JP2001100004A - 防眩性反射防止フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents
防眩性反射防止フィルムおよび画像表示装置Info
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Abstract
傷性、防汚性を有し、しかも色むらの少ない防眩性反射
防止フィルムおよびこのフィルムを構成部材として用い
た偏光板ならびに液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 基材上に、少なくとも1層の、屈折率が
1.38以上1.49以下の含フッ素樹脂を含んでなる
低屈折率層を設けた防眩性反射防止フィルムであって、
該基材と低屈折率層の間に屈折率が1.57〜2.00
であるバインダを含む防眩層を設けた防眩性反射防止フ
ィルム、およびこの防眩性反射防止フィルムを偏光板に
おける偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも
一方に用いた偏光板、ならびにこの防眩性反射防止フィ
ルムまたは偏光板をディスプレイの最表層に用いた液晶
表示装置。
Description
射防止フィルムおよびそれを構成部材として用いた偏光
板ならびに液晶表示装置に関する。
装置、プラズマディスプレイパネル、液晶表示装置のよ
うな画像表示装置において、外光の反射によるコントラ
スト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の
原理を用いて反射率を低減するディスプレイの最表面に
配置される。
持体上にハードコート層と低屈折率層のみを有する反射
防止フィルムにおいては、反射率を低減するためには低
屈折率層を十分に低屈折率化しなければならず、例えば
トリアセチルセルロースを支持体とし、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートのUV硬化被膜をハードコ
ート層とする反射防止フィルムで450nmから650
nmにおける平均反射率を1.6%以下にするためには
低屈折率層の屈折率を1.40以下にしなければならな
い。屈折率1.40以下の素材としては無機物ではフッ
化マグネシウムやフッ化カルシウム、有機物ではフッ素
含率の大きい含フッ素化合物が挙げられるが、これらフ
ッ素化合物は凝集力がないためディスプレイの最表面に
配置するフィルムとしては耐傷性が不足していた。従っ
て、十分な耐傷性を有するためには1.43以上の屈折
率を有する化合物を用いることが従来必要となってい
た。
ードコート層の屈折率を大きくすることにより、反射率
を低減させることが記載されている。しかしながら、こ
のような高屈折率ハードコート層は支持体との屈折率差
が大きいためにフィルムの色むらが発生し、反射率の波
長依存性も大きく振幅してしまう。また、特開平7−3
33404号においては、ガスバリア性、防眩性、反射
防止性に優れる防眩性反射防止膜が記載されているが、
化学蒸着(CVD)による酸化珪素膜が必須であるた
め、ウエット塗布と比較して生産性に劣る。したがって
本発明は、簡便かつ安価にして十分な反射防止性能と耐
傷性、防汚性を有し、しかも色むらの少ない防眩性反射
防止フィルムおよびこのフィルムを構成部材として用い
た偏光板ならびに液晶表示装置を提供することを目的と
する。
うに達成された。 (1)基材上に、少なくとも1層の、屈折率が1.38
以上1.49以下の含フッ素樹脂を含んでなる低屈折率
層を設けた防眩性反射防止フィルムであって、該基材と
低屈折率層の間に屈折率が1.57〜2.00であるバ
インダを含む防眩層を設けたことを特徴とする防眩性反
射防止フィルム。 (2)前記基材と防眩層の間に少なくとも1層のハード
コート層を有することを特徴とする(1)項に記載の防
眩性反射防止フィルム。 (3)前記含フッ素樹脂が熱または電離放射線により硬
化させた樹脂であることを特徴とする(1)または
(2)項に記載の防眩性反射防止フィルム。 (4)前記防眩層が、防眩性粒子と、電離放射線により
硬化させた化合物を含むバインダとを含んでなることを
特徴とする(1)、(2)または(3)項に記載の防眩
性反射防止フィルム。 (5)前記防眩性粒子とバインダとの屈折率差が0.0
5未満であることを特徴とする(4)項に記載の防眩性
反射防止フィルム。 (6)前記防眩性粒子の平均粒径が1〜10μmである
ことを特徴とする(4)項に記載の防眩性反射防止フィ
ルム。 (7)前記防眩層のバインダが、高屈折率モノマーと少
なくとも3つの官能基を有する(メタ)アクリレートモ
ノマーとの混合物を熱または電離放射線により硬化させ
た化合物を含んでなることを特徴とする(1)〜(6)
項のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルム。 (8)前記防眩層のバインダが、Al、Zr、Zn、T
i、InおよびSnから選ばれる少なくとも1種の金属
の酸化物超微粒子と少なくとも3つの官能基を有する
(メタ)アクリレートモノマーとの混合物を熱または電
離放射線により硬化させた化合物を含んでなることを特
徴とする(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の防眩
性反射防止フィルム。 (9)前記低屈折率層が動摩擦係数0.03〜0.1
5、且つ水に対する接触角が90〜120°であること
を特徴とする(1)〜(8)項のいずれか1項に記載の
防眩性反射防止フィルム。 (10)(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の防眩
性反射防止フィルムを偏光板における偏光層の2枚の保
護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴
とする偏光板。 (11)(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の防眩
性反射防止フィルムまたは(10)項に記載の偏光板を
ディスプレイの最表層に用いたことを特徴とする液晶表
示装置。
な防眩性反射防止フィルムの基本的な構成を図面を参照
しながら説明する。
フィルムの一例であり、トリアセチルセルロースからな
る透明支持体1、ハードコート層2、防眩層3、そして
低屈折率層4の順序の層構成を有する。5は防眩性粒子
であり、その防眩層からの突出部も低屈折率層4で覆わ
れている。防眩層のバインダの屈折率が1.57〜1.
