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JP2001198943A - 発泡成形品の成形方法及び射出成形機 - Google Patents

発泡成形品の成形方法及び射出成形機

Info

Publication number
JP2001198943A
JP2001198943A JP2000013773A JP2000013773A JP2001198943A JP 2001198943 A JP2001198943 A JP 2001198943A JP 2000013773 A JP2000013773 A JP 2000013773A JP 2000013773 A JP2000013773 A JP 2000013773A JP 2001198943 A JP2001198943 A JP 2001198943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foaming
injection
molding material
molding
cavity space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000013773A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Morikita
信夫 森北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000013773A priority Critical patent/JP2001198943A/ja
Publication of JP2001198943A publication Critical patent/JP2001198943A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ひけ、ショート等の成形不良を発生させること
がなく、発泡成形品の外観を良くすることができるよう
にする。 【解決手段】射出工程において、樹脂に発泡材料を混入
することによって得られた成形材料を、高速で射出し、
高速充填(てん)を行ってキャビティ空間に充填し、成
形材料の充填が終了する直前のタイミングにおいて、射
出工程を完了し、射出部材を停止させて発泡工程を開始
し、発泡工程において、成形材料中の発泡材料を発泡さ
せる。この場合、高速充填が行われ、成形材料の充填が
終了する直前のタイミングにおいて、射出工程が完了さ
れ、発泡材料が発泡させられるので、キャビティ空間内
の発泡可能量が大きくなる。したがって、成形材料を十
分に膨張させることができ、それに伴って発泡剤を十分
に発泡させ、発泡倍率を高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡成形品の成形
方法及び射出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機においては、成形材料
を、射出装置の射出ノズルから射出し、金型装置内のス
プルー、ランナ及びゲートを介してキャビティ空間に充
填(てん)することによって成形品を得るようになって
いる。
【0003】そして、前記成形材料として、例えば、樹
脂に発泡材料を混入したものを使用し、発泡材料を発泡
させながら成形を行うようにした発泡成形品の成形方法
においては、多数の気泡を含有する発泡成形品、例え
ば、発泡容器を成形することができる。
【0004】図2は発泡容器の断面図である。
【0005】図において、71は発泡容器、72はテー
パ状に形成されたほぼ筒状の胴部、73は該胴部72の
下端(図における右端)に形成された底部、74は前記
胴部72の下端から更に下方(図における右方)に突出
させて形成された脚付根部、75は、前記胴部72の上
端(図における左端)に、径方向外方に突出させて形成
されたフランジ部、76は図示されない食品を収容する
収容部である。
【0006】前記発泡容器71は図示されない金型装置
内のキャビティ空間に成形材料を充填することによって
形成される。そのために、前記金型装置は、固定金型及
び可動金型から成り、可動金型を固定金型に対して接離
