JP2001261414A - 自己湿潤養生機能を有するコンクリートおよびその施工法 - Google Patents
自己湿潤養生機能を有するコンクリートおよびその施工法Info
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B40/00—Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
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- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/40—Porous or lightweight materials
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- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 軽量でありながら,強度や耐久性に優れたコ
ンクリートを得る。 【解決手段】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートにおいて,混和剤としてJI
S A 6204に従うAE減水剤または高性能AE減水剤を使
用し, コンクリート用骨材の全部または一部として JIS
Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が
1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水
セメント比が25〜55%で, 未だ固まらないコンクリート
の単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3となるように各材
料を配合したことを特徴とする自己湿潤養生機能を有す
るコンクリート。
ンクリートを得る。 【解決手段】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートにおいて,混和剤としてJI
S A 6204に従うAE減水剤または高性能AE減水剤を使
用し, コンクリート用骨材の全部または一部として JIS
Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が
1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水
セメント比が25〜55%で, 未だ固まらないコンクリート
の単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3となるように各材
料を配合したことを特徴とする自己湿潤養生機能を有す
るコンクリート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,コンクリートに配
合する骨材に自己湿潤養生機能およびその他の機能を持
たせることによって各種特性を発現させたコンクリート
およびその施工法に関する。
合する骨材に自己湿潤養生機能およびその他の機能を持
たせることによって各種特性を発現させたコンクリート
およびその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の場合,コンクリートは,打ち込み
終了後からセメントの水和およびコンクリートの硬化が
十分に進行するまでは,急激に乾燥しないように養生し
なければならない。このため,例えば(社)日本建築学
会建築工事標準仕様書・同解説(以下「日建仕様書」と
略記する)の「JASS 5 鉄筋コンクリート工事」では,
コンクリート打ちこみ後,数日間の湿潤養生が義務付け
られている。この場合の湿潤養生とは,所定期間の型枠
存置(セメントの種類に応じて,3日以上から10日以
上),散水,水噴霧などである。
終了後からセメントの水和およびコンクリートの硬化が
十分に進行するまでは,急激に乾燥しないように養生し
なければならない。このため,例えば(社)日本建築学
会建築工事標準仕様書・同解説(以下「日建仕様書」と
略記する)の「JASS 5 鉄筋コンクリート工事」では,
コンクリート打ちこみ後,数日間の湿潤養生が義務付け
られている。この場合の湿潤養生とは,所定期間の型枠
存置(セメントの種類に応じて,3日以上から10日以
上),散水,水噴霧などである。
【0003】このようなことから,建築工事では,せき
板(コンクリートと接する型枠)などの被覆材を所定の
期間存置し,また散水や噴霧を行っているが,現場によ
っては,工期等の面からせき板を所定期間存置すること
ができないことや,散水や噴霧も次の作業工程に影響を
与えるので実施が困難なことも多く,コンクリートの養
生の問題はコンクリート工事にとって重要な要件である
のものの,そのために施工上の制約を受けることも多
い。
板(コンクリートと接する型枠)などの被覆材を所定の
期間存置し,また散水や噴霧を行っているが,現場によ
っては,工期等の面からせき板を所定期間存置すること
ができないことや,散水や噴霧も次の作業工程に影響を
与えるので実施が困難なことも多く,コンクリートの養
生の問題はコンクリート工事にとって重要な要件である
のものの,そのために施工上の制約を受けることも多
い。
【0004】また,前記日建仕様書の「JASS 5 鉄筋コ
ンクリート工事」において,軽量コンクリートを用いる
場合の設計基準が示されているが,それによれば,軽量
コンクリートの設計基準強度の最大値は36N/mm2
と規定されている。これは,従来の人工軽量骨材は比重
が1.30程度で,JIS Z 8841に従う圧壊荷重が 500N程度
であることから,36N/mm2を超えるような軽量コ
ンクリートを得ることが難しいことによる。このため強
度を要求される箇所での軽量コンクリートの使用には制
限があり,軽量コンクリート構造物の施工が困難となる
ことも多い。
ンクリート工事」において,軽量コンクリートを用いる
場合の設計基準が示されているが,それによれば,軽量
コンクリートの設計基準強度の最大値は36N/mm2
と規定されている。これは,従来の人工軽量骨材は比重
が1.30程度で,JIS Z 8841に従う圧壊荷重が 500N程度
であることから,36N/mm2を超えるような軽量コ
ンクリートを得ることが難しいことによる。このため強
度を要求される箇所での軽量コンクリートの使用には制
限があり,軽量コンクリート構造物の施工が困難となる
ことも多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの課題
は,外部からの補給水が絶えても養生を自分で行うこと
ができるようなコンクリートを得ることである。
は,外部からの補給水が絶えても養生を自分で行うこと
ができるようなコンクリートを得ることである。
【0006】本発明の他の課題は,軽量でありながら高
強度を発現できるコンクリートを得ることである。
強度を発現できるコンクリートを得ることである。
【0007】本発明の他の課題は,軽量・高流動・高強
度を同時に達成できるようなコンクリートを得ることで
ある。
度を同時に達成できるようなコンクリートを得ることで
ある。
【0008】本発明の他の課題は,高強度化と同時に普
通コンクリートよりも乾燥収縮が小さくさらには中性化
の進行も小さくなるような高耐久性コンクリートを得る
ことである。
通コンクリートよりも乾燥収縮が小さくさらには中性化
の進行も小さくなるような高耐久性コンクリートを得る
ことである。
【0009】
【課題を解決する手段】前記一つの課題は,水, セメン
トを含む結合材, 骨材および混和剤からなるコンクリー
トにおいて,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤
または高性能AE減水剤を使用し, コンクリート用骨材
の全部または一部として JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が
1000〜2000N, 絶乾比重が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20
%の人工骨材を使用し, 水セメント比が25〜55%で, 未
だ固まらないコンクリートの単位容積質量が 1.8〜2.1
t/m3となるように各材料を配合したことを特徴とす
る自己湿潤養生機能を有するコンクリートによって達成
できることがわかった。このコンクリートは現場打設
