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JP2001129701A - 数値制御自動旋盤及びこの数値制御自動旋盤による被加工物の加工方法 - Google Patents

数値制御自動旋盤及びこの数値制御自動旋盤による被加工物の加工方法

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Publication number
JP2001129701A
JP2001129701A JP31311399A JP31311399A JP2001129701A JP 2001129701 A JP2001129701 A JP 2001129701A JP 31311399 A JP31311399 A JP 31311399A JP 31311399 A JP31311399 A JP 31311399A JP 2001129701 A JP2001129701 A JP 2001129701A
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JP
Japan
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tool
workpiece
processing
comb
machining
Prior art date
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Application number
JP31311399A
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English (en)
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Inventor
Sousaku Kimura
壮作 木村
Noriyuki Haseba
紀幸 長谷場
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
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Publication of JP2001129701A publication Critical patent/JP2001129701A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様な複合加工に適用できる簡素な構成
の数値制御自動旋盤及びこの旋盤による被加工物の加工
方法を提供する。 【解決手段】 主軸21と、主軸台2と、被加工物Wの
先端を支持するガイドブッシュ22と主軸21に保持さ
れた被加工物Wを加工する工具Tを保持する刃物台3,
4と、この刃物台3,4を前記主軸に保持された前記被
加工物に対して移動させる駆動装置と、この駆動装置の
駆動を制御する数値制御装置とを有し、工具Tを主軸2
1の軸線と交叉する方向に直線状に配列して保持する2
つのくし歯刃物台3,4を主軸21の軸線の両側に配置
し、このくし歯刃物台3,4の一方を、前記数値制御装
置の指令による前記駆動装置の駆動によって、前記主軸
の軸線と同方向に移動可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刃物台の移動や主
軸の回転又は主軸台の移動等を数値制御によって行い、
前記主軸に保持した被加工物の先端をガイドブッシュで
支持させ、このガイドブッシュから前記被加工物の一部
を突出させて、前記刃物台に保持した工具で加工する数
値制御自動旋盤及びこの数値制御自動旋盤を用いた被加
工物の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に数値制御自動旋盤は、回転自在な
主軸と、この主軸に保持された被加工物を加工するため
の複数の工具を保持する刃物台と、この刃物台を前記主
軸に保持された前記被加工物に対して移動させる駆動装
置と、この駆動装置の駆動を制御する数値制御装置とを
有していて、前記数値制御装置の指令によって、前記刃
物台に保持された複数の工具の中から所定の工具を加工
位置に割り出し、当該工具によって所定の加工を被加工
物に行っている。そして、このような数値制御自動旋盤
の中には、前記刃物台を複数有し、各刃物台に保持され
た工具で前記被加工物の異なる部位を同時に加工するこ
とにより、加工時間の短縮を図ったものも広く普及して
いる。
【0003】ところで、数値制御自動旋盤に設けられる
前記刃物台には、工具を環状又は放射状に保持するタレ
ット形と、工具を直線状に配列して保持するくし歯形と
がある。タレット形の刃物台は、工具の着脱が容易で加
工領域を大きくとれるという利点がある反面、タレット
が大型であるため機械の大きさや重量が大きくなる。ま
た、工具の割り出し中心から工具の刃先が遠い位置にあ
るため、高精度な割り出しが困難で割り出し時間も長く
なるという欠点がある。さらに、タレット形の刃物台
は、工具の割り出し軸がタレット刃物台の移動軸から独
立しているため、各軸ごとにプログラミングによって位
置の割り出し等を行わなければならず、プログラミング
が複雑になるという欠点がある。
【0004】これに対して、くし歯形の刃物台は、保持
することのできる工具本数が少なく、保持される工具の
間隔が小さいことから待機中の他の工具と被加工物と干
渉しやすく、したがって加工領域をあまり大きくとるこ
とができないという制約があるものの、タレット形に比
べて数値制御自動施盤を軽量・コンパクトにすることが
でき、工具の割り出し時間や割り出し精度も良好である
という利点を備えている。また、工具の割り出し軸とく
し歯形の刃物台の移動軸とが共通しているため、タレッ
ト刃物台に比してプログラミングが単純であるという利
点がある。
【0005】このような利点の存在から、くし歯形の刃
物台を備えた数値制御自動旋盤は、比較的小物で加工工
程数の少ない被加工物の加工においてよく利用されてい
る。この中でも、特に、主軸台の前方にガイドブッシュ
を有し、このガイドブッシュで被加工物の先端を支持さ
せるとともに、前記ガイドブッシュから被加工物の一部
を突出させてこの突出部分を前記工具で加工するタイプ
の数値制御自動旋盤は、ガイドブッシュの近傍で加工が
行われることから加工の際の被加工物の撓みをきわめて
小さくすることができ、長尺の被加工物の加工や径の小
さい細物の加工に適している。
【0006】くし歯形の刃物台(以下、くし歯刃物台と
いう)を主軸軸線の両側に2つ有する数値制御自動旋盤
における複合加工の一例を、図10〜図12に示す。図
10は、主軸軸線の両側に2つのくし歯刃物台を有する
数値制御自動旋盤による複合加工の一例を示す概略図で
ある。図10(a)に示すように、被加工物Wを割り出
し回転させて位置決めし、これと同時に、ホブカッター
T2を被加工物Wの外周部の近傍に配置するとともに回
転装置を備えたドリルT1を被加工物Wの端面に対峙さ
せて配置する。
【0007】この状態で、図10(b)に示すように、
主軸台をZ方向に移動させて被加工物Wをガイドブッシ
ュ22から送り出すと、ホブカッターT2によって外周
部にギヤ歯が形成されると同時に、回転するドリルT1
によって被加工物Wの端面に穴が形成される。このよう
に、被加工物Wを所定角度ずつ割り出し回転させながら
主軸台をZ方向に送ることで、被加工物Wの外周部にギ