させることによって、型閉じ、型締め及び型開きが行わ
れる。そして、型閉じ及び型締めに伴って固定金型と可
動金型との間にキャビティ空間が形成され、該キャビテ
ィ空間に成形材料が充填される。前記キャビティ空間に
は、前記胴部72、底部73、脚付根部74及びフラン
ジ部75に対応させて、胴部分、底部分、脚付根部分及
びフランジ部分が形成され、前記底部分の中央にゲート
が形成される。したがって、成形材料は、前記ゲートを
介して前記キャビティ空間内に進入し、底部分、脚付根
部分及び胴部分を流れた後、キャビティ空間内における
ゲートから最も離れた位置に形成されたフランジ部分に
到達する。
【0007】そして、型開きが行われると、キャビティ
空間内において成形された発泡容器71が固定金型及び
可動金型から離型させられる。
【0008】ところで、型開きが行われる際の離型性を
向上させ、固定金型及び可動金型から発泡容器71を円
滑に離型させることができるように、発泡容器71に5
〜10〔°〕の抜き勾(こう)配が付けられる。すなわ
ち、胴部72及び脚付根部74に共通の外側面S1、並
びに胴部72及びフランジ部75に共通の内側面S2
は、いずれも、発泡容器71の上端から離れるほど径方
向寸法が小さくされ、前記脚付根部74の内側面S3は
発泡容器71の下端から離れるほど径方向寸法が小さく
される。そして、前記脚付根部74、特に脚付根部74
と胴部72及び底部73との連結部R11が胴部72及
び底部73より20〜100〔%〕程度肉厚にされる。
【0009】また、前記フランジ部75には、紙、アル
ミニウム、プラスチック、フィルム等から成る図示され
ない蓋(ふた)がヒートシールによって取り付けられ、
発泡容器71が密封される。そのために、高温の図示さ
れない加熱体、インダクタ等の押付部材によって蓋がフ
ランジ部75に押し付けられる。そこで、押付部材によ
る押付力に耐えられるように、前記フランジ部75は、
胴部72より20〜50〔%〕程度肉厚にされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の発泡成形品の成形方法においては、前記脚付根部7
4が肉厚にされるので、冷却に伴って成形材料が収縮す
る量が多く、ひけ、ショート等の成形不良を発生させ、
発泡容器71の外観を悪くしてしまう。
【0011】そして、フランジ部75も肉厚にされるの
で、冷却に伴って成形材料が収縮する量が多く、また、
フランジ部75がキャビティ空間内におけるゲートから
最も離れた位置に形成されるので、充填工程が完了した
後の保圧工程において、フランジ部分の成形材料に十分
な保圧を効かせることができない。したがって、ひけ、
ショート等の成形不良を発生させ、発泡容器71の外観
を悪くしてしまうだけでなく、蓋を取り付ける際に、蓋
をフランジ部75に安定させて押し付けることができな
い。その結果、発泡容器71の密封性を低下させてしま
う。
【0012】本発明は、前記従来の発泡成形品の成形方
法の問題点を解決して、ひけ、ショート等の成形不良を
発生させることがなく、発泡成形品の外観を良くするこ
とができる発泡成形品の成形方法及び射出成形機を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の発
泡成形品の成形方法においては、射出工程において、樹
脂に発泡材料を混入することによって得られた成形材料
を、高速で射出し、高速充填を行ってキャビティ空間に
充填し、前記成形材料の充填が終了する直前のタイミン
グにおいて、射出工程を完了し、射出部材を停止させて
発泡工程を開始し、該発泡工程において、成形材料中の
発泡材料を発泡させる。
【0014】本発明の他の発泡成形品の成形方法におい
ては、さらに、射出速度VS は、 200≦VS ≦1000〔mm/s〕 の範囲に設定される。
【0015】本発明の更に他の発泡成形品の成形方法に
おいては、さらに、充填時間tS は、 0.05≦tS ≦0.2〔s〕 の範囲に設定される。
【0016】本発明の更に他の発泡成形品の成形方法に
おいては、さらに、前記射出工程を完了したときにキャ
ビティ空間内に形成される隙(すき)間がキャビティ空
間に占める割合ζは、 1≦ζ≦5〔%〕 の範囲に設定される。