後,材齢1日でせき板を脱型しても十分な強度発現がで
きる。
トを含む結合材, 骨材および混和剤からなるコンクリー
トにおいて,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤
または高性能AE減水剤を使用し, コンクリート用骨材
の全部または一部として JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が
1000〜2000N, 絶乾比重が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20
%の人工骨材を使用し, 水セメント比が25〜55%で, 未
だ固まらないコンクリートの単位容積質量が 1.8〜2.1
t/m3となるように各材料を配合したことを特徴とす
る自己湿潤養生機能を有するコンクリートによって達成
できることがわかった。このコンクリートは現場打設
後,材齢1日でせき板を脱型しても十分な強度発現がで
きる。
【0010】前記の他の課題は,水, セメントを含む結
合材, 骨材および混和剤からなるコンクリートにおい
て,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高
性能AE減水剤を使用し, コンクリート用骨材の全部ま
たは一部として JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜20
00N, 絶乾比重が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工
骨材を使用し, 水セメント比が25〜55%で, 未だ固まら
ないコンクリートの単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3
となるように各材料を配合してスランプフローが45c
m以上の高流動コンクリートを練り混ぜることによって
達成され,この高流動コンクリートは軽量でありなが
ら,硬化体の圧縮強度が36N/mm2を超える高強度
を発現することができる。このコンクリートにはフライ
アッシュまたはシリカフュームをさらに配合することよ
って,圧縮強度の向上,乾燥収縮の低減,中性化深さの
進行抑制がさらに達成できる。
合材, 骨材および混和剤からなるコンクリートにおい
て,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高
性能AE減水剤を使用し, コンクリート用骨材の全部ま
たは一部として JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜20
00N, 絶乾比重が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工
骨材を使用し, 水セメント比が25〜55%で, 未だ固まら
ないコンクリートの単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3
となるように各材料を配合してスランプフローが45c
m以上の高流動コンクリートを練り混ぜることによって
達成され,この高流動コンクリートは軽量でありなが
ら,硬化体の圧縮強度が36N/mm2を超える高強度
を発現することができる。このコンクリートにはフライ
アッシュまたはシリカフュームをさらに配合することよ
って,圧縮強度の向上,乾燥収縮の低減,中性化深さの
進行抑制がさらに達成できる。
【0011】前記の他の課題は,水, セメントを含む結
合材, 骨材および混和剤からなるコンクリートにおい
て,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高
性能AE減水剤を使用し, 骨材の全部または一部として
JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重
が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し,
水セメント比が25〜55%のもとで単位容積質量が 1.8〜
2.1 t/m3となるように各材料を配合してコンクリー
トを練り混ぜ, 得られた未だ固まらないコンクリートを
断熱型枠を用いて養生することを特徴とする高強度軽量
コンクリートの製造法によって達成され,これによると
普通骨材を使用したコンクリートに比べて引張強度を著
しく向上させることができる。
合材, 骨材および混和剤からなるコンクリートにおい
て,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高
性能AE減水剤を使用し, 骨材の全部または一部として
JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重
が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し,
水セメント比が25〜55%のもとで単位容積質量が 1.8〜
2.1 t/m3となるように各材料を配合してコンクリー
トを練り混ぜ, 得られた未だ固まらないコンクリートを
断熱型枠を用いて養生することを特徴とする高強度軽量
コンクリートの製造法によって達成され,これによると
普通骨材を使用したコンクリートに比べて引張強度を著
しく向上させることができる。
【0012】前記の他の課題は,水, セメントを含む結
合材, 骨材および混和剤からなるコンクリートにおい
て,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高
性能AE減水剤を使用し, 骨材の全部または一部として
JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重
が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し,
水セメント比が25〜55%のもとで単位容積質量が 1.8〜
2.1 t/m3となるように各材料を配合してコンクリー
トを練り混ぜ, 得られた未だ固まらないコンクリートで
マスコンクリート構造体を施工することを特徴とするマ
スコンクリート施工法によって達成される。当該マスコ
ンクリートは引張強度が普通コンクリートに比べて向上
し且つ温度ひび割れを低減することができる。
合材, 骨材および混和剤からなるコンクリートにおい
て,混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高
性能AE減水剤を使用し, 骨材の全部または一部として
JIS Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重
が 1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し,
水セメント比が25〜55%のもとで単位容積質量が 1.8〜
2.1 t/m3となるように各材料を配合してコンクリー
トを練り混ぜ, 得られた未だ固まらないコンクリートで
マスコンクリート構造体を施工することを特徴とするマ
スコンクリート施工法によって達成される。当該マスコ
ンクリートは引張強度が普通コンクリートに比べて向上
し且つ温度ひび割れを低減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のコンクリートは,使用す
る骨材と混和剤・混和材に応じて,特性面から,自己湿
潤養生機能をもつコンクリート(セルフキュアリングコ
ンクリート),軽量・高強度コンクリート,軽量・高流
動・高強度コンクリートおよび高耐久性コンクリート等
に分けることができるが,これらに共通するのは,骨材
の全部または一部として, 特定の強度, 比重および吸水
率をもつ人工骨材を使用する点である。そこで,まずこ
の人工骨材について説明する。
る骨材と混和剤・混和材に応じて,特性面から,自己湿
潤養生機能をもつコンクリート(セルフキュアリングコ
ンクリート),軽量・高強度コンクリート,軽量・高流
動・高強度コンクリートおよび高耐久性コンクリート等
に分けることができるが,これらに共通するのは,骨材
の全部または一部として, 特定の強度, 比重および吸水
率をもつ人工骨材を使用する点である。そこで,まずこ
の人工骨材について説明する。
【0014】従来の人工軽量骨材は,比重が1.30程度の
ものが主流であり,JIS Z 8841に従う圧壊荷重も 500N
