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JP2001246484A - レーザ加工方法及び加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法及び加工装置

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Publication number
JP2001246484A
JP2001246484A JP2000058275A JP2000058275A JP2001246484A JP 2001246484 A JP2001246484 A JP 2001246484A JP 2000058275 A JP2000058275 A JP 2000058275A JP 2000058275 A JP2000058275 A JP 2000058275A JP 2001246484 A JP2001246484 A JP 2001246484A
Authority
JP
Japan
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processing
laser
laser beam
energy
monitoring
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JP2000058275A
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Atsushi Senda
淳 千田
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工点間の移動に起因して生ずる加工速度の
制約を解消して加工速度の改善を図ること。 【解決手段】 加工点毎にレーザ光のエネルギー状態を
モニタするモニタリング手段と、レーザ光をワーク16
における所望の加工点に照射するためのX−Yガルバノ
スキャナ19と、モニタリング手段からのモニタ結果に
応じてガルバノスキャナを制御する制御装置10とを含
む。制御装置は、1つの加工点へのレーザ光照射が終了
するとモニタリング手段によるエネルギー状態のモニタ
開始に伴ってガルバノスキャナに対して次の加工点への
移動を開始させるようにし、モニタの結果が正常でなけ
ればガルバノスキャナに対してレーザ光の照射位置を前
記1つの加工点に戻すようにして再度のレーザ光照射を
行わせるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ加工方法及び
加工装置に関し、特に穴あけ加工を主目的とし、その加
工速度を向上させることができるように改良されたレー
ザ加工方法及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】穴あけ加工を主目的としたレーザ加工装
置は、ワークを搭載するステージをX軸方向、Y軸方向
に水平移動可能な、いわゆるX−Yステージを備えたも
のが一般的である。このレーザ加工装置は、X−Yステ
ージによりワークを移動させることでパルス状のレーザ
ビームの照射位置を変える。このため、X−Yステージ
によるポジショニングに時間がかかり、加工速度に制限
がある。便宜上、このレーザ加工装置を第1の方式と呼
ぶ。
【0003】これに対し、ガルバノスキャナを用いてレ
ーザビームを振らせることで加工速度の向上を図ったレ
ーザ加工装置が提供されている。簡単に説明すると、レ
ーザ発振器から出力されたレーザビームを、その断面形
状を規定するためのマスクを通したうえでX−Yガルバ
ノスキャナに導く。X−Yガルバノスキャナは、良く知
られているように、入射したレーザビームを加工領域に
配置されたワーク上においてX軸方向に振らせるための
X軸ガルバノミラーと、Y軸方向に振らせるためのY軸