【0017】本発明の更に他の発泡成形品の成形方法に
おいては、さらに、前記発泡材料は発泡剤である。
【0018】本発明の更に他の発泡成形品の成形方法に
おいては、さらに、前記発泡材料は発泡用のガスであ
る。
【0019】本発明の射出成形機においては、シリンダ
部材と、該シリンダ部材内において進退自在に配設され
た射出部材と、該射出部材を進退させる駆動手段と、型
閉じ及び型締めに伴ってキャビティ空間が形成される金
型装置と、射出工程において、樹脂に発泡材料を混入す
ることによって得られた成形材料を、高速で射出し、高
速充填を行ってゲートを介してキャビティ空間に充填す
るための射出制御手段と、前記成形材料の充填が終了す
る直前のタイミングにおいて、射出工程を完了し、射出
部材を停止させて発泡工程を開始し、該発泡工程におい
て、成形材料中の発泡材料を発泡させるための発泡制御
手段とを有する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の実施の形態における射出成
形機の概略図、図3は本発明の実施の形態における射出
成形機の動作を示すタイムチャート、図4は本発明の実
施の形態における発泡工程時の成形材料の状態を示す
図、図5は充填時間と発泡倍率との関係図である。な
お、図3において、SG1はスクリュー12の回転方向
を示す変量、SG2はスクリュー12の進退方向を示す
変量である。各変量SG1、SG2は、いずれも便宜上
想定されたものであり、実際の制御量を表すものではな
い。また、図5において、横軸に充填時間tS を、縦軸
に発泡倍率を採ってある。
【0022】図において、11はシリンダ部材としての
加熱シリンダ、12は該加熱シリンダ11内において回
転自在に、かつ、進退(図1における左右方向に移動)
自在に配設された射出部材としてのスクリュー、13は
第1の駆動手段としての射出シリンダ、14は第2の駆
動手段としての油圧モータである。前記加熱シリンダ1
1には、後方(図1における右方)の所定の位置にホッ
パ11aが、前端(図1における左端)に射出ノズル2
0が形成され、前記ホッパ11aに、樹脂等に発泡材料
を混入することによって得られた成形材料が投入され
る。該成形材料は、ホッパ11aから加熱シリンダ11
内に供給され、前記射出ノズル20から射出される。ま
た、前記スクリュー12の表面には、螺(ら)旋状にフ
ライト12aが形成され、該フライト12aに沿って溝
21が形成される。なお、前記射出シリンダ13に代え
て電動の射出用モータを、油圧モータ14に代えて電動
の計量用モータを使用することができる。
【0023】前記射出シリンダ13は進退自在に配設さ
れたピストン13aを備え、該ピストン13aの後方に
第1の油室16が、前方(図1における左方)に第2の
油室17が形成され、第1、第2の油室16、17は図
示されない切換弁を介して図示されない油圧供給源に接
続される。この場合、前記第1の油室16に油圧を供給
し、第2の油室17の油圧をドレーンすることによって
スクリュー12を前進(図1における左方に移動)させ
たり、第1の油室16の油圧をドレーンし、油圧モータ
14を駆動することによって、スクリュー12を回転さ
せて計量を行ったりすることができる。また、計量を行
うときに、第1の油室16に油圧を供給することによっ
て、スクリュー12に背圧を加えることができる。
【0024】そして、前記ピストン13aと連結させて
スクリュー12の位置、すなわち、スクリュー位置を検
出する位置センサ22が、第1の油室16に対応させて
スクリュー12の背圧を検出する背圧センサ23が、加
熱シリンダ11内の前方に成形材料の圧力を検出する圧
力検出器24が配設される。前記位置センサ22、背圧
センサ23及び圧力検出器24の各検出信号は制御部2
6に送られる。
【0025】次に、射出成形機の動作について説明す
る。
【0026】まず、タイミングt0において、計量工程
が開始され、該計量工程において、制御部26の図示さ
れない計量制御手段は、油圧モータ14を駆動して前記
スクリュー12を正方向に回転させる。このとき、ホッ
パ11aに投入された成形材料は、成形材料供給口Q1
を介して加熱シリンダ11内に供給され、溝21内を前
