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JP2001136690A - 回転機のロータ - Google Patents

回転機のロータ

Info

Publication number
JP2001136690A
JP2001136690A JP32013899A JP32013899A JP2001136690A JP 2001136690 A JP2001136690 A JP 2001136690A JP 32013899 A JP32013899 A JP 32013899A JP 32013899 A JP32013899 A JP 32013899A JP 2001136690 A JP2001136690 A JP 2001136690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
radially
permanent magnet
permanent magnets
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP32013899A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kuwabara
徹 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP32013899A priority Critical patent/JP2001136690A/ja
Priority to EP00122309A priority patent/EP1100175A3/en
Priority to US09/696,950 priority patent/US6429566B1/en
Priority to CN00133525A priority patent/CN1296324A/zh
Publication of JP2001136690A publication Critical patent/JP2001136690A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/27Rotor cores with permanent magnets
    • H02K1/2706Inner rotors
    • H02K1/272Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis
    • H02K1/274Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets
    • H02K1/2753Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets the rotor consisting of magnets or groups of magnets arranged with alternating polarity
    • H02K1/276Magnets embedded in the magnetic core, e.g. interior permanent magnets [IPM]
    • H02K1/2766Magnets embedded in the magnetic core, e.g. interior permanent magnets [IPM] having a flux concentration effect
    • H02K1/2773Magnets embedded in the magnetic core, e.g. interior permanent magnets [IPM] having a flux concentration effect consisting of tangentially magnetized radial magnets

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能を向上させること。 【解決手段】 回転軸12が一体に装着された、非磁性
材料からなる本体部20と、本体部20に一体に周方向
に交互に密着して放射状に配列された永久磁石16及び
磁性部材18とから構成された回転機2のロータ4。磁
性部材18の各々の、永久磁石16に密着した周方向両
側面における半径方向外側端間の周方向長さlは、永久
磁石16の各々の半径方向長さhよりも大きく規定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電機又は電動機
である回転機のロータ、更に詳しくは回転軸が実質上一
体に装着された、非磁性材料からなる本体部と、本体部
に一体に周方向に交互に密着して放射状に配列された永
久磁石及び磁性部材とから構成された、回転機のロータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】発電機又は電動機である回転機を構成す
るロータの一つの具体例は、回転軸と、回転軸に嵌合・
装着されたスリーブと、スリーブの外周部に周方向に交
互に密着して放射状に配列された永久磁石及び磁性部材
と、スリーブ、永久磁石及び磁性部材の各々の軸方向両
側面に配置されかつそれらを軸方向に挟んで保持する一
対のサイドカバーとを備えている。スリーブ及び一対の
サイドカバーは、オーステナイト系のステンレスあるい
はアルミニウム合金等の非磁性材料から形成されてい
る。磁性部材の各々は、磁性材料からなる金属板、例え
ば電磁鋼板の積層体から構成されている。
【0003】スリーブは回転軸に対しキー結合されるこ
とによりそれと一体に連結されている。スリーブの外周
面には周方向に間隔をおいて軸方向に延在する溝が形成
され、電磁鋼板の積層体からなる磁性部材の各々におけ
る半径方向内側の、上記溝の各々に対応する位置には、
それぞれ半径方向内側に延び出す突起部が形成されてい
る。磁性部材の各々は、各々の突起部がスリーブの外周
面に形成された対応する溝に嵌合されることにより、回
転軸に連結されたスリーブに対し相対回転できないよう
に配設される。磁性部材の各々には、永久磁石の各々よ
りも半径方向外側に延び出す突出部が形成されている。
該突出部の各々には周方向両側に延び出すフランジ部が
形成されているので、磁性部材の各々がスリーブに配設
され、永久磁石の各々が、磁性部材の各々の周方向に形
成される放射状の空間部内に挿入・保持された状態にお
いて、永久磁石の各々の半径方向外側端は、周方向に間
隔をおいて対向する上記フランジ部の各々によって半径
方向外側への抜け出しが防止されるように保持される。
上記一対のサイドカバー間には、一方のサイドカバーか
ら、磁性部材の各々及び他方のサイドカバーを貫通する
ように複数の通しボルトが配設されている。通しボルト
の各々の端部をナットで締め付けることにより、回転軸
に連結されたスリーブの外周部に配置された永久磁石及
び磁性部材の各々は、スリーブと共に一対のサイドカバ
ー間に軸方向両側面が挟み込まれることによって、回転
軸と一体に連結されている。磁性部材の各々の半径方向
外側端面は、それぞれ実質上同一形状の円弧面をなすと
共に、回転軸と同一軸心を有する一つの円形外周面上に
周方向に間隔(周方向に対向する上記フランジ部間に形
成される間隔)をおいて位置付けられるよう構成されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のロータにおいて、より強力な磁界を確保して回
転機の高性能化を図るためには、放射状に配列された永
久磁石の各々の半径方向長さを可能な限り長くしかつ多
極化する手段を施すことにより対応していた。しかしな
がら、永久磁石の各々の半径方向長さを可能な限り長く
し、しかも、永久磁石の数を可能な限り増大することに
よって多極化した場合には、永久磁石の各々と周方向に
交互に配設された磁性部材の各々の周方向の幅が過剰に
