JP2001280794A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の複数の貯蔵室を設けた冷蔵庫は、冷蔵
庫本体内背部に縦方向に冷却器を配置しこの冷却器の上
方に配置した送風機によって前記貯蔵室へ冷気を循環し
ている。このため、冷却器の下方から冷気を吸い込むた
めに、戻り冷気ダクトは冷却器の横や背面部を迂回する
ように配置しなければならず、ダクト構造が複雑にな
り、戻り冷気の湿気がダクト内に霜付きを生じ氷となる
おそれがある。 【解決手段】 本発明は、冷気ダクト構成の簡略化がで
き冷却性能に優れた冷蔵庫を提供しようとするものであ
り、一つの具体的な手段として、冷蔵庫本体内に縦方向
に冷却器を配置し、前記冷却器の横に冷蔵庫内の貯蔵室
へ冷気を循環する送風機を配置し、前記冷却器の上下方
向に前記貯蔵室からの戻り冷気ダクトを配置し、前記戻
り冷気が前記冷却器を上下方向から侵入して前記送風機
へ向かう横方向へ屈曲して流れる通風路を形成する技術
手段を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫本体内に複
数の貯蔵室を設けて冷却器で冷却した冷気を送風機で前
記各室へ循環する冷蔵庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷蔵庫本体内に複数の貯蔵室を設
けた冷蔵庫にあっては、冷蔵庫本体内に縦方向に冷却器
を配置し、この冷却器の上方に配置した送風機によって
冷蔵庫本体内の複数の貯蔵室へ冷却器で冷却した冷気を
循環している。冷却器を下方から上方へ通過する間に冷
却された冷気は、その上方にある送風機によってほぼ直
角に前方へ曲げられてダクトを通して各室へ分配循環さ
れる。そして各室を流れた冷気は、戻り冷気ダクトを通
して冷却器の下方へ戻され、冷却器の下面から冷却器へ
吸い込まれて再び冷却されて同様の循環を繰り返す。

【０００３】この種の冷蔵庫の一つとして特許第２６９
８５６６号がある。これから解るように、冷凍室の戻り
冷気は冷却器の下方から吸い込むことには問題ないが、
上部に位置する冷蔵室や野菜室などからの戻り冷気は、
戻り冷気ダクトによって冷却器の下方へ導かれて冷却器
の下面から吸い込まれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これらから解るよう
に、冷却器の下方から冷気を吸い込むために、戻り冷気
ダクトは冷却器の横や背面部を迂回するように配置しな
ければならず、ダクト構造が複雑になる。このため、戻
り冷気の湿気がダクト内に霜付きを生じ、これが氷とな
るおそれがあり、そのために凍結防止ヒータが必要にな
る場合がある。またこのダクトによって冷却器の収納部
分が制約され、充分な冷却能力を出すために必要な寸法
の冷却器の収納が制約される。このため、冷却器の能力
が減少したり、冷却器を大きくすると貯蔵室の容積を減
じざるを得ないという問題が生じる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
問題点に鑑み、冷気ダクト構成の簡略化ができ、冷却性
能に優れた冷蔵庫を提供しようとするものである。この
ため、前記課題を解決するための一つの具体的な手段と
して、冷蔵庫本体内に縦方向に冷却器を配置し、前記冷
却器の横に冷蔵庫内の貯蔵室へ冷気を循環する送風機を
配置し、前記冷却器の上下方向に前記貯蔵室からの戻り
冷気ダクトを配置し、前記戻り冷気が前記冷却器を上下
方向から侵入して前記送風機へ向かう横方向へ屈曲して
流れる通風路を形成する技術手段を採用した。

【０００６】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、冷蔵庫本体内に複数の貯
蔵室を設けて単一の冷却器で冷却した冷気を送風機で前
記各室へ循環する冷蔵庫において、前記冷却器は前記冷
蔵庫本体内の後壁部に縦方向に配置され、前記送風機は
前記冷却器の横に配置され、前記冷却器に対する冷気の
戻りダクトは、前記冷却器よりも上方の前記貯蔵室から
の戻り冷気は前記冷却器の上方から吸い込まれ前記冷却
器の前方及び下方の前記貯蔵室からの戻り冷気は前記冷
却器の下方から吸い込まれように配置した技術手段を採
用した。