進させられ、スクリューヘッド12bの前方に蓄えら
れ、それに伴ってスクリュー12が後退(図1における
右方に移動)させられる。なお、計量工程において、前
記第1の油室16に所定の油圧が供給され、スクリュー
12に背圧が加えられる。
【0027】また、タイミングt1において前記計量工
程が完了するとともに、射出工程が開始される。該射出
工程において、制御部26の図示されない射出制御手段
は、前記射出シリンダ13を駆動してスクリュー12を
前進させる。このとき、スクリューヘッド12bの前方
に蓄えられた成形材料は、射出ノズル20から射出さ
れ、金型装置61内の図示されないスプルー、ランナ6
2及びゲート63を介してキャビティ空間Cに充填され
る。そして、スクリューヘッド12bの前方に蓄えられ
た成形材料が逆流しないように、図示されない逆流防止
装置が配設される。
【0028】この場合、成形材料として、例えば、ポリ
プロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン(商品
名)等の樹脂に、発泡材料として、熱に反応して炭酸ガ
スを発生させる発泡剤を1〜5〔質量%〕混入したもの
を使用し、該発泡剤を発泡させながら成形を行うことに
よって、多数の気泡を含有する発泡成形品としての発泡
容器71(図2)を成形することができる。前記発泡剤
として、例えば、50〔質量%〕のポリプロピレン樹
脂、ポリエチレン樹脂等と50〔質量%〕の重炭酸ソー
ダとを混合させて形成されたマスターバッチ式のものを
使用することができる。
【0029】また、前記加熱シリンダ11における所定
の位置(例えば、射出ノズル20の軸方向における後端
(図1における右端)又はほぼ中央)において径方向内
方に向けて、又はスクリュー12の所定の位置(例え
ば、スクリュー12の軸方向におけるほぼ中央)におい
て径方向外方に向けて、図示されないガス注入ノズルを
開口させ、図示されないガス供給源から供給された発泡
材料としての炭酸ガス、窒素ガス等の発泡用のガスを、
前記ガス注入ノズルを介して加熱シリンダ11内に注入
し、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン
等の樹脂に混入することによって、多数の気泡を含有す
る発泡容器71を成形することもできる。なお、前記ガ
スをあらかじめ原料としての樹脂に混入させることもで
きる。
【0030】続いて、成形材料のキャビティ空間Cへの
充填が終了する直前のタイミングt2において、射出工
程が完了され、制御部26の図示されない発泡制御手段
は、射出シリンダ13の駆動を停止させ、スクリュー1
2を停止させるとともに、発泡工程を開始し、該発泡工
程において、成形材料中の発泡材料を発泡させる。本実
施の形態において、前記タイミングt2は、キャビティ
空間C内に進入した成形材料90の先端、すなわち、流
動末端91が、キャビティ空間C内におけるゲート63
から最も離れた位置に到達する直前にあらかじめ設定さ
れる。なお、前記発泡工程において、油圧モータ14の
駆動は停止させられたままであり、スクリュー12は進
退させられないだけでなく、回転させられない。
【0031】そして、タイミングt3において、前記発
泡工程が完了するとともに、再び計量工程が開始され、
タイミングt4において、計量工程が完了する。
【0032】ところで、前記金型装置61は、固定金型
64及び可動金型65から成り、図示されない型締装置
によって可動金型65を固定金型64に対して接離させ
ることによって、型閉じ、型締め及び型開きが行われ
る。そして、型閉じ及び型締めに伴って固定金型64と
可動金型65との間にキャビティ空間Cが形成される。
前記キャビティ空間Cには、前記胴部72、底部73、
脚付根部74及びフランジ部75に対応させて、胴部分
C1、底部分C2、脚付根部分C3及びフランジ部分C
4が形成され、前記底部分C2の中央にゲート63が形
成される。したがって、成形材料90は、前記ゲート6
3を介して前記キャビティ空間C内に進入し、底部分C
2、脚付根部分C3及び胴部分C1を流れた後、キャビ
ティ空間C内におけるゲート63から最も離れた位置に
形成されたフランジ部分C4に到達する。
【0033】そして、型開きが行われると、キャビティ
