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JP2001277407A - 多層発泡化粧材 - Google Patents

多層発泡化粧材

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Publication number
JP2001277407A
JP2001277407A JP2000098459A JP2000098459A JP2001277407A JP 2001277407 A JP2001277407 A JP 2001277407A JP 2000098459 A JP2000098459 A JP 2000098459A JP 2000098459 A JP2000098459 A JP 2000098459A JP 2001277407 A JP2001277407 A JP 2001277407A
Authority
JP
Japan
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layer
foamed
foam
amount
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000098459A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Yakabe
裕 矢賀部
Mitsuru Nakakawara
満 中河原
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2000098459A priority Critical patent/JP2001277407A/ja
Publication of JP2001277407A publication Critical patent/JP2001277407A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の塩化ビニル樹脂を主成分とする多層壁紙
における層間の相溶性、発泡時の面安定性、エンボス性
の悪さ等の問題点を解決し、十分な層間強度を有し、発
泡により安定した表面性状が得られ、しかもエンボスに
より高い意匠性を持つ凹凸模様が安定的に得られる多層
発泡化粧材を提供することにある。 【解決手段】化粧材用基材1の上に設けられた水性エマ
ルジョン樹脂を主成分とする発泡層が2層乃至それ以上
積層されて多層発泡層2に構成され、該多層発泡層2の
うち少なくとも最表面の発泡層が凹凸状に発泡エンボス
された凹凸模様4を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として建築物の
内装材として使用され、特に壁面用の化粧シートや壁紙
などの壁装材として好適な多層発泡化粧材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧シートや壁紙は、裏打ちシー
トや裏打ち紙の上に、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡
性樹脂組成物を塗工し加熱発泡させて、発泡層を形成し
たものが大半を占めている。
【0003】上記熱可塑性樹脂としては、近年になっ
て、オレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、水性エマルジョン系樹脂などが採用されるよう
になっているが、安価で塗工適性や発泡特性に優れたポ
リ塩化ビニル系樹脂を使用したものが依然として大半を
占めている。
【0004】係る化粧シートや壁紙における発泡層は、
製造上の簡便性から単一の発泡性樹脂組成物を1回のみ
塗工することにより一層のみ設けられるのが一般的であ
る。
【0005】ところが、近年、上記の塩化ビニル樹脂を
主成分とする壁紙において、例えば難燃性と表面感触と
の両立や、特殊な意匠効果の発現、再生樹脂の利用等の
目的により、あるいは各種の要求物性や、使用する発泡
性樹脂組成物の塗工適性、製造原価等の諸般の事情によ
り、同一もしくは相異なる組成の発泡性樹脂組成物を使
用して複数層からなる発泡性樹脂層を形成する手法が試
みられるようになっている。
【0006】しかし、この塩化ビニル樹脂を主成分とす
る複数層型の発泡化粧材には、単層型と比較して、層間
の相溶性が悪く、それに伴い、層間での剥離という問題
が挙げられる。また、それに付随して、相溶性が悪いた
め気泡(セル)の連続化不足により発泡時の面安定性が
悪いこと、及びエンボス加工の際に気泡が破裂して潰れ
てしまうパンク現象が発生し、エンボスの意匠性が得ら
