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JP2001189313A - 強誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の製造方法

Info

Publication number
JP2001189313A
JP2001189313A JP37306599A JP37306599A JP2001189313A JP 2001189313 A JP2001189313 A JP 2001189313A JP 37306599 A JP37306599 A JP 37306599A JP 37306599 A JP37306599 A JP 37306599A JP 2001189313 A JP2001189313 A JP 2001189313A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
sputtering
substrate
thin film
ferroelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37306599A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuaki Yasumoto
恭章 安本
Kazuhide Abe
和秀 阿部
Naoko Yanase
直子 梁瀬
Takashi Kawakubo
隆 川久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP37306599A priority Critical patent/JP2001189313A/ja
Publication of JP2001189313A publication Critical patent/JP2001189313A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 c軸値が大きく強誘電性に優れた、エピタキ
シャル配向した歪みペロブスカイト構造の強誘電体膜を
基板上の広い範囲に形成可能にする。 【解決手段】 平行平板型スパッタ成膜装置を用いて、
下地に対しc軸長が本来の格子定数より2%以上伸びて
いるエピタキシャル構造となるようなBaTiO 3 薄膜
のスパッタ成膜する方法において、スパッタ成膜装置に
おけるスパッタ条件を、スパッタターゲット43と基板
42との距離をL(mm)、スパッタガス圧力をP(P
a)、基板温度をTs(K)としたとき、次の4点(L
×P,Ts)=(100,653)、(4000,65
3)、(300,1273)、(30000,127
3)に囲まれた領域に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体薄膜の製
造方法に係わり、特に強誘電体キャパシタ等に用いられ
るペロブスカイト型結晶構造の強誘電体薄膜の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】キャパシタに強誘電体薄膜を用いた強誘
電体メモリは、不揮発性であり記憶の保持に消費電力が
少ない、EEPROMに比べて疲労特性に優れるなどの
利点があり、次世代のメモリとして期待されている。強
誘電体キャパシタに用いる強誘電体薄膜としては、Ba
TiO3 やPb(Zr,Ti)O3 ,PbTiO3 など
を初めとする様々な材料を使用したものが研究されてい
る。このうち、BaTiO3 を使用した強誘電体薄膜
は、ビスマスや鉛などの低融点元素を含まないためにS
iプロセスとの整合性が高い特徴を持っている。
【0003】BaTiO3 を用いた強誘電体薄膜には、
代表的なものとしてエピタキシャル膜構造を利用した強
誘電体薄膜がある。これは、単結晶のSrRuO3 など
の下地電極膜上にエピタキシャルな方位関係に成膜した
BaTiO3 単結晶膜を形成するもので、さらに必要に
応じて上部電極も下地電極と同じ膜をエピタキシャルに
形成している。この強誘電体薄膜は、エピタキシャルB
aTiO3 が下地との格子不整(ミスフィット)に起因
する歪みがもたらす歪みペロブスカイト構造により、高
い残留分極を示す特徴を持っている。このため、エピタ
キシャルBaTiO3 膜の下地に垂直方向の格子定数、
即ちc軸値はバルクに比べて数%大きな値となる。
【0004】しかしながら、エピタキシャルBaTiO
3 膜を形成する製造条件は難しく、幅数mm程度の極め
て狭い面積範囲においてのみ達成されている。図9及び
図10に、スパッタガス圧力0.25Pa、スパッタタ
ーゲットと基板ホルダーとの距離140mmで成膜した
エピタキシャルBaTiO3 膜のX線回折結果を示す。
成膜にはマグネトロンスパッタ装置を使用し、基板温度
は873Kであった。基板はSrTiO3 (100)上
に導電性酸化物電極としてSrRuO3 (100)をス
パッタしたものであり、この上にBaTiO3 膜をスパ
ッタした。
【0005】ここで、図9は図4に示すような成膜装置
において、スパッタターゲットエロージョン部の直上か
ら100mm離れた位置での測定結果であり、図10は
スパッタターゲットのエロージョン部に向かい合う位置
での測定結果である。スパッタターゲットエロージョン
部の直上から100mm離れた場所では、図9に示すよ
うなエピタキシャルBaTiO3 ピークが確認され、k
−β(002)ピークからの補正によりBaTiO3
のc軸値を求めたところ、c=0.4198nmと大き
く伸びていることが分かった。また、BaTiO3 (0
02)ピークの半値幅は0.137°を示し、結晶性も
十分である。
【0006】しかし、スパッタターゲットエロージョン
部に向かい合う位置や近い位置では、図10に示すよう
にエピタキシャルBaTiO3 ピークは全く観察されな
い。この部分の膜組成をICP法により分析すると、B
aTiO3 組成通りであるため、アモルファス状態と考
えられる。即ち、通常のスパッタガス圧力である0.2
5Paでは、ターゲットに近い位置ではエピタキシャル
BaTiO3 膜の成膜が困難で、このため強誘電体薄膜
の大面積化が難しいことが判明した。
【0007】この原因について、次のようであることが
公知例から報告されている。一般に酸化物のスパッタリ
ングでは、スパッタリングの際にターゲットから飛び出
した酸素負イオン粒子が基板表面の膜を衝撃し、この膜
の結晶性を低下させることが知られている。そこで、ス
パッタガス圧力を高くすることによって、酸素負イオン
粒子を散乱させ、この粒子の持つエネルギーを下げて膜
の損傷を防いでいる。このため、スパッタ圧力は高いほ
ど良いことが報告されている。
【0008】しかしながら、同じ酸化物であるBaTi
3 に代表される強誘電体薄膜では以下に詳述するよう
に、前記したような単にスパッタ圧力を高める方法など
では特性向上が難しいことが判明した。
【0009】図11は、図10の成膜条件のうちスパッ
タガス圧力を0.25Paから6.3Paに高めたBa
