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JP2001121659A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

ガスバリア性フィルム

Info

Publication number
JP2001121659A
JP2001121659A JP30467899A JP30467899A JP2001121659A JP 2001121659 A JP2001121659 A JP 2001121659A JP 30467899 A JP30467899 A JP 30467899A JP 30467899 A JP30467899 A JP 30467899A JP 2001121659 A JP2001121659 A JP 2001121659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyvinyl alcohol
gas barrier
based polymer
barrier film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30467899A
Other languages
English (en)
Inventor
Kinichi Toda
欽一 戸田
Shuji Kato
修二 加藤
Benshin Nakayama
勉伸 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohcello Co Ltd
Original Assignee
Tohcello Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohcello Co Ltd filed Critical Tohcello Co Ltd
Priority to JP30467899A priority Critical patent/JP2001121659A/ja
Publication of JP2001121659A publication Critical patent/JP2001121659A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高湿度下でも優れたガスバリア性を有し、更に
は、臭気が無く基材との密着性に優れた包装用フィルム
を提供する。 【解決手段】樹脂基材フイルムの少なくとも片面上にポ
リビニルアルコール系重合体組成物を積層したフィルム
において、ポリビニルアルコール系重合体組成物(A)
中の残存酢酸ナトリウム量が0.5%以下で且つケン化
度が99%以上であることを特徴とするガスバリア性フ
ィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性フイ
ルムに関する。さらに詳しくは、基材フイルムに被膜形
成用組成物を被覆することにより、食品、医薬品等の包
装用フィルムとして好適なガスバリア性を有するフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品、医薬品等の包装用として用
いられる包装用フィルムは、内容物の酸化などを防止す
るため、ガスバリア性が必要とされる。また内容物の視
認性や美観などから高い透明性が必要とされる場合があ
る。
【0003】透明ガスバリア性フィルムとしては、二軸
延伸ポリエステルや二軸延伸ポリプロピレンのようなプ
ラスチックフィルムの表面に、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重
合体などのガスバリア性に優れた樹脂をコーティングあ
るいはラミネートした積層フィルムが知られている。し
かし、これら従来のガスバリア性フィルムは、水蒸気、
酸素などに対するガスバリア性が未だ十分ではなく、特
に高温でのガスバリア性が著しく低下するという問題が
ある。またポリビニルアルコールやエチレン−ビニルア
ルコール共重合体などを積層したフイルムは、低湿度で
のガスバリア性は良好であるが、高湿度下での性能は十
分ではない。
【0004】基材フイルム(D)に無機質の薄膜を形成
したフィルムとしては、例えば酸化珪素(特開昭49−
41469号公報)あるいは酸化アルミニウム(特開昭
62−101428号公報)を蒸着したものが知られて
いる。しかし、このような透明無機質蒸着フィルムは、
摩擦や折り曲げにより容易に傷やピンホールが発生し、
ガスバリア性が低下しやすい。
【0005】最近、ポリ塩化ビニリデンの代替としてポ
リビニルアルコール系樹脂をコーティングしたフィルム
も使用され始めているが通常のポリビニルアルコールで
は高湿度下でのガスバリア性が極端に低下することから
使用用途が乾燥食品等に限定されていた。高湿度下での
バリア性低下(湿度依存性)を改良するためにアクリル
またはウレタンで変性する試みが行われているが、製膜
性が損なわれたり、高湿度でのバリア性はいまだ充分で
はない。また、ガスバリアー性の高いフイルムの1つと
して基材フイルムにポリビニルアルコール系樹脂に無機
