JP2001252662A - 造水方法 - Google Patents
造水方法Info
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- JP2001252662A JP2001252662A JP2000067425A JP2000067425A JP2001252662A JP 2001252662 A JP2001252662 A JP 2001252662A JP 2000067425 A JP2000067425 A JP 2000067425A JP 2000067425 A JP2000067425 A JP 2000067425A JP 2001252662 A JP2001252662 A JP 2001252662A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 造水コストを低減し、さらに膜の洗浄作業の
軽減を可能とする逆浸透分離を用いた淡水の製造方法を
提供する。 【解決手段】 複数個の逆浸透膜エレメント2を含む逆
浸透膜モジュールユニットに海水を供給して透過水を得
るにあたり、供給する海水に含まれるカルシウム元素の
濃度を380mg/L以下に制御するとともに、供給する
海水として塩濃度が3.5重量%の海水を用いたときの
透過水の回収率が60%以上である逆浸透膜モジュール
ユニットを用いる造水方法。
軽減を可能とする逆浸透分離を用いた淡水の製造方法を
提供する。 【解決手段】 複数個の逆浸透膜エレメント2を含む逆
浸透膜モジュールユニットに海水を供給して透過水を得
るにあたり、供給する海水に含まれるカルシウム元素の
濃度を380mg/L以下に制御するとともに、供給する
海水として塩濃度が3.5重量%の海水を用いたときの
透過水の回収率が60%以上である逆浸透膜モジュール
ユニットを用いる造水方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は逆浸透分離を適用し
た造水方法に関する。
た造水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、混合物(主に溶液)から特定の物
質を選択的に分離する方法として、膜分離法が広く用い
られている。そして、これらの膜分離法のうち、逆浸透
法は、海水やかん水(低濃度の塩水)を脱塩して工業
用、農業用、あるいは家庭用の淡水を提供する技術とし
て広く利用されている。
質を選択的に分離する方法として、膜分離法が広く用い
られている。そして、これらの膜分離法のうち、逆浸透
法は、海水やかん水(低濃度の塩水)を脱塩して工業
用、農業用、あるいは家庭用の淡水を提供する技術とし
て広く利用されている。
【0003】この逆浸透法は、水分子のみを透過させる
性質を有する逆浸透膜を用い、当該逆浸透膜を隔てて浸
透平衡にある溶液と水に対し、溶液の浸透圧より高い圧
力を溶液側から加えることにより、溶液中の水分子を水
側へ移行させる技術である。つまり、逆浸透法は、従来
の蒸発法のような相変化を起こすことなく溶液中から水
を取り出すことができるので、エネルギ的に有利である
上に運転管理が容易であるという利点がある。
性質を有する逆浸透膜を用い、当該逆浸透膜を隔てて浸
透平衡にある溶液と水に対し、溶液の浸透圧より高い圧
力を溶液側から加えることにより、溶液中の水分子を水
側へ移行させる技術である。つまり、逆浸透法は、従来
の蒸発法のような相変化を起こすことなく溶液中から水
を取り出すことができるので、エネルギ的に有利である
上に運転管理が容易であるという利点がある。
【0004】そして、この逆浸透分離を実用規模で行う
場合、以下のような逆浸透分離装置が通常用いられる。
まず、逆浸透膜がスパイラル状、管状、平膜の積層体、
または中空糸膜状に加工され、適宜流路材を介装した状
態でケースに収容されてエレメントと呼ばれる膜素子を
構成する。このエレメントは適宜直列に接続され、耐圧
容器に収容されてモジュールとなり、さらに、このモジ
ュールが並列に接続されて逆浸透分離モジュールユニッ
トとなる。そして、モジュールユニット全体に所定の圧
力を負荷することにより、逆浸透分離が行われる。
場合、以下のような逆浸透分離装置が通常用いられる。
まず、逆浸透膜がスパイラル状、管状、平膜の積層体、
または中空糸膜状に加工され、適宜流路材を介装した状
態でケースに収容されてエレメントと呼ばれる膜素子を
構成する。このエレメントは適宜直列に接続され、耐圧
容器に収容されてモジュールとなり、さらに、このモジ
ュールが並列に接続されて逆浸透分離モジュールユニッ
トとなる。そして、モジュールユニット全体に所定の圧
力を負荷することにより、逆浸透分離が行われる。
【0005】なお、実際に逆浸透分離を行うと、逆浸透
膜を透過できない塩が膜面近傍の溶液側に滞留して膜面
での塩濃度が上昇し、いわゆる濃度分極現象が生じて膜
面の浸透圧が高くなる。そのため、溶液の浸透圧より高
い圧力(以下、「操作圧力」という)で逆浸透分離を行
うことが実用上必要である。ここで、操作圧力と溶液の
浸透圧との差を「有効圧力」といい、通常はモジュール
ユニットの出口側における有効圧力が2MPa程度になる
よう、操作圧力が決められている。
膜を透過できない塩が膜面近傍の溶液側に滞留して膜面
での塩濃度が上昇し、いわゆる濃度分極現象が生じて膜
面の浸透圧が高くなる。そのため、溶液の浸透圧より高
い圧力(以下、「操作圧力」という)で逆浸透分離を行
うことが実用上必要である。ここで、操作圧力と溶液の
浸透圧との差を「有効圧力」といい、通常はモジュール
ユニットの出口側における有効圧力が2MPa程度になる
よう、操作圧力が決められている。
【0006】ところで、逆浸透分離において、海水から
淡水を回収する割合(回収率)は、逆浸透分離のプロセ
ス全体の設計のみならず、逆浸透分離して得られる淡水
の製造コストを決める上で重要な因子となっている。そ
して、回収率が高い程、上記淡水化のコストが低減する
ので、回収率の向上を図ることが重要な課題となってい
る。例えば、塩濃度3.5%の海水を用いた場合、従来
の技術における回収率は約40%である。この場合、塩
濃度3.5%で供給される海水は、モジュールユニット
内で濃縮され、その出口側から塩濃度6%の濃縮水とな
って取り出され、当該モジュールユニット内の海水の浸
透圧は約2.5〜4.5MPaとなる。従って、この浸透
圧に上記した有効圧力を加えた値(6.5MPa)を、操
作圧力としてモジュールユニット全体に負荷して運転が
行われる。
淡水を回収する割合(回収率)は、逆浸透分離のプロセ
ス全体の設計のみならず、逆浸透分離して得られる淡水
の製造コストを決める上で重要な因子となっている。そ
して、回収率が高い程、上記淡水化のコストが低減する
ので、回収率の向上を図ることが重要な課題となってい
る。例えば、塩濃度3.5%の海水を用いた場合、従来
の技術における回収率は約40%である。この場合、塩
濃度3.5%で供給される海水は、モジュールユニット
内で濃縮され、その出口側から塩濃度6%の濃縮水とな
って取り出され、当該モジュールユニット内の海水の浸
透圧は約2.5〜4.5MPaとなる。従って、この浸透
圧に上記した有効圧力を加えた値(6.5MPa)を、操
作圧力としてモジュールユニット全体に負荷して運転が
行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術の場合、以下の制約要因があるために40%を超え
る回収率を実現することは極めて困難である。まず、第
1の制約要因は、ファウリングの問題である。ファウリ
ングとは、海水に含まれる濁質成分等が逆浸透膜の膜面
に付着して目詰まりを起こす現象であり、膜寿命を低下
させて逆浸透分離時の運転コストを上昇させる原因とな
る。そして、有効圧力が高くなる程、膜面の透過水量は
多くなり、膜面に上記濁質成分が濃縮されるので、ファ
ウリングが生じ易くなる。
技術の場合、以下の制約要因があるために40%を超え
る回収率を実現することは極めて困難である。まず、第
1の制約要因は、ファウリングの問題である。ファウリ
ングとは、海水に含まれる濁質成分等が逆浸透膜の膜面
に付着して目詰まりを起こす現象であり、膜寿命を低下
させて逆浸透分離時の運転コストを上昇させる原因とな
る。そして、有効圧力が高くなる程、膜面の透過水量は
多くなり、膜面に上記濁質成分が濃縮されるので、ファ
ウリングが生じ易くなる。
【0008】そして、モジュールユニットの入口側に導
入された海水は、出口側に向ってその濃度が高くなり、
そのため当該出口側の海水の浸透圧は入口側に比べて高
くなる。一方、操作圧力はモジュールユニットの入口側
と出口側でほぼ同一であることから、操作圧力と浸透圧
の差で表される有効圧力は当該入口側で上昇する。この
ように、モジュールユニットの入口側ではファウリング
が特に生じ易くなっていることから、全体の操作圧力
(=回収率)を制限してファウリングを防止することが
必要である。
入された海水は、出口側に向ってその濃度が高くなり、
そのため当該出口側の海水の浸透圧は入口側に比べて高
くなる。一方、操作圧力はモジュールユニットの入口側
と出口側でほぼ同一であることから、操作圧力と浸透圧
の差で表される有効圧力は当該入口側で上昇する。この
ように、モジュールユニットの入口側ではファウリング
が特に生じ易くなっていることから、全体の操作圧力
(=回収率)を制限してファウリングを防止することが
必要である。
