならない。しかし、本発明のように
端面発光型の発光装置においては、陰極18での光の吸
収は、発光効率の点から大きな問題となることが推測さ
れる。したがって、発光装置の発光効率を高めるために
は、伝播モードがなるべく陰極18に重ならないことが
必要となる。
おいて、通常、陰極18は金属で構成されるため、光の
吸収が非常に大きくなる。ディスプレイのように発光を
陽極側から観察する場合には、陰極18における光の吸
収はそれほど問題にならない。しかし、本発明のように
端面発光型の発光装置においては、陰極18での光の吸
収は、発光効率の点から大きな問題となることが推測さ
れる。したがって、発光装置の発光効率を高めるために
は、伝播モードがなるべく陰極18に重ならないことが
必要となる。
【0058】陰極と伝播モードとの重なりを示す指標と
して、通常、陰極での閉込め係数が用いられる。ここ
で、閉込め係数は、図3の符号「b」で示す領域の伝播
モードの積分値であり、この領域の面積S200を反映
したものとなる。すなわち、閉込め係数は、前記面積S
200に比例して大きくなる。そして、陰極での光の吸
収を少なくするためには、陰極での閉込め係数をできる
だけゼロに近づけることが必要である。
して、通常、陰極での閉込め係数が用いられる。ここ
で、閉込め係数は、図3の符号「b」で示す領域の伝播
モードの積分値であり、この領域の面積S200を反映
したものとなる。すなわち、閉込め係数は、前記面積S
200に比例して大きくなる。そして、陰極での光の吸
収を少なくするためには、陰極での閉込め係数をできる
だけゼロに近づけることが必要である。
【0059】伝播モードは、発光装置を構成する層の
数、層の材質、厚さなどによって変化し、それに伴って
閉込め係数も変化する。発光装置において、より高い発
光効率を達成するためには、陰極16での光の閉込め係
数を小さくすることが重要である。そのためには、閉込
め係数は、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.
05以下である。
数、層の材質、厚さなどによって変化し、それに伴って
閉込め係数も変化する。発光装置において、より高い発
光効率を達成するためには、陰極16での光の閉込め係
数を小さくすることが重要である。そのためには、閉込
め係数は、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.
05以下である。
【0060】陽極12の厚さ;陽極12の厚さは、前述
した回折格子の結合効率および陰極での閉込め係数に影
響を与え、ある相関関係を有する。さらに、これらの結
合効率および閉込め係数は、陽極12の屈折率と有機発
光層16の屈折率との大小関係に依存する。具体的に
は、陽極12の厚さと結合効率および閉込め係数との関
係は、以下のようである。陽極12の厚さの主な根拠と
なるシミュレーションの結果については、後述する。
した回折格子の結合効率および陰極での閉込め係数に影
響を与え、ある相関関係を有する。さらに、これらの結
合効率および閉込め係数は、陽極12の屈折率と有機発
光層16の屈折率との大小関係に依存する。具体的に
は、陽極12の厚さと結合効率および閉込め係数との関
係は、以下のようである。陽極12の厚さの主な根拠と
なるシミュレーションの結果については、後述する。
【0061】(a)450〜650nmの範囲の波長λの光を
出射できる発光装置において、回折格子での結合効率を
考慮すると、以下の関係が成立することが望ましい。
出射できる発光装置において、回折格子での結合効率を
考慮すると、以下の関係が成立することが望ましい。
【0062】陽極12の屈折率n(anode)と、有機発
光層16の屈折率n(EL)とが、n(anode)>n(E
L)の関係にあるとき、陽極12は、下記式(1)およ
び(2)を満たす厚さTを有することが望ましい。
光層16の屈折率n(EL)とが、n(anode)>n(E
L)の関係にあるとき、陽極12は、下記式(1)およ
び(2)を満たす厚さTを有することが望ましい。
【0063】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=600 …式(2) ここで、T0は、結合効率が10-2(μm-1)以上(1
