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JP2001139784A - 耐炎性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

耐炎性ポリエステル樹脂組成物

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Publication number
JP2001139784A
JP2001139784A JP32561799A JP32561799A JP2001139784A JP 2001139784 A JP2001139784 A JP 2001139784A JP 32561799 A JP32561799 A JP 32561799A JP 32561799 A JP32561799 A JP 32561799A JP 2001139784 A JP2001139784 A JP 2001139784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
flame
resin composition
dicarboxylic acid
phosphorus compound
Prior art date
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Pending
Application number
JP32561799A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Tokutake
政仁 徳竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
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Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接炎時の有毒ガスの発生や、樹脂の溶融落下
による火災の拡大という問題のない樹脂製品を得ること
ができる、優れた耐炎性ポリエステル樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 ポリエステル樹脂に、フェノール性水酸
基を有する芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分に対して
2モル%以上共重合させ、かつ、リン化合物を、リン原子
の重量としてポリエステル樹脂に対して500ppm以上含有
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接炎時に溶融落下
を起こし難く、火災防止効果に優れた耐炎性ポリエステ
ル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略称する)に代表されるポリエステルはその優れた機
械的特性及び化学的特性のため、衣料用、産業用等の繊
維のほか、磁気テープ用、写真用、コンデンサー用等の
フィルムあるいはボトル等の成形物用として広く用いら
れている。
【0003】ところで、近年、火災防止の観点から合成
繊維や各種プラスチック製品の耐炎性への要請が強まっ
ている。従来、ポリエステルに耐炎性を付与する試みは
種々なされており、ポリエステルにハロゲンを主体とす
る化合物とアンチモン化合物を併存させる方法(例え
ば、特開昭61-185559号公報等)が開示されている。し
かし、このような方法は、ハロゲンを主体とする化合物
を用いるため接炎時に有毒ガスを発生するという問題を
有しており、ハロゲン化合物を含まないノンハロゲン化
が求められている。
【0004】ノンハロゲン化の方法としてポリエステル
にリン化合物を含有させる方法(例えば、特開平2-1730
2号公報等)がある。この方法によってポリエステルに
耐炎性を付与すると、接炎時に有毒ガスを発生しないと
いう長所があるが、接炎時にリン化合物がポリエステル
の熱分解を促進するために樹脂の溶融落下を助長してし
まうという短所がある。接炎時に着火した樹脂が溶融落
下すると、樹脂製品自体は消火しやすくなるが、樹脂製
品の周囲、特に下部に可燃物が存在していると、落下し
た樹脂が着火源となって可燃物に引火し、火災が拡大し
てしまうことがあり、十分な火災防止効果が得られない