程度のものが多く,このため圧縮強度が36N/mm2
を超えるような軽量コンクリートを得ることは一般に困
難であった。すなわち,骨材自身の強度不足がコンクリ
ートの強度低減を招いていた。他方,強度の高い骨材は
それなりに密実となるから,比重が高くなって軽量には
なり難い。このため軽量化と強度を両立させることは必
ずしも容易ではないが,本発明ではJIS Z 8841に従う圧
壊荷重が1000〜2000Nの範囲にあり,絶乾比重が 1.4〜
1.8 の範囲で且つ吸水率が12〜20%の範囲にある人工骨
材を使用する点に特徴がある。
ものが主流であり,JIS Z 8841に従う圧壊荷重も 500N
程度のものが多く,このため圧縮強度が36N/mm2
を超えるような軽量コンクリートを得ることは一般に困
難であった。すなわち,骨材自身の強度不足がコンクリ
ートの強度低減を招いていた。他方,強度の高い骨材は
それなりに密実となるから,比重が高くなって軽量には
なり難い。このため軽量化と強度を両立させることは必
ずしも容易ではないが,本発明ではJIS Z 8841に従う圧
壊荷重が1000〜2000Nの範囲にあり,絶乾比重が 1.4〜
1.8 の範囲で且つ吸水率が12〜20%の範囲にある人工骨
材を使用する点に特徴がある。
【0015】このような物性をもつ人工骨材は,例えば
石炭灰と頁岩とを原料とし,これらの粉状体を所定の割
合,例えば石炭灰:頁岩=5:5〜7:3の重量比で混
合し,水またはバインダーを加えて造粒し,その造粒品
を高温(1100℃以上)で焼成し,その焼成条件と焼
成温度からの冷却過程を適正に調節することによって得
ることができる。得られた焼成品はこれを粉砕・分級す
ることによって,細骨材分と粗骨材分とに分別すること
ができる。
石炭灰と頁岩とを原料とし,これらの粉状体を所定の割
合,例えば石炭灰:頁岩=5:5〜7:3の重量比で混
合し,水またはバインダーを加えて造粒し,その造粒品
を高温(1100℃以上)で焼成し,その焼成条件と焼
成温度からの冷却過程を適正に調節することによって得
ることができる。得られた焼成品はこれを粉砕・分級す
ることによって,細骨材分と粗骨材分とに分別すること
ができる。
【0016】このような人工骨材の代表的な製造例を挙
げると,下記の化学成分をもつ火力発電所副生の石炭灰
粗粉(a)と下記の化学成分をもつ頁岩の微粉末(b)
とを,(a):(b)の重量比がほぼ6:4の割合で混
合し,バインダーを加えて造粒したあと,これをロータ
リキルンで約1100〜1200℃で焼成し,その冷却
過程においてほぼ100〜200℃から水中に急冷す
る。得られた焼成品は粗砕し分級して5mm以下の細骨
材分と5〜15mmの粗骨材分とに分別することができ
る。
げると,下記の化学成分をもつ火力発電所副生の石炭灰
粗粉(a)と下記の化学成分をもつ頁岩の微粉末(b)
とを,(a):(b)の重量比がほぼ6:4の割合で混
合し,バインダーを加えて造粒したあと,これをロータ
リキルンで約1100〜1200℃で焼成し,その冷却
過程においてほぼ100〜200℃から水中に急冷す
る。得られた焼成品は粗砕し分級して5mm以下の細骨
材分と5〜15mmの粗骨材分とに分別することができ
る。
【0017】(a)石炭灰の化学成分(質量%) SiO2:約54%, Al2O3 :約29%, Fe2O3 +FeO:約4.5%, CaO:約3.5% MgO:約1.0% 強熱減量:約4.7%
【0018】(b)頁岩の化学成分(質量%) SiO2:約70%, Al2O3 :約13%, Fe2O3 +FeO:約4.2%, CaO:約1.6% MgO:約1.6% 強熱減量:約5.6%
【0019】このようにして得られた5〜15mmの粗
骨材分は,絶乾比重=1.52,熱間吸水率=15%,
JIS Z 8841に従う圧壊荷重=1130Nを示す。ここ
で,熱間吸水率とは,この人工骨材の焼成過程において
100〜200℃から水冷した後,常温状態にて,これ
を表乾状態で吸水率を測定した値を言う。5mm以下の
細骨材分では,絶乾比重=1.61,熱間吸水率=15
%を示す。細骨材分の圧壊荷重は実際の測定が困難であ
るが,粗骨材分と同等であると見てよい。また,10〜
15mmの粗粒分について水銀圧入法によって細孔系分
布を調べたところ,図1の結果が得られた。図1の結果
に見られるように,細孔半径50〜6000nmにおい
て細孔量がほぼ均等に分布しており,累積細孔量(総細
孔量)は約110m3/gに達している。このことが,
低比重でありながら高強度化に寄与し且つ保水性能を高
めるのに作用していると見ることができる。
骨材分は,絶乾比重=1.52,熱間吸水率=15%,
JIS Z 8841に従う圧壊荷重=1130Nを示す。ここ
で,熱間吸水率とは,この人工骨材の焼成過程において
100〜200℃から水冷した後,常温状態にて,これ
を表乾状態で吸水率を測定した値を言う。5mm以下の
細骨材分では,絶乾比重=1.61,熱間吸水率=15
%を示す。細骨材分の圧壊荷重は実際の測定が困難であ
るが,粗骨材分と同等であると見てよい。また,10〜
15mmの粗粒分について水銀圧入法によって細孔系分
布を調べたところ,図1の結果が得られた。図1の結果
に見られるように,細孔半径50〜6000nmにおい
て細孔量がほぼ均等に分布しており,累積細孔量(総細
孔量)は約110m3/gに達している。このことが,
低比重でありながら高強度化に寄与し且つ保水性能を高
めるのに作用していると見ることができる。
【0020】この代表例に限らず,同様の原理に従い,
原材料の選定と焼成条件の適正な制御を行うことによっ
て,JIS Z 8841に従う圧壊荷重が1000〜2000Nの範囲,
絶乾比重が 1.4〜1.8 の範囲,吸水率が12〜20%の範囲
にある人工骨材を製造することができ,この人工骨材を
用いることによって,セルフキュアリングコンクリー
ト),軽量・高強度コンクリート,軽量・高流動・高強
度コンクリートおよび高耐久性コンクリート等を製造す
ることができる。
原材料の選定と焼成条件の適正な制御を行うことによっ
て,JIS Z 8841に従う圧壊荷重が1000〜2000Nの範囲,
絶乾比重が 1.4〜1.8 の範囲,吸水率が12〜20%の範囲
にある人工骨材を製造することができ,この人工骨材を
用いることによって,セルフキュアリングコンクリー
ト),軽量・高強度コンクリート,軽量・高流動・高強
度コンクリートおよび高耐久性コンクリート等を製造す
ることができる。
【0021】本発明で使用する人工骨材の圧壊荷重が10
00N未満では36N/mm2を超える十分なコンクリー
ト強度が得られず,逆に2000Nを超えるものでは十分な
細孔量を確保できなくなり,このために比重が大きく且
つ吸水率が低下するので好ましくない。したがって,本
発明で用いる人工骨材の圧壊荷重は1000〜2000N,好ま
しくは1000〜1500N,さらに好ましくは1100〜1300Nで
ある。また,該人工骨材の絶乾比重が1.40未満では圧壊
荷重1000N以上を確保するのが困難となり,該比重が1.
80を超えると軽量化が達成できなくなると共に吸水率1
2%以上を確保するのが困難となるので,本発明で用い
る人工骨材の絶乾比重は1.40〜1.80,好ましくは1.50〜
1.70であるのがよい。吸水率については12%未満では
セルフキュアリング機能,コンクリートの中性化や乾燥
収縮に対する改善効果が十分に現れず,20%を超える
と比重1.80以下で圧壊強度1000N以上を確保するのが困
難となるので,本発明で用いる人工骨材の吸水率は12
〜20%であるのが好ましい。なお,この吸水率は,実
際にはその製造履歴により前記のように100〜200
℃から水冷したものでは,このようにして製造されたも
のが表乾状態で含有する保有水量の百分比率(熱間吸水
率と呼ぶ)で表現することもできる。細孔径分布につい
ては前記の代表例に見られように,細孔半径50〜60
00nmにおいて総細孔量)が約110m3/g,好ま
しくは90〜130m3/gの範囲であるのよい。
00N未満では36N/mm2を超える十分なコンクリー
ト強度が得られず,逆に2000Nを超えるものでは十分な
細孔量を確保できなくなり,このために比重が大きく且
つ吸水率が低下するので好ましくない。したがって,本
発明で用いる人工骨材の圧壊荷重は1000〜2000N,好ま
しくは1000〜1500N,さらに好ましくは1100〜1300Nで
ある。また,該人工骨材の絶乾比重が1.40未満では圧壊
荷重1000N以上を確保するのが困難となり,該比重が1.