【0009】第2の制約要因は、海水中のスケール成分
(炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、あるいは硫酸スト
ロンチウム等)や、溶質である塩(塩化ナトリウム)が
膜面に析出する問題である。この析出現象は、逆浸透分
離によって海水が濃縮されて、上記スケール成分や塩の
濃度がその溶解度を超えた場合に生じ、これらが膜面に
析出するとファウリングが生じ易くなるという問題があ
る。そして、回収率が高くなる程、濃縮水中の上記スケ
ール成分等の濃度も高くなることから、上記スケール成
分や塩が析出しない範囲に回収率を規制することが必要
となる。例えば、前記スケール成分の溶解度から規定さ
れる回収率の上限は約70%である。また、適当なスケ
ール防止剤を用いて前記スケール成分の析出を防止した
場合でも、前記した塩の溶解度が制限となるので、回収
率の上限は約85%に規制される。
(炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、あるいは硫酸スト
ロンチウム等)や、溶質である塩(塩化ナトリウム)が
膜面に析出する問題である。この析出現象は、逆浸透分
離によって海水が濃縮されて、上記スケール成分や塩の
濃度がその溶解度を超えた場合に生じ、これらが膜面に
析出するとファウリングが生じ易くなるという問題があ
る。そして、回収率が高くなる程、濃縮水中の上記スケ
ール成分等の濃度も高くなることから、上記スケール成
分や塩が析出しない範囲に回収率を規制することが必要
となる。例えば、前記スケール成分の溶解度から規定さ
れる回収率の上限は約70%である。また、適当なスケ
ール防止剤を用いて前記スケール成分の析出を防止した
場合でも、前記した塩の溶解度が制限となるので、回収
率の上限は約85%に規制される。
【0010】第3の制約要因は、逆浸透膜や逆浸透分離
モジュールユニットの耐圧性である。例えば、回収率4
0%で逆浸透分離を行う場合の操作圧力は、上述の如く
6.5MPaであるが、例えば回収率60%で逆浸透分離
を行う場合、その濃縮水(塩濃度8.8%)の浸透圧は
7MPaになり、そのため操作圧力は9MPaに上昇する。従
って、逆浸透膜やモジュールユニットにはこれ以上の耐
圧性が要求される。
モジュールユニットの耐圧性である。例えば、回収率4
0%で逆浸透分離を行う場合の操作圧力は、上述の如く
6.5MPaであるが、例えば回収率60%で逆浸透分離
を行う場合、その濃縮水(塩濃度8.8%)の浸透圧は
7MPaになり、そのため操作圧力は9MPaに上昇する。従
って、逆浸透膜やモジュールユニットにはこれ以上の耐
圧性が要求される。
【0011】そして、上記した各制約要因のうち、スケ
ール成分の膜面への析出は、約60%以上の高い回収率
で逆浸透分離を行う場合の障害となっている。さらに、
膜面近傍では濃度分極が生じるため、これより低い回収
率で逆浸透分離した場合でも析出が起きる可能性があ
る。また、スケール成分が膜面へ析出した場合、逆浸透
分離の運転を止めて膜を洗浄し、析出物を取り除く必要
があるので、その分運転効率が低下する。特に、一旦析
出した析出物を完全に除去することは難しく、除去され
ずに残った当該析出物が起点となって新たな析出を促進
するため、膜の洗浄作業を頻繁に行う必要が生じてく
る。
ール成分の膜面への析出は、約60%以上の高い回収率
で逆浸透分離を行う場合の障害となっている。さらに、
膜面近傍では濃度分極が生じるため、これより低い回収
率で逆浸透分離した場合でも析出が起きる可能性があ
る。また、スケール成分が膜面へ析出した場合、逆浸透
分離の運転を止めて膜を洗浄し、析出物を取り除く必要
があるので、その分運転効率が低下する。特に、一旦析
出した析出物を完全に除去することは難しく、除去され
ずに残った当該析出物が起点となって新たな析出を促進
するため、膜の洗浄作業を頻繁に行う必要が生じてく
る。
【0012】本発明は、逆浸透分離における上記した問
題を解決し、海水からの淡水の回収率を向上させて淡水
の製造コストを低減せしめ、さらに膜の洗浄作業を軽減
させた、逆浸透分離を用いた造水方法の提供を目的とす
る。
題を解決し、海水からの淡水の回収率を向上させて淡水
の製造コストを低減せしめ、さらに膜の洗浄作業を軽減
させた、逆浸透分離を用いた造水方法の提供を目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1に記載の造水方法は、複数個の逆浸透
膜エレメントを含む逆浸透膜モジュールユニットに海水
を供給して透過水を得るにあたり、供給する海水に含ま
れるカルシウム元素の濃度を380mg/L以下に制御す
るとともに、供給する海水として塩濃度が3.5重量%
の海水を用いたときの透過水の回収率が60%以上であ
る逆浸透膜モジュールユニットを用いることを特徴とす
る。
ために、請求項1に記載の造水方法は、複数個の逆浸透
膜エレメントを含む逆浸透膜モジュールユニットに海水
を供給して透過水を得るにあたり、供給する海水に含ま
れるカルシウム元素の濃度を380mg/L以下に制御す
るとともに、供給する海水として塩濃度が3.5重量%
の海水を用いたときの透過水の回収率が60%以上であ
る逆浸透膜モジュールユニットを用いることを特徴とす
る。
【0014】請求項2に記載の造水方法は、膜処理を行
うことにより、供給する海水のSDI値を1以下に制御
することを特徴とする。請求項3に記載の造水方法は、
直列に接続して設けた、逆浸透膜エレメントを含む少な
くとも2個の逆浸透膜モジュールユニット用い、初段の
逆浸透膜モジュールユニットに海水を供給するととも
に、前段の逆浸透膜モジュールユニットから得られる濃
縮海水を次段の逆浸透膜モジュールユニットに供給し、
各段から透過水を得ることを特徴とする。
うことにより、供給する海水のSDI値を1以下に制御
することを特徴とする。請求項3に記載の造水方法は、
直列に接続して設けた、逆浸透膜エレメントを含む少な
くとも2個の逆浸透膜モジュールユニット用い、初段の
逆浸透膜モジュールユニットに海水を供給するととも
に、前段の逆浸透膜モジュールユニットから得られる濃
縮海水を次段の逆浸透膜モジュールユニットに供給し、
各段から透過水を得ることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の造水方法は、いずれの逆
浸透膜エレメントにおいても、逆浸透膜1m2当たりの
透過水量が0.07〜1.2m3/dの範囲内になるよう
に海水を処理することを特徴とする。請求項5に記載の
造水方法は、いずれの逆浸透膜エレメントにおいても、
供給海水の膜面流速を0.03m/s以上になるように
海水を処理することを特徴とする。
浸透膜エレメントにおいても、逆浸透膜1m2当たりの
透過水量が0.07〜1.2m3/dの範囲内になるよう
に海水を処理することを特徴とする。請求項5に記載の
造水方法は、いずれの逆浸透膜エレメントにおいても、
供給海水の膜面流速を0.03m/s以上になるように
海水を処理することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る逆浸透分離を
用いた淡水の製造方法を図1に基づいて説明する。図1
において、逆浸透分離装置1は、逆浸透膜モジュールユ
ニット2、高圧ポンプ4等を備えている。そして、原海
水10は膜分離装置6で膜処理されて供給海水20とな
り、この供給海水20は、高圧ポンプ4により所定の操
作圧力になるまで昇圧されて逆浸透膜モジュールユニッ
ト2に導入され、ここで逆浸透処理されて塩が除去され
た透過水20aと、塩が濃縮された濃縮水20bとに分
離される。なお、この逆浸透分離装置1の場合、逆浸透
分離は単一の操作圧力で1段で行われるが、例えば特開
平8−108048号公報に記載の技術のように、多段
の逆浸透分離を行ってもよい。
用いた淡水の製造方法を図1に基づいて説明する。図1
において、逆浸透分離装置1は、逆浸透膜モジュールユ
ニット2、高圧ポンプ4等を備えている。そして、原海
水10は膜分離装置6で膜処理されて供給海水20とな
り、この供給海水20は、高圧ポンプ4により所定の操
作圧力になるまで昇圧されて逆浸透膜モジュールユニッ
ト2に導入され、ここで逆浸透処理されて塩が除去され
た透過水20aと、塩が濃縮された濃縮水20bとに分
離される。なお、この逆浸透分離装置1の場合、逆浸透
分離は単一の操作圧力で1段で行われるが、例えば特開
平8−108048号公報に記載の技術のように、多段
の逆浸透分離を行ってもよい。
【0017】このようにして得られた透過水20aは適
宜タンク9に貯留され、淡水50として使用に供され
る。淡水50は、例えば所定の飲料水基準(例えば、蒸
発残留物500mg/L以下、塩素イオン濃度200mg/
L以下)や所定の目的を満たすものであればよい。一
方、濃縮水20bは、逆浸透分離装置1の系外に送液さ
れる。この場合、系外に取り出された濃縮水20bの圧
力エネルギを、例えばターボチャージャやペルトン水車
を用いて回収してもよい。
宜タンク9に貯留され、淡水50として使用に供され
る。淡水50は、例えば所定の飲料水基準(例えば、蒸
発残留物500mg/L以下、塩素イオン濃度200mg/
L以下)や所定の目的を満たすものであればよい。一
方、濃縮水20bは、逆浸透分離装置1の系外に送液さ
れる。この場合、系外に取り出された濃縮水20bの圧
力エネルギを、例えばターボチャージャやペルトン水車
を用いて回収してもよい。
【0018】各逆浸透膜モジュールユニット2、4は、
