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JP2001268868A - スイッチトリラクタンスモータ - Google Patents

スイッチトリラクタンスモータ

Info

Publication number
JP2001268868A
JP2001268868A JP2000084739A JP2000084739A JP2001268868A JP 2001268868 A JP2001268868 A JP 2001268868A JP 2000084739 A JP2000084739 A JP 2000084739A JP 2000084739 A JP2000084739 A JP 2000084739A JP 2001268868 A JP2001268868 A JP 2001268868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pole
rotor
torque
stator
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000084739A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotsugu Takeda
洋次 武田
Masayuki Sanada
雅之 真田
Shigeo Morimoto
茂雄 森本
Nobuyuki Matsui
信行 松井
Kensho Okabe
憲昭 岡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2000084739A priority Critical patent/JP2001268868A/ja
Publication of JP2001268868A publication Critical patent/JP2001268868A/ja
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低騒音・低振動化を達成する構造を提供す
る。 【解決手段】 複数個の極21を有する回転子2と、複
数個の極11を有するとともに、固定子巻線を有する固
定子1とを含むスイッチトリラクタンスモータにおい
て、回転子2もしくは固定子1の各極11の先端に複数
個の小歯12を設けた。または回転子2の各極21に、
回転子2の中心軸線と各極21の中心とを通る仮想的な
平面を基準とする対称な磁気的な空隙を設けた。または
前記空隙は、極21の円周方向の幅の1/3の幅を有す
るとともに、極21の高さの1/3の高さを有するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数個の極を有
する回転子と、複数個の極を有するとともに、固定子巻
線を有する固定子とを含むスイッチトリラクタンスモー
タ(以下、SRモータと略称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】SRモータは、誘導モータや永久磁石同
期モータに比べ構造が簡単なため、堅牢で安価なモータ
として期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、SRモータで
は、固定子と回転子の突極に起因するトルクリプルや騒
音に問題があり、汎用化の妨げとなっている。具体的に
は、トルクに対するラジアル力が大きく、この力による
固定子の変形量が大きく、ひいては振動・騒音の増大を
招いている。
【0004】そして、トルクリプルの低減策として、励
磁相の切り替えタイミングを微妙に調整する方法{Ch
arles Pollock, Chi−Yao W
u:”Acoustic Noise Cancell
ation Techniques for Swit
ched Reluctance Drives:At
tention to Mechanical Beh
aviour”,IEEE Trans.on I.
A., Vol.33, No.2, pp.477−
484(1993)参照}が提案されているが、汎用性
に問題があり、広く採用されるには至っていない。
【0005】このほか、インダクタンスの空間高調波を
考慮して駆動電流に適当な割合の第3高調波を重畳する
ことにより、トルクリプルの改善ばかりでなく、トルク
/アンペア2を向上させる方法{落合,小坂,松井:
「RMの電流−トルク特性改善の考察」,電気学会回転
機研究会 RM−97−15(1997)参照}も報告
されている。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、低騒音・低振動化を達成することができ
る構造のSRモータを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のSRモータ