ヤ歯を形成しながら、同時に、被加工物Wの端面に複数
の穴を形成することができるものである。
【0008】しかし、この複合加工では、ホブカッター
T2でギヤ歯を形成するための被加工物Wの最適なZ方
向の送り速度と、ドリルT1で穴明け加工を行うための
被加工物の最適なZ方向の送り速度とは同じではないた
め、いずれかの工具T1又はT2に過大な負荷が作用し
て、工具寿命を著しく低下させるという問題がある。ま
た、図11は、両くし歯刃物台の工具を主軸の軸線方向
(Z方向)にわずかにずらして(ずれ量をδで示す)配
置し、主軸台をZ方向に移動させてガイドブッシュ22
から被加工物Wを送り出しながら、粗加工と仕上げ加工
を同時に行う複合加工の一例を示す概略図である。
【0009】図11(a)に示すように、ガイドブッシ
ュ22から被加工物を送り出して行くと、まず、粗加工
用の工具T1が被加工物Wの先端Waに当接し、粗加工
を開始する。このとき、仕上げ加工用の工具T2は、工
具T1よりも距離δだけ被加工物Wよりも遠い位置に位
置している。ガイドブッシュ22からの被加工物Wの送
り出しを継続すると、工具T2が被加工物Wの先端Wa
に当接して仕上げ加工を開始する。このようにして、図
11(b)に示すように、工具T1による粗加工と工具
T2による仕上げ加工が同時に行われる。
【0010】しかし、この複合加工においては、粗加工
用の工具T1が加工端部Wbに達すると、工具T1によ
る加工を停止させるために前記主軸台の移動を停止さ
せ、くし歯刃物台を−X方向に移動させて工具T1を被
加工物Wと干渉しない位置に退避させる必要がある。そ
してこの後、図11(c)に示すように、被加工物Wの
Z方向の送り出しを再開して、工具T2による仕上げ加
工を加工端部Wcまで行わせるようにしている。
【0011】また、図12に示す複合加工では、図12
(a)に示すように、主軸台の移動によって被加工物W
をZ方向に送りながら、一方のくし歯刃物台に保持した
ドリルT1を回転させて被加工物Wの端面の穴明け加工
を行うと同時に、他方のくし歯刃物台の工具T2(エン
ドミル)で被加工物Wの外周に溝Wの形成を行う。
【0012】しかし、図12に示す複合加工を効率良く
行うには、溝幅Lと穴深さHとが同じであることが条件
であり、溝幅Lと穴深さHが異なる場合(例えば溝幅L
>穴深さHの場合)には、上記のような複合加工は却っ
て加工効率を低下させる。
【0013】すなわち、溝幅Lが穴深さHよりも大きい
場合、主軸台の移動によって穴明け加工を完了させるこ
とはできるが、図12(b)に示すように、主軸台の移
動による被加工物Wの送り量が不足していて溝幅Lの溝
の加工を完了させることはできない。溝幅Lの溝W
加工を完了させるには、エンドミルT2をX方向に退避
させ、主軸台を−Z方向に後退させ、さらにドリルT1
を被加工物Wと干渉しない位置まで遠ざけた後、エンド
ミルT2を−X方向に移動させて溝Wa内に位置させ、
主軸台を移動させることで溝Waに沿って再びエンドミ
ルT2を被加工物Wに対して相対的に送らなければなら
ない。
【0014】図10〜図12で説明したように、従来の
数値制御自動旋盤では、複合加工を行うことによって工
具寿命が低下したり、加工の種類によっては複合加工を
行うと却って加工効率が低下するものがあることから、
加工前に複合加工の適否を確実に見極め、加工手順を決
定してからプログラミング等を行う必要があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
にかんがみてなされたもので、くし歯形の刃物台を備え
た数値制御自動施盤で被加工物を加工する場合に、広範
な種類の加工を複合的に行うことができる、簡単な構成
で加工手順の組立やプログラミングが容易な数値制御自
動旋盤を提供すること及びこの数値制御自動旋盤による
被加工物の加工方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、主軸と、この主軸を回転
自在に支持するとともに前記主軸の軸線方向に移動可能
な主軸台と、この主軸台の前方に設けられ前記主軸に保
持された被加工物の先端を支持するガイドブッシュと、
前記被加工物を加工するための複数の工具を保持する刃
物台と、この刃物台を前記主軸に保持された前記被加工
物に対して移動させる駆動装置と、この駆動装置の駆動
を制御する数値制御装置とを有する数値制御自動旋盤に
おいて、前記主軸の軸線を挟む領域の一方に配置され、
少なくとも前記主軸の軸線と直交するX,Yの直交2軸
方向に移動可能な第1のくし歯刃物台と、前記主軸の軸
線を挟む領域の他方に配置され、前記主軸の軸線と同方
向のZ方向及び前記X,Yの3軸方向に移動可能な第2
のくし歯刃物台とを備え、前記第1のくし歯刃物台及び
前記第2のくし歯刃物台は、前記工具を前記X方向又は
Y方向に直線状に配列して保持するとした構成としてあ
る。この構成によれば、一方のくし歯刃物台を主軸軸線
と同じ方向に移動させることで、くし歯刃物台を有し、
ガイドブッシュで被加工物の先端を保持する形態の数値
制御自動旋盤において、これまで行うことのできなかっ
た複合加工を行うことが可能になる。
【0017】請求項2に記載の発明は、前記主軸台に対
向して第2の主軸台を前記主軸の軸線方向に移動可能に
配置し、前記主軸の軸線方向に移動可能なくし歯刃物台
に、前記第2の主軸台の主軸に保持された被加工物を加
工するための工具を取り付けた構成としてある。この構
成によれば、前記第2の主軸台に被加工物を保持させ、
くし歯刃物台に取り付けた工具で前記被加工物を加工す
ることができるので、同時に二つの被加工物の加工を行
うことが可能になる。また、前記主軸台から第2の主軸
台に被加工物を受け渡し、二つのくし歯刃物台の工具で
被加工物を加工できる位置に前記第2の主軸台を移動さ
せることで、被加工物の両側について同様の複合加工を
行うことが可能になる。
【0018】請求項3に記載の発明は、前記主軸の軸線
方向に移動可能な一方の前記くし歯刃物台に、工具に代
えて前記被加工物の加工部を冷却する冷却剤の噴射ノズ
ルを保持させた構成としてある。この構成によれば、被
加工物、工具、主軸などに干渉することなく、一方の刃
物台に取り付けた噴射ノズルの冷却剤の噴射口を他方の
刃物台に取り付けた工具による被加工物の加工ポイント
のきわめて近くに位置させることができ、クーラントや
エア等の冷却剤による冷却及び切粉の排除効率を向上さ
せ、冷却剤の使用量を減らしてコストや環境に与える影
響の低減を図ることができる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の数値制御自動旋盤を用いた被加工物の
加工方法であって、前記第1のくし歯刃物台の前記工具
及び前記第2のくし歯刃物台の前記工具を前記主軸の軸
線に沿って位置決めするとともに、両前記くし歯刃物台
が前記Z方向に移動しないように保持し、この状態で前
記主軸台を前記Z方向に移動させて、第1のくし歯刃物
台の工具で前記被加工物に第1の加工を行い、かつ、前
記第2のくし歯刃物台の工具で被加工物に第2の加工を
行い、前記第1のくし歯刃物台の前記工具が前記第1の
加工部の加工端部に達したときに前記主軸台の移動を停
止させ、前記第2のくし歯刃物台を前記Z方向に移動さ
せて前記工具を第2の加工部の加工端部まで送る方法と
してある。この方法によれば、第1の加工に引き続いて
第2の加工を行うことができ、かつ、第1のくし歯刃物