狭くなり、しかも、磁性部材の各々の外周面から永久磁
石の各々の半径方向内側端までの距離が長くなるので、
組付後における着磁が著しく困難となる。すなわち近
年、永久磁石の性能は著しく向上し、小型で強力な磁界
が得られることに付随して、着磁時に強力な磁化力を加
えることになるが、磁性部材の各々の周方向の幅が過剰
に狭くなると、組付後における着磁作用時において磁束
の飽和が発生し、永久磁石の各々を所望のとおりに着磁
することが不可能となる。それに加えて、磁性部材の各
々の外周面から永久磁石の各々の半径方向内側端までの
距離が長くなると、永久磁石の各々の半径方向内側端に
近い部分ほど磁束が入りにくくなり、着磁は一層困難と
なる。その結果、永久磁石の数を増大しかつ多極化した
にもかかわらず、発電機又は電動機である回転機の性能
を所望のとおりに向上させることができない。
【0005】また上記従来のロータは、回転軸、スリー
ブ、回転軸とスリーブとを連結するためのキー、複数の
永久磁石、複数の磁性部材、一対のサイドカバー、複数
の通しボルト及びナット等の、多種類かつ多数の部品か
ら構成され、しかもこれら多種類かつ多数の部品を寄せ
集めて組み付けなければならないため、部品点数及び組
付工数が多く、組付作業が煩雑となって労力の負担が大
きく、比較的長い組付時間を要し、全体として製作コス
トが高くなる。
【0006】本発明は上記事実に基づいてなされたもの
であり、その目的は、永久磁石の数を増大して多極化す
ると共に、一体化した後においても永久磁石の各々を十
分確実に着磁することを可能にし、性能を向上させるこ
とができる、新規な回転機のロータを提供することであ
る。
【0007】本発明の更に他の目的は、永久磁石の数を
増大して多極化すると共に、一体化した後においても永
久磁石の各々を十分確実に着磁することを可能にして性
能を向上させることができ、しかも構成が簡単で部品点
数が少なく、従来よりも低コストで製作することを可能
にする、新規な回転機のロータを提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、永久磁石の各々の抜
けを確実に防止すると共に一体化した後においても永久
磁石の各々を十分確実に着磁することを可能にし、性能
を向上させることができる、新規な回転機のロータを提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、軸手段
が実質上一体に装着された、非磁性材料からなる本体部
と、本体部に一体に周方向に交互に密着して放射状に配
列された永久磁石及び磁性部材とから構成され、磁性部
材の各々の、永久磁石に密着した周方向両側面における
半径方向外側端間の周方向長さは、永久磁石の各々の半
径方向長さよりも大きく規定される、ことを特徴とする
回転機のロータ、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態を添
付図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図1〜図
19において実質上同一部分は同一符号で示されてい
る。全体を番号2で示す発電機である回転機は、図1〜
図4に示すように、ロータ4と、一対のケース部材6及
び8と、ステータ10とを備えている。ロータ4は、ス
リーブ14を介して一体に装着された回転軸12と、複
数の永久磁石16と、複数の磁性部材18と、本体部2
0とから構成されている。永久磁石16の各々は本体部
20内に完全に埋設され、また磁性部材18の各々は半
径方向外側端面のみが露呈され他の表面は全て本体部2
0内に埋設されるよう構成されている。
【0011】以下、本発明によるロータ4の構成(完成
された構成)について更に具体的に説明する。図2〜図
4を参照して、本体部20は、アルミニウム合金あるい
は亜鉛合金等の非磁性材料、実施形態ではアルミニウム
合金からなり、後述するようにダイキャストによって、
スリーブ14、永久磁石16の各々及び磁性部材18の
各々を一体に埋設して、実質上円形をなす外周面と、軸
方向に直交するよう延在する両側面とを有するよう形成
されている。本体部20にはスリーブ14が一体に装着
されている。スリーブ14は、本体部20の外周面と共
通の軸心を有するよう位置付けられると共にその軸方向
の両端部を除く全ての外周面が本体部20によって覆わ
れるよう配設されている。スリーブ14の貫通孔14a
(図8参照)に回転軸12が圧入されることによって、
回転軸12がスリーブ14を介して本体部20に一体に
装着される。この実施形態において、スリーブ14及び
回転軸12は軸手段を構成するので、軸手段は本体部2
0に実質上一体に装着される。回転軸12は、本体部2
0の両側面から軸方向外方にそれぞれ所定の長さだけ突
出するよう、その長さが規定されている。
【0012】本体部20には、複数の永久磁石16及び
複数の磁性部材18が一体に埋設されている。永久磁石
16の各々は相互に実質上同一の形状をなし、また磁性
部材18の各々も相互に実質上同一の形状をなしてい
る。永久磁石16及び磁性部材18は、本体部20に周
方向に交互に密着して放射状にそれぞれ等ピッチで配列
されている。この配設状態において、永久磁石16の各
々及び磁性部材18の軸方向両側面は実質上同一面上に
位置付けられている。なお「軸方向」とは、回転軸1
2、スリーブ14及び本体部20の共通の軸線方向、し
たがってロータ4の軸線方向を意味するもので、以下
「軸方向」とは、特段の記載がない限り、上記方向を意
味するものとする。
【0013】磁性材料から形成される磁性部材18の各
々は、実質上同一の形状をなす複数の電磁鋼板、実施形
態においては、複数の珪素鋼板の積層体から構成されて
いる。磁性部材18の各々は、回転軸12と同心の円弧
形状をなす半径方向外側端面と、接線方向に直線状に延
在する半径方向内側端面と、半径方向に延在する周方向
両側面とを有している。上記内側端面の周方向中央に
は、半径方向内側に向かって突出する抜け止め用の突起
部18aが軸方向の全域にわたって延在するよう形成さ
れている。突起部18aの各々の半径方向内側先端部
は、軸方向から見て半径方向内側に向かって末広がりの
形状をなしている。軸方向から見て、上記周方向両側面
における半径方向外側寄り部分の、周方向に相互に対向
する側面の各々は、軸心を通りかつ該側面間の周方向中
心を通る直線に平行に形成され、上記周方向両側面にお
ける半径方向内側寄り部分の、周方向に相互に対向する
側面の片方は、該直線に平行に形成され、また該側面の
他方は、該直線に対し鈍角の凹部をなすよう形成されて
いる。上記内側寄り部分の該側面の他方は、軸方向から
見て、二つの直線状の傾斜面によって上記凹部が形成さ
れるよう構成されている。上記外側寄り部分の、周方向
に相互に対向する側面の各々間には、軸方向から見て、
ほぼ正方形に近い矩形状をなす空間部(本体部充填用空
間部)が形成され、また上記内側寄り部分の、周方向に
相互に対向する側面の各々間には、軸方向から見て、周
方向幅よりも半径方向の長さが若干長い、概ね矩形状を
なす空間部(永久磁石挿入・保持用空間部)が形成され
る。したがって、永久磁石挿入・保持用空間部の各々に
は、各々の半径方向内側端及び外側端の周方向幅よりも
大きな周方向幅が形成されるように上記凹部が形成され
ている。なお上記凹部は、永久磁石挿入・保持用空間部
の各々の半径方向外側寄り部分に形成されている。本体
部充填用空間部の周方向幅は、永久磁石挿入・保持用空
間部の周方向幅(最大幅)よりも大きく形成されてい
る。そして両空間部の半径方向の境界部にはアール形状
をなす段部が形成されている。
【0014】磁性部材18の各々の形状を別の表現で説
明すると、磁性部材18の各々には、永久磁石16の各
々よりも半径方向外側に延び出す突出部18b(図3参
照)が形成されている。永久磁石16の各々の半径方向
外側端面の外方には、突出部18bの各々によって周方
向に本体部20を充填するための空間部(本体部充填用
空間部)が形成される。磁性部材18の各々の、突出部
