JP2001277726A

JP2001277726A - 可逆性感熱記録転写シート、その製造方法および可逆性感熱記録媒体の製造方法

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Publication number: JP2001277726A
Application number: JP2000099641A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Fujii; 浩藤井; Hiroyuki Morinaka; 宏幸森中; Haruhiko Osawa; 晴彦大澤; Masamitsu Nakanishi; 真備中西
Original assignee: Kyodo Printing Co Ltd
Current assignee: Kyodo Printing Co Ltd
Priority date: 2000-03-31
Filing date: 2000-03-31
Publication date: 2001-10-10
Anticipated expiration: 2020-03-31
Also published as: JP4347496B2

Abstract

(57)【要約】【課題】エッジ切れのないアイランド状の可逆性感熱
記録部を有する可逆性感熱記録媒体、その製造方法、こ
の可逆性感熱記録媒体作成に用いる可逆性感熱記録転写
テープ、およびその製造方法を提供する。【解決手段】剥離部と可逆性感熱記録部と、アイラン
ド形状のハーフカット部とを有し、アイランド形状のハ
ーフカット部は、可逆性感熱記録部から剥離部の層中ま
で設けられた可逆性感熱記録転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は可逆性感熱記録転写
シート、可逆性感熱記録転写シートの製造方法、および
可逆性感熱記録媒体の製造方法に関し、特に、アイラン
ド形状の可逆性感熱記録部を有する可逆性感熱記録媒体
の製造に用いられる可逆性感熱記録転写シート、その製
造方法、および可逆性感熱記録媒体の製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＩＤカード等を含む各種カードの
中には、可逆的な感熱記録を利用し、カード上に情報の
記録、および消去を可逆的に行うものがある。このよう
な可逆的な感熱記録を上記カード等に具備させるための
部材として、可逆性感熱記録媒体が知られている。

【０００３】従来、このような可逆性感熱記録媒体は、
可逆性感熱記録転写シートを用い、以下に示すような方
法により製造されていた。以下、図９、図１０、図１
１、および図１２を参照しながら、従来技術における可
逆性感熱記録転写シート、その製造方法、この可逆性感
熱記録転写シートを用いた可逆性感熱記録媒体、および
その製造方法について説明する。

【０００４】上記従来技術における可逆性感熱記録転写
シート（以下、転写シート９０と表記する）を、図９、
および図１２を参照しながら説明する。

【０００５】図１２に示すように、例えば、転写シート
９０は、剥離部９１０、および可逆性感熱記録部９２０
とを有する。剥離部９１０は、基材９１１、および剥離
層９１２とを有する。可逆性感熱記録部９２０は、保護
層９２１、可逆性感熱記録層９２２、バリアー層９２
３、および感熱接着層９２４とを有する。

【０００６】剥離部９１０は、可逆性感熱記録部９２０
を形成するための土台である。この役割は、剥離部９１
０の基材９１１が担う。また、図９（ｃ）に示すよう
に、剥離部９１０は、基体（以下、オーバーレイフィル
ム９１と表記する）から剥離される必要がある。剥離層
９１２は、この剥離機能を担うために形成される層であ
る。

【０００７】可逆性感熱記録部９２０は、可逆性感熱記
録を行う。バリアー層９２３、および保護層９２１は、
可逆性感熱記録層９２２を保護するための層である。可
逆性感熱記録層９２２は、可逆性感熱記録を行う層であ
る。感熱接着層９２４は、可逆性感熱記録層９２２をオ
ーバーレイフィルム９１へ接着し、オーバーレイフィル
ム９１を可逆性感熱記録媒体にするための層である。

【０００８】このように、転写シート９０は、上記層構
造を採用することにより、可逆性感熱記録を行う可逆性
感熱記録部９２０をオーバーレイフィルム９１に接着さ
せ、可逆性感熱記録には不要な剥離部９１０を剥離する
ことを可能としている。

【０００９】従来技術における転写シート９０の製造方
法を、図１２を参照しながら説明する。

【００１０】剥離部９１０上に、可逆性感熱記録部９２
０を積層することにより転写シート９０を作製する。よ
り詳しくは、基材９１１の上に、剥離層９１２を順に積
層することにより剥離部９１０を作製する。そして、剥
離部９１０上に、保護層９２１、可逆性感熱記録層９２
２、バリアー層９２３、および感熱接着層９２４とを順
に積層することにより転写シート９０を製造する。

【００１１】従来技術における可逆性感熱記録媒体の一
形態であるリライトカード９５を、図１１を参照しなが
ら説明する。

【００１２】図１１（ａ）に示すリライトカード９５
は、ストライプ状の可逆性感熱記録部９２０を有してい
る。図１１（ｂ）のリライトカード９５の短辺方向断面
図に示すように、リライトカード９５は、ストライプ状
の可逆性感熱記録部９２０を有するオーバーレイフィル
ム９１、センターコアフィルム９２、およびオーバーレ
イフィルム９３とを有する。このように、リライトカー
ド９５は、ストライプ状の可逆性感熱記録部９２０を有
することにより、可逆性感熱記録を行うことができる。

【００１３】従来技術における、転写シート４を用いた
可逆性感熱記録媒体の一形態であるリライトカード９５
を製造する製造方法を、図９、図１０、および図１２を
参照しながら説明する。

【００１４】転写シート９０（ｂ）、（ｃ）、および
（ｄ）等を、転写シート９０（ａ）を所定の幅にスリッ
トすることにより作製する。転写シート９０（ｅ）を、
図９（ｂ）に示すように、オーバーレイフィルム９１上
へ、加熱転写する。次に、図９（ｃ）に示すように、転
写シート９０（ｅ）の剥離部９１０を、転写シート４
（ｅ）の剥離層９１２より剥離する。

【００１５】これにより、オーバーレイフィルム９１上
に、可逆性感熱記録を行う可逆性感熱記録部９２０が形
成され、オーバーレイフィルム９１は、可逆性感熱記録
媒体となる。

【００１６】図１０（ｄ）に示すように、可逆性感熱記
録部９２０が形成されたオーバーレイフィルム９１に、
センターコアフィルム９２、およびオーバーレイフィル
ム９３と熱貼合し、フィルム９４を作製する。フィルム
９４を、図１０（ｅ）に示すように、所定の大きさに打
ち抜き、ストライプ状の可逆性感熱記録部９２０を有す
る可逆性感熱記録媒体の一形態であるリライトカード９
５を作製する。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によれば、図１１（ａ）に示すように、ストライ
プ状の可逆性感熱記録部を有する可逆性感熱記録媒体の
みを作製するのに制限されている。

【００１８】すなわち、図９、および図１０に示すよう
に、オーバーレイフィルム９１上に転写シート９０
（ｅ）を転写し、形成されたフィルム９４を所定の大き
さに打ち抜くため、得られた可逆性感熱記録媒体は、ス
トライプ状の可逆性感熱記録部を有するものに限定され
ていた。

【００１９】このようなストライプ状の可逆性感熱記録
部は、端部が露出してしまうため、可逆性感熱記録部の
端部の耐久性が劣るという問題点が指摘されている。す
なわち、図１１（ａ）に示すように、可逆性感熱記録部
９２０の左右の端部は、リライトカード９５の左右の辺
において露呈してしまう。この露呈により、ストライプ
状の可逆性感熱記録部は、基体から剥がれてしまう等の
問題を有するおそれがあった。

【００２０】また、ストライプ状の可逆性感熱記録部を
有する可逆性感熱記録媒体に制限されているため、例え
ば、図１１に示すリライトカード９５をＩＣカードとし
て使用する場合、ＩＣを搭載させる場所は、ストライプ
状の可逆性感熱記録部９２０と重ならない箇所に制限さ
れ、それ以外の箇所にＩＣを搭載させようとしても、Ｉ
Ｃカードとして機能することができないものとなってし
まう。

【００２１】また、クレジットカード等には、所有者の
氏名を記入するためのサインパネル、エンボス、ＩＤ、
偽造防止用のホログラムや、このクレジットカード等の
種類を標識するためのマーク等、多くの情報を記録する
必要もある。このように、上記クレジットカード等は、
多くの情報を記録する必要があり、ストライプ状の可逆
性感熱記録部ではなく、このストライプ状の可逆性感熱
記録部を一部とするアイランド状可逆性感熱記録部を有
するカード等が求められている。

【００２２】このように、上記従来技術は、可逆性感熱
記録部の形状がストライプに制限されており、アイラン
ド形状を作製する自由度がない。従って、可逆性感熱記
録媒体の用途が制限されてしまうということが指摘され
ている。

【００２３】さらに、ストライプ状の可逆性感熱記録部
を有する可逆性感熱記録媒体は、一般に、図１１（ａ）
に示すように、長方形に限定されるような形状となる傾
向を有する。

【００２４】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、アイランド状の可逆性感熱記録部を有する可逆
性感熱記録媒体を作製するために好ましく用いられる可
逆性感熱記録転写シートを提供することを目的とする。

