JP2001187557A - 車輛乗員拘束システム用の制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輛乗員拘束システム用制御装置を提供す
る。 【解決手段】 車輛乗員拘束システム用制御装置は、金
属製ベースプレート（１０）を持つハウジング、及び加
速度センサを含み且つ回路基板（２３）に取り付けられ
た電子モジュールを有する。この電子モジュールは、ハ
ウジングに挿入できる。ハウジングは、射出成形された
プラスチック製本体（１２）及び金属製ベースプレート
（１０）の複合体として形成され、金属製ベースプレー
ト（１０）は、射出成形された底壁に少なくとも部分的
に埋め込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属製ベースプレ
ートを持つハウジングと、加速度センサを持ち且つ回路
基板に取り付けられた電子モジュールとを備えた車輛乗
員拘束システム用の制御装置に関する。電子モジュール
は、ハウジングに挿入できる。

【０００２】

【従来の技術】このような制御装置が安全に且つ確実に
機能することは、ベルトテンショナやこれに連結された
エアバッグ等の拘束システムの有効性にとって重要であ
る。従って、このような制御装置のハウジングは、電子
モジュールの機能に影響を及ぼす可能性のある全ての作
用から安全に保護しなければならない。更に、しかしな
がら、車輛の衝突時に起こる減速作用を電子モジュール
の加速度センサにできるだけ直接的に伝達するため、車
輛本体にしっかりとボルト止めされたハウジングが必要
とされる。そのため、中実の金属製ハウジング、特にア
ルミニウム製の重量のあるダイカストハウジングが使用
されている。金属製ハウジングの代わりのプラスチック
製ハウジングが既に提案されており、このハウジング
は、射出成形したプラスチック材料に埋め込んだ金属製
取付けブッシュを取り付け位置に備えている。といの
は、プラスチック材料がボルト止め圧力に耐えられない
ためである。しかしながら、このようなハウジング設計
の硬さ及び剛性は、ぎりぎり合格といった程度である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属構造
（又は金属設計）の機械的利点と、プラスチック構造
（又はプラスチック設計）の製造上の利点及び費用上の
利点とを併せ持つハウジングを含む制御装置を提供す
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、ハウジ
ングは、射出成形プラスチック本体及び少なくとも一部
がプラスチック材料製の射出成形された底壁に埋め込ま
れたベースプレートを含む複合体として形成される。金
属製ベースプレートにより、車輛本体にしっかりと連結
される。加速度センサが取り付けられた回路は、ベース
プレートの真上に配置されることから、運動量がベース
プレートから加速度センサに直接伝達されることが保証
される。更に、取り付けブッシュが射出成形プラスチッ
ク材料に埋め込まれているためにブッシュ間の距離がプ
ラスチック材料の収縮により変化するプラスチック設計
のハウジングと異なり、ベースプレートが金属製である
ため、取り付け箇所が正確に定められる。取り付けブッ
シュが射出成形プラスチック材料に埋め込まれた設計と
比較すると、本発明による解決策は、製造が容易になる
という利点を更に有する。というのは、金属製ベースプ
レートをプラスチック成形型に挿入する方が、個々の取
り付けブッシュを正しく配置するよりも遙かに容易であ
るためである。

【０００５】好ましい実施例では、金属製ベースプレー
トは、回路基板の接地（アース）に電気的に接続されて
いる。この目的で、様々な態様で提供できる導電性リン
クが役立つ。導電性リンクは、ベースプレートからプラ
グソケットの接続ピン又は接続タグまで延び、そこから
回路基板まで延びる。

【０００６】一つの有利な実施例では、プラスチック化
合物（又はプラスチック配合物）によって形態にぴった
りと合うように充填される複数の通孔（すなわち、スル
ーホール（貫通孔））をベースプレートに形成すること
によって、ハウジングの金属製ベースプレートとプラス
チック製本体との間に機械的に堅固であり且つ剛性の連
結部を形成できる。これに対する別態様として、又はこ
れ加えて、ベースプレートは、打抜きによって形成され
た複数の突出したタブを備えており、これらのタブがプ
ラスチック材料に埋め込まれる。好ましい実施例では、
ベースプレートは、更に、ハウジングの外下表面領域
（換言すれば、ハウジングの外側の下表面領域、すなわ
ちハウジングの外側の底面領域）と面一（同一平面）で
あるが、内側がプラスチック層（プラスチックフィル
ム）によって覆われており、そのため、ベースプレート
は、最終的には、ハウジング本体の底壁にはめ込まれ
る。