TiO3 膜のX線回折結果を示している。その他の成膜
条件は図10と同じである。成膜時の基板位置は図10
に示した、従来のスパッタ条件であるスパッタガス圧力
0.25Paにおいて、スパッタターゲットエロージョ
ン部に向かい合う結晶ピークの観察されなかった場所で
ある。BaTiO3 膜は基板上で、そのX線回折図形に
ペロブスカイト型結晶構造の(002)面からの回折線
のみが現れており、これらの強誘電体膜については(0
01)面が配向したペロブスカイト型結晶構造が得られ
ていることが分かった。下地の酸化物電極として成膜し
たSrRuO3 膜も、基板として使用したSrTiO3
(100)上に(100)面が配向したペロブスカイト
型結晶構造になっていた。
【0010】さらに、RHEED観察及び4軸ゴニオメ
ータによるX線結晶解析から、これら強誘電体膜は基板
及び下部電極の上にエピタキシャル成長していることが
確認された。また、k−β(002)ピークからの補正
によりBaTiO3 膜のc軸値を求めたところ、c=
0.4245nmと大きく伸びていることが分かった。
このc軸長はBaTiO3 本来のc軸の格子定数0.4
038nmに対して5%以上の伸びを示し、歪みペロブ
スカイト構造となっている。また、BaTiO3(00
2)ピークの半値幅は0.129°を示し、結晶性が良
い。
【0011】図12は、図11におけるBaTiO3
の分極−電圧(P−V)測定結果を示す。図12では明
瞭なヒステリシスが現れており、この薄膜は強誘電性を
示している。なお、ヒステリシス曲線から求めた残留分
極の大きさは約0.80c/m2 と実用的に十分な値が
得られている。このようにスパッタガス圧力を0.25
Paから6.3Paに高めることにより、前記した文献
に見られた効果が現れているものと考えられる。
【0012】図13は、スパッタガス圧力をさらに13
3Paに高めて成膜したBaTiO 3 膜のX線回折結果
を示している。その他の条件は、前記図10と同じであ
る。BaTiO3 膜は基板上で、そのX線回折図形にペ
ロブスカイト型結晶構造の(002)面からの回折線の
みが現れており、(001)面が配向したペロブスカイ
ト型結晶構造が得られていることが分かった。下地の酸
化物電極として成膜したSrRuO3 膜も基板として使
用したSrTiO3 (100)上に(100)面が配向
したペロブスカイト型結晶構造になっていた。さらに、
RHEED観察及び4軸ゴニオメータによるX−線結晶
解析から、これらの膜は基板及び下部電極の上にエピタ
キシャル成長していることが確認された。
【0013】しかし、k−β(002)ピークからの補
正によりBaTiO3 膜のc軸値を求めたところ、c=
0.4030nmと緩和しており、c軸の伸びは無いこ
とが分かった。この膜のBaTiO3 (002)ピーク
の半値幅は0.205°であった。
【0014】図14は、図13におけるBaTiO3
の分極−電圧(P−V)測定結果を示す。図14ではヒ
ステリシスは観察されておらず、この薄膜は常誘電性を
示している。即ち、この製造条件では歪みペロブスカイ
ト構造が得られていないことが分かる。
【0015】以上を簡単にまとめると、スパッタガス圧
が0.25Paでは結晶性が低いために強誘電体が得ら
れない。スパッタガス圧を上昇させた6.3Paでは優
れた強誘電性を示す歪みペロブスカイト構造の膜が得ら
れる。しかし、さらにスパッタガス圧を上げた133P
aではc軸値が低下し、歪みのないペロブスカイト構造
となり、再び強誘電体が得られなくなる。
【0016】従来の文献では、スパッタガス圧の上昇に
伴い酸素負イオン粒子が受ける散乱が大きくなりこの粒
子の持つエネルギが低下するため、負イオン粒子の損傷
だけが問題であれば、スパッタガス圧力の上昇は結晶性
が向上し、強誘電性向上に良い結果をもたらすはずであ
る。一方、上記の実験結果からは負イオン粒子が受ける
散乱が大きくなると負イオン粒子のエネルギも低下する
ため、BaTiO3 薄膜が優れた強誘電性を具備するた
めに歪みペロブスカイト構造となる大きなc軸値を有す
るためにはある程度のエネルギを持った粒子による薄膜
へのアシストが必要な、これまでの公知例にある酸化物
薄膜と異なるメカニズムが働いていると考えられる。
【0017】このような成膜の際の粒子によるアシスト
効果は、膜を構成する元素にエネルギーを与える結果と
して基板表面における原子の再配列が進むことによる結
晶性向上と、さらに膜の結晶格子にエネルギーを与える
結果としての歪みペロブスカイト構造となるためのc軸
値の増加の2つが進むことにより、強誘電体特性が向上
する。このため、基板表面での原子及び結晶格子が受け
取るエネルギーを考慮することが必要となり、従来の酸
化物薄膜の公知例に記載されている方法では強誘電体膜
の成膜に関して不充分であることが分かる。
【0018】このような歪みペロブスカイト構造を得る
ためには、基板表面での原子及び結晶格子が受け取るエ
ネルギーを考慮する必要があり、原子及び格子振動エネ
ルギーとして負イオン粒子の持つエネルギーと基板の熱
エネルギーの両者が重要となる。図15は、基板温度を
623Kでスパッタした結果である。他のスパッタ条件
は図11と同様である。図15では基板及び下地SrR
uO3 ピーク以外は認められず、BaTiO3 のピーク
が観察されない。この部分の膜組成をICP法により分
析すると、BaTiO3 組成通りであるため、アモルフ
ァス状態と考えられる。
【0019】また、さらに基板温度を1098K、スパ
ッタ圧力を1.3Paとし、その他の条件を図11と同
じとしてスパッタした。この膜では下地SrRuO3
ーク及びBaTiO3 のピークが観察されるが、BaT
iO3 膜のc軸値は0.4021nmと緩和しており、
この製造条件では歪みペロブスカイト構造が得られてい
ないことが分かる。電気特性評価から、この膜のヒステ
リシスは観察されなく、この薄膜は常誘電性を示してい
る。
【0020】即ち、歪みペロブスカイト構造を形成する
ためには格子振動エネルギーが重要であり、負イオン酸
素粒子の基板表面への入射エネルギーと熱エネルギーの
両者を考慮することにより優れた強誘電体膜を基板上に
形成することができる。このため、従来の公知例にある
ようなスパッタガス圧を中心とした条件のみによる歪み
ペロブスカイト構造の達成は困難である。
【0021】これら一連の結果から、従来の公知例に記
載されている高ガス圧スパッタでは、スパッタガス圧の
上昇と共に薄膜の結晶性,配向性が向上し、膜の物性や
特性が向上するが、BaTiO3 に代表される歪みペロ
ブスカイト構造を持つ強誘電体膜では、ある限定された
成膜条件の領域に最適な製造条件範囲が存在し、強誘電
体膜のスパッタリングにおいては従来の技術が適用でき
ないことが分かる。
【0022】このため、c軸値の大きいエピタキシャル
強誘電体膜を半導体メモリや圧電体などの素子として利
用するために強誘電体膜を製造する場合には、従来から
明らかになっているスパッタガス圧力を制御する成膜条
件だけでは好ましい強誘電特性を持つ歪みペロブスカイ
ト構造の強誘電体膜を得ることが難しく、基板表面全体