0-2〜100(μm-1))であるために好ましい数値で
ある。さらに、結合効率が10-1(μm-1)以上である
ためには、T0=150nmであることが好ましい。
0-2〜100(μm-1))であるために好ましい数値で
ある。さらに、結合効率が10-1(μm-1)以上である
ためには、T0=150nmであることが好ましい。
【0064】(b)450〜650nmの範囲の波長λの光を
出射できる発光装置において、陽極12の屈折率n(an
ode)と、有機発光層16の屈折率n(EL)とが、n(a
node)<n(EL)の関係にあるとき、陽極12は、下記
式(1)および(3)を満たす厚さTを有することが望
ましい。
出射できる発光装置において、陽極12の屈折率n(an
ode)と、有機発光層16の屈折率n(EL)とが、n(a
node)<n(EL)の関係にあるとき、陽極12は、下記
式(1)および(3)を満たす厚さTを有することが望
ましい。
【0065】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=1000 …式(3) ここで、T0は、結合効率が10-2(μm-1)以上(1
0-2〜100(μm-1))であるために好ましい数値で
ある。さらに、結合効率が10-1(μm-1)以上である
ためには、T0=250nmであることが好ましい。
0-2〜100(μm-1))であるために好ましい数値で
ある。さらに、結合効率が10-1(μm-1)以上である
ためには、T0=250nmであることが好ましい。
【0066】(c)450〜650nmの範囲の波長λの光を
出射できる発光装置において、TEモードとTMモード
との関係、すなわちTEモードとTMモードでの閉込め
係数の差を考慮すると、以下の関係が成立することが望
ましい。なお、TEモードとTMモードにおける、電
場、磁場および光伝播の方向については、図1に示す。
出射できる発光装置において、TEモードとTMモード
との関係、すなわちTEモードとTMモードでの閉込め
係数の差を考慮すると、以下の関係が成立することが望
ましい。なお、TEモードとTMモードにおける、電
場、磁場および光伝播の方向については、図1に示す。
【0067】陽極12の屈折率n(anode)と、有機発
光層16の屈折率n(EL)とが、n(anode)>n(E
L)の関係にあるとき、陽極12は、下記式(1)およ
び(2)を満たす厚さTを有することが望ましい。
光層16の屈折率n(EL)とが、n(anode)>n(E
L)の関係にあるとき、陽極12は、下記式(1)およ
び(2)を満たす厚さTを有することが望ましい。
【0068】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=350 …式(2) ここで、T0は、TEモードとTMモードとの差が0.
1以上であるために好ましい数値である。さらに、TE
モードとTMモードとの差が0.3以上であるために
は、T0=200nmであることが好ましい。
1以上であるために好ましい数値である。さらに、TE
モードとTMモードとの差が0.3以上であるために
は、T0=200nmであることが好ましい。
【0069】(d)450〜650nmの範囲の波長λの光を
出射できる発光装置において、TEモードとTMモード
との関係、すなわちTEモードとTMモードでの閉込め
係数の差を考慮すると、以下の関係が成立することが望
ましい。
出射できる発光装置において、TEモードとTMモード
との関係、すなわちTEモードとTMモードでの閉込め
係数の差を考慮すると、以下の関係が成立することが望
ましい。
【0070】陽極12の屈折率n(anode)と、有機発
光層16の屈折率n(EL)とが、n(anode)<n(E
L)の関係にあるとき、陽極12は、下記式(1)およ
び(3)を満たす厚さTを有することが望ましい。
光層16の屈折率n(EL)とが、n(anode)<n(E
L)の関係にあるとき、陽極12は、下記式(1)およ
び(3)を満たす厚さTを有することが望ましい。
【0071】 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=700 …式(3) ここで、T0は、TEモードとTMモードとの差が0.