【００２５】本発明は、アイランド状の可逆性感熱記録
部を有する可逆性感熱記録媒体を作製するための可逆性
感熱記録転写シートの製造する製造方法を提供すること
を目的とする。

【００２６】また、本発明は、アイランド状の可逆性感
熱記録部を有する可逆性感熱記録媒体を製造する製造方
法を提供することを目的とする。

【００２７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項１記載の発明は、剥離部と、可逆性感熱記
録部と、アイランド形状のハーフカット部とを有し、ア
イランド形状のハーフカット部は、可逆性感熱記録部側
から剥離部の層中まで設けられたことを特徴としてい
る。

【００２８】請求項２記載の発明は、請求項１の材料に
おいて、アイランド形状以外の可逆性感熱記録部が除去
されたことを特徴としている。

【００２９】請求項３記載の発明は、剥離部と、可逆性
感熱記録部とを有する可逆性感熱記録転写シートを用い
たテープにアイランド状にハーフカットするハーフカッ
ト加工工程を施すことを特徴としている。

【００３０】請求項４記載の発明は、請求項３の製造方
法において、ハーフカット加工工程は、可逆性感熱記録
部側から剥離部の層中までハーフカットすることを特徴
としている。

【００３１】請求項５記載の発明は、請求項３または４
の製造方法において、アイランド形状領域以外の可逆性
感熱記録部を剥離する可逆性感熱記録部剥離工程をさら
に有することを特徴としている。

【００３２】請求項６記載の発明は、基体上にアイラン
ド形状の可逆性感熱記録部を設ける工程を有することを
特徴としている。

【００３３】請求項７記載の発明は、請求項６の製造方
法において、可逆性感熱記録部を設ける工程は、剥離部
と可逆性感熱記録部とを有する可逆性感熱記録転写シー
トを基体へ加熱圧着し、剥離部を可逆性感熱記録部から
剥離することを特徴としている。

【００３４】請求項８記載の発明は、請求項７の製造方
法において、可逆性感熱記録転写シートは、アイランド
形状に施されたハーフカット部を有することを特徴とし
ている。

【００３５】請求項９記載の発明は、請求項７または８
の製造方法において、可逆性感熱記録部を設ける工程
は、可逆性感熱記録転写シートに施されたアイランド形
状領域を基体へ転写させるにあたり、予めアイランド形
状領域以外の可逆性感熱記録部を剥離したことを特徴と
している。

【００３６】請求項１０記載の発明は、請求項９の製造
方法において、可逆性感熱記録転写シートに形成された
アイランド形状領域は、複数の可逆性感熱記録媒体に対
応する多面付けで設けられ、可逆性感熱記録部を設ける
工程が多面付けで行われることを特徴としている。

【００３７】請求項１１記載の発明は、請求項７ないし
１０の製造方法において、基体がコアフィルムと少なく
ともコアフィルムの一方の面側にオーバーレイフィルム
を有するものであり、可逆性感熱記録転写シートに施さ
れたアイランド形状領域の可逆性感熱記録部をオーバー
レイフィルムのコアフィルム側となる面に転写し、その
後、オーバーレイフィルムとコアフィルムを貼り合わせ
ることを特徴としている。

【００３８】請求項１２記載の発明は、請求項７ないし
１０の製造方法において、基体がコアフィルムと少なく
ともコアフィルムの一方の面側にオーバーレイフィルム
を有するものであり、可逆性感熱記録転写シートに施さ
れたアイランド形状領域の可逆性感熱記録部をコアフィ
ルムのオーバーレイフィルム側となる表面に転写し、そ
の後、オーバーレイフィルムとコアフィルムを貼り合わ
せることを特徴としている。

【００３９】請求項１３記載の発明は、請求項１１また
は１２の製造方法において、可逆性感熱記録転写シート
は、保護層を有さないことを特徴としている。

【００４０】請求項１４記載の発明は、請求項８または
９の製造方法において、可逆性感熱記録転写シートは、
可逆的感熱記録部側から剥離部の層中へハーフカットが
施されたものであることを特徴としている。

【００４１】

【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる可逆性感熱
記録転写シート、この可逆性感熱記録転写シートの製造
方法、およびこの可逆性感熱記録媒体の製造方法の実施
の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。

【００４２】〈第１の可逆性感熱記録転写シート〉図２
は、本発明にかかる可逆性感熱記録転写シート（以下、
転写シート３と表記する）は下記のような層構造を有す
る可逆性感熱記録転写シートを形成後適当な幅にスリッ
トしてテープ状に作製し、このテープにハーフカット部
を設けることによって得られる。なお、本発明では、ス
リットは、ハーフカット部を設けた後に行ってもよく、
スリットを省略して可逆性感熱記録転写シートをそのま
ま用いてもよい。以下、図２を参照しながら、転写シー
ト３の層構造を、詳細に説明する。

【００４３】〈層構造〉転写シート３は、剥離部３０、
および可逆性感熱記録部２とを有する。剥離部３０は、
基材３１、および剥離層３２とを有する。可逆性感熱記
録部２は、保護層２１、可逆性感熱記録層２２、および
感熱接着層２４とを有する。可逆性感熱記録部２は、バ
リアー層２３を可逆性感熱記録層２２と感熱接着層２４
との間に設けることができる。

【００４４】〈剥離部〉剥離部３０は、基材３１、およ
び剥離層３２とを有する。剥離部３０は、可逆性感熱記
録部２を形成する際の台紙としての機能を有す。剥離部
３０は、転写シート３が基体に転写された後、可逆性感
熱記録部２から剥離される。

【００４５】〈基材〉基材３１は、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリアセテート、ポリス
チレン（ＰＳ）、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル（ＰＶ
Ｃ）、およびポリカーボネート（ＰＣ）等合成樹脂シー
ト、合成紙、またはこれらの組み合わせ等が用いられ
る。基材３１の厚さは、通常、１０〜５０μｍ程度であ
る。

【００４６】〈剥離層〉剥離層３２は、基材３１と保護
層２１との間における剥離性能を向上させるための層で
ある。従って、剥離層３２は、この剥離性能を向上させ
る素材が用いられる。例えば、剥離層３２は、フッ素系
樹脂、各種のワックス、シリコン等の剥離材を、アクリ
ル系樹脂、繊維素系樹脂、ビニル系樹脂等のビヒクル中
に添加したコーティング剤による塗工層、フッ素系樹
脂、シリコン、メラミン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、
電離放射線架橋型の多官能のアクリレート、ポリエステ
ル、エポキシ等樹脂の剥離性樹脂によるコーティング剤
の塗工層、またはエクストルージョンコート層等からな
る。

【００４７】〈可逆性感熱記録部〉可逆性感熱記録部２
は、可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録機能
を担う。可逆性感熱記録部２は、図２に示すように、保
護層２１、可逆性感熱記録層２２、バリアー層２３、お
よび感熱接着層２４等を有する。なお、バリアー層２３
は、可逆性感熱記録部２から省略してもよい。

【００４８】〈保護層〉保護層２１は、可逆性感熱記録
層２２表面を保護するために設けられる層である。その
ため、保護層２１は、この目的を達成することができる
素材であればよい。

【００４９】保護層２１は、例えば、その硬さを十分な
ものにするために、紫外線硬化型樹脂を含有することが
できる。また、保護層２１にシリカ等を含有させること
により、表面に適度な凸凹が形成される。これにより、
保護層２１表面のギラ付き感、および保護層２１表面に
おける傷の発生が防止される。また、サーマルヘッドに
セルフクリーニング性が付与される。また、剥離層を省
略し、剥離性を付与した保護層を用いてもよい。

【００５０】〈可逆性感熱記録層〉可逆性感熱記録層２
２は、例えば上記サーマルヘッド等加熱手段により加熱
されることで、情報を可逆的に記録・消去することが可
能な層である。

【００５１】可逆性感熱記録層２２は、ロイコ染料、顕
減色剤、およびバインダー樹脂を主成分として構成され
る。可逆性感熱記録層２２は、熱を加えられることによ
り、可逆的に発色・消色を繰り返す。

【００５２】上記ロイコ染料は、通常、無色、または淡
色の電子供与性染料前駆体である。また、上記顕減色剤
は、電子受容性化合物であり、加熱された後の冷却速度
の違いにより、上記電子供与性染料前駆体であるロイコ
染料に、可逆的な色調変化を生じさせるものである。こ
の顕減色剤は、炭素数６以上の脂肪族炭化水素基を少な
くとも１つ有するフェノール性化合物、炭素数６以上の
脂肪族炭化水素基を少なくとも１つ有するナフトール化
合物、フタル酸化合物、またはフェノール水酸基とアミ
ノ基とを有する酸性化合物が用いられる。