図2、図3に示すようなエレメントを直列に接続し、図
4に示すように、耐圧容器に収容してモジュールとし、
このモジュールを単独で、または、並列に接続して構成
される。そして、各モジュールユニット2、4の全体に
はそれぞれ所定の操作圧力が負荷されるようになってい
る。
図2、図3に示すようなエレメントを直列に接続し、図
4に示すように、耐圧容器に収容してモジュールとし、
このモジュールを単独で、または、並列に接続して構成
される。そして、各モジュールユニット2、4の全体に
はそれぞれ所定の操作圧力が負荷されるようになってい
る。
【0019】図2において、エレメント61は、供給液
流路材62と逆浸透膜63と透過液流路材64とを含む
膜ユニットが集水管65の周囲に配置され、端部にブラ
インシール66を配した構造になっている。上記膜ユニ
ットの配置は、図3に示すように、前記逆浸透膜の袋状
体を供給液流路材62と透過液流路材64とを介装した
状態で、集水管65の周囲にスパイラル状に巻回し、全
体を円筒状ケースに収容したものである。そして、前記
袋状体の一端は開口して集水管の透孔65aと連通する
ように接着されていて、供給海水10は前記袋状体の外
側を流れ、この袋状体を透過してその内側に透過水が流
入し、前記開口部を通って集水管に集められる。このよ
うな構造を持つエレメントは、図4に示すように、継手
67を介して順に接続され、それぞれブラインシール6
6にて区画されつつ耐圧容器68内に収納されモジュー
ル80を構成している。集水管の一端はプロダクトエン
ドキャップ72により封止されている。
流路材62と逆浸透膜63と透過液流路材64とを含む
膜ユニットが集水管65の周囲に配置され、端部にブラ
インシール66を配した構造になっている。上記膜ユニ
ットの配置は、図3に示すように、前記逆浸透膜の袋状
体を供給液流路材62と透過液流路材64とを介装した
状態で、集水管65の周囲にスパイラル状に巻回し、全
体を円筒状ケースに収容したものである。そして、前記
袋状体の一端は開口して集水管の透孔65aと連通する
ように接着されていて、供給海水10は前記袋状体の外
側を流れ、この袋状体を透過してその内側に透過水が流
入し、前記開口部を通って集水管に集められる。このよ
うな構造を持つエレメントは、図4に示すように、継手
67を介して順に接続され、それぞれブラインシール6
6にて区画されつつ耐圧容器68内に収納されモジュー
ル80を構成している。集水管の一端はプロダクトエン
ドキャップ72により封止されている。
【0020】耐圧容器68の一端側に設けられた供給液
口69から導入される海水は、エレメント61内に導か
れ、供給液流路材62、逆浸透膜63、透過液流路材6
4の順に通過したのち、集水管65に集められ透過液口
70から取り出される。また、逆浸透膜63を透過しな
かった濃縮水は順に下流側のエレメントに導かれて、上
記と同様に透過水と濃縮水とに分離され、最終的に排出
口71から排出される。
口69から導入される海水は、エレメント61内に導か
れ、供給液流路材62、逆浸透膜63、透過液流路材6
4の順に通過したのち、集水管65に集められ透過液口
70から取り出される。また、逆浸透膜63を透過しな
かった濃縮水は順に下流側のエレメントに導かれて、上
記と同様に透過水と濃縮水とに分離され、最終的に排出
口71から排出される。
【0021】なお、上記においては、エレメントとし
て、平膜状の逆浸透膜を用いたスパイラル型エレメント
について説明したが、プレート・アンド・フレーム型エ
レメントや管状膜を用いたチューブラー型エレメント、
また、中空糸膜を束ねてケースに収納した中空糸膜エレ
メントを用いることもできる。逆浸透膜としては、溶液
中の溶媒(水分子)を選択的に透過させ、溶質(塩)の透
過を阻止できるものであればよい。膜構造としては、例
えば膜の少なくとも片面に緻密層を備え、緻密層から反
対面に向ってその径が徐々に大きくなっている微細孔が
形成された非対称膜や、この非対称膜の緻密層の上に他
の材料から成る厚みの薄い活性層を備えた複合膜を用い
ることができる。また、膜の形態としては、平膜や中空
糸膜を用いることができる。そして、膜の材料として
は、酢酸セルロース系ポリマ、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリイミド、およびビニルポリマ等の高分子材料を
用いることができる。代表的な逆浸透膜としては、酢酸
セルロース系またはポリアミド系の非対称膜、および、
ポリアミド系またはポリ尿素系の活性層を有する複合膜
を挙げることができる。特に、酢酸セルロース系非対称
膜、ポリアミド系活性層を有する複合膜、および芳香族
ポリアミド系の活性層を有する複合膜を用いることが好
ましい。
て、平膜状の逆浸透膜を用いたスパイラル型エレメント
について説明したが、プレート・アンド・フレーム型エ
レメントや管状膜を用いたチューブラー型エレメント、
また、中空糸膜を束ねてケースに収納した中空糸膜エレ
メントを用いることもできる。逆浸透膜としては、溶液
中の溶媒(水分子)を選択的に透過させ、溶質(塩)の透
過を阻止できるものであればよい。膜構造としては、例
えば膜の少なくとも片面に緻密層を備え、緻密層から反
対面に向ってその径が徐々に大きくなっている微細孔が
形成された非対称膜や、この非対称膜の緻密層の上に他
の材料から成る厚みの薄い活性層を備えた複合膜を用い
ることができる。また、膜の形態としては、平膜や中空
糸膜を用いることができる。そして、膜の材料として
は、酢酸セルロース系ポリマ、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリイミド、およびビニルポリマ等の高分子材料を
用いることができる。代表的な逆浸透膜としては、酢酸
セルロース系またはポリアミド系の非対称膜、および、
ポリアミド系またはポリ尿素系の活性層を有する複合膜
を挙げることができる。特に、酢酸セルロース系非対称
膜、ポリアミド系活性層を有する複合膜、および芳香族
ポリアミド系の活性層を有する複合膜を用いることが好
ましい。
【0022】ところで、供給海水に含まれている炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、あるいは硫酸ストロンチウ
ム等はスケール成分と呼ばれ、これらは逆浸透分離時に
濃縮されて膜面に析出する。この場合、上記スケール成
分は約60%を超える回収率で逆浸透分離した場合に析
出するが、濃度分極が顕著に生じている場合にはこれよ
り低い回収率でも析出することがある。
ルシウム、硫酸カルシウム、あるいは硫酸ストロンチウ
ム等はスケール成分と呼ばれ、これらは逆浸透分離時に
濃縮されて膜面に析出する。この場合、上記スケール成
分は約60%を超える回収率で逆浸透分離した場合に析
出するが、濃度分極が顕著に生じている場合にはこれよ
り低い回収率でも析出することがある。
【0023】そこで、本発明は、供給海水中のスケール
成分を除去してその濃度を低減させて逆浸透分離を行
い、高回収率で逆浸透分離した場合の上記スケール成分
の析出を抑制する。なお、回収率の値は供給海水の塩濃
度によって変動するので、本発明では、供給海水として
塩濃度が3.5重量%の海水を用いた場合の値で回収率
を規定する。
成分を除去してその濃度を低減させて逆浸透分離を行
い、高回収率で逆浸透分離した場合の上記スケール成分
の析出を抑制する。なお、回収率の値は供給海水の塩濃
度によって変動するので、本発明では、供給海水として
塩濃度が3.5重量%の海水を用いた場合の値で回収率
を規定する。
【0024】上記の、塩濃度が3.5重量%の海水と
は、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムなどの溶解性固
形物質を3.5重量%含む海水のことをいう。実際の海
水の塩濃度は、0.7重量%(バルチック海)から4.5
重量%(ペルシャ湾)に至るまで広範囲であるため、以
下に示す式にて回収率を変換して、X、Yを求める。 塩濃度が3.5重量%の海水を供給した場合の各段の回
収率(%)=(1−(3.5/各段の濃縮水の塩濃
度))×100 例えば、濃縮水の塩濃度が8.8重量%になるまで逆浸
透分離を行う場合は、供給海水の塩濃度に関わらず、そ
の回収率を約60%として用いる。
は、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムなどの溶解性固
形物質を3.5重量%含む海水のことをいう。実際の海
水の塩濃度は、0.7重量%(バルチック海)から4.5
重量%(ペルシャ湾)に至るまで広範囲であるため、以
下に示す式にて回収率を変換して、X、Yを求める。 塩濃度が3.5重量%の海水を供給した場合の各段の回
収率(%)=(1−(3.5/各段の濃縮水の塩濃
度))×100 例えば、濃縮水の塩濃度が8.8重量%になるまで逆浸
透分離を行う場合は、供給海水の塩濃度に関わらず、そ
の回収率を約60%として用いる。
【0025】また、本発明におけるスケール成分として
は、例えば上記した炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
硫酸ストロンチウムの他に、硫酸バリウムや炭酸バリウ
ム等が挙げられるが、スケール成分の大部分はカルシウ
ム化合物から成るため、少なくともカルシウム化合物を
含むことが重量である。次に、供給海水中のスケール成
分の濃度と回収率との関係について説明する。まず、逆