18bよりも半径方向内側部分18c(図3参照)の各
々によって、周方向に、永久磁石16が密着して挿入・
保持される空間部(永久磁石挿入・保持用空間部)が形
成される。永久磁石挿入・保持用空間部の各々の形状
は、もちろん、後述する永久磁石16が密着して挿入さ
れ、保持されるよう、対応する永久磁石16と整合する
形状に形成される。
【0015】例えばNd−Fe−B系等の永久磁石16
の各々は、非着磁の状態で上記した永久磁石挿入・保持
用空間部の各々内に挿入・保持される。図12及び図1
3に示すように、永久磁石16の各々は、細長いほぼ直
方体形状をなすよう形成されているが、上記説明から明
らかなように、磁性部材18の各々の、永久磁石挿入・
保持用空間部を形成する側面の片方は直線状に延び、側
面の他方は二つの傾斜面から形成された鈍角の凹部をな
しているので、挿入される永久磁石16の各々の両側面
もそれらに整合する形状に形成されている。
【0016】以下、永久磁石16の各々が磁性部材18
に装着された状態を仮定して、永久磁石16の一つにつ
いて説明する。永久磁石16は、上記軸方向と一致す
る、その長手方向に見て(すなわち図12において)、
相互に間隔をおいて平行に直線状に延びる一端面16a
及び他端面16bと、一端面16a及び他端面16bに
直交するよう直線状に延びる一側面16cと、二つの直
線状に延びる傾斜面16d及び16eによって鈍角の凸
部16fが形成された他側面とを備えている。一方の傾
斜面16dは、永久磁石16の半径方向外側寄り部分
(図12においては一端面16a寄り部分)における周
方向他側面に、半径方向外側端である一端面16aに向
かうに従って両側面が相対的に近付く方向に直線状に延
びる、半径方向外側寄り傾斜面16dを規定する。半径
方向外側寄り傾斜面16dは半径方向外側端である一端
面16aに至るまで形成されている。また他方の傾斜面
16eは、永久磁石16の上記半径方向外側寄り部分を
除いた半径方向内側部分(図12においては他端面16
b側の部分)における周方向他側面に、半径方向内側端
である他端面16bに向かうに従って両側面が相対的に
近付く方向に直線状に延びる、半径方向内側傾斜面16
eを規定する。半径方向内側傾斜面16eは半径方向内
側端である他端面16bに至るまで形成されている。半
径方向外側寄り傾斜面16d及び半径方向内側傾斜面1
6eにより、永久磁石16の半径方向外側寄り部分と上
記半径方向内側部分との境界には、凸部16fが形成さ
れる。凸部16fは、半径方向外側端である一端面16
a及び半径方向内側端である他端面16bの周方向幅a
及びbよりも大きな周方向幅cを有している。永久磁石
16の周方向幅(図12において左右方向の幅)は、凸
部16fの形成部分から半径方向外側端(一端面16
a)及び半径方向内側端(他端面16b)に向かうに従
って徐々に小さくなるよう規定される。また半径方向内
側傾斜面16eの長さは、半径方向外側寄り傾斜面16
dの長さよりも長く形成されている。なお、以下の記載
において、永久磁石16における「周方向幅」を単に
「幅」と略称することがある。
【0017】永久磁石16の長手方向の一端面16g及
び他端面16hは、上記一端面16a及び他端面16b
に直交する平坦面からなる。永久磁石16の横断面形状
(図12に示す形状と実質上同一の形状)は、長手方向
の一端から他端にわたって実質上同一に規定されてい
る。図示の実施形態においては、上記長手方向に見て
(図12において)、一端面16aの幅a及び他端面1
6bの幅bは実質上同じに規定され、また凸部16fが
形成された部分の幅(最大幅)cは、上記幅a及びbよ
りも大きく規定されている(a=b<c)。永久磁石1
6の一端面16a及び他端面16b間の長さ(一側面1
6cの長さ)は、一端面16a及び他端面16bの幅の
2倍+α程度に規定され、永久磁石16の長手方向の長
さ(一端面16g及び他端面16h間の長さ)は、一端
面16a及び他端面16bの幅の10倍程度に規定され
ている。
【0018】図2〜図4を参照して、上記のように構成
された永久磁石16の各々は、磁性部材18の各々にお
ける永久磁石挿入用空間部内に挿入・保持される。永久
磁石16の各々が磁性部材18の各々に装着された状態
で、永久磁石16の各々の半径方向外側端面(16a)
は、周方向に延在して上記本体部充填用空間部の一部を
規定する段部の各々と周方向にほぼ同列に位置付けら
れ、各々の半径方向内側端面(16b)は、永久磁石挿
入・保持用空間部の半径方向内側端を規定する、磁性部
材18の半径方向内側端面の各々と周方向にほぼ同列に
位置付けられるよう、相互の長さが規定されている。
【0019】非磁性材料であるアルミニウム合金からな
る本体部20は、永久磁石16の各々及び磁性部材18
の各々の半径方向内側とスリーブ14の外周面との間
(実質上環状の空間部をなす)及び上記本体部充填用空
間部を充填しかつ永久磁石16の各々及び磁性部材18
の各々の軸方向両側面を所定の厚さで覆うよう配設され
る。このような配設は、鋳造、好ましくはダイキャスト
によって容易に遂行可能である。磁性部材18の各々
は、半径方向外側端面のみが本体部20からの露呈面を
形成し、かつ本体部20の外周面と実質上同一面上に位
置付けられるよう形成される。すなわち、永久磁石16
の各々及び磁性部材18の各々は本体部20により一体
に形成されるが、このうち永久磁石16の各々は本体部
20内に完全に埋設され、また磁性部材18の各々は、
半径方向外側端面のみが露呈され他の表面は全て本体部
20内に埋設されるよう構成される。換言すれば、磁性
部材18の各々の半径方向外側端面は、本体部充填用空
間部の各々に充填された本体部20の一部により周方向
に等間隔で仕切られかつ軸方向の両側を本体部20によ
り所定の厚さで覆われる形態で外部に露呈するよう構成
される。なお、磁性部材18の各々の該露呈面から非着
磁永久磁石16の各々に着磁を施すことができる。
【0020】上記磁性部材18の各々は、成型後のロー
タ4として完成された状態においては、上記したよう
に、相互に周方向に分離された不連続の独立部材として
配列されているが、成形前においては、上記本体部充填
用空間部の各々の半径方向外端が円弧状の細い橋絡部
(ブリッジ部)によって連結されることにより、外周縁
全体が連続した円形状をなすよう一体に形成された1枚
の珪素鋼板を積層してなる1個の磁性体から構成され
る。以上のように形成された珪素鋼板の各々からなる1
個の磁性体が、本体部20によって、スリーブ14、永
久磁石16の各々と共にロータ4の中間品として一体に
成形された後、ロータ4の外周縁部がスリーブ14、し
たがって回転軸12と同心円となるよう切削加工される
ことにより、上記橋絡部の各々は切除され、上記橋絡部
の各々の半径方向内側の空間部に充填されかつ成形当初
は橋絡部の各々によって半径方向外側が覆われていた本
体部20の一部の各々が外周面に露呈されることにな
る。このようなロータ4の製作方法については、後に詳
細に説明する。以上のようにして形成されたロータ4の
中間品は、スリーブ14に回転軸12が圧入・装着され
ることにより、その構成が完成される。
【0021】次に、上記のように構成された本発明によ
るロータ4の製作方法について詳細に説明する。ロータ
4は、上記実施形態においては、回転軸12、スリーブ
14、複数の永久磁石16、複数の磁性部材18及び本
体部20とから構成されているが、ダイキャストによる
成形時に図示しない型内に注湯、加圧される本体部20
を除く他の部材は予め、個別に製作される。このうち、
スリーブ14は、図8に示すように、貫通孔14aと、
外周面に軸方向に間隔をおいて形成された複数の環状溝
14bとを備えている。スリーブ14の外周面が本体部
20に覆われる形態で一体成形されたとき、環状溝14
bの各々内に本体部20の一部が充填されるので、スリ
ーブ14の、本体部20に対する軸方向への抜けが確実
に防止される。回転軸12は、図11に示すように、ス
リーブ14の貫通孔14a内に軸方向の一端側から圧入