に強誘電体薄膜を成膜することは極めて困難であった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、Ba
TiO3 に代表される歪みペロブスカイト構造を持つ強
誘電体薄膜の製造においては、ある限定された成膜条件
の領域に最適な製造条件範囲が存在し、従来のスパッタ
リング技術が適用できない。このため、c軸値の大きい
強誘電性に優れた歪みペロブスカイト構造のエピタキシ
ャル強誘電体薄膜を製造することが難しく、基板表面全
体に成膜可能な、成膜面積が大幅に拡大する製造方法の
確立が望まれている。
【0024】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、c軸値が大きく強誘電
性に優れた、エピタキシャル配向した歪みペロブスカイ
ト構造の強誘電体膜を基板上の広い範囲に形成可能な強
誘電体薄膜の製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は次のような構成を採用している。
【0026】即ち本発明は、平行平板型スパッタ成膜装
置を用いて、下地に対しc軸長が本来の格子定数より2
%以上伸びているエピタキシャル構造となるような強誘
電体薄膜のスパッタリングを行う強誘電体薄膜の製造方
法において、前記スパッタ成膜装置におけるスパッタ条
件を、スパッタターゲットと基板ホルダーとの距離をL
(mm)、スパッタガス圧力をP(Pa)、基板温度を
Ts(K)とするときに、 1×102 <L×P<3×104 653<Ts<1273 の2つの条件式を満足する次の4点(L×P,Ts)=
(100,653)、(4000,653)、(30
0,1273)、(30000,1273)に囲まれた
領域に設定したことを特徴とする。
【0027】また本発明は、平行平板型スパッタ成膜装
置を用いて、下地に対しc軸長が本来の格子定数より2
%以上伸びているエピタキシャル構造となるような強誘
電体薄膜のスパッタリングを行う強誘電体薄膜の製造方
法において、前記スパッタ成膜装置におけるスパッタ条
件を、スパッタターゲットと基板ホルダーとの距離をL
(mm)、スパッタガス圧力をP(Pa)、スパッタタ
ーゲットのセルフバイアスをVdc(V)とするとき、 1×102 <L×P<3×104 −25>Vdc>−130 の2つの条件式を満足する次の4点(L×P,Vdc)
=(100,−25)、(4000,−25)、(30
0,−130)、(30000,−130)に囲まれた
領域に設定したことを特徴とする。
【0028】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。
【0029】(1) 電極材料として導電性ペロブスカイト
型酸化物を用い、この上に強誘電体薄膜を成膜してキャ
パシタセルを形成すること。
【0030】(2) 強誘電体材料としてBaTiO3 又は
(Ba,Sr,Ca)TiO3 を用いてキャパシタセル
を形成すること。
【0031】(3) 基板としてSiを用い、この上に強誘
電体薄膜からなるキャパシタセルを形成すること。
【0032】(4) スパッタリングを行う際のガス組成と
して、希ガスと酸素ガスの割合が体積換算で、希ガスが
60%以上で99.9%以下(酸素ガスが0.1%以上
で40%以下)となること。
【0033】(作用)本発明によれば、強誘電体薄膜の
スパッタリングを行う際のスパッタ条件として、スパッ
タターゲットと基板ホルダーとの距離をL(mm)、ス
パッタガス圧力をP(Pa)、基板温度をTs(K)、
スパッタターゲットのセルフバイアスをVdc(V)と
したときに、 1×102 <L×P<3×104 (1) 653<Ts<1273 …(2) の2つの条件式を満足する次の4点(L×P,Ts)=
(100,653)、(4000,653)、(30
0,1273)、(30000,1273)に囲まれた
領域、又は 1×102 <L×P<3×104 …(1) −25>Vdc>−130 …(3) の2つの条件式を満足する次の4点(L×P,Vdc)
=(100,−25)、(4000,−25)、(30
0,−130)、(30000,−130)に囲まれた
領域に設定することにより、c軸値が大きく強誘電性に
優れ、しかもエピタキシャル配向した強誘電体薄膜を基
板上の広い範囲に形成することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】発明の実施形態を説明する前に、
本発明の基本原理について説明する。
【0035】図1は、本発明におけるBaTiO3 成膜
時のスパッタ条件の望ましい範囲、特にスパッタ圧力P
と基板−ターゲット間距離Lの積と基板温度Tsの関係
から得られた範囲(実線で囲まれた領域)を示してい
る。それぞれの点の番号は後述する実施例及び比較例の
番号である。また、後述する公知例のデータについても
記載した。図1は大きく分けて、アモルファスとなる領
域、歪みペロブスカイト構造とならない領域、組成ずれ
する領域、歪みペロブスカイト構造が得られる本発明で
規定する領域から構成される。
【0036】P×LとTsの意味とこれを使用する理
由、作用を説明する。従来の酸化物薄膜の文献に記載さ
れている高ガス圧スパッタでは、ガス圧を高めることに
より酸化物スパッタに伴う酸素負イオン粒子を散乱さ
せ、粒子の速度エネルギを減じて膜の損傷を低減させ
る。しかしながら、従来の技術にも記したようにBaT
iO 3 強誘電体薄膜では単にスパッタガス圧力を高める
方法だけでは、歪みペロブスカイト構造の優れた強誘電
体薄膜を得ることは困難であった。即ち、酸素負イオン
粒子のエネルギは高いスパッタガス圧ほど散乱を受け低
下するが、従来の技術にも前記したようにスパッタガス
圧力には適当な範囲が存在し、膜への酸素負イオン粒子
の入射に関して適当なエネルギ領域が存在すると考えら
れる。
【0037】これは、スパッタエネルギを持った酸素負
イオン粒子のような成膜の際に膜へ入射する粒子が、膜
の強誘電性を向上させるアシスト効果を持つことを意味
する。スパッタエネルギは結晶格子に作用し、格子歪み
発生に伴うc軸値の増加による歪みペロブスカイト構造
を形成する。
【0038】基板表面で原子及び結晶格子が受け取るエ
ネルギに考慮すると、従来の技術にも述べたような熱エ
ネルギとスパッタ粒子エネルギの2つに分けることがで
きる。即ち、歪みペロブスカイト構造を形成するために
は格子振動エネルギが重要であり、負イオン酸素粒子の
基板表面への入射エネルギと熱エネルギの両者を考慮す
ることにより優れた強誘電体膜を基板上に形成すること
ができる。このような基板表面での原子及び結晶格子が
受け取るエネルギを考慮する際に、熱エネルギ成分とし
ては基板温度Tsを考え、さらに以下に述べるスパッタ
粒子エネルギ成分P×Lの関係が重要となる。
【0039】エネルギを持ったスパッタ粒子の受ける散
乱について、いまスパッタ粒子の平均自由行程を考える
と、ガス中で散乱を受けエネルギを失うためには少なく
ともスパッタターゲットと基板間の距離がスパッタ粒子