浸透分離前の供給海水中のスケール成分濃度をC0と
し、回収率X(%)で逆浸透分離を行い、スケール成分
の濃度をその溶解度CSまで濃縮した場合を考える。こ
の場合、スケール成分濃度を求める計算によって、 X=100×(1−C0/CS) …(1) の関係が得られる。つまり、図5に示すように、析出成
分濃度C0を低減する程、回収率Xを高くすることがで
きる。
は、例えば上記した炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
硫酸ストロンチウムの他に、硫酸バリウムや炭酸バリウ
ム等が挙げられるが、スケール成分の大部分はカルシウ
ム化合物から成るため、少なくともカルシウム化合物を
含むことが重量である。次に、供給海水中のスケール成
分の濃度と回収率との関係について説明する。まず、逆
浸透分離前の供給海水中のスケール成分濃度をC0と
し、回収率X(%)で逆浸透分離を行い、スケール成分
の濃度をその溶解度CSまで濃縮した場合を考える。こ
の場合、スケール成分濃度を求める計算によって、 X=100×(1−C0/CS) …(1) の関係が得られる。つまり、図5に示すように、析出成
分濃度C0を低減する程、回収率Xを高くすることがで
きる。
【0026】図5において、従来の供給海水のスケール
成分の主体をなす元素の濃度は、通常380mg/L程度
であり、析出を防止するためには回収率を60%以下に
制限する必要がある。これに対し、供給海水中のスケー
ル成分の主体をなす元素の濃度を380mg/L以下とし
た場合、式(1)におけるC0が小さくなるので、スケ
ール成分が析出しない上限となる回収率を向上させる
(60%以上)ことができる。
成分の主体をなす元素の濃度は、通常380mg/L程度
であり、析出を防止するためには回収率を60%以下に
制限する必要がある。これに対し、供給海水中のスケー
ル成分の主体をなす元素の濃度を380mg/L以下とし
た場合、式(1)におけるC0が小さくなるので、スケ
ール成分が析出しない上限となる回収率を向上させる
(60%以上)ことができる。
【0027】さらに、供給海水中のスケール成分の主体
をなす元素の濃度を300mg/Lとすると、回収率をよ
り向上させる(例えば70%以上)ことができる。そし
て、この場合は、溶質である塩(塩化ナトリウム)の溶
解度から規定される上限の回収率(約85%)を得るこ
とも可能となる。ここで、供給海水20中のスケール成
分の主体をなす元素の濃度を380mg/L以下にするた
めには、原海水10を膜分離装置6で膜処理することが
好ましい。膜処理としては、特にNF(ナノ濾過)を適
用することが好ましい。この場合、膜分離装置6の内部
には、スケール成分が濃縮された濃縮液6bが残るの
で、適宜逆洗等を行って濃縮液6bを系外に取り出すと
よい。NF膜としては、例えば東レ(株)製の膜エレメ
ントSU−620(塩阻止率55%)を用いることがで
きる。
をなす元素の濃度を300mg/Lとすると、回収率をよ
り向上させる(例えば70%以上)ことができる。そし
て、この場合は、溶質である塩(塩化ナトリウム)の溶
解度から規定される上限の回収率(約85%)を得るこ
とも可能となる。ここで、供給海水20中のスケール成
分の主体をなす元素の濃度を380mg/L以下にするた
めには、原海水10を膜分離装置6で膜処理することが
好ましい。膜処理としては、特にNF(ナノ濾過)を適
用することが好ましい。この場合、膜分離装置6の内部
には、スケール成分が濃縮された濃縮液6bが残るの
で、適宜逆洗等を行って濃縮液6bを系外に取り出すと
よい。NF膜としては、例えば東レ(株)製の膜エレメ
ントSU−620(塩阻止率55%)を用いることがで
きる。
【0028】そして、ナノ濾過を行うことにより、スケ
ール成分の主体をなす元素の濃度は約3〜150mg/L
に低減される。なお、ここで、スケール成分の主体をな
す元素とは、炭酸カルシウムや硫酸カルシウム、硫酸ス
トロンチウム、硫酸バリウム、炭酸バリウムなどのスケ
ール成分のうち、カルシウムやストロンチウム、バリウ
ムなどの元素のことをいい、その濃度の測定は、原子吸
光法やプラズマ発光分析法などによって測定することが
できる。
ール成分の主体をなす元素の濃度は約3〜150mg/L
に低減される。なお、ここで、スケール成分の主体をな
す元素とは、炭酸カルシウムや硫酸カルシウム、硫酸ス
トロンチウム、硫酸バリウム、炭酸バリウムなどのスケ
ール成分のうち、カルシウムやストロンチウム、バリウ
ムなどの元素のことをいい、その濃度の測定は、原子吸
光法やプラズマ発光分析法などによって測定することが
できる。
【0029】さらに、原海水10に予め前処理を施して
から上記膜処理を施すことが好ましい。前処理として
は、例えば以下の操作を行うことができる。まず、深海
層の海水を汲み出す、いわゆる深層海水や、海底砂層な
どをフィルタとして利用した浸透取水法、単にポンプを
海中に投入して行うオープンインテイク法などにより取
水した原海水を沈殿池に導入して塩素等の殺菌剤を添加
し、海水中の粒子を沈殿除去するとともに微生物を殺菌
する。次にこの海水に塩化鉄等の凝集剤を添加して濁質
成分を凝集させ、これを砂濾過して除去する。そして、
この処理海水に硫酸等のpH調整剤を添加して海水のp
Hを下げ、カルシウム等の析出を防止した後、亜硫酸ナ
トリウム等の還元剤を添加して前記殺菌剤を除去し、さ
らに保安フィルタを通過させる。
から上記膜処理を施すことが好ましい。前処理として
は、例えば以下の操作を行うことができる。まず、深海
層の海水を汲み出す、いわゆる深層海水や、海底砂層な
どをフィルタとして利用した浸透取水法、単にポンプを
海中に投入して行うオープンインテイク法などにより取
水した原海水を沈殿池に導入して塩素等の殺菌剤を添加
し、海水中の粒子を沈殿除去するとともに微生物を殺菌
する。次にこの海水に塩化鉄等の凝集剤を添加して濁質
成分を凝集させ、これを砂濾過して除去する。そして、
この処理海水に硫酸等のpH調整剤を添加して海水のp
Hを下げ、カルシウム等の析出を防止した後、亜硫酸ナ
トリウム等の還元剤を添加して前記殺菌剤を除去し、さ
らに保安フィルタを通過させる。
【0030】そして、スケール成分が除去された供給海
水を用いて逆浸透分離を行う本発明の場合、60%以上
の高い回収率で運転を行ってもスケール成分が析出する
ことはなく、高い回収率を実現して淡水の製造コスト
(造水コスト)の低減を図ることができる。また、本発
明では、スケール成分の析出が確実に抑制されるので、
析出物を取り除くため膜の洗浄作業は軽減され、運転効
率の低下を防止することができる。
水を用いて逆浸透分離を行う本発明の場合、60%以上
の高い回収率で運転を行ってもスケール成分が析出する
ことはなく、高い回収率を実現して淡水の製造コスト
(造水コスト)の低減を図ることができる。また、本発
明では、スケール成分の析出が確実に抑制されるので、
析出物を取り除くため膜の洗浄作業は軽減され、運転効
率の低下を防止することができる。
【0031】なお、実際の逆浸透分離における操作圧力
は、次のようにして求められる。まず、規定された回収
率で逆浸透分離した時の濃縮水の塩濃度を計算し、その
浸透圧を浸透圧式によって求める。そして、この浸透圧
に所定の(最低)有効圧力を加えることにより操作圧力
とする。浸透圧式としては、例えばvan't Hoff式、三宅
式、Stoughton式を挙げることができる。
は、次のようにして求められる。まず、規定された回収
率で逆浸透分離した時の濃縮水の塩濃度を計算し、その
浸透圧を浸透圧式によって求める。そして、この浸透圧
に所定の(最低)有効圧力を加えることにより操作圧力
とする。浸透圧式としては、例えばvan't Hoff式、三宅
式、Stoughton式を挙げることができる。
【0032】また、回収率が所定の値になるよう運転す
る方法としては、例えば得られた濃縮水量と透過水量を
逐次モニタしてその比から回収率を計算し、その値が目
標とする回収率からずれている場合には、操作圧力を変
化させて透過水量を増減させる制御を行うことができ
る。ところで、上記したNF膜による処理を行った場
合、海水中のスケール成分だけでなく、濁質成分も同時
に除去されることが判明している。この場合、海水中の
濁質成分が少なくなる程ファウリングは生じ難くなるの
で、それに伴って回収率を向上させることが可能とな
る。そして、このような濁質成分の濃度を表す指標とし
ては、SDI値を用いることができる。ここで、SDI
値(FI値)は、 SDI値=(1−T0/T15)×100/15 …(2) で表され、対象水中の微細な濁質濃度を示している(但
し、T0:0.45μmの精密濾過膜を用いて試料水を
0.2MPa/cm2で加圧濾過したときに最初の500mlの
試料水の濾過に要した時間、T15:T0の後さらに同じ
条件で15分間濾過した後に500mlの試料水の濾過に
要した時間)。そして、濁質のない場合のSDI値は0
となり、最も汚れた水における最大値は6.67とな
る。
る方法としては、例えば得られた濃縮水量と透過水量を
逐次モニタしてその比から回収率を計算し、その値が目
標とする回収率からずれている場合には、操作圧力を変
化させて透過水量を増減させる制御を行うことができ
る。ところで、上記したNF膜による処理を行った場
合、海水中のスケール成分だけでなく、濁質成分も同時
に除去されることが判明している。この場合、海水中の
濁質成分が少なくなる程ファウリングは生じ難くなるの