【０００７】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、冷蔵庫本体内に上部に冷
蔵室、中間部に野菜室、下部に冷凍室を配置し冷却器で
冷却した冷気を送風機で前記各室へ循環する冷蔵庫にお
いて、前記冷却器は前記冷蔵庫本体内に縦方向に配置さ
れ、前記送風機は前記冷却器の横に配置され、前記冷却
器に対して、前記冷蔵室及び前記野菜室からの戻り冷気
は前記冷却器の上方から吸い込まれ前記冷凍室からの戻
り冷気は前記冷却器の下方から吸い込まれように冷気戻
りダクトを配置した技術手段を採用した。

【０００８】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、前記冷却器を前記冷凍室
の後方に配置した技術手段を採用した。

【０００９】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、前記送風機は、プロペラ
式軸流送風機であって前記冷却器の正面視においてその
回転軸が前記冷却器の斜め横方向へ向けて傾斜した技術
手段を採用した。

【００１０】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、前記冷却器は、冷媒パイ
プが水平部分とその左右に屈曲部分を形成して上下方向
に蛇行し前記水平部分ごとに独立したプレートフィンが
交差して設けられたプレートフィン型であり、上下位置
にある前記水平部分のプレートフィン相互間に冷気が前
記送風機へ向かう横方向通風路を形成する技術手段を採
用した。

【００１１】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、前記冷却器の複数の屈曲
部分が前記送風機の周辺部分を取り囲むように配置する
技術手段を採用した。

【００１２】また、本発明は、前記課題を解決するため
の一つの具体的な手段として、前記冷却器の水平部分に
設けたプレートフィンのフィンピッチは、前記冷却器の
中央部分のフィンピッチよりも上下部分のフィンピッチ
を粗くした技術手段を採用した。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、本発明の冷蔵庫の実施の形
態について説明する。図１乃至図４は本発明の一つの実
施の形態を示しており、図１は冷蔵庫の縦断側面図、図
２は図１の冷蔵庫の扉を開いた状態の冷蔵庫本体の正面
図、図３は図１の冷蔵庫の冷却器と圧縮機部分の正面
図、図４は図１の冷蔵庫の冷却器と送風機の配置関係を
示す横断平面図である。

【００１４】図１乃至図４において、１は冷蔵庫本体で
あり、外箱３４と内箱３３との間に断熱材２を充填した
断熱構造である。冷蔵庫本体１内には、上から冷蔵室
３、野菜室４、冷凍室５が区画されて設けられ、冷蔵室
３内の底部にはその上方の冷蔵室３と区画板（区画壁）
６にて区画された特定低温室７が設けられている。また
冷凍室５は上冷凍室８と下冷凍室９に区分されており、
上冷凍室８はその左側の一部を製氷器室８Ａとするよう
に仕切壁８Ｂで仕切り、製氷器室８Ａには、製氷工程毎
に製氷皿へ自動給水して製氷工程を繰り返すことによっ
て、その下方に設けた貯氷容器へ一定量の氷を造る、所
謂、従来周知の自動製氷器が設置される。冷蔵室３の前
面開口は、冷蔵庫本体１の一側部にヒンジ装置にて横方
向に回動して開閉される回動式扉１０にて閉塞される。
野菜室４の前面開口は、野菜室４内に設けた左右のレー
ルに対して前後方向へ引き出し可能に支持した野菜容器
１１と共に前方へ引き出される引き出し式扉１２にて閉
塞されている。上冷凍室８と下冷凍室９はそれぞれ野菜
室４と同様に、冷凍室内に設けた左右のレールに対して
それぞれ前後方向へ引き出し可能に支持した容器１３、
１４と共に前方へ引き出される引き出し式扉１５、１６
にて閉塞されている。