の平均自由行程以上となる必要がある。このため、従来
から使用されているスパッタガス圧力に加え、平均自由
行程をλm 、スパッタターゲットと基板間の距離をLと
して、L/λm の関係を考慮することが必要と考えた。
L/λm の関係はスパッタリングにおいて、歪みペロブ
スカイト構造を持つ優れた強誘電性の膜を得るために、
スパッタターゲットと基板間の距離が平均自由行程の何
倍必要かを示すことができる。ここで、平均自由行程は
次の式で表される。
【0040】λm =kT/Pg σ …(4) 但し、λm :平均自由行程、k:ボルツマン定数、 Pg :スパッタガス圧力、σ:衝突断面積 スパッタガス圧力以外の成膜条件を一定とすると、 λm ∝1/Pg …(5) の関係となる。
【0041】L/λm の関係と(5)式から L/λm ∝Pg L …(6) の関係が得られ、スパッタ粒子のガス中での散乱はスパ
ッタガス圧力Pg と、スパッタターゲットと基板間の距
離Lの積で表される。ここで、スパッタガス圧力Pg
成膜室の圧力Pに等しいと考えられるので、スパッタ条
件として望ましい範囲は、図1に示した基板温度Tsと
P×Lの関係で示される実施例を囲んだ領域となる。
【0042】このように歪みペロブスカイト構造を得る
ためには、成膜室の圧力Pを基板間の距離Lの積P×L
と基板温度Tsの関係が重要となり、従来公知であった
スパッタガス圧の制御だけでは困難である。
【0043】図2は、本発明におけるBaTiO3 成膜
時のスパッタ条件の望ましい範囲、特にスパッタ圧力P
と基板−ターゲット間距離Lの積とターゲットセルフバ
イアス電圧Vdcの関係から得られた範囲(実線で囲ま
れた領域)を示している。それぞれの点の番号は実施例
及び比較例の番号である。また、後述する公知例のデー
タについても記載した。図2は大きく分けて、アモルフ
ァスとなる領域、歪みペロブスカイト構造とならない領
域、組成ずれする領域、歪みペロブスカイト構造が得ら
れる本発明で規定する領域から構成される。
【0044】歪みペロブスカイト構造を得るためのP×
LとVdcの意味と、これを使用する理由及び作用を説
明する。成膜の際に生じる酸素負イオン粒子のアシスト
効果であるが、前記したように公知例ではスパッタリン
グにおいてスパッタターゲットから飛び出した高速の酸
素負イオン粒子が膜に損傷を与えるため、スパッタガス
圧力を高くすることによりガス分子によりスパッタ粒子
を散乱しエネルギを低減させ膜の損傷を防いでいる。
【0045】このような、酸化物のスパッタに際して問
題となる高速の酸素負イオン粒子はスパッタターゲット
から飛び出すのであるが、大部分がターゲット表面のシ
ースに加わったターゲットバイアス電圧Vdcにより加
速され高速化する。このため、膜へ損傷を与えるスパッ
タ粒子のエネルギはターゲット表面での粒子が加速され
るエネルギとガス中でスパッタ粒子の受ける散乱による
エネルギ損失との和になる。
【0046】一方、従来の技術の項目に記載した本発明
で行われたBaTiO3 に関する実験結果から、酸素負
イオン粒子には、従来知られていた損傷を与える強誘電
性を劣化させるエネルギと、本発明で明らかになった歪
みペロブスカイト構造を形成し強誘電性を促進するエネ
ルギの2つの面がある。このため、ターゲットバイアス
電圧Vdcは優れた強誘電性を発現させるために適当な
範囲があり、しかもこの範囲はスパッタ粒子の受ける散
乱によって決まることから、前記した(6)式の関係が
重要となる。
【0047】この結果、歪みペロブスカイト構造を得る
ための望ましいスパッタ条件としては、図2に示したV
dcと前記したP×Lの関係で示される実施例を囲んだ
領域となる。
【0048】次に、本発明の限定理由を述べる。
【0049】図1において、(100,653)と(4
000,653)とを結ぶ線より下側及び(100,6
53)と(300,1273)とを結ぶ線より左側の領
域では、基板温度Ts及びL×Pが低いため酸素負イオ
ン粒子のエネルギ成分が非常に強く、アモルファスな膜
となったり、結晶性が低下したり、結晶性が良好であっ
ても歪みペロブスカイト構造が得られないために、エピ
タキシャル強誘電体膜が得られなかった。
【0050】同様に(300,1273)と(3000
0,1273)を結ぶ線より上側の領域では基板表面で
蒸気圧の低い元素が膜から再蒸発するため膜の組成が化
学量論組成から外れ、得られたエピタキシャル強誘電体
膜のリーク電流が大きくなってしまう。さらに、(40
00,653)と(30000,1273)を結ぶ線よ
り右側ではどのターゲットのエロージョン領域から遠い
位置を初めとした基板位置においてエピタキシャルな誘
電体膜が得られるものの、c軸値が本来の格子定数とほ
ぼ同じ値を示し、歪みペロブスカイト構造を得ることは
難しく、強誘電性を示さなくなってしまう。
【0051】図2において、(L×P,Vdc)が(1
00,−25)と(4000,−25)を結ぶ実線より
下の領域では、ターゲットのセルフバイアスが小さく、
スパッタリングが生じないか、生じても歪みペロブスカ
イト構造を得ることが難しく、強誘電性のない膜が形成
される。(L×P,Vdc)が(300,−130)と
(30000,−130)を結ぶ実線より上の領域では
ターゲットのセルフバイアスVdcが大きく、酸素負イ
オン粒子のエネルギを適当なものとすることが難しく、
生じた酸素負イオン粒子に激しく再スパッタされるため
膜の組成が化学量論組成から著しく外れてしまう。この
ため、歪みペロブスカイト構造を得ることが難しい。
【0052】(L×P,Vdc)が(100,−25)
と(300,−130)を結ぶ実線より左の領域ではス
パッタ圧力が低い若しくはスパッタターゲットと基板と
の距離が小さいため、酸素負イオンによる損傷効果が支
配的となりスパッタターゲットに近い位置の基板面では
膜の結晶性が低下したり、アモルファスとなり優れた強
誘電性を示すことができなくなる。
【0053】(L×P,Vdc)が(4000,−2
5)と(30000,−130)を結ぶ実線より右の領
域ではスパッタ圧力が高い若しくはスパッタターゲット
と基板との距離が大きすぎるため、酸素負イオンによる
損傷効果は低減されるものの、酸素負イオン粒子による
結晶化促進効果は殆ど作用しなくなり、歪みペロブスカ
イト構造が得られなくなる。このため、膜の結晶性は良
いものの、c軸の格子定数が低下し、c軸の伸びも本来
の格子定数なみか伸びても1%以下と小さく優れた強誘
電性を示すことができなくなる。
【0054】このため、前記したようにスパッタターゲ
ットと基板ホルダーとの距離をL(mm)とし、スパッ
タガス圧力をP(Pa)とした場合、LとPの積が10
0<L×P<30000、かつスパッタターゲットのセ
ルフバイアスをVdc(V)としたとき−25>Vdc
>−130/mの条件式を満足する次の4点(L×P,
Vdc)=(100,−25)、(4000,−2
5)、(300,−130)、(30000,−13
0)に囲まれた範囲内にあることが望ましい。
【0055】次に、強誘電体を挟み、設けられる電極材
料として導電性ペロブスカイト型酸化物、例えばSrR