台の工具が被加工物の加工端部に達しても、主軸台を停
止させて第2のくし歯刃物台を主軸軸線方向に移動させ
ることで、第1のくし歯刃物台の工具の被加工物からの
退避を待つことなく、第2のくし歯刃物台の工具による
第2の加工を加工端部まで行うことができる。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の数値制御自動旋盤による被加工物の加
工方法であって、前記第1のくし歯刃物台の前記工具及
び前記第2のくし歯刃物台の前記工具を前記主軸の軸線
に沿って位置決めするとともに、両前記くし歯刃物台が
前記Z方向に移動しないように保持し、この状態で前記
主軸台を移動させて、前記第1のくし歯刃物台の工具で
前記被加工物に第2の加工を行い、かつ、前記第2のく
し歯刃物台の工具で被加工物に第1の加工を行い、前記
第2のくし歯刃物台の工具が前記第1の加工の加工端部
に達したときに前記主軸の移動に同期させて前記第2の
くし歯刃物台を前記主軸台と同方向に移動させ、前記第
1のくし歯刃物台の工具を前記第2の加工の加工端部ま
で送る方法としてある。この方法によっても、第1の加
工に引き続いて第2の加工を行うことができる。この場
合、第2のくし歯刃物台の工具が第1の加工の加工端部
に達したときに、この第2のくし歯刃物台を主軸台と同
方向に同期させて移動させることで、第2のくし歯刃物
台の工具の被加工物からの退避を待つことなく、第1の
くし歯刃物台の工具による第2の加工を加工端部まで行
うことができる。
【0021】請求項6に記載の発明は、前記第1の加工
が粗加工で、前記第2の加工が仕上げ加工であり、前記
第1のくし歯刃物台の粗加工用の工具を前記第2のくし
歯刃物台の仕上げ加工用の工具よりも前記Z方向に前記
主軸台寄りに配置し、両前記工具の位置関係を維持した
状態で前記第1の加工及び第2の加工を行う方法として
ある。この方法によれば、粗加工用の工具が加工端部に
達すると、第2のくし歯刃物台がZ方向に移動して仕上
げ加工を完了させるので、粗加工用の工具の被加工物か
らの退避を待つことなく、粗加工と仕上げ加工とを同時
に行うことができる。
【0022】また、請求項7に記載の発明は、前記第1
の加工が粗加工で、前記第2の加工が仕上げ加工であ
り、前記第2のくし歯刃物台の粗加工用の工具を前記第
1のくし歯刃物台の仕上げ加工用の工具よりも前記Z方
向に前記主軸台寄りに配置し、両前記工具の位置関係を
維持した状態で前記第1の加工及び第2の加工を行う方
法としてある。この方法によれば、粗加工用の工具が加
工端部に達すると、第2のくし歯刃物台がZ方向に移動
して、前記粗加工用の工具を前記被加工物の移動に追随
させるので、粗加工用の工具の被加工物からの退避を待
つことなく、粗加工と仕上げ加工とを同時に行うことが
できる。
【0023】請求項8に記載の発明は、前記第1及び第
2のくし歯刃物台のうち、前記工具が先に前記加工端部
に達した方のくし歯刃物台を、前記工具が前記加工端部
に達すると同時に、前記工具を前記被加工物から退避さ
せる方向に移動させ、次の加工のための準備を行う方法
としてある。この方法によれば、他方のくし歯刃物台の
工具で加工を行っている間に一方のくし歯刃物台で工具
の割り出し等を行うことができ、次の加工のための準備
を迅速に行うことができる。この場合、くし歯刃物台は
タレット形の刃物台に比して割り出し速度が早く、その
分加工時間を短縮できるという利点がある。
【0024】請求項9に記載の発明は、両前記工具がそ
れぞれ、前記第1の加工の加工端部及び第2の加工の加
工端部に達した後に、前記主軸台又は前記一方のくし歯
刃物台を逆方向に移動させて連続加工を行う方法として
ある。この方法によれば、例えば2つのエンドミルで被
加工物の2箇所に溝を形成する場合などに、エンドミル
を被加工物から遠ざける必要なく、連続して加工を行う
ことができる。
【0025】請求項10に記載の発明は、前記工具の少
なくとも一方が回転工具である方法としてある。本発明
は、バイトのような固定工具に限らず、ホブカッター、
エンドミル、ドリル及びタップなどの回転工具を用いた
複合加工にも適用が可能である。特に、ドリルによる穴
明け加工やタップによるねじ切り加工とエンドミル等に
よる溝切り加工とを同時に行うことは、従来の数値制御
自動旋盤では困難であったが、くし歯刃物台の一方を主
軸台と同方向に移動可能とし、主軸台の移動と同期させ
てくし歯刃物台の一方を移動させることで、これら回転
工具による加工とエンドミル等による切削加工を同時に
行うことが可能になる。
【0026】請求項11に記載の発明は、前記第1のく
し歯刃物台の工具と、前記第2のくし歯刃物台の工具と
は、前記工具によって加工を行う際に、各前記工具によ
る前記被加工物の加工点の撓みがそれぞれ最小となるよ
うに、前記Z方向に所定距離位置をずらして配置した方
法としてある。この方法によれば、各工具の主分力や背
分力の大きさの違いに基づいて、工具の配置位置をZ方
向に所定距離ずらすことで、各工具による前記被加工物
の加工点の撓みを最小にすることができる。したがっ
て、撓みの生じやすい細物の加工を行う場合や高精度が
求められる加工を行う場合に適している。
【0027】請求項12に記載の発明は、請求項1〜3
のいずれかに記載の数値制御自動旋盤による被加工物の
加工方法であって、外周部及び前記主軸の軸線と交叉す
る端面とを有する前記被加工物を前記主軸に保持させ、
前記第1のくし歯刃物台を移動させて回転工具を前記被
加工物の前記端面に位置決めするとともに、前記第2の
くし歯刃物台を移動させて工具を前記外周部に位置決め
し、前記主軸の回転により前記被加工物を回転させなが
ら前記第2のくし歯刃物台の工具で前記外周部の加工を
行うとともに、前記主軸の回転によって前記主軸の軸線
から離間した位置にある前記加工位置が描く軌跡を円弧
補間し、この円弧補間のデータに基づいて前記第1のく
し歯刃物台をX方向及びY方向に移動させることによっ
て前記被加工物の加工位置に対する前記回転工具の位置
を維持しながら前記被加工物を前記第1のくし歯刃物台
の工具にZ方向に相対的に移動させて、前記端面の穴明
け加工を行う方法としてある。この方法によれば、被加
工物を主軸とともに回転させながら外周部の加工を行う
と同時に、被加工物の端面にドリルなどで穴明け加工を
行うことが可能である。回転する被加工物に対する回転
工具の相対的な位置決めは、主軸の回転による被加工物
の加工位置の軌跡を円弧補間することによって行うとよ
い。円弧補間は、主軸の角速度と、主軸の軸線から加工
位置までの距離とから、簡単な演算処理によって行うこ
とができる。そのため、主軸の回転と同期させて回転工
具を回転させるための複雑な装置が不要で、数値制御自
動旋盤を大型かつ複雑化することがない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面を参照して詳細に説明する。まず、図1にしたがっ
て、本発明の数値制御自動旋盤の構成を説明する。数値
制御自動旋盤のベッド1上には、X方向に延びるX方向
ガイドレール35及びZ方向に延びるZ方向ガイドレー
ル23,49が設けられている。サドル33が、X方向
ガイドレール35に移動自在に設けられ、このサドル3
3の一側面には支持体32が設けられ、この支持体32
の一側面にY方向に延びるY方向ガイドレール30aが
立設されている。
【0029】そして、このY方向ガイドレール30aに
沿って、くし歯刃物台である第1刃物台3が移動自在に