れにくいという問題が起こっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の塩化
ビニル樹脂を主成分とする多層壁紙における層間での相
溶性、発泡時の面安定性、エンボス性の悪さ等の問題点
を解決し、十分な層間強度を有し、発泡により安定した
表面性状が得られ、しかもエンボスにより高い意匠性を
持つ凹凸模様が安定的に得られる多層発泡化粧材を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、化粧材用基材上に設けられた水性エマルジョン
樹脂を主成分とする発泡層が2層乃至それ以上積層され
て多層発泡層に構成されていることを特徴とする多層発
泡化粧材である。
【0009】本発明の請求項2に係る発明は、化粧材用
基材上に設けられた水性エマルジョン樹脂を主成分とす
る発泡層が2層乃至それ以上積層されて多層発泡層に構
成され、該多層発泡層のうち少なくとも最表面の発泡層
が凹凸状に発泡エンボスされていることを特徴とする多
層発泡化粧材である。
【0010】次に本発明の請求項3に係る発明は、化粧
材用基材上に設けられた水性エマルジョン樹脂を主成分
とする発泡層が2層乃至それ以上積層されて多層発泡層
に構成され、該多層発泡層が凹凸状に発泡エンボスされ
ていることを特徴とする多層発泡化粧材である。
【0011】次に本発明の請求項4に係る発明は、上記
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の多層
発泡化粧材において、前記多層発泡層を構成する各発泡
層の内、最表面の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物へ
の発泡剤の配合量に対して、それより裏面側の発泡層を
形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤の配合量が多めに
設定されている多層発泡化粧材である。
【0012】次に本発明の請求項5に係る発明は、上記
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に係る発明の多層
発泡化粧材において、前記多層発泡層を構成する各発泡
層の内、最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層を
形成する発泡性樹脂組成物への炭酸カルシウムまたは水
酸化アルミニウム等の充填材の配合量が、それより内層
側の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤の配
合量に対して0又は少な目に設定されている多層発泡化
粧材である。
【0013】次に本発明の請求項6に係る発明は、上記
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に係る発明の多層
発泡化粧材において、前記多層発泡層を構成する各発泡
層の内、最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層の
各々発泡層より内層側の発泡層を形成する発泡性樹脂組
成物への炭酸カルシウムまたは水酸化アルミニウム等の
充填材の配合量が、最表層の発泡層又は最表層に近い側
の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤の配合
量に対して多め目に設定されている多層発泡化粧材であ
る。
【0014】次に本発明の請求項7に係る発明は、上記
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に係る発明の多層
発泡化粧材において、前記多層発泡層を構成する各発泡
層の内、最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層を
形成する発泡性樹脂組成物の乾燥後の塗布量が、それよ
り内層側の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物の乾燥後
の塗布量よりも少な目に設定されている多層発泡化粧材
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の多層発泡化粧材は、例え
ば図1に示すように、基材1上に、発泡層を2層以上積
層した多層発泡層、例えば、第1発泡層21と第2発泡
層22からなる多層発泡層2(又は多層発泡化粧層とも
言う)が設けられている。
【0016】さらに、多層発泡層2の表面には絵柄模様
3の印刷が施され、さらにエンボスによる凹凸模様4が
施されている。なお図1に示す例では、多層発泡層2
は、第1、第2発泡層21、22の2層構成であるが、