は、複数個の極を有する回転子と、複数個の極を有する
とともに、固定子巻線を有する固定子とを含むものであ
って、回転子もしくは固定子の各極の先端に複数個の小
歯を設けたものである。
【0008】請求項2のSRモータは、複数個の極を有
する回転子と、複数個の極を有するとともに、固定子巻
線を有する固定子とを含むものであって、回転子の各極
に、回転子の中心軸線と各極の中心とを通る仮想的な平
面を基準とする対称な磁気的な空隙を有しているもので
ある。
【0009】請求項3のSRモータは、前記空隙とし
て、極の円周方向の幅の1/3の幅を有するとともに、
極の高さの1/3の高さを有するものを採用するもので
ある。
【0010】請求項4のSRモータは、前記空隙とし
て、極の円周方向の幅の1/3の幅を有するとともに、
極の高さの2/3の高さを有するものを採用するもので
ある。
【0011】請求項5のSRモータは、前記空隙とし
て、極の円周方向の幅の2/3の幅を有するとともに、
極の高さの1/3の高さを有するものを採用するもので
ある。
【0012】
【作用】請求項1のSRモータであれば、回転子もしく
は固定子の各極の先端に複数個の小歯を設けているの
で、ラジアル力の最大値を余り変化させることなくトル
クを増大させることができ、この結果、トルク/ラジア
ル力の比を極大化することができ、ひいては、SRモー
タの低騒音・低振動化を達成することができる。
【0013】さらに説明する。
【0014】SRモータを励磁すると、トルクと共にラ
ジアル力が発生する。そして、ラジアル力が固定子を縮
ませ、励磁を切り換えるたびにSRモータが変形し、騒
音を発生させる。また、ラジアル力は励磁している固定
子極と回転子極が対向している全部分に発生し、トルク
は固定子極と回転子極のエッジ部分に集中して発生す
る。つまり、ラジアル力は固定子極とラジアル極の対向
面積が小さいほど小さくなる。
【0015】そして、小歯の数の増加に比例して、後に
定義する騒音の評価関数を改善することができる。
【0016】したがって、回転子もしくは固定子の各極
の先端に複数個の小歯を設けることにより、エッジ部分
を増加させてトルクを増加させ、トルク/ラジアル力の
比を極大化することができる。この結果、SRモータの
低騒音・低振動化を達成することができる。
【0017】ただし、小歯の増加に比例して回転に必要
な駆動周波数が上昇するので、目的に応じて最適な小歯
数を選択することが好ましい。
【0018】請求項2のSRモータであれば、回転子の
各極に、回転子の中心軸線と各極の中心とを通る仮想的
な平面を基準とする対称な磁気的な空隙を有しているの
で、SRモータの騒音・振動を増大させる主要因である
ラジアル力を低減し、SRモータの低騒音・低振動化を
達成することができる。
【0019】さらに説明する。
【0020】SRモータを励磁すると、トルクと共にラ
ジアル力が発生する。そして、ラジアル力が固定子を縮
ませ、励磁を切り換えるたびにSRモータが変形し、騒
音を発生させる。また、ラジアル力は励磁している固定
子極と回転子極が対向している全部分に発生し、トルク
は固定子極と回転子極のエッジ部分に集中して発生す
る。つまり、ラジアル力は固定子極とラジアル極の対向
面積が小さいほど小さくなる。
【0021】そして、回転子極に空隙を設ければ、等価
的に磁気的な対向面積を減少させることができ、回転に
必要な駆動電源の出力周波数を上昇させることなくトル
ク/ラジアル力の比を改善することができる。この結
果、SRモータの低騒音・低振動化を達成することがで
きる。
【0022】請求項3のSRモータであれば、前記空隙
として、極の円周方向の幅の1/3の幅を有するととも
に、極の高さの1/3の高さを有するものを採用するの
であるから、請求項2の作用に加え、トルクリプルを極
小化することができるとともに、ラジアル力を30%程
度低減することができる。
【0023】請求項4のSRモータであれば、前記空隙
として、極の円周方向の幅の1/3の幅を有するととも
に、極の高さの2/3の高さを有するものを採用するの
であるから、請求項2の作用に加え、トルクリプルを極
小化することができるとともに、ラジアル力を30%程
度低減することができ、しかも、回転子を軽量化し、ひ
いてはイナーシャを小さくしてSRモータの応答性を向
上させることができる。
【0024】請求項5のSRモータであれば、前記空隙
として、極の円周方向の幅の2/3の幅を有するととも
に、極の高さの1/3の高さを有するものを採用するの
であるから、請求項2の作用に加え、ラジアル力を70
%程度低減することができ、トルクリプルに比べ、特に
ラジアル力に起因する騒音低減が望まれる用途の動力源