板状粒子を分散した組成物を塗布することにより湿度依
存性を改良したフィルムが提案されている(特開昭63
−233836号公報、特開平3−30944号公報
等)。しかしこのフイルムも、通常のポリビニルアルコ
ールを用いた場合、高湿度でのガスバリア性が不充分で
ある。また透明性や基材との密着性も充分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高湿度下でも優れたガスバリア性を有するフイルム
を提供することにある。本発明の他の目的は、透明性が
優れたガスバリアー性フイルムを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、酢酸臭がほとんどなく、基材
との密着性に優れた包装用フィルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の目的
を達成するために、樹脂基材フイルム(D)の少なくと
も片面にポリビニルアルコール系重合体組成物(A)を
積層したフィルムにおいて、ポリビニルアルコール重合
体組成物(A)層中の残存酢酸ナトリウム量が0.5%
以下で且つケン化度が99%以上であることを特徴とす
るガスバリア性フィルムを提供する。
【0008】本発明の好ましい態様では、樹脂基材フイ
ルム(D)の少なくとも片面上に、残存酢酸ナトリウム
量が0.5%以下で且つケン化度が99%以上であるポ
リビニルアルコール系重合体(B)と無機膨潤性層状化
合物(C)からなる組成物を積層したフィルムにおい
て、その重量比が(B)/(C)=9/1〜3/7であ
ることを特徴とするガスバリア性フィルムを提供する。
更に、別の発明では前記ガスバリア性積層フィルムの更
に少なくとも片面上に更にヒートシール層を設けてなる
積層フィルムを提供する。
【0009】本発明のガスバリアー性フイルムでは樹脂
基材フイルムの少なくとも片面上にポリビニルアルコー
ル系重合体組成物(A)が積層されている。本発明のお
けるポリビニルアルコール系重合体組成物(A)はポリ
ビニルアルコール系重合体(B)を主成分とする組成物
である。
【0010】本発明におけるポリビニルアルコール系重
合体(B)とは、ポリ酢酸ビニル重合体をケン化して得
られる分子内に水酸基を持ち、好ましくは水に可溶の重
合体である。原料であるポリ酢酸ビニル重合体は酢酸ビ
ニルの単独重合体であってもよいし、他の共重合可能な
モノマー、例えばエチレン、プロピレンまたは1−ブテ
ン等のα―オレフィン等が30モル%まで共重合された
ものであってもよい。共重合のモノマーが30モル%を
越えると、ガスバリアー性が低下して、バリアー材とし
ての性能が不十分になる。
【0011】本発明で用いることの出来るポリビニルア
ルコール系重合体(B)のケン化度は99%以上、好ま
しくは99.5%以上であることが必要であり、この範
囲で高湿度でのバリア性が維持される。重合度は特に制
限されないが300〜5000、より好ましくは500
〜2000の範囲が望ましい。重合度が300以下では
ガスバリア性が不充分であり、5000以上では分散液
の粘度が高くなりすぎて塗布加工が難しくなる。
【0012】本発明ではポリビニルアルコール系重合体
組成物(A)は残存酢酸ナトリウム量が0.5重量%以
下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.
1重量%以下であることが必要である。このようなポリ
ビニルアルコール系重合体組成物(A)を用いることに
より、高湿度下でもガスバリア性低下の少ない、よりガ
スバリア性の優れたフィルムを得ることが出来る。
【0013】ポリビニルアルコール系重合体組成物
(A)中の酢酸ナトリウムは、主成分であるポリビニル
アルコール系重合体(B)をポリ酢酸ビニルからケン化
することにより製造する際、ケン化工程で生成される。
従がって、ポリビニルアルコール系重合体組成物(A)
中の酢酸ナトリウムの量が上記範囲となるためには、ポ
リビニルアルコール系重合体(B)中の酢酸ナトリウム
の残存量が、0.5%以下、より好ましくは0.2%以
下であることが望ましい。通常のポリビニルアルコール
の残存酢酸ナトリウム量は1.0%程度であり、このま
まの組成物を積層した場合は高湿度でのバリア性の低下
が著しい。ポリビニルアルコール中の酢酸ナトリウム
は、水洗、イオン交換膜を用いて分離する等、公知の各
種方法により除去することが出来る。
【0014】本発明のポリビニルアルコール系重合体組
成物(A)は、ポリビニルアルコール系重合体(B)
に、無機膨潤性層状化合物(C)を配合してなる組成物
であることが好ましい。この無機膨潤性層状化合物
(C)を配合することにより、更に高湿度下でのガスバ
リア性が改良できる。更には水蒸気透過度も著しく改良
される。
【0015】本発明における無機膨潤性層状化合物
(C)とは、無機の単位結晶構造を幾枚にも重ねた多層
構造をもって板状粒子を形成しており、水及び/または
溶媒に対して膨潤性を有する層状粘土鉱物である。
【0016】本発明における無機層状化合物(C)の具
体例としては、例えば、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、サポナイト、ヘクトライト、パイデライト、スティ
ブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系の層状
粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、テトラシ
リシックマイカ等のマイカ、これらの弗素化合物などを
挙げることが出来る。これらは、天然のものでも合成さ
れたものでも良い。特に不純物の少ない合成品が好まし
く、その中でも結晶構造が成長し、アスペクト比を大き
くできる溶融法で生成したナトリウム型テトラシリシッ
クマイカが特に好ましい。
【0017】本発明における膨潤性とは、無機層状化合
物を水及び/または溶媒に浸漬した際、この層間に水分
子が配位することにより浸漬前より体積が増加する化合
物で、ポリビニルアルコール系重合体も同様にこの無機
層状化合物の層間に入り込むと思われる。
【0018】上記層状化合物の層と層との間には通常陽
イオンが保持されている。このような層間イオンとして
は、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオ
ンを例示することが出来る。特に陽イオンが膨潤性を向
上させるためにナトリウムで置換されていることが好ま
しい。
【0019】無機膨潤性層状化合物の平均粒径は特に制
限されないが長さ方向が通常300Å以上、5μm以下
のものが好ましく用いられる。5μm以上では透明性が
損なわれ、また劈開が不充分だと高湿度下でのバリア性
が著しく低下する。また、アスペクト比(長さ径と厚み
の比)は大きいほど透明性、バリア性が良好であるが、
基材フイルム(D)との密着性が低下することから20
〜2000が好ましく用いられる。
【0020】ポリビニルアルコール系重合体(B)と無
機膨潤性層状化合物(C)との混合比は重量比で(B)
/(C)が9/1〜3/7、特に8/2〜5/5の範囲
が好ましい。9/1より大きいと充分なバリア性が得ら
にくく、5/5より大きいと透明性、基材フイルム
(D)との密着性が低下する傾向がある。
【0021】さらに、本発明では基材フイルム(D)と
の密着性向上、及び/または皮膜の強度向上のためにポ
リビニルアルコール系重合体組成物(A)に架橋剤成分
を添加しても良い。架橋剤成分としては、シランカップ
リング剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋
剤、メラミン系架橋剤、アミン系化合物などがあるが、
高湿度下でも密着性低下しないことからイソシアネート
系架橋剤が好ましく、特に水性の自己乳化タイプが水溶
液中で安定であるので好ましい。その添加量はポリビニ
ルアルコール系水溶性重合体組成物(A)に対し重量比
で1〜10%の範囲にあることが好ましい。
【0022】その他、本発明で用いるポリビニルアルコ
ール系重合体組成物(A)中に、本発明の目的を阻害し
ない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種添加
剤を加えることが可能である。特に、アンチブロッキン
グ剤として粒径が0.1〜10μm程度の酸化珪素、カ
オリン等の無機系微粒子やポリメチルメタクリレート、
メラミン等の有機系微粒子を好ましく用いることが出来
る。
【0023】本発明においては、ポリビニルアルコール
系重合体組成物(A)は分散媒に分散、溶解させた分散
液の状態で樹脂基材フイルム(D)に塗布して積層する
ことが好ましい。分散媒としては、コスト、作業環境面
から水が好ましく用いられるが、水以外の溶媒、例えば
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等
を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせて加
えることも可能である。
【0024】ポリビニルアルコール系重合体組成物
(A)層の厚みは、要求されるガスバリア性能とフイル
ムの可撓性とのバランスからフィルムの特性を損なわな
い範囲で適宜選択されるが、好ましくは0.1μm〜1
0.0μm程度であり、より好ましくは0.2μm〜
3.0μmである。
【0025】本発明に用いられる樹脂基材フイルム
(D)に用いられる樹脂には特に制限はなく、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイ
ロン−6、ナイロン−66等のポリアミド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニト
リル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマ
ー、セロファン、ポリビニルアルコール、あるいはこれ
らの混合物など、一般にフィルム成形が可能な高分子材
料を用いることが出来る。本発明では基材用樹脂は、用
途に応じて上記材料から適宜選択されるが、機械適性、
透明性等の点からはポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレートが好ま
しい。
【0026】これらの樹脂組成物には、例えば帯電防止