設けられている。符号31は、第1刃物台3を移動させ
るための駆動機構である。第1刃物台3には、工具ホル
ダ38によってY方向に工具Tが複数保持されている。
この工具Tは、第1刃物台3とともにX方向及びY方向
に移動自在である。
【0030】主軸台2が、Z方向ガイドレール23に沿
って移動自在に設けられている。主軸台2は、被加工物
Wが挿通できる貫通穴を軸線上に有する主軸21を回転
自在に支持する。被加工物Wは、前記貫通穴を挿通し
て、主軸21の先端からZ方向に延出し、先端が被加工
物保持部材であるガイドブッシュ22によって芯出し,
保持される。図示するような長尺の被加工物Wに加工を
施す場合、工具Tによる加工部位の近傍をガイドブッシ
ュ22のような被加工物保持部材で保持させるようにす
れば、前記加工部位における被加工物の撓みを最小限に
抑制することができ、高精度加工に有利である。
【0031】第2のサドル43がZ方向ガイドレール4
9に沿って移動自在に設けられている。このサドル43
は、Z方向ガイドレール49に案内されながら移動する
図示しない別のサドル上に設けられていて、この別のサ
ドルに設けられたX方向ガイドレール45に沿ってX方
向に移動自在である。さらに、サドル43の一側面には
Y方向に延びるY方向ガイドレール40aが設けられ、
このY方向ガイドレール40aに沿って第2刃物台4が
移動自在に設けられている。符号41は第2刃物台4を
移動させる駆動機構である。第2刃物台4には工具ホル
ダ48によって複数の工具Tが保持され、工具Tは、第
2刃物台4とともにX,Y,Zの3方向に移動自在であ
る。
【0032】上記したサドル33,第1刃物台3,主軸
台2,サドル43及び第2刃物台4の移動量は、X方向
リニアスケール36,46、Y方向リニアスケール3
7,47、Z方向リニアスケール24,44によって計
測され、被加工物Wの加工部位や工具Tの位置座標が演
算によって求められる。
【0033】図1に示した数値制御自動旋盤にはさら
に、主軸台2に対向して第2主軸台5が設けられ、主軸
台2に保持した被加工物Wの一側面の加工が終了した後
に主軸台2のZ方向に移動によって被加工物を第2主軸
台5の主軸51に受け渡し、Z方向に移動することので
きる第2刃物台4の工具Tで被加工物Wの他側面の加工
も行うことができるようになっている。
【0034】図1に示した数値制御自動旋盤で行うこと
のできる複合加工の一例を図2及び図3に示す。なお、
図2及び図3では、説明の便宜のために、第1刃物台3
側の工具Tに添え字「1」を付して表し、第2刃物台4
側の工具Tに添え字「2」を付して表すものとする。図
2に示す複合加工では、第1刃物台3の工具T1で被加
工物Wの外周面に第1の加工である粗加工を行い、それ
と同時に粗加工の終了した部分を第2刃物台4の工具T
2で第2の加工である仕上げ加工を行う。
【0035】主軸21は、ガイドブッシュ22で先端側
を支持させた状態で被加工物Wを保持して回転してい
る。まず、第1刃物台3及び第2刃物台4が、粗加工を
行うための工具T1と仕上げ加工を行うための工具T2
を所定位置に割り出す。そして、第1刃物台3及び第2
刃物台4のX方向及びY方向の移動によって、工具T
1,T2の刃先が被加工物Wの外周面から所定寸法切り
込む位置に、工具T1,T2を位置決めする。このと
き、工具T1による粗加工の直後に工具T2によって仕
上げ加工を行うように、工具T2の方を工具T1よりも
Z方向にずれ量δだけ被加工物Wから遠ざけた位置に位
置させておく。
【0036】主軸台2がZ方向に移動すると、ガイドブ
ッシュ22から被加工物Wが送り出され、最初に工具T
1が被加工物Wの先端Waに当接して粗加工を開始する
(図2(a)の状態)。主軸台のZ方向に移動し続ける
ことで、工具T2も被加工物Wに当接し、被加工物Wに
粗加工と仕上げ加工とが同時に行われる(図2(b)で
示す状態)。工具T1が被加工物Wにおける粗加工の加
工端部Wbに達すると(図2(c)の状態)、主軸台2
のZ方向の移動を停止させ、第2刃物台4をZ方向に、
ずれ量δに相当する分だけ移動させて、工具T2を仕上
げ加工の加工端部Wcまで移動させ、仕上げ加工を終了
する(図2(c)において仮想線で示す状態)。
【0037】次に、例えば被加工物Wに、径方向の寸法
を変更する等の他の加工を行う場合には、第1刃物台3
及び/又は第2刃物台4を−X方向及び+X方向に移動
させて工具T1及び工具T2を被加工物Wから遠ざけ、
次の工具を選択する。この際、工具T1,T2をそれぞ
れY方向に割り出して所定の工具を選択し、選択した新
たな工具T1,T2を被加工物Wに当接するまで+X方
向及び−X方向に移動して加工を行う。図2に示す加工
例では、第2刃物台4のZ方向の移動開始と同時に工具
T1を加工端部Wbから直線的にX方向に退避位置(図
2(c)において仮想線で示す位置)まで移動させ、そ
の位置で工具の割り出し等次の加工を準備を行ない、再
び直線的に被加工物Wまで移動させて被加工物Wの加工
を開始するので、無駄な時間を削減でき、加工効率を向
上させることができる。さらに、くし歯刃物台である第
1刃物台3及び第2刃物台4は、タレット形の刃物台に
比して短時間で所定の工具の選択を行うことができるの
で、その分加工時間を短縮できるという利点もある。
【0038】また、これまで、ガイドブッシュを備えた
数値制御自動旋盤では、ガイドブッシュの性質上、被加
工物の両方送りができない、つまり、送り出した被加工
物Wを逆方向に引き戻すことができなかったため、被加
工物Wの外周面で工具を往復させて加工することができ
ず、加工順序が制限されて同一箇所に複数の加工を行う
必要のある加工においては、複雑な手順やプログラムが
必要であった。この発明の数値制御自動旋盤は、第2刃
物台4がZ方向に移動することができるので、被加工物
の外周面で工具を往復させて加工することができ、加工
順序に拘束されることなく、加工手順の計画及びプログ
ラミングも容易になる。
【0039】なお、図2に示す加工では、工具T1の主
分力や背分力により被加工物Wに生じる曲げモーメント
と、工具T2の主分力や背分力により被加工物Wに生じ
る曲げモーメントが互いにうち消し合うように作用する
ので、これらの力の大きさの違いを考慮に入れてずれ量
δを求めることにより、加工中における被加工物Wの撓
みを最小限度に抑制することができ、高精度の加工を行
うことができるという利点がある。このような加工方法
は、撓みの生じやすい小径の被加工物Wを加工する場合
に特に有利である。
【0040】図3の加工では、第1刃物台3側のドリル
T1と第2刃物台4側のエンドミルT2とで被加工物W
の外周面の穴明け加工(穴を符号Wで示す)及び溝切
り加工(溝を符号Wで示す)を行う。主軸台2は、Z
方向に間欠移動して所定位置に位置決め停止され、当該
位置でドリルT1により被加工物Wに穴明け加工が行わ
れる。図3(a)に示す最初の穴明け加工において、ド
リルT1が被加工物Wに穴明け加工を行っている間、第
2刃物台4のZ方向の移動とともにエンドミルT2が溝
切り加工を行っている。
【0041】最初の穴明け加工が終了し、次の穴明け加
工を行うべく主軸台2がZ方向に移動すると、第2刃物
台4はエンドミルT2の最適な送りを確保しつつ主軸台
2のZ方向の移動に同期して移動する。図示しない数値
制御装置は、主軸台2と第2刃物台4のZ方向の相対移
動から、エンドミルT2の被加工物Wにおける位置を常
に割り出している。主軸台2の移動中にエンドミルT2