3層構成、あるいはそれ以上の多層構成であっても良
い。
【0017】上記基材1は、目的とする本発明の多層発
泡化粧材の支持体となるものであって、多層発泡層2の
加熱発泡時の熱により変形を生じない程度の耐熱性を有
するものであれば、その材質は特に限定されない。具体
的には、薄葉紙、チタン紙、無機紙、または難燃紙等の
紙類や、織布または不織布等の布類、合成樹脂フィルム
またはシート類、木材単板、合板または繊維版等の木質
板、石膏ボードまたは珪酸カルシウム板等の無機板、あ
るいは金属箔または金属板等、またはそれらの積層体や
複合体等から目的の用途に合わせて適宜材料を選択すれ
ば良い。
【0018】多層発泡層2は、目的とする発泡化粧材の
表面に発泡による柔軟な触感を与えると共に、エンボス
による凹凸模様4の賦型を容易にする目的で形成される
ものである。この多層発泡層2は水性エマルジョン樹脂
に充填材、発泡剤、着色剤、分散剤、ブロッキング防止
剤、消泡剤、増粘剤等の種々の添加剤を適宜配合した発
泡性樹脂組成物から形成される。なお、本発明の多層発
泡化粧材において、この多層発泡層2は、2層の第1、
第2の発泡層21、22、あるいはそれ以上の第1、第
2、〜第nの多層の発泡層から構成されるわけである
が、上記発泡性樹脂組成物中に使用する水性エマルジョ
ン樹脂は、各発泡層21、22の間で同一であっても異
なっていても良い。
【0019】ところで従来のように、例えば上記発泡性
樹脂組成物が、その組成物中の主体となる合成樹脂成分
として塩化ビニル樹脂が用いられた塩化ビニル樹脂組成
物である場合には、揮発分が10%以下となっており、
そのほとんどが希釈剤(ターペン等)であって、主に表
面から蒸発する。
【0020】ところが、本発明において使用する発泡性
樹脂組成物のように、水性エマルジョン組成物の場合に
は、揮発分が10%以上(そのほとんどは30%以上)
と、上記塩化ビニル樹脂組成物より多く、さらに揮発分
も水である。
【0021】そのため、本発明のような水性エマルジョ
ン組成物による発泡性樹脂組成物はゲル化させる時点で
水分子の振動効果が起こり、発泡化粧層21、22にお
いて層間での振動による相溶が起こる。そして、水蒸気
が、移動、拡散することにより、層間での相溶がさらに
促進され、それに伴い、移動、拡散経路による層間での
連泡作用も発現する。また、この移動、拡散経路(蒸発
経路)が、基材1と多層発泡層2の最表面層(例えば発
泡層22の表面)の上下どちらからも蒸発するため、さ
らに相溶性及び連泡率が高くなる。また、揮発分が多い
ことも、これらのことに寄与している。そして、これら
の効果に付随して、相溶性が良いことにより表面に緻密
な膜ができ、表面強度、印刷適性向上等の効果がある。
【0022】上記効果により、次工程の加熱発泡工程に
おいては、従来の塩化ビニル樹脂組成物における問題点
でもある発泡時の面安定性は、層間での相溶および表面
の緻密な膜形成により解消され、エンボス加工時のパン
ク現象も層間の相溶性、それに伴う連泡により空気の通
り道ができ解消される。
【0023】本発明で使用する水性エマルジョン樹脂と
しては、特に限定される必要はないが、例えば、アクリ
ル酸エステル、芳香族ビニル化合物、SBR系、酢酸ビ
ニル系、エチレン−酢ビ共重合体、シリコーン、ポリウ
レタン、ポリブテン等の、少なくとも1種または2種類
以上からなり、構造上は特に限定しないが、通常の共重
合体もしくはコア/シェルの2層構造、ブレンド等を用
いることができる。
【0024】本発明における発泡性樹脂組成物中に配合
する充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪砂、クレ
ー、タルク、シリカ類、ケイ酸マグネシウムなどをあげ
ることができる。好ましくは水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、炭酸カルシウムである。充填剤の添加
量としては50〜300重量部が好ましい。50重量部
未満の場合は難燃効果が十分に現れず、300重量部以
上になると発泡シートの表面強度が弱くなる傾向があ
る。
【0025】本発明における発泡性樹脂組成物中に配合
する発泡剤は、カプセル発泡剤を用い、ポリアクリロニ
トリル、アクリロニトリルとアクリル酸メチルの共重合
体、メタクリル酸メチルとアクリロニトリルの共重合体
などからなるカプセル殻部分と、そのカプセル殻の内部
に密封装填されるエタン、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタンなどの低沸点炭化水素(気体成
分)とからなり、粒径は2〜30μmの球体である。発
泡剤の添加量は3〜20重量部が好ましい。3重量部未