として採用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のSRモータの実施の態様を詳細に説明する。
【0026】図1はこの発明のSRモータの一実施態様
を示す概略縦断面図、図2はこの発明のSRモータの他
の実施態様を示す概略縦断面図、図3はこの発明のSR
モータのさらに他の実施態様を示す概略縦断面図であ
る。また、図4は従来のSRモータの一例を示す概略縦
断面図である。
【0027】図4に示すSRモータは、回転子2の突極
数が4であるとともに、固定子1の突極数が6である。
【0028】これに対して、図1に示すSRモータは、
固定子1の6つの突極11のそれぞれの先端に2つづつ
の小歯12を設けているとともに、回転子2の突極21
の数を10に設定している。
【0029】また、図2に示すSRモータは、固定子1
の6つの突極11のそれぞれの先端に3つづつの小歯1
2を設けているとともに、回転子2の突極21の数を1
6に設定している。
【0030】さらに、図3に示すSRモータは、固定子
1の6つの突極11のそれぞれの先端に4つづつの小歯
12を設けているとともに、回転子2の突極21の数を
22に設定している。
【0031】そして、以下の説明および図面において、
図4に示すSRモータを「小歯数1」もしくは「6−
4」で表し、図1に示すSRモータを「小歯数2」もし
くは「12−10」で表し、図2に示すSRモータを
「小歯数3」もしくは「18−16」で表し、図3に示
すSRモータを「小歯数4」もしくは「24−22」で
表す。
【0032】図1から図3のそれぞれに示すSRモータ
の作用を説明する。
【0033】先ず、騒音の評価関数NFを次のように定
義する。
【0034】 評価関数NF=平均最大トルク/ラジアル力の最大値 ・・・(1) この値が大きい程、同一トルクでの低騒音が期待でき
る。
【0035】次いで、この評価関数NFの妥当性を説明
する。
【0036】6−4タイプのSRモータについて励磁し
ている固定子極に発生するラジアル力fRと接線力fT
を有限要素法で解析した結果、図5に示す解析結果が得
られた。解析の範囲は機械角−30°〜+30°、総起
磁力は600A(300A×2極)である。図5の上方
の太い網線は固定子極の位置を、下方の太い網線は回転
子極の位置を示している。なお、ラジアル力と接線力を
区別しやすくするため、接線力の値を反転させて表して
いる。
【0037】なお、回転子の基準位置(θ=0°)は、
固定子極の中心と回転子極の凹部の中心とが一致した状
態を、また、回転子位置45°(機械角)は固定子極と
回転子極とが完全に重なった状態を示している。
【0038】ラジアル力は励磁している固定子極と回転
子極の対向している全部分に発生し、接線力は固定子極
と回転子極が重なるエッジ部分に集中して発生している
ことが分かる。
【0039】このラジアル力fRを積分したものが、こ
の固定子極に発生するラジアル力FRであり、この回転
方向の接線力fTを積分し、回転子半径(=Dr/2)お
よび励磁極数(=2極)をかけたものが静トルクTであ
る。
【0040】図6にラジアル力FRと静トルクTを示
す。図6から、静トルクの測定値と計算値がよく合って
いることが分かる。ラジアル力については回転機の構造
上の問題で測定できなかったが、静トルクもマクスウェ
ルの応力より計算しており、静トルクが精度よく計算さ
れていることから、ラジアル力も精度よく計算されてい
るものと推測できる。
【0041】放射音のパワーレベルは、放射面の振動速
度uの自乗に比例する{福田他:「(社)日本機械学会
編 機械騒音ハンドブック」,産業図書(1991)参
照}。振動速度の主要因はラジアル力であることから、
トルク一定条件のもとで、振動速度を測定し、評価関数
の妥当性を検討する。比較には6−4タイプ(固定子突
極数が6、回転子突極数が4のタイプ){図8中(A)
参照}と12−8タイプ(固定子突極数が12、回転子
突極数が8のタイプ){図8中(B)参照}を用いた。
【0042】測定装置は図7に示すとおりであり、定盤
30上において、SRモータ31の出力軸をトルク変換
器32を介して負荷33に接続し、SRモータ31に圧
電型加速度ピックアップ34を設け、圧電型加速度ピッ
クアップ34からの出力をチャージアンプ35を通して
FFT36に供給している。そして、トルク変換器32
に対して動ひずみ測定器37を接続している。
【0043】また、測定ポイントは、図8中(A)、
(B)に示す60°の範囲を図8中(C)に示すように
1cm角に分割した各部の中央15箇所である。そし
て、回転数20rps、トルク15kg・cmとして各
測定ポイントの振動速度を測定した。何れの測定ポイン
トにおいても大差は認められなかったが、測定値の平均
値は表1に示すとおりであった。
【0044】
【表1】
【0045】振動速度比は、6−4タイプが12−8タ
イプの2.30倍になっている。放射音のパワーレベル