空間C内において成形された発泡容器71が固定金型6
4及び可動金型65から離型させられる。
【0034】また、前記発泡容器71においては、型開
きが行われる際の離型性を向上させ、固定金型65及び
可動金型64から発泡容器71を円滑に離型させること
ができるように、5〜10〔°〕の抜き勾配が付けられ
る。すなわち、図2に示されるように、胴部72及び脚
付根部74に共通の外側面S1、並びに胴部72及びフ
ランジ部75に共通の内側面S2は、いずれも、発泡容
器71の上端から離れるほど径方向寸法が小さくされ、
前記脚付根部74の内側面S3は発泡容器71の下端か
ら離れるほど径方向寸法が小さくされる。したがって、
前記脚付根部74、特に脚付根部74と胴部72及び底
部73との連結部R11が胴部72及び底部73より2
0〜100〔%〕程度肉厚にされる。
【0035】この場合、前記脚付根部74においては、
冷却に伴って成形材料90が収縮する量が多いので、脚
付根部分C3における成形材料90の圧力が十分に高く
ならないと、脚付根部74にひけ、ショート、ボイド等
の成形不良が発生し、発泡容器71の外観を悪くしてし
まう。
【0036】また、前記フランジ部75には、紙、アル
ミニウム、プラスチック、フィルム等から成る図示され
ない蓋がヒートシールによって取り付けられ、発泡容器
71が密封される。そのために、高温の図示されない加
熱体、インダクタ等の押付部材によって蓋がフランジ部
75に押し付けられる。そこで、押付部材による押付力
に耐えられるように、前記フランジ部75は、胴部72
より20〜50〔%〕程度肉厚にされる。
【0037】この場合、前記フランジ部75において
も、冷却に伴って成形材料90が収縮する量が多く、ま
た、フランジ部75がキャビティ空間C内におけるゲー
ト63から最も離れた位置に形成されるので、フランジ
部分C4における成形材料90の圧力が十分に高くなら
ないと、フランジ部75にひけ、ショート、ボイド等の
成形不良が発生し、発泡容器71の外観を悪くしてしま
う。また、発泡容器71に蓋を取り付ける際に、蓋をフ
ランジ部75に安定させて押し付けることができない。
その結果、発泡容器71の密封性を低下させてしまう。
【0038】そこで、本実施の形態においては、射出工
程時のスクリュー12の速度、すなわち、射出速度VS
は、成形材料90が冷却されないように、しかも、剪
(せん)断発熱によって溶融させられた樹脂の比容積を
大きくすることができるように、成形材料90中の発泡
材料を発泡させないで成形する場合より高くされ、 200≦VS ≦1000〔mm/s〕 の範囲、好ましくは、 300≦VS ≦600〔mm/s〕 の範囲に設定され、スクリュー12を高速で前進させる
ことによって高速充填が行われる。また、例えば、胴部
72及び底部73の肉厚が1.0〔mm〕以下である場
合、充填時間tS は、 0.05≦tS ≦0.2〔s〕 の範囲、好ましくは、 0.1≦tS ≦0.15〔s〕 の範囲に設定される。
【0039】したがって、前記射出工程中に高速充填が
行われることによって、スクリューヘッド12bの前方
に蓄えられた成形材料90は、高速で射出ノズル20か
ら射出され、前記スプルー及びランナ62を高速で通過
し、ゲート63を介してキャビティ空間Cに充填され、
キャビティ空間C内を高速で移動させられる。
【0040】これに伴って、成形材料90には極めて大
きい剪断応力が加わり、剪断発熱によって成形材料90
は膨張させられ、体積が大きくなる。
【0041】続いて、前述されたように、流動末端91
が、キャビティ空間C内におけるゲート63から最も離
れた位置に到達する直前のタイミングt2において、射
出工程が完了するとともに発泡工程が開始され、射出シ
リンダ13の駆動が停止させられ、スクリュー12が停
止させられる。
【0042】このとき、前記流動末端91はキャビティ
空間C内におけるゲート63から最も離れた位置に到達
しておらず、フランジ部分C4には所定の容積の隙間C
B が形成される。本実施の形態において、キャビティ空
間Cの容積をVC とし、前記隙間CB の容積をVB
し、容積VB が容積VC に占める割合をζとしたとき、
割合ζは、 1≦ζ≦5〔%〕 の範囲に設定される。