uO3 を使用することにより優れた強誘電体膜を形成す
ることができる。電極材料としてはPt,Auなどの金
属、RuO2 ,SrRuO3などの導電性酸化物があ
る。これらのうち、導電性ペロブスカイト型酸化物であ
るSrRuO3 はエピタキシャルBaTiO3 膜の電極
材料として用いられており、エピタキシャルな配向を持
つ下地膜、BaTiO3 誘電体と同じペロブスカイト型
結晶構造が利用されている。
【0056】本発明では基板全面にわたりc軸値が増加
することにより優れた強誘電特性が得られ、この特性の
膜面内における分布も均一となる。電極材料として金属
のみを使用した場合、Ptのようにエピタキシャル配向
性に優れる必要があるが、その場合においても酸化物に
比べて膜の変形が容易であるためBTO膜の歪みを緩和
し、c軸値増加による強誘電性向上が困難であるか、あ
っても僅かである。
【0057】また、導伝酸化物であるRuO2 は酸化物
であるため膜の変形に対して前述した金属の欠点を克服
することができるが、結晶構造の相違のためペロブスカ
イト構造とのエピタキシャル配向性がなく、エピタキシ
ャル成長にともなうc軸値増加、およびこの結果生じる
強誘電性の向上が望めない。このため、電極材料として
は導電性ペロブスカイト型酸化物を使用することにより
優れた強誘電体膜を形成できる。
【0058】次に、強誘電体材料としてBaTiO3
は(Ba,Sr,Ca)TiO3 を用いることにより優
れた強誘電体膜が形成される。強誘電体材料には同じペ
ロブスカイト型結晶構造を持つ、PbTiO3 やPb
(Zr,Ti)O3 などがあり、いずれも十分な残留分
極、保持特性(リテンション)、抗電圧を持っている。
しかしながら、構成元素として含まれるPbは低融点の
ために基板表面からの再蒸発が問題となる。再蒸発は通
常のスパッタ膜形成では問題がないが、エピタキシャル
膜を形成するような基板温度が比較的高く、本発明のよ
うにスパッタ圧力も高い製造条件では形成した膜中の組
成が本来の化合物の組成から大きく外れてしまう。
【0059】蒸着や低ガス圧のスパッタでは、堆積する
元素は成膜ソース(スパッタではターゲット)から基板
を結んだ直線を進む視線プロセスの割合が高いが、スパ
ッタ圧力が高くなるとスパッタ粒子の平均自由行程が減
少するために拡散,散乱プロセスの割合が高くなる。こ
の結果、スパッタ粒子は成膜装置の真空チャンバー内全
体、特に基板ホルダーや加熱機構の裏面まで回りこみ付
着する。融点の低いPbなどの元素では付着した部分の
温度が高いとこれが前記したように再蒸発し他の場所へ
再付着する。これらのPbの再蒸発過程は繰り返し生
じ、最終的に基板上の膜組成が本来意図した組成からず
れたり、ペロブスカイト型結晶構造が得られなかった
り、膜の配向性が得られなかったりする。この結果、得
られた膜の強誘電特性、即ち残留分極、保持特性(リテ
ンション)、抗電圧も極めて低いか、これらの特性の実
現そのものが難しい。
【0060】一方、融点の高い元素から構成されるBa
TiO3 又は(Ba,Sr,Ca)TiO3 ではこのよ
うな再蒸発による悪影響を防ぐことが可能である。ま
た、BaTiO3 又は(Ba,Sr,Ca)TiO3
ペロブスカイト型結晶構造以外の例えばPbを含むペロ
ブスカイト化合物に見られるパイロクロア型結晶構造が
形成されることは少ない。このため、強誘電体材料とし
てBaTiO3 又は(Ba,Sr,Ca)TiO3 を使
用すれば本発明に述べられている優れた強誘電体膜を得
ることができる。特に、(Ba,Sr,Ca)TiO3
はBaTiO3 のBa元素位置をSr及びCa元素で一
部置換することにより、比較的高い比誘電率5000を
示す温度範囲が広がり、高誘電体としての目的に対して
好ましい材料となる。
【0061】次に、Si基板上へのキャパシタセルの形
成であるが、スパッタリングによりエピタキシャル状に
形成し、強誘電体材料として少なくともBaTiO3
しくは(Ba,Sr,Ca)TiO3 を用いたことを特
徴とするスパッタリングの製造方法において、Si基板
上にエピタキシャル関係が生じるような公知のバリア層
を介する電極層と、強誘電体層と、電極層とがエピタキ
シャル成長する工程を含むものである。本発明の強誘電
体層形成では高いスパッタガス圧力を使用するために、
Siやバリア層など酸化物以外の材料で構成される基板
若しくは薄膜層が強誘電体層のスパッタ中に酸化を受け
ないように配慮する必要がある。本発明では、広い面積
に対して均一に強誘電体を形成することができるため、
Siウエハの全面にわたって優れた強誘電特性を示すこ
とができる。
【0062】さらに、スパッタリングを行う際のガス組
成として希ガスと酸素ガスの割合が体積換算で、希ガス
が60%以上で99.9%以下(酸素ガスが0.1以上
で40%以下)とすることにより優れた強誘電体膜を得
ることができる。希ガスが体積換算で99.9%を超え
る場合、或いは酸素ガスが0.1%未満となる場合には
酸化膜に電圧を印加した際のリーク電流値が増加し、強
誘電体としての分極反転が困難になってしまう。また、
希ガスが体積換算で60%未満、或いは酸素ガスが40
%を超える場合には成膜速度が極端に遅くなり製造上支
障が生じてしまう。また、強誘電特性のうち重要なスイ
ッチング特性が劣化し、メモリとして使用できなくな
る。
【0063】これらの理由のために、スパッタリングを
行う際のガス組成として希ガスと酸素ガスの割合が体積
換算で、希ガスが60%以上で99.9%以下(酸素ガ
スが0.1%以上で40%以下)とすることが望まし
く、さらに望ましくはスパッタリングを行う際のガス組
成として希ガスと酸素ガスの割合が体積換算で、希ガス
が65%以上で99%以下(酸素ガスが1%以上で35
%以下)の範囲である。このような希ガスとしてはネオ
ン、アルゴン、クリプトン、キセノンがあるが、これら
の元素はそれぞれ衝突断面積が異なり、元素番号が大き
くなるにしたがって増加する。前述した(4)式では衝
突断面積σが大きくなると平均自由行程は短くなる。
【0064】また、これら希ガス元素はそれぞれイオン
化する励起電圧が異なり、このためターゲット近傍では
この希ガススパッタ粒子の衝突により生成される酸素イ
オンの価数も変化する。この結果、酸素負イオン粒子だ
けでなく酸素正イオン粒子も生成することが可能となる
ため、イオンの正負を制御する方法としてネオン、アル
ゴン、クリプトン、キセノンのうち少なくとも一種以上
をスパッタガスとして使用すると好ましい。
【0065】次に、本発明と公知例との相違を以下に述
べる。
【0066】(公知例1)Kesterらは、BaTiO3
初めとする酸化物強誘電体膜のスパッタ成膜を行い、酸
素負イオンによる損傷,エッチングについて調べ、スパ
ッタガス圧が高くなるに従いこれが軽減することを見出
している。この文献データを本発明の請求範囲にあては
め、(L×P,Ts)=(650,298)(D.J.Kest
er et.al.,J.Mater.Res.,8 1928-1937(1993))、(L・
P,Ts)=(39,298)(D.J.Kester et.al.,J.