は振動速度uの自乗に比例することから、騒音レベルは
振動速度比より、10log(2.30)2≒7.23
となり、12−8タイプの方が約7dB低いと予想でき
る。
【0046】ここではトルクを15kg・cm一定とし
て比較しているので、6−4タイプについては総起磁力
1200Aのときの計算値を用いる。また、12−8タ
イプの1200Aでは、平均最大トルクが15kg・c
mの約半分であり、飽和を無視した場合のトルクは起磁
力の2乗に比例することから、総起磁力を21/2倍の1
200×21/2Aとして比較した。計算値を表2および
図9に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表1の振動速度比と表2の評価関数の逆数
(1/評価関数)比を比べるとほぼ同じ値になってお
り、評価関数の妥当性が分かる。
【0049】次いでSRモータの作用を説明する。
【0050】図5に示すように、トルクは回転子と固定
子の各エッジ部分で発生するため、多極にすることはト
ルクを増やすためには極めて効果的である。ここでは、
ラジアル力との関連も含めて定量的に検証する。
【0051】一般に集中巻SRモータの固定子の歯数に
対する回転子の歯数は次の条件を考慮して求められる。
【0052】(1) 中心を対称に2つの極を励磁する
ため、回転子歯数は偶数である。
【0053】(2) 回転子と固定子が全極かみ合って
しまう極数の約数、倍数はとらない。
【0054】(3) (1極当たりに必要な角度)×
(極数)が360°を越えてはならない。
【0055】(4) (回転子歯の1凹部の幅)>(回
転子歯の1凸部の幅)でなければならない。
【0056】以上のことを考慮して、実際に今回検討す
る固定子6極のSRモータにおける回転子歯数を求め
る。
【0057】固定子1極当たりの小歯数をn、求める回
転子歯数をmとする。
【0058】固定子1極当たりの歯幅の合計θ(0<θ
<60°)を一定とし、条件(3)(4)より、 360n・(n−1)/(60n−θ)<m<180n/θ ・・・(2) したがって、この例ではθ=30°とし、条件(1)
(2)のもとで式(1)を満たすm、nを求めればよ
い。これより、固定子歯幅δs、回転子極幅δrが求ま
る。
【0059】そして、図1から図4に示すSRモータの
機器定数は表3に示すとおりである。
【0060】
【表3】
【0061】また、起磁力600Aの場合における、図
1から図4に示すSRモータのトルク、ラジアル力特
性、評価関数、ベクトル図は図10中(A)(B)
(C)(D)に示すとおりである。
【0062】小歯数を増やすとトルク発生区間は狭くな
りトルクは増加する。しかし、ラジアル力の最大値はあ
まり変化しないことが分かる。
【0063】次に起磁力600Aにおける、12−10
モデルのトルクとラジアル力の各部における発生状況は
図11に示すとおりである。トルクは固定子および回転
子のエッジの部分で発生し、ラジアル力は固定子歯と回
転子歯との重なり合った部分で発生していることが分か
る。なお、トルクは見やすいように反転して示してい
る。
【0064】小歯数が増加するとエッジ部分が増え、ト
ルクが増加する。これに対しラジアル力は、小歯が増え
ても総対向面積は変わらないため、その最大値は殆ど変
化しない。
【0065】また、最大ラジアル力については、起磁力
一定で固定子の小歯数を増やしていくとやや減少する傾
向がある。
【0066】以上の結果から、トルクに関しては、固定
子極の小歯数にほぼ比例して増加し、ラジアル力に関し
てはほぼ同様の力が発生するので、固定子の小歯数を増
やすメリットとしては、ラジアル力減少よりも、トルク
増加の方に効果がある。したがって、同じトルクの条件
では小歯数が多い方が騒音の低いモータとなることが分
かる。ただし、小歯に比例してトルク発生区間が回転子
の歯幅と共に短くなり回転に必要な駆動電源の出力周波
数が上昇するため、目的に応じて最適な小歯数を選択す
る必要がある。
【0067】上述のように小歯を設けると評価関数NF
は改善されるが、駆動電源の出力周波数が高くなる。そ
こで、トルクはエッジ部分で発生し、ラジアル力は固定
子歯と回転子歯の対向部分で発生することをふまえ、例
として6−4モデルのSRモータの回転子歯の中央に空
隙を設けることによりエッジ付近の磁束路を確保しつつ
等価的に磁気的な対向面積を減少させる方法について検
討する。
【0068】検討の手順として、(1)空隙形状の大き
さ、(2)位置、(3)高さと幅の3段階で検討する。
【0069】設ける空隙の形状は幾何学的に幾つもの寸
法が考えられるが、ここでは概略の方向を得るため、基
本的な形状について検討する。
【0070】図12はSRモータの回転子歯の先端の形
状を示す拡大図であり、6−4モデルのSRモータの仕