【0043】そのために、前記スクリュー位置は位置セ
ンサ22によって検出され、スクリュー12があらかじ
め設定された停止位置に到達すると、前記発泡制御手段
は、スクリュー12を停止させる。なお、前記停止位置
は、スクリュー12を停止させたときに、前記隙間CB
が形成されるようにあらかじめ算出される。
【0044】このように、射出工程が完了した時点で隙
間CB が形成され、キャビティ空間C内の発泡可能量
(スペース)が大きくなるので、成形材料90を十分に
膨張させることができ、それに伴って発泡剤を十分に発
泡させ、発泡倍率を高くすることができる。
【0045】また、発泡工程において、高速充填が終了
するのに伴って成形材料90に剪断応力が加わらなくな
るので、キャビティ空間C内の成形材料90は冷却され
て大きく収縮する。したがって、発泡剤を一層十分に発
泡させ、発泡倍率を高くすることができる。
【0046】例えば、発泡剤の混入量を2〔%〕とし、
胴部72及び底部73の肉厚を0.6〔mm〕としたと
き、図5に示されるように、充填時間tS が短くなるほ
ど発泡倍率は高くなり、充填時間tS が約0.06
〔s〕で発泡倍率は1.15〜1.2倍になり、飽和す
る。
【0047】なお、発泡倍率は、前記充填時間tS のほ
かに、型締力、型締めが終了したときの固定金型64と
可動金型65との間のエアベントの隙間、加熱シリンダ
11の温度、計量工程においてスクリュー12に加えら
れる背圧、発泡剤の混入量、発泡剤の組成等によって異
なるが、充填時間tS による影響が最も大きい。
【0048】このように、発泡倍率を高くすることがで
きるので、発泡容器71を軽量化することができ、発泡
容器71の重量を、成形材料90中の発泡材料を発泡さ
せないときの重量の85〔%〕程度にすることができ
る。
【0049】また、脚付根部分C3における成形材料9
0の圧力を十分に高くすることができるので、成形材料
90はキャビティ空間Cの内周面に十分に押し付けられ
る。したがって、脚付根部74にひけ、ショート、ボイ
ド等の成形不良を発生させることがなく、発泡容器71
の外観を良くすることができる。なお、前記ボイドは、
成形材料90の圧力によって十分に小さく(0.1〜
0.5〔mm〕)される。
【0050】さらに、フランジ部分C4における成形材
料90の圧力を十分に高くすることができるので、フラ
ンジ部75にひけ、ショート、ボイド等の成形不良を発
生させることがなく、発泡容器71の外観を良くするこ
とができる。また、発泡容器71に蓋を取り付ける際
に、蓋をフランジ部75に安定させて押し付けることが
できる。その結果、発泡容器71の密封性を向上させる
ことができる。
【0051】また、充填圧力を高くする必要がなくなる
ので、前記型締装置の型締力を通常の型締力の1/2〜
1/3にすることができる。したがって、型締装置を小
型化することができるだけでなく、型締装置のコストを
低くすることができる。
【0052】そして、発泡容器71の設計を変更しよう
としたとき、設計の変更に伴って肉厚の部分が形成され
ても、ひけ、ショート、ボイド等の成形不良を発生させ
ることがないので、設計の自由度を高くすることができ
る。
【0053】さらに、型開きが行われる際の離型性を向
上させることができるので、抜き勾配を小さくすること
ができるだけでなく、発泡工程が完了した後に成形材料
90を冷却する時間を短くすることができる。
【0054】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、発泡成形品の成形方法においては、射出工程にお
いて、樹脂に発泡材料を混入することによって得られた
成形材料を、高速で射出し、高速充填を行ってキャビテ
ィ空間に充填し、前記成形材料の充填が終了する直前の
タイミングにおいて、射出工程を完了し、射出部材を停
止させて発泡工程を開始し、該発泡工程において、成形
材料中の発泡材料を発泡させる。
【0056】この場合、高速充填が行われ、成形材料の
充填が終了する直前のタイミングにおいて、射出工程が
完了され、発泡工程において、成形材料中の発泡材料が
発泡させられるので、キャビティ空間内の発泡可能量が
大きくなる。したがって、成形材料を十分に膨張させる
