JP2001137338A - シリンジ用ピストンの摺動部材及びその製造方法 - Google Patents
シリンジ用ピストンの摺動部材及びその製造方法Info
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Abstract
ール部材を用いず、無菌的に製造できるシリンジ用摺動
部材及びその製造方法を提供するにある。 【解決手段】 シリンダ(C)内で往復摺
動し得るピストン(P)の少なくとも摺動部(A1)を、熱可
塑性プラスチック製の摺動本体部(a11)と、該摺動本体
部(a11)の少なくともシリンダ壁との対向面に設けられ
かつ弾性変形により上記シリンダ壁に弾接して摺動し得
る熱可塑性エラストマ製の弾性摺接部(a12)とから構成
する共に、上記摺動本体部(a11)と上記弾性摺接部(a12)
とを熱融着して一体化する。
Description
の摺動部材及びその製造方法の改良に関する。
収納されて往復摺動し得るピストンとから構成されてい
る。そして上記ピストンの頭部には、シリンダ内壁に弾
接して液密性を保持して摺動する摺動部分を有してい
る。
がプラスチックから成形されここに例えばブチルゴム等
の加熱加硫型ゴム製摺動部材が別体で嵌め込まれてい
る。
と接触するものであり、ゴム部分に配合されている可塑
剤や硫黄系、アミン等の架橋剤やプロセス油や顔料等
(以下、不純物という)が薬液内に浸出するおそれがあ
って、これを防止するため、高温アルカリ洗浄、高
温酸性洗浄、純水洗浄、超純水洗浄、無菌乾燥、
等からなる煩雑な洗浄工程を必要とせざるを得ないもの
となっている。
ならないゴム製摺動部材は、これ自身ではブラスチック
壁との摺動性は殆ど無く、従ってプラスチック部分とゴ
ム製摺動部分との間にシリコングリスを塗布する必要が
あり、このシリコングリスの人体への影響が問題となっ
ている。
行えたとしても、ゴム製摺動部材の製造時から滅菌時ま
での多工程の間にバクテリアその他の微生物が付着する
可能性が充分あり、このまま滅菌処理すれば付着したバ
クテリアその他の微生物由来の死滅タンパク等(パイロ
ジェンといわれている)が薬液に混入することも十分あ
り得、体内に入れば異常な原因不明の発熱を引き起こす
虞れがある。
な別体の加熱加硫型ゴム製摺動部材を用いず、無菌的に
製造できさらにシリコングリス等の塗布無しに摺動性を
有するシリンジ用ピストンの摺動部材及びその製造方法
を提供するにある。
1』に係る発明によれば、『シリンダ(C)内で往復摺動
し得るピストン(P)の少なくとも摺動部を構成する熱可
塑性プラスチック製の摺動本体部(a11)と、該摺動本体
部(a11)の少なくともシリンダ(C)壁との対向面に設けら
れかつ弾性変形により上記シリンダ(C)壁に弾接して摺
動し得る熱可塑性エラストマ製の弾性摺接部(a12)とか
らなり、上記摺動本体部(a11)と上記弾性摺接部(a12)と
が熱融着により一体化されてなるシリンジ用ピストン
(P)の摺動部材(A1)』が提供される。
うに、上記『請求項1』の構成において、さらに『上記
弾性摺接部(a22)の表面の少なくともシリンダ(C)壁との
接触部分に、少なくとも表面がポリエチレン又はポリプ
ロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンとを主とす
る共重合体にて構成される薄膜(a23)が熱融着されたシ
リンジ用ピストン(P)の摺動部材(A2)』を提供する事も
できる。
方法として、下記する2つの方法を提供することが出来
る。
すように、『シリンダ(C)内で往復摺動し得るピストン
(P)の少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチッ
ク製の摺動本体部(a11)と、該摺動本体部(a11)の少なく
ともシリンダ(C)壁との対向面に熱融着して一体的に設
けられかつ弾性変形により上記シリンダ(C)壁に弾接し
て摺動し得る熱可塑性エラストマ製の弾性摺接部(a12)
からなる摺動部材(A1)を製造する方法であって、第1の
