JP2001282039A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】定着ニップ部に用紙を導入して挟持搬送させて
用紙上の未定着像を加熱定着させる定着装置を具備させ
ている画像形成装置において、定着装置の非通紙部昇温
が異常高温になって装置が緊急停止制御される場合で
も、ユーザには用紙取り除き操作など余計な操作を強要
しない、また定着不良が発生しずらい画像形成装置を提
供する。 【解決手段】定着装置の非通紙部の温度をサブサーミス
タ（第二の温度検出手段）で監視させ、該サブサーミス
タが非通紙部の異常高温（温度Ｔ２以上）を検知した場
合でも用紙の搬送を停止しないで該用紙の排紙を完了さ
せ、その後に搬送を停止させる。また、そのとき、ヒー
タの目標温度を下げる。用紙搬送スピードを落とす、又
はサブサーミスタの温度を基に温調する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、転写方式もしくは
直接方式の電子写真方法・静電記録方法・磁気記録方法
等の適宜の作像プロセス手段により記録用紙（シート
材；転写用紙、印字用紙、感光紙、静電記録用紙、フォ
ーマットシート等）に未定着像（現像材像、顕画材像）
を形成・担持させ、その未定着像を定着器により固着像
として用紙に加熱定着させて画像形成物（プリント、コ
ピー）を出力するプリンタ・複写機・ファクシミリ等の
画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記のような画像形成装置において、記
録用紙（以下、用紙と記す）に形成・担持させた未定着
像（以下、トナー像と記す）を固着像として用紙に加熱
定着させる定着装置（像加熱装置）としては、熱ローラ
方式やフィルム加熱方式の定着装置が多く用いられてい
る。

【０００３】熱ローラ方式の定着装置は、加熱手段とし
て所定の温度（定着温度）に維持された定着ローラ（加
熱ローラ）と、該定着ローラに圧接して定着ニップ部を
形成する加圧手段としての加圧ローラを有し、該ローラ
対を回転させ、未定着トナー像を形成担持させた用紙を
定着ニップ部に導入して挟持搬送させることで定着ロー
ラの熱でトナー像を用紙に永久画像として定着させるも
のである。

【０００４】フィルム加熱方式の定着装置は特開平４−
４４０７５号公報などで提案されているように、加熱体
と、この加熱体と摺動するフィルム（以下、定着フィル
ムと記す）と、この定着フィルムを介して加熱体に圧接
して定着ニップ部を形成する加圧手段としての加圧ロー
ラを有し、未定着トナー像を形成・担持させた用紙を定
着ニップ部に導入して挟持搬送して定着フィルムを介し
た加熱体からの熱によりトナー像を用紙に永久画像とし
て定着させるものである。加熱体としてセラミックヒー
タ等の低熱容量で昇温の速いものを用いることができ、
また定着フィルムとして熱容量の小さい薄膜のものを用
いることができ、そして定着ニップ部のみを加熱するこ
とで、クイックスタート性がよく、省エネルギーの加熱
定着を実現することができる。特にスタンバイ時に電力
を供給せず、消費電力を極力低く抑えることができる。

【０００５】上記のような定着装置には加熱定着させる
温度を制御する為温度検出手段（温度検知手段）を具備
させている。該温度検出手段は一般的にサーミスタを用
いることが多く、加熱体や加圧ローラ等に接触させて具
備させて加熱体や加圧ローラ等の温度を検出する。最近
では加熱体や加圧ローラ等の輻射熱を計測することで加
熱定着させる温度を検出する手法も検討されている。

【０００６】そして上記のような温度検出手段を含む温
調回路により加熱手段に具備させた加熱体（ヒータ）に
対する電力供給を制御して、用紙を挟持搬送して加熱す
る定着ニップ部の温度を所定の定着温度に温調するよう
にしている。

【０００７】

【発明が解決しようとしている課題】ところで、上記定
着装置のように定着ニップ部に用紙を導入して挟持搬送
させて用紙上の未定着像を加熱定着させるものにおいて
は所謂「非通紙部昇温」の問題がある。

【０００８】これは、装置に通紙使用できる最大サイズ
（サイズ：定着ニップ部に対する用紙の搬送方向に対し
て直交方向の用紙長さ、以下、幅とする）の用紙よりも
小サイズの用紙が通紙されたときには、最大サイズ用紙
とのサイズ差部分に対応する定着ニップ部の非通紙領域
では熱が用紙の加熱に消費されず蓄熱し、小サイズの用
紙が連続的に通紙されるにつれて定着ニップ部の非通紙
領域での蓄熱量が多くなる。そのために、定着ニップ部
の通紙領域の温度は所定の定着温度に温調維持されるの
に対して、非通紙領域の温度はその所定の定着温度より
も昇温する現象である。

【０００９】この非通紙部の昇温が許容以上に高温にな
ると、定着装置の構成部材に熱損・劣化トラブルを生じ
させて定着装置の耐久性を低下させることになるし、小
サイズ用紙の連続通紙で定着装置が過度に非通紙部昇温
している状態時に大サイズ用紙を通紙すると、定着ニッ
プ部の非通紙部昇温している領域において温度が高すぎ
ることによる端部ホットオフセット等が発生する。

【００１０】そこで、前記の加熱定着させる温度を制御
する為の温度検出手段をメインサーミスタとしたとき、
これとは別にサブサーミスタとして非通紙部の温度を測
定す温度検出手段を具備させ、該サブサーミスタの検出
温度の具合により非通紙部昇温による弊害を回避する制
御処置を実行させるようにしている。

【００１１】より具体的には、フィルム加熱方式の定着
装置を用いているプリンタにおいて図１７に示すフロー
チャートのように、印字中にサブサーミスタの検出温度
即ち非通紙部の温度が所定の温度Ｔ１℃以上であるかを
検知して、Ｔ１℃未満であった場合には通常通り印字動
作を継続する（ステップＳ１→Ｓ２）。

【００１２】サブサーミスタの温度がＴ１℃以上であっ
た場合には、定着ニップ部に用紙が挟持されていない場
合は定着装置のヒータ（セラミックヒータ）への給電は
ＯＦＦにされていることでヒータは降温していき、非通
紙領域の温度は目標温度に向けて下がり始めるので、次
の用紙の給紙を遅らせることによって非通紙領域が十分
冷えるまで定着ニップ部に用紙が突入しないように制御
する。したがって、サブサーミスタの温度即ち非通紙部
の温度がある一定の温度以上にあがらないように制御さ
れる。

【００１３】しかしながら、次の用紙の給紙を遅らせる
ため、単位時間あたりに印字できる枚数（以下、スルー
プットという）が低下するというデメリットが生じてし
まう。そのデメリットを最小限に押さえるために給紙を
遅らせる時間は、本体にダメージを与えないぎりぎりの
値に設定される。このとき、用紙が何らかの不具合によ
り２枚重なって通紙されて（以下、重送という）しまっ
た場合など、ヒータと加圧ローラの間のすき間が大きく
なり、想定した以上にサブサーミスタの温度即ち非通紙
部の温度が上昇してしまうことがあった。このような場
合に備えて、境界値Ｔ２を別途あたえて、サブサーミス
タの温度がＴ２℃を超えた場合は、装置全体が緊急停
止、すなわちヒータの駆動を止めて、用紙の搬送を止め
るようなシーケンスが組まれている。図１８にこのとき
の搬送とメインサーミスタとサブサーミスタの温度の状
態の移り変わりのモデル図を示す。