80を超えると軽量化が達成できなくなると共に吸水率1
2%以上を確保するのが困難となるので,本発明で用い
る人工骨材の絶乾比重は1.40〜1.80,好ましくは1.50〜
1.70であるのがよい。吸水率については12%未満では
セルフキュアリング機能,コンクリートの中性化や乾燥
収縮に対する改善効果が十分に現れず,20%を超える
と比重1.80以下で圧壊強度1000N以上を確保するのが困
難となるので,本発明で用いる人工骨材の吸水率は12
〜20%であるのが好ましい。なお,この吸水率は,実
際にはその製造履歴により前記のように100〜200
℃から水冷したものでは,このようにして製造されたも
のが表乾状態で含有する保有水量の百分比率(熱間吸水
率と呼ぶ)で表現することもできる。細孔径分布につい
ては前記の代表例に見られように,細孔半径50〜60
00nmにおいて総細孔量)が約110m3/g,好ま
しくは90〜130m3/gの範囲であるのよい。
【0022】このような人工骨材を,コンクリート用骨
材の全部または一部として,水セメント比が25〜55%,
生コンクリートの単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3と
なるように配合すると共に混和剤としてJIS A 6204に従
うAE減水剤または高性能AE減水剤を使用してコンク
リートを練り混ぜることにより,軽量で且つ自己湿潤養
生機能を有するコンクリートが得られる。このコンクリ
ートは打設後において材齢1日でせき板を脱型しても普
通骨材使用のコンクリートを標準水中養生したものと同
等の圧縮強度を発現することができる。すなわち,軽量
コンクリートでありながら,普通コンクリートと同等の
圧縮強度を標準養生しなくても発現できる。そして,本
発明に従うコンクリートは中性化が抑制され,低収縮性
を示すことから耐久性にも優れた構造体を得ることがで
きる。
材の全部または一部として,水セメント比が25〜55%,
生コンクリートの単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3と
なるように配合すると共に混和剤としてJIS A 6204に従
うAE減水剤または高性能AE減水剤を使用してコンク
リートを練り混ぜることにより,軽量で且つ自己湿潤養
生機能を有するコンクリートが得られる。このコンクリ
ートは打設後において材齢1日でせき板を脱型しても普
通骨材使用のコンクリートを標準水中養生したものと同
等の圧縮強度を発現することができる。すなわち,軽量
コンクリートでありながら,普通コンクリートと同等の
圧縮強度を標準養生しなくても発現できる。そして,本
発明に従うコンクリートは中性化が抑制され,低収縮性
を示すことから耐久性にも優れた構造体を得ることがで
きる。
【0023】また,当該人工骨材を使用して単位容積質
量が 1.8〜2.1 t/m3の軽量骨材コンクリートを練り
混ぜるさいに,水セメント比の調整と高性能AE減水材
の使用してスランプフローが45cm以上の高流動コン
クリートとした場合には,軽量・高流動でありながら,
従来の軽量コンクリートでは困難であった36N/mm
2を超える圧縮強度を有する高強度コンクリートを得る
ことができ,普通骨材を使用し場合には達成できないよ
うな軽量化・高流動化・高強度化を同時に達成できる。
量が 1.8〜2.1 t/m3の軽量骨材コンクリートを練り
混ぜるさいに,水セメント比の調整と高性能AE減水材
の使用してスランプフローが45cm以上の高流動コン
クリートとした場合には,軽量・高流動でありながら,
従来の軽量コンクリートでは困難であった36N/mm
2を超える圧縮強度を有する高強度コンクリートを得る
ことができ,普通骨材を使用し場合には達成できないよ
うな軽量化・高流動化・高強度化を同時に達成できる。
【0024】さらに,本発明のコンクリートに混和材と
してフライアッシュやシリカフュームを配合すると,自
己湿潤養生作用にコンクリートの緻密化作用が加わり,
高い強度と温度ひび割れ抵抗をもつ高強度コンクリート
が得られる。
してフライアッシュやシリカフュームを配合すると,自
己湿潤養生作用にコンクリートの緻密化作用が加わり,
高い強度と温度ひび割れ抵抗をもつ高強度コンクリート
が得られる。
【0025】さらに,本発明に従うコンクリートは,断
熱養生型枠内で硬化される場合やマスコンクリートとし
て打設する場合には,普通骨材を用いたコンクリートよ
りも高い圧縮強度と高い引張強度を示すようになり,ひ
び割れ抵抗が向上した高品質コンクリートが得られる。
熱養生型枠内で硬化される場合やマスコンクリートとし
て打設する場合には,普通骨材を用いたコンクリートよ
りも高い圧縮強度と高い引張強度を示すようになり,ひ
び割れ抵抗が向上した高品質コンクリートが得られる。
【0026】以下に,このような人工骨材を用いて製造
した自己湿潤養生機能をもつコンクリート,軽量・高強
度コンクリート,軽量・高流動・高強度コンクリートお
よび高耐久性コンクリートの代表的な実施例を挙げ,本
発明の内容あ具体的に説明する。
した自己湿潤養生機能をもつコンクリート,軽量・高強
度コンクリート,軽量・高流動・高強度コンクリートお
よび高耐久性コンクリートの代表的な実施例を挙げ,本
発明の内容あ具体的に説明する。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕:自己湿潤養生機能をもつコン
クリート。 以下に普通コンクリートと対比して本発明コンクリート
の特性を示す。
クリート。 以下に普通コンクリートと対比して本発明コンクリート
の特性を示す。
【0028】.使用材料 1)セメント:普通ポルトランドセメント(比重3.16) 2)細骨材1:陸砂(比重2.60) 3)細骨材2:絶乾比重=1.16,熱間吸水率=15%,粒
径=5mm以下の粉粒物。これは,絶乾比重=1.52,熱
間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=1130Nの
人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と頁岩微
粉末とを前記した条件で焼結し冷却して得た焼成品)を
解砕し分級して得た5mm以下の粉粒物である。 4)粗骨材: 4−1)普通コンクリートの場合・・・砕石(比重2.6
5) 4−2)本発明コンクリートの場合・・絶乾比重=1.5
2,熱間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=113
0Nの人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と
頁岩微粉末とを前記条件で焼結し冷却して得た焼成品)
を解砕し分級して得た15〜5mmの粗粒物。 5)混和剤:JIS A 6204のコンクリート用化学混和剤の
うちのAE減水剤(商品名:ポゾリスNo.70)
径=5mm以下の粉粒物。これは,絶乾比重=1.52,熱
間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=1130Nの
人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と頁岩微
粉末とを前記した条件で焼結し冷却して得た焼成品)を
解砕し分級して得た5mm以下の粉粒物である。 4)粗骨材: 4−1)普通コンクリートの場合・・・砕石(比重2.6
5) 4−2)本発明コンクリートの場合・・絶乾比重=1.5
2,熱間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=113
0Nの人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と
頁岩微粉末とを前記条件で焼結し冷却して得た焼成品)
を解砕し分級して得た15〜5mmの粗粒物。 5)混和剤:JIS A 6204のコンクリート用化学混和剤の
うちのAE減水剤(商品名:ポゾリスNo.70)
【0029】.試験項目と試験方法 前記の材料を使用し,水セメント比=50%で表1に
示す配合の普通コンクリートと本発明コンクリートを練
り混ぜ,スランプ試験,空気量試験,圧縮強度試験,乾
燥収縮試験,中性化試験,コンクリート含水率試験を実
施した。試験方法は次のとおりである。
示す配合の普通コンクリートと本発明コンクリートを練
り混ぜ,スランプ試験,空気量試験,圧縮強度試験,乾
燥収縮試験,中性化試験,コンクリート含水率試験を実
施した。試験方法は次のとおりである。
【0030】1)スランプ試験:JIS A 1101に準じた。 2)空気量試験:JIS A 1101に準じた。 3)圧縮強度試験:JIS A 1108に準じたが,供試体の養
生条件を(a)〜(c)の3種類に変えて実施した。 養生条件(a):標準水中養生 養生条件(b):型枠1日存置養生後,型枠を外して温
度が20℃で湿度が60%の室内で気中養生 養生条件(c):型枠7日存置養生後,型枠を外して温