で、それに伴って回収率を向上させることが可能とな
る。そして、このような濁質成分の濃度を表す指標とし
ては、SDI値を用いることができる。ここで、SDI
値(FI値)は、 SDI値=(1−T0/T15)×100/15 …(2) で表され、対象水中の微細な濁質濃度を示している(但
し、T0:0.45μmの精密濾過膜を用いて試料水を
0.2MPa/cm2で加圧濾過したときに最初の500mlの
試料水の濾過に要した時間、T15:T0の後さらに同じ
条件で15分間濾過した後に500mlの試料水の濾過に
要した時間)。そして、濁質のない場合のSDI値は0
となり、最も汚れた水における最大値は6.67とな
る。
【0033】以下、上記したSDI値と回収率との関係
について、図6、図7に基づいて説明する。図6におい
て、塩濃度3.5%の供給海水を回収率40%、操作圧
力P1で逆浸透分離した場合、モジュールユニット出口
側の有効圧力U0は、逆浸透分離を行うのに必要な最小
限の値(約2MPa)となる。一方、モジュールユニット
入口側の有効圧力U1は、浸透圧の関係からU0に比べて
高くなる。そして、有効圧力が高くなるほど透過水量は
増えるので、モジュールユニットの入口側では出口側に
比べて透過水量が多くなる。例えば、上記した運転条件
では、U1は3.9MPaとなり、モジュールユニット入口
側の透過水量は、単位膜面積(単位:m2)当り約0.6
m3/dとなる。
について、図6、図7に基づいて説明する。図6におい
て、塩濃度3.5%の供給海水を回収率40%、操作圧
力P1で逆浸透分離した場合、モジュールユニット出口
側の有効圧力U0は、逆浸透分離を行うのに必要な最小
限の値(約2MPa)となる。一方、モジュールユニット
入口側の有効圧力U1は、浸透圧の関係からU0に比べて
高くなる。そして、有効圧力が高くなるほど透過水量は
増えるので、モジュールユニットの入口側では出口側に
比べて透過水量が多くなる。例えば、上記した運転条件
では、U1は3.9MPaとなり、モジュールユニット入口
側の透過水量は、単位膜面積(単位:m2)当り約0.6
m3/dとなる。
【0034】次に、回収率を60%とし、操作圧力P2
(P2>P1)で逆浸透分離を行う場合、モジュールユニ
ット出口側の有効圧力は上記と同様U0となる。これに
対し、操作圧力P2がP1に比べて高いために、モジュー
ルユニット入口側の有効圧力U2はU1に比べて高くな
り、それに伴って透過水量も増大する。例えば、上記し
た運転条件では、U2は6.5MPaになり、モジュールユ
ニット入口側の透過水量は、単位膜面積(単位:m2)
当り約1.2m3/dに増大する。
(P2>P1)で逆浸透分離を行う場合、モジュールユニ
ット出口側の有効圧力は上記と同様U0となる。これに
対し、操作圧力P2がP1に比べて高いために、モジュー
ルユニット入口側の有効圧力U2はU1に比べて高くな
り、それに伴って透過水量も増大する。例えば、上記し
た運転条件では、U2は6.5MPaになり、モジュールユ
ニット入口側の透過水量は、単位膜面積(単位:m2)
当り約1.2m3/dに増大する。
【0035】ここで、逆浸透分離の設備コストや運転コ
ストを低減させるためには、透過水量をなるべく多くし
て膜面積当りの淡水製造量を増大させることが好ましい
が、透過水量が多くなり過ぎるとファウリングが生じ
る。従って、ファウリングが生じない最大の透過水量
(以下、「限界透過水量」という)が規定され、この限
界透過水量を保って逆浸透分離が行われる。
ストを低減させるためには、透過水量をなるべく多くし
て膜面積当りの淡水製造量を増大させることが好ましい
が、透過水量が多くなり過ぎるとファウリングが生じ
る。従って、ファウリングが生じない最大の透過水量
(以下、「限界透過水量」という)が規定され、この限
界透過水量を保って逆浸透分離が行われる。
【0036】そして、図7に示すように、この限界透過
水量と供給海水のSDI値は反比例の関係にある。この
場合、何ら処理を施さない原海水のSDI値は5〜6程
度であり、これに凝集剤の添加や砂濾過等を行って通常
の前処理をした場合、そのSDI値は3〜4となる。つ
まり、従来の供給海水のSDI値は3程度であり、図7
によれば、この供給海水の限界透過水量は、単位膜面積
(単位:m2)当り約0.6m3/dとなる。一方、回収
率40%で逆浸透分離した場合のモジュールユニット入
口側の透過水量は、約0.6m3/dであり、これを超え
る回収率で運転すると上記限界透過水量を超えることに
なる。つまり、従来の逆浸透分離の回収率は約40%に
制限される。
水量と供給海水のSDI値は反比例の関係にある。この
場合、何ら処理を施さない原海水のSDI値は5〜6程
度であり、これに凝集剤の添加や砂濾過等を行って通常
の前処理をした場合、そのSDI値は3〜4となる。つ
まり、従来の供給海水のSDI値は3程度であり、図7
によれば、この供給海水の限界透過水量は、単位膜面積
(単位:m2)当り約0.6m3/dとなる。一方、回収
率40%で逆浸透分離した場合のモジュールユニット入
口側の透過水量は、約0.6m3/dであり、これを超え
る回収率で運転すると上記限界透過水量を超えることに
なる。つまり、従来の逆浸透分離の回収率は約40%に
制限される。
【0037】これに対し、供給海水のSDI値が1以下
である場合、その限界透過水量は約1.2m3/dに増大
する。一方、回収率60%で逆浸透分離すると、モジュ
ールユニット入口側の透過水量は約1.2m3/dとな
り、上記した限界透過水量と同一になる。つまり、供給
海水のSDI値を1以下とした場合、40%を超える
(例えば60%)回収率で逆浸透分離することができ
る。
である場合、その限界透過水量は約1.2m3/dに増大
する。一方、回収率60%で逆浸透分離すると、モジュ
ールユニット入口側の透過水量は約1.2m3/dとな
り、上記した限界透過水量と同一になる。つまり、供給
海水のSDI値を1以下とした場合、40%を超える
(例えば60%)回収率で逆浸透分離することができ
る。
【0038】なお、透過水量が1.2m3/dを超える
と、膜面での濃度分極が顕著になってそこでの浸透圧が
上昇し、それ以上の透過水量が得られなくなる。従っ
て、図7において、SDI値が1以下の領域では、限界
透過水量は一定の値(約1.2m3/d)になる。上記し
たように、海水中のスケール成分と濁質成分とを共に除
去した場合、次のような効果が得られる。まず、スケー
ル成分を除去することにより、上述の如く濃度分極が生
じている部分でのスケール成分の析出が有効に防止され
る。さらに、濁質成分を除去することにより、ファウリ
ングが有効に防止される。そして、これらの制限要因が
取り除かれるので、それに伴って回収率を向上させるこ
とができる。特に、モジュールユニットの入口側ではフ
ァウリングが生じ易く、一方、モジュールユニットの出
口側では濃度分極が生じ易くなっており、これらを同時
に防止するためには、海水中のスケール成分と濁質成分
を共に除去することが効果的である。
と、膜面での濃度分極が顕著になってそこでの浸透圧が
上昇し、それ以上の透過水量が得られなくなる。従っ
て、図7において、SDI値が1以下の領域では、限界
透過水量は一定の値(約1.2m3/d)になる。上記し
たように、海水中のスケール成分と濁質成分とを共に除
去した場合、次のような効果が得られる。まず、スケー
ル成分を除去することにより、上述の如く濃度分極が生
じている部分でのスケール成分の析出が有効に防止され
る。さらに、濁質成分を除去することにより、ファウリ
ングが有効に防止される。そして、これらの制限要因が
取り除かれるので、それに伴って回収率を向上させるこ
とができる。特に、モジュールユニットの入口側ではフ
ァウリングが生じ易く、一方、モジュールユニットの出
口側では濃度分極が生じ易くなっており、これらを同時
に防止するためには、海水中のスケール成分と濁質成分
を共に除去することが効果的である。
【0039】なお、本発明では、回収率を60%以上
(60%〜85%)としているため、操作圧力を7〜2
1MPaに規定するとよい。また、上記した回収率で逆浸
透分離して得られた濃縮水の塩濃度は8〜25重量%と
なる。ところで、逆浸透分離においては、上述のように
ファウリングを防止することが極めて重要である。特
に、以下に述べる項目については、ファウリングに大き
な影響を及ぼすので、次のようにその管理範囲を定める
ことが好ましい。
(60%〜85%)としているため、操作圧力を7〜2
1MPaに規定するとよい。また、上記した回収率で逆浸
透分離して得られた濃縮水の塩濃度は8〜25重量%と
なる。ところで、逆浸透分離においては、上述のように
ファウリングを防止することが極めて重要である。特
に、以下に述べる項目については、ファウリングに大き
な影響を及ぼすので、次のようにその管理範囲を定める
ことが好ましい。
【0040】まず、操作圧力を、濃縮水の浸透圧より
0.5〜5MPa高くすることが好ましい。操作圧力が
0.5MPa未満である場合は、膜の利用効率が悪くなる
虞があり、また、5MPaを超えた場合は、透過水量が増
えてファウリングが生じる虞があるからである。また、
各段の逆浸透分離時における透過水量を、いずれの逆浸
透膜エレメントにおいても、単位膜面積(単位:m2)
当り0.07〜1.2m3/dとすることが好ましい。こ
こで、透過水量が0.07m3/d未満である場合には、
充分な量の淡水を回収することができず、逆浸透分離の
運転コスト、および設備コストが増大する虞がある。ま