ガルバノミラーとから成る。このようなX−Yガルバノ
スキャナにより、レーザ光はfθレンズを通してワーク
上に設定された所定領域の全域にわたるように振られ
る。なお、ワークはX軸方向、Y軸方向に可動のX−Y
ステージに搭載されている。便宜上、このレーザ加工装
置を第2の方式と呼ぶ。
【0004】この第2の方式では、ワーク上の所定領域
に対してレーザ光を振らせることで加工を行った後、X
−Yステージにより次のワークを加工領域に配置する。
このような第2の方式によれば、X−Yガルバノスキャ
ナとX−Yステージとの組み合わせにより第1の方式に
比べて加工速度の向上を図ることができる。
【0005】ところで、上記のようなレーザ加工におい
ては、加工に際し、加工点毎にレーザ光のエネルギー状
態をモニタしながら加工を行うことが行われている。こ
れを第1の方式の場合について図3、図4を参照して説
明する。
【0006】図3において、レーザ発振器21からのパ
ルスレーザ光はベンディングミラー22、23を経て一
部透過型のベンディングミラー24に至り、ここで約9
9%は反射されてfθレンズとも呼ばれる加工レンズ2
5を通してワーク26に照射される。ワーク26は、X
軸方向及びY軸方向に可動のX−Yステージ30に搭載
されている。ベンディングミラー24を透過した約1%
のレーザ光はエネルギーモニタ27に導入されてパルス
毎にパルスエネルギーが検出される。検出されたパルス
エネルギーはエネルギー比較回路28に送られる。エネ
ルギー比較回路28は加工条件、例えばワーク26の材
質や加工厚に応じてスレッシュホールド値を任意に変更
可能であり、検出されたパルスエネルギーとスレッシュ
ホールド値との比較を行い、検出されたパルスエネルギ
ーの方が低い時にはそれを示す信号をトリガパルス発生
器29に出力する。トリガパルス発生器29はこの信号
を受けるとレーザ発振器21にトリガパルスを出力し、
追加のパルスレーザ光を発生せしめる。
【0007】上記の動作を、具体的な数値を例示して説
明する。加工条件により加工点1つ当たりのパルスレー
ザ光の個数が決定される。例えば、1発当たり0.4
(J)のパルスエネルギーを持つパルスレーザ光によ
り、1つの穴あけ(スルーホールの形成)加工につき1
つのパルスレーザ光を照射するものとする。光路中での
エネルギーロスが無いものとすると、エネルギーモニタ
27での正常なパルスエネルギーの検出値は4(mJ)
となる。これを考慮して、スレッシュホールド値V SL
しては2.5(mJ)が設定されるものとする。1つ目
の穴あけ加工ではパルスレーザ光のエネルギーがスレッ
シュホールド値VSLを越え、ワーク26には正常に穴が
形成されたものとする。
【0008】2つ目の穴あけ加工において、レーザ発振
器21に起因してパルスレーザ光のエネルギーが低く、
スレッシュホールド値VSLを下回ったとすると、ワーク
26に形成されるホールはスルーホールとならない。エ
ネルギー比較回路28はパルスエネルギーがスレッシュ
ホールド値VSLを下回ったことを検出してトリガパルス
発生器29に信号を出力する。トリガパルス発生器29
はこの信号を受けるとレーザ発振器21にトリガパルス
を出力する。レーザ発振器21はこのトリガパルスを受
けると、通常のパルスレーザ光と同じ周期で追加のパル
スレーザ光を出力する。その結果、ワーク26には完全
に貫通したスルーホールが形成されることとなる。
【0009】次に、1発当たり0.4(J)のパルスエ
ネルギーを持つパルスレーザ光により、1つの穴あけ
(スルーホールの形成)加工につき2つのパルスレーザ
光を照射する場合について図4を参照して説明する。こ
れは、加工条件により加工点1つ当たりのパルスレーザ
光の個数が決定されるからである。この場合、光路中で
のエネルギーロスが無いものとすると、エネルギーモニ
タ27での正常なパルスエネルギーの検出値は4(m
J)となる。これを考慮して、スレッシュホールド値V