が溝Wの端部(加工端部)に達すれば(図3(b)の
状態)、主軸台2の移動に同期させて第2刃物台4を移
動させ、被加工物Wに対するエンドミルT2の相対速度
を0にする(図3(c)の状態)。このように、第2刃
物台4のZ方向の移動速度を、主軸台2の送り速度との
関係において常に一定に保つことにより、エンドミルT
2の加工に最適な送り速度を常に保つことができる。
【0042】なお、第1刃物台3側にエンドミルを取り
付け、第2刃物台4側にドリルを取り付けて図3に示す
ような被加工物Wの加工を行うことも可能である。この
場合は、主軸台21のZ方向の移動によってエンドミル
で溝を加工し、ドリルを主軸台21と同期移動させなが
ら穴明け加工を行う。第2刃物台4を主軸台21の移動
に同期させることでドリルと被加工物Wの相対速度を0
にすることができるので、ドリルによって被加工物Wの
穴明け加工を行うことができる。
【0043】次に、図4〜図7にしたがって、本発明に
おける他の複合加工の実施形態を説明する。なお、図4
及び図7は数値制御自動旋盤を簡略化的にしたものであ
るが、その基本的な構成は図1で示した数値制御自動旋
盤と変わりがないので、対応する部位には同一の符号を
付して詳しい説明は省略する。
【0044】図4の数値制御自動旋盤では、第1刃物台
3に回転工具であるドリルT4が保持され、第2刃物台
4に回転工具であるホブカッターT3が保持されてい
る。この実施形態の複合加工においては、ホブカッター
T3で被加工物W2の外周部にギヤ歯W2bを形成しな
がら、ドリルT4で被加工物W2の端面に穴W2aを形
成して図5に示すような被加工物W2を形成する。
【0045】まず、第2刃物台4の割り出し動作によっ
て回転工具であるホブカッターT3を所定位置に割り出
す。また、第1刃物台3の割り出し動作によって、回転
工具であるドリルT4を所定位置に割り出す。第1刃物
台3及び第2刃物台4をX,Y方向に移動させてドリル
T4及びホブカッターT3を被加工物W2に対して位置
決めするとともに、主軸21を回転させて被加工物W2
を回転させる。
【0046】この状態で、被加工物W2の歯切り加工に
適した回転速度で被加工物W2を回転させ、さらに、被
加工物W2の端面の穴明け加工に適した回転速度になる
ように、ドリルT4を被加工物W2に対して相対的に回
転させる。そして、ホブカッターT3をX方向に移動さ
せて歯切り加工を行う。被加工物Wを回転させながら、
前記主軸の軸線から離間した位置に設けられた前記端面
の加工位置に穴明け加工を行う場合には、被加工物W2
の前記加工位置に対してドリルT4を常に一定位置に保
つ必要がある。ドリルT4を被加工物W2の加工位置に
対して常に一定に保つ手段としては、例えば、ドリルT
4を被加工物W2とに対して同期回転させる回転装置を
第2の刃物台4に設けることなどが考えられる。この実
施形態では、前記加工位置の軌跡を円弧補間することに
よって、ドリルT4の位置を被加工物W2の前記加工位
置に追随させている。このような円弧補間によれば、数
値制御自動旋盤の構成を複雑にすることなく、加工上の
簡単なプログラムを追加するだけで回転する被加工物の
端面に穴明け加工を行うことができる。なお、このと
き、主軸台2の移動にともなう被加工物W2のZ方向の
移動速度が、ドリルT3での穴明け加工に最適なものと
なるように制御する。また、主軸台2の移動速度に対し
て第2の刃物台4のZ方向の移動速度を調節して、被加
工物W2のZ方向の移動が、ホブカッターT3での歯切
り加工におけるZ方向の最適な加工速度となるように制
御する。
【0047】図4の数値制御自動旋盤では、図6に示す
ような被加工物も複合加工によって形成することが可能
である。図6に示す被加工物W3の加工手順を以下に説
明する。主軸21を割り出し回転させて、被加工物W3
の所定の面を第1刃物台3側に向ける。
【0048】また、第1刃物台3及び第2刃物台4は、
割り出し動作によって回転工具である図略のエンドミル
及びセンタドリルを所定位置に割り出す。第2刃物台4
はセンタドリルを割り出し、X,Y,Z方向に移動して
前記センタドリルを被加工物W3の端面に対峠した所定
位置に位置決めする。一方、第1刃物台3はエンドミル
を割り出し、X,Y方向に移動して前記エンドミルを被
加工物W3の上方に位置させる。
【0049】次いで、エンドミルをX方向に移動させて
所定深さの溝W3aを形成するとともに、第2刃物台4
をZ方向に移動させて被加工物W3の端面にセンタ穴を
形成する。これら加工が終了した後、第1刃物台3及び
主軸台2を移動させてエンドミル及びセンタを被加工物
W3から遠ざける。
【0050】第1刃物台3及び第2刃物台4は割り出し
動作によって次の工具、例えば、溝W3aに穴W3bを
形成するためのドリル及び前記センタ穴に穴W3cを形
成するためのドリルを割り出す。第1刃物台3は、X,
Y方向に移動して前記ドリルを溝W3aに対する所定位
置に位置決めし、第2刃物台4はX,Y,Z方向に移動
して前記センタ穴と同一の軸線上に前記ドリルを位置決
めする。そして、第1刃物台3をX方向に移動させて穴
W3bを形成すると同時に、第2刃物台4をZ方向に移
動させて穴W3cを形成する。この後、さらにねじ切り
や座ぐり等を行う場合等においても、上記手順を繰り返
すことによって、被加工物W3の異なる部位に、複数の
加工を同時に行うことが可能である。
【0051】本発明によれば、従来独立して行っていた
複数の加工を同時に行うことができるという利点がああ
る。すなわち、X,Y方向に移動可能な第1刃物台及び
第2刃物台とZ方向に移動可能な主軸台とを有する従来
の数値制御自動旋盤によって、図6に示すような被加工
物を加工するには、第1刃物台のX,Y方向の移動によ
って溝W3aを形成し、この加工の終了後に前記第1刃
物台をX,Y方向に移動させて被加工物W3からエンド
ミルを遠ざけ、この後、第2刃物台のX,Y方向移動に
よって被加工物W3の端面に対峠して位置にドリルを位
置決めし、このドリルに向けて主軸台を移動させること
で穴W3cを形成していた。
【0052】本発明では、くし歯形の第2刃物台4をZ
方向にも移動可能にしているので、これら複数の加工を
同時に行うことが可能になり、加工時間を大幅に短縮す
ることができるものである。
【0053】図7は本発明のさらに他の実施形態にかか
る数値制御自動旋盤である。この実施形態の数値制御自
動施盤は、Z方向ガイドレール53に沿って移動自在な
第2の主軸台5を有している。第2の主軸台5の主軸5
1は、主軸台2の主軸21と同一軸線上にあって、主軸
21と主軸51の問で被加工物Wの授受を行い、被加工
物の両面加工を行うことができるようになっている。ま
た、この数値制御自動施盤は、第2刃物台4の工具ホル
ダ48に、主軸51に保持された被加工物を加工するた
めのエンドミルやドリルなどの工具T5,T6を保持し
ている。
【0054】図7に示す数値制御自動旋盤では、図6に
示すような被加工物W3の加工が行えるだけでなく、図
8に示すような被加工物W4の加工も可能である。図8
に示す被加工物W4は、図6の被加工物W3の溝W3
a、穴3b,3cが両端に形成されている。一方側の溝
W3a,穴3b,3cの加工については、先の説明と同
じであるので省略する。
【0055】他方側の溝W3a,穴3b,3cを加工す
るには、被加工物W4を素材から切断する前に第1の刃
物台3の工具によって前記と同様の手順により溝3a及
び穴3bを加工し、この後、被加工物W4を素材から切