【００５３】〈ロイコ染料〉可逆性感熱記録層２２に主
成分として含有される上記ロイコ染料は、クリスタルバ
イオレットラクトン、３−インドリノ−３−ｐ−ジメチ
ルアミノフェニル−６−ジメチルアミノフタリド、３−
ジエチルアミノ−７−クロロフルオラン、２−（２−ク
ロルフェニルアミン）−ジエチルアミノフルオラン、２
−（２−フルオロフェニルアミノ）−６−ジエチルアミ
ノフルオラン、２−（２−フルオロフェニルアミノ）−
６−ジ−ｎ−ブチルアミノフルオラン、３−ジエチルア
ミノ−７−シクロヘキシルアミノフルオラン、３−ジエ
チルアミノ−５−メチル−７−ｔ−ブチルフルオラン、
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオ
ラン、３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ｐ−ブチ
ルアニリノフルオラン、３−シクロヘキシルアミノ−６
−クロロフルオラン、２−アニリノ−３−メチル−６−
（Ｎ−エチル−ｐ−トルイジノ）−フルオラン、３−ピ
ロリジノ−６−メチルー７−アニリノフルオラン、３−
ピロリジノ−７−シクロヘキシルアミノフルオラン、３
−Ｎ−メチルシクロヘキシルアミノ−６−メチル−７−
アニリノフルオラン、３−Ｎ−エチルペンチルアミノ−
６−メチル−７−アニリノフルオラン等がある。

【００５４】なお、上記ロイコ染料としての電子供与性
染料前駆体は、上記化合物等の中から、１種、または２
種以上を混合して使用されるようにしてもよい。

【００５５】〈顕減色剤〉可逆性感熱記録層２２に主成
分として含有される上記顕減色剤は、Ｎ−（ｐ−ヒドロ
キシフェニル）−Ｎ’−ｎ−オクタデシルチオ尿素、Ｎ
−（ｐ−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ｎ−オクタデシ
ル尿素、Ｎ−（ｐ−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ｎ−
オクタデシルチオアミド、４’−オクタデカンアニリ
ド、２−オクタデシルテレフタル酸、Ｎ−オクタデシル
（ｐ−ヒドロキシフェニル）アミド、Ｎ−（ｐ−ヒドロ
キシベンゾイル）−Ｎ−オクタデカノイルアミン、Ｎ−
［３−（ｐ−ヒドロキシフェニル）プロピオノ］−Ｎ’
−オクタデカノヒドラジド、Ｎ−［（ｐ−ヒドロキシフ
ェニル）メチル］−ｎ−オクタデシルアミド、Ｎ−
［（ｐ−ヒドロキシフェニル）メチル］−ｎ−オクタデ
シル尿素、Ｎ−［（ｐ−ヒドロキシフェニル）メチル］
−Ｎ’−ｎ−オクタデシルオキサミド等がある。

【００５６】さらに、以下に示す顕減色剤を用いること
ができる。N-ペンタコシル（p-ヒドロキシフェニル）ア
ミド、N-ヘキサコシル（p-ヒドロキシフェニル）アミ
ド、N-ヘプタコシル（p-ヒドロキシフェニル）アミド、
N-オクタコシル（p-ヒドロキシフェニル）アミド、N-ノ
ナコシル（p-ヒドロキシフェニル）アミド、N-トリアコ
ンチル（p-ヒドロキシフェニル）アミド、N-ヘントリア
コンチル（p-ヒドロキシフェニル）アミド、N-ドトリア
コンチル（p-ヒドロキシフェニル）アミド、N-テトラト
リアコンチル（p-ヒドロキシフェニル）アミド等のアミ
ド化合物、

【００５７】N-（p-ヒドロキシベンゾイル）-N- ヘキサ
コサノイルアミン、N-（p-ヒドロキシベンゾイル）-N-
ヘプタコサノイルアミン、N-（p-ヒドロキシベンゾイ
ル）-N- オクタコサノイルアミン、N-（p-ヒドロキシベ
ンゾイル）-N- ノナコサノイルアミン、N-（p-ヒドロキ
シベンゾイル）-N- トリアコンタノイルアミン、N-（p-
ヒドロキシベンゾイル）-N- ヘントリアコンタノイルア
ミン、N-（p-ヒドロキシベンゾイル）-N- ドトリアコン
タノイルアミン、N-（p-ヒドロキシベンゾイル）-N- テ
トラトリアコンタノイルアミン等のジアシルアミン化合
物、

【００５８】N-［3-（p-ヒドロキシフェニル）プロピオ
ノ］-N'-ヘキサコサノヒドラジド、N-［3-（p-ヒドロキ
シフェニル）プロピオノ］-N'-ヘプタコサノヒドラジ
ド、N-［3-（p-ヒドロキシフェニル）プロピオノ］-N'-
オクタコサノヒドラジド、N-［3-（p-ヒドロキシフェニ
ル）プロピオノ］-N'-ノナコサノヒドラジド、N-［3-
（p-ヒドロキシフェニル）プロピオノ］-N'-トリアコン
タノヒドラジド、N-［3-（p-ヒドロキシフェニル）プロ
ピオノ］-N'-ヘントリアコンタノヒドラジド、N-［3-
（p-ヒドロキシフェニル）プロピオノ］-N'-ドトリアコ
ンタノヒドラジド、N-［3-（p-ヒドロキシフェニル）プ
ロピオノ］-N'-テトラトリアコンタノヒドラジド等のジ
アシルヒドラジン化合物、

【００５９】N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-n
- ペンタコシルアミド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）
メチル］-n- ヘキサコシルアミド、N-［（p-ヒドロキシ
フェニル）メチル］-n- ヘプタコシルアミド、N-［（p-
ヒドロキシフェニル）メチル］-n- オクタコシルアミ
ド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-n- ノナコ
シルアミド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-n
- トリアコンチルアミド、N-［（p-ヒドロキシフェニ
ル）メチル］-n- ヘントリアコンチルアミド、N-［（p-
ヒドロキシフェニル）メチル］-n- ドトリアコンチルア
ミド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-n- テト
ラトリアコンチルアミド等のアミド化合物、

【００６０】N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-
N'-n-ペンタコシル尿素、N-［（p-ヒドロキシフェニ
ル）メチル］-N'-n-ヘキサコシル尿素、N-［（p-ヒドロ
キシフェニル）メチル］-N'-n-ヘプタコシル尿素、N-
［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-N'-n-オクタコシ
ル尿素、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-N'-n-
ノナコシル尿素、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチ
ル］-N'-n-トリアコンチル尿素、N-［（p-ヒドロキシフ
ェニル）メチル］-N'-n-ヘントリアコンチル尿素、N-
［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-N'-n-ドトリアコ
ンチル尿素、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-
N'-n-テトラトリアコンチル尿素等の尿素化合物、

【００６１】N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-
N'-n-ペンタコシルオキサミド、N-［（p-ヒドロキシフ
ェニル）メチル］-N'-n-ヘキサコシルオキサミド、N-
［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-N'-n-ヘプタコシ
ルオキサミド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］
-N'-n-オクタコシルオキサミド、N-［（p-ヒドロキシフ
ェニル）メチル］-N'-n-ノナコシルオキサミド、N-
［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-N'-n-トリアコン
チルオキサミド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチ
ル］-N'-n-ヘントリアコンチルオキサミド、N-［（p-ヒ
ドロキシフェニル）メチル］-N'-n-ドトリアコンチルオ
キサミド、N-［（p-ヒドロキシフェニル）メチル］-N'-
n-テトラトリアコンチルオキサミド等のシュウ酸ジアミ
ド化合物等が挙げられる。

【００６２】さらに、以下の化学式で示す化合物を挙げ
ることができる。

【００６３】

【化１】

【００６４】前記式中、ａは、１〜３の整数であり、Ｘ
は、−ＣＯＮＨ−、−ＮＨＣＯ−、−ＣＯＮＨＣＯ−、
−ＣＯＮＨＮＨＣＯ−または−ＮＨＣＯＣＯＮＨ−から
選択されるいずれかの基であり、ｂは１０以上の整数で
ある。

【００６５】さらに、加熱により染料前駆体に可逆的な
色調の変化を生じせしめる以下の一般式［２−１］およ
び／または［２−２］で示されるβ位にアミド基を有す
るナフトール化合物をあげることができる。

【００６６】

【化２】

【００６７】本発明で使用される前記電子受容性化合物
は、それぞれ、１種または２種以上を混合して用いるこ
とができる。

【００６８】本発明に使用される可逆性感熱記録層２２
には、上記したような染料前駆体と、顕減色剤の他に、
以下のバインダー樹脂が好ましく用いられる。

【００６９】〈バインダー樹脂〉可逆性感熱記録層２２
に含有される上記バインダー樹脂は、デンプン類、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニル
アルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸ソーダ、アクリル酸アミド／アクリル酸エステル共重
合体、アクリル酸アミド／アクリル酸エステル／メタク
リル酸３元共重合体、スチレン／無水マレイン酸共重合
体のアルカリ塩、エチレン／無水マレイン酸共重合体の
アルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウ
レタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン／ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル／ブタジエン共重合体、
アクリル酸メチル／ブタジエン共重合体、エチレン／酢
酸ビニル共重合体等のラテックス等がある。