Vac.Sci.Technol.,A4 496-499(1986))の条件にてBa
TiO3 膜をスパッタしているが、いずれも歪みペロブ
スカイト構造を得るための条件L×P若しくはTsの範
囲から逸脱しており、本発明で得られた強誘電体膜の条
件範囲内に該当しない。
【0067】公知例のデータを図1及び図2に併せて示
す。
【0068】(公知例2)Schaferら(H.Schafer et.a
l.,Ferroelectrics,22 775-777(1978))は多結晶BaT
iO3 膜を基板温度573K、スパッタガス圧力1.3
Paの条件で成膜している。その後、873〜1223
Kにて熱処理を行い分極対電界の測定を行い、ヒステリ
シスカーブから残留分極2Pr=0.12C/m2 の強
誘電特性を得ている。しかし、ヒステリシスカーブ及び
2Prは強誘電体の特性としては不充分な値にとどまっ
ている。基板温度Tsは本発明において歪みペロブスカ
イト構造のエピタキシャル強誘電体膜を得るための条件
範囲から外れており、優れた強誘電性を得ることは困難
である。
【0069】(公知例3)Tominagaら(K.Tominaga,Jp
n.J.Appl.Phys.31(1992)Pt.1,No9B)はスパッタガス圧
を0.13Paから13Paに高めることにより、結晶
性の高いZnO膜を基板に対するターゲット表面の法線
(スパッタ粒子を直線とした入射角度)となす角度が4
0°のオフアクシススパッタを使用して形成している。
通常オフアクシススパッタではこの角度が0°で、殆ど
酸素負イオン粒子の入射はなく、この例のように入射角
度が40°であっても酸素負イオン粒子の入射は不充分
で、本発明の平行平板型スパッタリング装置のように歪
みペロブスカイト構造を得ることは難しい。また、Zn
O膜ではスパッタガス圧力が高いほど良好な特性が得ら
れる。さらに本発明のような適度なエネルギを持った酸
素負イオン粒子による歪みペロブスカイト構造生成に伴
う特異的な機能(強誘電性)発現を利用していないた
め、本来公知例として該当しない。
【0070】(公知例4)Xiら(X.X.Xi et.al.,Z.Ph
ys.B74,13-19(1989))は、スパッタガス圧力を53Pa
と高めることにより酸素負イオン粒子の損傷を低下させ
たエピタキシャルYBCO膜をターゲットエロージョン
部が基板に対向しないオフアクシススパッタにより成膜
している。基板とターゲット表面の法線のなす角度は0
°である。このようなオフアクシススパッタを用いた場
合では、ターゲットと基板の位置が直角となり互いに対
向しないため、酸素負イオン粒子による損傷は防止でき
るが、薄膜へのアシスト効果もなくなり強誘電性を具備
する要件である歪みペロブスカイト構造を得ることがで
きない。このため、本発明の平行平板型スパッタリング
装置のように優れた強誘電性を持つ強誘電体薄膜を形成
できない。また、YBCO膜のような酸化物超伝導薄膜
でもスパッタガス圧力が高いほど良好な特性が得られ
る。さらに本発明のような適度なエネルギを持った酸素
負イオン粒子による歪みペロブスカイト構造生成に伴う
特異的な機能(強誘電性)発現を積極的に利用していな
いため、そのまま本発明に使用しても強誘電体を得るこ
とは難しく、本来公知例として該当しない。
【0071】以下、本発明の詳細を図示の実施形態によ
って説明する。
【0072】(第1の実施形態)図3は本発明の実施形
態に係わる強誘電体キャパシタの構造を示す平面図
(a)と断面図(b)で、図4は成膜装置の概略を示す
断面図である。図3において11はSrTiO3 (10
0)単結晶基板、12はSrRuO3 下部電極、13は
BaTiO3 強誘電体薄膜、14はビア,15は上部電
極を示している。図4において、41はチャンバ、42
は基板、43はスパッタターゲット、44はRF電源、
45は整合器、47はマグネトロン、51は酸素負イオ
ン粒子、52はエロージョンエリアを示している。
【0073】本実施形態の強誘電体キャパシタを作成す
るには、まず図3に示すように表面が平滑なSrTiO
3 (100)単結晶基板11の上に、下部電極12を形
成する材料として(100)配向のSrRuO3 の薄膜
をRFマグネトロンスパッタリング法により基板温度8
23Kにて成膜した。基板11(42)は、図4に示す
ように、スパッタターゲットエロージョン部直上に設置
した。下部電極12としてのSrRuO3 の膜厚は50
nmとした。SrRuO3 は基板11上の全面にエピタ
キシャル成長して、立方晶系の結晶構造を有していた。
【0074】次いで、得られた下部電極12の上に、強
誘電体薄膜13として膜厚50nmのBaTiO3 をR
Fマグネトロンスパッタリング法により(表1)に示す
ような条件でそれぞれ成膜した。例えば(実施例1)で
は、基板温度823K、RFパワー90W、スパッタガ
ス圧力6.3Pa、Vdc−77V、アルゴンガス流量
100sccm、酸素ガス流量25sccm、スパッタ
ターゲットと基板間との距離140mmにて成膜した。
スパッタ中の成膜室の圧力はガス流量及び成膜室と真空
排気系との間に設けたコンダクタンスバルブを調整する
ことにより設定した。また、形成された強誘電体薄膜1
3の組成をICP法で分析し、いずれもほぼ化学量論組
成であることを確認した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】次いで、BaTiO3 膜13上に(10
0)配向のSrRuO3 の薄膜を上部電極15として成
膜した。成膜条件は下部電極12と同様とした。スパッ
タターゲットとしてはSrRuO3 及びBaTiO3
焼結体を使用した。
【0078】次いで、一般的なフォトリソグラフィー技
術により、スパッタ成膜されたSrRuO3 薄膜の上に
レジスト膜を形成し、50×50μm角のパターンとな
るよう上部電極15を加工した。また、下部電極12は
同様の技術により上部電極15,強誘電体薄膜13にビ
アホールを開け、このビアホール中にPtをスパッタに
より充填し薄膜表面に取り出し電極14を設けた。ま
た、同時に上部電極表面にもPt膜を形成した。このよ
うにして他の実施例2〜25及び比較例1〜10のキャ
パシタも形成した。
【0079】ここで、強誘電体薄膜13として形成され
たBaTiO3 膜は基板11上の全面で、前記図11に
示すX線回折図形にペロブスカイト型結晶構造の(00
2)面からの回折線のみが現れており、これら強誘電体
薄膜13については(001)面が配向したペロブスカ
イト型結晶構造が得られていることが分かった。また、
RHEED観察及び4軸ゴニオメータによるX線結晶解
析から、強誘電体薄膜13は基板11及び下部電極12
の上にエピタキシャル成長していることが確認された。
また、上部電極15も強誘電体薄膜13上にエピタキシ
ャル成長していることが確認された。