度が20℃で湿度が60%の室内で気中養生 4)コンクリート含水率試験:両コンクリートとも,前
記の(a)〜(c)の前養生を行い,所定の材齢時に,
水分を含んだ状態の供試体の質量(W1)を測定後,供
試体を105℃の乾燥炉で10日間乾燥させてその乾燥
後の質量(W2)を測定し,100×(W1−W2)/
W1の式に従って含水率を算定した。 5)乾燥収縮試験:JIS A 1129に準じた。 6)中性化試験:日本建築学会編「高耐久性鉄筋コンク
リート造設計施工・指針・同解説」日本建築学会199
1年版,179〜184頁,コンクリートの促進中性化
試験方法(案)に準じた。
生条件を(a)〜(c)の3種類に変えて実施した。 養生条件(a):標準水中養生 養生条件(b):型枠1日存置養生後,型枠を外して温
度が20℃で湿度が60%の室内で気中養生 養生条件(c):型枠7日存置養生後,型枠を外して温
度が20℃で湿度が60%の室内で気中養生 4)コンクリート含水率試験:両コンクリートとも,前
記の(a)〜(c)の前養生を行い,所定の材齢時に,
水分を含んだ状態の供試体の質量(W1)を測定後,供
試体を105℃の乾燥炉で10日間乾燥させてその乾燥
後の質量(W2)を測定し,100×(W1−W2)/
W1の式に従って含水率を算定した。 5)乾燥収縮試験:JIS A 1129に準じた。 6)中性化試験:日本建築学会編「高耐久性鉄筋コンク
リート造設計施工・指針・同解説」日本建築学会199
1年版,179〜184頁,コンクリートの促進中性化
試験方法(案)に準じた。
【0031】表2にフレッシュ性状の試験結果(スラン
プ,空気量,温度,単位容積質量)を示した。また,図
2に圧縮強度試験結果(養生条件と圧縮強度の関係)
を,図3にコンクリートの含水率の試験結果(材齢とコ
ンクリート含水率の関係)を,図4に乾燥収縮試験の結
果(材料と乾燥収縮の関係)を,そして図5に中性化試
験の結果(材料と中性化深さの関係)を示した。
プ,空気量,温度,単位容積質量)を示した。また,図
2に圧縮強度試験結果(養生条件と圧縮強度の関係)
を,図3にコンクリートの含水率の試験結果(材齢とコ
ンクリート含水率の関係)を,図4に乾燥収縮試験の結
果(材料と乾燥収縮の関係)を,そして図5に中性化試
験の結果(材料と中性化深さの関係)を示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表1の配合において,A1の本発明コンク
リートとB1の普通コンクリートは細骨材+粗骨材の合
計骨材容積を等しくしたものであり,セメント,水,A
E減水剤の配合も等しい。そのフレッシュ性状は表2に
見られるように,本発明コンクリートA1の方がスラン
プ値および空気量が高くなり,単位容積質量は普通コン
クリートB1では2.3t/m3であるのに対し,本発明
のコンクリートA1では1.9t/m3と軽量である。
リートとB1の普通コンクリートは細骨材+粗骨材の合
計骨材容積を等しくしたものであり,セメント,水,A
E減水剤の配合も等しい。そのフレッシュ性状は表2に
見られるように,本発明コンクリートA1の方がスラン
プ値および空気量が高くなり,単位容積質量は普通コン
クリートB1では2.3t/m3であるのに対し,本発明
のコンクリートA1では1.9t/m3と軽量である。
【0035】図2の結果から,材齢28日のもので対比
すると,型枠1日存置した本発明コンクリートA1の圧
縮強度は45N/mm2程度を示しており,これは普通
コンクリートB1を標準水中養生したものとほぼ同等の
値である。また,材齢91日のもので対比すると,型枠
1日存置したA1の圧縮強度は約48N/mm2を示し,
これは型枠1日存置したB1のものが38N/mm2程度
であるものと比べると約1.3倍高く,型枠7日存置し
たB1のものとほぼ同等である。
すると,型枠1日存置した本発明コンクリートA1の圧
縮強度は45N/mm2程度を示しており,これは普通
コンクリートB1を標準水中養生したものとほぼ同等の
値である。また,材齢91日のもので対比すると,型枠
1日存置したA1の圧縮強度は約48N/mm2を示し,
これは型枠1日存置したB1のものが38N/mm2程度
であるものと比べると約1.3倍高く,型枠7日存置し
たB1のものとほぼ同等である。
【0036】このことから,本発明コンクリートA
1は,型枠を1日で脱型し,その後は外部から水を補給
しなくても強度発現が良好に行われること,すなわち,
自己湿潤養生機能(セルフキュアリング作用)を有する
ことが明らかであり,現場において型枠1日存置し且つ
養生水の供給を特に行わなくても,普通コンクリートを
十分に養生する場合と同等の品質が確保できるから,現
場作業が合理化でき施工が容易化することがわかる。
1は,型枠を1日で脱型し,その後は外部から水を補給
しなくても強度発現が良好に行われること,すなわち,
自己湿潤養生機能(セルフキュアリング作用)を有する
ことが明らかであり,現場において型枠1日存置し且つ
養生水の供給を特に行わなくても,普通コンクリートを
十分に養生する場合と同等の品質が確保できるから,現
場作業が合理化でき施工が容易化することがわかる。
【0037】図3の結果から,本発明コンクリートA1
のセルフキュアリング作用が一層明らかである。例え
ば,型枠1日存置養生の本発明コンクリートA1(■
印)の材齢7日における含水率は8%であり,これは標
準水中養生した普通コンクリートB1の(○印)のもの
の約6.5%よりも高い。すなわち,本発明コンクリー
トA 1では,外部からの補給水がなくても,セメントの
水和増進が特に著しい初期材齢時に十分な水が内部に確
保されており,この保有水が養生水として作用した結果
(すなわちセルフキュアリング作用により),図2のよ
うな圧縮強度の増加に寄与したものと考えてよい。
のセルフキュアリング作用が一層明らかである。例え
ば,型枠1日存置養生の本発明コンクリートA1(■
印)の材齢7日における含水率は8%であり,これは標
準水中養生した普通コンクリートB1の(○印)のもの
の約6.5%よりも高い。すなわち,本発明コンクリー
トA 1では,外部からの補給水がなくても,セメントの
水和増進が特に著しい初期材齢時に十分な水が内部に確
保されており,この保有水が養生水として作用した結果
(すなわちセルフキュアリング作用により),図2のよ
うな圧縮強度の増加に寄与したものと考えてよい。
【0038】また,このような自己湿潤養生作用によ
り,本発明コンクリートA1は普通コンクリートB1より
も,同じ養生条件であれば,長期にわたってセメントの
水和が増進するから(図2において黒塗り印のものは白
抜き印のものより全ての材齢において含水率が高い),
水和生成物が緻密化するものと考えてよい。図4および
図5の結果はこのことを実証している。すなわち,本発
明コンクリートA1は普通コンクリートB1に比べて,図
4に見られるように乾燥収縮率が半減しており,また図
5に見られるように中性深さも半減していることから,
その自己湿潤養生作用によって,乾燥収縮が少なく且つ
中性化し難い耐久性の優れたコンクリートとなることが
わかる。
り,本発明コンクリートA1は普通コンクリートB1より
も,同じ養生条件であれば,長期にわたってセメントの
水和が増進するから(図2において黒塗り印のものは白
抜き印のものより全ての材齢において含水率が高い),
水和生成物が緻密化するものと考えてよい。図4および
図5の結果はこのことを実証している。すなわち,本発
明コンクリートA1は普通コンクリートB1に比べて,図
4に見られるように乾燥収縮率が半減しており,また図
5に見られるように中性深さも半減していることから,
その自己湿潤養生作用によって,乾燥収縮が少なく且つ
中性化し難い耐久性の優れたコンクリートとなることが
わかる。
【0039】〔実施例2〕:軽量・高強度・高流動コン
クリート 以下に普通コンクリートと対比して本発明コンクリート
の特性を示す。
クリート 以下に普通コンクリートと対比して本発明コンクリート
の特性を示す。
【0040】.使用材料 1)セメント:普通ポルトランドセメント(比重3.16) 2)細骨材:陸砂(比重2.60) 3)粗骨材: 3−1)普通コンクリートの場合・・・砕石(比重2.6
5) 3−2)本発明コンクリートの場合・・絶乾比重=1.5
2,熱間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=113
0Nの人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と
頁岩微粉末とを前記条件で焼結し冷却して得た焼成品)
を解砕し分級して得た15〜5mmの粗粒物。 4)混和剤:JIS A 6204のコンクリート用化学混和剤の
うちの高性能AE減水剤(商品名:ポゾリスSP−8
N) 5)混和材:石炭灰(フライアッシュ)またはシリカフ
ューム
5) 3−2)本発明コンクリートの場合・・絶乾比重=1.5
2,熱間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=113