【００７０】上記バインダー樹脂は、特に、上記電子供
与性染料前駆体、および上記電子受容性化合物の分布性
にすぐれ、および書き換え耐久性にすぐれた可逆性感熱
記録層を得るために、熱可塑性樹脂の分子内に二重結合
が導入され、紫外線硬化性、または電子線硬化性となっ
た樹脂が使用される。例えば、上記バインダー樹脂は、
塩化ビニル／酢酸ビニル／ビニルアルコール共重合体
に、アクリル酸、またはメタクリル酸をエステル重合さ
せた樹脂等が使用される。

【００７１】なお、可逆性感熱記録層２２において、発
色を行うためには、可逆性感熱記録層２２を加熱後、急
速に冷却させればよい。また、消色を行うためには、可
逆性感熱記録層２２を加熱後、遅い速度により冷却させ
ればよい。

【００７２】例えば、適当な熱源により比較的長い時間
加熱を行うと、可逆性感熱記録層２２のみならず、オー
バーレイフィルム等も加熱される。従って、冷却速度が
遅くなり、相分離状態（消色状態）となる。一方、この
ように加熱した後、低温の金属ブロック等を押しあてる
こと等により、可逆性感熱記録層２２を急速に冷却する
ことで、発色状態が発現される。

【００７３】上記熱源としては、サーマルヘッド、レー
ザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、熱源ヒー
タからの輻射熱、または熱風等が用いられる。

【００７４】また、上記熱源を用い、きわめて短い時
間、可逆性感熱記録層２２を加熱することにより、可逆
性感熱記録層２２は、加熱終了後、直ちに冷却（固化）
が始まるため、発色状態が発現される。

【００７５】このように、熱源を用い、冷却速度を制御
限することにより、可逆性感熱記録層２２は、発色状
態、および消色状態を発現させる。

【００７６】〈バリアー層〉バリアー層２３は、感熱接
着層の材料から可逆性感熱記録層２２を保護したり、可
逆性感熱記録媒体の基体としてポリ塩化ビニル等の加熱
時に軟化しやすいものを使用したときに、加熱時にある
程度の硬度を持たせるためのものである。従って、バリ
アー層２３は、その硬さを十分なものにするために、紫
外線硬化型樹脂を含有する。ただし、バリアー層２３
は、必要に応じて設けられる。

【００７７】〈感熱接着層〉感熱接着層２４は、可逆性
感熱記録層２２を、媒体に接着させるものである。従っ
て、感熱接着層２４は、この性能を有するものであれば
よい。例えば、感熱接着層２４は、ポリエステル系樹
脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、またはこれらの混合樹脂が用いられる。可逆性感
熱記録媒体の基体としてポリ塩化ビニルを使用する場合
は、加熱により、基体が溶融するので、特に感熱接着層
自身が溶融するものである必要はなく、基体との接着性
があればよい。加熱時の硬さを保つ目的であれば感熱接
着層がバリアー層を兼ねてもよい。

【００７８】〈ハーフカット部〉本発明にかかる第１の
可逆性感熱記録転写シート３を、図３を参照しながら詳
細に説明する。

【００７９】転写シート３は、可逆性感熱記録部２側か
ら、剥離部３０方向にハーフカット部３３が設けられて
いる。すなわち、図２に示すように、ハーフカットは、
感熱接着層２４から基材３１の層中まで切り込みとして
形成される。これにより、ハーフカット部３３（ａ）と
（ｂ）に挟まれたアイランド状の可逆性感熱記録部２の
みが基体上に転写され、アイランド状の可逆性感熱記録
部を有する可逆性感熱記録媒体を作製することが可能に
なる。ハーフカットは、通常、金属ロールの表面に型に
合わせた形状のかみそり状の刃を設けたダイカットロー
ルを用いて形成される。

【００８０】〈第２の可逆性感熱記録転写シート〉以
下、本発明にかかる第２の可逆性感熱記録転写シート
（以下、転写シート６と表記する）を、図２、図５を参
照しながら詳細に説明する。

【００８１】転写シート６は、図２に示す層構成を有す
る。すなわち、図５に示す転写シート６、剥離部６０、
可逆性感熱記録部６１、およびハーフカット部６２は、
それぞれ転写シート３、剥離部３０、可逆性感熱記録部
２、およびハーフカット部３３に対応する。また、転写
シート６は、上記第１の可逆性感熱記録転写シートか
ら、以下のように可逆性感熱記録部６１を剥離した点が
異なる。

【００８２】〈剥離〉転写シート６は、上記第１の可逆
性感熱記録転写シートである転写シート３に設けられた
アイランド形状の可逆性感熱記録部２から、このアイラ
ンド形状領域以外の可逆性感熱記録部２が剥離されたも
のである。すなわち、剥離部６０上には、アイランド状
の可逆性感熱記録部６１を基体上に形成するための可逆
性感熱記録部６１のみが存在する。

【００８３】これにより、上記第１の可逆性感熱記録転
写シートのように基体上に転写する際にアイランド形状
を有する可逆性感熱記録部２のみを選択して加熱転写す
る必要がなくなる。従って、上記第１の可逆性感熱記録
転写シートを用いて可逆性感熱記録媒体を作製する場合
と異なり、このアイランド形状ごとに熱スタンプの形状
を変更する必要がなく、本発明では熱スタンプを用いず
に可逆性感熱記録転写シートを基体上へ加熱転写可能と
なる。

【００８４】〈第３の可逆性感熱記録転写シート〉本発
明では、剥離部３０上に、可逆性感熱記録層２２、バリ
アー層２３、および感熱接着層２４の順に積層された転
写シートであってもよい。この転写シートの感熱接着層
２４側を、図７に示す表面側のオーバーレイフィルム７
２の裏面へ転写することにより、アイランド状の可逆性
感熱記録部を有する可逆性感熱記録媒体を作製すること
が可能になる。また、この転写シートの感熱接着層２４
側を、図７に示すセンターコアフィルム７３へ転写する
ことにより、アイランド状の可逆性感熱記録部を有する
可逆性感熱記録媒体を作製してもよい。この第３の可逆
性感熱記録転写シートは、上記第１、または第２の可逆
性感熱記録転写シートと異なり、保護層を省略したもの
となっている。なお、バリアー層２３を省略してもよ
い。

【００８５】なお、この転写シートは、上記第１の可逆
性感熱記録転写シートのように、ハーフカットを施され
ている。これにより、ハーフカットが施されていない転
写シートに比し、より容易にアイランド状の可逆性感熱
記録部を有する可逆性感熱記録媒体を作製することが可
能になる。

【００８６】このハーフカットは、上記第１の可逆性感
熱記録転写シート同様に可逆性感熱記録部２側から剥離
部３０の層中まで施すようにしてもよい。また、上記こ
のハーフカットは、上記第１の可逆性感熱記録転写シー
ト同様に可逆性感熱記録部２側から基材３１の層中まで
施すようにしてもよい。このハーフカットは、上述のよ
うに、金属ロールの表面に型に合わせた形状のかみそり
状の刃を設けたダイカットロールを用いて形成してもよ
い。

【００８７】〈第４の可逆性感熱記録転写シート〉第４
の可逆性感熱記録転写シートは、上記第２の可逆性感熱
記録転写シートのときと同様、上記第３の可逆性感熱記
録転写テープからアイランド状に設けられた可逆性感熱
記録部以外を除去したものであってもよい。

【００８８】〈可逆性感熱記録転写シートの製造方法〉
以下、第１〜第４の可逆性感熱記録転写シート（以下、
転写シート３と表記する）を製造する方法について、図
２を参照しながら詳細に説明する。

【００８９】まず第１の可逆性感熱記録転写シートの製
造方法について述べる。第１の可逆性感熱記録転写シー
トは、たとえば基材３１上に剥離層３２を設けて剥離部
３０を形成後、剥離部３０上へ可逆性感熱記録部２を形
成する。可逆性感熱記録部２は、例えば図２に示すよう
な層構成となっており、これらを前記剥離部３０の剥離
層３２上に保護層２１、可逆性感熱記録層２２、バリア
ー層２３、および感熱接着層２４等の順に積層して形成
する。これらの形成法は、従来公知の方法を用いること
ができる。なお、可逆性感熱記録部２には、バリアー層
２３を設けなくともよい。このようにして設けられた可
逆性感熱記録シートを用いたテープに、以下に示すハー
フカット工程を施すことにより第１の可逆性感熱記録転
写シートが得られる。

【００９０】本発明では、前記したテープに、ハーフカ
ット部３３を、転写シート３の可逆性感熱記録部２側か
ら剥離部３０の層中にまで施すハーフカット工程を有す
る。たとえば、ハーフカット部３３を、剥離部３０の基
材３１の層中まで施すのが好ましい。このハーフカット
は、ダイカットロールを用いて形成してもよい。このダ
イカットロールは、通常、型に合わせた形状のかみそり
状の刃が金属ロールの表面に設けられたものである。