た、1.2m3/dを超えた場合には、膜面を透過水が通
過する速度が大きくなるので、上記濁質が供給水側から
膜面に吸い寄せられて膜面に付着し、ファウリングが生
じ易くなる。
0.5〜5MPa高くすることが好ましい。操作圧力が
0.5MPa未満である場合は、膜の利用効率が悪くなる
虞があり、また、5MPaを超えた場合は、透過水量が増
えてファウリングが生じる虞があるからである。また、
各段の逆浸透分離時における透過水量を、いずれの逆浸
透膜エレメントにおいても、単位膜面積(単位:m2)
当り0.07〜1.2m3/dとすることが好ましい。こ
こで、透過水量が0.07m3/d未満である場合には、
充分な量の淡水を回収することができず、逆浸透分離の
運転コスト、および設備コストが増大する虞がある。ま
た、1.2m3/dを超えた場合には、膜面を透過水が通
過する速度が大きくなるので、上記濁質が供給水側から
膜面に吸い寄せられて膜面に付着し、ファウリングが生
じ易くなる。
【0041】さらに、上記に加え、逆浸透膜の透過水側
に背圧をかけてもよい。通常、逆浸透膜モジュールユニ
ットの入口側では有効圧力が高いために透過水量が増
え、そのためファウリングが生じ易くなっている。従っ
て、当該入口側の逆浸透膜の透過水側に背圧をかけるこ
とによって、この部分での有効圧力を減じさせ、ファウ
リングを防止することができる。そして、通常、モジュ
ールユニットはエレメントを直列に接続して成るので、
ファウリングを生じる虞がある上流側のエレメントに選
択的に背圧をかければよい。この背圧の値は、例えば
0.1〜1.5MPaとすればよい。
に背圧をかけてもよい。通常、逆浸透膜モジュールユニ
ットの入口側では有効圧力が高いために透過水量が増
え、そのためファウリングが生じ易くなっている。従っ
て、当該入口側の逆浸透膜の透過水側に背圧をかけるこ
とによって、この部分での有効圧力を減じさせ、ファウ
リングを防止することができる。そして、通常、モジュ
ールユニットはエレメントを直列に接続して成るので、
ファウリングを生じる虞がある上流側のエレメントに選
択的に背圧をかければよい。この背圧の値は、例えば
0.1〜1.5MPaとすればよい。
【0042】また、2段以上の逆浸透分離を行う場合
に、所定の段の透過水側に背圧をかけてもよい。例え
ば、海水温度が上昇していずれかの段の逆浸透膜の塩阻
止能が低下すると、水質が劣化するので、通常は当該段
の有効圧力(操作圧力)を上昇させてこれを防止してい
る。ところが、昇圧ポンプとしてターボチャージャを用
いる場合、前段の濃縮水の圧力に一定の昇圧分を加えた
ものが後段の操作圧力となるので、後段の操作圧力を上
昇させるためには、前段の操作圧力をも高くする必要が
ある。そして、かかる場合には上記と同様にして当該前
段でファウリングが生じ易くなるので、前段、より詳し
くは、膜性能が低下している段の前段に背圧をかけるこ
とが好ましい。
に、所定の段の透過水側に背圧をかけてもよい。例え
ば、海水温度が上昇していずれかの段の逆浸透膜の塩阻
止能が低下すると、水質が劣化するので、通常は当該段
の有効圧力(操作圧力)を上昇させてこれを防止してい
る。ところが、昇圧ポンプとしてターボチャージャを用
いる場合、前段の濃縮水の圧力に一定の昇圧分を加えた
ものが後段の操作圧力となるので、後段の操作圧力を上
昇させるためには、前段の操作圧力をも高くする必要が
ある。そして、かかる場合には上記と同様にして当該前
段でファウリングが生じ易くなるので、前段、より詳し
くは、膜性能が低下している段の前段に背圧をかけるこ
とが好ましい。
【0043】なお、濃度分極が顕著になると、膜の分離
性能が低下し、また、前記スケール成分や塩が膜面へ析
出してファウリングが生じる可能性が高くなる。従っ
て、かかる濃度分極を抑制した運転条件で運転すること
が好ましい。この濃度分極は、逆浸透膜における濃縮水
の膜面流速が小さい程生じ易く、特に、モジュールユニ
ットの入口側に比べて出口側の方が流速が小さくなるた
め、当該出口側で顕著に濃度分極が生じ易い。このよう
なことから、いずれの逆浸透膜エレメントにおける供給
水の膜面流速も、0.03m/s以上とすることが、濃
度分極を抑制する点で好ましい。
性能が低下し、また、前記スケール成分や塩が膜面へ析
出してファウリングが生じる可能性が高くなる。従っ
て、かかる濃度分極を抑制した運転条件で運転すること
が好ましい。この濃度分極は、逆浸透膜における濃縮水
の膜面流速が小さい程生じ易く、特に、モジュールユニ
ットの入口側に比べて出口側の方が流速が小さくなるた
め、当該出口側で顕著に濃度分極が生じ易い。このよう
なことから、いずれの逆浸透膜エレメントにおける供給
水の膜面流速も、0.03m/s以上とすることが、濃
度分極を抑制する点で好ましい。
【0044】この膜面流速が0.03m/s未満である
と、上述したように膜面での濃度分極が顕著に生じ、フ
ァウリングが発生する。ここで、逆浸透膜エレメントに
おける供給水の膜面流速とは、エレメント内部を通過す
る単位時間当たりの平均供給水流量を、エレメントの供
給水通水方向に垂直な断面積のうち、供給水が通過可能
な断面積(以後、供給水流路横断面積という)で除した
値のことをいう。この供給水流路横断面積は、例えば、
中空糸膜や管状膜を用いたエレメントの場合は、各膜の
内径や外径から算出することができるし、スパイラル型
のエレメントの場合は、供給水の流路には、通常、供給
水(原水)流路材を用いるため、この原水流路材の空隙
率をもとに算出すればよい。ここで空隙率とは、原水流
路材が占める全体積から、原水流路材を構成する部材の
体積を除いた、原水の通水可能な範囲の割合をいい、上
述の膜面流速は、エレメントの横断面でみた場合の原水
流路材の長さ、厚み、空隙率および用いた原水流路材の
数を乗算して算出する。なお、本発明において供給水と
は、初段においては処理を行うとする海水のことをい
い、初段以外の各段においては前段から得られる濃縮海
水のことをいう。
と、上述したように膜面での濃度分極が顕著に生じ、フ
ァウリングが発生する。ここで、逆浸透膜エレメントに
おける供給水の膜面流速とは、エレメント内部を通過す
る単位時間当たりの平均供給水流量を、エレメントの供
給水通水方向に垂直な断面積のうち、供給水が通過可能
な断面積(以後、供給水流路横断面積という)で除した
値のことをいう。この供給水流路横断面積は、例えば、
中空糸膜や管状膜を用いたエレメントの場合は、各膜の
内径や外径から算出することができるし、スパイラル型
のエレメントの場合は、供給水の流路には、通常、供給
水(原水)流路材を用いるため、この原水流路材の空隙
率をもとに算出すればよい。ここで空隙率とは、原水流
路材が占める全体積から、原水流路材を構成する部材の
体積を除いた、原水の通水可能な範囲の割合をいい、上
述の膜面流速は、エレメントの横断面でみた場合の原水
流路材の長さ、厚み、空隙率および用いた原水流路材の
数を乗算して算出する。なお、本発明において供給水と
は、初段においては処理を行うとする海水のことをい
い、初段以外の各段においては前段から得られる濃縮海
水のことをいう。
【0045】上記の膜面流速を0.03m/s以上に制
御するためには、例えば、各段に供給する供給水の供給
圧力を高めて単位時間当たりの供給量を増加させたり、
また、膜面流速が低下しやすい後段のエレメントほど、
前述の供給水流路横断面積を小さくしておいたりして実
現することができる。この供給水流路横断面積は、中空
糸膜や管状膜を用いるエレメントの場合は、各膜の径
や、エレメント1本当たりに用いる膜本数を調節するこ
とにより、また、原水流路材を用いたスパイラル型エレ
メントの場合は、原水流路材の数や長さ、空隙率などを
調節することのより変化させることができる。
御するためには、例えば、各段に供給する供給水の供給
圧力を高めて単位時間当たりの供給量を増加させたり、
また、膜面流速が低下しやすい後段のエレメントほど、
前述の供給水流路横断面積を小さくしておいたりして実
現することができる。この供給水流路横断面積は、中空
糸膜や管状膜を用いるエレメントの場合は、各膜の径
や、エレメント1本当たりに用いる膜本数を調節するこ
とにより、また、原水流路材を用いたスパイラル型エレ
メントの場合は、原水流路材の数や長さ、空隙率などを
調節することのより変化させることができる。
【0046】さらに、膜面流速を0.03m/s以上に
制御することに加え、流路材の形状を工夫して供給水の
流れを乱してやると、濃度分極層の厚みが小さくなるの
で、濃度分極をより一層抑制することができる。具体的
には、例えば、原水流路材として菱目状の網体を用いて
供給水の流れを乱せばよい。なお、上記においては、主
に、逆浸透膜モジュールユニットを1段備えた場合につ
いて説明したが、直列に多段に接続して、各段から透過
水を得ることも好ましい。この場合、初段の逆浸透膜モ
ジュールユニットに海水を供給するとともに、前段の逆
浸透膜モジュールユニットから得られる濃縮海水を次段
の逆浸透膜モジュールユニットに供給する、いわゆる濃
縮水多段法としてもよい。この濃縮水多段法において
は、後段ほど供給海水の濃度が高く、したがって供給圧
力も後段にいくほど高くしていく必要がある。このと
き、最終的に排出される濃縮水には高い圧力エネルギが
含まれているため、このエネルギをターボチャージャな
どにより回収し、前段での供給水の加圧に用いることが
好ましい。また、濃縮水の圧力エネルギは後段ほど大き
くなることから、最終段の濃縮水の圧力を回収すること
が最も効率的であり好適である。