り離すとともに第2の主軸台5の主軸51に受け渡し、
主軸51を向くセンタドリルやドリルなどの工具T5,
T6で穴W3bの加工を行うことができる。
【0056】また、第1の刃物台3や主軸台2及び第2
の主軸台5のZ方向のストロークが十分にある場合は、
主軸台2を加工領域Aから後退させた状態で第2刃物台
4をZ方向に移動させ、第2の工具ホルダ48に保持さ
れた工具T5,T6を加工領域Aに位置させるととも
に、第2の主軸台5をZ方向に移動させて主軸51に保
持した被加工物W3を加工領域Aに位置させることによ
り、第1の刃物台3及び第2の刃物台4で先と同様の加
工を行うことができる。
【0057】図9は、工具Tの代わりに冷却剤を噴射す
る噴射ノズルNを第2刃物台4に取り付けた実施形態を
示す槻略図である。工具Tで被加工物Wの加工を行う場
合には、加工ポイントPの冷却と切粉の排除を効率良く
行い、これによってクーラントや冷却エアなどの冷却剤
の使用量を少なくするとともに、加工精度の向上とコス
トの削減及び環境に与える影響の最小化を図ることが好
ましい。そのためには、噴射ノズルにより、可能な限り
近い位置から加工ポイントPに集中的にクーラントや冷
却エアを噴射するのが好ましい。
【0058】従来のX,Y方向に移動可能な刃物台の組
み合わせによる数値制御自動旋盤では、噴射ノズルが被
加工物W,工具T又は主軸21に干渉しやすく、噴射ノ
ズルを加工ポイントPに近づけるにしても限界があり、
効率的な冷却等を行うことは困難であった。
【0059】本発明では、第2刃物台4をZ方向に移動
可能としているため、図8に示すように、主軸軸線上の
被加工物Wから離れた位置から加工ポイントPに向けて
噴射ノズルNの噴射口Naを近づけることが可能にな
り、被加工物W,工具T又は主軸21と干渉することな
く加工ポイントPのきわめて近接した位置からクーラン
ト等を噴射させることができるようになる。
【0060】本発明の好適な実施形態を説明してきた
が、本発明は、第2刃物台をZ方向に移動できるように
するだけで、従来の数値制御自動旋盤では困難であった
さまざまな種類の複合加工を可能にすることができるも
のである。本発明は、上述した以外の複合加工にも適用
が可能で、これらの複合加工に本発明を適用することに
より、加工時間の大幅な短縮を図ることができる。ま
た、上記の説明では第2の刃物台4のみをZ方向に移動
自在としているが、第1刃物台及び第2刃物台の双方を
Z方向に移動できるようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、くし歯形の刃物台の少
なくとも一方をX,Y,Zの3軸方向に移動可能にする
だけで、それまで困難であった種々の加工の複合化を、
簡単な加工手順とプログラミングによって行うことがで
きるようなり、被加工物の加工時間を短縮して加工コス
トを大幅に削減することができる。また、本発明の数値
制御自動旋盤は、くし歯形の刃物台を備えていることを
前提としているので、数値制御自動旋盤を小型、軽量、
省スペースにすることができ、さらに、加工精度の向上
も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値制御自動旋盤の構成を説明する平
面図である。
【図2】図1の数値制御自動旋盤を用いた複合加工の一
例を説明する図である。
【図3】図1の数値制御自動旋盤を用いた複合加工の他
の例を説明する図である。
【図4】本発明における他の複合加工を実施するための
数値制御旋盤の平面図である。
【図5】図4の数値制御自動旋盤によって形成すること
のできる被加工物の一例にかかり、(a)は被加工物の
断面側面図、(b)は(a)の左側面図である。
【図6】図4の数値制御自動旋盤によって形成すること
のできる被加工物の他の例にかかり、(a)は被加工物
の側面図、(b)は溝部分で断面した被加工物の左側面
図である。
【図7】本発明のさらに他の複合加工を実施するための
数値制御自動旋盤の平面図である。
【図8】図7の数値制御自動旋盤により加工される被加
工物の一例を示す図である。
【図9】工具の代わりにクーラントの噴射ノズルを第2
刃物台に取り付けて被加工物の加工を行う実施形態を示
す槻略図である。
【図10】本発明の従来例にかかり、主軸軸線の両側に
2つのくし歯刃物台を有する数値制御自動旋盤による複
合加工の一例を示す図である。
【図11】本発明の従来例にかかる複合加工の他の例を
示す図である。
【図12】本発明の従来例にかかる複合加工のさらに他
の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ベッド 2 主軸台 3 第1刃物台(第1のくし歯刃物台) 4 第2刃物台(第2のくし歯刃物台) 5 第2主軸台 21 主軸 22 ガイドブッシュ 35,45 X方向ガイドレール 30a,40a Y方向ガイドレール 23,49 Z方向ガイドレール W 被加工物 Wb,Wc 加工端部 W 溝 W 穴 T 工具 N 噴射ノズル
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月19日(1999.11.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】ところで、数値制御自動旋盤に設けられる
前記刃物台には、工具を環状又は放射状に保持するタレ
ット形と、工具を直線状に配列して保持するくし歯形と
がある。タレット形の刃物台は、工具の着脱が容易で加
工領域を大きくとれるという利点がある反面、タレット
が大型であるため機械の大きさや重量が大きくなる。ま
た、工具を割り出すための割り出し回転の中心から工具
の刃先が遠い位置にあるため、高精度な割り出しが困難
で割り出し時間も長くなるという欠点がある。さらに、
タレット形の刃物台は、工具の割り出し回転軸がタレッ
ト刃物台の移動軸から独立しているため、各軸ごとにプ
ログラミングによって位置の割り出し等を行わなければ
ならず、プログラミングが複雑になるという欠点があ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の数値制御自動旋盤を用いた被加工物の
加工方法であって、前記第1のくし歯刃物台の前記工具
及び前記第2のくし歯刃物台の前記工具を前記主軸の軸
線に沿って位置決めするとともに、両前記くし歯刃物台
が前記Z方向に移動しないように保持し、この状態で前
記主軸台を前記Z方向に移動させて、第1のくし歯刃物
台の工具で前記被加工物に第1の加工を行い、かつ、前
記第2のくし歯刃物台の工具で被加工物に第2の加工を
行い、前記第1のくし歯刃物台の前記工具が第1の加工
の加工端部に達したときに前記主軸台の移動を停止さ
せ、前記第2のくし歯刃物台を前記Z方向に移動させて
前記工具を第2の加工部の加工端部まで送る方法として
ある。この方法によれば、第1の加工に引き続いて第2
の加工を行うことができ、かつ、第1のくし歯刃物台の
工具が被加工物の加工端部に達しても、主軸台を停止さ
せて第2のくし歯刃物台を主軸軸線方向に移動させるこ
とで、第1のくし歯刃物台の工具の被加工物からの退避
を待つことなく、第2のくし歯刃物台の工具による第2
の加工を加工端部まで行うことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の数値制御自動旋盤による被加工物の加
工方法であって、前記第1のくし歯刃物台の前記工具及