金型キャビティ(u)に熱可塑性プラスチックを射出して
上記摺動本体部(a11)を成形し、その後該摺動本体部(a1
1)を第2の金型キャビティ(v)内に収納して熱可塑性エ
ラストマを射出して上記摺動本体部(a11)の少なくとも
上記対向面に融着一体化した弾性摺接部(a12)を成形す
ることからなるシリンジ用ピストン(P)の摺動部材(A1)
の製造方法』である。
ように、『シリンダ(C)内で往復摺動し得るピストン(P)
の少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチック製
の摺動本体部(a21)と、該摺動本体部(a21)の少なくとも
シリンダ(C)壁との対向面に熱融着して一体的に設けら
れかつ弾性変形により上記シリンダ(C)壁に弾接して摺
動し得る熱可塑性エラストマ製の弾性摺接部(a22)と、
該弾性摺接部(a22)の表面の少なくともシリンダ(C)壁と
の接触部分に熱融着により一体的に設けられる熱可塑性
薄膜(a23)からなる摺動部材(A2)を製造する方法であっ
て、第1の金型キャビティ(w)に熱可塑性プラスチック
を射出して上記摺動本体部(a21)及びこれの側周を間隙
を隔てて囲む薄膜部(a23)を一体的に成形し、次いで、
得られた該成形物を第2の金型キャビティ(v)に収納し
て上記間隙に熱可塑性エラストマを射出して摺動本体部
(a21)と薄膜部(a23)とに融着一体化した弾性摺接部(a2
2)を成形することからなるシリンジ用ピストン(P)の摺
動部材(A2)の製造方法』である。
動本体部(a11)が熱可塑性プラスチックから成形される
と共に、その外側の少なくともシリンダ(C)壁との対向
面に設けられる弾性摺接部(a12)は熱可塑性エラストマ
から成形されるので、いずれも射出成形により製造する
ことができ、人手を介さずかつ滅菌するに十分な温度条
件下で製造できることとなる。また、本体部(a11)と弾
性摺接部(a12)とは熱融着して一体化されているので、
これらの間に薬液が浸み込むことはない。
求項1の摺動部材(A1)の弾性摺接部(A11)の表面の少な
くともシリンダ(C)壁との接触部分に、少なくとも表面
がポリエチレン又はポリプロピレン又はポリエチレンと
ポリプロピレンとを主とする共重合体にて構成される薄
膜(A23)が熱融着されているので、非常に摺動性が良好
となり、従来のようなシリコングリスを塗布する必要が
なくなる。
1の金型キャビティ(u)内で熱可塑性プラスチックの射
出により成形された摺動本体部(a11)は、第2の金型キ
ャビティ(v)に収納されて、そこでその所定の外面に熱
可塑性エラストマが射出され、これによりプラスチック
製の摺動本体部(a11)の外面の所定部位にエラストマが
融着して弾性摺接部(a12)が一体的に成形された摺動部
材(A1)が製造されることとなる。
1の金型キャビティ(w)内で熱可塑性プラスチックの射
出により、摺動本体部(a21)及びこれの側周を間隙を隔
てて囲む薄膜部(a23)が一体的に形成された成形物が得
られ、該成形物を第2の金型キャビティ(v)内に収納し
て上記間隙に熱可塑性エラストマを射出する事により、
摺動本体部(a21)と薄膜部(a23)とに融着一体化した弾性
摺接部(a22)が製造されることとなる。
トマとは、硬質高分子物質と軟質高分子物質とを組合せ
た構造を有するものであり、常温でゴム弾性を示し、高
温では熱可塑性プラスチックと同様に可塑化され成形で
きるものであって、加硫剤や加硫促進剤等の添加物が不
必要なものを意味する。
ば、スチレン系エラストマ(硬質分:ポリスチレン、軟
質分:ポリブタジエン、ポリイソプレン)、オレフイン
系エラストマ(硬質分:ポリプロピレン、軟質分:エチ
レンαオレフィンゴム)、ポリエステル系エラストマ
(硬質分:ポリエステル、軟質分:ポリエーテル)、ポ
リアミド系エラストマ(硬質分:ポリアミド、軟質分:
ポリエーテル)その他ポリウレタン系エラストマ等が挙
げられる。
しては、射出成形が可能な当該分野で公知のものを使用