制御することに加え、流路材の形状を工夫して供給水の
流れを乱してやると、濃度分極層の厚みが小さくなるの
で、濃度分極をより一層抑制することができる。具体的
には、例えば、原水流路材として菱目状の網体を用いて
供給水の流れを乱せばよい。なお、上記においては、主
に、逆浸透膜モジュールユニットを1段備えた場合につ
いて説明したが、直列に多段に接続して、各段から透過
水を得ることも好ましい。この場合、初段の逆浸透膜モ
ジュールユニットに海水を供給するとともに、前段の逆
浸透膜モジュールユニットから得られる濃縮海水を次段
の逆浸透膜モジュールユニットに供給する、いわゆる濃
縮水多段法としてもよい。この濃縮水多段法において
は、後段ほど供給海水の濃度が高く、したがって供給圧
力も後段にいくほど高くしていく必要がある。このと
き、最終的に排出される濃縮水には高い圧力エネルギが
含まれているため、このエネルギをターボチャージャな
どにより回収し、前段での供給水の加圧に用いることが
好ましい。また、濃縮水の圧力エネルギは後段ほど大き
くなることから、最終段の濃縮水の圧力を回収すること
が最も効率的であり好適である。
【0047】
【実施例】実施例1、2、比較例 図1に示す逆浸透分離装置を用いて逆浸透分離を行い、
淡水を製造した。ここで、原海水としては、塩分濃度が
約3.5重量%であり、スケール成分の主体をなす元素
であるカルシウムの濃度が約400mg/L、硫酸イオン
の濃度が約2,550mg/Lの海水を用い、これに殺菌剤
(NaOCl)、凝集剤(FeCl3)を順次添加した
のち、砂ろ過などのろ過を行って前処理を施した。な
お、カルシウムの濃度は原子吸光法にて、硫酸イオンの
濃度はイオンクロマトグラフにより測定した。
淡水を製造した。ここで、原海水としては、塩分濃度が
約3.5重量%であり、スケール成分の主体をなす元素
であるカルシウムの濃度が約400mg/L、硫酸イオン
の濃度が約2,550mg/Lの海水を用い、これに殺菌剤
(NaOCl)、凝集剤(FeCl3)を順次添加した
のち、砂ろ過などのろ過を行って前処理を施した。な
お、カルシウムの濃度は原子吸光法にて、硫酸イオンの
濃度はイオンクロマトグラフにより測定した。
【0048】次、この海水を所定の圧力で東レ(株)製
NF膜エレメント(SU−620、塩除去率55%)を
6本直列に接続して耐圧容器に収納したNF膜モジュー
ルに通して、表1に示す条件下でろ過処理を行った。次
に、このろ過処理を終えた海水を、脱塩率が99.75
%、膜面積28m2のポリアミド系逆浸透膜を組み込ん
だ、エレメント1個当たりの淡水製造能力が12m3/
dであるエレメントを6本直列に接続して耐圧容器に収
納した1段の逆浸透膜モジュールユニットに、表1に示
す条件下にて逆浸透処理を行った。約3ヶ月間連続して
運転したのち、エレメントを抜き出して、逆浸透膜の膜
面でのスケール成分の析出の有無を観察した。NF膜に
よる処理を行わなかった例も含めて、評価結果を表2に
示す。
NF膜エレメント(SU−620、塩除去率55%)を
6本直列に接続して耐圧容器に収納したNF膜モジュー
ルに通して、表1に示す条件下でろ過処理を行った。次
に、このろ過処理を終えた海水を、脱塩率が99.75
%、膜面積28m2のポリアミド系逆浸透膜を組み込ん
だ、エレメント1個当たりの淡水製造能力が12m3/
dであるエレメントを6本直列に接続して耐圧容器に収
納した1段の逆浸透膜モジュールユニットに、表1に示
す条件下にて逆浸透処理を行った。約3ヶ月間連続して
運転したのち、エレメントを抜き出して、逆浸透膜の膜
面でのスケール成分の析出の有無を観察した。NF膜に
よる処理を行わなかった例も含めて、評価結果を表2に
示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る逆浸透分離を用いた造水方法によれば、少なくとも
カルシウム化合物を含むスケール成分の総濃度が380
mg/L以下の供給海水を用いて逆浸透分離を行っている
ので、60%以上の高い回収率で逆浸透分離を行って
も、スケール成分が析出することがない。その結果、高
い回収率で逆浸透分離を行うことができるので、造水コ
ストを低減することができる。
係る逆浸透分離を用いた造水方法によれば、少なくとも
カルシウム化合物を含むスケール成分の総濃度が380
mg/L以下の供給海水を用いて逆浸透分離を行っている
ので、60%以上の高い回収率で逆浸透分離を行って
も、スケール成分が析出することがない。その結果、高
い回収率で逆浸透分離を行うことができるので、造水コ
ストを低減することができる。
【0052】また、本発明は、スケール成分の析出を確
実に抑制しているので、析出物を取り除くため膜の洗浄
作業を軽減し、運転効率の低下を防止することができ
る。
実に抑制しているので、析出物を取り除くため膜の洗浄
作業を軽減し、運転効率の低下を防止することができ
る。
【図1】本発明に係る逆浸透分離を用いた造水方法のフ
ローを示す図である。
ローを示す図である。
【図2】スパイラル型逆浸透膜エレメントを示す部分切
欠斜視図である。
欠斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】逆浸透膜モジュールを示す概略図である。
【図5】供給海水中のスケール成分の主体をなす元素の
濃度と回収率との関係を示すグラフである。
濃度と回収率との関係を示すグラフである。
【図6】回収率と操作圧力との関係、および有効圧力を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図7】供給海水のSDI値と限界透過水量との関係を
示すグラフである。
示すグラフである。
1 逆浸透分離装置 2 逆浸透膜モジュールユニット 4 高圧ポンプ 6 膜分離装置 10 原海水 20 供給海水 20a 透過水 20b 濃縮水 50 淡水 61 スパイラル型逆浸透膜エレメント 62 供給液流路材 63 逆浸透膜 64 透過液流路材 65 集水管 65a 透孔 66 ブラインシール 67 継手 68 耐圧容器 69 供給液口 70 透過液口 71 排出口 72 プロダクト・エンド・キャップ 80 モジュール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月28日(2000.7.2
8)
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1に記載の造水方法は、複数個の逆浸透
膜エレメントを含む逆浸透膜モジュールユニットに海水
を供給して透過水を得るにあたり、供給する海水に含ま
れるカルシウム元素の濃度を380mg/L以下に制御す
るとともに、供給する海水として塩濃度が3.5重量%
の海水を用いたときの透過水の回収率が60%以上であ
る逆浸透膜モジュールユニットを用いることを特徴とす
る。請求項2に記載の造水方法は、膜処理を行うことに
より、供給する海水に含まれるカルシウム元素の濃度を
380mg/L以下に制御することを特徴とする。
ために、請求項1に記載の造水方法は、複数個の逆浸透
膜エレメントを含む逆浸透膜モジュールユニットに海水
を供給して透過水を得るにあたり、供給する海水に含ま
れるカルシウム元素の濃度を380mg/L以下に制御す
るとともに、供給する海水として塩濃度が3.5重量%
の海水を用いたときの透過水の回収率が60%以上であ
る逆浸透膜モジュールユニットを用いることを特徴とす
る。請求項2に記載の造水方法は、膜処理を行うことに
より、供給する海水に含まれるカルシウム元素の濃度を
380mg/L以下に制御することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】請求項3に記載の造水方法は、膜処理を行
うことにより、供給する海水のSDI値を1以下に制御
することを特徴とする。請求項4に記載の造水方法は、
直列に接続して設けた、逆浸透膜エレメントを含む少な
くとも2個の逆浸透膜モジュールユニットを用い、初段
の逆浸透膜モジュールユニットに海水を供給するととも
に、前段の逆浸透膜モジュールユニットから得られる濃
縮海水を次段の逆浸透膜モジュールユニットに供給し、
各段から透過水を得ることを特徴とする。
うことにより、供給する海水のSDI値を1以下に制御
することを特徴とする。請求項4に記載の造水方法は、
直列に接続して設けた、逆浸透膜エレメントを含む少な
くとも2個の逆浸透膜モジュールユニットを用い、初段
の逆浸透膜モジュールユニットに海水を供給するととも
に、前段の逆浸透膜モジュールユニットから得られる濃
縮海水を次段の逆浸透膜モジュールユニットに供給し、
各段から透過水を得ることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】請求項5に記載の造水方法は、いずれの逆
浸透膜エレメントにおいても、逆浸透膜1m2当たりの
透過水量が0.07〜1.2m3/dの範囲内になるよう
に海水を処理することを特徴とする。請求項6に記載の
造水方法は、いずれの逆浸透膜エレメントにおいても、
供給海水の膜面流速を0.03m/s以上になるように
海水を処理することを特徴とする。 ─────────────────────────────────────────────────────
浸透膜エレメントにおいても、逆浸透膜1m2当たりの
透過水量が0.07〜1.2m3/dの範囲内になるよう
に海水を処理することを特徴とする。請求項6に記載の