0Nの人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と
頁岩微粉末とを前記条件で焼結し冷却して得た焼成品)
を解砕し分級して得た15〜5mmの粗粒物。 4)混和剤:JIS A 6204のコンクリート用化学混和剤の
うちの高性能AE減水剤(商品名:ポゾリスSP−8
N) 5)混和材:石炭灰(フライアッシュ)またはシリカフ
ューム
【0041】.試験項目と試験方法 前記の材料を使用し,水セメント比(水結合材比)=
35%で表3に示す配合の普通コンクリートB2と,本
発明コンクリートA2,A3およびA4を練り混ぜ,スラ
ンプ試験,スランプフロー試験,空気量試験,圧縮強度
試験を実施した。試験方法は次のとおりである。
35%で表3に示す配合の普通コンクリートB2と,本
発明コンクリートA2,A3およびA4を練り混ぜ,スラ
ンプ試験,スランプフロー試験,空気量試験,圧縮強度
試験を実施した。試験方法は次のとおりである。
【0042】1)スランプ試験:JIS A 1101に準じた。 2)スランプフロー試験:JASS 5T-303 に準じた。 3)空気量試験:JIS A 1101に準じた。 4)圧縮強度試験:JIS A 1108に準じた。
【0043】表4に各コンクリートのフレッシュ性状の
試験結果(スランプ,スランプフロー,空気量,温度,
単位容積質量)を示した。また,図6に各コンクリート
の圧縮強度試験結果を示した。
試験結果(スランプ,スランプフロー,空気量,温度,
単位容積質量)を示した。また,図6に各コンクリート
の圧縮強度試験結果を示した。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表3の配合において,本発明コンクリート
A2〜A4と普通コンクリートB2は細骨材+粗骨材+
(混和材)の合計骨材容積を等しくしたものであり,セ
メント(結合材),水,高性能AE減水剤(対結合材
比)の配合も等しい。そのフレッシュ性状は表4に見ら
れるように,本発明コンクリートA2〜A4は普通コンク
リートB2に比べて,スランプはほぼ同等でありなが
ら,スランプフロー値がいずれも高くなっており高流動
性を示す。特に,フライアッシュやシリカフューム等の
粉体を追添しない本発明コンクリートA2が高い流動性
を示すことは注目に値する。また本発明コンクリートは
空気量が高く,単位容積質量が低く軽量である。
A2〜A4と普通コンクリートB2は細骨材+粗骨材+
(混和材)の合計骨材容積を等しくしたものであり,セ
メント(結合材),水,高性能AE減水剤(対結合材
比)の配合も等しい。そのフレッシュ性状は表4に見ら
れるように,本発明コンクリートA2〜A4は普通コンク
リートB2に比べて,スランプはほぼ同等でありなが
ら,スランプフロー値がいずれも高くなっており高流動
性を示す。特に,フライアッシュやシリカフューム等の
粉体を追添しない本発明コンクリートA2が高い流動性
を示すことは注目に値する。また本発明コンクリートは
空気量が高く,単位容積質量が低く軽量である。
【0047】図6の結果から,本発明の高流動コンクリ
ートA2の圧縮強度は普通コンクリートB2のそれと同等
の65N/mm2(材齢28日),80N/mm2(材齢
90日)を示しており,通常の人工軽量骨材を用いたも
のでは難しい設計基準強度36N/mm2を遙かに超え
る高強度を有することがわかる。
ートA2の圧縮強度は普通コンクリートB2のそれと同等
の65N/mm2(材齢28日),80N/mm2(材齢
90日)を示しており,通常の人工軽量骨材を用いたも
のでは難しい設計基準強度36N/mm2を遙かに超え
る高強度を有することがわかる。
【0048】特にフライアッシュを添加した本発明コン
クリートA3およびシリカフュームを添加した本発明コ
ンクリートA4では,普通コンクリートB2よりも高い圧
縮強度を示しており,軽量化と高強度化が同時に達成さ
れ且つ流動性に優れるという特異な性質を有することが
わかる。コンクリートA3およびA4がB2およびA2より
高強度を示したのは,微粉体が骨材間空隙部に充填され
るという充填効果とポゾラン反応効果が寄与していると
見てよい。すなわち,セメント硬化体と骨材界面の空隙
部が緻密化し,高い強度が発現したものである。なお,
これら圧縮強度の測定に供した供試体はいずれも標準水
中養生したものであるが,先の実施例1で見たように,
本発明コンクリートA2〜A4は自己湿潤養生機能を有す
る。したがって,緻密化が達成されたA3およびA4のも
のは,B1〜B2さらにはA1〜A2に比べて,一層乾燥収
縮が低減し且つ中性化深さの進行が抑制され,高強度で
且つ高耐久性能のコンクリートであることは明らかであ
る。
クリートA3およびシリカフュームを添加した本発明コ
ンクリートA4では,普通コンクリートB2よりも高い圧
縮強度を示しており,軽量化と高強度化が同時に達成さ
れ且つ流動性に優れるという特異な性質を有することが
わかる。コンクリートA3およびA4がB2およびA2より
高強度を示したのは,微粉体が骨材間空隙部に充填され
るという充填効果とポゾラン反応効果が寄与していると
見てよい。すなわち,セメント硬化体と骨材界面の空隙
部が緻密化し,高い強度が発現したものである。なお,
これら圧縮強度の測定に供した供試体はいずれも標準水
中養生したものであるが,先の実施例1で見たように,
本発明コンクリートA2〜A4は自己湿潤養生機能を有す
る。したがって,緻密化が達成されたA3およびA4のも
のは,B1〜B2さらにはA1〜A2に比べて,一層乾燥収
縮が低減し且つ中性化深さの進行が抑制され,高強度で
且つ高耐久性能のコンクリートであることは明らかであ
る。
【0049】〔実施例3〕・高引張強度・軽量・コンク
リート 以下に普通コンクリートと対比して本発明コンクリート
の特性を示す。
リート 以下に普通コンクリートと対比して本発明コンクリート
の特性を示す。
【0050】.使用材料 1)セメント:普通ポルトランドセメント(比重3.16) 2)細骨材1:陸砂(比重2.60) 3)細骨材2:絶乾比重=1.16,熱間吸水率=15%,粒
径=5mm以下の粉粒物。これは,絶乾比重=1.52,熱
間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=1130Nの
人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と頁岩微
粉末とを本文に記載した条件で焼結し冷却して得た焼成
品)を解砕し分級して得た5mm以下の粉粒物である。 4)粗骨材: 4−1)普通コンクリートの場合・・・砕石(比重2.6
5) 4−2)本発明コンクリートの場合・・絶乾比重=1.5
2,熱間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=113
0Nの人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と
頁岩微粉末とを前記条件で焼結し冷却して得た焼成品)
を解砕し分級して得た15〜5mmの粗粒物。 5)混和剤:JIS A 6204のコンクリート用化学混和剤の
うちの高性能AE減水剤(商品名:ポゾリスSP−8
N) 6)混和材:石炭灰(フライアッシュ)またはシリカフ
ューム
径=5mm以下の粉粒物。これは,絶乾比重=1.52,熱
間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=1130Nの
人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と頁岩微
粉末とを本文に記載した条件で焼結し冷却して得た焼成
品)を解砕し分級して得た5mm以下の粉粒物である。 4)粗骨材: 4−1)普通コンクリートの場合・・・砕石(比重2.6
5) 4−2)本発明コンクリートの場合・・絶乾比重=1.5
2,熱間吸水率=15%,JIS Z 8841に従う圧壊荷重=113
0Nの人工骨材(本文記載の化学成分値をもつ石炭灰と
頁岩微粉末とを前記条件で焼結し冷却して得た焼成品)
を解砕し分級して得た15〜5mmの粗粒物。 5)混和剤:JIS A 6204のコンクリート用化学混和剤の
うちの高性能AE減水剤(商品名:ポゾリスSP−8
N) 6)混和材:石炭灰(フライアッシュ)またはシリカフ
ューム
【0051】.試験項目と試験方法 前記の材料を使用し,水セメント比(水結合材比)=
50%で表5に示す配合の普通コンクリートB3と,本
発明コンクリートA5,A6およびA7を練り混ぜ,その
フレッシュ性状については,スランプ試験,空気量試験
を実施した。また,簡易断熱養生した場合の温度履歴の
測定,圧縮強度試験,引張強度試験を行った。試験方法
は次のとおりである。
50%で表5に示す配合の普通コンクリートB3と,本
発明コンクリートA5,A6およびA7を練り混ぜ,その
フレッシュ性状については,スランプ試験,空気量試験
を実施した。また,簡易断熱養生した場合の温度履歴の
測定,圧縮強度試験,引張強度試験を行った。試験方法
は次のとおりである。