【００９１】また、第３の可逆性感熱記録転写シートの
製造方法は、剥離部３０上に、可逆性感熱記録層２２、
バリアー層２３、および感熱接着層２４の順に積層した
可逆性感熱記録転写シートを用いて前記同様にテープを
作製した後、ハーフカット部３３を形成して可逆性感熱
記録転写シートとしてもよい。この転写シートの感熱接
着層２４側を、図７に示すオーバーレイフィルム７２の
裏面側へ転写することにより、アイランド状の可逆性感
熱記録部７１を有する可逆性感熱記録媒体を作製するこ
とが可能になる。また、この転写シートの感熱接着層２
４側を、センターコアフィルム７３の表面側へ転写する
ことにより、アイランド状の可逆性感熱記録部７１を有
する可逆性感熱記録媒体を作製してもよい。なお、ハー
フカット部は、第１の可逆性感熱記録転写シートと同様
にして得られる。なお、可逆性感熱記録部２は、保護層
を省略したものとなっている。また、バリアー層２３は
設けなくともよい。

【００９２】また、第２および第４の可逆性感熱記録転
写シートの製造方法は、上記のようにして得られた第１
または第３の可逆性感熱記録転写シートをそれぞれ用
い、アイランド状に施されたハーフカット部３３以外の
可逆性感熱記録部２を剥離部３０から剥離することによ
り作製する。

【００９３】〈可逆性感熱記録媒体〉本発明に係る可逆
性感熱記録媒体をアイランド状リライトカードに適用し
た例を、図１を用いて、詳細に説明する。図１（ａ）か
ら（ｆ）に示すように、本発明に係る可逆性感熱記録媒
体を適用したアイランド状リライトカード１は、アイラ
ンド状の可逆性感熱記録部２を有する。アイランド状と
は、この図１（ａ）から（ｆ）に例示するようにカード
等の媒体の端部に可逆性感熱記録部の端面が表れないよ
うにした形状である。

【００９４】本発明に係る可逆性感熱記録媒体の可逆性
感熱記録部２の左右の端部は、図１に示すようにアイラ
ンド状リライトカード１の左右の辺において露呈してい
ない。そのため、上記従来技術が有する可逆性感熱記録
部２が基体から剥離することはない。

【００９５】また、図１に示すように、本発明に係る可
逆性感熱記録媒体は、アイランド状の可逆性感熱記録部
２が、様々な形状に作製され、かつアイランド状リライ
トカード１上の任意な位置に設定できる。従って、本発
明に係る可逆性感熱記録媒体は、用途が限定されず広範
囲に使用できる。さらに、本発明に係る可逆性感熱記録
媒体は、可逆性感熱記録部２のデザインも限定されず自
由に設定できる。

【００９６】上記基体としては、種種の形態のものを用
いることができ、たとえば、塩素含有重合体；ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アク
リレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデ
ン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体など、ポリエステル樹脂；ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、あるいはテレフタール酸またはイソフタール酸など
の酸成分と、エチレングリコールまたはシクロヘキサン
ジメタノールなどのアルコール成分との縮合エステル樹
脂（たとえばＰＥＴＧ：イーストマンケミカル社の商
標）など、生分解性プラスチック樹脂；ポリ乳酸系樹
脂、デンプンと変性ポリビニールアルコール等とからな
る天然高分子系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロ
キシ吉草酸とからなる微生物産生の樹脂等。さらにポリ
アミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げら
れ、これら上記材料を適宜組合せてもよく、これら上記
の材料を積層したものでもよい。

【００９７】このような積層の例としては、表面に印刷
等を施した（たとえば厚さ２８０μｍの）白色ポリ塩化
ビニル樹脂シートを２枚積層したコアフィルムと、この
コアフィルムの表裏面に（たとえば厚さ１００μｍの）
透明ポリ塩化ビニル樹脂シートをオーバーフィルムとし
て積層したもの、また、表面に印刷等を施した（たとえ
ば厚さ２８０μｍの）白色ＰＥＴＧシートを２枚積層し
たコアフィルムと、このコアフィルムの表裏面に（たと
えば厚さ１００μｍの）透明ＰＥＴＧをオーバーフィル
ムとして積層したものなどが挙げられる。基体として積
層材料を用いるときは、積層材料を構成する一層のフィ
ルムに可逆性感熱記録部を転写後、他の各フィルムを含
めて熱融着することによって、または各フィルムを熱融
着して基体を作製後、可逆性感熱記録部を基体に転写
し、さらに熱融着（熱プレス）を行うことによって可逆
性感熱記録媒体が作製される。

【００９８】なお、上記可逆性感熱記録媒体は、レーザ
ー印字用として用いることが可能で、レーザー印字用と
して好適なものとして図７、および図８に示すものが挙
げられる。

【００９９】図７（ｂ）、および（ｃ）は、可逆性感熱
記録媒体７０の短辺方向側面図である。図７に示す可逆
性感熱記録媒体７０の可逆性感熱記録部７１は、図７
（ｂ）、または（ｃ）に示すようにセンターコアフィル
ム７３、またはコアフィルム７５上に転写される。な
お、可逆性感熱記録部７１は、表面側のオーバーレイフ
ィルム７２の裏側に転写されるようにしてもよい。ま
た、いずれの場合も転写シートは保護層を省略すること
ができる。

【０１００】図８は、別の例の可逆性感熱記録媒体を説
明するための図である。図８（ｂ）は、（ａ）に示す可
逆性感熱記録媒体のＡ−Ａ’断面図である。このよう
に、アイランド状の可逆性感熱記録部８１は、コアフィ
ルム８３に転写される。そして、可逆性感熱記録部８１
が転写されたコアフィルム８３は、表面側オーバーレイ
フィルム８２、および裏面側オーバーレイフィルム８３
とにより保護される。なお、可逆性感熱記録部８１は、
表面側オーバーレイフィルム８２の裏面に転写されるよ
うにしてもよい。なお、いずれの場合も転写シートは保
護層を省略することができる。

【０１０１】〈第１の可逆性感熱記録転写シートを用い
た可逆性感熱記録媒体の製造方法〉以下、上記第１の可
逆性感熱記録転写シート３用いて可逆性感熱記録媒体を
製造する方法を、図３、および図４を参照しながら詳細
に説明する。

【０１０２】〈加熱転写〉熱スタンプ５は、転写シート
３に施された図３に示すハーフカット部３３（ａ）とハ
ーフカット部３３（ｂ）により形成されたアイランド形
状と略同一の形状である。転写シート３は、このテープ
の感熱接着層とオーバーレイフィルム４とが、熱スタン
プ５に加熱転写されることにより、接着する。

【０１０３】ここで、このアイランド形状の可逆性感熱
記録部２は、ハーフカット部３３（ａ）、およびハーフ
カット部３３（ｂ）を有すことにより、剥離部３０から
剥離しやすくなっている。そして、熱スタンプ５は、こ
のアイランド形状の可逆性感熱記録部２と略一致する範
囲を加熱し、オーバーレイフィルム４へ圧着することに
より、このアイランド形状の可逆性感熱記録部２を、オ
ーバーレイフィルム４上に転写する。

【０１０４】なお、熱スタンプ５の代わりに、図４に示
すように、熱スタンプ５を複数有するアイランド状熱ス
タンプ５０を用い、可逆性感熱記録部２００をオーバー
レイフィルム４０上へ転写させるようにしてもよい。

【０１０５】〈第１の剥離〉剥離部３０、およびオーバ
ーレイフィルム４に転写しなかった（不要な）可逆性感
熱記録部２は前記した加熱転写後に剥離すると、可逆性
感熱記録部３のハーフカット部３３に刻まれたアイラン
ド形状の部分のみが、オーバーレイフィルム４上に形成
される。

【０１０６】このように、転写シート３は、ハーフカッ
ト部３３を有することにより、オーバーレイフィルム４
上に、アイランド状の可逆性感熱記録部２を形成するこ
とが可能になる。

【０１０７】〈熱貼合〉アイランド状の可逆性感熱記録
部２が形成されたオーバーレイフィルム４を、センター
コアフィルム、および他のオーバーレイフィルムと熱貼
合する。この熱貼合は、従来同様である。なお、ここで
使用される他のオーバーレイフィルムは、本発明に係る
可逆性感熱記録転写シートから製造されたフィルム状の
ものを用いることもできる。また、他のオーバーレイフ
ィルムとして、公知の転写シートから製造されたフィル
ム状のものを用いてもよい。

【０１０８】〈打ち抜き〉熱貼合して作製されたフィル
ムを所定の大きさに打ち抜くことにより、図１に示すよ
うなアイランド状の可逆性感熱記録部を有する可逆性感
熱記録媒体を製造することが可能になる。この熱貼合
は、公知の方法が用いられる。