SLとして2.5(mJ)が設定されるものとする。1つ
目の穴あけ加工では1発目、2発目のパルスレーザ光P
1、P2共にスレッシュホールド値VSLを越え、ワーク
26には正常に穴が形成される。
【0010】2つ目の穴あけ加工において、レーザ発振
器21に起因して1発目、2発目のパルスレーザ光P
3、P4共にパルスエネルギーが低く、特に2発目のパ
ルスエネルギーがスレッシュホールド値VSLを下回った
とすると、ワーク26に形成されるホールはスルーホー
ルとならない。エネルギー比較回路28はパルスエネル
ギーがスレッシュホールド値VSLを下回ったことを検出
してトリガパルス発生器29に信号を出力する。トリガ
パルス発生器29はこの信号を受けるとレーザ発振器2
1にトリガパルスを出力する。レーザ発振器21はこの
トリガパルスを受けると、通常のパルスレーザ光と同じ
周期で追加のパルスレーザ光P5を出力する。その結
果、ワーク26には完全に貫通したスルーホールが形成
されることとなる。
【0011】なお、レーザ発振器21は、上記のよう
に、1つの穴当たりのパルス個数が2個の場合、2個目
のパルスレーザ光を出力した後、パルスレーザ光の周期
よりも短い一定時間トリガパルスの有無を監視し、トリ
ガパルスが無ければ次の加工へ移される。勿論、図4で
説明したように、追加のパルスレーザ光を出力した後
も、一定時間トリガパルスの有無を監視し、トリガパル
スが無ければ次の加工へ移される。
【0012】図3、図4は、上述した第1の方式を採用
した場合であるが、第2の方式の場合にはベンディング
ミラー24に代えてX−Yガルバノスキャナが用いられ
ることになり、動作自体は変わらない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ここで、これまでは、
1つの加工点について上記の動作を行って、加工が正常
であると判定されてから次の加工点に移動させるという
方式をとっている。X−Yガルバノスキャナを使用した
場合、隣接する加工点間の距離にもよるが、通常1つの
加工点から次の加工点への移動に要する時間は2mse
c程度である。これを図5を参照して説明する。
【0014】図5において、時刻T1においてある加工
点に移動してパルスレーザ光が照射される。例えば、1
つの穴につき1つのパルスレーザ光を照射する場合、パ
ルスレーザ光が照射されるとエネルギーモニタ27、エ
ネルギー比較回路28により正常であるかどうかの判定
が行われる。この判定に要する時間は150μsec程
度である。そして、正常と判定された時刻T2ではじめ
て次の加工点への移動が開始される。
【0015】ところが、上記のレーザ加工装置を、例え
ばプリント配線基板の樹脂層への穴あけ加工に用いる場
合には、一辺が数cmの正方形領域に数十μmの径を持
つ穴が数十μmのピッチで多数、例えば数千個程度を設
けるような穴あけ加工が行われる。このような穴あけ加
工においては、上記のように1つの加工点における加工
が正常であると判定されてから次の加工点に移動させる
という方式では加工速度の向上に制約が生ずることにな
る。
【0016】そこで、本発明の課題は、加工点間の移動
に起因して生ずる加工速度の制約を解消して加工速度の
改善を図ることのできるレーザ加工方法を提供すること
にある。
【0017】本発明の他の課題は、上記のレーザ加工方
法に適したレーザ加工装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、レーザ
光をワークに照射して加工を行うに際し、加工点毎にレ
ーザ光のエネルギー状態をモニタしながら加工を行うレ
ーザ加工方法において、1つの加工点へのレーザ光照射
が終了すると前記エネルギー状態のモニタ開始に伴って
次の加工点への移動を開始し、モニタ結果が正常でなけ
れば前記1つの加工点に戻して再度のレーザ光照射を行
うことを特徴とするレーザ加工方法が提供される。
【0019】本発明によればまた、レーザ発振器からの