様を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】ただし、固定子極内径、回転子極外径、ヨ
ークの厚みは図4に示す6−4モデルのSRモータと同
一仕様である。そして、図12中(A)の空隙22(T
ype A)の高さy1を基準とし、図12中(B)の
空隙22(Type B)は2倍、図12中(C)の空
隙22(Type C)は3倍の極端な例まで大きくし
た。なお、何れの場合にも、空隙は、回転子2の中心軸
線と回転子極21の中心とを通る仮想的な平面を基準と
して対称な形状を有している。
【0073】起磁力600Aの場合の、各回転子形状に
おけるトルク、ラジアル力特性、評価関数、ベクトル図
は図13中(A)〜(D)に示すとおりである。
【0074】図13中(A)(B)から分かるように、
Type B、Cの空隙22を形成した場合のトルクは
基本モデルType Aと比較してリプルが大きい。ま
た、最大ラジアル力は各モデルType B、Cとも基
本モデルType Aの約60〜70%程度に低減され
ている。中でも、基本モデルType Aは回転子が最
大ラジアル力発生位置から移動するにつれ、ラジアル力
が滑らかに変化している。
【0075】一般に、図13中(D)に示すように、ベ
クトルが右下に近づく程低騒音化が期待できるが、トル
クリプル等を総合的に考慮すると、基本モデルType
AあるいはモデルType Bが低騒音化に適してい
る。
【0076】次いで、基本モデルType Aを例に空
隙22の形状は変化させず、ラジアル方向にrだけ移動
させた時のトルク、ラジアル力の関係を検討する。な
お、SRモータの回転子歯の先端の形状を拡大して図1
4に示しているとともに、仕様を表5に示している。
【0077】
【表5】
【0078】起磁力600Aの場合の、各回転子形状に
おけるトルク、ラジアル力特性、評価関数、ベクトル図
は図15中(A)〜(D)に示すとおりである。
【0079】図15中(A)(B)から分かるように、
空隙を回転子極の先端部に配置するほどトルクリプルが
増加するが、ラジアル力が減少する。
【0080】図15中(C)(D)から分かるように、
回転子極内部の空隙が先端に近づくほど、最大ラジアル
力が低減し、騒音の評価関数も改善されるが、磁気飽和
の影響も考慮すると、極先端に配置するのは問題があ
る。
【0081】図15中(A)のトルクプロファイルも考
慮して、r=3[mm]の場合について以下に説明す
る。
【0082】図16中(A)(B)(C)は、r=3
[mm]に設定し、空隙22のサイズ、形状を変化させ
た状態における回転子極21の先端形状を示す概略図で
ある。図16中(A)(Type D)においては、空
隙の幅X1をL/3に、高さy1をd/3に設定してお
り、図16中(B)(Type E)においては、空隙
の幅X1をL/3に、高さy1を2d/3に設定してお
り、図16中(C)(Type F)においては、空隙
の幅X1を2L/3に、高さy1をd/3に設定してい
る。
【0083】そして、起磁力600Aの場合の、各回転
子極内の空隙形状を採用した場合におけるトルク、ラジ
アル力特性、評価関数、ベクトル評価を得たところ、図
17中(A)(B)(C)(D)に示すとおりであっ
た。
【0084】図17中(A)(B)から分かるように、
トルク、ラジアル力に対する空隙高さの影響はあまり見
られず、Type D、E共に評価関数、ベクトル図は
ほぼ同じである。しかし、空隙幅の影響は大きく、Ty
pe Fのトルク、ラジアル力は共に減少し、評価関数
は良くなっているものの、同一励磁電流でのトルクの減
少が著しい。
【0085】また、図17中(C)(D)から分かるよ
うに、Type DとType Eの評価関数はほぼ同
じであることが分かる。ただし、回転子の軽量化の面で
は、Type Eが優れている。
【0086】以上には、小歯、空隙の何れかを設ける場
合についてのみ説明したが、両者を併用することによ
り、さらに低騒音のSRモータを得ることができると思
われる。
【0087】なお、本発明の手法により例示しなかった
他の極数の組み合せ、例えば、8−6タイプについても
同様の低騒音効果を得ることができるとともに、回転子
の強度を増すために、空隙中に非磁性の例えば、樹脂を
充填しても同様の低騒音効果を得ることができる。
【0088】
【発明の効果】請求項1の発明は、ラジアル力の最大値
を余り変化させることなくトルクを増大させることがで
き、この結果、トルク/ラジアル力の比を極大化するこ
とができ、ひいては、SRモータの低騒音・低振動化を
達成することができるという特有の効果を奏する。
【0089】請求項2の発明は、SRモータの騒音・振
動を増大させる主要因であるラジアル力を低減し、SR
モータの低騒音・低振動化を達成することができるとい
う特有の効果を奏する。
【0090】請求項3の発明は、請求項2の効果に加