【0052】1)スランプ試験:JIS A 1101に準じた。 2)空気量試験:JIS A 1101に準じた。 3)圧縮強度試験:JIS A 1108に準じた。 4)断熱養生:直径10cm×高さ20cmの円筒型枠
内にコンクリートを打ち込んで得た供試体10本を,図
7に示した発泡スチロール製容器内に図示のようにセッ
トし,各供試体の上面は水分が蒸発しないように封緘養
生した。これらの供試体の1本の中心位置に熱電対を埋
め込み,コンクリートの内部温度の履歴を測定し,コン
クリート温度が室温に戻った時点で該容器から各供試体
を取り出し,所定の材齢まで20℃×60%の室で封緘
養生した。
内にコンクリートを打ち込んで得た供試体10本を,図
7に示した発泡スチロール製容器内に図示のようにセッ
トし,各供試体の上面は水分が蒸発しないように封緘養
生した。これらの供試体の1本の中心位置に熱電対を埋
め込み,コンクリートの内部温度の履歴を測定し,コン
クリート温度が室温に戻った時点で該容器から各供試体
を取り出し,所定の材齢まで20℃×60%の室で封緘
養生した。
【0053】表6に各コンクリートのフレッシュ性状の
試験結果(スランプ,空気量,温度,単位容積質量)を
示した。また,図8に断熱養生した各コンクリートの圧
縮強度試験結果を,そして図9に断熱養生した各コンク
リートの引張強度試験結果を示した。
試験結果(スランプ,空気量,温度,単位容積質量)を
示した。また,図8に断熱養生した各コンクリートの圧
縮強度試験結果を,そして図9に断熱養生した各コンク
リートの引張強度試験結果を示した。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】表5の配合において,本発明コンクリート
A5〜A7と普通コンクリートB3は細骨材+粗骨材+
(混和材)の合計骨材容積を等しくしたものであり,セ
メント(結合材),水,高性能AE減水剤(対結合材
比)の配合も大きな変化はない。そのフレッシュ性状は
表6に見られるように,本発明コンクリートA2〜A4は
普通コンクリートB2に比べて軽量である点を除けば,
スランプや空気量に大きな有意差はない。ところが,本
発明コンクリートは普通コンクリートに比べて軽量であ
りながら,図8および図9に見られるように,圧縮強度
および引張強度が普通コンクリートよりも高くなるとい
う結果が得られた。
A5〜A7と普通コンクリートB3は細骨材+粗骨材+
(混和材)の合計骨材容積を等しくしたものであり,セ
メント(結合材),水,高性能AE減水剤(対結合材
比)の配合も大きな変化はない。そのフレッシュ性状は
表6に見られるように,本発明コンクリートA2〜A4は
普通コンクリートB2に比べて軽量である点を除けば,
スランプや空気量に大きな有意差はない。ところが,本
発明コンクリートは普通コンクリートに比べて軽量であ
りながら,図8および図9に見られるように,圧縮強度
および引張強度が普通コンクリートよりも高くなるとい
う結果が得られた。
【0057】すなわち,図8に見られるように,本発明
のコンクリートA5の圧縮強度は普通コンクリートB3の
それより高く,本発明のコンクリートA6およびA7はさ
らに高い圧縮強度を示している。同様に,図9に見られ
るように,本発明のコンクリートA5〜A7の引張強度は
普通コンクリートB3のそれより1.3〜1.5倍高い。
これは,十分な養生水を内部に保有する本発明コンクリ
ートでは,断熱養生するとその水和熱による高温状態が
良好に維持される結果,セメントの水和やポゾラン反応
が促進され,コンクリートが緻密化することによると考
えられる。したがって,本発明コンクリートは,外部か
らの養生水の補給が断たれるような断熱型枠内で硬化を
進行させると,圧縮強度および引張強度が増強するとい
う特殊な性質を有し,この性質はマスコンクリートでも
発現することになるから,断熱型枠内またはマスコンク
リートの打設に適用した場合に,引張強度が増大した温
度ひび割れを低減したコンクリートが得られることを意
味する。
のコンクリートA5の圧縮強度は普通コンクリートB3の
それより高く,本発明のコンクリートA6およびA7はさ
らに高い圧縮強度を示している。同様に,図9に見られ
るように,本発明のコンクリートA5〜A7の引張強度は
普通コンクリートB3のそれより1.3〜1.5倍高い。
これは,十分な養生水を内部に保有する本発明コンクリ
ートでは,断熱養生するとその水和熱による高温状態が
良好に維持される結果,セメントの水和やポゾラン反応
が促進され,コンクリートが緻密化することによると考
えられる。したがって,本発明コンクリートは,外部か
らの養生水の補給が断たれるような断熱型枠内で硬化を
進行させると,圧縮強度および引張強度が増強するとい
う特殊な性質を有し,この性質はマスコンクリートでも
発現することになるから,断熱型枠内またはマスコンク
リートの打設に適用した場合に,引張強度が増大した温
度ひび割れを低減したコンクリートが得られることを意
味する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると自
己湿潤養生作用のあるコンクリートが提供され,しかも
このコンクリートは軽量である。そして,高流動化や高
強度化が達成され,温度ひび割れも防止できるなど,こ
れまでにない優れた性能をもつ軽量・高流動・高強度コ
ンクリートを製造することができる。
己湿潤養生作用のあるコンクリートが提供され,しかも
このコンクリートは軽量である。そして,高流動化や高
強度化が達成され,温度ひび割れも防止できるなど,こ
れまでにない優れた性能をもつ軽量・高流動・高強度コ
ンクリートを製造することができる。
【図1】本発明で使用する人工骨材の細孔半径の分布例
を示す表とグラフである。
を示す表とグラフである。
【図2】本発明に従うコンクリートAと普通コンクリー
トBの圧縮強度を養生方法の違いで比較した図である。
トBの圧縮強度を養生方法の違いで比較した図である。
【図3】本発明に従うコンクリートAと普通コンクリー
トBの含水率の経時変化を示す図である。
トBの含水率の経時変化を示す図である。
【図4】本発明に従うコンクリートAと普通コンクリー
トBの乾燥収縮率の経時変化を示す図である。
トBの乾燥収縮率の経時変化を示す図である。
【図5】本発明に従うコンクリートAと普通コンクリー
トBの中性化深さの経時変化を示す図である。
トBの中性化深さの経時変化を示す図である。
【図6】本発明に従うコンクリートAと普通コンクリー
トBの圧縮強度を比較した図である。
トBの圧縮強度を比較した図である。
【図7】断熱養生試験の養生方法を説明するための略断
面図である。
面図である。
【図8】断熱養生した本発明に従うコンクリートAと普
通コンクリートBの圧縮強度を比較した図である。
通コンクリートBの圧縮強度を比較した図である。
【図9】断熱養生した本発明に従うコンクリートAと普
通コンクリートBの引張強度を比較した図である。
通コンクリートBの引張強度を比較した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:04 C04B 14:04 A 14:02 14:02 B 20:00) 20:00) B 103:30 103:30 103:32 103:32 111:40 111:40 (72)発明者 笠井 浩 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 稲垣 和彦 東京都新宿区西新宿三丁目7番1号 鹿島 建設株式会社関東支店内 Fターム(参考) 4G012 PA04 PA27 PB04 PC02 PC11 PC12 PC14 4G019 DA04 LA02 LB01 LC13 LD02
Claims (6)
- 【請求項1】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートにおいて,混和剤としてJI
S A 6204に従うAE減水剤または高性能AE減水剤を使
用し, コンクリート用骨材の全部または一部として JIS
Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が
1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水
セメント比が25〜55%で, 未だ固まらないコンクリート
の単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3となるように各材
料を配合したことを特徴とする自己湿潤養生機能を有す
るコンクリート。 - 【請求項2】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートの現場打ち施工において,
混和剤としてJIS A 6204に従うAE減水剤または高性能
AE減水剤を使用し, 骨材の全部または一部として JIS
Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が