1以上であるために好ましい数値である。さらに、TE
モードとTMモードとの差が0.3以上であるために
は、T0=250nmであることが好ましい。
1以上であるために好ましい数値である。さらに、TE
モードとTMモードとの差が0.3以上であるために
は、T0=250nmであることが好ましい。
【0072】以上のことを総合的に勘案すると、450〜6
50nmの範囲の波長λの光を出射できる発光装置におい
て、陽極12は、波長λに依存するが、最大の厚さが約
820〜1200nmであることが望ましい。
50nmの範囲の波長λの光を出射できる発光装置におい
て、陽極12は、波長λに依存するが、最大の厚さが約
820〜1200nmであることが望ましい。
【0073】(動作および作用)次に、この有機発光装
置1000の動作および作用について説明する。
置1000の動作および作用について説明する。
【0074】陽極12と陰極18とに所定の電圧が印加
されることにより、陰極18から電子が、陽極12から
ホールが、それぞれ有機発光層16内に注入される。有
機発光層16内では、この電子とホールとが再結合され
ることにより励起子が生成され、この励起子が失活する
際に蛍光や燐光などの光が発生する。光の波長λは、可
視光の波長(450〜650nm)の範囲であることが望まし
い。
されることにより、陰極18から電子が、陽極12から
ホールが、それぞれ有機発光層16内に注入される。有
機発光層16内では、この電子とホールとが再結合され
ることにより励起子が生成され、この励起子が失活する
際に蛍光や燐光などの光が発生する。光の波長λは、可
視光の波長(450〜650nm)の範囲であることが望まし
い。
【0075】有機発光層16において発生した光は、一
部は基板10および陰極18によって反射されて、一部
はそのまま陽極12および有機発光層16内を伝搬す
る。コア層100内では、光は、回折格子14によって
分布帰還型の伝搬が行われ、コア層100内をその端面
に向けて伝搬し、低反射率の第1のコーティング層10
0aより、出射する。この出射光は、回折格子14によ
ってコア層100で分布帰還されて出射されるため、波
長選択性があり、発光スペクトル幅が狭く、かつ優れた
指向性を有する。さらに、回折格子14をλ/4位相シ
フト構造または利得結合型構造とすることにより、出射
光をより単一モード化することができる。ここで、λ
は、光導波路内の光の波長を表す。
部は基板10および陰極18によって反射されて、一部
はそのまま陽極12および有機発光層16内を伝搬す
る。コア層100内では、光は、回折格子14によって
分布帰還型の伝搬が行われ、コア層100内をその端面
に向けて伝搬し、低反射率の第1のコーティング層10
0aより、出射する。この出射光は、回折格子14によ
ってコア層100で分布帰還されて出射されるため、波
長選択性があり、発光スペクトル幅が狭く、かつ優れた
指向性を有する。さらに、回折格子14をλ/4位相シ
フト構造または利得結合型構造とすることにより、出射
光をより単一モード化することができる。ここで、λ
は、光導波路内の光の波長を表す。
【0076】そして、本実施の形態で特徴的なことは、
陽極12が前述した所定範囲の厚さを有することによ
り、回折格子14の結合効率を大きくできるとともに、
陰極での閉込め係数を小さくできる。その結果、発光装
置1000は、有機発光層16で発光した光を効率よく
回折格子14で帰還させることができ、さらに、陰極1
8での光の吸収も少ない。したがって、発光装置100
0によれば、スペクトル幅の小さい、所望の波長の光を
高い効率で得ることができる。
陽極12が前述した所定範囲の厚さを有することによ
り、回折格子14の結合効率を大きくできるとともに、
陰極での閉込め係数を小さくできる。その結果、発光装
置1000は、有機発光層16で発光した光を効率よく
回折格子14で帰還させることができ、さらに、陰極1
8での光の吸収も少ない。したがって、発光装置100
0によれば、スペクトル幅の小さい、所望の波長の光を
高い効率で得ることができる。
【0077】さらに、陽極12が前述した範囲の厚さを
有することにより、TEモードとTMモードとの偏光制
御が容易にでき、特に伝播モードがシャープなTE波を
効率よく得ることができる。
有することにより、TEモードとTMモードとの偏光制
御が容易にでき、特に伝播モードがシャープなTE波を
効率よく得ることができる。
【0078】(シミュレーション例)本発明の発光装置
について、陰極での光の閉じ込め係数および回折格子の
結合効率と、陽極の厚さとの関係を、それぞれシミュレ
ーションによって調べた。シミュレーションに用いた発
光装置は、図1および図2に示す発光装置1000の基
本構造、すなわち、基板10,陽極12,回折格子(陽
極と有機発光層とから構成されている)14,有機発光
層16および陰極18の積層構造を有する。
について、陰極での光の閉じ込め係数および回折格子の
結合効率と、陽極の厚さとの関係を、それぞれシミュレ
ーションによって調べた。シミュレーションに用いた発
光装置は、図1および図2に示す発光装置1000の基
本構造、すなわち、基板10,陽極12,回折格子(陽
極と有機発光層とから構成されている)14,有機発光