レーザ光をワークに照射して加工を行うレーザ加工装置
において、加工点毎にレーザ光のエネルギー状態をモニ
タするモニタリング手段と、前記レーザ光を前記ワーク
における所望の加工点に照射するためのガルバノスキャ
ナと、前記モニタリング手段からのモニタ結果に応じて
前記ガルバノスキャナを制御する制御装置とを含み、前
記制御装置は、1つの加工点へのレーザ光照射が終了す
ると前記モニタリング手段による前記エネルギー状態の
モニタ開始に伴って前記ガルバノスキャナに対して次の
加工点への移動を開始させるようにし、モニタの結果が
正常でなければ前記ガルバノスキャナに対してレーザ光
の照射位置を前記1つの加工点に戻すようにして再度の
レーザ光照射を行わせるように制御することを特徴とす
るレーザ加工装置が提供される。
【0020】上記のレーザ加工装置においては、前記モ
ニタリング手段は、1つの加工点に照射されたレーザ光
のエネルギーを検出する検出手段と、該検出手段により
検出されたエネルギー値とあらかじめ設定されているス
レッシュホールド値とを比較し、前記検出されたエネル
ギー値が前記スレッシュホールド値より低い時に正常で
ない旨を示す信号を出力する比較手段とを含む。
【0021】
【発明の実施の形態】図1、図2を参照して、本発明に
よるレーザ加工装置の実施の形態について説明する。図
1において、本形態によるレーザ加工装置は、図3で説
明した構成に加えてX−Yガルバノスキャナ19を備
え、トリガパルス発生器29に代えて制御装置10を備
えている。これら以外の構成は、図3に示したものと同
様である。すなわち、レーザ発振器11からのパルスレ
ーザ光はベンディングミラー12、13を経て一部透過
型のベンディングミラー14に至り、ここで約99%は
反射されてX−Yガルバノスキャナ19に入射する。前
に述べたように、X−Yガルバノスキャナ19は、入射
したパルスレーザ光をワーク16上においてX軸方向に
振らせるためのX軸ガルバノミラーと、Y軸方向に振ら
せるためのY軸ガルバノミラーとから成る。このような
X−Yガルバノスキャナ19により、パルスレーザ光は
加工レンズ(fθレンズ)15を通してワーク16上に
設定された所定領域の全域にわたるように振られる。ワ
ーク16はX軸方向、Y軸方向に可動のX−Yステージ
20に搭載されている。X−Yステージ20は、X−Y
ガルバノスキャナ19によるスキャン範囲、すなわち加
工領域には制限があるので、加工領域をシフトさせる場
合に用いられる。なお、図示していないが、通常、レー
ザ発振器11とX−Yガルバノスキャナ19との間の光
路中には、ワーク16に照射されるレーザ光の断面形状
を規定するためのマスクが配置される。
【0022】ベンディングミラー14を透過した約1%
のレーザ光はエネルギーモニタ17に導入されてパルス
毎にパルスエネルギーが検出される。検出されたパルス
エネルギーはエネルギー比較回路18に送られる。エネ
ルギー比較回路18は加工条件、例えばワーク16の材
質や加工厚に応じてスレッシュホールド値を任意に変更
可能であり、検出されたパルスエネルギーとスレッシュ
ホールド値との比較を行い、検出されたパルスエネルギ
ーの方が低い時にはそれを示す信号を制御装置10に出
力する。
【0023】制御装置10は、1つの加工点への照射が
終了するとすぐにX−Yガルバノスキャナ19に対して
次の加工点への移動を開始させるようにし、エネルギー
比較回路18から検出されたパルスエネルギーの方が低
いことを示す信号を受けた場合には、X−Yガルバノス
キャナ19に対してパルスレーザ光の照射位置を前記1
つの加工点に戻すようにし、しかもレーザ発振器11に
トリガパルスを出力して追加のパルスレーザ光を発生さ
せることにより、前記1つの加工点に再度のレーザ光照
射を行わせるように制御する。
【0024】上記の動作を、図2をも参照しながら具体
的な数値を例示して説明する。例えば、1発当たり0.