できるようにその外径が規定された圧入可能部分12a
と、圧入可能部分12aの他端に設けられた大径のフラ
ンジ部12bとを備えている。フランジ部12bはスリ
ーブ14に圧入した際の位置決め用ストッパの機能を有
している。永久磁石16の各々は、磁石材料、例えば、
Nd−Fe−Bを所定の割合で混合してなる粉末を、そ
れ自体は周知の方法を利用することでよい粉末冶金によ
って、図12及び図13を参照して先に説明したとおり
の形状に成形(フォーミング)・焼結することにより形
成される。永久磁石16の各々は、このようなフリーの
状態においては着磁されていない。
【0022】上記磁性部材18の各々は、成型後のロー
タ4として完成された状態においては(実施形態ではロ
ータ4の中間品として成形された状態においては)、先
に説明したように、相互に周方向に分離された不連続の
独立部材として配列されているが、成形前においては、
上記本体部充填用空間部の各々の半径方向外端が円弧状
の細い橋絡部によって連結されることにより、外周縁全
体が連続した円形状をなすよう一体に形成された1枚の
珪素鋼板を積層することにより形成される1個の磁性体
から構成される。そして成形後に上記のように磁性体1
8の各々に分離される。
【0023】図5及び図6を参照して、番号100は、
磁性材料からなる金属板、実施形態では電磁鋼板の一実
施形態である珪素鋼板を示している。珪素鋼板100
は、全体が連続した円形外周面を有すると共に半径方向
内側に貫通孔が形成された、全体としてほぼプレーンワ
ッシャのような基本形状をなしている。珪素鋼板100
には、複数個のスロット102が周方向に相互に間隔を
おいて等ピッチで放射状に配列されるように形成されて
いる。相互に実質上同一の形状を有するよう形成された
スロット102の各々は、一端が半径方向内側端、した
がって貫通孔の外周縁を規定する一部に開放され、他端
が外周面との間に珪素鋼板100の軸心Oと同心の円弧
形状をなす橋絡部104を残して閉じられるよう形成さ
れている。軸方向から見て、上記スロット102の各々
における半径方向外側寄り部分の、周方向に相互に対向
する側面102a及び102bの各々は、珪素鋼板10
0の軸心Oを通りかつ該側面102a及び102b間の
周方向中心を通る直線Lに平行に直線状に延びるよう形
成され、また、半径方向内側寄り部分の、周方向に相互
に対向する側面の片方102cは、直線Lに平行に直線
状に延びるよう形成され、また該側面の他方は、二つの
直線状に延びる傾斜面102d及び102eによって、
直線Lに対し鈍角をなす凹部102fが形成されるよう
構成されている。
【0024】スロット102の各々における上記外側寄
り部分の側面102a及び102b間には、軸方向から
見て、ほぼ正方形に近い矩形状をなす空間部(先に述べ
た、本体部充填用空間部)102Aが形成され、また上
記内側寄り部分の側面の片方102cと、側面の他方1
02d及び102eとの間には、軸方向から見て、周方
向幅よりも半径方向の長さが若干長い、概ね矩形状をな
す空間部(先に述べた、永久磁石挿入・保持用空間部)
102Bが形成される。本体部充填用空間部102Aの
周方向幅は、永久磁石挿入・保持用空間部102Bの周
方向幅(凹部102fが存在する部分により規定される
最大幅)よりも大きく形成されている。そして両空間部
102A及び102Bの半径方向の境界部には、アール
形状を含む段部102g及び102hが形成されてい
る。上記凹部102fは、永久磁石挿入・保持用空間部
102Bの半径方向外側寄りの部分に形成され、その周
方向幅は、空間部102Bの半径方向外側端及び内側端
の周方向幅よりも大きく形成されている。空間部102
Bの周方向幅は、凹部102fの形成部分から半径方向
外側及び内側に向かうに従って徐々に小さくなる。上記
凹部102fを形成する二つの傾斜面102d及び10
2eのうち、半径方向内側寄りに位置する傾斜面102
eの長さは、半径方向外側寄りに位置する傾斜面102
dの長さよりも長く形成されている。スロット102の
各々における上記空間部102Bは、先に述べた永久磁
石16の横断面形状(図12参照)と実質上同じ形状を
なしている(より厳密には、永久磁石16は圧入代分だ
け上記空間部102Bよりも大きく形成されている)。
【0025】珪素鋼板100に上記スロット102の各
々が形成されることにより、珪素鋼板100にはまた、
スロット102の各々によって周方向に相互に間隔をお
いて等ピッチで放射状に配列される基部106が形成さ
れる。相互に実質上同一の形状を有するよう形成される
基部106の各々の半径方向内側端(珪素鋼板100の
上記貫通孔の外周縁の一部を規定する半径方向内側端)
106aは、該貫通孔の接線方向に直線状に延在するよ
う形成されている。基部106の各々の半径方向内側端
106aの周方向中央には、半径方向内側に向かって突
出する抜け止め用の突起部106bが形成されている。
突起部106bの各々の半径方向内側先端部は、軸方向
から見て、半径方向内側に向かって末広がりの形状をな
している。
【0026】以上のように構成された珪素鋼板100
は、平板をプレス機械によって打ち抜き加工することに
より容易に形成することができる。打ち抜き加工により
形成された珪素鋼板100を複数枚(例えば、1.0m
mの珪素鋼板100を40枚)、相互に整合して積層す
ることによって、円形外周面を有する実質上円筒形状を
なし、一端が半径方向内側に開放され他端が外周面との
間に円弧状の橋絡部104を残して閉じられたスロット
102が周方向に間隔をおいて放射状に配列された1個
の磁性体180、すなわち複数の珪素鋼板100の積層
体である磁性体180を形成する(図7参照)。磁性体
180を珪素鋼板100の積層体として一体的に保持す
るためには、珪素鋼板100の各々の外周面にかしめ、
あるいは溶接等の適宜の固定手段を施すことが好まし
い。
【0027】珪素鋼板100を積層することによって磁
性体180を形成した後、上記スロット102の各々に
おける永久磁石挿入・保持用空間部102B内に、非着
磁状態の上記永久磁石16を、橋絡部104との間に本
体部充填用空間部102Aが残されるように挿入・保持
する(図7参照)。永久磁石16の各々の、対応する空
間部102B内への挿入は、実施形態では圧入により行
われている。図7を参照して、磁性体のスロット102
の各々内に永久磁石16を挿入・保持した後、磁性体1
80の軸心に合わせて上記スリーブ14をセットする。
磁性体180及びスリーブ14の各々の同心のセット
は、ダイキャスト用の図示しない鋳型内において遂行さ
れる。なお、磁性体180及び永久磁石16の半径方向
内側とスリーブ14の外周面との間には、環状の空間部
(本体部充填用空間部)182が形成される。
【0028】次いで、溶融された非磁性材料であるアル
ミニウム合金を鋳型内に注入(注湯)・加圧することに
よって、それ自体は周知の方法を利用することでよいダ
イキャストを行なう。すなわち、溶融されたアルミニウ
ム合金を、磁性体180及び非着磁永久磁石16の各々
とスリーブ14との間の本体部充填用空間部182及び
本体部充填用空間部102Aの各々に充填すると共に磁
性体180及び永久磁石16の各々の軸方向両側面を所
定の厚さで覆うことにより形成される本体部20(図2
及び図3参照)に、スリーブ14、磁性体180及び永
久磁石16の各々を一体に鋳込む。このようにして一体
成形されたロータ4の中間品を鋳型から取り出して冷却
した後、本体部20及び磁性体180の外周面をスリー
ブ14の軸心回りに切削加工して橋絡部104の各々を
切り離す(図9及び図10参照)。以上のようにして切
削されたロータ4の中間品の外周面は、スリーブ14と
同軸に形成される。なお図6において、2点鎖線で示す
円弧形状部は、上記切削加工によって切削される切削予
定面を示している。この切削代は、少なくとも磁性体1
80の橋絡部104の各々が完全に切削される程度に規
定される。
【0029】図9及び図10を参照して、上記切削加工
