JP2001284504A - 熱伝導性シート用剥離フィルム及び熱伝導性シート - Google Patents
熱伝導性シート用剥離フィルム及び熱伝導性シートInfo
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- JP2001284504A JP2001284504A JP2000097920A JP2000097920A JP2001284504A JP 2001284504 A JP2001284504 A JP 2001284504A JP 2000097920 A JP2000097920 A JP 2000097920A JP 2000097920 A JP2000097920 A JP 2000097920A JP 2001284504 A JP2001284504 A JP 2001284504A
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- conductive sheet
- sheet
- heat
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱伝導性シートを硬くすることがなく、剥離
性面の形成のために塗布した時に均一に塗布することが
でき、熱伝導性シートを弱い力で簡単に剥離することが
でき、しかも、熱伝導性シートの放熱性に対して悪影響
を及ぼさないような熱伝導性シート用剥離フィルムを提
供すること。 【解決手段】 熱伝導性シートの作用面に積層して使用
されかつその熱伝導性シートの使用時に剥離除去が可能
な剥離フィルムにおいて、その熱伝導性シートの作用面
に接する面に、ワックス層が積層されているように構成
する。
性面の形成のために塗布した時に均一に塗布することが
でき、熱伝導性シートを弱い力で簡単に剥離することが
でき、しかも、熱伝導性シートの放熱性に対して悪影響
を及ぼさないような熱伝導性シート用剥離フィルムを提
供すること。 【解決手段】 熱伝導性シートの作用面に積層して使用
されかつその熱伝導性シートの使用時に剥離除去が可能
な剥離フィルムにおいて、その熱伝導性シートの作用面
に接する面に、ワックス層が積層されているように構成
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱伝導性シートに関
し、さらに詳しく述べると、電子部品等の伝熱媒体とし
て有用な熱伝導性シートと、その熱伝導性シートに使用
する剥離フィルムに関する。
し、さらに詳しく述べると、電子部品等の伝熱媒体とし
て有用な熱伝導性シートと、その熱伝導性シートに使用
する剥離フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発熱体から熱を取り除くというこ
とが、様々な分野において問題となっている。特に、例
えば電子デバイス、パーソナルコンピュータ等の各種の
デバイスにおいて、それらに内蔵される発熱性の電子部
品やその他の部品(以下、総称して「発熱性部品」と呼
ぶ)から熱を取り除くことが重要な問題となっている。
なぜなら、各種の発熱性部品において、部品の温度が上
昇するにつれてその部品が誤動作する確率が指数関数的
に高くなる傾向にあるからである。最近では、発熱性部
品がますます小型化し、また処理速度も高速化している
ので、放熱特性についての要求も一段と高くなってきて
いる。
とが、様々な分野において問題となっている。特に、例
えば電子デバイス、パーソナルコンピュータ等の各種の
デバイスにおいて、それらに内蔵される発熱性の電子部
品やその他の部品(以下、総称して「発熱性部品」と呼
ぶ)から熱を取り除くことが重要な問題となっている。
なぜなら、各種の発熱性部品において、部品の温度が上
昇するにつれてその部品が誤動作する確率が指数関数的
に高くなる傾向にあるからである。最近では、発熱性部
品がますます小型化し、また処理速度も高速化している
ので、放熱特性についての要求も一段と高くなってきて
いる。
【0003】現在のところ、発熱性部品からそこで発生
し、蓄積する熱を逃出させるため、例えばヒートシン
ク、放熱フィン、金属放熱板等の放熱体が発熱性部品に
取り付けられ、また、伝熱媒体として作用させるため、
各種の熱伝導性シートが発熱性部品と放熱体との間で、
伝熱スペーサとして用いられている。従来の熱伝導性シ
ートの多くは、シリコーンゴム又はシリコーンゲルに熱
伝導性を高める充填剤を配合したものであり、充填剤と
しては、例えば、アルミナ、シリカ(石英)、窒化硼
素、酸化マグネシウムなどが用いられている。具体例を
示すと、特開昭56−837号公報には、無機充填材と
シリコーンゴム等の合成ゴムとを主成分とする放熱シー
トであって、無機充填材が、(A)窒化硼素ならびに
(B)アルミナ、シリカ、マグネシア、亜鉛華及び雲母
の2成分からなることを特徴とする放熱シートが開示さ
れている。また、特開平7−111300号公報には、
1μm以上の厚みを有するボロンナイトライド粉末をシ
リコーンゴムに存在させてなることを特徴とする絶縁放
熱シートが開示されている。また、特開平7−1576
64号公報には、シリコーンゴムに対し、窒化硼素と、
窒化硼素と同じ結晶構造をもつセラミック材料又は塩基
性金属酸化物とを少なくとも含み、かつ織布にコーティ
ングされていることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴ
ムシートが開示されている。さらに、特開平10−20
4295号公報には、(A)特定のオルガノポリシロキ
サンと、(B)窒化硼素粉末と、(C)フッ素変性シリ
コーン界面活性剤と、(D)硬化剤とを含むことを特徴
とする、シートの成形に有用な熱伝導性シリコーンゴム
組成物が開示されている。
し、蓄積する熱を逃出させるため、例えばヒートシン
ク、放熱フィン、金属放熱板等の放熱体が発熱性部品に
取り付けられ、また、伝熱媒体として作用させるため、
各種の熱伝導性シートが発熱性部品と放熱体との間で、
伝熱スペーサとして用いられている。従来の熱伝導性シ
ートの多くは、シリコーンゴム又はシリコーンゲルに熱
伝導性を高める充填剤を配合したものであり、充填剤と
しては、例えば、アルミナ、シリカ(石英)、窒化硼
素、酸化マグネシウムなどが用いられている。具体例を
示すと、特開昭56−837号公報には、無機充填材と
シリコーンゴム等の合成ゴムとを主成分とする放熱シー
トであって、無機充填材が、(A)窒化硼素ならびに
(B)アルミナ、シリカ、マグネシア、亜鉛華及び雲母
の2成分からなることを特徴とする放熱シートが開示さ
れている。また、特開平7−111300号公報には、
1μm以上の厚みを有するボロンナイトライド粉末をシ
リコーンゴムに存在させてなることを特徴とする絶縁放
熱シートが開示されている。また、特開平7−1576
64号公報には、シリコーンゴムに対し、窒化硼素と、
窒化硼素と同じ結晶構造をもつセラミック材料又は塩基
性金属酸化物とを少なくとも含み、かつ織布にコーティ
ングされていることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴ
ムシートが開示されている。さらに、特開平10−20
4295号公報には、(A)特定のオルガノポリシロキ
サンと、(B)窒化硼素粉末と、(C)フッ素変性シリ
コーン界面活性剤と、(D)硬化剤とを含むことを特徴
とする、シートの成形に有用な熱伝導性シリコーンゴム
組成物が開示されている。
【0004】ところで、このようなシリコーンゴム又は
シリコーンゲルシートからなる熱伝導性シートにおい
て、その熱伝導性作用面を使用直前まで保護しておい
て、使用に際して剥離除去が可能な、熱伝導性用剥離フ
ィルム(リリースライナー)が通常用いられている。具
体的に説明すると、例えば、特開平9−207275号
公報には、付加反応硬化型シリコーン組成物を硬化させ
てなる、JIS K2207に規定される針入度が20
〜200であるシリコーンゲルシートにおいて、このシ
ートの片面に剥離性シリコーンゴム皮膜が形成されてい
ることを特徴とするシリコーンゲルシートが開示されて
いる。このシリコーンゲルシートにおいて、シリコーン
ゴム皮膜は、オルガノポリシロキサン系架橋剤、好まし
くは、1分子中に珪素原子結合水素原子及び(又は)ア
ルケニル基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキ
サンを薄膜状に塗布することによって形成することがで
きる。また、特開平10−183110号公報には、熱
伝導性充填剤配合のシリコーンゲル成形シートにおい
て、そのシート上下面の少なくとも片面表層部にゴム状
に硬化させた薄膜補強層を形成させたことを特徴とする
熱伝導性シリコーンゲル成形シートが開示されている。
この熱伝導性成形シートの場合、好ましくは、珪素原子
に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個含有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンを表面に塗布
したポリエステル(PET)フィルムを剥離性基材とし
て使用することができる。さらに、特開平11−199
690号公報には、樹脂フィルム表面にオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンオイルを均一に塗布してなる塗
布面と、アスカーC硬度が1〜80の付加硬化型の低硬
度熱伝導性シリコーンゴムシートを貼り合わせることに
より、該低硬度熱伝導性シリコーンゴムシートの表面に
オルガノハイドロジェンポリシロキサンオイルを供給
し、次いで該シート表面付近の架橋反応を行わせること
を特徴とする低硬度熱伝導性シリコーンゴムシートの表
面粘着性低減方法が開示されている。
シリコーンゲルシートからなる熱伝導性シートにおい
て、その熱伝導性作用面を使用直前まで保護しておい
て、使用に際して剥離除去が可能な、熱伝導性用剥離フ
ィルム(リリースライナー)が通常用いられている。具
体的に説明すると、例えば、特開平9−207275号
公報には、付加反応硬化型シリコーン組成物を硬化させ
てなる、JIS K2207に規定される針入度が20
〜200であるシリコーンゲルシートにおいて、このシ
ートの片面に剥離性シリコーンゴム皮膜が形成されてい
ることを特徴とするシリコーンゲルシートが開示されて
いる。このシリコーンゲルシートにおいて、シリコーン
ゴム皮膜は、オルガノポリシロキサン系架橋剤、好まし
くは、1分子中に珪素原子結合水素原子及び(又は)ア
ルケニル基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキ
サンを薄膜状に塗布することによって形成することがで
きる。また、特開平10−183110号公報には、熱
伝導性充填剤配合のシリコーンゲル成形シートにおい
て、そのシート上下面の少なくとも片面表層部にゴム状
に硬化させた薄膜補強層を形成させたことを特徴とする
熱伝導性シリコーンゲル成形シートが開示されている。
この熱伝導性成形シートの場合、好ましくは、珪素原子
に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個含有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンを表面に塗布
したポリエステル(PET)フィルムを剥離性基材とし
て使用することができる。さらに、特開平11−199
690号公報には、樹脂フィルム表面にオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンオイルを均一に塗布してなる塗
布面と、アスカーC硬度が1〜80の付加硬化型の低硬
度熱伝導性シリコーンゴムシートを貼り合わせることに
より、該低硬度熱伝導性シリコーンゴムシートの表面に
オルガノハイドロジェンポリシロキサンオイルを供給
し、次いで該シート表面付近の架橋反応を行わせること