【００１４】なお、スループットを落とす段階を本従来
例では分りやすくするために１段階としたが、境界値を
複数持ち、スループットを複数段階にわけて落とすよう
な装置も考案されている。

【００１５】制御手段がサブサーミスタの温度がＴ２℃
に達したことを検知した後（図１８のＢの区間）、搬送
を停止し、ヒータの加熱を停止している。その後、温度
は常温になるまで徐々に低下していく。ここで、Ｖ１と
はあらかじめ決められる装置内を用紙が進行する速度
で、一般的にはプロセススピードといわれるもので、装
置に固有の速度である。

【００１６】しかしながら、サブサーミスタで非通紙部
の異常高温が検知された場合には、用紙が定着ニップ部
に挟持されたまま停止してしまうために、ユーザ自らが
挟持された用紙を取り除くという動作をしなくてはなら
なかった。

【００１７】そこで本発明は定着ニップ部に用紙を導入
して挟持搬送させて用紙上の未定着像を加熱定着させる
定着装置を具備させている画像形成装置において、定着
装置の非通紙部昇温が異常高温になって装置が緊急停止
制御される場合でも、ユーザには用紙取り除き操作など
余計な操作を強要しない、また定着不良が発生しずらい
画像形成装置を提供することを目的とする。

【００１８】

【課題を解決するための手段】本発明は下記のような構
成を特徴とする画像形成装置である。

【００１９】（１）通紙されうる全てのサイズの用紙が
通紙中に挟持される位置に配設される第一の温度検出手
段と、通紙されうる最大のサイズの用紙が通紙中には用
紙が挟持されるが、通紙されうる最小のサイズの用紙が
通紙中には用紙が挟持されない位置に配設される第二の
温度検出手段とを備えた、少なくとも２つ以上のサイズ
の異なる用紙が通紙される、未定着の現像材を用紙に固
着させるための加熱手段と、前記第一の温度検出手段で
検出された温度を基に、前記加熱手段があらかじめ設定
される第一の温度になるように制御を行う制御手段と、
を備え、前記制御手段は前記第二の温度検出手段で検出
された温度が、あらかじめ設定される第二の温度以上で
あることを検知したら、第二の温度検出手段の検出温度
が前記第二の温度と同じかそれよりも低い第三の温度に
なるように制御を行うことを特徴とする画像形成装置。

【００２０】（２）前記（１）に記載の画像形成装置に
おいて、あらかじめ設定される第一の温度が装置の状態
に応じて複数の値をとり、あらかじめ設定される第二の
温度が、第一の温度に応じて設定されることを特徴とす
る画像形成装置。

【００２１】（３）前記（１）または（２）に記載の画
像形成装置において、前記第二の温度検知手段が、前記
第二の温度以上であることを前記制御手段が検知した場
合に、前記加熱手段の異常を報知する報知手段を備える
ことを特徴とする画像形成装置。

【００２２】（４）通紙されうる全てのサイズの用紙が
通紙中に挟持される位置に配設される第一の温度検出手
段と、通紙されうる最大のサイズの用紙が通紙中には用
紙が挟持されるが、通紙されうる最小のサイズの用紙が
通紙中には用紙が挟持されない位置に配設される第二の
温度検出手段とを備えた、少なくとも２つ以上のサイズ
の異なる用紙が通紙される、未定着の現像材を用紙に固
着させるための加熱手段と、用紙を搬送するための搬送
手段と、前記第一の温度検出手段で検出された温度を基
に、前記加熱手段があらかじめ設定される第一の温度に
なるように制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手
段は前記第二の温度検出手段で検出された温度が、あら
かじめ設定される第二の温度未満である場合には、第一
の搬送速度で用紙の搬送を行い、前記第二の温度検出手
段で検出された温度が、あらかじめ設定される第二の温
度以上である場合にも、用紙の排出が完了するまで、搬
送を継続することを特徴とする画像形成装置。

【００２３】（５）前記（４）に記載の画像形成装置に
おいて、前記第二の温度検出手段で検出された温度が、
あらかじめ設定される第二の温度以上である場合に、用
紙の排出が完了するまでに、前記第一の搬送速度よりも
遅い第二の搬送速度で用紙の搬送を行うことを特徴とす
る画像形成装置。

【００２４】（６）前記（４）または（５）に記載の画
像形成装置において、前記第二の温度検出手段で検出さ
れた温度が、あらかじめ設定される第二の温度以上であ
ることが検知されてから、用紙の排出が完了するまでの
期間内の任意のタイミングにおいて前記加熱手段の駆動
を停止することを特徴とする画像形成装置。

【００２５】（７）前記（４）ないし（６）の何れかに
記載の画像形成装置において、あらかじめ設定される第
一の温度が装置の状態に応じて複数の値をとり、あらか
じめ設定される第二の温度が、第一の温度に応じて設定
されることを特徴とする画像形成装置。

【００２６】（８）通紙されうる全てのサイズの用紙が
通紙中に挟持される位置に配設される第一の温度検出手
段と、通紙されうる最大のサイズの用紙が通紙中には用
紙が挟持されるが、通紙されうる最小のサイズの用紙が
通紙中には用紙が挟持されない位置に配設される第二の
温度検出手段とを備えた、少なくとも２つ以上のサイズ
の異なる用紙が通紙される、未定着の現像材を用紙に固
着させるための加熱手段と、前記第一の温度検出手段で
検出された温度を基に、前記加熱手段があらかじめ設定
される第一の温度になるように制御を行う制御手段と、
を備え、前記制御手段は前記第二の温度検出手段で検出
された温度が、あらかじめ設定される第二の温度以上で
あることを検知したら、前記第一の温度検出手段が前記
第一の温度よりも低い第四の温度になるように制御を行
うことを特徴とする画像形成装置。

【００２７】（９）前記（８）に記載の画像形成装置に
おいて、あらかじめ設定される第一の温度が装置の状態
に応じて複数の値をとり、あらかじめ設定される第二の
温度が、第一の温度に応じて設定されることを特徴とす
る画像形成装置。

【００２８】〈作 用〉すなわち、第二の温度検出手段
で定着装置の非通紙部昇温温度を監視させ、第二の温度
検出手段が非通紙部の異常高温を検知した場合でも用紙
の搬送を停止しないで該用紙の排紙を完了させ、その後
に搬送を停止させるシーケンスにより、定着装置の非通
紙部昇温が異常高温になって装置が緊急停止制御される
場合でも、ユーザには用紙取り除き操作など余計な操作
を強要しない。

【００２９】また第二の温度検出手段が非通紙部の異常
高温を検知した場合でも用紙の搬送を停止しないで、そ
のとき、ヒータの目標温度を下げる、用紙搬送スピード
を落とす、又は第二の温度検出手段の温度を基に温調す
る等の動作シーケンスにより、第一の温度検出手段（定
着装置）の温度低下に伴う定着不良を極力押えることが
可能となる。