【００１５】１７は冷凍システムの冷媒の圧縮機、１８
は冷凍システムの冷媒の冷却器（蒸発器）で、冷蔵庫本
体１内の後壁部に縦方向に配置されている。１９は冷却
器１８の霜取り用電気ヒータであり、冷却器１８の直下
の配置されている。２０は冷却器１８の霜取りにて生じ
た露を受けて圧縮機１７等の熱にてその露を蒸発させる
ための蒸発皿である。２１は冷凍システムの冷媒の凝縮
器である。圧縮機１７、蒸発皿２０及び凝縮器２１は冷
蔵庫本体１の下部に形成した機械室２２内に配置され、
送風機（図示せず）にてそこから発生する熱を放散する
構成である。２３は冷却器１８で冷却した冷気を冷蔵室
３、特定低温室７、野菜室４及び冷凍室５へ循環する送
風機である。特定低温室７は、野菜室４と同様に、特定
低温室７内に設けた左右のレールに対してそれぞれ前後
方向へ引き出し可能に支持した容器２４が設けられ、容
器２４の引き出しに伴って上前方へ回動して開く扉２５
を有する。

【００１６】各室の温度は、冷蔵室３が約３〜５℃、野
菜室４が約３〜５℃、上冷凍室８と下冷凍室９が約―１
８℃〜―２０℃である。特定低温室７は、０℃よりも高
い約１℃のチルド室であったり、０℃よりも低く食品の
凍結温度よりも高い約―１〜２℃の氷温室であったり、
また、食品の表面に薄い氷の層が形成される程度の約―
４℃のパーシャル室であったりする。このように特定低
温室７は、食品を特定の温度領域内で冷却保存するため
のものであり、他の室に比して厳しい温度制御が要求さ
れる。

【００１７】本発明では、冷気ダクト構成の簡略化がで
き、冷却性能に優れた冷蔵庫を提供するための手段とし
て、冷却器１８の横に冷蔵庫内の各貯蔵室３、４、７、
８、９へ冷気を循環する送風機２３を配置している。そ
して、送風機２３から吐出される冷気を冷蔵庫内の各貯
蔵室３、４、７、８、９へ分配して導くために冷気供給
ダクト２６を設け、この冷気供給ダクト２６は、送風機
２３の上方に延びる部分２６Ｂが、野菜室４の背面を過
ぎた当たりから二股に分岐して冷蔵室用ダクト２６Ａを
形成し、それぞれ冷蔵室３に対して冷気を吹き出す冷気
吹き出し口２７と特定低温室７に対して冷気を吹き出す
冷気吹き出し口２８とを有する。また冷気供給ダクト２
６は、送風機２３の下方に延びる部分２６Ｃが冷凍室５
用ダクト２６Ｄを形成し、上冷凍室８に対して冷気を吹
き出す冷気吹き出し口３０と、下冷凍室９に対して冷気
を吹き出す冷気吹き出し口３１とを有する。３２は冷蔵
室３の冷気を野菜室４へ供給するための供給口である。
冷気供給ダクト２６は、その構成を簡略化するために図
１に示すように、冷蔵庫の内箱３３の背面に沿って上下
方向へ延び配置され、冷蔵室３に対しては二股に分岐し
た構成である。このため、各室への冷気分配がしやすく
なっている。