することができ、ポリプロピレン、ポリカーボネート等
が好適なものとして挙げられる。
可塑性プラスチックとは熱融着し得る組合せが選択さ
れ、好適な組合せ例としては、本願『請求項3』に示す
ようにスチレン系エラストマとオレフィン系プラスチッ
クとの組合せを挙げることができるが、別段これに限定
されない。またこのとき、オレフィン系プラスチックに
は本願『請求項4』に示すようにポリプロピレンが好適
なものとして挙げられる。
金型キャビティ(u)(w)及び第2の金型キャビティ(v)を
夫々構成する金型を設けた公知の二色射出成形機を好適
に用いることができる。
プラスチックとの組合せは、本願『請求項7』に示すよ
うに、スチレン系エラストマとオレフィン系プラスチッ
クとの組合せを好適なものとして挙げることができ、ス
チレン系エラストマの射出条件としては、例えば温度 1
80℃程度、射出速度10ml/sec程度等が挙げられ、オレフ
ィン系プラスチックとしてポリプロピレンを選択した場
合、その射出条件としては、例えば温度 220℃、射出速
度50ml/sec、射出圧1000kgf/cm2等が挙げられる。以上
の射出条件から理解されるように、射出条件はそのまま
滅菌できる条件となっている。
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
造方法の一例により製造した摺動部材を頭部に用いたピ
ストン及び通常のシリンダとからなるシリンジの縦断面
概略図である。同図のシリンジ(S)は、シリンダ(C)とピ
ストン(P)とキャップ(K)から主として構成されており、
上記ピストン(P)はピストン本体部(10)と摺動部材(A1)
とから構成されている。
1)、後端に指掛け部(c2)、この間に筒状のピストン装填
部(c3)が設けられた通常の形態のものであり、本例では
環状ポリオレフィンにて構成されているが、別段この樹
脂に限定されなく、ポリカーボネートやポリプロピレン
等の樹脂やガラス等が好適なものとして挙げられる。
装着部(101)、後端に指当て部(102)が設けられた中実体
から構成されている。そして上記頭部装着部(101)は、
後述する摺動部材(A1)に圧入できるように細径に形成さ
れている。なお、圧入に替えてネジ装着であっても良
い。
(10)はいずれも射出成形により簡単に構成することがで
きる。射出材料は環状ポリオレフィンが好ましいが、別
段これに限定されない。
体部(a11)とその外側に設けられる弾性摺接部(a12)とか
ら構成されている。本例では、上記摺動本体部(a11)は
ポリプロピレンにて形成されており、弾性摺接部(a12)
はスチレン系エラストマにより形成されている。
弾性摺接部(a12)とが熱融着していて一体化している。
成形機を使用して製造することができる。その方法の一
例を図2〜6を参照して説明する。
に示されるように、4本のタイバー(x1)に挿通されて固
定される上部プラテン(x2)と、同タイバー(x1)に挿通さ
れてこれに案内されて上下移動する移動プラテン(x3)
と、上記上部プラテン(x2)の下面に取付けられる2つの
凹金型(x41)及び(x42)と、上記移動プラテン(x3)の中央
部を挿通する回転軸(x51)を有して該移動プラテン(x3)
の下面に取付けられる回転モータと(x5)と、この回転モ
ータ(x5)の回転軸(x51)に固定される回転板(x6)と、こ
の回転板(x6)上に固定され、上記2つの凹金型(x41)及
び(x42)にそれぞれ対応する位置に凸型(x71)及び(x72)
が形成された移動金型(x7)とから主として構成されてい
る。なお、凹金型(42)は割型構造となっている。
(x71)及び(x72)は、回転板(x6)の180度毎の回転に対
応して常に凹金型(x41)又は(x42)と対応するように位置
決めされている。また、図に示すように、各凸型(x71)
(x72)に対応してエジェクトピン(x81)(x82)がそれぞれ
バネ付勢されて設けられている。
ン(x2)と移動プラテン(x3)との間には伸縮自在なカバー