満では発泡シートのボリューム感(発泡倍率)が不足
し、20重量部以上では発泡シートの表面強度が弱くな
る傾向がある。
【0026】カプセル発泡剤の発泡開始温度は、120
〜180℃であることが好ましい。180℃以上になる
と発泡性に劣り、熱エネルギーコストも高くなる。一
方、発泡開始温度が120℃未満の場合には、発泡層で
ある水性エマルジョン樹脂の水分を乾燥するための温度
下においてもカプセル発泡剤の発泡が起きやすくなり、
所謂発泡層が乾燥する以前にカプセル発泡剤の発泡が起
きてしまうために、加熱発泡後において適性な発泡倍率
をもった良い発泡体が得られない。
【0027】本発明の水性エマルジョン発泡性樹脂組成
物へのその他の添加剤としては、着色剤、分散剤、ブロ
ッキング防止剤、消泡剤及び増粘剤が使用できる。
【0028】本発明の各発泡層(例えば第1発泡層2
1、第2発泡層22)を形成するための発泡性樹脂組成
物の塗工方法には特に制限はなく、例えばナイフコータ
ー、ノズルコーター、グラビヤコーター、ロータリース
クリーンコーター、リバースロールコーター等の塗工方
法が用いられる。また、各発泡層21、22は全て同一
の塗工方法によって形成しても良いし、相互に異なる2
種以上の塗工方法を組み合わせて実施することも任意で
ある。
【0029】絵柄模様3の印刷インキとしては、適宜の
印刷インキ(非発泡性インキ)又は/及び水性エマルジ
ョン樹脂を主成分とした発泡性インキを用いて、グラビ
ア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等にて
形成することができる。
【0030】エンボスによる凹凸模様4は、塗工した多
層発泡層2を十分に乾燥した後に、熱風または赤外線照
射等で発泡させて形成してもよいし、場合によってはエ
ンボスロールを用い、多層発泡層2の表面にエンボス模
様を施すことができる。
【0031】本発明の発泡化粧材の特に好適な実施の形
態として、多層発泡層2を構成する各発泡層21、22
の内、最表面の発泡層22を形成する発泡性樹脂組成物
への発泡剤の配合量を少な目にし、一方、それより裏面
側の発泡層21を形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤
の配合量を多めに設定することにより、多層発泡層2の
全体としては大きな発泡倍率を有し、柔軟な触感やエン
ボス適性等の面で優れた特性を有しつつ、表面強度や耐
汚染性等の表面物性の面でも優れた発泡化粧材を得るこ
とができる。
【0032】上記の目的では、各発泡層21、22を形
成する発泡性樹脂組成物への発泡剤の配合量は、表面側
の発泡化粧層22では樹脂100重量部あたり3〜7重
量部程度で、裏面側の発泡層21では同じく7〜20重
量部程度とすることが好ましい。
【0033】また、白度に優れた発泡化粧材を得る目的
で、表面側の発泡層22を形成する発泡性樹脂組成物に
は酸化チタンまたは酸化亜鉛等の着色剤を多めに配合す
ることが好ましく、具体的には樹脂100重量部あたり
10〜30重量部程度配合することが好ましい。一方、
裏面側の発泡化粧層21を形成する発泡性樹脂組成物に
は、発泡倍率への影響や製造原価等を考慮して、全く配
合しないか少なめでよく、具体的には0〜20重量部程
度の範囲内とすることが好ましい。
【0034】また、優れた表面物性を得る目的で、表面
側の発泡層22を形成する発泡性樹脂組成物には、炭酸
カルシウムまたは水酸化アルミニウム等の充填材の配合
量を少なめにすることが好ましく、具体的には発泡剤の
添加量にもよるが、樹脂100重量部あたり概略30〜
150重量部程度、更に好ましくは50〜120重量部
程度の範囲内とすることが好ましい。一方、裏面側の発
泡層21を形成する発泡性樹脂組成物には、製造原価の
低減のためには多量に添加することが有利であるが、あ
まり多すぎても樹脂が脆化して、発泡倍率があまり上げ
られなくなるので、充填材の配合量は樹脂100重量部
あたり50〜300重量部程度、更に好ましくは120
〜200重量部程度とすることが好ましい。因みに、上
記充填材による難燃効果をもたせるためには、多層発泡
層2に対する上記充填材の理想的な配合率を、樹脂10
0重量部に対して充填材50重量部以上に設定する必要
がある。
【0035】また、各発泡層の厚さは、表面物性の面で
は表面側の発泡層(例えば第2発泡層22)が厚いほど
有利ではあるが、発泡倍率の面では、裏面側の発泡層
(例えば第1発泡層21)が厚いほど有利であるので、
目的の多層発泡化粧材の用途や要求特性に応じ、両者の
兼ね合いによって適宜決定する必要がある。例えば、一
般的な壁紙の用途では、表面側の第2発泡層22の目付