層16および陰極18の積層構造を有する。
【0079】(1)発光装置のサンプル 陽極としてはITOを用い、その厚さT1を150nm
(回折格子の部分を含む)、回折格子の厚さT2を50n
m、有機発光層の厚さT3を100nm(回折格子の部分
を含む)、および陰極の厚さT4を5000nmに設定
した。基板は、他の層の厚さに比べて十分に厚く、たと
えば5000nmに設定した。
(回折格子の部分を含む)、回折格子の厚さT2を50n
m、有機発光層の厚さT3を100nm(回折格子の部分
を含む)、および陰極の厚さT4を5000nmに設定
した。基板は、他の層の厚さに比べて十分に厚く、たと
えば5000nmに設定した。
【0080】また、サンプルとしては、(A)陽極の屈
折率n(anode)(以下、屈折率n(ITO)と表す)が有
機発光層の屈折率n(EL)より大きいもの、すなわちn
(ITO)>n(EL)のサンプル(以下、これを「サンプ
ルA」という)、および(B)陽極の屈折率n(ITO)
が有機発光層の屈折率n(EL)より小さいもの、すなわ
ちn(ITO)<n(EL)のサンプル(以下、これを「サ
ンプルB」という)、を用いた。
折率n(anode)(以下、屈折率n(ITO)と表す)が有
機発光層の屈折率n(EL)より大きいもの、すなわちn
(ITO)>n(EL)のサンプル(以下、これを「サンプ
ルA」という)、および(B)陽極の屈折率n(ITO)
が有機発光層の屈折率n(EL)より小さいもの、すなわ
ちn(ITO)<n(EL)のサンプル(以下、これを「サ
ンプルB」という)、を用いた。
【0081】(2)シミュレーションの方法 以下に述べる各特性については、伝播モードは0次のみ
で評価し、さらにTE波およびTM波の両者について求
めた。伝播モードは、文献 「InternationalJournal
of Optoelectronics ,1995,vol.10,N
o.5,pages331−335」に記載されている、一
般的なモード計算によって求めた。
で評価し、さらにTE波およびTM波の両者について求
めた。伝播モードは、文献 「InternationalJournal
of Optoelectronics ,1995,vol.10,N
o.5,pages331−335」に記載されている、一
般的なモード計算によって求めた。
【0082】(3)シミュレーションの結果 陰極での光の閉込め係数 図4は、サンプルAおよびBについて求めた、TEモー
ドにおける、閉込め係数と、陽極(ITO層)の厚さとの
関係をそれぞれ示す。図4において、横軸は陽極の厚
さ、縦軸は陰極の閉込め係数を示す。
ドにおける、閉込め係数と、陽極(ITO層)の厚さとの
関係をそれぞれ示す。図4において、横軸は陽極の厚
さ、縦軸は陰極の閉込め係数を示す。
【0083】発光装置における陰極の閉込め係数は、前
述した理由により、好ましくは0.1以下である。このこ
とを考慮すると、陰極の閉込め係数の観点からは、陽極
の厚さはあまり制限を受けない。
述した理由により、好ましくは0.1以下である。このこ
とを考慮すると、陰極の閉込め係数の観点からは、陽極
の厚さはあまり制限を受けない。
【0084】回折格子の結合効率 図5は、サンプルAおよびBについて求めた、回折格子
の結合効率と、陽極(ITO層)の厚さとの関係をそれぞ
れ示す。図5において、横軸は陽極の厚さ、縦軸は回折
格子の結合効率を示す。
の結合効率と、陽極(ITO層)の厚さとの関係をそれぞ
れ示す。図5において、横軸は陽極の厚さ、縦軸は回折
格子の結合効率を示す。
【0085】発光装置における回折格子の結合効率(対
数表示)は、前述した理由により、好ましくは10
-2(μm-1)以上、より好ましくは10-1(μm-1)以
上であればよい。このことを考慮すると、回折格子の結
合効率の観点からは、陽極の厚さは、サンプルAの場
合、好ましくは600nm以下、より好ましくは150nm以
下である。同様に、陽極の厚さは、サンプルBの場合、
好ましくは1000nm以下、より好ましくは250nm以下
である。
数表示)は、前述した理由により、好ましくは10
-2(μm-1)以上、より好ましくは10-1(μm-1)以
上であればよい。このことを考慮すると、回折格子の結
合効率の観点からは、陽極の厚さは、サンプルAの場
合、好ましくは600nm以下、より好ましくは150nm以
下である。同様に、陽極の厚さは、サンプルBの場合、
好ましくは1000nm以下、より好ましくは250nm以下
である。
【0086】TE波とTM波との対比からの考察 −1;回折格子の結合効率 図6は、サンプルAおよびBについて求めた、TMモー
ドとTEモードでの結合効率の差(TE波の値−TM波
の値:Δc.c.)を陽極の厚さに対してプロットしたもの
である。この結合効率の差Δc.c.が大きいほど、偏光制
御が効率よく行われ、伝播モードがシャープなTE波の
みを効率的に取り出すことができる。
ドとTEモードでの結合効率の差(TE波の値−TM波
の値:Δc.c.)を陽極の厚さに対してプロットしたもの
である。この結合効率の差Δc.c.が大きいほど、偏光制
御が効率よく行われ、伝播モードがシャープなTE波の
みを効率的に取り出すことができる。