を特徴とする低硬度熱伝導性シリコーンゴムシートの表
面粘着性低減方法が開示されている。
【0005】上記したような、シリコーンゲルをバイン
ダ樹脂として使用した熱伝導性シート(シリコーンゲル
シート)を製造する際に、オルガノポリシロキサン系コ
ーティング剤を薄膜状に塗布した剥離性基材を使用する
と、従来において常用の、そのようなコーティング剤を
有しない剥離性基材を使用して製造した熱伝導性シート
に比較して、シリコーンゲルシートの剥離力を軽減する
ことができる。ところで、ここで使用するオルガノポリ
シロキサン系コーティング剤は、その塗布量が微量であ
っても顕著な剥離力軽減効果を発揮することができる
が、得られるシリコーンゲルシートを硬くするという欠
点がある。また、シリコーンゲルシートが硬くなると、
凹凸や曲面等の特殊な形状に対する追従性が低下し、放
熱特性を低下するという欠点がある。さらに、上記した
ようなオルガノポリシロキサン系コーティング剤は、室
温では低粘度の液体であるため、それを基材上に塗布す
る際に撥じかれ易く、したがって、シリコーンゲルシー
トの硬度や剥離力にバラツキやムラを生じるという欠点
があり、シリコーンゲルシートの取扱作業性も低下す
る。
ダ樹脂として使用した熱伝導性シート(シリコーンゲル
シート)を製造する際に、オルガノポリシロキサン系コ
ーティング剤を薄膜状に塗布した剥離性基材を使用する
と、従来において常用の、そのようなコーティング剤を
有しない剥離性基材を使用して製造した熱伝導性シート
に比較して、シリコーンゲルシートの剥離力を軽減する
ことができる。ところで、ここで使用するオルガノポリ
シロキサン系コーティング剤は、その塗布量が微量であ
っても顕著な剥離力軽減効果を発揮することができる
が、得られるシリコーンゲルシートを硬くするという欠
点がある。また、シリコーンゲルシートが硬くなると、
凹凸や曲面等の特殊な形状に対する追従性が低下し、放
熱特性を低下するという欠点がある。さらに、上記した
ようなオルガノポリシロキサン系コーティング剤は、室
温では低粘度の液体であるため、それを基材上に塗布す
る際に撥じかれ易く、したがって、シリコーンゲルシー
トの硬度や剥離力にバラツキやムラを生じるという欠点
があり、シリコーンゲルシートの取扱作業性も低下す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来の技術の問題点を解消して、熱伝導性シ
ートの製造に使用した時に、得られるシートを硬くする
ことがなく、したがって、凹凸や曲面等の特殊な形状に
対する追従性が良好な熱伝導性シートを提供することが
でき、剥離性面の形成のために塗布した時に均一に塗布
することができ、したがって、均一な硬度及び剥離力を
具えた熱伝導性シートを提供することができ、また、熱
伝導性シートから弱い力で簡単に剥離することができ、
しかも、熱伝導性シートの放熱性に対して悪影響を及ぼ
さないような熱伝導性シート用剥離フィルムを提供する
ことにある。
したような従来の技術の問題点を解消して、熱伝導性シ
ートの製造に使用した時に、得られるシートを硬くする
ことがなく、したがって、凹凸や曲面等の特殊な形状に
対する追従性が良好な熱伝導性シートを提供することが
でき、剥離性面の形成のために塗布した時に均一に塗布
することができ、したがって、均一な硬度及び剥離力を
具えた熱伝導性シートを提供することができ、また、熱
伝導性シートから弱い力で簡単に剥離することができ、
しかも、熱伝導性シートの放熱性に対して悪影響を及ぼ
さないような熱伝導性シート用剥離フィルムを提供する
ことにある。
【0007】本発明のもう1つの目的は、備えている剥
離フィルムから弱い力で簡単に剥離することができ、し
かも、柔軟性があり、凹凸や曲面等の特殊な形状にも追
従可能であり、よって、高い密着性を保証することがで
き、さらには、厚みが減少してもシートに皺や破れ、あ
るいは伸びが発生せず、シート成形時の加工性に優れた
熱伝導性シートを提供することにある。
離フィルムから弱い力で簡単に剥離することができ、し
かも、柔軟性があり、凹凸や曲面等の特殊な形状にも追
従可能であり、よって、高い密着性を保証することがで
き、さらには、厚みが減少してもシートに皺や破れ、あ
るいは伸びが発生せず、シート成形時の加工性に優れた
熱伝導性シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
によれば、熱伝導性シートの作用面に積層して使用され
かつその熱伝導性シートの使用時に剥離除去が可能な剥
離フィルムであって、前記熱伝導性シートの作用面に接
する面に、ワックス層が積層されていることを特徴とす
る熱伝導性シート用剥離フィルムによって達成すること
ができる。ワックス層には、オルガノポリシロキサンが
含まれていることが好ましい。
によれば、熱伝導性シートの作用面に積層して使用され
かつその熱伝導性シートの使用時に剥離除去が可能な剥
離フィルムであって、前記熱伝導性シートの作用面に接
する面に、ワックス層が積層されていることを特徴とす
る熱伝導性シート用剥離フィルムによって達成すること
ができる。ワックス層には、オルガノポリシロキサンが
含まれていることが好ましい。
【0009】また、本発明によれば、支持体と、その支
持体の少なくとも片面に施された熱伝導性樹脂層とを含
み、オルガノポリシロキサンを含有するワックス層が積
層された剥離シートを備え、前記ワックス層が前記熱伝
導性樹脂層に接していることを特徴とする熱伝導性シー
トも提供される。
持体の少なくとも片面に施された熱伝導性樹脂層とを含
み、オルガノポリシロキサンを含有するワックス層が積
層された剥離シートを備え、前記ワックス層が前記熱伝
導性樹脂層に接していることを特徴とする熱伝導性シー
トも提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による剥離フィルムは、特
に熱伝導性シートのために設計されたものであって、通
常、その熱伝導性シートの作用面を保護可能でありか
つ、その熱伝導性シートの使用時、作用面を露出させる
ために剥離除去が可能である。本発明による剥離フィル
ムは、慣用の剥離フィルムにおいて一般的なように基材
を有していて、その基材の片面に、すなわち、熱伝導性
シートの作用面に接する面に、好ましくはオルガノポリ
シロキサンを含有するワックス層が積層されている。以
下に詳細に説明するけれども、本発明に従い剥離フィル
ムの最上層にワックス層を積層するとともに、そのワッ
クス層にオルガノポリシロキサンを含ませることによっ
て、熱伝導性シートの剥離フィルムからの剥離を軽くす
ることができる。
に熱伝導性シートのために設計されたものであって、通
常、その熱伝導性シートの作用面を保護可能でありか
つ、その熱伝導性シートの使用時、作用面を露出させる
ために剥離除去が可能である。本発明による剥離フィル
ムは、慣用の剥離フィルムにおいて一般的なように基材
を有していて、その基材の片面に、すなわち、熱伝導性
シートの作用面に接する面に、好ましくはオルガノポリ
シロキサンを含有するワックス層が積層されている。以
下に詳細に説明するけれども、本発明に従い剥離フィル
ムの最上層にワックス層を積層するとともに、そのワッ
クス層にオルガノポリシロキサンを含ませることによっ
て、熱伝導性シートの剥離フィルムからの剥離を軽くす
ることができる。
【0011】また、室温では粘度の低い液体(通常、5
Pa.sもしくはそれ以下の粘度を有する液体)であるオル
ガノポリシロキサンをそのままの状態で剥離フィルムの
基材に塗布した場合には、従来の技術の項においてすで
に説明したように、塗布液のハジキ等によって不均一な
液滴になってしまい、結果として剥離力のムラや熱伝導
性シートの硬度の部分的なムラが生じるという問題があ
った。ところが、本発明に従いオルガノポリシロキサン
をワックス層中に分散させた場合には、そのワックスが
バインダ(結合剤)として機能し得るので、オルガノポ
リシロキサンを均一に剥離フィルム上に固定することが
でき、結果として均一な剥離力を有しかつ硬度ムラのな
い熱伝導性シートの提供を保証することができ、また、
それと同時に、オルガノポリシロキサンを比較的に少量
で添加しただけでそのような作用効果を十分に発現させ
ることができる。
Pa.sもしくはそれ以下の粘度を有する液体)であるオル
ガノポリシロキサンをそのままの状態で剥離フィルムの
基材に塗布した場合には、従来の技術の項においてすで
に説明したように、塗布液のハジキ等によって不均一な
液滴になってしまい、結果として剥離力のムラや熱伝導
性シートの硬度の部分的なムラが生じるという問題があ
った。ところが、本発明に従いオルガノポリシロキサン
をワックス層中に分散させた場合には、そのワックスが
バインダ(結合剤)として機能し得るので、オルガノポ
リシロキサンを均一に剥離フィルム上に固定することが
でき、結果として均一な剥離力を有しかつ硬度ムラのな
い熱伝導性シートの提供を保証することができ、また、
それと同時に、オルガノポリシロキサンを比較的に少量
で添加しただけでそのような作用効果を十分に発現させ
ることができる。
【0012】さらに、本発明に従うと熱伝導性シートの
作用面にワックス層が接する構成が採用されるけれど
も、ワックス層に使用されているワックスは、熱伝導性
シートを構成するシリコーンゲルを硬化(キュア)させ
る際に、あるいは熱伝導性シートを使用する際に、その
熱伝導性シートに直接的又は間接的に加えられた熱によ
って融解せしめられ、シリコーンゲルの内部に部分的に
吸収されるので、熱伝導性シートの表面で熱抵抗体とな
って放熱特性を悪化させることがなく、したがって、優
れた放熱特性を具えた熱伝導性シートを提供することが
できる。
作用面にワックス層が接する構成が採用されるけれど
も、ワックス層に使用されているワックスは、熱伝導性
シートを構成するシリコーンゲルを硬化(キュア)させ
る際に、あるいは熱伝導性シートを使用する際に、その
熱伝導性シートに直接的又は間接的に加えられた熱によ
って融解せしめられ、シリコーンゲルの内部に部分的に
吸収されるので、熱伝導性シートの表面で熱抵抗体とな
って放熱特性を悪化させることがなく、したがって、優
れた放熱特性を具えた熱伝導性シートを提供することが
できる。
【0013】本発明の熱伝導性シート用剥離フィルム
は、いろいろな層構成を有することができるけれども、
通常、基材と、その基材の少なくとも片面に、それぞれ
最上層として積層されたワックス層とを有しているのが
好ましい。ワックス層は、従来の剥離フィルムの剥離剤
層(例えば、シリコーン架橋皮膜)に対応している。基
材とワックス層との間には、必要に応じて、剥離フィル
ムの分野において常用の任意の中間層が介在していても
よい。
は、いろいろな層構成を有することができるけれども、
通常、基材と、その基材の少なくとも片面に、それぞれ
最上層として積層されたワックス層とを有しているのが
好ましい。ワックス層は、従来の剥離フィルムの剥離剤
層(例えば、シリコーン架橋皮膜)に対応している。基
材とワックス層との間には、必要に応じて、剥離フィル
ムの分野において常用の任意の中間層が介在していても
よい。
【0014】本発明の剥離フィルムにおいて、基材は、
一般的に、フレキシブルなプラスチックフィルムから形
成することができる。この基材は、場合によって、その
表面にすでに所定レベルの剥離性が付与されていてもよ
く、さもなければ、その基材自体が剥離性を有していて
もよい。基材として適当なプラスチックフィルムの例
は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれ
ども、ポリオレフィンフィルム、例えば、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルムなど、ポリエステル
フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムなどを挙げることができる。このような基
材は、必要に応じて、2種類もしくはそれ以上のフィル