【0080】さらに、上記の強誘電体薄膜13について
(001),(002),(003),(004)面か
らの回折角を元にc軸方向の格子定数を求めたところ、
(実施例1)で形成したBaTiO3 の薄膜では基板上
でc=0.4245nmであった。
【0081】次に、(実施例1)の分極−電圧(P−
V)測定を行った。但しここでは、ソーヤタワー回路を
使用し、5kHzの交流電圧を印加して室温でヒステリ
シス曲線を測定した。前記図12に示すように明瞭なヒ
ステリシスが現れており、この薄膜は強誘電性を示して
いる。なお、ヒステリシス曲線から求めた残留分極2P
rの大きさは各基板中最低でも2Pr=0.80c/m
2 と実用的に十分な値が得られていた。
【0082】(実施例2)から(実施例25)について
も(実施例1)と同様に、(表1)に示す条件により製
造し、結晶性及び強誘電性を評価した。このうち、(実
施例6)は基板としてSi(100)上にTiAlN
(001)膜をスパッタにより形成し、さらにその上に
Pt(001)膜を同様に形成したのち下地電極層とし
てSrRuO3 (001)を、誘電体層としてBaTi
3 (001)を、上部電極層としてSrRuO3 (0
01)を成膜したものである。いずれも下地層に対して
エピタキシャルとなっていた。いずれの成膜条件におい
ても大きなc軸値及び2Prが得られ優れた強誘電性を
示した。
【0083】一方、比較例として(実施例1)と同様に
表面が平滑なSrTiO3 (100)単結晶基板11の
上に、下部電極12を形成する材料として(100)配
向のSrRuO3 の薄膜をRFマグネトロンスパッタリ
ング法により基板温度823℃にて成膜した。面内の均
一性評価のため基板は基板ホルダーの半径方向に基板ホ
ルダーの中心から円周まで並べた。SrRuO3 の膜厚
は50nmとした。SrRuO3 は基板上の全面にエピ
タキシャル成長して、立方晶系の結晶構造を有してい
た。
【0084】次に、得られた下部電極12の上に、強誘
電体薄膜13として膜厚50nmのBaTiO3 の薄膜
をRFマグネトロンスパッタリング法により(表1)に
示す条件でそれぞれ成膜した。例えば(比較例1)で
は、基板温度923K、RFパワー90W、スパッタガ
ス圧力133Pa、Vdc−55V、アルゴンガス流量
80sccm、酸素ガス流量5sccm、スパッタター
ゲットと基板間との距離140mmにて成膜した。ま
た、形成された強誘電体薄膜の組成をICP法で分析
し、いずれもほぼ化学量論組成であることを確認した。
次いで、上記のBaTiO3 膜上に(100)配向のS
rRuO3 の薄膜を上部電極15として成膜した。成膜
条件は下部電極12と同様とした。スパッタターゲット
としてはSrRuO3 及びBaTiO3 焼結体を使用し
た。
【0085】次に、一般的なフォトリソグラフィー技術
により、スパッタ成膜された薄膜の上にレジスト膜を形
成し、50×50μm角のパターンとなるよう上部電極
15を加工した。また、下部電極12は同様の技術によ
り上部電極15,強誘電体薄膜13にビアホールを開
け、このビアホール中にPtをスパッタにより充填し薄
膜表面に取り出し電極14を設けた。また、同時に上部
電極表面にもPt膜を形成した。
【0086】ここで、強誘電体薄膜13として形成され
たBaTiO3 膜は基板11上で、そのX線回折図形に
SrTiO3 基板の回折線のみが現れており、この強誘
電体薄膜13については前記図13に示すようにBaT
iO3 組成のアモルファス膜が得られていることが分か
った。
【0087】(比較例2)から(比較例7)についても
(比較例1)と同様に、(表1)に示す条件により製造
し、必要があれば結晶性及び強誘電性を評価した。いず
れの条件においてもc軸値は0.4050nm以下と小
さく、強誘電性に優れた薄膜は得られなかった。
【0088】(第2の実施形態)第1の実施形態では、
強誘電体薄膜としてBaTiO3 を用いたが、この代わ
りに(Ba49Sr42Ca9 )TiO3 を用いることもで
きる。この材料系を用いた場合の各種条件を下記の(表
2)に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】また、(Ba49Sr42Ca9 )TiO3
膜時のスパッタ条件の望ましい範囲として、図5にスパ
ッタ圧力Pと基板−ターゲット間距離Lの積と基板温度
Tsの関係から得られた範囲(実線で囲まれた領域)を
示し、図6にPとLの積とターゲット電圧Vdcの関係
から得られた範囲(実線で囲まれた領域)を示す。それ
ぞれの点の番号は(表2)の各実施例及び比較例の番号
である。
【0092】図5においては前記図1と同様に、次の4
点(L×P,Ts)=(100,653)、(400
0,653)、(300,1273)、(30000,
1273)に囲まれた領域で大きなc軸値及び2Prが
得られている。図6においては前記図2と同様に、次の
4点(L×P,Vdc)=(100,−25)、(40
00,−25)、(300,−130)、(3000
0,−130)に囲まれた領域で大きなc軸値及び2P
rが得られている。
【0093】(第3の実施形態)第1の実施形態では、
強誘電体薄膜としてBaTiO3 を用いたが、この代わ
りに(Br0.7 Sr0.3 )TiO3 を用いることもでき
る。この材料系を用いた場合の各種条件を下記の(表
3)に示す。
【0094】
【表5】
【0095】また、(Br0.7 Sr0.3 )TiO3 成膜
時のスパッタ条件の望ましい範囲として、図7にスパッ
タ圧力Pと基板−ターゲット間距離Lの積と基板温度T
sの関係から得られた範囲(実線で囲まれた領域)を示
し、図8にPとLの積とターゲット電圧Vdcの関係か
ら得られた範囲(実線で囲まれた領域)を示す。それぞ
れの点の番号は(表3)の各実施例及び比較例の番号で
ある。
【0096】図7においては前記図1と同様に、次の4
点(L×P,Ts)=(100,653)、(400
0,653)、(300,1273)、(30000,
1273)に囲まれた領域で大きなc軸値及び2Prが
得られている。図8においては前記図2と同様に、次の
4点(L×P,Vdc)=(100,−25)、(40
00,−25)、(300,−130)、(3000
0,−130)に囲まれた領域で大きなc軸値及び2P
rが得られている。
【0097】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。強誘電体薄膜はBaTiO3
(BaSrCa)TiO3 ,(BaSr)TiO3 に限
るものではなく、歪みペロブスカイト構造により高い残
留分極を示すものであれば同様の効果が期待できる。ま
た、強誘電体キャパシタを作成する際の電極材料として
は、SrRuO3 に限るものではなく、導電性ペロブス