造水方法は、いずれの逆浸透膜エレメントにおいても、
供給海水の膜面流速を0.03m/s以上になるように
海水を処理することを特徴とする。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月2日(2001.3.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】また、回収率が所定の値になるよう運転す
る方法としては、例えば得られた濃縮水量と透過水量を
逐次モニタしてその比から回収率を計算し、その値が目
標とする回収率からずれている場合には、操作圧力を変
化させて透過水量を増減させる制御を行うことができ
る。ところで、上記したNF膜による処理を行った場
合、海水中のスケール成分だけでなく、濁質成分も同時
に除去されることが判明している。この場合、海水中の
濁質成分が少なくなる程ファウリングは生じ難くなるの
で、それに伴って回収率を向上させることが可能とな
る。そして、このような濁質成分の濃度を表す指標とし
ては、SDI値を用いることができる。ここで、SDI
値(FI値)は、 SDI値=(1−T0/T15)×100/15 …(2) で表され、対象水中の微細な濁質濃度を示している(但
し、T0:0.45μmの精密濾過膜を用いて試料水を
0.2MPaで加圧濾過したときに最初の500mlの試料水
の濾過に要した時間、T15:T0の後さらに同じ条件で
15分間濾過した後に500mlの試料水の濾過に要した
時間)。そして、濁質のない場合のSDI値は0とな
り、最も汚れた水における最大値は6.67となる。
る方法としては、例えば得られた濃縮水量と透過水量を
逐次モニタしてその比から回収率を計算し、その値が目
標とする回収率からずれている場合には、操作圧力を変
化させて透過水量を増減させる制御を行うことができ
る。ところで、上記したNF膜による処理を行った場
合、海水中のスケール成分だけでなく、濁質成分も同時
に除去されることが判明している。この場合、海水中の
濁質成分が少なくなる程ファウリングは生じ難くなるの
で、それに伴って回収率を向上させることが可能とな
る。そして、このような濁質成分の濃度を表す指標とし
ては、SDI値を用いることができる。ここで、SDI
値(FI値)は、 SDI値=(1−T0/T15)×100/15 …(2) で表され、対象水中の微細な濁質濃度を示している(但
し、T0:0.45μmの精密濾過膜を用いて試料水を
0.2MPaで加圧濾過したときに最初の500mlの試料水
の濾過に要した時間、T15:T0の後さらに同じ条件で
15分間濾過した後に500mlの試料水の濾過に要した
時間)。そして、濁質のない場合のSDI値は0とな
り、最も汚れた水における最大値は6.67となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 逆浸透分離装置 2 逆浸透膜モジュールユニット 4 高圧ポンプ 6 膜分離装置9 タンク 10 原海水 20 供給海水 20a 透過水 20b 濃縮水 50 淡水 61 スパイラル型逆浸透膜エレメント 62 供給液流路材 63 逆浸透膜 64 透過液流路材 65 集水管 65a 透孔 66 ブラインシール 67 継手 68 耐圧容器 69 供給液口 70 透過液口 71 排出口 72 プロダクト・エンド・キャップ 80 モジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 俊郎 滋賀県大津市富士見台52番4号 Fターム(参考) 4D006 GA03 HA62 HA63 HA65 JA25A JA58A KA01 KA02 KA03 KA12 KA57 KA62 KA63 KB13 KB14 KB15 KD02 KD06 KD08 KD11 KD23 KD24 KE03Q KE03R KE05Q KE05R KE08Q KE30P KE30R MA03 MC18 MC22 MC48 MC52 MC54 MC58 PA01 PB03
Claims (5)
- 【請求項1】 複数個の逆浸透膜エレメントを含む逆浸
透膜モジュールユニットに海水を供給して透過水を得る
にあたり、供給する海水に含まれるカルシウム元素の濃
度を380mg/L以下に制御するとともに、供給する海
水として塩濃度が3.5重量%の海水を用いたときの透
過水の回収率が60%以上である逆浸透膜モジュールユ
ニットを用いることを特徴とする造水方法。 - 【請求項2】 膜処理を行うことにより、供給する海水
のSDI値を1以下に制御する、請求項1に記載の造水
方法。 - 【請求項3】 直列に接続して設けた、逆浸透膜エレメ
ントを含む少なくとも2個の逆浸透膜モジュールユニッ
ト用い、初段の逆浸透膜モジュールユニットに海水を供
給するとともに、前段の逆浸透膜モジュールユニットか
ら得られる濃縮海水を次段の逆浸透膜モジュールユニッ
トに供給し、各段から透過水を得る、請求項1または2
に記載の造水方法。 - 【請求項4】 いずれの逆浸透膜エレメントにおいて
も、逆浸透膜1m2当たりの透過水量が0.07〜1.2
m3/dの範囲内になるように海水を処理する、請求項
1〜3のいずれかに記載の造水方法。 - 【請求項5】 いずれの逆浸透膜エレメントにおいて
も、供給海水の膜面流速を0.03m/s以上になるよ
うに海水を処理する、請求項1〜4のいずれかに記載の
造水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000067425A JP2001252662A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 造水方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000067425A JP2001252662A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 造水方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001252662A true JP2001252662A (ja) | 2001-09-18 |
Family
ID=18586621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000067425A Pending JP2001252662A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 造水方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001252662A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004025109A (ja) * | 2002-06-27 | 2004-01-29 | Kurita Water Ind Ltd | 水処理方法及び水処理装置 |
JP2011200788A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | 水処理方法及び水処理装置 |
WO2014133101A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | 東レ株式会社 | 脱塩水の製造方法 |
JP2014526957A (ja) * | 2011-07-14 | 2014-10-09 | ナルコ カンパニー | プロセス流の水質の維持方法 |
JP2015169523A (ja) * | 2014-03-06 | 2015-09-28 | 三菱重工業株式会社 | 海水中ストロンチウム回収装置および方法 |
-
2000
- 2000-03-10 JP JP2000067425A patent/JP2001252662A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004025109A (ja) * | 2002-06-27 | 2004-01-29 | Kurita Water Ind Ltd | 水処理方法及び水処理装置 |
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JP2014526957A (ja) * | 2011-07-14 | 2014-10-09 | ナルコ カンパニー | プロセス流の水質の維持方法 |
US9409110B2 (en) | 2011-07-14 | 2016-08-09 | Nalco Company | Method of maintaining water quality in a process stream |
WO2014133101A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | 東レ株式会社 | 脱塩水の製造方法 |
JPWO2014133101A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2017-02-02 | 東レ株式会社 | 脱塩水の製造方法 |
JP2015169523A (ja) * | 2014-03-06 | 2015-09-28 | 三菱重工業株式会社 | 海水中ストロンチウム回収装置および方法 |
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