4(J)のパルスエネルギーを持つパルスレーザ光によ
り、1つの穴あけ(スルーホールの形成)加工につき1
つのパルスレーザ光を照射するものとする。光路中での
エネルギーロスが無いものとすると、エネルギーモニタ
17での正常なパルスエネルギーの検出値は4(mJ)
となる。これを考慮して、スレッシュホールド値VSL
しては2.5(mJ)が設定されるものとする。図2に
おいて、1つ目の穴あけ加工ではパルスレーザ光のエネ
ルギーがスレッシュホールド値VSLを越え、ワーク16
には正常に穴が形成される。エネルギーモニタ17、エ
ネルギー比較回路18における判定には、前に述べたよ
うに150μsec程度の時間を要するが、制御装置1
0はこの判定結果を待たずに、1つ目の穴あけのための
パルスレーザ光の照射が終了するとすぐにX−Yガルバ
ノスキャナ19に対してレーザ光照射を次の加工点に移
動させるべく制御する。以下、同様にして2つ目、3つ
目の穴あけ加工も正常であったとする。
【0025】続いて、4つ目の穴あけ加工において、レ
ーザ発振器11に起因してパルスレーザ光のエネルギー
が低く、スレッシュホールド値VSLを下回ったとする
と、ワーク16に形成されるホールはスルーホールとな
らない。エネルギー比較回路18はパルスエネルギーが
スレッシュホールド値VSLを下回ったことを検出して制
御装置10に信号を出力する。
【0026】制御装置10は、4つ目の穴加工のための
レーザ光照射が終了するとすぐにX−Yガルバノスキャ
ナ19に対して次の加工点への移動を開始させるが、エ
ネルギー比較回路18から検出されたパルスエネルギー
の方が低いことを示す信号を受けると、X−Yガルバノ
スキャナ19に対してパルスレーザ光の照射位置を4つ
目の穴加工位置に戻すようにし、しかもレーザ発振器1
1にトリガパルスを出力して追加のパルスレーザ光を発
生させることにより、4つ目の穴加工位置に再度のレー
ザ光照射を行わせるようにする。レーザ発振器11は制
御装置10からのトリガパルスを受けると、通常のパル
スレーザ光と同じ周期で追加のパルスレーザ光を出力す
る。その結果、ワーク16には完全に貫通したスルーホ
ールが形成されることとなる。
【0027】以上の動作は、1つの穴について2発以上
のパルスレーザ光を照射する場合についても同様であ
る。例えば、1発当たり0.4(J)のパルスエネルギ
ーを持つパルスレーザ光により、1つの穴あけ(スルー
ホールの形成)加工につき2つのパルスレーザ光を照射
する場合について説明する。この場合、光路中でのエネ
ルギーロスが無いものとすると、エネルギーモニタ17
での正常なパルスエネルギーの検出値は4(mJ)とな
る。これを考慮して、スレッシュホールド値VSLとして
2.5(mJ)が設定されるものとする。1つ目の穴あ
け加工では1発目、2発目のパルスレーザ光共にスレッ
シュホールド値VSLを越え、ワーク16には正常に穴が
形成されたとする。エネルギーモニタ17、エネルギー
比較回路18における判定には、前に述べたように15
0μsec程度の時間を要するが、制御装置10はこの
判定結果を待たずにX−Yガルバノスキャナ19に対し
てレーザ光照射を次の加工点に移動させるべく制御す
る。
【0028】次に、2つ目の穴あけ加工において、レー
ザ発振器11に起因して1発目、2発目のパルスレーザ
光共にパルスエネルギーが低く、特に2発目のパルスエ
ネルギーがスレッシュホールド値VSLを下回ったとする
と、ワーク16に形成されるホールはスルーホールとな
らない。エネルギー比較回路18はパルスエネルギーが
スレッシュホールド値VSLを下回ったことを検出して制
御装置10に信号を出力する。制御装置10は、2つ目
の穴加工のための2発目のレーザ光照射が終了するとす
ぐにX−Yガルバノスキャナ19に対して次の加工点へ
の移動を開始させるが、エネルギー比較回路18から検
出されたパルスエネルギーの方が低いことを示す信号を
受けると、X−Yガルバノスキャナ19に対してパルス
レーザ光の照射位置を2つ目の穴加工位置に戻すように
し、しかもレーザ発振器11にトリガパルスを出力して
追加のパルスレーザ光を発生させることにより、2つ目
の穴加工位置に再度のレーザ光照射を行わせるようにす
る。レーザ発振器11は制御装置10からのトリガパル
スを受けると、通常のパルスレーザ光と同じ周期で追加
のパルスレーザ光を出力する。その結果、ワーク16に
は完全に貫通したスルーホールが形成されることとな
る。
【0029】例えば、X−Yガルバノスキャナ19によ
るある加工点から次の加工点への移動時間が2msec
で、エネルギーモニタ17、エネルギー比較回路18に
おける判定時間が150μsecとし、100,000
個の穴あけ加工を行う場合を想定すると、図3で説明し
た方式の場合、トータル加工時間は(2msec+0.