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑材、着色剤など公知の添
加剤を、必要に応じて適宜添加することができる。
【0027】本発明に用いられる樹脂基材層(D)は上
記樹脂組成物からなるフイルムである。
【0028】樹脂基材フィルム(D)は慣用のフィルム
成形法、例えばTダイ法やインフレーション法などの溶
融成形法や、溶液を用いたキャスティング法などで成形
することができる。樹脂基材フィルム(D)は、未延伸
フイルムでも良く、一軸および二軸延伸したフイルムで
もかまわない。延伸法としては慣用の延伸法、例えば、
テンター延伸、チューブラー延伸、ロール延伸、圧延延
伸、ベルト延伸や、これらを組み合わせた延伸などが適
用できる。
【0029】またこれらのフィルム上に更に合成樹脂、
バリア性材料、帯電防止剤等を被覆した複合フィルムや
金属/金属酸化物を蒸着したフィルムも同様に使用でき
る。
【0030】樹脂基材フィルム(D)層の厚みは特に制
限されず、包装適性、機械的強度、可撓性などを考慮し
て適宜選択されるが、通常3μm〜100μm、好まし
くは5μm〜50μm程度である。
【0031】樹脂基材フィルム(D)の少なくとも片面
は表面処理またはアンカーコートされていてもよい。表
面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロ
ー放電処理、逆スパッタ処理、火炎処理、クロム酸処
理、溶剤処理、粗面化処理などがある。アンカーコート
剤は、種々の樹脂、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、光線硬化性樹脂やカップリング剤で構成することが
できる。これらの表面改質によって、樹脂基材フィルム
(D)へのガスバリア性被膜の密着性を向上させること
が可能である。
【0032】樹脂基材フィルム(D)にポリビニルアル
コール系重合体組成物(A)層を積層する方法は特に限
定されないが、基材フイルムの片面もしくは両面にポリ
ビニルアルコール系重合体組成物(A)の分散液を塗布
することにより、ガスバリア性被膜を形成する方法を採
用することが出来る。コーティング方法としては、グラ
ビアコート法、リバースコート法、ロールコート法、バ
ーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法な
どの慣用の方法を採用でき、これらを適当に組み合わせ
て実施することも可能である。
【0033】ポリビニルアルコール系重合体組成物
(A)がポリビニルアルコール系重合体(B)と無機膨
潤性層状化合物(C)からなる組成物である場合、その
組成物を塗布する場合は塗布前に、無機膨潤性層状化合
物(C)を十分膨潤させ、また二次凝集粒子を再分散す
るために、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、ボール
ミル、ビーズミル等の装置により機械的強制分散処理を
行うことが好ましい。無機膨潤性層状化合物(C)分散
液を単独で分散後、ポリビニルアルコール系水溶性重合
体(B)溶液と混合しても良いし、混合後機械的分散処
理を施しても良い。
【0034】また、前記ポリビニルアルコール系重合体
組成物(A)分散液における固形分の好ましい濃度は通
常1.0〜30重量%であり、より好ましくは2.0〜
10重量%である。分散液の固形分濃度が1%以下では
一定の塗膜厚みを得るために厚塗りが必要で生産性が悪
化する恐れがあり、また濡れ性も低下する。30%以上
では粘度が高く、塗布ムラができる恐れがある。
【0035】本発明ではまた樹脂基材フイルム(D)の
少なくとも片面上に前記した特定のポリビニルアルコー
ル系重合体組成物(A)を積層してなるフイルムにおい
て、更にその少なくとも片面に、ヒートシール層(E)
を設けてなるガスバリアー性フィルムを提供する。
【0036】ヒートシール層は、一般に基材樹脂より低
融点の樹脂組成物より形成される。本発明でヒートシー
ル層に用いられる樹脂としては、中密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
エチレン・エチルアクリレート共重合体、アイオノマー
樹脂、低結晶性プロピレン系共重合体、低結晶性ブテン
ー1系共重合体等のポリオレフィン樹脂、低結晶性また
は非晶性のポリエステル樹脂、低結晶性または非晶性の
ポリアミド樹脂等を挙げることが出来る。これらのうち
ではヒートシール可能温度幅の広い低密度ポリエチレン
が最も好ましい。ヒートシール層は、ヒートシール性ポ
リマーの種類に応じて慣用の方法、例えば、ドライラミ
ネート法、押し出しラミネート法、塗布法などにより形
成できる。
【0037】本発明のガスバリア性フィルムの厚みは特
に制限されず、包装適性、機械的強度、可とう性などを
考慮して適宜選択されるが、通常3μm〜50μm、好
ましくは5μm〜50μm程度である。
【0038】本発明のガスバリア性フィルムの光線透過
率は、適当に選択することができるが、包装した内容物
の視認性や美観のためには、白色光線での全光線透過率