によって、上記橋絡部104の各々の半径方向内側の上
記空間部102Aの各々に充填されかつ成形当初は橋絡
部104の各々によって半径方向外側が覆われていた本
体部20の一部の各々は、外周面に露呈されることにな
る。また上記切削加工によって、珪素鋼板100の積層
体から構成された磁性体180を、相互に周方向に分離
された複数の磁性部材18(分離前の基部106の各々
に相当する)とすると共に、磁性部材18の各々の半径
方向外側端面が本体部20からの露呈面を形成しかつ本
体部20の外周面と実質上同一面上に位置付けられるよ
う形成する。
【0030】図3及び図9に示すように、永久磁石16
の各々が磁性部材18と共に本体部20に一体に成形さ
れた状態において、磁性部材18の各々の、永久磁石1
6に密着した周方向両側面における半径方向外側端間の
周方向長さl(図6に示すように、基部106の各々の
周方向両側面において、空間部102Bと102Aとの
境界を規定する角の各々間の周方向幅l)は、永久磁石
16の各々の半径方向長さ(図12に示すように、長手
方向から見た一端面16a及び他端面16b間の長さ)
hよりも大きく規定されることが重要である。これらの
寸法は、着磁後の永久磁石16の磁力の強さ、周方向の
厚さによっても変動するが、l/h=1.5〜2.0程
度に規定することが、実用上、後述する着磁性を向上さ
せるためには好ましい。
【0031】次いで必要であれば、上記ロータ4の中間
品の軸方向両側面を切削加工する。次に、上記ロータ4
の中間品におけるスリーブ14に回転軸12を圧入・装
着し、ロータ4としての形態(構成)を完成する(図1
1参照)。次いでロータ4の回転バランス取り(バラン
シング)を行なった後、磁性部材18の各々の外周面で
ある上記露呈面から、本体部20内に埋設された非着磁
永久磁石16の各々に着磁を施す。この着磁は、図示し
ない着磁装置により、磁性部材18の各々の上記露呈面
各々に対し、周方向に相互に異極(N−S)となるよう
に着磁を施す。その結果、磁性部材18の各々によって
周方向に密着して挟まれた非着磁永久磁石16の周方向
両側面(図12において、側面の片方16cと、側面の
他方16d及び16e)から着磁され、該周方向の両面
に磁極が形成される。上記のような着磁作用により、着
磁永久磁石16の各々において、磁性部材18を挟んで
相互に周方向に対向する側面は、相互に同極(N−N、
S−S)となるよう着磁されることになる(図3参
照)。
【0032】上記説明から明らかなように、本発明によ
る回転機2のロータ4は、軸手段を構成するスリーブ1
4及び回転軸12が実質上一体に装着された、非磁性材
料からなる本体部20と、本体部20に一体に周方向に
交互に密着して放射状に配列された永久磁石16及び磁
性部材18とから構成され、磁性部材18の各々の、永
久磁石16に密着した周方向両側面における半径方向外
側端間の周方向長さlは、永久磁石16の各々の半径方
向長さhよりも大きく規定されるよう構成されている。
このような構成とすることによって、永久磁石16の各
々の半径方向長さhを、永久磁石16の性能向上に従っ
て短くすると共に、磁性部材18の各々の、永久磁石1
6に密着して挟まれた周方向の距離lを十分に確保する
ことができるので、上記のように一体化した後におい
て、磁性部材18の各々の半径方向外側端面から永久磁
石16の各々に強力な磁化力を加えても、磁性部材18
の各々に磁気飽和を発生させることなく着磁することが
できる。その結果、永久磁石16の数を増大して多極化
すると共に、一体化した後においても永久磁石16の各
々の全体を十分確実に着磁することを可能にし、永久磁
石16の高性能特性を十分に生かすことができ、回転機
2の性能を向上させることができる。
【0033】磁性部材18の各々の、永久磁石16に密
着した周方向両側面における半径方向外側端間の周方向
長さlが、永久磁石16の各々の半径方向長さhの1.
5倍〜2.0倍に規定された場合には、実用上、上記着
磁を効果的に遂行することができる。上記周方向長さl
が過剰に長くなると、永久磁石16の各々に対する着磁
性が低下し、この着磁性を向上させるためには着磁装置
を大型化しなければならず、コストアップを招くことに
なる。また永久磁石16の数も減少させられ、回転機2
の性能が低下することになる。また上記周方向長さlが
過剰に短くなると、従来のロータと同じように着磁作用
時において磁束の飽和が発生し、永久磁石16の各々を
所望のとおりに着磁することが不可能となる。上記周方
向長さlを、上記半径方向長さhの1.5倍〜2.0倍
に規定した場合には、理論的には必ずしも明らかではな
いが、実用上においては、上記不具合を回避することが
でき、したがって充分効果的な着磁が可能になり、回転
機2の性能を向上させることができる。
【0034】本発明による回転機2のロータ4は、上記
したように、軸手段を構成するスリーブ14及び回転軸
12と、本体部20と、複数の永久磁石16及び磁性部
材18のみから構成されているので、従来のように多種
かつ多数の部品を必要とせず、最小限必要な部品のみか
ら構成されているので、構成が簡単で部品点数が少な
く、その結果、従来に較べ、低コストで製作することを
可能にするものである。また永久磁石16の各々は本体
部20内に完全に埋設(密封)されるので、酸化防止の
ための表面処理を施す必要が全くなくなり、この点にお
いてもコストダウンを図ることができる。更にはまた、
その構成上、ダイキャスト等の鋳造によって、永久磁石
16及び磁性部材18の各々を本体部20に一体成形す
ることが可能となるので、従来のように、多種類かつ多
数の部品を寄せ集めて組み付ける必要がなくなり、製作
を著しく容易にして製作時間を短縮でき、その結果、従
来に較べ、より低コストで製作することを可能にするも
のである。また永久磁石16の形状も比較的単純であ
り、その製作も比較的容易である。
【0035】本発明による回転機2のロータ4におい
て、本体部20は実質上円形外周面及び両側面を有し、
永久磁石16の各々は本体部20内に完全に埋設され、
磁性部材18の各々は半径方向外側端面のみが露呈され
他の表面は本体部20内に埋設されるよう構成された場
合には、全体として構成が簡単で製作が容易となり、低
コストでの製作が可能となる。本発明による回転機2の
ロータ4において、磁性部材18の各々には永久磁石1
6の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部18bが
形成され、永久磁石16の各々の半径方向外側端面の外
方には該突出部18bの各々によって周方向に空間部1
02Aが形成され、本体部20は、永久磁石16及び磁
性部材18の各々の半径方向内側面と軸手段14の外周
面との間(182)と該空間部102Aとを充填しかつ
永久磁石16及び磁性部材18の各々の軸方向両側面を
所定の厚さで覆うよう配設され、磁性部材18の各々の
露呈された半径方向外側端面は本体部20の外周面と実
質上同一面上に位置付けられるよう構成された場合に
は、従来に較べ、低コストで製作することを、実用上容
易に可能にするものである。本発明による回転機2のロ
ータ4において、上記空間部Aの各々に本体部20が充
填された場合には、永久磁石16の各々の半径方向外側
への抜けが確実に防止され、かつ磁性部材18の各々の
半径方向外側端面間の磁気シールドが十分確実に行なわ
れる。
【0036】本発明による回転機2のロータ4におい
て、永久磁石16の各々の半径方向外側寄り部分におけ
る周方向側面の片方に、半径方向外側端(一端面16
a)に向かうに従って両側面が相対的に近付く方向に直
線状に延びる、半径方向外側寄り傾斜面16dが上記半
径方向外側端まで形成された場合には、磁性部材18の
各々と周方向に密着して本体部20に一体に配設された
状態において、永久磁石16の各々の半径方向外方への
抜け(珪素鋼板100への組付時及びロータ4の回転時
における抜け)を確実に防止することができる。なお、
上記半径方向外側寄り傾斜面16dを、周方向側面の上