ムを積層した複合基材であってもよい。また、必要に応
じて、このようなプラスチック製の基材に代えて、紙や
それに類する天然産出の基材を使用してもよく、また、
そのような場合には、剥離処理の補助のため、ポリエチ
レンコートなどの目止め処理を施すことが好ましい。
一般的に、フレキシブルなプラスチックフィルムから形
成することができる。この基材は、場合によって、その
表面にすでに所定レベルの剥離性が付与されていてもよ
く、さもなければ、その基材自体が剥離性を有していて
もよい。基材として適当なプラスチックフィルムの例
は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれ
ども、ポリオレフィンフィルム、例えば、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルムなど、ポリエステル
フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムなどを挙げることができる。このような基
材は、必要に応じて、2種類もしくはそれ以上のフィル
ムを積層した複合基材であってもよい。また、必要に応
じて、このようなプラスチック製の基材に代えて、紙や
それに類する天然産出の基材を使用してもよく、また、
そのような場合には、剥離処理の補助のため、ポリエチ
レンコートなどの目止め処理を施すことが好ましい。
【0015】基材の厚さは、それを使用した剥離フィル
ムの詳細や剥離フィルムが適用される熱伝導性シートの
詳細などによって広い範囲で変更することができるとい
うものの、通常、10〜200μm の範囲であるのが好
ましい。基材の厚さが10μm を下回ると、得られる剥
離フィルムにコシがなくなって取扱作業性が低下するば
かりでなく、熱伝導性シートから剥離する際にその熱伝
導性シートに破れや剥離残を生じることがある。反対
に、基材の厚さが200μm を上回ると、ゴワゴワした
状態となって取扱作業性が低下するばかりでなく、凹凸
等の形状に対する追従性が低下する。
ムの詳細や剥離フィルムが適用される熱伝導性シートの
詳細などによって広い範囲で変更することができるとい
うものの、通常、10〜200μm の範囲であるのが好
ましい。基材の厚さが10μm を下回ると、得られる剥
離フィルムにコシがなくなって取扱作業性が低下するば
かりでなく、熱伝導性シートから剥離する際にその熱伝
導性シートに破れや剥離残を生じることがある。反対
に、基材の厚さが200μm を上回ると、ゴワゴワした
状態となって取扱作業性が低下するばかりでなく、凹凸
等の形状に対する追従性が低下する。
【0016】本発明に従い基材上に積層されるワックス
層は、各種のワックスから構成されることが好ましい。
ここで使用するワックスは、特に、50〜110℃の融
点を有するワックスが好適である。このようなワックス
は、シリコーンゲルの加熱硬化時あるいは熱伝導性シー
トの加熱時にその熱によって融解せしめられ、シリコー
ンゲルの内部に効果的に吸収され得るからである。この
ようなワックスの例としては、以下に列挙するものに限
定されるわけではないけれども、パラフィンワックス、
カルバナワックス、ライスワックス、キャンデリラワッ
クス、ジャパンワックス等の天然ワックス及びこれらを
変性したもの、あるいは、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、ペトロタラム等の石油ワック
ス、あるいは、フィッシャー・トロプシュワックス、ポ
リエチレンワックス、ポリエステルワックス等の合成ワ
ックスなどを挙げることができる。とりわけポリオレフ
ィン系のワックスを有利に使用できる。
層は、各種のワックスから構成されることが好ましい。
ここで使用するワックスは、特に、50〜110℃の融
点を有するワックスが好適である。このようなワックス
は、シリコーンゲルの加熱硬化時あるいは熱伝導性シー
トの加熱時にその熱によって融解せしめられ、シリコー
ンゲルの内部に効果的に吸収され得るからである。この
ようなワックスの例としては、以下に列挙するものに限
定されるわけではないけれども、パラフィンワックス、
カルバナワックス、ライスワックス、キャンデリラワッ
クス、ジャパンワックス等の天然ワックス及びこれらを
変性したもの、あるいは、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、ペトロタラム等の石油ワック
ス、あるいは、フィッシャー・トロプシュワックス、ポ
リエチレンワックス、ポリエステルワックス等の合成ワ
ックスなどを挙げることができる。とりわけポリオレフ
ィン系のワックスを有利に使用できる。
【0017】ワックス層には、本発明に従いオルガノポ
リシロキサンが添加されていて、そのワックスによって
相互に結合せしめられていることが必要である。本発明
の実施において適当なオルガノポリシロキサンは、特
に、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくと
も2個有するオルガノポリシロキサンである。このよう
なオルガノポリシロキサンは、通常、1〜100重量%
の量でワックス層中に含まれていることが好ましい。本
発明では、このように少量のオルガノポリシロキサンの
添加で、何らの問題も生じることなく高レベルの剥離作
用を達成することができる。
リシロキサンが添加されていて、そのワックスによって
相互に結合せしめられていることが必要である。本発明
の実施において適当なオルガノポリシロキサンは、特
に、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくと
も2個有するオルガノポリシロキサンである。このよう
なオルガノポリシロキサンは、通常、1〜100重量%
の量でワックス層中に含まれていることが好ましい。本
発明では、このように少量のオルガノポリシロキサンの
添加で、何らの問題も生じることなく高レベルの剥離作
用を達成することができる。
【0018】ワックス層には、上記したオルガノポリシ
ロキサンに追加して、任意の添加剤を分散させてもよ
い。適当な添加剤は、例えば、熱伝導性フィラーであ
る。このようなフィラーを添加することによって、熱伝
導性をさらに向上させることができると同時に、剥離フ
ィルムをロール状に巻き取るような場合に、フィルムど
うしのブロッキングが発生するのを防止することができ
る。
ロキサンに追加して、任意の添加剤を分散させてもよ
い。適当な添加剤は、例えば、熱伝導性フィラーであ
る。このようなフィラーを添加することによって、熱伝
導性をさらに向上させることができると同時に、剥離フ
ィルムをロール状に巻き取るような場合に、フィルムど
うしのブロッキングが発生するのを防止することができ
る。
【0019】ワックス層の厚さは、所望とする効果など
に応じて広い範囲で変更することができるというもの
の、通常、0.5〜50μm の範囲である。ワックス層
の厚さが0.5μm を下回ると、ワックス層が完全にシ
リコーンゲル層に吸収されてしまうので、剥離力を低減
する作用が低くなってしまう。反対に、ワックス層の厚
さが50μm を上回ると、ワックス層がシリコーンゲル
シートの上で完全な皮膜として残留してしまうので、熱
抵抗体となり、放熱特性を悪化させてしまう。
に応じて広い範囲で変更することができるというもの
の、通常、0.5〜50μm の範囲である。ワックス層
の厚さが0.5μm を下回ると、ワックス層が完全にシ
リコーンゲル層に吸収されてしまうので、剥離力を低減
する作用が低くなってしまう。反対に、ワックス層の厚
さが50μm を上回ると、ワックス層がシリコーンゲル
シートの上で完全な皮膜として残留してしまうので、熱
抵抗体となり、放熱特性を悪化させてしまう。
【0020】本発明による剥離フィルムは、特に熱伝導
性シートに対して有利に適用することができる。本発明
の実施において使用することのできる熱伝導性シート
は、特にその構成が限定されるものではないが、基材
と、その基材の少なくとも片面に施された熱伝導性樹脂
層とを含むように構成されていることが好ましい。本発
明の実施において、熱伝導性シートは、支持体と、熱伝
導性樹脂層とを構成要素として有しており、その際、熱
伝導性樹脂層は、支持体の片面のみに形成されていても
よく、さもなければ、支持体の両面に形成されていても
よい。熱伝導性樹脂層を支持体の片面に形成するか、さ
もなければ両面に形成するかは、目的とする熱伝導性シ
ートの用途やその製造工程、その他のファクターに応じ
て任意に決定することができる。取扱作業性などを考慮
した場合、通常、支持体の片面のみに熱伝導性樹脂層を
形成することが好ましく、また、その際、支持体の厚さ
はできる限り薄くするのが好ましい。また、本発明の熱
伝導性シートに組み込まれる熱伝導性樹脂層は、少なく
とも、バインダ樹脂と、バインダ樹脂中に分散せしめら
れた熱伝導性充填材とを含むようにして構成される。さ
らに、熱伝導性樹脂層は、支持体で支承する代りに、例
えば、2枚の剥離ライナーでサンドイッチするなどして
もよい。以下、本発明の好ましい実施の形態をこのよう
な構成要素のそれぞれを参照しながら説明する。
性シートに対して有利に適用することができる。本発明
の実施において使用することのできる熱伝導性シート
は、特にその構成が限定されるものではないが、基材
と、その基材の少なくとも片面に施された熱伝導性樹脂
層とを含むように構成されていることが好ましい。本発
明の実施において、熱伝導性シートは、支持体と、熱伝
導性樹脂層とを構成要素として有しており、その際、熱
伝導性樹脂層は、支持体の片面のみに形成されていても
よく、さもなければ、支持体の両面に形成されていても
よい。熱伝導性樹脂層を支持体の片面に形成するか、さ
もなければ両面に形成するかは、目的とする熱伝導性シ
ートの用途やその製造工程、その他のファクターに応じ
て任意に決定することができる。取扱作業性などを考慮
した場合、通常、支持体の片面のみに熱伝導性樹脂層を
形成することが好ましく、また、その際、支持体の厚さ
はできる限り薄くするのが好ましい。また、本発明の熱
伝導性シートに組み込まれる熱伝導性樹脂層は、少なく
とも、バインダ樹脂と、バインダ樹脂中に分散せしめら
れた熱伝導性充填材とを含むようにして構成される。さ
らに、熱伝導性樹脂層は、支持体で支承する代りに、例
えば、2枚の剥離ライナーでサンドイッチするなどして
もよい。以下、本発明の好ましい実施の形態をこのよう
な構成要素のそれぞれを参照しながら説明する。
【0021】熱伝導性樹脂層は、熱伝導性シートの製造
においてバインダ樹脂あるいは結着樹脂として常用の各
種のバインダ樹脂を主剤として使用して形成することが
できる。熱伝導性樹脂層の形成において主剤として好適
なバインダ樹脂は、以下に列挙するものに限定されるわ
けではないけれども、シリコーンゲルや、シリコーンゴ
ムのような二液硬化型の樹脂、合成ゴム系の樹脂、アク
リル系の熱可塑性樹脂などである。とりわけ、熱伝導性
樹脂層を基材上で成膜することやその際に使用する成膜
法などを考慮にいれた場合、二液硬化型のシリコーンゲ
ルやシリコーンゴムを有利に使用することができる。
においてバインダ樹脂あるいは結着樹脂として常用の各
種のバインダ樹脂を主剤として使用して形成することが
できる。熱伝導性樹脂層の形成において主剤として好適
なバインダ樹脂は、以下に列挙するものに限定されるわ
けではないけれども、シリコーンゲルや、シリコーンゴ
ムのような二液硬化型の樹脂、合成ゴム系の樹脂、アク
リル系の熱可塑性樹脂などである。とりわけ、熱伝導性
樹脂層を基材上で成膜することやその際に使用する成膜
法などを考慮にいれた場合、二液硬化型のシリコーンゲ
ルやシリコーンゴムを有利に使用することができる。
【0022】二液硬化型のシリコーンゲルやシリコーン
ゴムは、様々な樹脂を包含するけれども、本発明の実施
にあたっては、揮発分を含まず、二液混合後のポットラ
イフが製造に支障をきたさない程度に十分に長く、硬化