【０００７】本発明の別の実施例によれば、金属製ベー
スプレートは、ハウジングの下表面領域の一部、更に詳
細には、斜め線により画定されるハウジングの下表面領
域の半分しか占有しない。ハウジングのこのような材料
及び重量軽減設計でも、ベースプレートと加速度センサ
との間が十分剛性に連結され、良好に機械的に連結され
る。

【０００８】本発明のこの他の利点及び特徴は幾つかの
実施例の以下の説明から、並びに参照がなされる図面か
ら明らかになるであろう。

【０００９】

【発明の実施の形態】制御装置のハウジングは、平らな
金属製ベースプレート１０と、概ね平行六面体形態のプ
ラスチック製フード状本体１２とを備える。ベースプレ
ート１０は、プラスチック製本体１２を越えて突出した
縁部ストリップを有する。これらのストリップの三つの
隅部には取り付け穴１４が配置されている。図２から明
らかなように、ベースプレート１０は、ハウジングの底
壁の下表面領域の一部を占有する。ベースプレート１０
が占有する底壁の下表面領域の部分は、斜め線１６によ
って画定され、ベースプレート１０は、かくして、底壁
の下表面領域の約半分しか占有しない。

【００１０】ハウジングの製造は、ベースプレート１０
を予め挿入した型（又は金型）内に射出成形することに
よって行われる。ベースプレート１０には、底壁の外面
に向かって円錐形をなして末広がりになった複数の通孔
（貫通孔）１８が設けられている。次に図３及び図４を
参照すると、これらの図には、ベースプレート１０を射
出成形でハウジングのプラスチック製本体と複合させる
方法が示してある。ベースプレート１０は、外側がハウ
ジングの下表面領域と一致する。ベースプレート１０の
内側は、ベースプレートの厚さとほぼ一致する厚さのプ
ラスチック層（プラスチックフィルム）でコーティング
（被覆）されている。ベースプレート１０の通孔１８
は、プラスチック材料によって積極的に充填されてい
る。これに対する別態様又は追加として、ベースプレー
トは、打抜きによって形成した内方に曲がった複数のタ
ブ１９（図１０参照）を備えており、これらのタブはプ
ラスチック材料に埋め込まれる。プラスチック製本体１
２の内側には、以下に機能を説明するラッチキー２０又
はラッチノッチが成形されている。

【００１１】ハウジングは、開放した狭幅の側部を有
し、この開放した側部には、プラスチック製のフレーム
型プラグソケット２２が挿入され、かくしてハウジング
のこの開放した側部を閉鎖（又は閉止）する。プラグソ
ケット２２は、複数の接続ピン及びラッチ手段によって
回路基板２３（図９参照）に連結される。この回路基板
には、加速度センサを含む制御装置の電子モジュールが
取り付けられている。プラグソケット２２及び回路基板
２３を備えた完全な電子モジュールがハウジングに挿入
される。回路基板は、ハウジングの内側に設けられたガ
イドスロットに受け入れられる。ハウジングの内側に成
形されたラッチキー２０及びプラグソケット２２の係合
により、電子モジュールはハウジング内の所定位置に確
実に係止（又は、ロック）される。ハウジングは、プラ
グソケット２２への移行部分がシリコーンゴム製のシー
リングリング（封止用リング）によってシール（封止）
されている。別態様として、ラッチキーをプラグソケッ
ト２２に形成し、これと対応するラッチノッチをハウジ
ングに設けることができる。

【００１２】ベースプレートと電子モジュールの回路基
板の接地（アース）との間を電気的に接続するため、導
電性リンク（導電性連結部）が設けられている。かかる
導電性リンクの四つの変形例が図５乃至図８から明らか
である。