【０１０９】〈第２の可逆性感熱記録転写シートを用い
た可逆性感熱記録媒体の製造方法〉以下、上記第２の可
逆性感熱記録転写シート６を用いた可逆性感熱記録媒体
を製造する製造方法を、図５、および図６を参照しなが
ら詳細に説明する。なお、図６に示すハーフカットした
転写シート６３、剥離部６０１、および可逆性感熱記録
部６１１は、それぞれ図５に示す転写シート６、剥離部
６０、および可逆性感熱記録部６１と対応する。

【０１１０】この第２の可逆性感熱記録転写シート６を
用いた可逆性感熱記録媒体の製造方法は、加熱転写する
前に第２の剥離を行う。本第２の製造方法では、加熱転
写の際に熱スタンプを用いなくてもよい。

【０１１１】〈第２の剥離〉本発明に係る可逆性感熱記
録媒体の第２の製造方法は、前記した第１の製造方法の
加熱転写前、ハーフカットした転写シート６３から不要
な可逆性感熱記録部６１２を除去する。

【０１１２】〈加熱転写〉剥離部６０１と必要な可逆性
感熱記録部６１０とを有する転写シートを用い、オーバ
ーレイフィルム４１（ａ）へ加熱圧着する。これによ
り、オーバーレイフィルム４１（ａ）上に可逆性感熱記
録部６１１が転写される。このようにして本第２の製造
方法を用いれば、可逆性感熱記録部６１１をオーバーレ
イフィルム４１へ転写するための熱スタンプを用いる必
要がなくなる。従って、このアイランド形状を変更する
たびに、新しいアイランド形状にあわせた新たな熱スタ
ンプを作製する必要がなくなり、さらに転写シートに複
数の可逆性感熱記録媒体に対応するアイランド形状領域
を多面付けで設けることで、アイランド形状に合わせた
新たな熱スタンプを作製せずに、しかも容易に大量生産
に適した製造方法とすることができる。

【０１１３】〈第３の可逆性感熱記録転写シートを用い
た可逆性感熱記録媒体の製造方法〉上記第３の可逆性感
熱記録転写シートを用いて、図７に示す表面側オーバー
レイフィルム７２の裏面へ可逆性感熱記録部７１を転写
すること以外は、上記第１の可逆性感熱記録転写シート
を用いた可逆性感熱記録媒体の製造方法と同様の方法を
用いることができる。又、前述のように可逆性感熱記録
部７１をセンタコアフィルム７３、またはコアフィルム
７５の表面側へ転写してもよい。

【０１１４】〈第４の可逆性感熱記録転写シートを用い
た可逆性感熱記録媒体の製造方法〉上記第４の可逆性感
熱記録転写シートを用いて、図７に示す表面側オーバー
レイフィルム７２の裏面側へ可逆性感熱記録部７１を転
写すること以外は、上記第２の可逆性感熱記録転写シー
トを用いた可逆性感熱記録媒体の製造方法と同様の方法
を用いることができる。なお、可逆性感熱記録部７１
は、センタコアフィルム７３、またはコアフィルム７５
の表面側へ転写されるようにしてもよい。

【０１１５】〈実施例〉以下、本発明を実施例によりさ
らに詳説するが、本発明は、これら実施例に限定されて
解釈されるものではない。

【０１１６】〈実施例１〉〈可逆性感熱記録転写シート〉可逆性感熱記録転写シー
トは、以下のように製造した。

【０１１７】〈剥離部〉可逆性感熱記録転写シートの剥
離部は、以下のように製造した。

【０１１８】〈基材〉基材として、厚さ２５μｍのポリ
エチレンテレフタレート（ＰＥＴ；東洋紡績（株）製、
商品名Ｅ５１００）を用意した。

【０１１９】〈剥離層〉下記の組成の材料を、＃４のワ
イヤーバーにより、上記基材表面上に塗工し、乾燥させ
（１２０゜Ｃ、２分間）、０．５μｍ厚に剥離層を形成
した。シリコン樹脂（信越化学工業（株）製、商品名ＫＳ−８８２）４０重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学工業（株）製、商品名ＢＬ−１）４重量部硬化剤（信越化学工業（株）製、商品名ＣＡＴ−ＰＳ−８０）１重量部溶剤（メチルエチルケトン：トルエン＝１：１（重量比））６００重量部

【０１２０】〈可逆性感熱記録部〉可逆性感熱記録転写
シートの可逆性感熱記録部は、以下のように製造した。

【０１２１】〈保護層〉以下の組成の材料を、容器に入
れ、直径２ｍｍのジルコニアビーズを加えてペイントシ
ェーカーにより６０分間分散したものを塗料として用い
た。これを＃７のワイヤーバーにより上記剥離層上に塗
工し、乾燥させ（１００゜Ｃ、２分）、紫外線照射（１
６０Ｗ／ｃｍ、３０ｍ／分、１パス）を行い、乾燥膜厚
３μｍの保護層を形成した。紫外線硬化型塗料（大日本インキ化学工業（株）製、商品名ユニディックＣ３ −３７４）２０重量部シリカ（水澤科学工業（株）製、商品名ミズカシルＰ−６０３）１重量部溶剤（メチルエチルケトン：トルエン＝１：１（重量比））２０重量部

【０１２２】〈可逆性感熱記録層〉可逆性感熱記録層
は、上記保護層上に、下記の組成の材料を容器に入れ、
直径２ｍｍのジルコニアビーズを加え、ペイントシェー
カーにより１２０分間分散したものを＃２０のワイヤー
バーにより塗工し、乾燥させ（１００゜Ｃ、１分）、紫
外線照射（１６０Ｗ／ｃｍ、３０ｍ／分、１パス）を行
った後、乾燥膜厚５μｍに形成した。ロイコ染料（３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン、山本化成（株）製、商品名ＯＤＢ）５重量部顕減色剤（Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ｎ−オクタデシル尿素）１５重量部バインダー樹脂：熱可塑性樹脂（塩化ビニル／酢酸ビニル／ビニルアルコール共重合体に、アクリル酸をエステル重合させた樹脂、ＮＶ．３０％）６６重量部光重合開始剤（チバスペシャリティケミカルズ（株）製、商品名ダロキュア１８４）２重量部溶剤（メチルエチルケトン：トルエン＝１：１（重量比））１１４重量部

【０１２３】〈バリアー層〉バリアー層は、材料として
下記のものを用いた。バリアー層は、この材料を、＃２
０のワイヤーバーにより上記可逆性感熱記録層上に塗工
し、乾燥させ（１００゜Ｃ、１分）、紫外線照射（１６
０Ｗ／ｃｍ、３０ｍ／分、１パス）し、乾燥膜厚１０μ
ｍにバリアー層を形成した。紫外線硬化型染料（大日本インキ化学工業（株）製、商品名ユニディックＣ３ −３７４）１重量部溶剤（メチルエチルケトン：トルエン＝１：１（重量比））１重量部

【０１２４】〈感熱接着層〉感熱接着層は、下記の組成
の塗料を、＃１４のワイヤーバーにより上記バリアー層
上に塗工し、乾燥（１００゜Ｃ、２分）させることによ
り、乾燥膜厚３μｍに感熱接着層を形成した。塩化ビニル／酢酸ビニル／無水マレイン酸共重合樹脂（ユニオンカーバイト（株）製、商品名ＶＭＣＨ）３重量部溶剤（メチルエチルケトン：トルエン＝１：１（重量比））１７重量部

【０１２５】〈ハーフカット〉上記のように作製された
テープを、上記感熱接着層面側から、上記基材の途中ま
で、ダイカットロールを用いアイランド状にハーフカッ
トを施した。これにより、上記可逆性感熱記録転写シー
トを製造した。

【０１２６】〈加熱転写〉この可逆性感熱記録転写シー
トのアイランド部を、厚さ１００μｍの透明硬質塩化ビ
ニルフィルム（オーバーレイフィルム）上の所定の位置
に重ね合わせた。次いで、この可逆性感熱記録転写シー
トのアイランド形状と同じ形状をした熱スタンプを、こ
の可逆性感熱記録転写シートのアイランド部に合わせ
た。そして、この可逆性感熱記録転写シートを、上記オ
ーバーレイフィルムに加熱転写（１００゜Ｃ、０．２ｋ
ｇ／ｃｍ2 、１ｓｅｃ）した。

【０１２７】〈剥離〉加熱転写されていない部分より、
上記可逆性感熱記録転写シートを、上記オーバーレイフ
ィルムから剥離した。これにより、このオーバーレイフ
ィルム上に、アイランド形状の可逆性感熱記録部が転写
された。

【０１２８】〈熱貼合〉上記アイランド状の可逆性感熱
記録部が転写されたオーバーレイフィルム、センターコ
アフィルム（２８０μｍ厚の白色硬質塩化ビニルシート
２枚）、およびオーバーレイフィルム（１００μｍ厚の
透明硬質塩化ビニルシート）とを重ね合わせ、熱プレス
機により熱貼合（１３５゜Ｃ、５０ｋｇ／ｃｍ2 、１０
ｍｉｎ）しフィルムを作製した。