時間が実用的な範囲内、具体的には数分間から数時間の
範囲であり、しかも硬化後の樹脂が十分な柔らかさを示
すことができるという要件が満たされる限り、いずれの
二液硬化型の樹脂も使用可能である。熱伝導性シートに
要求される柔軟性を実現するためには、広い温度範囲で
柔らかいことから、シリコーンゲルを最も有利に使用す
ることができる。
ゴムは、様々な樹脂を包含するけれども、本発明の実施
にあたっては、揮発分を含まず、二液混合後のポットラ
イフが製造に支障をきたさない程度に十分に長く、硬化
時間が実用的な範囲内、具体的には数分間から数時間の
範囲であり、しかも硬化後の樹脂が十分な柔らかさを示
すことができるという要件が満たされる限り、いずれの
二液硬化型の樹脂も使用可能である。熱伝導性シートに
要求される柔軟性を実現するためには、広い温度範囲で
柔らかいことから、シリコーンゲルを最も有利に使用す
ることができる。
【0023】さらに具体的に説明すると、シリコーンゲ
ルは、一般的に、アルケニル基を有するオルガノポリシ
ロキサン及び珪素結合水素原子を有するオルガノポリシ
ロキサンを主成分として構成されるもので、付加反応硬
化型シリコーン組成物として商業的に入手可能である。
バインダ樹脂と組み合わせて熱伝導性樹脂層の形成に用
いられる充填材は、それをバインダ樹脂中に均一に分散
させて所望とするレベルの熱伝導性を具えた熱伝導性樹
脂層を提供することができる限り、特に限定されるもの
ではない。熱伝導性シートの製造に充填材として一般的
に使用されている各種の材料を本発明の実施においても
使用することができる。適当な充填材としては、以下に
列挙するものに限定されるわけではないけれども、例え
ば、無機材料、好ましくはセラミック材料、例えば炭化
珪素、窒化硼素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム
などを挙げることができる。このような無機の充填材
は、通常、粒子の形態で有利に使用することができる。
ルは、一般的に、アルケニル基を有するオルガノポリシ
ロキサン及び珪素結合水素原子を有するオルガノポリシ
ロキサンを主成分として構成されるもので、付加反応硬
化型シリコーン組成物として商業的に入手可能である。
バインダ樹脂と組み合わせて熱伝導性樹脂層の形成に用
いられる充填材は、それをバインダ樹脂中に均一に分散
させて所望とするレベルの熱伝導性を具えた熱伝導性樹
脂層を提供することができる限り、特に限定されるもの
ではない。熱伝導性シートの製造に充填材として一般的
に使用されている各種の材料を本発明の実施においても
使用することができる。適当な充填材としては、以下に
列挙するものに限定されるわけではないけれども、例え
ば、無機材料、好ましくはセラミック材料、例えば炭化
珪素、窒化硼素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム
などを挙げることができる。このような無機の充填材
は、通常、粒子の形態で有利に使用することができる。
【0024】無機の充填材の粒子は、単独で使用するこ
とができるけれども、2種類もしくはそれ以上の、互い
に粒径を異にする無機の同一もしくは異なる充填材の粒
子を混合等で組み合わせて使用するのがさらに有利であ
る。とりわけ、一方の充填材粒子が、両者を比較した場
合に比表面積が小さく、すなわち、比較的に大きな粒径
を有する炭化珪素の粒子であり、他方の充填材粒子が、
炭化珪素の粒子に比較してより小さな粒径を有する窒化
硼素の粒子である場合の組み合わせが、熱伝導性と経済
性の優れた両立が可能であるので、最も有利である。も
ちろん、必要に応じて、互いに粒径を異にする炭化珪素
の粒子を使用してもよく、さもなければ、互いに粒径を
異にする窒化硼素の粒子だけを使用してもよい。なお、
「粒子」とは、それを本願明細書において使用した場
合、広義で使用されており、したがって、一般に粒子と
呼ばれるもののほか、粉末、粉体などと呼ばれるものも
包含する。
とができるけれども、2種類もしくはそれ以上の、互い
に粒径を異にする無機の同一もしくは異なる充填材の粒
子を混合等で組み合わせて使用するのがさらに有利であ
る。とりわけ、一方の充填材粒子が、両者を比較した場
合に比表面積が小さく、すなわち、比較的に大きな粒径
を有する炭化珪素の粒子であり、他方の充填材粒子が、
炭化珪素の粒子に比較してより小さな粒径を有する窒化
硼素の粒子である場合の組み合わせが、熱伝導性と経済
性の優れた両立が可能であるので、最も有利である。も
ちろん、必要に応じて、互いに粒径を異にする炭化珪素
の粒子を使用してもよく、さもなければ、互いに粒径を
異にする窒化硼素の粒子だけを使用してもよい。なお、
「粒子」とは、それを本願明細書において使用した場
合、広義で使用されており、したがって、一般に粒子と
呼ばれるもののほか、粉末、粉体などと呼ばれるものも
包含する。
【0025】以下の説明に限定されるものではないけれ
ども、本発明のさらなる理解のために説明すると、バイ
ンダ樹脂がシリコーンゲルであり、それに分散せしめら
れる無機の充填材が大粒径の炭化珪素粒子と小粒径の窒
化硼素粒子の組み合わせである場合、次のような顕著な
作用効果を得ることができる。上記したような2種類の
充填材粒子を組み合わせて使用しかつそれらの粒子の配
合比率を制御することにより、それぞれの粒子の特性を
十分に発現させることができ、よって、シリコーンゲル
の柔らかさを損なうことなく、熱伝導率を高め、かつシ
ート成形時の加工性を向上させることができる。実際、
このようにして得られる熱伝導性シートは、従来のシリ
コーンゴム製の熱伝導性シートと比較して格段に優れた
柔軟性を示すことができる。また、これらの2種類の粒
子をシリコーンゲル中に分散させる時に、大きな炭化珪
素の粒子の分布によって粒子間に生じた間隙に小さな窒
化硼素の粒子を埋め込むようにして緊密に充填すること
ができるので、このような面からも、熱伝導性の向上や
その他の効果に大きく寄与することができる。
ども、本発明のさらなる理解のために説明すると、バイ
ンダ樹脂がシリコーンゲルであり、それに分散せしめら
れる無機の充填材が大粒径の炭化珪素粒子と小粒径の窒
化硼素粒子の組み合わせである場合、次のような顕著な
作用効果を得ることができる。上記したような2種類の
充填材粒子を組み合わせて使用しかつそれらの粒子の配
合比率を制御することにより、それぞれの粒子の特性を
十分に発現させることができ、よって、シリコーンゲル
の柔らかさを損なうことなく、熱伝導率を高め、かつシ
ート成形時の加工性を向上させることができる。実際、
このようにして得られる熱伝導性シートは、従来のシリ
コーンゴム製の熱伝導性シートと比較して格段に優れた
柔軟性を示すことができる。また、これらの2種類の粒
子をシリコーンゲル中に分散させる時に、大きな炭化珪
素の粒子の分布によって粒子間に生じた間隙に小さな窒
化硼素の粒子を埋め込むようにして緊密に充填すること
ができるので、このような面からも、熱伝導性の向上や
その他の効果に大きく寄与することができる。
【0026】第1の充填材である炭化珪素の粒子は、従
来のシリコーンゴム製の熱伝導性シートにおいても充填
材として使用されていたものである。一般的には、工業
分野において研磨材として用いられているタイプの炭化
珪素の粒子を本発明の実施において有利に使用すること
ができる。炭化珪素粒子の形状は特に限定されるもので
はなく、例えば、球状、平板状などの粒子であることが
できる。また、かかる炭化珪素粒子の寸法は、所望とす
る効果や同時に使用する窒化硼素粒子の寸法などに応じ
て広く変更することができるというものの、通常、1〜
200μmの範囲であることが好ましく、さらに好まし
くは、10〜100μmの範囲である。炭化珪素粒子
は、その他の充填材粒子に比較して比表面積が非常に小
さいので、これを窒化硼素粒子と組み合わせて使用した
場合、先にも説明したように充填材粒子の充填密度を最
高レベルに高め、かつ熱伝導率の顕著な向上も図ること
ができる。
来のシリコーンゴム製の熱伝導性シートにおいても充填
材として使用されていたものである。一般的には、工業
分野において研磨材として用いられているタイプの炭化
珪素の粒子を本発明の実施において有利に使用すること
ができる。炭化珪素粒子の形状は特に限定されるもので
はなく、例えば、球状、平板状などの粒子であることが
できる。また、かかる炭化珪素粒子の寸法は、所望とす
る効果や同時に使用する窒化硼素粒子の寸法などに応じ
て広く変更することができるというものの、通常、1〜
200μmの範囲であることが好ましく、さらに好まし
くは、10〜100μmの範囲である。炭化珪素粒子
は、その他の充填材粒子に比較して比表面積が非常に小
さいので、これを窒化硼素粒子と組み合わせて使用した
場合、先にも説明したように充填材粒子の充填密度を最
高レベルに高め、かつ熱伝導率の顕著な向上も図ること
ができる。
【0027】第2の充填材である窒化硼素の粒子も、従
来のシリコーンゴム製の熱伝導性シートにおいても充填
材として使用されていたものである。窒化硼素の粒子は
いろいろなタイプの粒子を包含するけれども、一般的に
は、その優れた熱伝導性の面から、六方晶の窒化硼素の
粒子を使用することが好ましい。窒化硼素粒子の形状は
特に限定されるものではなく、例えば、球状、平板状な
どの粒子であることができる。また、かかる窒化硼素粒
子の寸法は、所望とする効果や同時に使用する炭化珪素
粒子の寸法などに応じて広く変更することができるとい
うものの、通常、1〜200μmの範囲であることが好
ましく、さらに好ましくは、10〜100μmの範囲で
ある。一例を示すと、炭化珪素粒子の寸法が例えば50
μmであるある場合、同時に使用する窒化硼素粒子の寸
法は、50μmを下回っており、例えば10μm以上5
0μm未満であることが好ましい。なお、ここでいう
「粒径」は、いずれも平均値であり、粒径にはばらつき
があるという粒子の性格上、本発明の実施において、一
部には予め規定される寸法を外れる粒子が使用されても
よい。
来のシリコーンゴム製の熱伝導性シートにおいても充填
材として使用されていたものである。窒化硼素の粒子は
いろいろなタイプの粒子を包含するけれども、一般的に
は、その優れた熱伝導性の面から、六方晶の窒化硼素の
粒子を使用することが好ましい。窒化硼素粒子の形状は
特に限定されるものではなく、例えば、球状、平板状な
どの粒子であることができる。また、かかる窒化硼素粒
子の寸法は、所望とする効果や同時に使用する炭化珪素
粒子の寸法などに応じて広く変更することができるとい
うものの、通常、1〜200μmの範囲であることが好
ましく、さらに好ましくは、10〜100μmの範囲で
ある。一例を示すと、炭化珪素粒子の寸法が例えば50
μmであるある場合、同時に使用する窒化硼素粒子の寸
法は、50μmを下回っており、例えば10μm以上5
0μm未満であることが好ましい。なお、ここでいう
「粒径」は、いずれも平均値であり、粒径にはばらつき
があるという粒子の性格上、本発明の実施において、一
部には予め規定される寸法を外れる粒子が使用されても
よい。
【0028】また、このような複合充填材粒子におい
て、炭化珪素粒子と窒化硼素粒子の混合比は、所望とす
る効果などに応じて広く変更することができる。一般的
には、100体積部の窒化硼素粒子に対して炭化珪素粒
子が100〜800体積部の量で混合されるような範囲
であることが好ましく、さらに好ましくは、100体積
部の窒化硼素粒子に対して炭化珪素粒子が150〜70
0体積部の量で混合されるような範囲である。炭化珪素
粒子の混合量が100体積部を下回るようになると、混
合された充填材粒子の比表面積が増大するために、シリ
コーンゲルに対する充填材の最高充填率が低くなり、十
分な熱伝導率が得られなくなる。反対に、炭化珪素粒子
の混合量が800体積部を上回るようになると、熱伝導
率の高い窒化硼素粒子の混合比率が小さくなるため、十
分な熱伝導率が得られなくなる。
て、炭化珪素粒子と窒化硼素粒子の混合比は、所望とす