【００３０】

【発明の実施の形態】［実施例１］（図１〜図８） 図１は本実施例の画像形成装置の概略構成模型図であ
る。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利
用、プロセスカートリッジ方式のレーザビームプリンタ
であり、ホストコンピュータ等より送られてきた印字デ
ータをドットの画像情報に展開し、電子写真エンジン部
でこの画像情報を用紙に印字するものである。

【００３１】（１）プリンタの全体的概略構成 １００はプリンタ本体、２００はホストコンピュータで
あり、プリンタ本体の制御手段（制御回路、ＣＰＵ）１
９と電気的にケーブル接続されている。

【００３２】プリンタ本体１００において、１は像担持
体としてのドラム型の電子写真感光体（以下、感光ドラ
ムと記す）である。該感光ドラム１は矢印の反時計方向
に所定の周速度にて回転駆動される。

【００３３】２は一次帯電手段であり、この帯電手段に
より回転する感光ドラム１の周面が所定の極性・電位に
一様に帯電処理される。

【００３４】３は像露光手段としてのレーザビームスキ
ャナであり、ホストコンピュータ２００より送られてき
た印字データをドットの画像情報に展開する画像展開部
である不図示の画像コントローラが画像データを出力
し、その画像データに基づいてレーザ部のレーザ光を点
滅変調され、その変調されたレーザ光による走査露光Ｌ
が回転感光ドラム１の一様帯電処理面に対してなされ
る。これにより走査露光Ｌした画像情報に対応した静電
潜像が回転感光ドラム１面に形成される。

【００３５】４は現像手段であり、感光ドラム１面の静
電潜像を現像材としてのトナーで現像する。

【００３６】５は転写手段としての転写ローラであり、
感光ドラム１の下面に対して所定の押圧力をもって当接
させて配設してある。その転写ローラ５と感光ドラム１
の当接部が転写ニップ部Ｔである。

【００３７】そして、ホストコンピュータ２００から印
字開始信号を制御手段１９が受け取ると、第一の給紙口
としての給紙カセット６側の給紙手段または第二の給紙
口としての手差しトレイ（ＭＰトレイ）１０側の給紙手
段が作動して用紙の給紙がなされ、給送された用紙Ｐが
所定の制御タイミングにて転写ニップ部Ｔに導入されて
挟持搬送されていく。用紙Ｐが転写ニップ部Ｔを挟持搬
送されている間、転写ローラ５には不図示の転写バイア
ス印加電源から所定に制御されたの転写電圧が印加され
る。転写電圧の極性はトナーの帯電極性とは逆極性であ
る。これにより転写ニップ部Ｔにおいて感光ドラム１上
のトナー像が用紙Ｐの表面に順次に静電転写されてい
く。

【００３８】給紙に関して、給紙カセット６からの給紙
モード（カセット給紙モード）が選択されているときに
は、不図示のエンジン制御部は給紙ローラ７を回転させ
て給紙カセット６内に積載収納の用紙Ｐを一枚分離給送
させる。給紙カセット６からは主として幅の広い普通紙
（大サイズ用紙）の給紙がなされる。その給送用紙Ｐは
用紙搬送路８→ＴＯＰセンサ９の経路で転写ニップ部Ｔ
に導入される。

【００３９】また、手差しトレイ１０からの給紙モード
（手差し給紙モード）が選択されているときには、不図
示のエンジン制御部は給紙ローラ１１を回転させて手差
しトレイ１０上に積載セットされている手差しの用紙Ｐ
を一枚分離給送させる。その給送用紙Ｐは用紙搬送路８
→ＴＯＰセンサ９の経路で転写ニップ部Ｔに導入され
る。手差しトレイ１０からは主として幅の狭い葉書や封
筒の特種用紙（小サイズ用紙）の給紙がなされる。

【００４０】本例のプリンタにおいては、給紙カセット
６からの給紙も、手差しトレイ１０からの給紙もセンタ
基準の幅規制板により中央基準搬送で給紙される。

【００４１】転写ニップ部Ｔを通過した用紙Ｐは回転感
光ドラム１面から順次に分離され、用紙搬送路１２から
定着装置１３の定着ニップ部Ｎに導入されてトナー像の
熱定着処理を受ける。本例のプリンタにおける定着器１
３はフィルム加熱方式の定着器である。この定着器１３
については次の（２）項で詳述する。

【００４２】用紙Ｐに対するトナー像転写後の感光ドラ
ム１面に残留の転写残トナーは本例のプリンタの場合は
現像手段４によりいわゆる現像同時クリーニングで回収
・再用される。

【００４３】また定着装置１３を出た用紙Ｐは用紙搬送
路１４→排紙センサ１５→用紙搬送路１６→排紙ローラ
１７を通って排紙部（排紙トレイ）２８に画像形成物
（プリント、コピー）として排紙される。

【００４４】ＴＯＰセンサ９および排紙センサ１５は用
紙の搬送が正常に行われているかどうかを監視する。

【００４５】ＰＣはプリンタ本体に対して着脱交換自在
のプロセスカートリッジである。本例のプロセスカート
リッジＰＣは感光ドラム１・帯電手段２・現像手段４の
３つのプロセス機器を一括してプリンタ本体に対して着
脱交換自在にカートリッジ化したもので、プリンタ本体
の開閉ドア２０を開いてプリンタ本体内に所定にセット
して開閉ドア２０を閉じて装着する。取り出しは逆の手
順でなされる。

【００４６】（２）定着装置１３ ａ）定着装置１３の全体的な概略構成 図２は定着装置１３の要部の外観斜視模型図、図３は概
略構成の横断面模型図である。本例の定着装置１３は特
開平４−４４０７５〜４４０８３号公報、同４−２０４
９８０〜２０４９８４号公報等に開示のテンションレス
タイプの加熱フィルム方式の像加熱装置である。

【００４７】２１は加熱手段としての加熱ユニット、２
５はこの加熱ユニット２１と相互圧接させた加圧手段と
しての弾性加圧ローラである。

【００４８】加熱ユニット２１は、主に加熱体（発熱
体）としてのセラミックヒータ（以下、ヒータと記す）
２２、横断面略半円弧状樋型のフィルムガイド部材（以
下、ステーと記す）２３、円筒状の耐熱性フィルム（以
下、定着フィルムと記す）２４等から構成されている。

【００４９】ヒータ２２は図３において紙面に垂直方向
を長手とする横長で、全体に低熱容量であり、通電のＯ
Ｎ・ＯＦＦに対応して応答性よく迅速に昇温・降温す
る。このヒータの具体的構造は次のｂ）項で詳述する。

【００５０】ステー２３は、耐熱性、電気絶縁性で、高
い加重に耐えられる剛性材料、例えばＰＰＳ（ポリフェ
ニレンサルファイド）、ＰＡＩ（ポリアミドイミド）、
ＰＩ（ポリイミド）、ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテル
ケトン）等で構成され、ヒータ２２はこのステー２３の
下面の略中央部にガイド部材長手に沿って設けた溝部内
に、表面側を外向にして嵌入させて固定支持させてあ
る。