という問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するものであって、接炎時の有毒ガスの
発生や、樹脂の溶融落下による火災の拡大という問題の
ない、優れた耐炎性ポリエステル樹脂組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、次の通りである。ジカルボン酸成分および/または
ジカルボン酸以外のエステル形成性二官能性カルボン酸
成分とジオール成分とから構成されるポリエステル樹脂
とリン化合物とからなる組成物であって、フェノール性
水酸基を少なくとも1個以上有する芳香族ジカルボン酸
成分が、全酸成分に対して2モル%以上共重合し、かつ、
リン化合物が、リン原子の重量としてポリエステル樹脂
に対して500ppm以上含有していることを特徴とする耐炎
性ポリエステル樹脂組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明の組成物を構成するポリエステル樹脂には、フェノ
ール性水酸基を少なくとも1個以上有する芳香族ジカル
ボン酸成分が、全酸成分の2モル%以上共重合されている
ことが必要である。フェノール性水酸基は、通常のカル
ボキシル基とはエステル結合を形成しないため、このよ
うな水酸基を有する芳香族ジカルボン酸がポリエステル
中に共重合されていると、フェノール性水酸基がポリエ
ステルの側鎖に残ったポリエステル樹脂となる。この側
鎖に残ったフェノール性水酸基は、接炎時の高温下でラ
ジカルを発生して架橋構造を作り、ポリエステル樹脂が
溶融落下するのを抑制する働きがある。フェノール性水
酸基を少なくとも1個以上有する芳香族ジカルボン酸成
分の具体例としては、5-ヒドロキシイソフタル酸(以下
HIPAと略称する)、4-ヒドロキシフタル酸(以下HPAと
略称する)、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0008】このような成分の共重合量は全酸成分に対
して2モル%以上とすることが必要である。この量が2モ
ル%未満では、接炎時の高温下においてラジカル発生に
よる架橋構造の発達が不十分なものとなり、結果として
接炎時の溶融落下を抑制する効果が不十分となる。な
お、共重合量の上限については特に限定されるものでは
ないが、共重合量が多くなるとポリエステルの溶融粘性
が高くなり、溶融重合時に重合度を高めることが困難と
なる場合があるので、概ね20モル%以下とするのが好ま
しい。
【0009】本発明のポリエステル樹脂を構成するジカ
ルボン酸成分、エステル形成性二官能性カルボン酸成
分、およびジオール成分については、用途に応じて適宜
選択すればよい。例えば、繊維やフィルム等のように高
融点、高結晶性が必要とされる用途では、芳香族ジカル
ボン酸成分としてテレフタル酸(以下TPAと略称する)
や2,6-ナフタレンジカルボン酸、脂肪族ジオール成分と
してエチレングリコール(以下EGと略称する)や1,4-ブ
タンジオール(以下BDと略称する)を用いることができ
る。また、バインダー繊維や接着剤、塗料のような用途
であれば、ジカルボン酸成分としてTPAとイソフタル酸
(以下IPAと略称する)、またはアジピン酸(以下ADと
略称する)、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を併
用し、脂肪族ジオール成分としてEGとBD、ネオペンチル
グリコール等を併用することにより、融点、結晶性等の
物性を目的の範囲にコントロールしたポリエステル樹脂
とすることができる。また、上記のようなジカルボン酸
成分、脂肪族ジオール成分以外に、p-オキシ安息香酸の
エチレンオキサイド付加体等の二官能性芳香族カルボン
酸、ε-カプロラクトン(以下CLと略称する)やδ-バレ
ロラクトン等の二官能性脂肪族カルボン酸誘導体、ビス
フェノールAやビスフェノールSのエチレンオキサイド付
加体等の芳香族ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環族ジオールを用いることもできる。
【0010】本発明の耐炎性ポリエステル樹脂組成物
は、リン化合物をリン原子の重量としてポリエステル樹
脂に対して500ppm以上となるように含有していることが
必要である。リン化合物をポリエステル樹脂に含有させ
ると、接炎時にリン化合物が分解し、生成するリン酸層