る効果などに応じて広く変更することができる。一般的
には、100体積部の窒化硼素粒子に対して炭化珪素粒
子が100〜800体積部の量で混合されるような範囲
であることが好ましく、さらに好ましくは、100体積
部の窒化硼素粒子に対して炭化珪素粒子が150〜70
0体積部の量で混合されるような範囲である。炭化珪素
粒子の混合量が100体積部を下回るようになると、混
合された充填材粒子の比表面積が増大するために、シリ
コーンゲルに対する充填材の最高充填率が低くなり、十
分な熱伝導率が得られなくなる。反対に、炭化珪素粒子
の混合量が800体積部を上回るようになると、熱伝導
率の高い窒化硼素粒子の混合比率が小さくなるため、十
分な熱伝導率が得られなくなる。
【0029】本発明の実施において、シリコーンゲルや
その他のバインダ樹脂に対する熱伝導性充填材の混合
は、所望とする効果などに応じて充填材の量をいろいろ
に変更して実施することができる。一般的には、バイン
ダ樹脂と充填材の混合比は、100体積部のバインダ樹
脂に対して充填材が90〜150体積部の量で混合され
るような範囲であることが好ましく、さらに好ましく
は、100体積部のバインダ樹脂に対して充填材が10
0〜140体積部の量で混合されるような範囲である。
充填材の混合量が90体積部を下回るようになると、熱
伝導率が低くなりすぎ、また、反対に140体積部を上
回るようになると、バインダ樹脂と充填材の混合及び熱
伝導性シートの成形が極めて困難になるばかりか、得ら
れるシートも非常に脆くなり、実使用に耐えられない。
その他のバインダ樹脂に対する熱伝導性充填材の混合
は、所望とする効果などに応じて充填材の量をいろいろ
に変更して実施することができる。一般的には、バイン
ダ樹脂と充填材の混合比は、100体積部のバインダ樹
脂に対して充填材が90〜150体積部の量で混合され
るような範囲であることが好ましく、さらに好ましく
は、100体積部のバインダ樹脂に対して充填材が10
0〜140体積部の量で混合されるような範囲である。
充填材の混合量が90体積部を下回るようになると、熱
伝導率が低くなりすぎ、また、反対に140体積部を上
回るようになると、バインダ樹脂と充填材の混合及び熱
伝導性シートの成形が極めて困難になるばかりか、得ら
れるシートも非常に脆くなり、実使用に耐えられない。
【0030】熱伝導性樹脂層は、上記したバインダ樹脂
及び熱伝導性充填材に追加して、任意の添加剤を必要に
応じて含有していてもよい。適当な添加剤として、例え
ば、界面活性剤、難燃剤、ウィスカー、繊維状充填材な
どを挙げることができる。熱伝導性樹脂層は、コーティ
ング法、シート成形法等の常用の成膜法を使用して、所
定の厚さで形成することができる。とりわけ、以下に具
体的に説明するように、シート成形法を有利に使用する
ことができる。すなわち、上記したような各種の層構成
成分を同時にあるいは任意の順序で段階的に混練し、得
られた混練物、すなわち、成膜用樹脂組成物、好ましく
は熱伝導性のコンパウンドをシート成形機などで支持体
上にシートの形状で成形することができる。また、この
シート成形の際、支持体をその支持体とは別の支持体
(本発明では、このような支持体を、特に「支持基板」
と呼ぶ)上に保持した状態で、その支持体の表面に成膜
用樹脂組成物を施すことが好ましい。さらに、このよう
なシート成形に際して、以下において説明するように、
支持基板上の支持体と前記剥離フィルムとの間に成膜用
樹脂組成物を挟み込んで、カレンダー法などによって、
所望とする厚みをもった熱伝導性樹脂層を形成すること
が、さらに好ましい。
及び熱伝導性充填材に追加して、任意の添加剤を必要に
応じて含有していてもよい。適当な添加剤として、例え
ば、界面活性剤、難燃剤、ウィスカー、繊維状充填材な
どを挙げることができる。熱伝導性樹脂層は、コーティ
ング法、シート成形法等の常用の成膜法を使用して、所
定の厚さで形成することができる。とりわけ、以下に具
体的に説明するように、シート成形法を有利に使用する
ことができる。すなわち、上記したような各種の層構成
成分を同時にあるいは任意の順序で段階的に混練し、得
られた混練物、すなわち、成膜用樹脂組成物、好ましく
は熱伝導性のコンパウンドをシート成形機などで支持体
上にシートの形状で成形することができる。また、この
シート成形の際、支持体をその支持体とは別の支持体
(本発明では、このような支持体を、特に「支持基板」
と呼ぶ)上に保持した状態で、その支持体の表面に成膜
用樹脂組成物を施すことが好ましい。さらに、このよう
なシート成形に際して、以下において説明するように、
支持基板上の支持体と前記剥離フィルムとの間に成膜用
樹脂組成物を挟み込んで、カレンダー法などによって、
所望とする厚みをもった熱伝導性樹脂層を形成すること
が、さらに好ましい。
【0031】上記のようにして形成される熱伝導性樹脂
層は、熱伝導性シートの使用目的や適用部位などに応じ
ていろいろな厚さを有することができるというものの、
なるべく薄いことが好ましく、通常、0.05〜4.0
mmの範囲の厚みを有しているのが好適であり、さらに好
適には、0.10〜2.5mmの範囲である。熱伝導性樹
脂層の厚みが0.05mmを下回ると、発熱性部品と放熱
体の間に空気を巻き込み易く、結果として十分な放熱性
を得ることができない。また、反対に4.0mmを上回る
と、シートの熱抵抗が大きくなり、放熱性が損なわれる
結果となる。
層は、熱伝導性シートの使用目的や適用部位などに応じ
ていろいろな厚さを有することができるというものの、
なるべく薄いことが好ましく、通常、0.05〜4.0
mmの範囲の厚みを有しているのが好適であり、さらに好
適には、0.10〜2.5mmの範囲である。熱伝導性樹
脂層の厚みが0.05mmを下回ると、発熱性部品と放熱
体の間に空気を巻き込み易く、結果として十分な放熱性
を得ることができない。また、反対に4.0mmを上回る
と、シートの熱抵抗が大きくなり、放熱性が損なわれる
結果となる。
【0032】熱伝導性樹脂層を支承する支持体は、本発
明の目的にかなうものであるならば特に限定されないと
いうものの、好ましくは、プラスチックフィルム、金属
箔、片面粘着フィルムなどであり、熱伝導性シートの製
造方法やその使用目的及び適用部位などに応じて最適な
支持体を選択し、使用することができる。支持体は、通
常、単層で使用されるけれども、必要に応じて、2層も
しくはそれ以上の積層体として使用してもよい。
明の目的にかなうものであるならば特に限定されないと
いうものの、好ましくは、プラスチックフィルム、金属
箔、片面粘着フィルムなどであり、熱伝導性シートの製
造方法やその使用目的及び適用部位などに応じて最適な
支持体を選択し、使用することができる。支持体は、通
常、単層で使用されるけれども、必要に応じて、2層も
しくはそれ以上の積層体として使用してもよい。
【0033】例えば、支持体として有用なプラスチック
フィルムは、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフ
ィルムなどであり、熱伝導率、耐候性がよく、強度が高
いフィルムを有利に使用することができる。適当なポリ
オレフィンフィルムは、以下に列挙するものに限定され
るわけではないけれども、ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、EVAフィルム、EAAフィル
ム、アイオノマーフィルムなどを挙げることができる。
このようなポリオレフィンフィルムのなかでも、高結晶
性の高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなど
が、薄くても強度に優れ、熱伝導性も比較的に高いた
め、最も好適に支持体として使用することができる。ま
た、このようなポリオレフィンフィルムの厚みは、いろ
いろなファクターに応じて広く変更することができると
いうものの、なるべく薄いことが好ましく、通常、1〜
25μmの範囲であるのが好適である。ポリオレフィン
フィルムの厚みが1μmを下回ると、たとえ成膜用の樹
脂組成物を支持基板によって支承された支持体上に塗布
して積層する場合でも、欠陥のない薄膜を作製すること
が困難となる。反対に、フィルムの厚みが25μmを上
回ると、シートの厚み方向への熱抵抗が大きくなり、放
熱特性が悪化する。なお、成膜用の樹脂組成物を2枚の
フィルム等でサンドイッチした後、得られた積層体を2
本ロールを通して、あるいはプレス機により圧延する場
合には、上述のように薄いポリオレフィンフィルムで
は、皺が入ったり、破れたり、あるいは伸びたりしてし
まう可能性があるが、本発明では、樹脂組成物をシート
成形する前に、支持基板で支承した支持体に予め積層し
てから使用することによって、この可能性を取り除くこ
とができる。このことは、支持体として、プラスチック
フィルムに代えて、以下で具体的に説明する金属箔、片
面粘着フィルムなどを使用する場合にも同様である。
フィルムは、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフ
ィルムなどであり、熱伝導率、耐候性がよく、強度が高
いフィルムを有利に使用することができる。適当なポリ
オレフィンフィルムは、以下に列挙するものに限定され
るわけではないけれども、ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、EVAフィルム、EAAフィル
ム、アイオノマーフィルムなどを挙げることができる。
このようなポリオレフィンフィルムのなかでも、高結晶
性の高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなど
が、薄くても強度に優れ、熱伝導性も比較的に高いた
め、最も好適に支持体として使用することができる。ま
た、このようなポリオレフィンフィルムの厚みは、いろ
いろなファクターに応じて広く変更することができると
いうものの、なるべく薄いことが好ましく、通常、1〜
25μmの範囲であるのが好適である。ポリオレフィン
フィルムの厚みが1μmを下回ると、たとえ成膜用の樹
脂組成物を支持基板によって支承された支持体上に塗布
して積層する場合でも、欠陥のない薄膜を作製すること
が困難となる。反対に、フィルムの厚みが25μmを上
回ると、シートの厚み方向への熱抵抗が大きくなり、放
熱特性が悪化する。なお、成膜用の樹脂組成物を2枚の
フィルム等でサンドイッチした後、得られた積層体を2
本ロールを通して、あるいはプレス機により圧延する場
合には、上述のように薄いポリオレフィンフィルムで
は、皺が入ったり、破れたり、あるいは伸びたりしてし
まう可能性があるが、本発明では、樹脂組成物をシート
成形する前に、支持基板で支承した支持体に予め積層し
てから使用することによって、この可能性を取り除くこ
とができる。このことは、支持体として、プラスチック
フィルムに代えて、以下で具体的に説明する金属箔、片
面粘着フィルムなどを使用する場合にも同様である。
【0034】支持体として有用な金属箔は、アルミニウ
ム、銅、金、銀、鉛、ステンレス鋼等の各種の金属材料
の箔である。ここで、「箔」とは、その厚みが薄いもの
一般を指し、したがって、金属シート、金属フォイルな
どと呼ばれているものも包含する。このような金属箔の
厚みは、いろいろなファクターに応じて広く変更するこ
とができるというものの、上述のプラスチックフィルム
と同様にできるかぎり薄いことが好ましく、通常、1〜
20μmの範囲であるのが好適である。金属箔の厚みが
1μmを下回ると、それを支持基板に貼り合わせる際に
貼り合わせの作業が難しくなり、反対に、金属箔の厚み
が20μmを上回ると、支持体の柔軟性が低くなり、追
従性が低下する。
ム、銅、金、銀、鉛、ステンレス鋼等の各種の金属材料
の箔である。ここで、「箔」とは、その厚みが薄いもの
一般を指し、したがって、金属シート、金属フォイルな
どと呼ばれているものも包含する。このような金属箔の
厚みは、いろいろなファクターに応じて広く変更するこ
とができるというものの、上述のプラスチックフィルム