【００５１】円筒状の定着フィルム２４は、例えば、厚
さ４０μｍ〜１００μｍ程度の耐熱性のフィルムであ
る。例えばポリイミドなどの基材フィルム上にＰＦＡや
ＰＴＦＥ等の離型性の耐熱樹脂を被覆したフィルムであ
り、上記のようにヒータ２２を固定支持させたステー２
３にルーズに外嵌させてある。

【００５２】弾性加圧ローラ（以下、加圧ローラと記
す）２５は、芯金２５ａと、該芯金に同心一体に設けた
シリコーンゴム等の弾性・耐熱性材料のローラ層２５ｂ
と、表面層２５ｃからなり、芯金２５ａの両端部をそれ
ぞれ装置の不図示の手前側と奥側のシャーシ側板間に軸
受を介して回転自由に支持させてある。

【００５３】そしてヒータ２２を下面側に支持させ、円
筒状定着フィルム２４を外嵌させたステー２３を加圧ロ
ーラ２５の上側にヒータ２２の部分を加圧ローラ２４の
上面に対向させて位置させ、ステー２３をを加圧手段に
て加圧ローラ２５の上面に対して所定の押圧力をもって
圧接させた状態に保持させる。これにより、ヒータ２２
の下面と加圧ローラ２５の上面との間に定着フィルム２
４を挟んで所定幅の定着ニップ部Ｎが形成される。

【００５４】加圧ローラ２５は定着器駆動手段としての
定着器駆動用モータＭにより矢印の時計方向に所定の周
速度で回転駆動される。この加圧ローラ２５の回転駆動
による該加圧ローラ２５と定着フィルム２４の外面と
の、定着ニップ部Ｎにおける圧接摩擦力で円筒状定着フ
ィルム２４に回転力が作用して、該定着フィルム２４が
その内面が定着ニップ部Ｎにおいてヒータ２２の下面に
密着して摺動しながら矢印の反時計方向に加圧ローラ２
５の回転周速度に略対応した周速度をもってステー２３
の外回りを回転状態になる（加圧ローラ駆動方式）。

【００５５】ステー２３はヒータ２２を保持するととも
に定着フィルム２４の回転時の搬送安定性を図るフィル
ムガイドの役目をしている。定着フィルム２４との回転
摺動性を高める為に、定着フィルム２４とヒータ２２及
びステー２３の外周面の間に耐熱性グリス等の潤滑剤を
介在させている。

【００５６】加圧ローラ２５が回転駆動され、それに伴
って円筒状の定着フィルム２４がステー２３の外回りを
回転し、ヒータ２２に通電がなされて該ヒータ２２の発
熱で定着ニップ部Ｎが所定の温度に立ち上がって温調さ
れた状態において、定着ニップ部Ｎに未定着トナー像ｔ
を担持した用紙Ｐが導入され、定着ニップ部Ｎにおいて
用紙Ｐのトナー像担持面側が定着フィルム２４の外面に
密着して回転している定着フィルム２４と一緒に定着ニ
ップ部Ｎを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程にお
いて、ヒータ２２の熱が定着フィルム２４を介して用紙
Ｐに付与され、用紙Ｐ上の未定着トナー像ｔが加熱加圧
定着される。用紙Ｐは定着ニップ部Ｎを通過すると回転
している定着フィルム２４の外面から曲率分離して搬送
される。

【００５７】ｂ）ヒータ２２ 図４の（ａ）はヒータ２２の表面側の一部切欠きの平面
模型図、（ｂ）は裏面側の平面模型図である。このヒー
タ２２は下記のような部材・部分等からなる、全体に低
熱容量の略平板状のものである。

【００５８】．定着ニップ部Ｎにおける用紙搬送方向
に対して直交する方向を長手とする横長で、薄肉で、耐
熱性・低熱容量・良熱伝導性・電気絶縁性の細長平板状
のヒータ基板ａ、 ．該ヒータ基板ａの表面側（定着フィルム２４と対面
する側の面、定着ニップ部面に面する側）に基板長手に
沿って形成具備させた、通電により発熱する通電発熱抵
抗体ｃ、 ．該通電発熱抵抗体ｃに対する給電用電極部ｂ・ｅと
連絡電路ｄ、 ．通電発熱抵抗体ｃと連絡電路ｄ部分をオーバーコー
トさせた耐熱性・絶縁性のヒータ表面保護層ｆ、 ．ヒータ基板ａの裏面側に設けた、第一の温度検出手
段としてのメインサーミスタ（主サーミスタ）ｊと第二
の温度検出手段であるサブサーミスタ（補助サーミス
タ）ｓ、及びヒータ基板ａの表面側と裏面側に設けた、
検温用電極部ｇ・ｈ・ｍ・ｎ・ｐ・ｑと連絡電路ｉ・ｋ
・ｒ。

【００５９】ヒータ基板ａは例えばアルミナ（酸化アル
ミニウム、Ａｌ₂ Ｏ₃ ）からなるセラミック材基板であ
る。

【００６０】通電発熱抵抗体ｃは、例えば、銀パラジウ
ム（Ａｇ／Ｐｂ）、Ｔａ₂ Ｎ等の電気抵抗材料ペースト
（抵抗ペースト）をヒータ基板表面に基板長手に沿って
スクリーン印刷等によりパターン塗工し、焼成すること
で形成したものである。

【００６１】給電用電極部ｂ・ｅはヒータ基板表面側の
長手一端側に併設してあり、一方の給電用電極部ｂは通
電発熱抵抗体ｃの一端部に導電延長部を介して電気的に
導通させてある。他方の給電用電極部ｅは通電発熱抵抗
体ｃに並行させてヒータ基板表面に設けた連絡電路ｄを
介して通電発熱抵抗体ｃの他端部に電気的に導通させて
ある。

【００６２】上記により、給電用電極部ｂ→通電発熱抵
抗体ｃ→連絡電路ｄ→給電用電極部ｅの直列電路（ＡＣ
ライン）が構成される。

【００６３】また検温用電極部ｇ・ｈ・ｍ・ｎ・ｐ・ｑ
のうち電極部ｇ・ｎ・ｐの３つはヒータ基板表面側の長
手他端側に併設してあり、残りの電極部ｈ・ｍ・ｑの３
つはヒータ基板裏面側に上記電極部ｇ・ｎ・ｐと表裏対
応の位置に併設してあり、表裏対応の電極部ｇとｈ、電
極部ｎとｍ、電極部ｐとｑをそれぞれスルーホールで導
通させてある。

【００６４】前記したように本例のプリンタの給紙は中
央基準搬送であり、Ｉは最大幅サイズ用紙の通紙領域、
IIは最小幅サイズ用紙の通紙領域、III は最小幅サイズ
用紙が通紙されたときに生じる非通紙領域（最大幅サイ
ズ用紙の通紙領域Ｉとの差領域）である。

【００６５】メインサーミスタｊは、プリンタに通紙使
用しうるどのような幅サイズの用紙であっても必ずその
位置を用紙が通る通紙領域位置に配設される。本例では
最小幅サイズ用紙の通紙領域IIに対応するヒータ基板裏
面領域内の任意の場所に配設している。