が保護被膜となって酸素を遮断し、かつ、その脱水作用
によりポリエステルの炭化を促進し、耐炎性を付与する
効果がある。
【0011】本発明の樹脂組成物に含有させるリン化合
物としては、有機、無機いずれのリン化合物でも適用で
きるが、安全性、熱的安定、ポリエステル樹脂との相溶
性等の観点から、リン酸エステル誘導体、ホスホン酸誘
導体、ホスフィン酸誘導体、ホスフィンオキシド誘導体
等の5価の有機リン化合物が好ましい。特に、9,10-ジ
ヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキ
シドのイタコン酸付加体(下記構造式(1)、以下PPIと略
称する)や、(2-カルボシキエチル)フェニルホスフィ
ン酸(下記構造式(2)、以下CPPと略称する)、または
(2-カルボキシエチル)メチルホスフィン酸(下記構造
式(3)、以下CMPと略称する)のように、エステル形成性
官能基を2個有する有機リン化合物は、ポリエステルの
重合工程において添加することにより、ポリエステル樹
脂中に共重合することが可能であり、成形、紡糸等の溶
融加工工程での操業性向上、製品の物性向上、耐久性の
向上等の面で好ましい。
【化1】
【化2】
【化3】
【0012】このようなリン化合物の含有量は、リン原
子としてポリエステル樹脂に対して500ppm以上となるよ
うにする必要があり、好ましくは1,000ppm以上とするの
がよい。リン化合物の量が500ppm未満では、ポリエステ
ルの耐炎性能が不十分となる。添加量の上限について
は、特に限定されるものではないが、あまり多くすると
得られるポリエステル樹脂組成物の物理的性質が損なわ
れたり、加工時にリン化合物がブリードアウトして操業
性が低下したりすることがあるため、概ね40,000ppm以
下とするのが好ましい。
【0013】本発明の耐炎性ポリエステル樹脂組成物
は、例えば次のような方法により得ることができる。ま
ず、温度230〜250℃で窒素ガス制圧下、ビス-(β-ヒド
ロキシエチル)テレフタレートおよび/またはその低重
合体(以下PETオリゴマーと略称する)の存在するエス
テル化反応槽に、グリコール成分/酸成分のモル比1.1〜
2.0のEGとTPAのスラリーを添加し、滞留時間7〜8時間
で、エステル化反応物を得る。このエステル化反応物を
重合反応缶に移送し、HIPA等のフェノール性水酸基を有
する芳香族ジカルボン酸と、前記構造式(1)〜(3)に示さ
れるようなリン化合物、および重合触媒を所定量添加し
て、温度230〜250℃で、0.5〜2時間エステル化反応を行
う。その後、重合反応缶の温度を260〜280℃に昇温し、
0.01〜13.3hPaの減圧下にて、所定の極限粘度となるま
で重縮合反応を行う。ポリエステル樹脂の極限粘度は、
用途に応じて適宜選択すればよいが、特に製品の強度を
高め、溶融成型時の加工性を良好なものとするためには
0.45以上とするのが好ましい。
【0014】重縮合反応は、通常、重縮合反応触媒の存
在下で行われ、従来一般に用いられているアンチモン、
ゲルマニウム、スズ、チタン、コバルト等の金属の化合
物が好適に用いられる。また、効果を阻害しない範囲で
あれば、ヒンダードフェノール系化合物のような抗酸化
剤、コバルト化合物、蛍光剤、染料のような色調改良
剤、顔料等の添加物を含有させてもよい。
【0015】こうして得られた耐炎性ポリエステル樹脂
組成物は、通常のPETと同様に溶融成形、溶融紡糸等の
加工が可能であり、耐炎性を有する成型品、繊維製品と
することができる。そして、これらの製品は接炎時に溶
融落下を起こし難いため、周囲に可燃物が存在する状況
下で接炎されても、溶融落下して他の可燃物に引火する
ことがなく、優れた火災防止効果が得られる。
【0016】
【作用】本発明のポリエステル樹脂組成物が耐炎性を有
し、かつ接炎時に溶融落下を起こし難く、火災防止効果
に優れている理由として、本発明者は次のように考えて
いる。本発明の樹脂組成物を構成するポリエステル樹脂
には、リン化合物を含有しているため、接炎時にリン化
合物が分解し、生成するリン酸層が保護被膜となって酸
素を遮断し、かつ、その脱水作用によりポリエステル樹
脂の炭化を促進し、ポリエステル樹脂の燃焼を阻害する
効果がある。また、本発明の耐炎性ポリエステル樹脂組
成物には、フェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボ
ン酸が共重合されている。この分子中のフェノール性水
酸基部分はポリエステル樹脂の主鎖を構成する成分の一
つである通常のカルボキシル基とはエステル結合を形成
しないが、分子中のジカルボン酸部分はポリエステル樹
脂の主鎖を構成するもう一つの成分であるジオールと反
応し、エステル結合を形成してポリエステル樹脂の分子
鎖中に組み込まれる。そのため、フェノール性水酸基を
側鎖に有するポリエステル樹脂となる。このフェノール
性水酸基は、ポリエステル樹脂の重合時や溶融加工時程
度の温度では反応しないが、接炎時の高温雰囲気下でラ
ジカルを発生して分子間で架橋構造を作るため、リン化
合物によってポリエステル樹脂の分解が促進されても、
樹脂の溶融粘度が低下しにくくなり、接炎時の溶融落下
を抑制することが可能となる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、例中の特性値の測定法は、次のとおりに行っ
た。 (a)極限粘度([η]) フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い、
温度20℃で測定した。 (b)ポリエステルの組成 日本電子社製NMR JNM-LA4000型で測定した。 (c)リン原子の含有量 リガク社製蛍光X線スペクトロメータ 3270型にて測定
した。 (d)耐炎性 UL94規格に準じて燃焼性試験を行い、V-1以上を合格と
した。
【0018】実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にTPAとEGの
スラリー(モル比1/1.6)を連続的に供給し、温度250
℃、圧力0.1MPaGの条件で反応させ、滞留時間を8時間と
して、反応率95%のエステル化物を連続的に得た。次い
で、エステル化物を重縮合反応缶に移送し、表1に示し
たモル比となるようにリン化合物としてPPI、フェノー
ル性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸としてHIPAを添
加し、重縮合触媒として三酸化アンチモンを2×10-4
ル/酸成分モル添加し、温度250℃、圧力0.1MPaGの条件
で撹拌しながらエステル化反応を30分行った。次いで反
応器の温度を30分で270℃に昇温し、反応器内の圧力を
徐々に減じて70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で
撹拌しながら重縮合反応を2時間行い、表1に示す特性を
有するポリエステル樹脂を得た。
【0019】実施例2 IPAとEGのスラリー(モル比1/3)を撹拌装置と充填塔を
備えた反応缶に投入し、常圧下で撹拌しながら反応温度
200℃にて、生成してくる水を反応系外に除去しつつ5時
間エステル化反応を行い、反応率95%のエステル化物
(A)を得た。また、PETオリゴマーの存在するエステル
化反応缶にTPAとEGのスラリー(モル比1/1.6)を連続的
に供給し、温度250℃、圧力0.1MPaGの条件で反応させ、
滞留時間を8時間として、反応率95%のエステル化物
(B)を連続的に得た。次いで、表1に示したモル比とな
るように、エステル化物(A)、(B)を重縮合反応缶に移送
し、表1に示したモル比となるようにCPPとHIPAを添加
し、重縮合触媒として三酸化アンチモンを2×10-4モル/
酸成分モルを添加し、温度250℃、圧力0.1MPaGの条件で
撹拌しながらエステル化反応を30分行った。次いで反応
器の温度を30分で270℃に昇温し、反応器内の圧力を徐
々に減じて70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹
拌しながら重縮合反応を3時間行い、表1に示す特性を
有するポリエステル樹脂を得た。
【0020】実施例3 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にTPAとEGの
スラリー(モル比1/1.6)を連続的に供給し、温度250
℃、圧力0.1MPaGの条件で反応させ、滞留時間を8時間と
して、反応率95%のエステル化物を連続的に得た。次い
で、エステル化物を重縮合反応缶に移送し、表1に示し
たモル比となるようにCMP、5-HIPA、CL、BDを添加し、
重縮合触媒として、テトラブチルチタネートを2×10-4