【0087】図6から、サンプルBは、結合効率の差Δ
c.c.が大きく、TE波を選択的に取り出すことができる
ことがわかる。
c.c.が大きく、TE波を選択的に取り出すことができる
ことがわかる。
【0088】−2;陰極での閉込め係数 図7は、サンプルAおよびBについて求めた、TMモー
ドとTEモードでの閉込め係数の差(TM波の値−TE
波の値:Δc.f.)を陽極の厚さに対してプロットしたも
のである。
ドとTEモードでの閉込め係数の差(TM波の値−TE
波の値:Δc.f.)を陽極の厚さに対してプロットしたも
のである。
【0089】この閉込め係数の差Δc.f.が大きいほど、
偏光制御が効率よく行われ、伝播モードがシャープなT
E波のみを効率的に取り出すことができる。
偏光制御が効率よく行われ、伝播モードがシャープなT
E波のみを効率的に取り出すことができる。
【0090】前述した理由から、閉込め係数の差Δc.f.
は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上であ
る。このことを考慮すると、陽極の厚さは、サンプルA
の場合、好ましくは350nm以下、より好ましくは200n
m以下である。同様に、陽極の厚さは、サンプルBの場
合、好ましくは700nm以下、より好ましくは350nm以
下である。
は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上であ
る。このことを考慮すると、陽極の厚さは、サンプルA
の場合、好ましくは350nm以下、より好ましくは200n
m以下である。同様に、陽極の厚さは、サンプルBの場
合、好ましくは700nm以下、より好ましくは350nm以
下である。
【0091】また、図7から、陽極の厚さが200nm以
下での場合では、サンプルA(n(ITO)>n(EL))
が好ましく、陽極の厚さが200nmより大きい場合で
は、サンプルA(n(ITO)>n(EL))が好ましいこ
とがわかる。
下での場合では、サンプルA(n(ITO)>n(EL))
が好ましく、陽極の厚さが200nmより大きい場合で
は、サンプルA(n(ITO)>n(EL))が好ましいこ
とがわかる。
【0092】以上述べた実施の形態では、発光層として
有機発光層を用いたものについて述べたが、有機発光層
の代わりに無機材料からなる発光層を用いてもよい。
有機発光層を用いたものについて述べたが、有機発光層
の代わりに無機材料からなる発光層を用いてもよい。
【図1】本発明の実施の形態に係る有機発光装置を模式
的に示す斜視図である。
的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す有機発光装置の要部を、A−A線に
沿って模式的に示す断面図である。
沿って模式的に示す断面図である。
【図3】本発明に係る発光装置の伝播モードを示す図で
ある。
ある。
【図4】本発明に係る発光装置について求めた、陽極の
厚さと陰極での光の閉込め係数との関係を示す図であ
る。
厚さと陰極での光の閉込め係数との関係を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る発光装置について求めた、陽極の
厚さと回折格子の結合効率との関係を示す図である。
厚さと回折格子の結合効率との関係を示す図である。
【図6】本発明に係る発光装置について求めた、陽極の
厚さと、TEモードとTMモードでの結合効率の差との
関係を示す図である。
厚さと、TEモードとTMモードでの結合効率の差との
関係を示す図である。
【図7】本発明に係る発光装置について求めた、陽極の
厚さと、TEモードとTMモードでの閉込め係数の差と
の関係を示す図である。
厚さと、TEモードとTMモードでの閉込め係数の差と
の関係を示す図である。
10 基板 12 陽極 14 回折格子 14a,14b 媒質層 16 有機発光層 18 陰極 100 コア層
Claims (20)
- 【請求項1】 基板と、 陽極と、 エレクトロルミネッセンスによって発光可能な発光層
と、 陰極と、 前記陽極と前記発光層との間に配置された回折格子と、
を含み、 前記陽極は、下記式(1)を満たす厚さTを有する、発
光装置。 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) ここで、λは出射光の波長を示し、T0は、波長λが550
nmのときの、回折格子の結合効率が10-2(μm-1)
以上となる陽極の厚さを示す。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記波長λは、450〜650nmの範囲にある、発光装置。
- 【請求項3】 請求項1または2において、 前記回折格子は、前記陽極を構成する材質からなる第1
の媒質層と前記発光層を構成する材質からなる第2の媒
質層とを有する、発光装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記陽極の屈折率n(anode)と、前記発光層の屈折率
n(EL)とが、 n(anode)>n(EL)の関係にあるとき、T0=600n
mである、発光装置。 - 【請求項5】 請求項4において、 T0=500nmである、発光装置。