80であり、低屈折率層の屈折率は1.43〜1.48
である。
(I)をそれぞれ満足することが好ましい。
n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈
折率層の膜厚(nm)である。λは使用光線の波長であ
る。
(バインダ部)の屈折率は、好ましくは1.57〜2.
00であり、より好ましくは1.60〜1.80であ
る。基材として好ましく用いられるトリアセチルセルロ
ースの屈折率は1.48である。本発明に用いられる防
眩層を形成するバインダの屈折率は1.57〜2.00
であるが、これが小さすぎても、大きすぎても反射防止
性が低下する。高屈折率素材が二以上のエチレン性不飽
和基を有するモノマーとチタン、アルミニウム、インジ
ウム、亜鉛、錫、アンチモンおよびジルコニウムのうち
より選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる粒径10
0nm以下の微粒子とからなる場合、微粒子の粒径が光
の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、光学的に
は均一な物質として挙動する。このことは特開平8−1
10401号等に記載されている。
率素材中に分散する防眩性粒子によって表面散乱が生じ
るために、防眩層での光学干渉の影響を生じない。防眩
性粒子を有しない高屈折率ハードコート層では、ハード
コート層と基材との屈折率差による光学干渉のために、
反射率の波長依存性において反射率の大きな振幅が見ら
れ、結果として防眩反射防止効果が悪化し、同時に色む
らが発生してしまうが、本発明の防眩反射防止フィルム
では防眩層の表面凹凸による散乱効果によってこれらの
問題を解決した。
り好ましいものが選択され、具体的には透明支持体が用
いられる。透明支持体としては、プラスチックフィルム
を用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成
するポリマーとしては、セルロースエステル(例、トリ
アセチルセルロース、ジアセチルセルロース)、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポ
リスチレン、ポリオレフィンなどが挙げられる。このう
ちトリアセチルセルロースが好ましい。本発明の防眩性
反射防止フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に
粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置す
る。トリアセチルセルロースは偏光板の偏光層を保護す
る保護フィルムに用いられるため、本発明の防眩性反射
防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコ
ストの上では好ましい。
化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマー
であることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有す
るポリマーであることがさらに好ましい。バインダーポ
リマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を
主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマ
ーの重合反応により得ることが好ましい。架橋している
バインダーポリマーを得るためには、二以上のエチレン
性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
マーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シク
ロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリア
クリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニル
ベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベン
ゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエ
ステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニル
スルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリル
アミドが含まれる。
は、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成す
ることが好ましい。これらのエチレン性不飽和基を有す
るモノマーは、塗布後、電離放射線、熱などによる重合
反応により硬化させる必要がある。これは必要により、
光重合開始剤、光増感剤などを用いて、周知の方法によ
り行うことができる。
マーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応によ
り、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ
基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カ
ルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロー
ル基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン
酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、
エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テト
ラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構
造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロッ
クイソシアナート基のように、分解反応の結果として架
橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明におい
て架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解し
た結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋基
を有する化合物は塗布後熱などによって架橋させる必要
がある。
において、上記ハードコート層を形成する素材に加え
て、さらに高屈折率モノマーまたは高屈折率無機超微粒
子を用いて形成することができる。このような高屈折率
モノマーは、モノマーの構造中に、芳香族環、フッ素原
子以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子及び窒素原
子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含むことが
好ましい。このような高屈折率モノマーの例には、ビス
(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニ
ルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタク
リロキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテ
ル等が含まれる。本発明において高屈折率モノマーの使
用量は、バインダが目的の膜屈折率となるように調整さ
れる。高屈折率無機超微粒子としては、チタン、アルミ
ニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンおよびジル
コニウムのうちより選ばれる少なくとも一つの酸化物か
らなる粒径100nm以下の超微粒子を含有することが
好ましく、50nm以下の超微粒子であることがより好
ましい。このような超微粒子の例としては、TiO2、
Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O
3、ITO、ZrO2等が挙げられる。バインダ中の無
機超微粒子の含有量は、防眩層の全重量の10乃至90
重量%であることが好ましく、20乃至80重量%であ
ると更に好ましい。
の干渉による反射率悪化防止、色むら防止の目的で、樹
脂または無機化合物の防眩性粒子が用いられる。平均粒