【０１２９】〈打ち抜き〉熱貼合して得られたフィルム
を、ＪＩＳＸ６３０１に規定された外形に打ち抜き、ア
イランド状の可逆性感熱記録部を有する可逆性感熱記録
媒体であるカードを製造した。

【０１３０】〈実施例２〉以下、本発明にかかる第１の
可逆性感熱記録転写シートを製造する工程、およびこの
第１の可逆性感熱記録転写シートを用いて可逆性感熱記
録媒体であるカードを製造する工程を説明する。なお、
上記実施例１とは、可逆性感熱記録転写シート、および
可逆性感熱記録媒体を製造する際の加熱転写行程が異な
る。

【０１３１】〈可逆性感熱記録転写シート〉上記第１の
実施例により作製された可逆性感熱記録転写シートの端
に粘着テープを貼り付け、この可逆性感熱記録転写シー
ト上のアイランド部以外の可逆性感熱記録部（可逆性感
熱記録部）を剥離し、可逆性感熱記録転写シートを作製
した。

【０１３２】〈加熱転写〉作製した可逆性感熱記録転写
シートを、１００゜Ｃに加熱したゴムロールにより、オ
ーバーレイフィルム（１００μｍ厚の透明硬質塩化ビニ
ルフィルム）上に加熱転写した。この加熱転写以降は、
上記第１の実施例と同様である。

【０１３３】〈比較例１〉上記第１の実施例において、
アイランド状のハーフカット部を有さないテープを用い
たこと以外は上記第１の実施例と同様のものを用いてカ
ードを制作した。

【０１３４】〈比較例２〉上記第１の実施例、および上
記第２の実施例における効果を比較するための比較例２
として、上記第１の実施例において、アイランド状に切
断した転写シートを持ち、オーバーレイフィルム上に載
せて加熱転写したこと以外は上記第１の実施例と同様の
ものを採用した。

【０１３５】〈比較結果〉表１は、上記実施例１、実施
例２、比較例１、および比較例２とを比較した結果であ
る。

【０１３６】

【表１】

【０１３７】表１に示すように、加熱貼合時に行うアイ
ランド状の可逆性感熱記録部の位置決めは、実施例１、
および実施例２では容易であったが、比較例２では難し
いものとなった。

【０１３８】実施例１、および実施例２では、アイラン
ド状の可逆性感熱記録部を、可逆性感熱記録テープとし
て、オーバーレイフィルム上に位置合わせを行う。従っ
て、上記実施例１、および実施例２では、製造工程にお
いて、可逆性感熱記録テープと、オーバーレイフィルム
とのタイミングを一度とれば、再度位置決めを行う必要
がない。

【０１３９】これに比し、比較例２は、アイランド状に
切り抜かれた可逆性感熱記録部を、オーバーレイフィル
ム上にその都度のせ、位置あわせを行わなければならな
い。従って、上述のように、比較例２は、加熱貼合時に
行うアイランド状の可逆性感熱記録部の位置決めが難し
い。

【０１４０】このように、上記実施例１、および実施例
２によれば、加熱貼合時に行うアイランド状の可逆性感
熱記録部の位置決めを容易に行うことが可能であった。

【０１４１】また、表１に示すように、可逆性感熱記録
転写シートの基材を可逆性感熱記録部（可逆性感熱記録
部）から剥離する際、アイランド状の可逆性感熱記録部
（可逆性感熱記録部）のエッジ切れを比較した結果、上
記実施例１、および実施例２は、可逆性感熱記録部の外
周が型通りにオーバーレイフィルム上に転写されたが、
上記比較例１は、可逆性感熱記録部の外周は型通りにオ
ーバーレイフィルム上に転写されなかった。

【０１４２】上記実施例１、および実施例２では、ハー
フカットが刻まれた可逆性感熱記録転写シートが用いら
れるため、アイランド形状どおりに、オーバーレイフィ
ルム上に可逆性感熱記録部が転写された。

【０１４３】これに比し、上記比較例１は、ハーフカッ
トがなく、さらに、可逆性感熱記録テープに厚みがある
ため、型どおりにオーバーレイフィルムから可逆性感熱
記録部が剥がれなかった。

【０１４４】このように、上記実施例１、および実施例
２によれば、可逆性感熱記録転写シートの基材を可逆性
感熱記録部（可逆性感熱記録部）から剥離する際、アイ
ランド状の可逆性感熱記録部（可逆性感熱記録部）のエ
ッジ切れ（外周の形状）が良好なものとなる。

【０１４５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１記載の発明によれば、剥離部と、可逆性感熱記録部
と、アイランド形状に設けられたハーフカット部とを有
し、アイランド形状のハーフカット部は、可逆性感熱記
録部側から剥離部の層中まで設けられたことにより、ア
イランド形状の可逆性感熱記録部が剥離部から剥離しや
すくなる。従って、アイランド形状の可逆性感熱記録部
を基体上へ容易に転写することが可能な可逆性感熱記録
転写シートを提供することが可能となる。

【０１４６】請求項２記載の発明は、請求項１のテープ
において、アイランド形状領域以外の可逆性感熱記録部
が除去されたことにより、アイランド形状の可逆性感熱
記録部を有する可逆性感熱記録媒体を作製する際、この
アイランド形状と略同一の形状を有する熱スタンプを用
意する必要がない可逆性感熱記録転写シートを提供する
ことが可能となる。

【０１４７】請求項３記載の発明は、可逆性感熱記録転
写シートを用いたテープへハーフカット部をアイランド
状にハーフカットするハーフカット加工工程を施すこと
により、アイランド状の可逆性感熱記録部を基体上へ容
易に転写することが可能な可逆性感熱記録転写シートを
製造することが可能になる。

【０１４８】請求項４記載の発明は、請求項３の製造方
法において、ハーフカット加工工程は、可逆性感熱記録
部側から剥離部の層中までハーフカット部を設けるもの
であり、アイランド形状の可逆性感熱記録部が剥離部か
ら剥離しやすい可逆性感熱記録転写シートを製造するこ
とが可能になる。

【０１４９】請求項５記載の発明は、請求項３または４
の製造方法において、アイランド形状領域の外側の可逆
性感熱記録部を剥離する可逆性感熱記録部剥離工程をさ
らに有することにより、アイランド形状の可逆性感熱記
録部を有する可逆性感熱記録媒体を作製する際、このア
イランド形状と略同一の形状を有する熱スタンプを用意
する必要がない可逆性感熱記録転写シートを製造するこ
とが可能となる。

【０１５０】請求項６記載の発明は、基体上にアイラン
ド形状の可逆性感熱記録部を設ける可逆性感熱記録部を
設ける工程を有することにより、アイランド形状の可逆
性感熱記録部を有する可逆性感熱記録媒体を製造するこ
とが可能になる。

【０１５１】請求項７記載の発明は、請求項６の製造方
法において、可逆性感熱記録部を設ける工程は、剥離部
と可逆性感熱記録部とを有する可逆性感熱記録転写シー
トを基体へ加熱転写した後、剥離部を可逆性感熱記録部
から剥離することにより、アイランド形状の可逆性感熱
記録部を有する可逆性感熱記録媒体を製造することが可
能になる。

【０１５２】請求項８記載の発明は、請求項７の製造方
法において、可逆性感熱記録転写テープは、アイランド
形状に施されたハーフカットを有することにより、アイ
ランド形状の可逆性感熱記録部が剥離部から剥離しやす
くなる。従って、可逆性感熱記録部を容易に基体上へ転
写することが可能になる。

【０１５３】請求項９記載の発明は、請求項７または８
の製造方法において、可逆性感熱記録部を設ける工程
は、可逆性感熱記録転写シートに施されたアイランド形
状領域を前記基体へ転写させるにあたり、予めアイラン
ド形状領域以外の前記可逆性感熱記録部を剥離したこと
により、アイランド形状に合わせた新たな熱スタンプを
作製する必要がなくなる。従って、可逆性感熱記録部を
容易に基体上へ転写することが可能となる。

【０１５４】請求項１０記載の発明は、請求項９の製造
方法において、可逆性感熱記録転写シートに形成された
アイランド形状領域は、複数の可逆性感熱記録媒体に対
応する多面付けにより設けられ、前記可逆性感熱記録部
を設ける工程が多面付けで行われることにより、アイラ
ンド形状に合わせた新たな熱スタンプを作製する必要が
なくなる。また、請求項１０記載の発明によれば、容易
に大量生産に適した製造方法を提供することが可能とな
る。