量(乾燥後の塗布量)は20〜120g/m2 、更に好
ましくは30〜70g/m2 程度、裏面側の第1発泡層
21の目付量(同)は50〜300g/m2 、更に好ま
しくは80〜200g/m2 程度の範囲が好適である。
【0036】なお、本発明者らの試作実験によれば、上
記の手法によって、鉛筆硬度は4H以上(ただし、ここ
で言う鉛筆硬度とはJISK5400に準じて荷重は4
00g)、発泡倍率は多層発泡層2全体として5倍以上
(裏面側の第1発泡化粧層21は7倍以上)と、高い表
面強度と高い発泡倍率とを兼ね備えた従来にない優れた
発泡化粧材を得ることができる。
【0037】以上本発明の多層発泡化粧材の代表的な実
施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定さ
れるものではなく、その本旨を変更しない範囲において
種々変形して実施することができる。
【0038】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて詳細に説明す
る。
【0039】<実施例1>坪量100g/m2 の難燃紙
機材上に、下記表1の樹脂組成1で示される樹脂組成物
を、目付量(乾燥後の塗布量)120g/m2 に塗工し
て、第1発泡層21を形成した。次いでその上に、下記
表2の樹脂組成2で示される樹脂組成物を、目付量
(同)50g/m2 に塗工して、第2発泡層22を形成
した。(図1参照;但し水性エマルジョンは比較例との
関係で同タイプを用いている) そしてオーブンにて乾燥温度120℃、時間2分にて乾
燥し、ゲル化させて発泡用のベース層(多層発泡層2)
を形成した。この時、2層間の密着は良好であった。こ
のベース層上に水性インキを用いてグラビア印刷にて絵
柄模様3を形成した後、プレス機にエンボス型を置き、
加熱温度210℃、時間30秒にて、発泡及びエンボス
を同時に行い、エンボス凹凸模様4を形成した。この
時、エンボス時のパンクは発生せず、面安定性も良好で
あり、凹凸模様4を安定して得ることができた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】<比較例1>坪量100g/m2 の難燃紙
機材上に、下記表3の樹脂組成3で示される樹脂組成物
を、目付量(乾燥後の塗布量)120g/m2 に塗工し
て、第1発泡層21を形成した。次いでその上に、下記
表4の樹脂組成4で示される樹脂組成物を50g/m2
に塗工して、第2発泡層22を形成した。そしてオーブ
ンにて乾燥温度120℃、時間2分にて乾燥し、ゲル化
させて発泡用のベース層(多層発泡層2)を形成した。
このベース層上に水性インキを用いてグラビア印刷にて
絵柄模様3を形成した後、プレス機にエンボス型を置
き、加熱温度210℃、時間30秒にて、発泡及びエン
ボスを同時に行い、エンボス凹凸模様4を形成した。こ
の時、エンボス時のパンクが多発し、面安定性も悪く、
上記実施例1の発明品と比較して良好な製品を得ること
ができなかった。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】<比較例2>坪量100g/m2 の難燃紙
機材上に、下記表5の樹脂組成5で示される樹脂組成物
を、目付量(乾燥後の塗布量)170g/m2 に単層塗
工して、単層発泡層を形成した。そしてオーブンにて乾
燥温度120℃、時間2分にて乾燥し、ゲル化させて発
泡用のベース層(単層発泡層)を形成した。但し、この
樹脂組成5による単層発泡層の発泡倍率は、上記実施例
1における表1、表2の樹脂組成1、2による第1発泡
層と第2発泡層の総合発泡倍率に整合させた。さらに水
性エマルジョン以下の材料は全て同じ商品名のものを使
用した。このベース層上に水性インキを用いてグラビア
印刷にて絵柄模様3を形成した後、プレス機にエンボス
型を置き、加熱温度210℃、時間30秒にて、発泡及
びエンボスを同時に行い、エンボス凹凸模様を形成し
た。この時、エンボス時のパンクは発生せず、面安定性
も良好であり、凹凸模様を安定して得ることができた
が、この比較例2と上記実施例1とをその性能面で比較
したとき、その発泡倍率は整合させたたために両者とも
5倍であったが、その表面強度は、実施例1の本発明品
が4Hであるのに対して、比較例2は2Bと悪くなっ
た。さらに、全体的に考えると比較例2は、実施例1に
比較して発泡剤量が多く必要になり、また、発泡層の表
面強度を配慮して充填材の添加量は抑制せざるを得な
く、したがって価格的に高価となった。
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】本発明の多層発泡化粧材は、水性エマル
ジョン樹脂を主成分として2層以上の発泡層(又は発泡