【００６６】またサブサーミスタｓは、プリンタに通紙
使用しうる用紙のうち幅が最大のものが通紙されている
間は用紙は通るが、幅が最小のものが通紙されている間
は用紙が通らない非通紙領域位置に配設される。本例で
は最小幅サイズ用紙が通紙されたときに生じる非通紙領
域III に対応するヒータ基板裏面領域内の任意の場所に
配設している。

【００６７】メインサーミスタｊ及びサブサーミスタｓ
の設置手段としては、ヒータ基板裏面に耐熱性の接着材
で接着する方法やバネ性部材の圧力を利用して押し付け
て設置する方法等がある。

【００６８】そしてメインサーミスタｊは連絡電路ｉと
ｋを介して電極部ｈとｍに電気的に導通させてある。ま
たサブサーミスタｓは連絡電路ｋとｒを介して電極部ｍ
とｑに電気的に導通させてある。

【００６９】上記により、電極部ｇ→電極部ｈ→連絡電
路ｉ→メインサーミスタｊ→連絡電路ｋ→電極部ｍ→電
極部ｎの直列電路（第一のＤＣライン）、及び電極部ｎ
→電極部ｍ→連絡電路ｋ→サブサーミスタｓ→連絡電路
ｒ→電極部ｑ→電極部ｐの直列電路（第二のＤＣライ
ン）が構成される。

【００７０】上記において、電極部ｂ・ｅ・ｇ・ｈ・ｍ
・ｎ・ｐ・ｑ、連絡電路ｄ・ｉ・ｋ・ｒ、スルーホール
の導電部は、例えば銀ペースト等の電気導通体材料をス
クリーン印刷等によりパターン塗工し、焼成する等によ
り形成される。

【００７１】ヒータ表面保護層ｆは本例では耐熱ガラス
コート層であり、ヒータ基板ａの表面側において、電極
部ｂ・ｅ・ｇ・ｎ・ｐの部分を除いて通電発熱抵抗体ｃ
と連絡電路ｄを覆わせて形成してある。

【００７２】上記のヒータ２２はその表面側（通電発熱
抵抗体ｃを具備させたヒータ基板表面側）を外側にして
ステー２３の下面に長手に沿って形成具備させたヒータ
嵌め込溝内に嵌め込んである。

【００７３】そして給電用コネクタ２６がステー２３の
一端側の延長張り出し部２３ａ（図２）に組み付けられ
る。また、検温用コネクタ２７がステー２３の他端側の
延長張り出し部２３ｂに組み付けられる。２６ａは給電
回路と給電用コネクタ２６とを連絡させている給電ケー
ブル線、２７ａは制御手段と検温用コネクタ２７連絡さ
せている信号ケーブル線である。

【００７４】而して、給電用コネクタ２６を介して商用
電源・ＡＣドライバ等からなる給電回路から給電ケーブ
ル線２６ａ・給電用コネクタ２６を介してヒータ２２の
前記ＡＣラインの給電用電極部ｂ・ｅに給電されること
でＡＣラインの通電発熱抵抗体ｃが発熱してヒータ２２
の所定の有効加熱長さ領域が迅速に昇温する。

【００７５】また、メインサーミスタｉ及びサブサーミ
スタｓでそれぞれ検出されるヒータ温度情報が前記第一
のＤＣラインの検温用電極部ｇ・ｎ、前記第二のＤＣラ
インの検温用電極部ｎ・ｐから検温用コネクタ２７・信
号ケーブル線２７ａを介して制御手段に入力する。

【００７６】制御手段はメインサーミスタｉ及びサブサ
ーミスタｓからのヒータ温度情報に基づいて給電回路を
制御（ＡＣ電圧の位相・波数制御等）してヒータ２２の
温度を所定に温調する、また所定のプリンタ制御、定着
器駆動制御をする。

【００７７】具体的に図５はヒータ２２を加熱駆動する
ために必要とされる電気回路の例を示す。メインサーミ
スタｊ、サブサーミスタｓはそれぞれ一方の端はＧＮＤ
に接続され、他方の端はプルアップ抵抗３１・３２を介
して制御手段１９のアナログ電圧検知端子に入力され
る。制御手段１９は、それぞれの端子に入力された電圧
を測定することによって、各サーミスタｊ・ｓの温度を
検知することができる。一方、制御手段１９からは駆動
信号が出力され、駆動信号がＯＦＦの時はトランジスタ
３３もオフされ、ヒータ２２の通電発熱抵抗体ｃには電
力は供給されず加熱されない。駆動信号がオンの場合は
トランジスタ３３を介してフォトトライアックカプラ３
４の発光側が発光する。それに従い、受光側に電流が流
れ始めるとトライアック３５がオン状態となり、電源３
６からヒータ２２の通電発熱抵抗体ｃに電力が供給され
加熱される。制御手段１９は、メインサーミスタｊまた
はサブサーミスタｓから供給される電圧が、あらかじめ
決められた温度に対応する電圧と一致するように、駆動
信号のオン・オフを制御する。

【００７８】ｃ）非通紙部昇温対策 図６は幅が狭い用紙が通紙されたときに生じる非通紙部
昇温の説明図であり、（ａ）は通紙使用しうる用紙のう
ち最大幅サイズの用紙Ｐ_max とヒータ２２のメインサー
ミスタｊ及びサブサーミスタｓの位置関係、（ｂ）は通
紙使用しうる用紙のうち最小幅サイズの用紙Ｐ_min とヒ
ータ２２のメインサーミスタｊ及びサブサーミスタｓの
位置関係、（ｃ）は最小幅サイズの用紙Ｐ_min が通紙さ
れた場合のヒータ２２の長手に沿う温度分布（＝定着ニ
ップ部Ｎの長手沿う温度分布）例を示す。

【００７９】幅が狭い用紙が通紙された場合は、定着ニ
ップ部Ｎにおいて、用紙の厚みによって用紙幅方向の端
部のすぐ外側ではヒータ２２と加圧ローラ２５の間に空
間が生まれ、ヒータ２２が発熱した熱が用紙にも加圧ロ
ーラ２５にも伝達されない領域が生まれる。そのために
（ｃ）のイおよびロで示すこの領域は、メインサーミス
タｊを用いて目標温度（第一の温度、所定の定着温度）
に温調している場合、図のように温度が上昇することに
なる。そして連続通紙がなされたような場合には、例え
ば、目標温度が２００℃である場合には領域イおよびロ
での温度は３００℃の高温に達することもある。

【００８０】ヒータ２２の非通紙領域III （ヒータ端
部）がこのような高温になった状態で定着装置１３の駆
動を停止すると、その後しばらく温度が上昇するため、
加圧ローラ２５やステー２３の熱劣化につながる。ま
た、ヒータ端部がこのように高温になった状態で幅の広
い用紙を通紙使用すると、温度が高すぎることによるホ
ットオフセット等が発生する。