記片方に代えて、永久磁石16の各々の周方向側面の他
方に形成した場合にも、実質上同じ作用効果が得られる
ことはいうまでもない。
【0037】本発明による回転機2のロータ4におい
て、永久磁石16の各々の半径方向外側寄り部分を除い
た半径方向内側部分における周方向側面の片方に、半径
方向内側端(他端面16b)に向かうに従って両側面が
相対的に近付く方向に直線状に延びる、半径方向内側傾
斜面16eが上記半径方向内側端まで形成され、半径方
向内側傾斜面16eは、半径方向外側寄り傾斜面16d
が形成された周方向側面と同じ側の周方向側面(図12
及び図13に示す実施形態においては、周方向側面16
cと反対側の側面)に形成されている場合には、磁性部
材18の各々と周方向に密着して本体部20に一体に配
設された状態において、永久磁石16の各々の半径方向
外方及び内方への抜け(珪素鋼板100への組付時及び
ロータ4の回転時における抜け)を確実に防止すること
ができる。また、上記二つの傾斜面16d及び16eが
磁束を通り易くガイドするので、着磁性を向上させる。
特に、磁性部材18の各々の半径方向外側端面からの距
離が遠い、永久磁石16の各々の半径方向内側寄りの部
分に半径方向内側傾斜面16eが形成されているので、
磁性部材18の各々の半径方向外側端面(一端面16
a)からの距離が最も遠い、半径方向内側端(他端面1
6b)に近い部分に対する着磁も十分良好に行なうこと
ができる。なお、上記半径方向外側寄り傾斜面16d及
び半径方向内側傾斜面16eを、周方向側面の上記片方
に代えて、永久磁石16の各々の周方向側面の他方に形
成した場合にも、実質上同じ作用効果が得られることは
いうまでもない。
【0038】本発明による回転機2のロータ4におい
て、永久磁石16の各々の半径方向内側傾斜面16eの
長さが、半径方向外側寄り傾斜面16dの長さよりも長
く形成された場合には、上記抜け防止の効果及び着磁性
の効果を、実用上容易かつ確実に達成することを可能に
するものである。
【0039】図1〜図4を参照して、以上のようにして
製作されたロータ4における回転軸12の、本体部20
の両側壁から外側に突出した部分の各々には、軸受であ
るラジアルボールベアリング(以下、単に「ベアリン
グ」と略称する)22及び24が圧入・装着されてい
る。ロータ4の本体部20の軸方向両側には、一対のケ
ース部材6及び8が、ベアリング22及び24を介して
回転軸12に相対回転自在に支持されている。ケース部
材6及び8は、各々に形成された貫通孔がベアリング2
2及び24に圧入されることにより回転軸12に相対回
転自在に支持されている。一対のケース部材6及び8に
はそれぞれ通風孔が形成されている。一対のケース部材
6及び8間には、ステータ10が、ロータ4の外周面を
隙間をおいて覆うよう装着されている。ほぼ円筒形状を
なすステータ10は、鉄材、鋼材等の磁性材料から一体
に成形されている。ステータ10内には周方向に間隔を
おいて軸方向に延在するスロット30が形成され、スロ
ット30の各々内には銅線の束からなる巻線32が挿入
・保持されている。ステータ10には、ロータ4の、ス
テータ10に覆われていない外表面部分を隙間をおいて
覆うダストカバー40及び42が装着されている。ダス
トカバー40及び42は耐熱性合成樹脂から形成され、
永久磁石16の各々からの磁気洩れを遮断し、鉄粉等の
ダストがロータ4等に吸着されるのを防止することがで
きる。回転軸12の一端部には、冷却用ファン34及び
回転駆動用のプーリ36がボルト38により一体的に装
着されている。プーリ36は図示しないVベルト及びそ
の他の動力伝達手段を介して駆動源である、例えばエン
ジンのクランク軸に駆動結合される。上記のように構成
された発電機である回転機2において、エンジンが作動
すると、動力伝達手段、プーリ36及び回転軸12を介
してロータ4が回転駆動させられるので、ステータ10
に配設された巻線32に電流が発生し、発電が遂行され
る。エンジンが停止されると、ロータ4の回転が停止さ
れ、発電が停止される。
【0040】図14には、永久磁石16の他の実施形態
が示されている。この実施形態においては、一端面16
aの幅aは他端面16bの幅bよりも大きく形成され、
また凸部16fが形成された部分の幅(最大幅)cは、
上記幅a及びbよりも大きく規定されており(b<a<
c)、これ以外の構成は図12及び図13に示す実施形
態と実質上同じであり、該実施形態と実質上同じ作用効
果を達成することができる。
【0041】図15には、永久磁石16の更に他の実施
形態が示されている。この実施形態においては、永久磁
石16の両側面に二つの傾斜面16d及び16eからな
る凸部16fがそれぞれ形成されている。傾斜面16d
の各々は、永久磁石16の半径方向外側寄り部分におけ
る周方向側面の片方及び他方に、半径方向外側端である
一端面16aに向かうに従って両側面が相対的に近付く
方向に直線状に延びる、半径方向外側寄り傾斜面16d
の各々を規定する。半径方向外側寄り傾斜面16dの各
々は半径方向外側端である一端面16aに至るまで形成
されている。また、傾斜面16eの各々は、永久磁石1
6の上記半径方向外側寄り部分を除いた半径方向内側部
分における周方向側面の片方及び他方に、半径方向内側
端である他端面16bに向かうに従って両側面が相対的
に近付く方向に直線状に延びる、半径方向内側傾斜面1
6eの各々を規定する。半径方向内側傾斜面16eの各
々は半径方向内側端である他端面16bに至るまで形成
されている。半径方向外側寄り傾斜面16dの各々及び
半径方向内側傾斜面16eの各々により、永久磁石16
の半径方向外側寄り部分と上記半径方向内側部分との境
界には、凸部16fが形成される。一端面16aの幅a
及び他端面16bの幅bは実質上同じに規定され、また
凸部16fの各々が形成された部分の幅(最大幅)c
は、上記幅a及びbよりも大きく規定されている(a=
b<c)。永久磁石16の幅は、凸部16fの形成部分
から半径方向外側端(一端面16a)及び半径方向内側
端(他端面16b)に向かうに従って徐々に小さくなる
よう規定される。また半径方向内側傾斜面16eの長さ
は、半径方向外側寄り傾斜面16dの長さよりも長く形
成されている。上記永久磁石16は、上記軸線方向に見
て(図15において)、周方向の中央を半径方向(図1
5の上下方向)に延びる仮想中心線に対し、図15にお
いて左右対称に形成されている。図15に示す実施形態
は、先の二つの実施形態に対し、半径方向内方及び外方
における一層安定した抜止効果が達成できると共に周方
向両面からバランスよく着磁を行なうことができるの
で、着磁性も一層向上する。
【0042】図16には、永久磁石16の更に他の実施
形態が示されている。この実施形態においては、図15
に示す実施形態と同様に、周方向両側面に半径方向外側
寄り傾斜面16d及び半径方向内側傾斜面16eが形成
されているが、凸部16fの各々の形成部分が、図15
に示す実施形態におけるよりも若干半径方向中央部寄り
である。また、一端面16aの幅aは他端面16bの幅
bよりも大きく形成され、また凸部16fの各々が形成
された部分の幅(最大幅)cは、上記幅a及びbよりも
大きく規定されている(b<a<c)。その他の基本的
構成は図15に示す実施形態と実質上同一である。この
実施形態においても、図15に示す実施形態と実質上同
じ作用効果を得ることができる。
【0043】図17には、永久磁石16の更に他の実施
形態が示されている。この実施形態においては、半径方
向外側寄り部分における周方向側面の片方に半径方向外
側寄り傾斜面16dが形成され、そして半径方向外側寄
り部分を除いた半径方向内側部分における幅は、該半径
方向内側部分の全域にわたって一定に形成されている。
図17において、符号16jは該半径方向内側部分にお
ける他側面を示し、この他側面16jは一側面16cと
平行に延在するように形成されている。該半径方向内側
部分の幅dは、他端面16bの幅bと実質上等しく、一
端面16aの幅aは、該半径方向内側部分の幅d及び他