径は1.0〜10.0μmが好ましく、1.5〜5.0
μmがより好ましい。また、防眩層のバインダ膜厚より
も小さい粒径の防眩性粒子が、重量比で該防眩性粒子全
体の50%未満であることが好ましい。防眩性粒子の塗
布量は、好ましくは、10〜1000mg/m2、より
好ましくは、30〜100mg/m2である。粒度分布
はコールターカウンター法や遠心沈降法等により測定で
きるが、分布は粒子数分布に換算して考える。防眩層膜
厚は0.5乃至10μmが好ましく、1乃至5μmがよ
り好ましい。また、防眩層のバインダと前記防眩性粒子
との屈折率の差が0.05未満であることが防眩層内で
の内部散乱を低減する上で好ましい。
熱または電離放射線により架橋する含フッ素化合物(樹
脂)が好ましく用いられる。低屈折率層の屈折率は1.
38以上1.49以下であり、この値が低すぎると膜強
度が低下し、高すぎると反射防止性が悪化する。またこ
の層の動摩擦係数は、好ましくは0.03〜0.15で
あり、より好ましくは0.07〜0.10である。動摩
擦係数が小さすぎるとハンドリング膜のスリップが問題
となり、大きすぎると耐傷性が悪化する。低屈折率層の
水に対する接触角は、好ましくは90〜120°であ
り、より好ましくは100〜120°であり、これが小
さすぎると防汚性に劣る。
高分子化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シラ
ン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,
2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フ
ッ素モノマー成分と架橋性基付与のためのモノマー成分
を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。上記
含フッ素モノマー成分の具体例としては、例えばフルオ
ロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデン
フルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ
−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メ
タ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエス
テル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学
製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部
分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与の
ためのモノマー成分としてはグリシジルメタクリレート
のように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メ
タ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒド
ロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メ
タ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル
酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が
挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導入できる
ことが特開平10−25388および特開平10−14
7739に知られている。
るポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマ
ーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマー単
位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレ
ン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、
メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコー
ルジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、
ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル
等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−te
rtブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリ
ルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル
誘導体等を挙げることができる。
エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコ
ート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエ
クストルージョンコート法(米国特許2681294号
明細書)により、塗布により形成することができる。二
以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法につ
いては、米国特許2761791号、同2941898
号、同3508947号、同3526528号の各明細
書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝
倉書店(1973)に記載がある。本発明において、基
材の厚さは用途により全く異なる。防眩層は前記の通り
であり、低屈折率層は好ましくは0.08〜0.15μ
m、より好ましくは0.09〜0.12μmであり、ハ
ードコート層は好ましくは1〜10μm、より好ましく
は3〜6μmである。
基材上に、前記防眩層と前記低屈折率層とを順に設ける
ことで構成されていればよく、低屈折率層については、
本発明に規定する屈折率を有する構成成分の異なる低屈
折率層を2層以上設けていてもよい。本発明ではこの基
材と防眩層の間に、前記ハードコート層をさらに設ける
ことが好ましく、構成成分の異なるハードコート層を2
層以上設けていてもよい。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置
(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止
膜が透明支持体を有する場合は、透明支持体側を画像表
示装置の画像表示面に接着する。本発明の防眩性反射フ
ィルムを適用しうる画像表示装置としては、特開平7−
287102号公報(例えば段落(0059)〜(00
61)及び図14、15)、特開平7−333404号
公報(例えば段落(0078)〜(0079)及び図1
9、20)などに記載のものがある)。
例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(商品名:DPHA、日
本化薬(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイル
チオフェニル)スルフィド(商品名:MPSMA、住友
精化(株)製)125gを、439gのメチルエチルケ
トン/シクロヘキサノン=50/50重量%の混合溶媒
に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(商品名:
イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよ
び光増感剤(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)3.0gを49gのメチルエチルケトンに溶
解した溶液を加えた。なお、この溶液を塗布、紫外線硬
化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。さら
にこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子
(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10g
を添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間
攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フ
ィルターでろ過して防眩層の塗布液を調製した。
ノン104.1g、メチルエチルケトン61.3gの混
合溶媒に、エアディスパで攪拌しながら酸化ジルコニウ
ム(粒径約30nm)分散物含有ハードコート塗布液
(商品名:KZ−7886A、JSR(株)製)21
7.0gを添加した。なお、この溶液を塗布、紫外線硬
化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。さら
にこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子
(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)5gを
添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪
拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィ
ルターでろ過して防眩層の塗布液を調製した。
ノン104.1g、メチルエチルケトン61.3gの混
合溶媒に、エアディスパで攪拌しながら酸化ジルコニウ
ム(粒径約30nm)分散物含有ハードコート塗布液
(商品名:KZ−7991、JSR(株)製)217.
0g、を添加した。なお、この溶液を塗布、紫外線硬化
して得られた塗膜の屈折率は1.70であった。さらに
この溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商
品名:SX−200H、綜研化学(株)製)5gを添加
して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、
分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタ
ーでろ過して防眩層の塗布液を調製した。
ンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日
本化薬(株)製)250gを、439gのメチルエチル
ケトン/シクロヘキサノン=50/50重量%の混合溶
媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガ
キュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増
感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.
0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加
えた。なお、この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた
塗膜の屈折率は1.53であった。さらにこの溶液を孔
径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハ
ードコート層の塗布液を調製した。
46の熱架橋性含フッ素ポリマー(商品名:JN−72
21、JSR(株)製)200gにメチルイソブチルケ
トンを200g添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロ
ピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を
調製した。
ルセルロースフイルム(商品名:TAC−TD80U、
富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層
用塗布液Dをバーコーターを用いて塗布し、120℃で
乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400
mW/cm 2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照
射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層
を形成した。その上に、上記防眩層用塗布液Aをバーコ
ーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同条件に
て乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μmの防眩層を
形成した。その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコ
ーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さらに12
0℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折
率層を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、実施例1と同様にしてハードコ
ート層を形成した。その上に、上記防眩層用塗布液Bを
バーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同
条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μmの防
眩層を形成した。その上に、上記低屈折率層用塗布液を
バーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さら
に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの
低屈折率層を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、実施例1と同様にしてハードコ
ート層を形成した。その上に、上記防眩層用塗布液Cを
バーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同
条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μmの防
眩層を形成した。その上に、上記低屈折率層用塗布液を
バーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さら
に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの
低屈折率層を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液
Dをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の
後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイ
グラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/
cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して
塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成
した。その上に、MPSMAを全てDPHAに置き換え
た以外は上記防眩層用塗布液Aと全く同様の防眩層用塗
布液をバーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート
層と同条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μ
mの防眩層を形成した。なお、本比較例で用いた防眩層
用塗布液において、SX−200Hを添加する前の溶液
を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.5
1であった。その上に、上記低屈折率層用塗布液をバー
コーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さらに1
20℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈
折率層を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、比較例1と同様にして、厚さ4
μmのハードコート層を形成した。その上に、上記防眩
層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、上記ハー