が、通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ま
しくは60%以上であることが望ましい。
【0039】本発明のガスバリア性フィルムは、ガスバ
リア性被膜の保護や包装フィルムに必要な印刷適性、ラ
ミネート適性などを向上させるために、必要に応じてガ
スバリア性被膜上に、更にポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、アイオノマー樹脂などの種々のコーティング可能な
樹脂を積層していてもよい。
【0040】またさらにガスバリア性を向上させるた
め、ガスバリア性被膜の表面に他のガスバリア性材料、
例えばポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、ポリアクリロニトリルなどのバリア
性樹脂、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素な
どの金属/金属酸化物の蒸着膜などを必要に応じて被覆
することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
高湿度下でもガスバリア性が良好で酢酸臭の少ないフィ
ルムを得ることが出来る。また、水蒸気透過度も大幅に
改良できる。
【0042】本発明のガスバリア性フィルムは、特に食
品包装材料としてスナック菓子、米菓、ビスケット、ピ
ーナッツ等の等の乾燥食品はもちろんのこと含水率の多
い饅頭、カステラ、切り餅、かつお節、各種珍味類等の
広範囲な用途に用いられ、食品包装以外の薬品、産業材
用途などに利用できる。
【0043】
【特性の評価方法】特性の評価方法は次の通りに実施し
た。
【0044】1)ガスバリア性 酸素透過度測定装置(測定機:モダーンコントロール社
製 OXTRAN 2/20)により、20℃50%R
H、及び80%RHの条件で測定した。単位はcc/m
2/dayである。
【0045】2)水蒸気透過度 JIS Z 0208(カップ法)に準じて測定(40
℃、90%RHの条件)を行った。単位はg/m2/d
ayである。
【0046】3)酢酸ナトリウム含有量 JIS K 6726に準じて、ポリビニルアルコール
系重合体を溶解後指示薬を添加、塩酸滴定法により測定
した。単位は原試料に対する重量%である。
【0047】4)ケン化度 JIS K 6726に準じて、ポリビニルアルコール
系重合体を溶解後滴定法により残存酢酸基の重量%、モ
ル%を定量することにより求めた。単位はモル%であ
る。
【0048】5)酢酸ナトリウムの臭気 50cm角のフィルムを短冊状に切り刻み、ガラス瓶の
中に入れ密栓する。これを40℃のオーブンに24時間
放置後、蓋を開けガラス瓶の中の臭いを官能試験で評価
した。 ○:臭い無し △:やや臭う ×:臭う
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定され
るものではない。
【0050】実施例1 ケン化度99.9%、酢酸ナトリウム含有量0.2%、
重合度500のポリビニルアルコールを水に溶解し、5
%濃度の水溶液を得た。この水溶液に水性ウレタン(武
田薬品工業製 WD726)を固形分比で3%、及び濡
れ向上剤としてアニオン系界面活性剤(花王製ネオペレ
ックスF25)を0.5%添加し、これをガスバリア性
被膜形成用コート液とした。この液を12μmのPET
フィルム(ユニチカ製)にバーコート法(メイヤーバー
#14)にて塗布し、90℃で15秒乾燥した。得られ
たフィルムは透明で、塗膜の厚みは0.9μmであっ
た。得られたフィルムを40℃で1日エージング後、酸
素透過率を測定した。80%RHでもガスバリア性が良
好で臭気の少ないフィルムが得られた。評価結果を表1
に示す。
【0051】実施例2 実施例1においてポリビニルアルコールをケン化度9
9.9%、酢酸ナトリウム含有量0.03%、重合度1
000のポリビニルアルコールに変えた以外は実施例1
と同様に実施した。80%RHでもガスバリア性が良好
で臭気の少ないフィルムが得られた。評価結果を表1に
示す。
【0052】実施例3 実施例1において、ポリビニルアルコールをケン化度9
9.9%、酢酸ナトリウム含有量0.1%、重合度17
00のポリビニルアルコールに変えた以外は実施例1と
同様に実施した。80%RHでもガスバリア性が良好で
臭気の少ないフィルムが得られた。評価結果を表1に示
す。
【0053】比較例1 実施例1において用いたポリビニルアルコールの代わり
にケン化度98.0%、酢酸ナトリウム含有量1.2
%、重合度500のポリビニルアルコールを用いる以外
は実施例1と同様に実施した結果、臭気のあるフィルム
が得られた。評価結果を表1に示す。
【0054】比較例2 実施例1においてケン化度が98.0%、酢酸ナトリウ
ム含有量0.5%、重合度500のポリビニルアルコー
ルを用いた以外は実施例1と同様に実施した。評価結果
を表1に示す。
【0055】比較例3 実施例1においてケン化度が99.9%、酢酸ナトリウ
ム含有量0.7%、重合度1700のポリビニルアルコ
ールを用いた以外は実施例1と同様に実施した。評価結
果を表1に示す。
【0056】実施例4 ケン化度99.9%、酢酸ナトリウム含有量0.2%、