【００１８】また、３５は冷蔵庫内の各貯蔵室３、４、
７、８、９から冷却器１８へ冷気を帰還させるための冷
気戻りダクトであり、冷却器１８よりも上方に延びた冷
蔵室３・野菜室４用戻りダクト２９Ａと冷却器１８より
も下方に延びた冷凍室５用戻りダクト２９Ｂとを有し、
冷蔵室３・野菜室４用戻りダクト２９Ａには、冷蔵室３
および特定低温室７からの冷気吸い込み口３６と野菜室
４からの冷気吸い込み口３７が冷却器１８よりも上方に
形成され、冷凍室５用戻りダクト２９Ｂには、上冷凍室
８及び下冷凍室９からの冷気吸い込み口３８が冷却器１
８よりも下方に形成されている。冷気戻りダクト３５と
冷気供給ダクト２６とは、図２に示すように、相互に前
後方向に重ならない状態に配置されている。即ち、冷気
戻りダクト３５と冷気供給ダクト２６とは、一平面上に
配置されて相互に前後方向に重ならない状態であるた
め、これらのダクトが占める前後方向の厚みが薄くな
り、従来のように両ダクトが重なっているものに比し
て、同じ奥行きの冷蔵庫であれば、貯蔵室の容積をアッ
プすることができる。

【００１９】この冷蔵庫は冷凍室５の温度によって圧縮
機１７と送風機２３の運転・停止を制御している。この
ため冷蔵室３、野菜室４および特定低温室７の温度は、
これらの室３、４、７へ供給される冷気供給を調整する
ことによって行う。そのための冷気調整装置が３９で示
されている。冷気調整装置３９は、通常、冷蔵室３の温
度によって冷気供給ダクト２６をダンパ４０で開閉し
て、冷蔵室３、野菜室４および特定低温室７の温度を調
整する。

【００２０】本発明では、冷蔵庫の正面視での送風機２
３の占める面積を少なくして冷却器の設置面積を大きく
するために、送風機２３はプロペラ式軸流送風機とし、
冷却器１８の正面視においてその回転軸が冷却器１８の
斜め横方向へ向けて傾斜して設置している。送風機２３
の回転軸の傾き状態は、図４に鋭角Ｐで示している。

【００２１】冷却器１８は図３に示すように、冷媒パイ
プ４１が水平部分４２とその左右に屈曲部分４３を形成
して上下方向に蛇行し水平部分４２ごとに独立した多数
のプレートフィン４４が交差して設けられたプレートフ
ィン型であり、上下位置にある水平部分４２のプレート
フィン４４相互間に冷気が送風機２３へ向かう横方向通
風路４５を形成した構成である。冷気の流れ方向は図３
に矢印で示している。

【００２２】本発明は上記のように、冷蔵庫本体内に縦
方向に冷却器１８を配置し、冷却器１８の横に冷蔵庫内
の貯蔵室３、４、５等へ冷気を循環する送風機２３を配
置し、冷却器１８の上下方向に貯蔵室３、４、５等から
の戻り冷気ダクト３５を配置し、戻り冷気が冷却器１８
を上下方向から侵入して送風機２３へ向かう横方向へ屈
曲して流れるよう通風路４５を形成した構成である。こ
のため、戻り冷気ダクト３５を冷却器１８の近くに配置
できるため、ダクト構造が簡素化でき、通風系の簡素化
が図れ、通風抵抗も減少して良好な冷気循環が行え、貯
蔵室の冷却効果がアップする。また、従来のように戻り
冷気ダクトが複雑な配置であった場合に生じた貯蔵室の
容積減少がなくなり、貯蔵室の容積アップの設計がしや
すくなる。また、戻り冷気の湿気がダクト内に霜付きを
生じるおそれがなく凍結防止ヒータも不要なダクト構造
の設計が容易となる。

【００２３】本発明は、また、冷蔵庫本体内に複数の貯
蔵室３、４、５等を設けて単一の冷却器１８で冷却した
冷気を送風機２３で前記各室へ循環する冷蔵庫におい
て、冷却器１８は冷蔵庫本体内の後壁部に縦方向に配置
され、送風機２３は冷却器１８の横に配置され、冷却器
１８に対する冷気の戻りダクト３５は、冷却器１８より
も上方の貯蔵室３，４からの戻り冷気は冷却器１８の上
方から吸い込まれ冷却器１８の前方及び下方の貯蔵室５
からの戻り冷気は１８冷却器の下方から吸い込まれよう
にを配置した構成である。このため、冷却器１８を中央
にして、それよりも上方の貯蔵室３，４からの戻り冷気
ダクトは冷却器１８の上方のびて配置し、前方及び下方
の貯蔵室８，９からの戻り冷気ダクトは冷却器１８の下
方へのびており、ダクト構造が簡素化できるため、通風
系の簡素化が図れ、通風抵抗も減少して良好な冷気循環
が行え、貯蔵室の冷却効果がアップする。また、従来の
ように戻り冷気ダクトが複雑な配置であった場合に生じ
た貯蔵室の容積減少がなくなり、貯蔵室の容積アップの
設計がしやすくなる。