ドコート層と同条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚さ約
1.5μmの防眩層を形成した。その上に、シリカゾル
(メタノールシリカゾル、日産化学(株)製)とテトラ
エトキシシランの加水分解物からなる低屈折率層用塗布
液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、
さらに120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μ
m、屈折率1.43の低屈折率層を形成した。
ついて、以下の項目の評価を行った。 (1)平均反射率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜7
80nmの波長領域において、入射角5°における分光
反射率を測定した。結果には450〜650nmの平均
反射率を用いた。 (2)ヘイズ 得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(商品名、日本電色工業(株)製)を用
いて測定した。 (3)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60
%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規
定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にてひ
っかき試験を行った。 n=5の評価において傷が全く認められない :○ n=5の評価において傷が1または2つ :△ n=5の評価において傷が3つ以上 :× (4)接触角、指紋付着性評価 表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、
湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角
を測定した。またこのサンプル表面に指紋を付着させて
から、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状
態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。 指紋が完全に拭き取れる :○ 指紋がやや見える :△ 指紋がほとんど拭き取れない :×
擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿し
た後、HEIDON−14(商品名)動摩擦測定機によ
り5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度60c
m/minにて測定した値を用いた。 (6)防眩性評価 作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光
灯(8000cd/m 2)を映し、その反射像のボケの
程度を以下の基準で評価した。 蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎ 蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○ 蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△ 蛍光灯がほとんどぼけない :× (7)ギラツキ評価 作成した防眩性フィルムにルーバーありの蛍光灯拡散光
を映し、表面のギラツキを以下の基準で評価した。 ほとんどギラツキが見られない :○ わずかにギラツキがある :△ 目で識別できるサイズのギラツキがある :×
実施例1、2および3とも反射防止性能に優れ、鉛筆硬
度、指紋付着性、防眩性、ギラツキのような防眩性反射
防止フィルムに必要とする全ての性能は良好であった。
比較例1は防眩層の屈折率が低いため、十分な反射防止
性能(反射率)が得られなかった。比較例2は低屈折率
層の接触角が高く、指紋付着性が劣悪であった。
反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いて反射防
止層を最表層に配置した液晶表示装置を作成したとこ
ろ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが
得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を
有し、色むらも発生せず、指紋付も良好であった。
便かつ安価にして十分な防眩性と反射防止性能と耐傷
性、防汚性を有し、しかも色むらの少ないという優れた
作用効果を奏する。したがってこの防眩性反射防止フィ
ルムを表示装置の前面に用いた画像表示装置は外光の反
射によるコントラスト低下や像の映り込みがなく、画像
の色むらがなく、表示面の耐傷性、防汚性が高い、とい
う優れた作用効果を奏する。
式図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 基材上に、少なくとも1層の、屈折率が
1.38以上1.49以下の含フッ素樹脂を含んでなる
低屈折率層を設けた防眩性反射防止フィルムであって、
該基材と低屈折率層の間に屈折率が1.57〜2.00
であるバインダを含む防眩層を設けたことを特徴とする
防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項2】 前記基材と防眩層の間に少なくとも1層
のハードコート層を有することを特徴とする請求項1に
記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項3】 前記含フッ素樹脂が熱または電離放射線
により硬化させた樹脂であることを特徴とする請求項1
または2に記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項4】 前記防眩層が、防眩性粒子と、電離放射
線により硬化させた化合物を含むバインダとを含んでな
ることを特徴とする請求項1、2または3に記載の防眩
性反射防止フィルム。 - 【請求項5】 前記防眩性粒子とバインダとの屈折率差
が0.05未満であることを特徴とする請求項4に記載
の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項6】 前記防眩性粒子の平均粒径が1〜10μ
mであることを特徴とする請求項4に記載の防眩性反射
防止フィルム。 - 【請求項7】 前記防眩層のバインダが、高屈折率モノ
マーと少なくとも3つの官能基を有する(メタ)アクリ
レートモノマーとの混合物を熱または電離放射線により
硬化させた化合物を含んでなることを特徴とする請求項
1〜6のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィル
ム。 - 【請求項8】 前記防眩層のバインダが、Al、Zr、
Zn、Ti、InおよびSnから選ばれる少なくとも1
種の金属の酸化物超微粒子と少なくとも3つの官能基を
有する(メタ)アクリレートモノマーとの混合物を熱ま
たは電離放射線により硬化させた化合物を含んでなるこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の防
眩性反射防止フィルム。 - 【請求項9】 前記低屈折率層が動摩擦係数0.03〜
0.15、且つ水に対する接触角が90〜120°であ
ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載
の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
防眩性反射防止フィルムを偏光板における偏光層の2枚
の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを
特徴とする偏光板。 - 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
防眩性反射防止フィルムまたは請求項10に記載の偏光
板をディスプレイの最表層に用いたことを特徴とする液
晶表示装置。
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-
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- 1999-09-29 JP JP27715099A patent/JP2001100004A/ja active Pending
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