(x9)が取付けられており、これによって、成形作動空間
を密封できるようになっている。なお、(x10)はエジェ
クト用エアシリンダである。
成形に先立って、通常は成形機そのものが無菌状態にさ
れたクリーンルーム内の、さらにクリーンブース内に設
置されているが、図に示すように成形作動空間のみをカ
バー(x9)で密閉して無菌状態にする事もできる。
て上部プラテン(x2)に近接し、凹金型(x41)と凸金型(x7
1)及び凹金型(x42)と凸金型(x72)とがそれぞれ対応した
状態で型締めされ、第1の金型キャビティ(u)及び第2
の金型キャビティ(v)が形成される。
1)から、温度 220℃で保持されて可塑化されたポリプロ
ピレンが、射出速度50ml/secで射出される。このとき、
第2の金型キャビティ(v)には射出成形機(z2)から、温
度 160℃で保持されて可塑化されたスチレン系エラスト
マ(硬質分:ポリスチレン、軟質分:ポリブタジエン、
ポリイソプレン)が、射出速度10ml/secで射出される。
(u)(v)内で射出樹脂が硬化した後、図3に示すように凹
金型(x42)が割れかつ移動プラテン(x3)が下降して型開
きされると、凸型(x71)には成形された摺動本体部(a11)
が付着して取り出され、凸型(x72)には摺動本体部(a11)
の外側に弾性摺接部(a12)が形成された摺動部材(A1)が
付着して取り出される。
リプロピレン製摺動本体部(a11)と外側のスチレン系エ
ラストマ製弾性摺接部(a12)とは互いに熱融着して強固
に一体化しており、さらに弾性摺接部(a12)は同図に示
すように段差が形成された形状となっている。
下方からエジェクトピン(x82)がエアシリンダ(x10)の駆
動によって上昇されて、凸型(x72)から摺動部材(A1)が
取り外される。
回転し摺動本体部(a11)を付着した状態の凸型(x71)が凹
金型(x42)と対応する位置に来る。そして、図6に示す
ように、移動プラテン(x3)が上昇して型締めが行われ
る。以下、上述した図2〜6の操作が繰返される。
ることができる。このとき、弾性摺接部(a12)を構成す
るエラストマ及び摺動本体部(a11)を構成するプラスチ
ックは、それぞれ温度 220℃、 160℃で維持されてお
り、成形空間は無菌状態に維持されているので、摺動部
材(A1)を無菌的に製造することができる。
ン本体部(10)の先端に圧入されることとなる。なお、こ
のような圧入構造に替えてネジによる螺合構造にしても
良いことは言うまでもない。
な形状のもので、シリンダ(C)の先端の針装着部(k1)を
挿入する有底筒状の挿着孔部(k1)を中央に有し、この挿
着孔部(k1)に外筒部(k2)が連結されている。
(k1)の筒部の肉厚は底部側から開口部側にかけて漸次薄
くなるように形成されている。しかも、挿着孔部(k1)は
先細り状の孔に構成されており、底部近傍の孔内径は、
シリンダ(C)の針装着部(k1)の先端の外径よりも若干小
さくなるように調節されている。
ストン本体部(10)と同様、射出成形により簡単に構成す
ることができる。射出材料も環状ポリオレフィンが好ま
しいが、別段これに限定されなく、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート等の熱可塑性プラスチックや熱可塑性エ
ラストマ等が好適なものとして挙げられる。
は、シリンダもピストンもキャップも全て高温・高圧の
射出成形により製造できるので、人の手を介さず無菌的
に製造できるものである。
部材(A1)の弾性変形する弾性摺接部(a12)は、加硫剤や
加硫促進剤等の添加物を含有しない熱可塑性エラストマ
により製造されているので、薬液中へのこれらの添加物
の浸出の心配が無く、従って、従来のような添加物を取
り除く煩雑な処理工程を必要とせずに、しかも射出成形
工程のみで簡単にかつ無菌的に製造できる。
造方法の他の例により製造した摺動部材を頭部に用いた
ピストン及び通常のシリンダとからなるシリンジの縦断
面概略図である。本例は、頭部摺動部材を若干変更する