化粧層)を積層して構成される多層発泡層(又は多層発
泡化粧層)を少なくとも具備しており、単層に比べて性
能面、コスト面を向上させることができ、さらに塩化ビ
ニル樹脂組成物における複数層型での問題点である層間
の相溶性や、面安定性、エンボス性などの不都合を解決
でき、良好な発泡化粧材を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層発泡化粧材の実施の形態を示す側
断面図。
【符号の説明】
1…基材層 2…多層発泡層(多層発泡化粧層) 3…
絵柄模様 4…凹凸模様 21…第1発泡層(第1発泡化粧層) 22…第2発泡
層(第2発泡化粧層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA08B AA08C AA19B AA19C AK01B AK01C AK68 AT00A BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA25 BA27 CA01B CA01C CA23B CA23C DJ01B DJ01C EJ39 GB08 HB00 HB21C JB04 JB05B JB05C JL04 JM01B JM01C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化粧材用基材上に設けられた水性エマルジ
    ョン樹脂を主成分とする発泡層が2層乃至それ以上積層
    されて多層発泡層に構成されていることを特徴とする多
    層発泡化粧材。
  2. 【請求項2】化粧材用基材上に設けられた水性エマルジ
    ョン樹脂を主成分とする発泡層が2層乃至それ以上積層
    されて多層発泡層に構成され、該多層発泡層のうち少な
    くとも最表面の発泡層が凹凸状に発泡エンボスされてい
    ることを特徴とする多層発泡化粧材。
  3. 【請求項3】化粧材用基材上に設けられた水性エマルジ
    ョン樹脂を主成分とする発泡層が2層乃至それ以上積層
    されて多層発泡層に構成され、該多層発泡層が凹凸状に
    発泡エンボスされていることを特徴とする多層発泡化粧
    材。
  4. 【請求項4】前記多層発泡層を構成する各発泡層の内、
    最表層の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤
    の配合量に対して、それより内層側の発泡層を形成する
    発泡性樹脂組成物への発泡剤の配合量が多めに設定され
    ている請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の多層
    発泡化粧材。
  5. 【請求項5】前記多層発泡層を構成する各発泡層の内、
    最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層を形成する
    発泡性樹脂組成物への炭酸カルシウムまたは水酸化アル
    ミニウム等の充填材の配合量が、それより内層側の発泡
    層を形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤の配合量に対
    して0又は少な目に設定されている請求項1乃至請求項
    4のいずれか1項記載の多層発泡化粧材。
  6. 【請求項6】前記多層発泡層を構成する各発泡層の内、
    最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層の各々発泡
    層より内層側の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物への
    炭酸カルシウムまたは水酸化アルミニウム等の充填材の
    配合量が、最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層
    を形成する発泡性樹脂組成物への発泡剤の配合量に対し
    て、多め目に設定されている請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1項記載の多層発泡化粧材。
  7. 【請求項7】前記多層発泡層を構成する各発泡層の内、
    最表層の発泡層又は最表層に近い側の発泡層を形成する
    発泡性樹脂組成物の乾燥後の塗布量が、それより内層側
    の発泡層を形成する発泡性樹脂組成物の乾燥後の塗布量
    よりも少な目に設定されている請求項1乃至請求項6の
    いずれか1項記載の多層発泡化粧材。
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