ことができ、それに伴って発泡剤を十分に発泡させ、発
泡倍率を高くすることができるので、発泡成形品を軽量
化することができる。
【0057】また、ひけ、ショート、ボイド等の成形不
良を発生させることがなく、発泡成形品の外観を良くす
ることができる。
【0058】そして、充填圧力を高くする必要がなくな
るので、型締装置の型締力を通常の型締力の1/2〜1
/3にすることができる。したがって、型締装置を小型
化することができるだけでなく、型締装置のコストを低
くすることができる。
【0059】そして、発泡成形品の設計を変更しようと
したとき、設計の変更に伴って肉厚の部分が形成されて
も、ひけ、ショート、ボイド等の成形不良を発生させる
ことがないので、設計の自由度を高くすることができ
る。
【0060】さらに、型開きが行われる際の離型性を向
上させることができるので、抜き勾配を小さくすること
ができるだけでなく、発泡工程が完了した後に成形材料
を冷却する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における射出成形機の概略
図である。
【図2】発泡容器の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における射出成形機の動作
を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における発泡工程時の成形
材料の状態を示す図である。
【図5】充填時間と発泡倍率との関係図である。
【符号の説明】
11 加熱シリンダ 12 スクリュー 13 射出シリンダ 14 油圧モータ 26 制御部 61 金型装置 63 ゲート 71 発泡容器 90 成形材料 C キャビティ空間 CB 隙間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)射出工程において、樹脂に発泡材
    料を混入することによって得られた成形材料を、高速で
    射出し、高速充填を行ってキャビティ空間に充填し、
    (b)前記成形材料の充填が終了する直前のタイミング
    において、射出工程を完了し、射出部材を停止させて発
    泡工程を開始し、該発泡工程において、成形材料中の発
    泡材料を発泡させることを特徴とする発泡成形品の成形
    方法。
  2. 【請求項2】 射出速度VS は、 200≦VS ≦1000〔mm/s〕 の範囲に設定される請求項1に記載の発泡成形品の成形
    方法。
  3. 【請求項3】 充填時間tS は、 0.05≦tS ≦0.2〔s〕 の範囲に設定される請求項1に記載の発泡成形品の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 前記射出工程を完了したときにキャビテ
    ィ空間内に形成される隙間がキャビティ空間に占める割
    合ζは、 1≦ζ≦5〔%〕 の範囲に設定される請求項1に記載の発泡成形品の成形
    方法。
  5. 【請求項5】 前記発泡材料は発泡剤である請求項1に
    記載の発泡成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記発泡材料は発泡用のガスである請求
    項1に記載の発泡成形品の成形方法。
  7. 【請求項7】 (a)シリンダ部材と、(b)該シリン
    ダ部材内において進退自在に配設された射出部材と、
    (c)該射出部材を進退させる駆動手段と、(d)型閉
    じ及び型締めに伴ってキャビティ空間が形成される金型
    装置と、(e)射出工程において、樹脂に発泡材料を混
    入することによって得られた成形材料を、高速で射出
    し、高速充填を行ってゲートを介してキャビティ空間に
    充填するための射出制御手段と、(f)前記成形材料の
    充填が終了する直前のタイミングにおいて、射出工程を
    完了し、射出部材を停止させて発泡工程を開始し、該発
    泡工程において、成形材料中の発泡材料を発泡させるた
    めの発泡制御手段とを有することを特徴とする射出成形
    機。
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