15msec)×100000=215secとなる。
一方、本形態による方式の場合、エネルギー不足による
追加ショットの発生確率を1/100000とすると、
トータル加工時間は(2msec×100000)+
(追加ショットのために必要となる再移動時間2mse
c×2)となり約200secとなる。その結果、約1
5秒の加工時間短縮を実現することができる。
【0030】このような加工時間の短縮は、前に述べた
ように、プリント配線基板の樹脂層への穴あけ加工にお
いて、一辺が数cmの正方形領域に数十μmの径を持つ
穴を数十μmのピッチで多数、例えば数千個程度を設け
るような穴あけ加工を連続して行う場合には非常に有効
である。
【0031】なお、上記の説明では、エネルギー比較回
路18は、パルスレーザ光の1発毎に比較を行う場合に
ついて説明したが、1つの穴あけに例えば2発のパルス
レーザ光を照射する場合には、2発分のパルスエネルギ
ーを加算したうえでこれを2発分のスレッシュホールド
値と比較して判定を行うようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば加工点間の移動に起因して生ずる加工速度の制約を解
消して加工速度の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるレーザ加工装置の概
略構成を示した図である。
【図2】図1に示されたレーザ加工装置においてパルス
レーザ光のエネルギー判定と加工点間の移動時間の関係
を説明するための図である。
【図3】従来のレーザ加工装置の概略構成を示した図で
ある。
【図4】図3に示されたレーザ加工装置におけるパルス
レーザ光のエネルギー判定動作を説明するための図であ
る。
【図5】図3に示されたレーザ加工装置においてパルス
レーザ光のエネルギー判定と加工点間の移動時間の関係
を説明するための図である。
【符号の説明】
10 制御装置 11、21 レーザ発振器 12、13、22、23 ベンディングミラー 14、24 一部透過型のベンディングミラー 15、25 加工レンズ 16、26 ワーク 17、27 エネルギーモニタ 18、28 エネルギー比較回路 19 X−Yガルバノスキャナ 20、30 X−Yステージ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光をワークに照射して加工を行う
    に際し、加工点毎にレーザ光のエネルギー状態をモニタ
    しながら加工を行うレーザ加工方法において、1つの加
    工点へのレーザ光照射が終了すると前記エネルギー状態
    のモニタ開始に伴って次の加工点への移動を開始し、モ
    ニタ結果が正常でなければ前記1つの加工点に戻して再
    度のレーザ光照射を行うことを特徴とするレーザ加工方
    法。
  2. 【請求項2】 レーザ発振器からのレーザ光をワークに
    照射して加工を行うレーザ加工装置において、 加工点毎にレーザ光のエネルギー状態をモニタするモニ
    タリング手段と、 前記レーザ光を前記ワークにおける所望の加工点に照射
    するためのガルバノスキャナと、 前記モニタリング手段からのモニタ結果に応じて前記ガ
    ルバノスキャナを制御する制御装置とを含み、 前記制御装置は、1つの加工点へのレーザ光照射が終了
    すると前記モニタリング手段による前記エネルギー状態
    のモニタ開始に伴って前記ガルバノスキャナに対して次
    の加工点への移動を開始させるようにし、モニタの結果
    が正常でなければ前記ガルバノスキャナに対してレーザ
    光の照射位置を前記1つの加工点に戻すようにして再度
    のレーザ光照射を行わせるように制御することを特徴と
    するレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のレーザ加工装置におい
    て、前記モニタリング手段は、1つの加工点に照射され
    たレーザ光のエネルギーを検出する検出手段と、該検出
    手段により検出されたエネルギー値とあらかじめ設定さ
    れているスレッシュホールド値とを比較し、前記検出さ
    れたエネルギー値が前記スレッシュホールド値より低い
    時に正常でない旨を示す信号を出力する比較手段とを含
    むことを特徴とするレーザ加工装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6721343B2 (en) * 2000-06-06 2004-04-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laser processing apparatus with position controller
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