え、トルクリプルを極小化することができるとともに、
ラジアル力を30%程度低減することができるという特
有の効果を奏する。
【0091】請求項4の発明は、請求項2の効果に加
え、トルクリプルを極小化することができるとともに、
ラジアル力を30%程度低減することができ、しかも、
回転子を軽量化し、ひいてはイナーシャを小さくしてS
Rモータの応答性を向上させることができるという特有
の効果を奏する。
【0092】請求項5の発明は、請求項2の効果に加
え、ラジアル力を70%程度低減することができ、トル
クリプルに比べ、特にラジアル力に起因する騒音低減が
望まれる用途の動力源として採用することができるとい
う特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のSRモータの一実施態様を示す概略
縦断面図である。
【図2】この発明のSRモータの他の実施態様を示す概
略縦断面図である。
【図3】この発明のSRモータのさらに他の実施態様を
示す概略縦断面図である。
【図4】従来のSRモータの一例を示す概略縦断面図で
ある。
【図5】励磁している固定子極に発生するラジアル力f
Rと接線力fTとを有限要素法で解析した結果を示す図で
ある。
【図6】ラジアル力FRと静トルクTを示す図である。
【図7】振動加速度と動ひずみを測定する装置を示す概
略図である。
【図8】測定ポイントを説明する概略図である。
【図9】評価関数とベクトル図の計算結果を示す図であ
る。
【図10】図1〜図4のSRモータのトルク、ラジアル
力特性、評価関数、ベクトル図を示す図である。
【図11】ラジアル力とトルクの分布を示す図である。
【図12】回転子極に空隙を設けた状態を示す図であ
る。
【図13】図12の各空隙に対応するSRモータのトル
ク、ラジアル力特性、評価関数、ベクトル図を示す図で
ある。
【図14】回転子極内の空隙位置を説明する図である。
【図15】回転子極先端から空隙までの距離を変化させ
た場合におけるSRモータのトルク、ラジアル力特性、
評価関数、ベクトル図を示す図である。
【図16】回転子極先端から空隙までの距離を3mmに
設定した状態における空隙の形状を示す図である。
【図17】図16の各空隙に対応するSRモータのトル
ク、ラジアル力特性、評価関数、ベクトル図を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 固定子 2 回転子 11 突極 12 小歯 21 突極 22 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 茂雄 和歌山県橋本市三石台1−5−2−2− 407 (72)発明者 松井 信行 愛知県春日井市押沢台7−12−3 (72)発明者 岡部 憲昭 大阪府堺市大野芝町23 至誠寮A−7 Fターム(参考) 5H002 AA04 AE07 5H619 AA10 BB01 BB15 PP01 PP02 PP05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の極(21)を有する回転子
    (2)と、複数個の極(11)を有するとともに、固定
    子巻線を有する固定子(1)とを含むスイッチトリラク
    タンスモータにおいて、 回転子(2)もしくは固定子(1)の各極(11)の先
    端に複数個の小歯(12)を設けたことを特徴とするス
    イッチトリラクタンスモータ。
  2. 【請求項2】 複数個の極(21)を有する回転子
    (2)と、複数個の極(11)を有するとともに、固定
    子巻線を有する固定子(1)とを含むスイッチトリラク
    タンスモータにおいて、 回転子(2)の各極(21)に、回転子(2)の中心軸
    線と各極(21)の中心とを通る仮想的な平面を基準と
    する対称な磁気的な空隙(22)を有していることを特
    徴とするスイッチトリラクタンスモータ。
  3. 【請求項3】 前記空隙(22)は、極(21)の円周
    方向の幅の1/3の幅を有するとともに、極(21)の
    高さの1/3の高さを有するものである請求項2に記載
    のスイッチトリラクタンスモータ。
  4. 【請求項4】 前記空隙(22)は、極(21)の円周
    方向の幅の1/3の幅を有するとともに、極(21)の
    高さの2/3の高さを有するものである請求項2に記載
    のスイッチトリラクタンスモータ。
  5. 【請求項5】 前記空隙(22)は、極(21)の円周
    方向の幅の2/3の幅を有するとともに、極(21)の
    高さの1/3の高さを有するものである請求項2に記載
    のスイッチトリラクタンスモータ。
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