と同様にできるかぎり薄いことが好ましく、通常、1〜
20μmの範囲であるのが好適である。金属箔の厚みが
1μmを下回ると、それを支持基板に貼り合わせる際に
貼り合わせの作業が難しくなり、反対に、金属箔の厚み
が20μmを上回ると、支持体の柔軟性が低くなり、追
従性が低下する。
【0035】本発明の実施では、片面粘着フィルムも支
持体として使用することができる。片面粘着フィルム
は、その片面に粘着剤層を有しているので、支持基板に
対して支持体を貼り合わせる作業を効率よく行うことが
できる。片面粘着フィルムとしては、商業的に入手可能
なフィルムのなかから、最適なものを適宜に選択して使
用することができる。片面粘着フィルムの厚みは、上記
したポリオレフィンフィルムと同様、通常、1〜25μ
mの範囲であるのが好適である。
持体として使用することができる。片面粘着フィルム
は、その片面に粘着剤層を有しているので、支持基板に
対して支持体を貼り合わせる作業を効率よく行うことが
できる。片面粘着フィルムとしては、商業的に入手可能
なフィルムのなかから、最適なものを適宜に選択して使
用することができる。片面粘着フィルムの厚みは、上記
したポリオレフィンフィルムと同様、通常、1〜25μ
mの範囲であるのが好適である。
【0036】本発明による剥離フィルム及びそれを使用
した熱伝導性シートは、それぞれ、この技術分野におい
て常用のいろいろな技法を使用して製造することができ
る。例えば、剥離フィルムは、好ましくは、ポリオレフ
ィン系のワックス、オルガノポリシロキサンならびにワ
ックス層の形成に必須のその他の成分(例えば、溶剤な
ど)及び任意の成分(例えば、熱伝導性フィラーなど)
を所定の配合比で混合し、溶融させた後、得られたワッ
クス層形成溶液を所定の膜厚で適当な基材上に塗布し、
乾燥させることによって製造することができる。ワック
ス層形成溶液の塗布には、例えば、ナイフコータ、ロー
ルコータなどの常用のコータを使用することができる。
同様に、ワックス層の乾燥にも、常用の乾燥装置、例え
ばオーブン、赤外線ヒータなどを使用することができ
る。
した熱伝導性シートは、それぞれ、この技術分野におい
て常用のいろいろな技法を使用して製造することができ
る。例えば、剥離フィルムは、好ましくは、ポリオレフ
ィン系のワックス、オルガノポリシロキサンならびにワ
ックス層の形成に必須のその他の成分(例えば、溶剤な
ど)及び任意の成分(例えば、熱伝導性フィラーなど)
を所定の配合比で混合し、溶融させた後、得られたワッ
クス層形成溶液を所定の膜厚で適当な基材上に塗布し、
乾燥させることによって製造することができる。ワック
ス層形成溶液の塗布には、例えば、ナイフコータ、ロー
ルコータなどの常用のコータを使用することができる。
同様に、ワックス層の乾燥にも、常用の乾燥装置、例え
ばオーブン、赤外線ヒータなどを使用することができ
る。
【0037】また、熱伝導性シートは、好ましくは、予
め支持体を適当な支持基板の上に載置して固定しておい
て、さもなければ、適当な支持基板によって予め支持体
を支承しておいて、その状態のまま支持体の表面に熱伝
導性樹脂層を形成することによって、かつ、その途中で
本発明の剥離フィルムを適用することによって、製造す
ることができる。以下の製造工程は、本発明の熱伝導性
シートの好ましい製造工程の一例を示したものである。
め支持体を適当な支持基板の上に載置して固定しておい
て、さもなければ、適当な支持基板によって予め支持体
を支承しておいて、その状態のまま支持体の表面に熱伝
導性樹脂層を形成することによって、かつ、その途中で
本発明の剥離フィルムを適用することによって、製造す
ることができる。以下の製造工程は、本発明の熱伝導性
シートの好ましい製造工程の一例を示したものである。
【0038】(1)支持体を支持基板によって支承する
こと。 (2)支持体の非支承面、すなわち、支持基板によって
支承されている面とは反対側の面に、バインダ樹脂及び
熱伝導性充填材を含む成膜用樹脂組成物、好ましくは熱
伝導性のコンパウンドを施して熱伝導性樹脂層を形成す
ること。この間に、熱伝導性樹脂層にワックス層が当接
するように、本発明の剥離フィルムを積層する。
こと。 (2)支持体の非支承面、すなわち、支持基板によって
支承されている面とは反対側の面に、バインダ樹脂及び
熱伝導性充填材を含む成膜用樹脂組成物、好ましくは熱
伝導性のコンパウンドを施して熱伝導性樹脂層を形成す
ること。この間に、熱伝導性樹脂層にワックス層が当接
するように、本発明の剥離フィルムを積層する。
【0039】(3)得られた熱伝導性シートを支持基板
から分離すること。 ここで、支持体の支承のために使用する支持基板は、特
に制限されないというものの、耐熱性、強度、寸法安定
性などの特性に優れた材料からなるフィルムが好適であ
る。かかるフィルムとしては、特に、熱伝導性シートの
形成のための圧延の際に組み合わせて用いられる本発明
の剥離フィルムとほぼ同じ材質及びほぼ同じ厚さのフィ
ルムが好適である。支持基板として好適なフィルムの一
例として、二軸延伸ポリエステルフィルムを挙げること
ができる。
から分離すること。 ここで、支持体の支承のために使用する支持基板は、特
に制限されないというものの、耐熱性、強度、寸法安定
性などの特性に優れた材料からなるフィルムが好適であ
る。かかるフィルムとしては、特に、熱伝導性シートの
形成のための圧延の際に組み合わせて用いられる本発明
の剥離フィルムとほぼ同じ材質及びほぼ同じ厚さのフィ
ルムが好適である。支持基板として好適なフィルムの一
例として、二軸延伸ポリエステルフィルムを挙げること
ができる。
【0040】熱伝導性シートの製造方法をさらに具体的
に説明すると、まず、充填材粒子を予め定められた量で
用意し、別に用意したシリコーンゲルの原液と混合す
る。この混合に際しては、シリコーンゲル中に充填材粒
子が均一に分散し、練り込まれた状態となるまで、十分
に混練する。なお、混合物の粘度が非常に高くなるた
め、混合装置としては、ニーダー、プラネタリーミキサ
ー等の混練装置を使用するのが好適である。
に説明すると、まず、充填材粒子を予め定められた量で
用意し、別に用意したシリコーンゲルの原液と混合す
る。この混合に際しては、シリコーンゲル中に充填材粒
子が均一に分散し、練り込まれた状態となるまで、十分
に混練する。なお、混合物の粘度が非常に高くなるた
め、混合装置としては、ニーダー、プラネタリーミキサ
ー等の混練装置を使用するのが好適である。
【0041】次いで、得られた混合物を適当な支持体に
適用して、その支持体の上でシートに成形加工する。本
発明では、この成形加工に先がけて、前記したように、
支持体を支持基板によって支承ししおくことが好まし
い。支持体を支持基板によって支承する工程は、通常、
支持基板に支持体を積層することによって行うことがで
きる。このような積層方法としては、以下に示すものに
限定されるわけではないけれども、グラビアロールコー
ターで粘着剤を支持基板の表面に塗布した後にその支持
基板の上に支持体を貼り合わせる方法、すでに粘着剤を
塗布してある表面保護粘着テープのような低粘着力で再
剥離性の粘着テープに支持体を貼り合わせる方法、支持
基板の表面に支持体形成用組成物、例えばポリオレフィ
ン樹脂を直接に塗布して硬化させる方法、その他を挙げ
ることができる。支持基板に支持体を積層するに際し
て、例えば、支持基板として二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを使用し、かつ支持体として高密度ポリエチレンフ
ィルムを使用するような場合には、両者の貼り合わせ用
の接着剤として、ポリエステルフィルムに対して密着性
のよい再剥離性のアクリル系粘着剤を好適に使用するこ
とができる。また、最終製品として粘着力の大きな熱伝
導性シートを得たい場合には、支持基板として離型処理
(好ましくは、シリコーン処理)した離型フィルムを使
用し、かつ貼り合わせ用の接着剤として特に強接着力の
粘着剤を選択して使用することが好ましい。
適用して、その支持体の上でシートに成形加工する。本
発明では、この成形加工に先がけて、前記したように、
支持体を支持基板によって支承ししおくことが好まし
い。支持体を支持基板によって支承する工程は、通常、
支持基板に支持体を積層することによって行うことがで
きる。このような積層方法としては、以下に示すものに
限定されるわけではないけれども、グラビアロールコー
ターで粘着剤を支持基板の表面に塗布した後にその支持
基板の上に支持体を貼り合わせる方法、すでに粘着剤を
塗布してある表面保護粘着テープのような低粘着力で再
剥離性の粘着テープに支持体を貼り合わせる方法、支持
基板の表面に支持体形成用組成物、例えばポリオレフィ
ン樹脂を直接に塗布して硬化させる方法、その他を挙げ
ることができる。支持基板に支持体を積層するに際し
て、例えば、支持基板として二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを使用し、かつ支持体として高密度ポリエチレンフ
ィルムを使用するような場合には、両者の貼り合わせ用
の接着剤として、ポリエステルフィルムに対して密着性
のよい再剥離性のアクリル系粘着剤を好適に使用するこ
とができる。また、最終製品として粘着力の大きな熱伝
導性シートを得たい場合には、支持基板として離型処理
(好ましくは、シリコーン処理)した離型フィルムを使
用し、かつ貼り合わせ用の接着剤として特に強接着力の
粘着剤を選択して使用することが好ましい。
【0042】さらに、必要に応じて、支持基板に貼り合
わせた後の支持体の表面に、熱伝導性樹脂層の密着性を
向上する目的でプライマ処理を施してもよく、また、使
用する支持体が例えばポリオレフィンフィルムやポリエ
ステルフィルムなどのようなプラスチックフィルムであ
る場合には、コロナ放電処理などの表面処理を施しても
よい。また、バインダ樹脂としてシリコーンゲルを使用
するような場合には、基材の表面にシリコーン系粘着剤
用のプライマなどを施してもよい。
わせた後の支持体の表面に、熱伝導性樹脂層の密着性を
向上する目的でプライマ処理を施してもよく、また、使
用する支持体が例えばポリオレフィンフィルムやポリエ
ステルフィルムなどのようなプラスチックフィルムであ
る場合には、コロナ放電処理などの表面処理を施しても
よい。また、バインダ樹脂としてシリコーンゲルを使用
するような場合には、基材の表面にシリコーン系粘着剤
用のプライマなどを施してもよい。
【0043】支持基板に支持体を積層した後、支持基
板、支持体、そしてシート形成性混合物の積層体を、そ
の積層体の表面に本発明の剥離フィルムを積層した状態
を維持しながら、シートに成形加工する。シート形成性
混合物のシート化は、好ましくは、圧延によって行うこ
とができる。圧延方法としては、いろいろな方法を採用
することができるけれども、例えば、積層体を2本の圧
延ロールの間に案内してカレンダー成形する方法、ある
いはプレス機で圧延する方法などを有利に使用すること
ができる。最後に、得られたシートを適当な加熱装置で
加熱することによって、目的とする熱伝導性シリコーン
ゲルシートを得ることができる。
板、支持体、そしてシート形成性混合物の積層体を、そ
の積層体の表面に本発明の剥離フィルムを積層した状態
を維持しながら、シートに成形加工する。シート形成性
混合物のシート化は、好ましくは、圧延によって行うこ
とができる。圧延方法としては、いろいろな方法を採用
することができるけれども、例えば、積層体を2本の圧
延ロールの間に案内してカレンダー成形する方法、ある
いはプレス機で圧延する方法などを有利に使用すること
ができる。最後に、得られたシートを適当な加熱装置で
加熱することによって、目的とする熱伝導性シリコーン
ゲルシートを得ることができる。
【0044】上記した熱伝導性シートの製造工程におい
て、原料の添加やその他の工程の順序は、得られるシー
トに対して悪影響がでない限り、任意に変更することが
できる。上記のようにして得られる熱伝導性シートは、