【００２４】また本発明は、冷蔵庫本体内に上部に冷蔵
室３、中間部に野菜室４、下部に冷凍室５を配置し冷却
器１８で冷却した冷気を送風機２３で前記各室へ循環す
る冷蔵庫において、冷却器１８は冷蔵庫本体内に縦方向
に配置され、送風機２３は冷却器１８の横に配置され、
冷却器１８に対して、冷蔵室３及び野菜室４からの戻り
冷気は冷却器１８の上方から吸い込まれ冷凍室５からの
戻り冷気は冷却器１８の下方から吸い込まれように冷気
戻りダクト３５を配置した構成である。このため、野菜
室４を中央に配置してその使用性を向上させた場合にお
けるダクト構成を簡素化でき、通風抵抗も減少して良好
な冷気循環が行える。

【００２５】また本発明は、冷却器１８を冷凍室５の後
方に配置した構成である。このため、冷却器１８を冷蔵
室や野菜室の後方へ配置した場合に必要な厚い断熱構造
や冷えすぎ防止ヒータなどが不要となり、断熱構造も複
雑にならない。

【００２６】また本発明は、送風機２３は、プロペラ式
軸流送風機であって冷却器１８の正面視においてその回
転軸が冷却器１８の斜め横方向へ向けて傾斜した構成で
ある。このため、送風機による冷却器の収納部分の制約
が少なくなり、冷却能力を出すために必要な寸法の冷却
器の配置が達成できる。また従来のものでは、冷却器か
ら吸い込んだ冷気は送風機にて直角方向へ曲げられてい
るので、通風損失が大きいが、本発明では送風機軸が斜
めのため、通風損失が減少し、冷気循環の効率アップと
なる。

【００２７】また本発明は、冷却器１８は、冷媒パイプ
４１が水平部分４２とその左右に屈曲部分４３を形成し
て上下方向に蛇行し水平部分４２ごとに独立した多数の
プレートフィン４４が交差して設けられたプレートフィ
ン型であり、上下位置にある水平部分４２のプレートフ
ィン４４相互間に冷気が送風機２３へ向かう横方向通路
４５を形成した構成である。このため、冷却器内で直角
方向へ曲げられるのでダクトによって冷気方向を変更す
る必要がなく、簡単なダクト構造となる。

【００２８】また本発明は、図３に示すように、冷却器
１８の複数の屈曲部分４３が送風機２３の周辺部分を取
り囲むように配置した構成である。図３では送風機２３
のほぼ右半分を屈曲部分４３が取り囲んだ構成を示して
いる。このため、送風機による冷却器の収納部分の制約
が少なくなり、冷却能力を出すために必要な寸法の冷却
器の配置が達成できる。また冷却器を通過する冷気を送
風機へ良好に導くことができる。

【００２９】また本発明は、図３に示すように、冷却器
１８の水平部分４２に設けたプレートフィン４４のフィ
ンピッチは、冷却器１８の中央部分のフィンピッチより
も上下部分のフィンピッチを粗くした構成である。冷却
器の空気の入口側には霜付きが多く発生し霜による通風
不良が発生しやすいが、本発明ではそれを防止できる。
また、付着した霜は、その下方のヒータ１９にて解か
し、そのとき発生する露は下方に設けた蒸発皿２０にて
蒸発できる。