重合度500のポリビニルアルコールを水に溶解し、固
形分が5重量%の濃度の水溶液を得た。無機膨潤性層状
化合物として、合成マイカ(トピ−工業製 NTS−7
(水分散タイプ、固形分7%)、平均粒径1.5μm)
を用いて、水で固形分が5重量%になるよう調整した。
このポリビニルアルコ−ル水溶液と無機膨潤性層状化合
物の水分散液とを重量比で7/3になるよう混合し、更
に水性ウレタン(武田薬品工業製WD726)を固形分
比で3重量%、及び濡れ向上剤としてアニオン系界面活
性剤(花王製ネオペレックスF25)を0.5重量%添
加し、ホモジナイザーで7000回転、15分間分散攪
拌を行った。この分散水溶液をガスバリア性被膜形成用
コート液とした。この液を12μmのPETフィルム
(ユニチカ製)にバーコート法(メイヤーバー#14)
にて塗布し、90℃で15秒乾燥した。得られたフィル
ムの塗膜厚みは0.8μmであり、臭気の少ないフィル
ムが得られた。得られたフイルムの評価結果を表1に示
す。
【0057】実施例5 実施例4で用いたポリビニルアルコールをケン化度9
9.9%、酢酸ナトリウム含有量0.1%、重合度17
00のポリビニルアルコールに変えた以外は実施例4と
同様に実施した。得られたフイルムの評価結果を表1に
示す。
【0058】比較例4 実施例4においてポリビニルアルコールをケン化度9
8.5%、酢酸ナトリウム含有量0.8%、重合度17
00のポリビニルアルコールに変えた以外は実施例4と
同様に実施した。得られたフイルムの評価結果を表1に
示す。
【0059】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/12 C08L 23/12 29/04 29/04 Z Fターム(参考) 4F100 AA01B AC05B AK01A AK01C AK07A AK21B AK42 AK51 AL05B AL06B BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA13 CA18 DE10B EJ38A GB16 GB23 GB66 JB10B JB20B JD04 JL00 JL12C YY00B 4J002 BE021 DJ037 DJ057 EG026 FA017 FB087 FD017 FD020 FD050 FD090 FD100 FD140 FD170 FD200 GH00 HA04 HA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂基材フイルム(D)の少なくとも片面
    上にポリビニルアルコール系重合体組成物(A)を積層
    したフィルムにおいて、ポリビニルアルコール系重合体
    組成物(A)中の残存酢酸ナトリウム量が0.5%以下
    で且つケン化度が99%以上であることを特徴とするガ
    スバリア性フィルム。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコール系重合体組成物
    (A)が、ポリビニルアルコール系重合体(B)と無機
    膨潤性層状化合物(C)とからなる組成物であることを
    特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 【請求項3】ポリビニルアルコール系重合体(B)と無
    機膨潤性層状化合物(C)との重量比が(B)/(C)
    =9/1〜3/7であることを特徴とする請求項2に記
    載のガスバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】ポリビニルアルコール系重合体(B)が、
    水溶性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請
    求項1ないし3に記載のガスバリア性フィルム。
  5. 【請求項5】無機膨潤性層状化合物(C)が、層間陽イ
    オンがアルキルアンモニウムイオンで置換された合成マ
    イカであることを特徴とする請求項1ないし4に記載の
    ガスバリア性フィルム。
  6. 【請求項6】樹脂基材フイルム(D)がポリプロピレン
    フイルムであることを特徴とする請求項1ないし5に記
    載のガスバリア性フイルム。
  7. 【請求項7】ポリプロピレンフイルムが二軸延伸された
    ポリプロピレンフイルムであることを特徴とする請求項
    6に記載のガスバリア性フイルム。
  8. 【請求項8】樹脂基材フイルム(D)の少なくとも片面
    上にポリビニルアルコール系重合体組成物(A)を積層
    してなるフイルムの少なくとも片面にヒートシール層
    (E)を設けてなるガスバリアー性フィルムにおいて、
    ポリビニルアルコール系重合体組成物(A)中の残存酢
    酸ナトリウム量が0.5%以下で且つケン化度が99%
    以上であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
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