ル/酸成分モル添加し、温度200℃、圧力0.1MPaGの条件
で撹拌しながらエステル化反応を1時間行った。次いで
反応器内の温度を30分で240℃に昇温し、反応器内の圧
力を徐々に減じて70分後に1.2hPa以下にした。この条件
下で撹拌しながら重縮合反応を3時間行い、表1に示す特
性を有するポリエステル樹脂を得た。
【0021】実施例4、5、6、比較例1、2 フェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸の種
類、共重合量、およびリン化合物の種類、含有量を表1
に示すように種々変更した以外は、実施例1と同様に行
った。なお、実施例6では、リン化合物としてトリフェ
ニルホスフェート(以下TPPと略称する)を用い、重合
時にポリエステル樹脂に対して表1記載の重量%となる量
を添加して重合し、ポリエステル樹脂中に含有させた。
【0022】実施例7、比較例3、4 ポリエステルの組成、フェノール性水酸基を有する芳香
族ジカルボン酸の共重合、およびリン化合物の種類、含
有量を表1に示すように種々変更した以外は、実施例3と
同様に行った。なお、実施例7、比較例3、4では、リン
化合物としてTPPを用い、重合時にポリエステル樹脂に
対して表1記載の重量%となる量を添加して重合し、ポリ
エステル樹脂中に含有させた。実施例および比較例で得
られたポリエステルの特性値を表1にまとめて示す。
【0023】
【表1】
【0024】参考例 実施例1で得られたポリエステル樹脂をペレット化し、
常法により乾燥した後、通常の溶融紡糸装置を用いて紡
糸温度290℃で溶融紡糸し、1400m/分の速度で未延伸糸
を捲き取った。この未延伸糸を延伸機に供給し、80℃で
予熱した後、温度150℃のヒートプレートに接触させな
がら3.5倍に延伸、熱処理して捲き取り、83dtex/36fの
フィラメントヤーンを得た。得られた繊維について、オ
リエンテック社製テンシロンRTC-1210型を用い、50cmの
試料を50cm/分の速度で引張試験を行い、そのストレス
−ストレイン曲線から強度、伸度を求めたところ、強度
=3.15cN/dtex、伸度=30.5%と、良好な強伸度特性を有し
ていた。次に、得られた繊維を筒編地にし、その1gを長
さ10.0cmに丸めて10.0mm径の針金コイル中に挿入し、45
度の角度に保持して、下端から口径0.64mmのミクロバー
ナーで点火し、火源を遠ざけて消火した場合は再び点火
を繰り返し、全試料が燃焼しつくすまでに要する点火回
数を求めたところ、5個の試料についての点火回数の平
均は4.5回と優れた耐炎性を有しており、接炎時に下部
に置いた脱脂綿への溶融落下による着火は見られなかっ
た。
【0025】表1から明らかなように、実施例1〜7のポ
リエステル樹脂組成物は、接炎時の溶融落下を起こし難
く、UL94規格に準じた燃焼性試験においてV-1以上の優
れた耐炎性を有していた。また、参考例に示したよう
に、樹脂組成物の曳糸性は良好であり、優れた耐炎性を
有した繊維を得ることが可能であった。一方、比較例1
および3では、フェノール性水酸基を有する芳香族ジカ
ルボン酸の共重合が少ないために、接炎時の溶融落下が
激しく、UL94規格に準じた燃焼性試験において綿着火を
起こした。また、比較例2および4では、リン化合物の含
有量が少ないために耐炎性が不十分なものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、接炎時の有毒ガスの発
生や、樹脂の溶融落下による火災の拡大という問題がな
く、優れた火災防止効果を有する樹脂製品を得ることが
できる耐炎性ポリエステル樹脂組成物が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分および/またはジカル
    ボン酸以外のエステル形成性二官能性カルボン酸成分と
    ジオール成分とから構成されるポリエステル樹脂とリン
    化合物とからなる組成物であって、フェノール性水酸基
    を少なくとも1個以上有する芳香族ジカルボン酸成分
    が、全酸成分に対して2モル%以上共重合し、かつ、リン
    化合物が、リン原子の重量としてポリエステル樹脂に対
    して500ppm以上含有していることを特徴とする耐炎性ポ
    リエステル樹脂組成物。
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