【００３０】また本発明は、図２に示すように、冷気戻
りダクト３５と冷気供給ダクト２６とは、相互に前後方
向に重ならない状態に配置されている。即ち、冷気戻り
ダクト３５と冷気供給ダクト２６とは、一平面上に配置
されて相互に前後方向に重ならない状態であるため、こ
れらのダクトが占める前後方向の厚みが薄くなり、従来
のように両ダクトが重なっているものに比して、同じ奥
行きの冷蔵庫であれば、貯蔵室の容積をアップすること
ができる。

【００３１】上記実施形態では冷却器１８を冷蔵庫本体
１内の後壁に沿って縦方向に配置したが、冷蔵庫の形態
によっては冷蔵庫本体１内の左右側壁の何れかに沿って
縦方向に配置した構成でも良い。

【００３２】本発明は、上記実施形態に限定されず、本
発明の範囲において種種の実施形態を含むものである。

【００３３】

【発明の効果】第１の発明によれば、戻り冷気ダクトを
冷却器の近くに配置できるため、ダクト構造が簡素化で
き、通風系の簡素化が図れ、通風抵抗も減少して良好な
冷気循環が行え、貯蔵室の冷却効果がアップする。

【００３４】また第２の発明によると、冷蔵庫本体内に
複数の貯蔵室を設けて単一の冷却器で冷却した冷気を送
風機で前記各室へ循環する冷蔵庫のダクト構造の簡素化
が図れ、通風抵抗も減少して良好な冷気循環が行え、貯
蔵室の冷却効果がアップする。

【００３５】また第３の発明によると、野菜室４を中央
に配置してその使用性を向上させた場合におけるダクト
構成を簡素化でき、通風抵抗も減少して良好な冷気循環
が行える。

【００３６】また第４の発明によると、冷蔵庫本体内に
上部に冷蔵室、中間部に野菜室、下部に冷凍室を配置し
冷却器で冷却した冷気を送風機で前記各室へ循環する冷
蔵庫において、冷却器を冷蔵室や野菜室の後方へ配置し
た場合に必要な厚い断熱構造や冷えすぎ防止ヒータなど
が不要となり、断熱構造も複雑にならない。

【００３７】また第５の発明によると、送風機による冷
却器の収納部分の制約が少なくなり、冷却能力を出すた
めに必要な寸法の冷却器の配置が達成できる。また従来
のものでは、冷却器から吸い込んだ冷気は送風機にて直
角方向へ曲げられているので、通風損失が大きいが、本
発明では送風機軸が斜めのため、通風損失が減少し、冷
気循環の効率アップとなる。

【００３８】また第６の発明によると、冷却器内で直角
方向へ曲げられるのでダクトによって冷気方向を変更す
る必要がなく、簡単なダクト構造となる。

【００３９】また第７の発明によると、送風機による冷
却器の収納部分の制約が少なくなり、冷却能力を出すた
めに必要な寸法の冷却器の配置が達成できる。また冷却
器を通過する冷気を送風機へ良好に導くことができる。

【００４０】また第８の発明によると、ダクト構造の簡
素化に加えて、冷却器の空気の入口側への霜付きによる
通風不良が生じない冷蔵庫の提供ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の縦断側面図で
ある。