び前記第2のくし歯刃物台の前記工具を前記主軸の軸線
に沿って位置決めするとともに、両前記くし歯刃物台が
前記Z方向に移動しないように保持し、この状態で前記
主軸台を移動させて、前記第1のくし歯刃物台の工具で
前記被加工物に第2の加工を行い、かつ、前記第2のく
し歯刃物台の工具で被加工物に第1の加工を行い、前記
第2のくし歯刃物台の工具が第1の加工部の加工端部に
達したときに前記主軸の移動に同期させて前記第2のく
し歯刃物台を前記主軸台と同方向に移動させ、前記第1
のくし歯刃物台の工具を第2の加工部の加工端部まで送
る方法としてある。この方法によっても、第1の加工に
引き続いて第2の加工を行うことができる。この場合、
第2のくし歯刃物台の工具が第1の加工の加工端部に
達したときに、この第2のくし歯刃物台を主軸台と同方
向に同期させて移動させることで、第2のくし歯刃物台
の工具の被加工物からの退避を待つことなく、第1のく
し歯刃物台の工具による第2の加工を加工端部まで行う
ことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】請求項9に記載の発明は、両前記工具がそ
れぞれ、前記第1の加工の加工端部及び第2の加工
の加工端部に達した後に、前記主軸台又は前記一方のく
し歯刃物台を逆方向に移動させて連続加工を行う方法と
してある。この方法によれば、例えば2つのエンドミル
で被加工物の2箇所に溝を形成する場合などに、エンド
ミルを被加工物から遠ざける必要なく、連続して加工を
行うことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】請求項12に記載の発明は、請求項1〜3
のいずれかに記載の数値制御自動旋盤による被加工物の
加工方法であって、外周部及び前記主軸の軸線と交叉す
る端面とを有する前記被加工物を前記主軸に保持させ、
前記第1のくし歯刃物台を移動させて回転工具を前記被
加工物の前記端面に位置決めするとともに、前記第2の
くし歯刃物台を移動させて工具を前記外周部に位置決め
し、前記主軸の回転により前記被加工物を回転させなが
ら前記第2のくし歯刃物台の工具で前記外周部の加工を
行うとともに、前記主軸の回転によって前記主軸の軸線
から離間した位置にある前記加工位置が描く軌跡を円弧
補間し、この円弧補間のデータに基づいて前記第1のく
し歯刃物台をX方向及びY方向に移動させることによっ
て前記被加工物の加工位置に対する前記回転工具の位置
を維持しながら前記被加工物を前記第1のくし歯刃物台
の工具にZ方向に相対的に移動させて、前記端面の穴明
け加工を行う方法としてある。この方法によれば、被加
工物を主軸とともに回転させながら外周部の加工を行う
と同時に、被加工物の端面にドリルなどで穴明け加工を
行うことが可能である。回転する被加工物に対する回転
工具の相対的な位置決めは、主軸の回転による被加工物
の加工位置の軌跡を円弧補間することによって行うとよ
い。円弧補間は、主軸の角速度と、主軸の軸線から加工
位置までの距離とから演算処理によって行うことが可能
である。そのため、主軸の回転と同期させて前記主軸の
軸線の周りに前記回転工具を回転させ、これによって前
記回転工具の先端を回転する被加工物の加工位置に維持
させるための特別の装置が不要で、数値制御自動旋盤を
大型かつ複雑化することがない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】主軸台2がZ方向に移動すると、ガイドブ
ッシュ22から被加工物Wが送り出され、最初に工具T
1が被加工物Wの先端Waに当接して粗加工を開始する
(図2(a)の状態)。主軸台のZ方向に移動し続ける
ことで、工具T2も被加工物Wに当接し、被加工物Wに
粗加工と仕上げ加工とが同時に行われる(図2(b)で
示す状態)。工具T1が被加工物Wにおける粗加工
加工端部Wbに達すると(図2(c)の状態)、主軸台
2のZ方向の移動を停止させ、第2刃物台4をZ方向
に、ずれ量δに相当する分だけ移動させて、工具T2を
仕上げ加工の加工端部Wcまで移動させ、仕上げ加工
を終了する(図2(c)において仮想線で示す状態)。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】最初の穴明け加工が終了し、次の穴明け加
工を行うべく主軸台2がZ方向に移動すると、第2刃物
台4はエンドミルT2の最適な送りを確保しつつ主軸台
2のZ方向の移動に同期して移動する。図示しない数値
制御装置は、主軸台2と第2刃物台4のZ方向の相対移
動から、エンドミルT2の被加工物Wにおける位置を常
に割り出している。主軸台2の移動中にエンドミルT2
が溝Wの端部(加工端部)に達すれば(図3(b)の
状態)、主軸台2のZ方向の移動に同期させて第2刃物
台4をZ方向に移動させ、被加工物Wに対するエンドミ
ルT2の相対速度を0にする(図3(c)の状態)。こ
のように、第2刃物台4のZ方向の移動速度を、主軸台
2の送り速度との関係において常に一定に保つことによ
り、エンドミルT2の加工に最適な送り速度を常に保つ
ことができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】この状態で、被加工物W2の歯切り加工に
適した回転速度で被加工物W2を回転させ、さらに、被
加工物W2の端面の穴明け加工に適した回転速度になる
ように、ドリルT4を被加工物W2に対して相対的に回
転させる。そして、ホブカッターT3をX方向に移動さ
せて歯切り加工を行う。被加工物Wを回転させながら、
前記主軸の軸線から離間した位置に設けられた前記端面
の加工位置に穴明け加工を行う場合には、被加工物W2
の前記加工位置に対してドリルT4を常に一定位置に保
つ必要がある。ドリルT4の先端を回転している被加工
物W2の前記加工位置に対して常に一定に保つ手段とし
ては、例えば、第2の刃物台4にドリルT4を保持し
て、主軸の回転と同期させて前記主軸の軸線の周りにド
リルT4を回転させる回転装置を設けることなどが考え
られる。この実施形態では、前記主軸の軸線から離れた
ところにある前記加工位置の軌跡を円弧補間することに
よって、ドリルT4の位置を被加工物W2の前記加工位
置に追随させている。このような円弧補間によれば、数
値制御自動旋盤の機械的な構成を複雑にすることなく、
加工上の簡単なプログラムを追加するだけで回転する被
加工物の端面に穴明け加工を行うことができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、くし歯形の刃物台の少
なくとも一方をX,Y,Zの3軸方向に移動可能にする
だけで、それまで困難であった種々の加工の複合化を、
簡単な加工手順とプログラミングによって行うことがで
きるようなり、被加工物の加工時間を短縮して加工コ
ストを大幅に削減することができる。また、本発明の数
値制御自動旋盤は、くし歯形の刃物台を備えていること
を前提としているので、数値制御自動旋盤の小型、軽
量、省スペース化を図ることができ、さらに、加工精度
の向上も図ることができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸と、この主軸を回転自在に支持する
    とともに前記主軸の軸線方向に移動可能な主軸台と、こ
    の主軸台の前方に設けられ前記主軸に保持された被加工
    物の先端を支持するガイドブッシュと、前記被加工物を
    加工するための複数の工具を保持する刃物台と、この刃