【００１３】図５に示す実施例では、タブ２４を打抜
き、複数の取り付け穴１４のうちの一つの取り付け穴１
４の側部に沿ってベースプレート１０から上方に直角に
曲げる。このタブ２４の自由端は、接続ピンの端部に、
例えば溶接又ははんだ付けによって接続される。接続ピ
ンはプラグソケット２２を通過し、その内側が回路基板
にはんだ付けされる。

【００１４】図６に示す実施例では、回路基板にはんだ
付けされた接続ピン２５が、プラグソケット２２を通過
し、ベースプレートに向かって接続ストラップ２６とし
て曲げられている。接続ストラップ２６は、例えば溶接
又ははんだ付けによってベースプレートに完全に接続さ
れた状態に固定される。

【００１５】図７に示す実施例では、接続ストラップ２
６の端部は、接続ラグ２８として形成されている。この
接続ラグは、取り付け穴１４と完全に又は部分的に一致
するように作られており且つねじ止め時にねじの頭とベ
ースプレート１０との間の所定位置にクランプ固定され
る。

【００１６】図８に示す実施例では、接続ピン３０は、
その自由端が溶接又ははんだ付けによってベースプレー
ト１０に固定されており、この接続ピン３０の他端は、
プラグソケット２２から突出した接続ピンに連結されて
いる。接続ピン３０は、これと同時に、プラグソケット
２２がハウジングから緩まないようにする機械的係止体
を形成する。別の態様として、図８に示すように、接続
ピンの別の構成に参照番号３０ａが附してある。幾つか
のこのような接続ピンを設けることができる。

【００１７】制御装置の別の実施例では、図９に示すよ
うに、ガイド及び支持レール３２が、ハウジングのプラ
スチック製本体１２の内側に形成されている。ガイド及
び支持レール３２は、回路基板２３及びプラグソケット
２２を備えた電子モジュールのプラグ差込み方向に延び
ている。これらのガイド及び支持レール３２間に円筒形
のコンデンサー等の構成要素３４を挿入できる。この構
成要素３４は、プラグソケット２２に或いは回路基板２
３に自由に支持されるように取り付けられており、ま
た、プラグソケット２２に或いは回路基板２３に電気的
に接続されている。構成要素３４は、最初に、ハウジン
グにおいて、荷重を支持するガイド及び支持レール３２
による支持を受け、そして、適所に係止（ロック）され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、制御装置を斜め上方から見た斜視図で
ある。

【図２】図２は、ハウジングのベースプレートを下側か
ら見た平面図である。

【図３】図３は、図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面
図である。

【図４】図４は、図３の円で囲った部分の拡大詳細図で
ある。

【図５】図５は、ハウジングのベースプレートと、電子
モジュールの回路基板に接続された接続ピンとの間の電
気的接地リンクの一実施例の概略斜視図である。

【図６】図６は、ハウジングのベースプレートと、電子
モジュールの回路基板に接続された接続ピンとの間の電
気的接地リンクの別の実施例の概略斜視図である。

【図７】図７は、ハウジングのベースプレートと、電子
モジュールの回路基板に接続された接続ピンとの間の電
気的接地リンクの更に別の実施例の概略斜視図である。

【図８】図８は、ハウジングのベースプレートと、電子
モジュールの回路基板に接続された接続ピンとの間の電
気的接地リンクの他の実施例の概略斜視図である。

【図９】図９は、有利な別の実施例の部分断面斜視図で
ある。

【図１０】図１０は、前記ハウジングの下部分の詳細図
である。

【符号の説明】

１０ ベースプレート １２ フード状本体 １４ 取り付け穴 １６ 斜め線 １８ 通孔 １９ タブ ２０ ラッチキー ２２ プラグソケット ２３ 回路基板

フロントページの続き (71)出願人 597013146 Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓｔｒ．２−８, 78315 Ｒａｄｏｌｆｚｅｌｌ，Ｇｅｒｍ ａｎｙ