通常、2.0W/m・kもしくはそれ以上の高い熱伝導
率を示すことができる。これは、上記したような本発明
に特有の熱伝導性樹脂層の組成に由来するものである。
本発明の熱伝導性シートでは、好ましくは、2.0〜
2.6W/m・kあるいはそれ以上の高い熱伝導率を得
ることができる。
て、原料の添加やその他の工程の順序は、得られるシー
トに対して悪影響がでない限り、任意に変更することが
できる。上記のようにして得られる熱伝導性シートは、
通常、2.0W/m・kもしくはそれ以上の高い熱伝導
率を示すことができる。これは、上記したような本発明
に特有の熱伝導性樹脂層の組成に由来するものである。
本発明の熱伝導性シートでは、好ましくは、2.0〜
2.6W/m・kあるいはそれ以上の高い熱伝導率を得
ることができる。
【0045】本発明の剥離フィルムを使用すると、その
剥離フィルムから熱伝導性シートを剥がす際の剥離力を
均一にすることができる。通常、熱伝導性シートを打ち
抜き加工して得られる最終製品の形状が大きくなればな
るほど、この剥離力の均一性が重要となる。すなわち、
大きな形状の製品を剥離フィルムから剥離する際、従来
の剥離フィルムのように剥離力の分布にバラツキがある
と、熱伝導性シートが伸びて変形するおそれがあるから
である。本発明に従い剥離力を均一にすることによっ
て、熱伝導性シートの変形を最小限に抑えることができ
る。また、本発明に従うと、剥離フィルムの基材とし
て、それ自体が剥離性の低い安価なフィルム、例えばポ
リエステルフィルムなどを使用することが可能となり、
経済的にも有利である。
剥離フィルムから熱伝導性シートを剥がす際の剥離力を
均一にすることができる。通常、熱伝導性シートを打ち
抜き加工して得られる最終製品の形状が大きくなればな
るほど、この剥離力の均一性が重要となる。すなわち、
大きな形状の製品を剥離フィルムから剥離する際、従来
の剥離フィルムのように剥離力の分布にバラツキがある
と、熱伝導性シートが伸びて変形するおそれがあるから
である。本発明に従い剥離力を均一にすることによっ
て、熱伝導性シートの変形を最小限に抑えることができ
る。また、本発明に従うと、剥離フィルムの基材とし
て、それ自体が剥離性の低い安価なフィルム、例えばポ
リエステルフィルムなどを使用することが可能となり、
経済的にも有利である。
【0046】また、熱伝導性シートの硬さが均一になる
ということも重要である。通常、最終製品の形状が小さ
くなればなるほど、この硬さの均一性が重要となる。す
なわち、小さな製品間でシートの硬さのバラツキが大き
くなると、結果として放熱特性のバラツキも大きくなる
からである。本発明に従うと、シートの硬さが均一にな
ることによって、製品の性能のバラツキを少なくするこ
とができ、製品の歩留りを向上させることができる。
ということも重要である。通常、最終製品の形状が小さ
くなればなるほど、この硬さの均一性が重要となる。す
なわち、小さな製品間でシートの硬さのバラツキが大き
くなると、結果として放熱特性のバラツキも大きくなる
からである。本発明に従うと、シートの硬さが均一にな
ることによって、製品の性能のバラツキを少なくするこ
とができ、製品の歩留りを向上させることができる。
【0047】さらに、本発明の剥離フィルムの場合、そ
のワックス層が熱により流動化することも重要である。
本発明の剥離フィルムを積層した熱伝導性シートの場
合、そのシートを剥離フィルムから剥離した状態では、
そのシートの表面(作用面)にごく薄いポリオレフィン
のワックス層を有している。したがって、熱伝導性シー
トの表面では、そこに残存するワックスやそのワックス
中に含まれる架橋剤の作用によって粘着性が低下し、熱
伝導性シートを電子部品等に貼り付ける際の作業、特に
位置ずれが発生した時に熱伝導性シートを貼り直す作業
が実施しやすくなる。このように、本発明の剥離フィル
ムのワックス層は、室温では硬いことによってそれに特
有の作用効果を奏することができ、かつ、実際に電子部
品等に貼り付けて使用する場合には、電子部品等から加
えられる熱によって流動化し、電子部品等の表面あるい
はヒートシンク等の部品の表面に存在する細かな凹凸を
埋めて、その部分に存在する空気(これが、熱抵抗とな
る)を追い出すことができるので、放熱特性をさらに向
上させることができる。
のワックス層が熱により流動化することも重要である。
本発明の剥離フィルムを積層した熱伝導性シートの場
合、そのシートを剥離フィルムから剥離した状態では、
そのシートの表面(作用面)にごく薄いポリオレフィン
のワックス層を有している。したがって、熱伝導性シー
トの表面では、そこに残存するワックスやそのワックス
中に含まれる架橋剤の作用によって粘着性が低下し、熱
伝導性シートを電子部品等に貼り付ける際の作業、特に
位置ずれが発生した時に熱伝導性シートを貼り直す作業
が実施しやすくなる。このように、本発明の剥離フィル
ムのワックス層は、室温では硬いことによってそれに特
有の作用効果を奏することができ、かつ、実際に電子部
品等に貼り付けて使用する場合には、電子部品等から加
えられる熱によって流動化し、電子部品等の表面あるい
はヒートシンク等の部品の表面に存在する細かな凹凸を
埋めて、その部分に存在する空気(これが、熱抵抗とな
る)を追い出すことができるので、放熱特性をさらに向
上させることができる。
【0048】さらにまた、本発明の熱伝導性シートは、
それが支持体によって支承されているので、電子部品等
の発熱性部品への貼り付けのために剥離フィルムから剥
がしたり、一旦貼り付けた後に位置の修正のために部品
から剥がしたりする際にシートが伸びたりせずに作業が
できる。また、この熱伝導性シートでは、シートの両側
の粘着力に差をもたせることができるため、修理の際に
部品を分解した時、確実に決まった部品側に接着してお
り、支持体なしの熱伝導性シートに比べてはるかに取扱
い性が優れているため、発熱性部品の組み込み作業を大
幅に向上することができる。また、この熱伝導性シート
では、同時にシートの厚み方向の熱抵抗を小さく維持で
きるため、電子部品などの放熱用途に特に有用である。
それが支持体によって支承されているので、電子部品等
の発熱性部品への貼り付けのために剥離フィルムから剥
がしたり、一旦貼り付けた後に位置の修正のために部品
から剥がしたりする際にシートが伸びたりせずに作業が
できる。また、この熱伝導性シートでは、シートの両側
の粘着力に差をもたせることができるため、修理の際に
部品を分解した時、確実に決まった部品側に接着してお
り、支持体なしの熱伝導性シートに比べてはるかに取扱
い性が優れているため、発熱性部品の組み込み作業を大
幅に向上することができる。また、この熱伝導性シート
では、同時にシートの厚み方向の熱抵抗を小さく維持で
きるため、電子部品などの放熱用途に特に有用である。
【0049】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例について説
明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではないことを理解されたい。また、以下において記載
する「部」は、特に断りのある場合を除いて、「重量
部」を意味する。実施例1 剥離フィルムの製造 100部のトルエンに、11.1部のオレフィン系のワ
ックス(日本石油化学製のポリエチレンワックス、商品
名「180マイクロワックス」)及び0.5部のオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン社製、商品名「RD−1」)を添加し、
室温で十分に攪拌してポリエチレンワックスを均一に溶
解させた。得られたワックス溶液を、厚さ38μm のポ
リエステルフィルム(ユニチカ製)のコロナ放電処理さ
れていない面にメイヤーバーを用いて塗布した後、65
℃のオーブン中で3分間にわたって乾燥した。厚さ2μ
mのポリエチレンワックス層を表面に有する剥離フィル
ムが得られた。 熱伝導性シートの製造 再剥離性の弱粘着性粘着フィルム、スコッチ印ポリエス
テルテープ(厚さ75μm のポリエステル基材、品番#
5543)を支持体として用意し、その粘着面から離型
フィルムを剥離した。露出した粘着剤層の面に厚さ10
μm の高密度ポリエチレンフィルム(サーモ社製)を積
層して一体化した。熱伝導性シートの支持体として使用
する積層フィルムが得られた。
明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではないことを理解されたい。また、以下において記載
する「部」は、特に断りのある場合を除いて、「重量
部」を意味する。実施例1 剥離フィルムの製造 100部のトルエンに、11.1部のオレフィン系のワ
ックス(日本石油化学製のポリエチレンワックス、商品
名「180マイクロワックス」)及び0.5部のオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン社製、商品名「RD−1」)を添加し、
室温で十分に攪拌してポリエチレンワックスを均一に溶
解させた。得られたワックス溶液を、厚さ38μm のポ
リエステルフィルム(ユニチカ製)のコロナ放電処理さ
れていない面にメイヤーバーを用いて塗布した後、65
℃のオーブン中で3分間にわたって乾燥した。厚さ2μ
mのポリエチレンワックス層を表面に有する剥離フィル
ムが得られた。 熱伝導性シートの製造 再剥離性の弱粘着性粘着フィルム、スコッチ印ポリエス
テルテープ(厚さ75μm のポリエステル基材、品番#
5543)を支持体として用意し、その粘着面から離型
フィルムを剥離した。露出した粘着剤層の面に厚さ10
μm の高密度ポリエチレンフィルム(サーモ社製)を積
層して一体化した。熱伝導性シートの支持体として使用
する積層フィルムが得られた。
【0050】室温硬化型のシリコーンゲル(東レ・ダウ
コーニング・シリコーン社製、商品名「CY52−27
6A・B液」)のA液及びB液をそれぞれ10.3部、
フィラーとしての窒化硼素(BN)粒子(水島合金鉄
製、商品名「HP−1」)を15.0部、窒化珪素(S
iC)粒子(平均粒径=75μm、南鉱セラミックス社
製、商品名「P−240」)を63.8部、そしてシリ
コーンゲルの硬化遅延剤(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製、商品名「遅延剤type2」)を0.62
部、一緒にプラネタリーミキサーに投入し、減圧条件下
で30分間混練した。スラリー状の成膜用樹脂組成物
(シリコーンゲルコンパウンド)が得られた。
コーニング・シリコーン社製、商品名「CY52−27
6A・B液」)のA液及びB液をそれぞれ10.3部、
フィラーとしての窒化硼素(BN)粒子(水島合金鉄
製、商品名「HP−1」)を15.0部、窒化珪素(S
iC)粒子(平均粒径=75μm、南鉱セラミックス社
製、商品名「P−240」)を63.8部、そしてシリ
コーンゲルの硬化遅延剤(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製、商品名「遅延剤type2」)を0.62
部、一緒にプラネタリーミキサーに投入し、減圧条件下
で30分間混練した。スラリー状の成膜用樹脂組成物
(シリコーンゲルコンパウンド)が得られた。
【0051】先の工程で作製した積層フィルムのポリエ
チレンフィルムの上に上述の工程で調製したシリコーン
ゲルコンパウンドを注加し、さらに、形成されたシリコ
ーンゲルコンパウンドの層の上に、同じく先の工程で作
製した剥離フィルムを、その剥離フィルムのワックス層
がシリコーンゲルコンパウンドの層に接触するようにし
て、積層した。得られた積層体を2本ロール間でカレン
ダー成形し、そして120℃のオーブン中で10分間に
わたって放置することによってシリコーンゲルコンパウ
ンドを硬化させた。シリコーンゲル中に窒化珪素粒子が
均一に分散せしめられた熱伝導性シリコーンゲル層を表
面に有する高密度ポリエチレンフィルムからなりかつシ
リコーンゲル層が剥離フィルムで保護された、厚さ1.