【図２】本発明の実施形態に係る図１の冷蔵庫の扉を開
いた状態の冷蔵庫本体の正面図である。

【図３】本発明の実施形態に係る図１の冷蔵庫の冷却器
と圧縮機部分の正面図である。

【図４】本発明の実施形態に係る図１の冷蔵庫の冷却器
と送風機の配置関係を示す横断平面図である。

【符号の説明】

１……冷蔵庫本体 ２……断熱材 ３……冷蔵室 ４……野菜室 ５……冷凍室 ６……区画壁 ７……特定低温室 ８……上冷凍室 ９……下冷凍室 １０…冷蔵室扉 １１…野菜容器 １２…野菜室扉 １３…冷凍室容器 １４…冷凍室容器 １５…上冷凍室扉 １６…下冷凍室扉 １７…圧縮機 １８…冷却器 １９…霜取り電気ヒータ ２０…蒸発皿 ２１…凝縮器 ２２…機械室 ２３…送風機 ２４…容器 ２５…扉 ２６…冷気供給ダクト ２７…冷気吹き出し口 ２８…冷気吹き出し口 ２９Ａ…冷蔵室・野菜室用戻りダクト ２９Ｂ…冷凍室用戻りダクト ３０…冷気吹き出し口 ３１…冷気吹き出し口 ３２…冷気供給口 ３３…内箱 ３４…外箱 ３５…冷気戻りダクト ３６…冷気吸い込み口 ３７…冷気吸い込み口 ３８…冷気吸い込み口 ３９…冷気調整装置 ４１…冷媒パイプ ４２…水平部分 ４３…屈曲部分 ４４…プレートフィン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 克彦 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 山川 貴志 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 大越 良二 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷蔵庫本体内に縦方向に冷却器を配置
   し、前記冷却器の横に冷蔵庫内の貯蔵室へ冷気を循環す
   る送風機を配置し、前記冷却器の上下方向に前記貯蔵室
   からの戻り冷気ダクトを配置し、前記戻り冷気が前記冷
   却器を上下方向から侵入して前記送風機へ向かう横方向
   へ屈曲して流れる通風路を形成したことを特徴とする冷
   蔵庫。
2. 【請求項２】 冷蔵庫本体内に複数の貯蔵室を設けて単
   一の冷却器で冷却した冷気を送風機で前記各室へ循環す
   る冷蔵庫において、前記冷却器は前記冷蔵庫本体内の後
   壁部に縦方向に配置され、前記送風機は前記冷却器の横
   に配置され、前記冷却器に対する冷気の戻りダクトは、
   前記冷却器よりも上方の前記貯蔵室からの戻り冷気は前
   記冷却器の上方から吸い込まれ前記冷却器の前方及び下
   方の前記貯蔵室からの戻り冷気は前記冷却器の下方から
   吸い込まれように配置したことを特徴とする冷蔵庫。
3. 【請求項３】 冷蔵庫本体内に上部に冷蔵室、中間部に
   野菜室、下部に冷凍室を配置し冷却器で冷却した冷気を
   送風機で前記各室へ循環する冷蔵庫において、前記冷却
   器は前記冷蔵庫本体内に縦方向に配置され、前記送風機
   は前記冷却器の横に配置され、前記冷却器に対して、前
   記冷蔵室及び前記野菜室からの戻り冷気は前記冷却器の
   上方から吸い込まれ前記冷凍室からの戻り冷気は前記冷
   却器の下方から吸い込まれように冷気戻りダクトを配置
   したことを特徴とする冷蔵庫。
4. 【請求項４】 前記冷却器を前記冷凍室の後方に配置し
   たしたことを特徴とする請求項３に記載の冷蔵庫。
5. 【請求項５】 前記送風機は、プロペラ式軸流送風機で
   あって前記冷却器の正面視においてその回転軸が前記冷
   却器の斜め横方向へ向けて傾斜したことを特徴とする請
   求項１乃至請求項４のいずれかに記載の冷蔵庫。
6. 【請求項６】 前記冷却器は、冷媒パイプが水平部分と
   その左右に屈曲部分を形成して上下方向に蛇行し前記水
   平部分ごとに独立したプレートフィンが交差して設けら
   れたプレートフィン型であり、上下位置にある前記水平
   部分のプレートフィン相互間に冷気が前記送風機へ向か
   う横方向通風路を形成したことを特徴とする請求項１乃
   至請求項５のいずれかに記載の冷蔵庫。
7. 【請求項７】 前記冷却器の複数の屈曲部分が前記送風
   機の周辺部分を取り囲むように配置したことを特徴とす
   る請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の冷蔵庫。
8. 【請求項８】 前記冷却器の水平部分に設けたプレート
   フィンのフィンピッチは、前記冷却器の中央部分のフィ
   ンピッチよりも上下部分のフィンピッチを粗くしたこと
   を特徴とする請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の
   冷蔵庫。