以外は実施例1と同様であり、実施例1と同一部材につ
いては同一番号で示し、これらについての説明は省略す
る。
動本体部(a21)とその外側に設けられる弾性摺接部(a22)
と、更にその外側に設けられる摺動性フィルム(a23)か
ら構成されている。本例では、上記摺動本体部(a21)及
び上記摺動性フィルム(a23)はいずれもポリプロピレン
にて形成されており、弾性摺接部(a22)はスチレン系エ
ラストマにより形成されている。
1)と弾性摺接部(a22)及び弾性摺接部(a22)と摺動性フィ
ルム(a23)はいずれも熱融着していてこれらは一体化し
ている。
二色射出成形機を使用し、例えば図8〜12に示す手順
により製造することができる。但し、本例で使用する二
色射出成形機(XX)は、第1の金型キャビティ(w)を構成
する凹金型(x43)を図に示す如く変更する以外は実施例
1で用いたものと同様の構成であり、従って、実施例1
と同一の部材については同一番号で示し、これらについ
ての説明及び成形作動の説明を省略する。
は、摺動本体部(a21)成形用空間及びこれを所定の間隔
を開けて取り囲む及び摺動性フィルム(a23)成形用空間
を一体的に形成し得るように構成されている。
れた第1成形物は、図12に示されるように第2の金型
キャビティ(v)内に収納されるが、このとき摺動性フィ
ルム(a23)は金型キャビティ(v)内の壁面には添っていな
いが、次いで射出成形機(z2)から熱可塑性エラストマが
射出されたとき、その熱及び射出圧により摺動性フィル
ム(a23)は凹金型(x42)の内面形状に従うと共に熱可塑性
エラストマに熱融着される。
(A2)は、弾接摺接部(a22)の外面にポリプロピレン製の
摺動性フィルム(a23)が一体的に融着されているので、
シリンダ壁面との摺動性が非常に良好となっており、使
用に際してはシリンダ壁と液密に弾接しながらもスムー
スに摺動することが出来る。
る各発明によれば、弾性摺接部が熱可塑性エラストマに
て構成されると共に摺動本体部が熱可塑性プラスチック
にて構成されるので両者を射出成形により製造すること
ができて非常に簡単であると共に、人手を介さずに高温
・高圧工程を経て無菌的に製造できる。
塑性プラスチックからなる塑性部に熱可塑性エラストマ
からなる弾性部がしっかりと結合され、弾性部を塑性部
により強固に支持することができて従来のように弾性シ
ール部を塑性部に別体で取付ける必要が無い上、熱可塑
性エラストマには加硫剤や加硫促進剤等の添加物は混入
されていないので、従来の別体のゴム製のシール部材に
対して医療用途に用いる際に行われていた高温アルカ
リ洗浄、高温酸性洗浄、純水洗浄、超純水洗浄、
無菌乾燥、等の煩雑な処理が一切必要なくなり、非常
に簡単に医療用のものが製造できることとなった。
化のために両者の間に薬液がしみこんだり微生物の死滅
タンパクが残留したりするということが全く無く、各種
の医療用途に極めて有用な医療用シール部材を提供する
ことができる。
各発明によれば、弾性摺接部の表面がポリエチレン又は
ポリプロピレンにて構成されているので、液密性を十分
に保持しながらもシリンダ壁面との摺動性が非常に良好
となっており、従来のようなシリコングリスの塗布が全
く不要となって人体に悪影響を与えることが無く、しか
もスムースな摺動で薬液の計量や注入に支障を来すこと
がない。
各発明によれば、熱可塑性エラストマにスチレン系エラ
ストマを選択し、熱可塑性プラスチックにオレフィン系
プラスチックを選択して、これらを組み合わせて射出成
形に付せば、これらの界面の熱融着は非常に良好なもの
となる。
各発明によれば、熱可塑性エラストマにスチレン系エラ
ストマを選択し、熱可塑性プラスチックにオレフィン系
プラスチックのうちのポリプロピレンを選択して、これ
らを組み合わせて射出成形に付せば、これらの界面の熱
融着は最も良好なものとなる。
用いたシリンジの縦断面概略図
形機を用いて行うときの第1工程の要部断面概略図
形機を用いて行うときの第2工程の要部断面概略図
形機を用いて行うときの第3工程の要部断面概略図