端面16bの幅bよりも小さく規定されている(d=b
>a)。図17に示す永久磁石16の基本構成は断面が
矩形状をなし、その半径方向外側端部における一つの角
部に半径方向外側寄り傾斜面16dを形成することによ
り構成されているので、全体の構成が図12〜図16に
示す先の実施形態よりもシンプルであり、したがって製
作が先の実施形態よりも容易であり、より低コストで製
作できる。永久磁石16の半径方向外方への抜け(珪素
鋼板100への組付時及びロータ4の回転時における抜
け)防止効果は、図12〜図14に示す実施形態と実質
上同じであるが、珪素鋼板100への組付時における半
径方向内方への抜け防止効果は図12〜図14に示す実
施形態に及ばない。しかしながら珪素鋼板100に対し
圧入によって組み付けることにより、この弱点を補うこ
とができ、実用上の問題はない。この実施形態におい
て、半径方向外側寄り傾斜面16dを周方向側面の上記
片方に代えて、他方(図17において右側)に形成して
も実質上同一の作用効果が得られるものである。
【0044】図18には、永久磁石16の更に他の実施
形態が示されている。この実施形態は、図17に示す永
久磁石16の一側面16c側にも半径方向外側寄り傾斜
面16dを周方向に対称的に形成することにより構成さ
れている。図18において、符号16jの各々は、上記
半径方向内側部分の、相互に平行な側面を示している。
この実施形態も、全体の構成が図12〜図16に示す先
の実施形態よりもシンプルであり、したがって製作が先
の実施形態よりも容易であり、より低コストで製作でき
る。永久磁石16の半径方向外方への抜け(珪素鋼板1
00への組付時及びロータ4の回転時における抜け)防
止効果は、図17に示す実施形態におけるよりも一層安
定した抜止効果が達成できると共に周方向両面からバラ
ンスよく着磁を行なうことができるので、着磁性も一層
向上する。
【0045】なお、図14〜図18に示す実施形態の永
久磁石16が使用される場合には、これに対応して珪素
鋼板100の永久磁石挿入・保持用空間部102Bの形
状もこれらに整合するよう形成されることはいうまでも
ない。
【0046】以上の説明から明らかなように、本発明の
ロータ4において、永久磁石16の各々の半径方向外側
寄り部分における周方向側面の片方及び/又は他方に
は、半径方向外側端に向かうに従って両側面が相対的に
近付く方向に直線状に延びる、半径方向外側寄り傾斜面
16dが該外側端まで形成されている(図12〜図18
に示す実施形態参照)、ことが好ましい。また、永久磁
石16の各々の該半径方向外側寄り部分を除いた半径方
向内側部分における周方向側面の片方及び/又は他方に
は、半径方向内側端に向かうに従って両側面が相対的に
近付く方向に直線状に延びる、半径方向内側傾斜面16
eが該内側端まで形成され、半径方向内側傾斜面16e
は、半径方向外側寄り傾斜面16dが形成された周方向
側面と同じ側の周方向側面に形成されている(図12〜
図16に示す実施形態参照)、ことが好ましい。更には
また、永久磁石16の各々の半径方向内側傾斜面16e
の長さは、半径方向外側寄り傾斜面16dの長さよりも
長く形成されている(図12〜図16に示す実施形態参
照)、ことが好ましい。更にはまた、永久磁石16の各
々の該半径方向外側寄り部分を除いた半径方向内側部分
における周方向幅dは、該半径方向内側部分の全域にわ
たって一定に形成されている(図17及び図18に示す
実施形態参照)、ことが好ましい。
【0047】図19には、珪素鋼板100の他の実施形
態の要部が示されている。図19に示す珪素鋼板100
において(珪素鋼板100を軸方向に見て)、上記スロ
ット102の各々の本体部充填用空間部102Aを形成
する、周方向に相互に対向する側面102i及び102
jの各々は、上記直線Lに平行に直線状に延びるよう形
成され、また、永久磁石挿入・保持用空間部102Bを
形成する、周方向に相互に対向する側面102m及び1
02nの各々は、上記軸心Oを通り上記直線Lを周方向
に対称に挟んで半径方向に延在する直線L1及びL2上
に存在するよう形成されている。本体部充填用空間部1
02Aの各々は、軸方向から見て、周方向に細長い、ほ
ぼ矩形状をなしている。永久磁石挿入・保持用空間部1
02Bの各々は、軸方向から見て、周方向幅よりも半径
方向の長さが長い、概ね矩形状をなしているが、半径方
向外側端から内側端に向かって徐々に周方向幅が狭くな
るような、概ね台形状をなしている。
【0048】本体部充填用空間部102Aの各々の周方
向幅は、対応する永久磁石挿入・保持用空間部102B
の周方向幅(半径方向外側端により規定される最大幅)
よりも広く形成されている。そして両空間部102A及
び102Bの半径方向の境界部であって空間部102A
の半径方向内側端には、周方向に延在する段部102g
及び102hが形成されている。永久磁石挿入・保持用
空間部102Bの各々には、該空間部102Bとほぼ同
じ横断面形状をなす図示しない永久磁石16が挿入・保
持される。空間部102Bの各々は半径方向内側端の周
方向幅が外側端のそれよりも狭く形成されているので、
挿入された永久磁石16の半径方向内外への抜けは確実
に防止され、安定した保持が得られる。またロータ4の
中間品として一体に形成された後の着磁性も、先の実施
形態と同様に十分効果的に得られるがその理由は、本体
部充填用空間部102Aの各々の半径方向の長さが短く
形成されたこと及びその分、永久磁石16の各々が半径
方向外側へ移動させられたこと、である。スロット10
2の各々によって周方向に相互に間隔をおいて等ピッチ
で放射状に配列される基部106の各々の半径方向内側
端106aは、接線方向に直線状に延びるよう形成され
ているが、上記軸心Oと同心の円弧形状に形成してもよ
い。また図19に示す実施形態において、基部106の
各々の半径方向内側端106aに、図6に示す実施形態
と同様な突起部106bを形成してもよい。
【0049】上記のように構成された珪素鋼板100を
積層することにより、先の実施形態と同様に1個の磁性
体180を形成し、上記空間部102Bの各々に永久磁
石16を挿入・保持した後、先の実施形態と実質上同じ
方法によりロータ4を製作することができ、実質上同じ
作用効果を得ることができる。図19に示す珪素鋼板1
00の形状は、先の実施形態における珪素鋼板100の
形状に較べて、より単純化されているので、製作が一層
容易となり、より低コストで製作することができる。ま
た永久磁石16の形状が更に単純化されるので、その製
作は一層容易となる。なお図19に示す実施形態におい
て、空間部102Bの各々の側面102m及び102n
を上記直線Lに平行に形成する他の実施形態も可能であ
る。この実施形態の場合、空間部102Bの各々は軸方
向から見て実質上矩形状をなし、挿入・保持される永久
磁石16の横断面形状もほぼ同じ矩形状に形成されるの
で、永久磁石16の形状が更に単純化され、更に製作が
容易となり、したがって更に低コストで製作することが
できる。この実施形態では、空間部102Bの各々に永
久磁石16が挿入された状態において、永久磁石16の
半径方向内外への抜け防止は、永久磁石16の上記挿入
を圧入により行なうことで確保できる。また本体部20
により一体に成形された後は、空間部102Aの各々に
より半径方向外側への抜けは確実に防止される。
【0050】以上、本発明による回転機のロータを、実
施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の
変形あるいは修正が可能である。例えば、上記実施形態
において回転機2は発電機であるが、これに代えて上記
回転機2と実質上同じ構成を有する電動機であっても、
上記と実質上同じ作用効果が得られることはいうまでも
ない。また上記実施形態において、磁性体180(した
がって磁性部材18の各々)は、電磁鋼板の一実施形態
である珪素鋼板100の積層体から構成されているが、
他の軟磁性鋼板(電磁鋼板に対し、保磁力が比較的弱い