    物台を前記主軸に保持された前記被加工物に対して移動
    させる駆動装置と、この駆動装置の駆動を制御する数値
    制御装置とを有する数値制御自動旋盤において、 前記主軸の軸線の一方側に配置され、少なくとも前記主
    軸の軸線と直交するX,Yの直交2軸方向に移動可能な
    第1のくし歯刃物台と、 前記主軸の軸線の他方側に配置され、前記主軸の軸線と
    同方向のZ方向及び前記X,Yの3軸方向に移動可能な
    第2のくし歯刃物台とを備え、 前記第1のくし歯刃物台及び前記第2のくし歯刃物台
    は、前記工具を前記X方向又はY方向に直線状に配列し
    て保持すること、 を特徴とする数値制御自動旋盤。
  2. 【請求項2】 前記主軸台に対向して第2の主軸台を前
    記Z方向に移動可能に配置し、前記第2のくし歯刃物台
    に、前記第2の主軸台の主軸に保持された被加工物を加
    工するための工具を取り付けたことを特徴とする請求項
    1に記載の数値制御自動旋盤。
  3. 【請求項3】 前記第2のくし歯刃物台に、工具に代え
    て前記被加工物の加工部を冷却する冷却剤の噴射ノズル
    を保持させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    数値制御自動旋盤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の数値制
    御自動旋盤による被加工物の加工方法であって、 前記第1のくし歯刃物台の前記工具及び前記第2のくし
    歯刃物台の前記工具を前記主軸の軸線に沿って位置決め
    するとともに、両前記くし歯刃物台が前記Z方向に移動
    しないように保持し、 この状態で前記主軸台を前記Z方向に移動させて、第1
    のくし歯刃物台の工具で前記被加工物に第1の加工を行
    い、かつ、前記第2のくし歯刃物台の工具で被加工物に
    第2の加工を行い、 前記第1のくし歯刃物台の前記工具が前記第1の加工部
    の加工端部に達したときに前記主軸台の移動を停止さ
    せ、 前記第2のくし歯刃物台を前記Z方向に移動させて前記
    工具を第2の加工部の加工端部まで送ること、 を特徴とする数値制御自動旋盤による被加工物の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の数値制
    御自動旋盤による被加工物の加工方法であって、 前記第1のくし歯刃物台の前記工具及び前記第2のくし
    歯刃物台の前記工具を前記主軸の軸線に沿って位置決め
    するとともに、両前記くし歯刃物台が前記Z方向に移動
    しないように保持し、 この状態で前記主軸台を移動させて、前記第1のくし歯
    刃物台の工具で前記被加工物に第2の加工を行い、か
    つ、前記第2のくし歯刃物台の工具で被加工物に第1の
    加工を行い、 前記第2のくし歯刃物台の工具が前記第1の加工の加工
    端部に達したときに前記主軸の移動に同期させて前記第
    2のくし歯刃物台を前記主軸台と同方向に移動させ、前
    記第1のくし歯刃物台の工具を前記第2の加工の加工端
    部まで送ること、 を特徴とする数値制御自動旋盤による被加工物の加工方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1の加工が粗加工で、前記第2の
    加工が仕上げ加工であり、前記第1のくし歯刃物台の工
    具を前記第2のくし歯刃物台の工具よりも前記Z方向に
    前記主軸台寄りに配置し、両前記工具の位置関係を維持
    した状態で前記第1の加工及び第2の加工を行うことを
    特徴とする請求項4に記載の数値制御自動旋盤による被
    加工物の加工方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の加工が仕上げ加工で、前記第
    2の加工が粗加工であり、前記第2のくし歯刃物台の工
    具を前記第1のくし歯刃物台の工具よりも前記Z方向に
    前記主軸台寄りに配置し、両前記工具の位置関係を維持
    した状態で前記第1の加工及び第2の加工を行うことを
    特徴とする請求項5に記載の数値制御自動旋盤による被
    加工物の加工方法。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のくし歯刃物台のう
    ち、前記工具が先に前記加工端部に達した方のくし歯刃
    物台を、前記工具が前記加工端部に達すると同時に前記
    工具を前記被加工物から退避させる方向に移動させ、次
    の加工のための準備を行うことを特徴とする請求項4〜
    7のいずれかに記載の数値制御自動旋盤による被加工物
    の加工方法。
  9. 【請求項9】 両前記くし歯刃物台の工具がそれぞれ、
    前記第1の加工の加工端部及び第2の加工の加工端部に
    達した後に、前記主軸台又は前記第2のくし歯刃物台を
    前記Z方向に沿って逆向きに移動させて連続加工を行う
    ことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の数値
    制御自動旋盤による被加工物の加工方法。
  10. 【請求項10】 前記工具の少なくとも一方が回転工具
    であることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載
    の数値制御自動旋盤による被加工物の加工方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のくし歯刃物台の工具と、前
    記第2のくし歯刃物台の工具とは、前記工具によって加
    工を行う際に、各前記工具による前記被加工物の加工点
    の撓みがそれぞれ最小となるように、前記Z方向に所定
    距離位置をずらして配置したことを特徴とする請求項4
    〜10のいずれかに記載の数値制御自動旋盤による被加
    工物の加工方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3のいずれかに記載の数値
    制御自動旋盤による被加工物の加工方法であって、 外周部及び前記主軸の軸線と交叉する端面とを有する前
    記被加工物を前記主軸に保持させ、 前記第1のくし歯刃物台を移動させて回転工具を前記被
    加工物の前記端面に位置決めするとともに、前記第2の
    くし歯刃物台を移動させて工具を前記外周部に位置決め
    し、 前記主軸の回転により前記被加工物を回転させながら前
    記第2のくし歯刃物台の工具で前記外周部の加工を行う
    とともに、前記主軸の回転によって前記主軸の軸線から
    離間した位置にある前記加工位置が描く軌跡を円弧補間
    し、この円弧補間のデータに基づいて前記第1のくし歯
    刃物台をX方向及びY方向に移動させることによって前
    記被加工物の加工位置に対する前記回転工具の位置を維
    持しながら前記被加工物を前記第1のくし歯刃物台の工
    具にZ方向に相対的に移動させて、前記端面の穴明け加
    工を行うこと、 を特徴とする数値制御自動旋盤による被加工物の加工方
    法。
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