3mmの熱伝導性シートが得られた。 〔評価試験〕得られた熱伝導性シートのシリコーンゲル
層の硬さ、熱伝導性及び剥離フィルムからの剥離力を評
価するため、下記の手順に従って評価試験を実施した。 1.シリコーンゲル層の硬さの評価(180°屈曲試
験) 熱伝導性シートを剥離フィルムから剥離した後、その熱
伝導性シートの剥離面(シリコーンゲル層)を外側にし
てシートを180°折り曲げた。目視により観察したけ
れども、シリコーンゲル層の状態には何らの変化もなか
った。すなわち、シリコーンゲル層は十分に伸びて、屈
曲部に亀裂等の欠陥がはいることもなかった。 2.熱伝導性の評価(熱抵抗の測定) 熱伝導性シートの熱伝導性を評価するため、シートの熱
抵抗を測定した。熱伝導性シートをCPUとアルミニウ
ム板との間に挟み、一定の圧力をかけてCPUにシート
を押し付けた後、CPUに7Vの電圧を印加した。5分
間が経過した後、CPUとアルミニウム板との温度差を
測定し、その値から熱抵抗を算出した。本例の熱伝導性
シートの熱抵抗は、5.45℃cm2/W であった。 3.剥離力の評価(90°剥離力の測定) 熱伝導性シートの剥離フィルムからの剥離力を評価する
ため、剥離フィルムが付いた状態の熱伝導性シートを幅
25mmの短冊状に細断し、剥離フィルムを両面粘着テー
プでステンレス板に固定した。熱伝導性シートの粘着テ
ープ(支持基板として使用)をポリエチレンフィルム
(支持体として使用)から剥がした後、剥離角度が90
°になるようにして、熱伝導性シートをステンレス板か
ら剥離した。剥離速度は、300mm/分であった。この
熱伝導性シートの剥離時の剥離力を測定したところ、
0.54N/25mmであった。また、剥離した熱伝導性
シートのシリコーンゲル層には剥離フィルムの残渣が少
しも認められなかった。比較例1 剥離フィルムの製造 100部のトルエンに2.0部のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン
社製、商品名「RD−1」)を溶解した。得られた希釈
溶液を、厚さ38μm のポリエステルフィルム(ユニチ
カ製)のコロナ放電処理されていない面にメイヤーバー
を用いて塗布した後、65℃のオーブン中で3分間にわ
たって乾燥した。オイル状のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの薄膜を表面に有する剥離フィルムが得ら
れた。なお、この剥離フィルムの表面には、部分的にリ
ング状の干渉縞が生じていた。このことは、オルガノハ
イドロジェンポリシロキサンがその乾燥の過程で局在化
したことを示している。 熱伝導性シートの製造 上記の工程で得られた剥離フィルムを使用して、前記実
施例1に記載のものと同様な手法に従って厚さ1.3mm
の熱伝導性シートを製造した。 〔評価試験〕得られた熱伝導性シートのシリコーンゲル
層の硬さ、熱伝導性及び剥離フィルムからの剥離力を評
価するため、前記実施例1に記載の手順に従って評価試
験を実施した。本例の熱伝導性シートの場合、剥離フィ
ルムからの剥離力が重く、ポリエステル支持体の表面に
はシリコーンゲルの残留が認められた。また、作用面を
外側にしてシートを180°折り曲げた時に、剥離でき
た部分は十分に伸びず、シートの屈曲面に亀裂が走っ
た。得られた試験結果を下記の第1表に記載する。実施例2〜5 前記実施例1に記載の手法を、下記の第1表に示すよう
な変更を加えて実施した。実施例5で使用したアルミナ
粉末は、住友化学工業製の「スミコランダムAA−0
4」(商品名)である。得られた試験結果を下記の第1
表に記載する。
チレンフィルムの上に上述の工程で調製したシリコーン
ゲルコンパウンドを注加し、さらに、形成されたシリコ
ーンゲルコンパウンドの層の上に、同じく先の工程で作
製した剥離フィルムを、その剥離フィルムのワックス層
がシリコーンゲルコンパウンドの層に接触するようにし
て、積層した。得られた積層体を2本ロール間でカレン
ダー成形し、そして120℃のオーブン中で10分間に
わたって放置することによってシリコーンゲルコンパウ
ンドを硬化させた。シリコーンゲル中に窒化珪素粒子が
均一に分散せしめられた熱伝導性シリコーンゲル層を表
面に有する高密度ポリエチレンフィルムからなりかつシ
リコーンゲル層が剥離フィルムで保護された、厚さ1.
3mmの熱伝導性シートが得られた。 〔評価試験〕得られた熱伝導性シートのシリコーンゲル
層の硬さ、熱伝導性及び剥離フィルムからの剥離力を評
価するため、下記の手順に従って評価試験を実施した。 1.シリコーンゲル層の硬さの評価(180°屈曲試
験) 熱伝導性シートを剥離フィルムから剥離した後、その熱
伝導性シートの剥離面(シリコーンゲル層)を外側にし
てシートを180°折り曲げた。目視により観察したけ
れども、シリコーンゲル層の状態には何らの変化もなか
った。すなわち、シリコーンゲル層は十分に伸びて、屈
曲部に亀裂等の欠陥がはいることもなかった。 2.熱伝導性の評価(熱抵抗の測定) 熱伝導性シートの熱伝導性を評価するため、シートの熱
抵抗を測定した。熱伝導性シートをCPUとアルミニウ
ム板との間に挟み、一定の圧力をかけてCPUにシート
を押し付けた後、CPUに7Vの電圧を印加した。5分
間が経過した後、CPUとアルミニウム板との温度差を
測定し、その値から熱抵抗を算出した。本例の熱伝導性
シートの熱抵抗は、5.45℃cm2/W であった。 3.剥離力の評価(90°剥離力の測定) 熱伝導性シートの剥離フィルムからの剥離力を評価する
ため、剥離フィルムが付いた状態の熱伝導性シートを幅
25mmの短冊状に細断し、剥離フィルムを両面粘着テー
プでステンレス板に固定した。熱伝導性シートの粘着テ
ープ(支持基板として使用)をポリエチレンフィルム
(支持体として使用)から剥がした後、剥離角度が90
°になるようにして、熱伝導性シートをステンレス板か
ら剥離した。剥離速度は、300mm/分であった。この
熱伝導性シートの剥離時の剥離力を測定したところ、
0.54N/25mmであった。また、剥離した熱伝導性
シートのシリコーンゲル層には剥離フィルムの残渣が少
しも認められなかった。比較例1 剥離フィルムの製造 100部のトルエンに2.0部のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン
社製、商品名「RD−1」)を溶解した。得られた希釈
溶液を、厚さ38μm のポリエステルフィルム(ユニチ
カ製)のコロナ放電処理されていない面にメイヤーバー
を用いて塗布した後、65℃のオーブン中で3分間にわ
たって乾燥した。オイル状のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの薄膜を表面に有する剥離フィルムが得ら
れた。なお、この剥離フィルムの表面には、部分的にリ
ング状の干渉縞が生じていた。このことは、オルガノハ
イドロジェンポリシロキサンがその乾燥の過程で局在化
したことを示している。 熱伝導性シートの製造 上記の工程で得られた剥離フィルムを使用して、前記実
施例1に記載のものと同様な手法に従って厚さ1.3mm
の熱伝導性シートを製造した。 〔評価試験〕得られた熱伝導性シートのシリコーンゲル
層の硬さ、熱伝導性及び剥離フィルムからの剥離力を評
価するため、前記実施例1に記載の手順に従って評価試
験を実施した。本例の熱伝導性シートの場合、剥離フィ
ルムからの剥離力が重く、ポリエステル支持体の表面に
はシリコーンゲルの残留が認められた。また、作用面を
外側にしてシートを180°折り曲げた時に、剥離でき
た部分は十分に伸びず、シートの屈曲面に亀裂が走っ
た。得られた試験結果を下記の第1表に記載する。実施例2〜5 前記実施例1に記載の手法を、下記の第1表に示すよう
な変更を加えて実施した。実施例5で使用したアルミナ
粉末は、住友化学工業製の「スミコランダムAA−0
4」(商品名)である。得られた試験結果を下記の第1
表に記載する。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、熱伝導性シートの製造に使用した時に、得られるシ
ートを硬くすることがなく、したがって、凹凸や曲面等
の特殊な形状に対する追従性が良好な熱伝導性シートを
提供することができ、剥離性面の形成のために塗布した
時に均一に塗布することができ、したがって、均一な硬
度及び剥離性を具えた熱伝導性シートを提供することが
でき、また、熱伝導性シートから弱い力で簡単に剥離す
ることができ、しかも、熱伝導性シートの放熱性に対し
て悪影響を及ぼさないような熱伝導性シート用剥離フィ
ルムを提供することができる。
ば、熱伝導性シートの製造に使用した時に、得られるシ
ートを硬くすることがなく、したがって、凹凸や曲面等
の特殊な形状に対する追従性が良好な熱伝導性シートを
提供することができ、剥離性面の形成のために塗布した
時に均一に塗布することができ、したがって、均一な硬
度及び剥離性を具えた熱伝導性シートを提供することが
でき、また、熱伝導性シートから弱い力で簡単に剥離す
ることができ、しかも、熱伝導性シートの放熱性に対し
て悪影響を及ぼさないような熱伝導性シート用剥離フィ
ルムを提供することができる。
【0054】また、本発明によれば、備えている剥離フ
ィルムを弱い力で簡単に剥離することができ、しかも、
柔軟性があり、凹凸や曲面等の特殊な形状にも追従可能
であり、よって、高い密着性を保証することができ、さ
らには、厚みが減少してもシートに皺や破れ、あるいは
伸びが発生せず、シート成形時の加工性に優れた熱伝導
性シートを提供することができる。
ィルムを弱い力で簡単に剥離することができ、しかも、
柔軟性があり、凹凸や曲面等の特殊な形状にも追従可能
であり、よって、高い密着性を保証することができ、さ
らには、厚みが減少してもシートに皺や破れ、あるいは
伸びが発生せず、シート成形時の加工性に優れた熱伝導
性シートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 好直 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 岡田 充彦 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AD05A AJ11B AK01A AK05D AK41C AK52A AK52B AK52K AT00C AT00D BA03 BA04 BA10C BA10D CC00B DE01A GB41 GB90 JJ01A JK13 JL01 JL14B YY00B 5F036 AA01 BA23 BB21 BC23
Claims (6)
- 【請求項1】 熱伝導性シートの作用面に積層して使用
されかつその熱伝導性シートの使用時に剥離除去が可能
な剥離フィルムであって、前記熱伝導性シートの作用面
に接する面に、ワックス層が積層されていることを特徴
とする熱伝導性シート用剥離フィルム。 - 【請求項2】 熱伝導性シートの作用面に積層して使用
されかつその熱伝導性シートの使用時に剥離除去が可能
な剥離フィルムであって、前記熱伝導性シートの作用面
に接する面に、オルガノポリシロキサンを含有するワッ
クス層が積層されていることを特徴とする熱伝導性シー
ト用剥離フィルム。 - 【請求項3】 前記ワックス層のオルガノポリシロキサ
ンが、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンであることを特
徴とする請求項2に記載の剥離フィルム。 - 【請求項4】 前記ワックス層において、前記オルガノ
ポリシロキサンが、1〜100重量%の量で含まれてい
ることを特徴とする請求項2又は3に記載の剥離フィル
ム。 - 【請求項5】 支持体と、その支持体の少なくとも片面
に施された熱伝導性樹脂層とを含み、オルガノポリシロ
キサンを含有するワックス層が積層された剥離フィルム
を備え、前記ワックス層が前記熱伝導性樹脂層に接して
いることを特徴とする熱伝導性シート。 - 【請求項6】 前記ワックス層のオルガノポリシロキサ
ンが、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンであることを特
徴とする請求項5に記載の熱伝導性シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000097920A JP2001284504A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 熱伝導性シート用剥離フィルム及び熱伝導性シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000097920A JP2001284504A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 熱伝導性シート用剥離フィルム及び熱伝導性シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001284504A true JP2001284504A (ja) | 2001-10-12 |
Family
ID=18612480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000097920A Pending JP2001284504A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 熱伝導性シート用剥離フィルム及び熱伝導性シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001284504A (ja) |
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-
2000
- 2000-03-30 JP JP2000097920A patent/JP2001284504A/ja active Pending
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