- 【請求項6】 請求項4において、 T0=150nmである、発光装置。
- 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記陽極の屈折率n(anode)と、前記発光層の屈折率
n(EL)とが、 n(anode)<n(EL)の関係にあるとき、T0=1000n
mである、発光装置。 - 【請求項8】 請求項7において、 T0=250nmである、発光装置。
- 【請求項9】 450〜650nmの範囲の波長λの光を出射
できる発光装置であって、 基板と、 光学的に透明な陽極と、 エレクトロルミネッセンスによって発光可能な発光層
と、 陰極と、 前記陽極と前記発光層との間に配置され、前記陽極を構
成する材質からなる第1の媒質層と前記発光層を構成す
る材質からなる第2の媒質層とを有する回折格子と、を
含み、 前記陽極の屈折率n(anode)と、前記発光層の屈折率
n(EL)とが、 n(anode)>n(EL)の関係にあるとき、 前記陽極は、下記式(1)および(2)を満たす厚さT
を有する、発光装置。 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=600 …式(2) - 【請求項10】 請求項9において、 T0=500nmである、発光装置。
- 【請求項11】 請求項9において、 T0=150nmである、発光装置。
- 【請求項12】 450〜650nmの範囲の波長λの光を出
射できる発光装置であって、 基板と、 光学的に透明な陽極と、 エレクトロルミネッセンスによって発光可能な発光層
と、 陰極と、 前記陽極と前記発光層との間に配置され、前記陽極を構
成する材質からなる第1の媒質層と前記発光層を構成す
る材質からなる第2の媒質層とを有する回折格子と、を
含み、 前記陽極の屈折率n(anode)と、前記発光層の屈折率
n(EL)とが、 n(anode)<n(EL)の関係にあるとき、 前記陽極は、下記式(1)および(3)を満たす厚さT
を有する、発光装置。 T≦(λ/550)×T0(nm) …式(1) T0=1000 …式(3) - 【請求項13】 請求項12において、 T0=250nmである、発光装置。
- 【請求項14】 450〜650nmの範囲の波長λの光を出
射できる発光装置であって、 基板と、 光学的に透明な陽極と、 エレクトロルミネッセンスによって発光可能な発光層
と、 陰極と、 前記陽極と前記発光層との間に配置され、前記陽極を構
成する材質からなる第1の媒質層と前記発光層を構成す
る材質からなる第2の媒質層とを有する回折格子と、を
含み、 前記陽極は、波長λに応じて、最大の厚さが約820〜120
0nmである、発光装置。 - 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかにおいて、 前記発光層の厚さは、100〜1000nmである、発
光装置。 - 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかにおいて、 前記回折格子は、分布帰還型の回折格子である発光装
置。 - 【請求項17】 請求項16において、 前記回折格子は、λ/4位相シフト構造を有する発光装
置。 - 【請求項18】 請求項16において、 前記回折格子は、利得結合型構造を有する発光装置。
- 【請求項19】 請求項1〜15のいずれかにおいて、 前記回折格子は、分布ブラッグ反射型の回折格子である
発光装置。 - 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかにおいて、 前記発光層は、発光材料として有機発光材料を含む発光
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000112292A JP2001297874A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000112292A JP2001297874A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 発光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001297874A true JP2001297874A (ja) | 2001-10-26 |
Family
ID=18624487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000112292A Withdrawn JP2001297874A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 発光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001297874A (ja) |
-
2000
- 2000-04-13 JP JP2000112292A patent/JP2001297874A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070703 |