【００８１】即ち、制御手段は定着ニップ部Ｎに用紙が
通過する期間においては用紙に与える熱量の分だけ余計
に印加電力が大きくなるように制御を行ってヒータ２２
の温度を所定の目標温度に一定に保つように制御を行
う。この時、定着ニップ部Ｎに幅の狭い用紙が通過する
場合においては用紙が通過しない非通紙領域III に対応
しているヒータ端部の温度が上昇してしまう。ヒータ端
部の温度が上昇しすぎるとヒータ２２やヒータ２２に接
している定着フィルム２４や加圧ローラ２５、ステー２
３といった部材の温度が上がりすぎて、溶けて変形、変
質してしまいそれ以後、正常な機能を果たせなくなって
しまう。

【００８２】図７は本実施例のプリンタ動作を示すフロ
ーチャートである。

【００８３】サブサーミスタｓの温度がＴ２以下である
場合の動作は従来例（図１７）と同様であるので、説明
は省略する。

【００８４】いま、サブサーミスタｓの温度があらかじ
め決められた温度Ｔ２以上であることを検知した場合、
制御手段１９は直ちにセラミックヒータ２２の駆動を停
止する（ステップＳ５）。その後、排紙センサ１５の状
態を監視し、排紙センサ１５が用紙後端を検知してから
用紙が排紙されるのに十分な時間が経過した後、搬送手
段の駆動を停止する（ステップＳ７）。

【００８５】図８は本実施例のプリンタにおける用紙搬
送の制御と各サーミスタｊ・ｓの温度の移り変わりを示
すモデルである。図８におけるＢの区間で、搬送系が駆
動されていることを特徴とする。

【００８６】このようにサブサーミスタｓで定着装置の
非通紙部昇温温度を監視させ、サブサーミスタｓが非通
紙部の異常高温を検知した場合でも用紙の搬送を停止し
ないで該用紙の排紙を完了させ、その後に搬送を停止さ
せるシーケンスにより、定着装置の非通紙部昇温が異常
高温になって装置が緊急停止制御される場合でも、ユー
ザには用紙取り除き操作など余計な操作を強要しない。

【００８７】［実施例２］（図９・図１０） 図９は本実施例２のプリンタ動作を示すフローチャート
である。

【００８８】サブサーミスタｓの温度がＴ２以下である
場合の動作は従来例（図ＡＡ）と同様であるので、説明
は省略する。

【００８９】いま、サブサーミスタｓの温度があらかじ
め決められた温度Ｔ２以上であることを検知した場合、
制御手段１９はセラミックヒータ２２の駆動を停止して
（ステップＳ５）、搬送スピードを落とす（ステップＳ
６）。その後、排紙センサ１５の状態を監視し、排紙セ
ンサ１５が用紙後端を検知してから用紙が排紙されるの
に十分な時間が経過した後、搬送手段の駆動を停止する
（ステップＳ７→Ｓ８）。その後、サブサーミスタｓの
異常高温を検知したため停止したことをホストコンピュ
ータ２００に報知する（ステップＳ９）。

【００９０】図１０は本実施例２の用紙搬送の制御と各
サーミスタｊ・ｓの温度の移り変わりを示すモデル図で
ある。図１０におけるＢの区間で、搬送系が通常の速度
Ｖ１よりも遅い速度Ｖ２で駆動されていることを特徴と
する。

【００９１】［実施例３］（図１１・図１２） 図１１は本実施例３の動作を示すフローチャートであ
る。

【００９２】サブサーミスタｓの温度がＴ２以下である
場合、セラミックヒータ２２はメインサーミスタｊの温
度があらかじめ決められる温度Ｔ１℃になるように制御
されている（ステップＳ１）。

【００９３】いま、サブサーミスタｓの温度があらかじ
め決められた温度Ｔ２以上であることを検知した場合、
制御手段１９は、サブサーミスタｓの温度がＴ１以上Ｔ
２以下の所定の温度Ｔ３℃になるよにうセラミックヒー
タ２２を制御する（ステップＳ６）。

【００９４】図１２はこのときの両サーミスタｊ・ｓの
温度の経過と搬送の状態を示す図である。図１２のＡの
区間ではメインサーミスタｊの温度情報を基にセラミッ
クヒータ２２の温度制御を行っているため、メインサー
ミスタｊの温度はＴ１℃で一定となっている。このと
き、幅が小さい用紙が通紙されていると、前出の理由に
よりサブサーミスタｓの温度はＴ１℃よりも徐々に上昇
していく。その後サブサーミスタｓの温度がＴ２℃に達
したため制御手段１９はサブサーミスタｓの温度がＴ３
℃になるように制御を開始する（図１２のＢの区間）。
この区間では、サブサーミスタｓの温度が基準となるた
め、サブサーミスタｓの温度はしばらく後に一定となる
が、メインサーミスタｊの温度は徐々に低下していく。
排紙が完了した時点で、セラミックヒータ２２の駆動が
停止されるため、温度は原点である常温まで低下してい
く。本実施例３では、図１２中のＢの区間でセラミック
ヒータ２２の駆動を完全には停止しないことを特徴とす
る。

【００９５】［実施例４］（図１３・図１４） 図１３は本実施例４のプリンタ動作を示すフローチャー
トである。

【００９６】サブサーミスタｓの温度がＴ２以下である
場合、セラミックヒータ２２はメインサーミスタｊの温
度があらかじめ決められる温度Ｔ１℃になるように制御
されている（ステップＳ１）。

【００９７】いま、サブサーミスタｓの温度があらかじ
め決められた温度Ｔ２以上であることを検知した場合、
制御手段１９は、サブサーミスタｓの温度がＴ１以上Ｔ
２以下の所定の温度Ｔ３℃になるようにセラミックヒー
タ２２を制御する（ステップＳ６）。また、用紙搬送速
度を通常の速度Ｖ１よりも遅い速度Ｖ２に変更して搬送
する（ステップＳ７）。

【００９８】図１４はこのときの両サーミスタｊ・ｓの
温度の経過と搬送の状態を示す図である。図１４のＡの
区間ではメインサーミスタｊの温度情報を基にセラミッ
クヒータ２２の温度制御を行なっているため、メインサ
ーミスタｊの温度はＴ１℃で一定となっている。このと
き、幅が小さい用紙が通紙されていると、前出の理由に
よりサブサーミスタｓの温度はＴ１℃よりも徐々に上昇
していく。その後サブサーミスタｓの温度がＴ２℃に達
したため制御手段１９はサブサーミスタｓの温度がＴ３
℃になるように制御を開始し、かつ搬送速度をＶ２に落
とす（図１４のＢの区間）。この区間では、サブサーミ
スタｓの温度が基準となるため、サブサーミスタｓの温
度はしばらく後に一定となるが、メインサーミスタｊの
温度は徐々に低下していく。排紙が完了した時点で、セ
ラミックヒータ２２の駆動が停止されるため、その後、
温度は原点である常温まで低下していく。