1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水
セメント比が25〜55%のもとで単位容積質量が 1.8〜2.
1 t/m 3となるように各材料を配合してコンクリート
を練り混ぜ, 得られた未だ固まらないコンクリートを打
設後,材齢1日でせき板を脱型することを特徴とするコ
ンクリート施工法。 - 【請求項3】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートにおいて,混和剤としてJI
S A 6204に従うAE減水剤または高性能AE減水剤を使
用し, コンクリート用骨材の全部または一部として JIS
Z 8841 に従う圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が
1.4〜1.8, 吸水率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水
セメント比が25〜55%で, 未だ固まらないコンクリート
の単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3となるように各材
料を配合してなり,スランプフロー45cm以上の流動
性と硬化体の圧縮強度が36N/mm2を超える高強度
を発現する軽量コンクリート。 - 【請求項4】 フライアッシュまたはシリカフュームを
さらに配合してなる請求項3に記載の軽量コンクリー
ト。 - 【請求項5】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートにおいて,混和剤としてJI
S A 6204に従うAE減水剤または高性能AE減水剤を使
用し, 骨材の全部または一部として JIS Z 8841 に従う
圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が 1.4〜1.8, 吸水
率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水セメント比が25〜
55%のもとで単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3となる
ように各材料を配合してコンクリートを練り混ぜ, 得ら
れた未だ固まらないコンクリートを断熱型枠を用いて養
生することを特徴とする高強度軽量コンクリートの製造
法。 - 【請求項6】 水, セメントを含む結合材, 骨材および
混和剤からなるコンクリートにおいて,混和剤としてJI
S A 6204に従うAE減水剤または高性能AE減水剤を使
用し, 骨材の全部または一部として JIS Z 8841 に従う
圧壊荷重が1000〜2000N, 絶乾比重が 1.4〜1.8, 吸水
率が12〜20%の人工骨材を使用し, 水セメント比が25〜
55%のもとで単位容積質量が 1.8〜2.1 t/m3となる
ように各材料を配合してコンクリートを練り混ぜ, 得ら
れた未だ固まらないコンクリートでマスコンクリート構
造体を施工することを特徴とするマスコンクリート施工
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000076165A JP2001261414A (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 自己湿潤養生機能を有するコンクリートおよびその施工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000076165A JP2001261414A (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 自己湿潤養生機能を有するコンクリートおよびその施工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001261414A true JP2001261414A (ja) | 2001-09-26 |
Family
ID=18593943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000076165A Pending JP2001261414A (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 自己湿潤養生機能を有するコンクリートおよびその施工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001261414A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005003054A1 (ja) * | 2003-07-04 | 2005-01-13 | Kajima Corporation | 超高強度コンクリートの自己収縮低減法 |
JP2010089982A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Hiroshima Univ | コンクリート、これに用いる人工骨材及びその製造方法 |
JP2010163348A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-29 | Hiroshima Univ | フライアッシュ・コンクリート |
CN103964789A (zh) * | 2014-05-12 | 2014-08-06 | 深圳市国大长兴科技有限公司 | 利用人造石板废弃物生产发泡混凝土的方法 |
JP2014533213A (ja) * | 2011-11-11 | 2014-12-11 | ロメオ, イラリアン チューペルカ, | コンクリート混合組成物、モルタル混合組成物及びコンクリート又はモルタルの養生及び製造方法及びコンクリート又はコンクリート物/コンクリートオブジェクト及び構造物 |
JP2015010918A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 鹿島建設株式会社 | コンクリートの耐久性の推定方法 |
CN104529272A (zh) * | 2014-12-05 | 2015-04-22 | 江苏建华新型墙材有限公司 | 一种轻质多孔陶粒混凝土吸声板的生产方法 |
JP2015134697A (ja) * | 2014-01-17 | 2015-07-27 | 大成建設株式会社 | コンクリート組成物 |
US9421695B2 (en) | 2012-09-25 | 2016-08-23 | Romeo Ilarian Ciuperca | Accelerating curing and improving the physical properties of pozzolanic and cementitious-based material |
JP2016185888A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 三井住友建設株式会社 | セメント組成物 |
-
2000
- 2000-03-17 JP JP2000076165A patent/JP2001261414A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2776374A4 (en) * | 2011-11-11 | 2015-11-04 | Romeo Ilarian Ciuperca | CONCRETE MIXTURE COMPOSITION, MIXTURAL MIXTURE COMPOSITION AND METHOD FOR PRODUCING AND CONNECTING CONCRETE OR MORTAR OBJECTS AND STRUCTURES |
US9505657B2 (en) | 2011-11-11 | 2016-11-29 | Romeo Ilarian Ciuperca | Method of accelerating curing and improving the physical properties of pozzolanic and cementitious-based material |
US9421695B2 (en) | 2012-09-25 | 2016-08-23 | Romeo Ilarian Ciuperca | Accelerating curing and improving the physical properties of pozzolanic and cementitious-based material |
JP2015010918A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 鹿島建設株式会社 | コンクリートの耐久性の推定方法 |
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