形機を用いて行うときの第4工程の要部断面概略図
形機を用いて行うときの第5工程の要部断面概略図
を用いたシリンジの図1相当図
形機を用いて行うときの第1工程の要部断面概略図
形機を用いて行うときの第2工程の要部断面概略図
成形機を用いて行うときの第3工程の要部断面概略図
成形機を用いて行うときの第4工程の要部断面概略図
成形機を用いて行うときの第5工程の要部断面概略図
Claims (8)
- 【請求項1】 シリンダ内で往復摺動し得るピス
トンの少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチッ
ク製の摺動本体部と、該摺動本体部の少なくともシリン
ダ壁との対向面に設けられかつ弾性変形により上記シリ
ンダ壁に弾接して摺動し得る熱可塑性エラストマ製の弾
性摺接部とからなり、上記摺動本体部と上記弾性摺接部
とが熱融着により一体化されてなるシリンジ用ピストン
の摺動部材。 - 【請求項2】 上記弾性摺接部の表面の少なくと
もシリンダ壁との接触部分に、少なくとも表面がポリエ
チレン又はポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロ
ピレンとを主とする共重合体にて構成される薄膜が熱融
着されてなる請求項1記載のシリンジ用ピストンの摺動
部材。 - 【請求項3】 熱可塑性エラストマがスチレン系
エラストマであり、熱可塑性プラスチックがオレフィン
系プラスチックである請求項1又は2に記載のシリンジ
用ピストンの摺動部材。 - 【請求項4】 熱可塑性プラスチックがポリプロ
ピレンである請求項3記載のシリンジ用ピストンの摺動
部材。 - 【請求項5】 シリンダ内で往復摺動し得るピス
トンの少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチッ
ク製の摺動本体部と、該摺動本体部の少なくともシリン
ダ壁との対向面に熱融着して一体的に設けられかつ弾性
変形により上記シリンダ壁に弾接して摺動し得る熱可塑
性エラストマ製の弾性摺接部からなる摺動部材を製造す
る方法であって、 第1の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出し
て上記摺動本体部を成形し、その後該摺動本体部を第2
の金型キャビティ内に収納して熱可塑性エラストマを射
出して上記摺動本体部の少なくとも上記対向面に融着一
体化した弾性摺接部を成形することからなるシリンジ用
ピストンの摺動部材の製造方法。 - 【請求項6】 シリンダ内で往復摺動し得るピス
トンの少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチッ
ク製の摺動本体部と、該摺動本体部の少なくともシリン
ダ壁との対向面に熱融着して一体的に設けられかつ弾性
変形により上記シリンダ壁に弾接して摺動し得る熱可塑
性エラストマ製の弾性摺接部と、該弾性摺接部の表面の
少なくともシリンダ壁との接触部分に熱融着により一体
的に設けられる熱可塑性フィルムからなる摺動部材を製
造する方法であって、 第1の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出し
て上記摺動本体部及びこれの側周を間隙を隔てて囲む薄
膜部を一体的に成形し、次いで、得られた該成形物を第
2の金型キャビティ内に収納して上記間隙に熱可塑性エ
ラストマを射出して摺動本体部と薄膜部とに融着一体化
した弾性摺接部を成形することからなるシリンジ用ピス
トンの摺動部材の製造方法。 - 【請求項7】 熱可塑性エラストマがスチレン系
エラストマであり、熱可塑性プラスチックがオレフィン
系プラスチックである請求項5又は6に記載のシリンジ
用ピストンの摺動部材の製造方法。 - 【請求項8】 熱可塑性プラスチックがポリプロ
ピレン又はポリエチレンである請求項7記載のシリンジ
用ピストンの摺動部材の製造方法。
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