【００９９】［実施例５］（図１５・図１６） 図１５は本実施例５のプリンタ動作を示すフローチャー
トである。

【０１００】セラミックヒータ２２の温調開始時に目標
温度があらかじめ決められる温度Ｔ１℃に設定される
（ステップＳ１）。

【０１０１】いま、サブサーミスタｓの温度があらかじ
め決められた温度Ｔ２以上であることを検知した場合、
制御手段１９は、セラミックヒータ２２の目標温度をＴ
１℃よりも低いＴ４℃に設定する（ステップＳ６）。ま
た、搬送速度を通常の速度Ｖ１よりも遅いＶ２に変更し
て搬送する（ステップＳ７）。

【０１０２】図１６はこのときの両サーミスタｊ・ｓの
温度の経過と搬送の状態を示す図である。サブサーミス
タｓの温度がＴ２℃を超えた以降（図１６中のＢの区
間）は、目標温度がＴ４℃であるため、メインサーミス
タｊの温度はＴ４度まで低下した後に一定となる。サブ
サーミスタｓの温度は、メインサーミスタｊの温度がＴ
４度に低下するまでは徐々に低下し、その後徐々に上昇
していく。温度Ｔ４は、あらかじめ搬送方向の長さが最
大である用紙が通紙されたときにもサブサーミスタｓの
温度がＴ２℃を超えないような値に設定される。

【０１０３】かくして、実施例１乃至５の画像形成装置
においては、サブサーミスタｓの温度が異常高温になっ
た場合でも、ユーザに余計な操作を強要しない画像形成
装置を提供できる。

【０１０４】また、実施例２乃至５においては、メイン
サーミスタｊの温度低下に伴う定着不良（定着に必要な
熱が確保されないためにトナーの固着が不十分である状
態をいう）の画像が排出されるこを、極力押えることが
可能であり、特に搬送方向の長い用紙が印字されている
ときは有効である。

【０１０５】また、本発明は、サブサーミスタｓの異常
高温が検知された場合、用紙搬送速度をさげる、サブサ
ーミスタｓの温度で温調する、メインサーミスタｊの目
標温度を下げる、という制御を行うことを特徴とする
が、実施例には明記しない別の組み合わせをもっても、
同様の機能を実現することが可能であることはいうまで
もない。

【０１０６】制御手段１９は上記のようにサブサーミス
タｓで検出された温度が一定の上限温度以上であること
に基づいてプリンタを一時停止させて待機状態に制御し
たときには、ホストコンピュータ２００に報知するとと
もに、ユーザに戸惑いを与えないために、プリンタコン
ソール部等のディスプレイ部やランプ等の報知手段を作
動させて、そのプリンタの一時停止が定着装置１３の許
容外の非通紙部昇温の解消待ちである旨の報知をする。

【０１０７】［実施例６］（図１９） 定着装置１３の温度が十分に下がった後はプリンタが給
紙動作・プリント動作再開可能状態に復帰した旨の報知
をする。ユーザはその報知に基づいて、プリンタの中断
したプリント動作を再開させる。

【０１０８】プリンタにプリンタ内を冷却するための排
熱ファン等の冷却手段を有し、サブサーミスタｓで検出
されるヒータ温度が所定の一定の上限温度以上である場
合はそれに基づく上記のプリンタ一時停止制御処置にお
いて直前のプリントを行った用紙の排出を終了した後も
上記の冷却手段の駆動を継続させるようにしてもよく、
定着装置１３の降温時間を速める上で有効である。

【０１０９】また、ヒータ２２の温度をメインサーミス
タｊを用いてあらかじめ設定される目標温度（第一の温
度、所定の定着温度）に温調制御させる場合の、制御手
段１９に設定するそのヒータ温調目標温度を装置の状態
に応じて複数の値をとることができるようにし、サブサ
ーミスタｓを用いてヒータの非通紙部昇温状態を検出す
るためにあらかじめ設定される所定の一定の上限温度
（第二の温度）が、上記のヒータ温調目標温度の選択温
度に応じて設定されるような制御回路構成にすることも
有効である。

【０１１０】本実施例はその具体例である。一般的に、
加圧ローラ２５は熱容量が大きい。したがって、連続し
てプリントを行った場合、プリント枚数または時間に応
じて徐々に第１の目標温度であるＴ１を下げていく。図
１９に示すように１枚目からＣａ枚目まではＴａ℃、Ｃ
ａ＋１枚目からＣｂ枚目まではＴｂ℃というようにＴ１
を変更していく。具体的な数値としては、例えば、Ｔ
ａ，Ｔｂ，Ｔｃ，Ｔｄはそれぞれ１９０℃，１８５℃，
１８０℃，１７５℃、Ｃａ，Ｃｂ，Ｃｃはそれぞれ５
枚，１５枚，３０枚というように、各装置に固有な値が
用いられている。また、本実施例では、連続プリントさ
れる用紙の枚数に応じて温調目標温度Ｔ１を変更するよ
うにしたが、これ以外にも、例えば、ヒータ２２への通
電時間を累積していって、その累積通電時間に応じてＴ
１を変更することも可能である。本実施例では、このよ
うに目標温度Ｔ１が変化した場合にそれにしたがって前
実施例までに説明した所定の温度Ｔ２をＴｅ→Ｔｆ→Ｔ
ｇ→Ｔｈというように変化させていく。具体的な数値と
しては、例えば、Ｔｅ，Ｔｆ，Ｔｇ，Ｔｈはそれぞれ、
２１５℃，２１０℃，２０５℃，２００℃というよう
に、各装置に固有な値が用いられる。また、サブサーミ
スタｓが温度Ｔ２以上であることを検知した場合の動作
は、前述の実施例のいずれかの動作を用いることができ
るので、ここでは説明を省略する。本実施例では、Ｔ２
をＴ１＋２５℃に一律に設定されているが、例えば、Ｔ
ｅ，Ｔｆ，Ｔｇ，Ｔｈをそれぞれ、２１５℃，２１０
℃，２００℃，１９０℃というように任意に設定するこ
とも可能である。また本実施例では説明を簡単にするた
めに、Ｔ１の変化を４段階としたが、Ｔ１の変化は２段
階以上の任意の段階を用いることができることはいうま
でもない。

【０１１１】なお、各実施例のプリンタはセンタ基準の
給紙系であるが、左端基準あるいは右端基準の給紙系の
場合も同様に、通紙領域にメインサーミスタｊを配置
し、非通紙領域にサブサーミスタｓを配置することによ
り同様の効果が得られる。

【０１１２】定着装置は熱ローラ方式、電磁加熱方式等
のものであってもよい。

【０１１３】

【発明の効果】以上のように本発明は、定着ニップ部に
用紙を導入して挟持搬送させて用紙上の未定着像を加熱
定着させる定着装置を具備させている画像形成装置にお
いて、第二の温度検出手段で定着装置の非通紙部昇温温
度を監視させ、第二の温度検出手段が非通紙部の異常高
温を検知した場合でも用紙の搬送を停止しないで該用紙
の排紙を完了させ、その後に搬送を停止させる装置動作
シーケンスにより、定着装置の非通紙部昇温が異常高温
になって装置が緊急停止制御される場合でも、ユーザに
は用紙取り除き操作など余計な操作を強要しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の画像形成装置の概略構成模型図