カイト型酸化物を用いることが可能である。その他、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施する
ことができる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ス
パッタターゲット/基板ホルダー間の距離L(mm)と
スパッタガス圧力P(Pa)の積と、基板温度Ts
(K)又はスパッタターゲットのセルフバイアスVdc
(V)との関係を前述した範囲に設定することにより、
スパッタターゲットのエロージョン部に対向する基板位
置においても高い残留分極と大きなc軸値を持つ強誘電
性を有するエピタキシャル膜を形成することができ、大
面積の強誘電体薄膜を製造することが可能となる。従っ
て、例えば半導体メモリに好適に用いられ得る薄膜キャ
パシタを実現することなどが可能となり、その工業的価
値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における最適スパッタ条件を説
明するためのもので、スパッタ圧力Pと基板−ターゲッ
ト間距離Lの積と基板温度Tsの関係において、実施例
1〜25及び比較例1〜10の点を示す図。
【図2】第1の実施形態における最適スパッタ条件を説
明するためのもので、スパッタ圧力Pと基板−ターゲッ
ト間距離Lの積とターゲット電圧Vdcの関係におい
て、実施例1〜25及び比較例1〜10の点を示す図。
【図3】実施例および比較例の薄膜キャパシタの構造を
示す平面図と断面図。
【図4】スパッタ成膜装置の基本構成を示す断面図。
【図5】第2の実施形態における最適スパッタ条件を説
明するためのもので、P×LとTsの関係において、実
施例1〜19及び比較例1〜6の点を示す図。
【図6】第2の実施形態における最適スパッタ条件を説
明するためのもので、P×LとVdcの関係において、
実施例1〜19及び比較例1〜6の点を示す図。
【図7】第3の実施形態における最適スパッタ条件を説
明するためのもので、P×LとTsの関係において、実
施例1〜10及び比較例1〜5の点を示す図。
【図8】第3の実施形態における最適スパッタ条件を説
明するためのもので、P×LとVdcの関係において、
実施例1〜10及び比較例1〜5の点を示す図。
【図9】スパッタガス圧力0.25Paで成膜したBa
TiO3 膜のXRD回折結果を示す図(スパッタターゲ
ットエロージョン部直上から100mm離れた位置)。
【図10】スパッタガス圧力0.25Paで成膜したB
aTiO3 膜のXRD回折結果を示す図(スパッタター
ゲットエロージョン部直上の位置)。
【図11】スパッタガス圧力6.3Paで成膜したBa
TiO3 膜のXRD回折結果を示す図(スパッタターゲ
ットエロージョン部直上の位置)。
【図12】スパッタガス圧力6.3Paで成膜したBa
TiO3 膜のP−V測定結果を示す図。
【図13】スパッタガス圧力133Paで成膜したBa
TiO3 膜のXRD回折結果を示す図(スパッタターゲ
ットエロージョン部直上の位置)。
【図14】スパッタガス圧力133Paで成膜したBa
TiO3 膜のP−V測定結果を示す図。
【図15】スパッタガス圧力6.3Pa、基板温度62
3Kで成膜したBaTiO3 膜のXRD回折結果を示す
図(スパッタターゲットエロージョン部直上の位置)。
【符号の説明】
11…SrTiO3 (100)単結晶基板 12…SrRuO3 下部電極 13…BaTiO3 強誘電体薄膜 14…ビア 15…SrRuO3 上部電極 41…チャンバ 42…基板 43…スパッタターゲット 44…RF電源 45…整合器 47…マグネトロン 51…酸素負イオン粒子 52…エロージョンエリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梁瀬 直子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 川久保 隆 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4K029 AA04 AA06 AA24 BA01 BA17 BA50 BB02 CA05 DC05 DC39 EA03 5F058 BA11 BA20 BB06 BB10 BC03 BC04 BC20 BF13 BF37 BF39 5F103 AA08 BB22 DD30 GG01 HH10 NN04 PP11 RR03 RR05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行平板型スパッタ成膜装置を用いて、下
    地に対しc軸長が本来の格子定数より2%以上伸びてい
    るエピタキシャル構造となるような強誘電体薄膜のスパ
    ッタリングを行う際に、 前記スパッタ成膜装置におけるスパッタ条件を、スパッ
    タターゲットと基板ホルダーとの距離をL(mm)、ス
    パッタガス圧力をP(Pa)、基板温度をTs(K)と
    したとき、 1×102 <L×P<3×104 653<Ts<1273 の2つの条件式を満足する次の4点(L×P,Ts)=
    (100,653)、(4000,653)、(30
    0,1273)、(30000,1273)に囲まれた
    領域に設定したことを特徴とする強誘電体薄膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】平行平板型スパッタ成膜装置を用いて、下
    地に対しc軸長が本来の格子定数より2%以上伸びてい
    るエピタキシャル構造となるような強誘電体薄膜のスパ
    ッタリングを行う際に、 前記スパッタ成膜装置におけるスパッタ条件を、スパッ
    タターゲットと基板ホルダーとの距離をL(mm)、ス
    パッタガス圧力をP(Pa)、スパッタターゲットのセ
    ルフバイアスをVdc(V)としたとき、 1×102 <L×P<3×104 −25>Vdc>−130 の2つの条件式を満足する次の4点(L×P,Vdc)
    =(100,−25)、(4000,−25)、(30
    0,−130)、(30000,−130)に囲まれた
    領域に設定したことを特徴とする強誘電体薄膜の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9066004B2 (en) 2007-04-12 2015-06-23 Sony Corporation Auto-focus apparatus, image pick-up apparatus, and auto-focus method for focusing using evaluation values

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