鋼板)、例えば、SPCC、SPHC、SS41P等の
軟磁性鋼板の積層体から構成される他の実施形態ももち
ろん成立する。要するに非磁性材料ではなく、磁性材料
(強磁性材料あるいは軟磁性材料のいずれでもよい)か
ら形成された鋼板の積層体であれば成立する。更にはま
た、磁性体180(したがって磁性部材18の各々)
を、電磁鋼板の積層体ではなく、磁性材料から予め一体
に形成されたブロックから構成する他の実施形態もあ
る。
【0051】更にはまた、上記実施形態においては、ス
リーブ14、磁性体180(したがって磁性部材18の
各々)及び永久磁石16の各々を一体に鋳込む本体部2
0を、アルミニウム合金や亜鉛合金等の非磁性金属材料
により形成しているが、耐熱性を有する高強度合成樹脂
等の非金属材料により形成してもよい。更にはまた、上
記実施形態においては、軸手段を構成するスリーブ1
4、磁性体180及び永久磁石16の各々を一体に鋳込
んだ後に、スリーブ14に回転軸12を圧入・装着して
いるが、スリーブ14を使用することなく、回転軸12
を直接、磁性体180及び永久磁石16の各々と共に一
体に鋳込む他の実施形態もある。その場合には回転軸1
2の、鋳込む必要のない部分にアルミニウム合金等の溶
融材料が付着しないように、回転軸12に十分なマスキ
ングを施すことが望まれる。更にはまた、上記実施形態
においては、スリーブ14、磁性体180及び永久磁石
16の各々を一体に鋳込んだ後に、磁性体180の外周
面に上記切削加工を施しているが、これに代えて、回転
軸12をスリーブ14に圧入・装着した後に、磁性体1
80の外周面に上記切削加工を施す他の実施形態もあ
る。更にはまた、上記実施形態においては、回転軸12
をスリーブ14に圧入・装着した後に、回転バランスを
取るようにしているが、これに代えて、回転軸12をス
リーブ14に圧入・装着する前工程において、バランシ
ングを行なう実施形態もある。
【0052】
【発明の効果】本発明による回転機のロータによれば、
永久磁石の数を増大して多極化すると共に、一体化した
後においても永久磁石の各々を十分確実に着磁すること
を可能にし、性能を向上させることができる。また、永
久磁石の数を増大して多極化すると共に、一体化した後
においても永久磁石の各々を十分確実に着磁することを
可能にして性能を向上させることができ、しかも構成が
簡単で部品点数が少なく、従来よりも低コストで製作す
ることを可能にする。更にはまた、永久磁石の各々の抜
けを確実に防止すると共に一体化した後においても永久
磁石の各々を十分確実に着磁することを可能にし、性能
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロータを備えた回転機の側面図。
【図2】図1のA−A矢視断面図。
【図3】図2のB−B矢視拡大断面図。
【図4】回転軸にラジアルボールベアリグを組み付けた
ロータの平面図。
【図5】ロータに配設される磁性部材を構成するための
電磁鋼板の平面図。
【図6】図5のC部拡大図。
【図7】図5に示す電磁鋼板の積層体から構成された磁
性体の軸心と共通の軸心上にスリーブを配置した状態を
軸方向から見た図。
【図8】スリーブを、その軸線を境にした片側を破断し
て示す側面図。
【図9】図7の状態でダイキャストにより成形したロー
タの中間品(回転軸が装着されていない、ロータの中間
品)の外周面の一部を切削加工により削除した状態を軸
方向から見た断面図。
【図10】図9に示すロータの中間品を半径方向外側か
ら見た図。
【図11】図10に示すロータの中間品に回転軸を装着
することにより構成として完成した状態のロータを、そ
の一部を破断して示す図。
【図12】ロータに配設される永久磁石の側面図。
【図13】図12に示す永久磁石の斜視図。
【図14】永久磁石の他の実施形態を示す側面図であっ
て図12と同様な側面図。
【図15】永久磁石の更に他の実施形態を示す側面図で
あって図12と同様な側面図。
【図16】永久磁石の更に他の実施形態を示す側面図で
あって図12と同様な側面図。
【図17】永久磁石の更に他の実施形態を示す側面図で
あって図12と同様な側面図。
【図18】永久磁石の更に他の実施形態を示す側面図で
あって図12と同様な側面図。
【図19】ロータに配設される磁性部材を構成するため
の電磁鋼板の他の実施形態の要部を示す平面図であっ
て、図6と同様な平面図。
【符号の説明】
2 回転機 4 ロータ 10 ステータ 12 回転軸 14 スリーブ 16 永久磁石 16f 凸部 18 磁性部材 20 本体部 100 珪素鋼板 102 スロット 102A 本体部充填用空間部 102B 永久磁石挿入・保持用空間部 102d 傾斜面 102e 傾斜面 102f 凸部 180 磁性体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸手段が実質上一体に装着された、非磁
    性材料からなる本体部と、本体部に一体に周方向に交互
    に密着して放射状に配列された永久磁石及び磁性部材と
    から構成され、磁性部材の各々の、永久磁石に密着した
    周方向両側面における半径方向外側端間の周方向長さ
    は、永久磁石の各々の半径方向長さよりも大きく規定さ
    れる、ことを特徴とする回転機のロータ。
  2. 【請求項2】 磁性部材の各々の、永久磁石に密着した
    周方向両側面における半径方向外側端間の周方向長さ
    は、永久磁石の各々の半径方向長さの1.5倍〜2.0
    倍に規定される、請求項1記載の回転機のロータ。
  3. 【請求項3】 本体部は実質上円形外周面及び両側面を
    有し、永久磁石の各々は本体部内に完全に埋設され、磁
    性部材の各々は半径方向外側端面のみが露呈され他の表
    面は本体部内に埋設されるよう構成される、請求項1又
    は請求項2記載の回転機のロータ。
  4. 【請求項4】 磁性部材の各々には永久磁石の各々より
    も半径方向外側に延び出す突出部が形成され、永久磁石
    の各々の半径方向外側端面の外方には該突出部の各々に
    よって周方向に空間部が形成され、本体部は、永久磁石
    及び磁性部材の各々の半径方向内側面と軸手段の外周面
    との間と該空間部とを充填しかつ永久磁石及び磁性部材
    の各々の軸方向両側面を所定の厚さで覆うよう配設さ
    れ、磁性部材の各々の露呈された半径方向外側端面は本
    体部の外周面と実質上同一面上に位置付けられる、請求
    項3記載の回転機のロータ。
  5. 【請求項5】 永久磁石の各々の半径方向外側寄り部分
    における周方向側面の片方及び/又は他方には、半径方
    向外側端に向かうに従って両側面が相対的に近付く方向
    に直線状に延びる、半径方向外側寄り傾斜面が該外側端
    まで形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の回転機のロータ。
  6. 【請求項6】 永久磁石の各々の該半径方向外側寄り部
    分を除いた半径方向内側部分における周方向側面の片方
    及び/又は他方には、半径方向内側端に向かうに従って
    両側面が相対的に近付く方向に直線状に延びる、半径方
    向内側傾斜面が該内側端まで形成され、半径方向内側傾
    斜面は、半径方向外側寄り傾斜面が形成された周方向側
    面と同じ側の周方向側面に形成されている、請求項5記
    載の回転機のロータ。
  7. 【請求項7】 永久磁石の各々の半径方向内側傾斜面の
    長さは、半径方向外側寄り傾斜面の長さよりも長く形成
    されている、請求項6記載の回転機のロータ。
  8. 【請求項8】 永久磁石の各々の該半径方向外側寄り部
    分を除いた半径方向内側部分における周方向幅は、該半
    径方向内側部分の全域にわたって一定に形成されてい
    る、請求項5記載の回転機のロータ。
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