【図２】 定着器の要部の外観斜視模型図

【図３】 定着器の要部の横断面模型図

【図４】 ヒータの構成模型図

【図５】 ヒータ制御系の回路例図

【図６】 非通紙部昇温の説明図

【図７】 実施例１のプリンタ動作を示すフローチャー
ト

【図８】 実施例１の温度制御および駆動方法を説明す
る図

【図９】 実施例２のプリンタ動作を示すフローチャー
ト

【図１０】 実施例２の温度制御および駆動方法を説明
する図

【図１１】 実施例３のプリンタ動作を示すフローチャ
ート

【図１２】 実施例３の温度制御および駆動方法を説明
する図

【図１３】 実施例４のプリンタ動作を示すフローチャ
ート

【図１４】 実施例４の温度制御および駆動方法を説明
する図

【図１５】 実施例５のプリンタ動作を示すフローチャ
ート

【図１６】 実施例５の温度制御および駆動方法を説明
する図

【図１７】 従来例のプリンタ動作を示すフローチャー
ト

【図１８】 従来例の温度制御および駆動方法を説明す
る図

【図１９】 実施例６の説明図

【符号の説明】

１・・像担持体（感光ドラム）、２・・帯電手段、３・
・像露光手段、４・・現像手段、５・・転写手段（転写
ローラ）、６・・第一の給紙口（給紙カセット）、１０
・・第二の給紙口（手差し給紙トレイ）、１３・・定着
装置、１８・・排紙部、２１・・加熱手段（加熱ユニッ
ト）、２２・・セラミックヒータ、２３・・ステイ、２
４・・定着フィルム、２５・・加圧ローラ、Ｎ・・定着
ニップ部、Ｍ・・定着装置駆動用モータ、Ｐ・・用紙、
ｔ・・未定着トナー像、ｊ・・第一の温度検出手段（メ
インサーミスタ）、ｓ・・第二の温度検出手段（サブサ
ーミスタ）、１９・・制御手段、ＰＣ・・プロセスカー
トリッジ

フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H027 DA12 DC05 DC10 DE01 DE07 DE09 EA12 EC06 EC07 EC09 ED19 ED25 EE04 EE05 EE07 EK10 GB07 2H033 AA29 AA42 BA08 BA11 BA25 BA31 BA32 BA36 BA59 BB18 BB28 BB33 BB37 BE03 CA07 CA13 CA17 CA27 CA34 CA36 CA37 CA38 9A001 HH34 JJ35

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通紙されうる全てのサイズの用紙が通紙中
   に挟持される位置に配設される第一の温度検出手段と、
   通紙されうる最大のサイズの用紙が通紙中には用紙が挟
   持されるが、通紙されうる最小のサイズの用紙が通紙中
   には用紙が挟持されない位置に配設される第二の温度検
   出手段とを備えた、少なくとも２つ以上のサイズの異な
   る用紙が通紙される、未定着の現像材を用紙に固着させ
   るための加熱手段と、 前記第一の温度検出手段で検出された温度を基に、前記
   加熱手段があらかじめ設定される第一の温度になるよう
   に制御を行う制御手段と、 を備え、前記制御手段は前記第二の温度検出手段で検出
   された温度が、あらかじめ設定される第二の温度以上で
   あることを検知したら、第二の温度検出手段の検出温度
   が前記第二の温度と同じかそれよりも低い第三の温度に
   なるように制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の画像形成装置において、
   あらかじめ設定される第一の温度が装置の状態に応じて
   複数の値をとり、あらかじめ設定される第二の温度が、
   第一の温度に応じて設定されることを特徴とする画像形
   成装置。
3. 【請求項３】請求項１または２に記載の画像形成装置に
   おいて、前記第二の温度検知手段が、前記第二の温度以
   上であることを前記制御手段が検知した場合に、前記加
   熱手段の異常を報知する報知手段を備えることを特徴と
   する画像形成装置。
4. 【請求項４】通紙されうる全てのサイズの用紙が通紙中
   に挟持される位置に配設される第一の温度検出手段と、
   通紙されうる最大のサイズの用紙が通紙中には用紙が挟
   持されるが、通紙されうる最小のサイズの用紙が通紙中
   には用紙が挟持されない位置に配設される第二の温度検
   出手段とを備えた、少なくとも２つ以上のサイズの異な
   る用紙が通紙される、未定着の現像材を用紙に固着させ
   るための加熱手段と、 用紙を搬送するための搬送手段と、 前記第一の温度検出手段で検出された温度を基に、前記
   加熱手段があらかじめ設定される第一の温度になるよう
   に制御を行う制御手段と、 を備え、前記制御手段は前記第二の温度検出手段で検出
   された温度が、あらかじめ設定される第二の温度未満で
   ある場合には、第一の搬送速度で用紙の搬送を行い、前
   記第二の温度検出手段で検出された温度が、あらかじめ
   設定される第二の温度以上である場合にも、用紙の排出
   が完了するまで、搬送を継続することを特徴とする画像
   形成装置。
5. 【請求項５】請求項４に記載の画像形成装置において、
   前記第二の温度検出手段で検出された温度が、あらかじ
   め設定される第二の温度以上である場合に、用紙の排出
   が完了するまでに、前記第一の搬送速度よりも遅い第二
   の搬送速度で用紙の搬送を行うことを特徴とする画像形
   成装置。
6. 【請求項６】請求項４または５に記載の画像形成装置に
   おいて、前記第二の温度検出手段で検出された温度が、
   あらかじめ設定される第二の温度以上であることが検知
   されてから、用紙の排出が完了するまでの期間内の任意
   のタイミングにおいて前記加熱手段の駆動を停止するこ
   とを特徴とする画像形成装置。
7. 【請求項７】請求項４ないし６の何れかに記載の画像形
   成装置において、あらかじめ設定される第一の温度が装
   置の状態に応じて複数の値をとり、あらかじめ設定され
   る第二の温度が、第一の温度に応じて設定されることを
   特徴とする画像形成装置。
8. 【請求項８】通紙されうる全てのサイズの用紙が通紙中
   に挟持される位置に配設される第一の温度検出手段と、
   通紙されうる最大のサイズの用紙が通紙中には用紙が挟
   持されるが、通紙されうる最小のサイズの用紙が通紙中
   には用紙が挟持されない位置に配設される第二の温度検
   出手段とを備えた、少なくとも２つ以上のサイズの異な
   る用紙が通紙される、未定着の現像材を用紙に固着させ
   るための加熱手段と、 前記第一の温度検出手段で検出された温度を基に、前記
   加熱手段があらかじめ設定される第一の温度になるよう
   に制御を行う制御手段と、 を備え、前記制御手段は前記第二の温度検出手段で検出
   された温度が、あらかじめ設定される第二の温度以上で
   あることを検知したら、前記第一の温度検出手段が前記
   第一の温度よりも低い第四の温度になるように制御を行
   うことを特徴とする画像形成装置。
9. 【請求項９】請求項８に記載の画像形成装置において、
   あらかじめ設定される第一の温度が装置の状態に応じて
   複数の値をとり、あらかじめ設定される第二の温度が、
   第一の温度に応じて設定されることを特徴とする画像形
   成装置。