【０１５５】請求項１１記載の発明は、請求項７ないし
１０の製造方法において、基体はコアフィルムと少なく
ともコアフィルムの一方の面側にオーバーレイフィルム
を有するものであり、可逆性感熱記録転写シートに施さ
れたアイランド形状領域の可逆性感熱記録部をオーバー
レイフィルムのコアフィルム側となる面に転写し、その
後、オーバーレイフィルムとコアフィルムを貼り合わせ
ることにより、可逆性感熱記録転写シートの保護層を省
略することができる。また、特にレーザー印字用に好適
な可逆性感熱記録媒体を製造する製造方法を提供するこ
とが可能となる。

【０１５６】請求項１２記載の発明は、請求項７ないし
１０の製造方法において、基体はコアフィルムと少なく
ともコアフィルムの一方の面側にオーバーレイフィルム
を有するものであり、可逆性感熱記録転写シートに施さ
れたアイランド形状領域の可逆性感熱記録部をコアフィ
ルムの少なくとも一方の表面に転写し、その後、オーバ
ーレイフィルムとコアフィルムを貼りあわせることによ
り、可逆性感熱記録転写シートの保護層を省略すること
ができる。また、特にレーザー印字用に好適な可逆性感
熱記録媒体を製造する製造方法を提供することが可能と
なる。

【０１５７】請求項１３記載の発明は、請求項１１また
は１２の製造方法において、可逆性感熱記録転写シート
は、保護層を有さないことにより、可逆性感熱記録転写
シート製造のための材料と工程を節減でき、より容易な
製造方法を提供することが可能となる。

【０１５８】請求項１４記載の発明は、請求項８または
９の製造方法において、可逆性感熱記録転写シートは、
可逆的感熱記録部側から剥離部の層中へハーフカットが
施されたものであることにより、可逆的感熱記録部は、
剥離部から剥離しやすくなる。そのため、可逆的感熱記
録媒体を容易に製造することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるアイランド状の可逆性感熱記録
部を有するリライトカードを示す図である。

【図２】本発明にかかる転写シートの断面を模式的に示
した図である。

【図３】本発明にかかるアイランド状の可逆性感熱記録
部を有するリライトカードの製造方法を説明するための
図である。

【図４】本発明にかかるアイランド状熱スタンプを使用
した可逆性感熱記録部の転写方法を説明するための図で
ある。

【図５】本発明にかかるアイランド状に可逆性感熱記録
部が残った転写シートの製造方法を説明するための図で
ある。

【図６】本発明にかかるアイランド状に可逆性感熱記録
部が残った転写シートの製造方法、および転写方法を説
明するための図である。

【図７】本発明にかかるレーザ印字用リライトシートを
示す第１の図である。

【図８】本発明の実施の形態におけるレーザ印字用リラ
イトシートを示す第２の図である。

【図９】従来技術におけるストライプ状の可逆性感熱記
録部を有するリライトカードの製造工程を説明するため
の第１の図である。

【図１０】従来技術におけるストライプ状の可逆性感熱
記録部を有するリライトカードの製造工程を説明するた
めの第２の図である。

【図１１】ストライプ状の可逆性感熱記録部を有するリ
ライトカードの正面図、および短辺方向側面図である。

【図１２】従来技術における転写シートの断面模式図で
ある。

【符号の説明】

１アイランド状リライトカード２可逆性感熱記録部３転写シート４オーバーレイフィルム５熱スタンプ６転写シート３０剥離部２２可逆性感熱記録層２３バリアー層２４感熱接着層３１基材３２剥離層３３ハーフカット部４０オーバーレイフィルム４１オーバーレイフィルム５０アイランド状熱スタンプ５１熱スタンプ６０剥離部６１可逆性感熱記録部６２ハーフカット部７０可逆性感熱記録媒体７１可逆性感熱記録部７２オーバーレイフィルム７３センターコアフィルム７４オーバーレイフィルム７５コアフィルム８０可逆性感熱記録媒体８１可逆性感熱記録部８２オーバーレイフィルム８３コアフィルム８４オーバーレイフィルム９０転写シート９１オーバーレイフィルム９２センターコアフィルム９３オーバーレイフィルム９４フィルム９５リライトカード６３ハーフカットした転写シート２００可逆性感熱記録部２０１不要な可逆性感熱記録部３００ハーフカットした転写シート３０１不要な可逆性感熱記録部＋剥離部６０１剥離部６００必要な可逆性感熱記録部６１１可逆性感熱記録部６１２不要な可逆性感熱記録部９１０剥離部９１１基材９１２剥離層９２０可逆性感熱記録部９２１保護層９２２可逆性感熱記録層９２３バリアー層９２４感熱接着層

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ０６Ｋ 19/08 Ｂ４１Ｍ 5/18 ＢＦＧ０６Ｋ 19/00 Ｆ (72)発明者大澤晴彦東京都文京区小石川四丁目14番12号共同印刷株式会社内 (72)発明者中西真備東京都文京区小石川四丁目14番12号共同印刷株式会社内Ｆターム(参考） 2C005 HA10 HA17 HB01 HB09 JA26 JC02 KA27 LA03 LA14 LA26 MA11 MA19 MB01 MB08 PA21 QB02 RA04 RA06 2H026 AA07 AA09 BB02 BB24 EE05 FF01 FF11 FF13 FF17 FF29 GG01 HH00 3B005 EA20 EB01 EB03 EC22 FA04 FB01 FB22 GA02 GB03 5B035 BA01 BA03 BA05 BB09 CA01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】剥離部と、可逆性感熱記録部と、アイラ
ンド形状のハーフカット部とを有し、前記アイランド形
状のハーフカット部は、前記可逆性感熱記録部側から前
記剥離部の層中まで設けられたことを特徴とする可逆性
感熱記録転写シート。
【請求項２】前記アイランド形状以外の前記可逆性感
熱記録部が除去されたことを特徴とする請求項１記載の
可逆性感熱記録転写シート。
【請求項３】剥離部と、可逆性感熱記録部とを有する
可逆性感熱記録転写シートを用いたテープにアイランド
状にハーフカットするハーフカット加工工程を施すこと
を特徴とする可逆性感熱記録転写シートの製造方法。
【請求項４】前記ハーフカット加工工程は、前記可逆性感熱記録部側から前記剥離部の層中までハー
フカットすることを特徴とする請求項３記載の可逆性感
熱記録転写シートの製造方法。
【請求項５】前記アイランド形状領域以外の前記可逆
性感熱記録部を剥離する可逆性感熱記録部剥離工程をさ
らに有することを特徴とする請求項３または４記載の可
逆性感熱記録転写シートの製造方法。
【請求項６】基体上にアイランド形状の可逆性感熱記
録部を設ける工程を有することを特徴とする可逆性感熱
記録媒体の製造方法。
【請求項７】前記可逆性感熱記録部を設ける工程は、剥離部と可逆性感熱記録部とを有する可逆性感熱記録転
写シートを前記基体へ加熱圧着し、前記剥離部を前記可逆性感熱記録部から剥離することを
特徴とする請求項６記載の可逆性感熱記録媒体の製造方
法。
【請求項８】前記可逆性感熱記録転写シートは、アイランド形状に施されたハーフカット部を有すること
を特徴とする請求項７記載の可逆性感熱記録媒体の製造
方法。
【請求項９】前記可逆性感熱記録部を設ける工程は、
前記可逆性感熱記録転写シートに施されたアイランド形
状領域を前記基体へ転写させるにあたり、予め前記アイ
ランド形状領域以外の前記可逆性感熱記録部を剥離した
ことを特徴とする請求項７または８記載の可逆性感熱記
録媒体の製造方法。
【請求項１０】前記可逆性感熱記録転写シートに形成
された前記アイランド形状領域は、複数の可逆性感熱記
録媒体に対応する多面付けで設けられ、前記可逆性感熱
記録部を設ける工程が多面付けで行われることを特徴と
する請求項９記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
【請求項１１】前記基体がコアフィルムと少なくとも
コアフィルムの一方の面側にオーバーレイフィルムを有
するものであり、可逆性感熱記録転写シートに施された
アイランド形状領域の可逆性感熱記録部をオーバーレイ
フィルムのコアフィルム側となる面に転写し、その後、
オーバーレイフィルムとコアフィルムを貼り合わせるこ
とを特徴とする請求項７ないし１０記載の可逆性感熱記
録媒体の製造方法。
【請求項１２】前記基体がコアフィルムと少なくとも
コアフィルムの一方の面側にオーバーレイフィルムを有
するものであり、可逆性感熱記録転写シートに施された
アイランド形状領域の可逆性感熱記録部をコアフィルム
のオーバーレイフィルム側となる表面に転写し、その
後、オーバーレイフィルムとコアフィルムを貼り合わせ
ることを特徴とする請求項７ないし１０記載の可逆性感
熱記録媒体の製造方法。
【請求項１３】前記可逆性感熱記録転写シートは、保
護層を有さないことを特徴とする請求項１１または１２
記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
【請求項１４】前記可逆性感熱記録転写シートは、前記可逆的感熱記録部側から前記剥離部の層中へハーフ
カットが施されたものであることを特徴とする請求項８
または９記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。