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）金属製のベースプレート（１０）
   を持つハウジングと、（ｂ）加速度センサを含み、回路
   基板（２３）に取り付けられており、前記ハウジングに
   挿入できる電子モジュールとを備えた車輛乗員拘束シス
   テム用の制御装置において、 前記ハウジングは、射出成形されたプラスチック製の本
   体（１２）及び前記金属製のベースプレート（１０）の
   複合体として形成されており、 前記金属製のベースプレート（１０）が、射出成形され
   る底壁に少なくとも部分的に埋め込まれている、ことを
   特徴とする制御装置。
2. 【請求項２】 前記ベースプレート（１０）は、複数の
   通孔（１８）を備えており、これらの通孔は前記プラス
   チック材料で充填される、請求項１に記載の制御装置。
3. 【請求項３】 前記ベースプレート（１０）の前記通孔
   （１８）は外方に末広がりになっている、請求項２に記
   載の制御装置。
4. 【請求項４】 前記ベースプレート（１０）は、打抜き
   によって形成した内方に曲がった複数のタブ（１９）を
   備えており、これらのタブは前記プラスチック材料に埋
   め込まれる、請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記
   載の制御装置。
5. 【請求項５】 前記ベースプレート（１０）は、前記底
   壁の外側の下表面領域と面一である、請求項１乃至４の
   うちのいずれか一項に記載の制御装置。
6. 【請求項６】 前記金属製のベースプレート（１０）
   は、前記底壁の前記下表面領域の一部を占有する、請求
   項１乃至５のうちのいずれか一項に記載の制御装置。
7. 【請求項７】 前記ベースプレート（１０）は、斜め線
   （１６）が画定する前記底壁の下表面領域のほぼ半分を
   占有する、請求項６に記載の制御装置。
8. 【請求項８】 前記ハウジングは、前記回路基板（２
   ３）に接続されるプラグソケット（２２）によって閉鎖
   される開放した狭幅の側部を備えている、請求項１乃至
   ７のうちのいずれか一項に記載の制御装置。
9. 【請求項９】 前記プラグソケット（２２）は、前記ハ
   ウジングの内側に成形されたラッチエレメントによって
   所定位置に係止される、請求項１に記載の制御装置。
10. 【請求項１０】 前記回路基板（２３）用のガイド溝
    が、前記ハウジングの向き合った狭幅の側壁の内側に設
    けられている、請求項１乃至９のうちのいずれか一項に
    記載の制御装置。
11. 【請求項１１】 前記ベースプレート（１０）は、二つ
    の側部が前記ハウジングを越えて突出して一対の縁部ス
    トリップを画定し、これらの縁部ストリップには取り付
    け穴（１４）が設けられている、請求項１乃至１０のう
    ちのいずれか一項に記載の制御装置。
12. 【請求項１２】 導電性リンクが、前記ベースプレート
    （１０）と前記回路基板（２３）との間に設けられてい
    る、請求項１乃至１１のうちのいずれか一項に記載の制
    御装置。
13. 【請求項１３】 前記導電性リンクは、前記ベースプレ
    ート（１０）から打ち抜かれ前記回路基板（２３）に向
    かって曲げられたタブ（２４）によって形成されてい
    る、請求項１２に記載の制御装置。
14. 【請求項１４】 前記タブ（２４）は、プラグソケット
    （２２）から突出した接続ピンに連結される、請求項１
    に記載の制御装置。
15. 【請求項１５】 前記リンクは、前記ベースプレート
    （１０）及び前記プラグソケット（２２）を通過した接
    続ピン（２５）によって形成されており、前記接続ピン
    （２５）は、前記回路基板（２３）に直接的に接続され
    ている、請求項１２に記載の制御装置。
16. 【請求項１６】 前記リンクは、前記ベースプレート
    （１０）から前記プラグソケット（２２）を通って前記
    ハウジングの内部に前記回路基板（２３）まで案内され
    る接続ストラップ（２６）によって形成される、請求項
    １２に記載の制御装置。
17. 【請求項１７】 前記プラスチック製の本体（１２）
    は、ガラスファイバーのようなファイバー材料によって
    補強されている、請求項１乃至１６のうちのいずれか一
    項に記載の制御装置。
18. 【請求項１８】 前記回路基板（２３）又は前記プラグ
    ソケット（２２）に電気的に接続される少なくとも一つ
    の構成要素（３４）用のガイド及び保持構造が、前記ハ
    ウジングの前記プラスチック製本体（１２）の内側に形
    成されており、前記プラグソケットは前記ハウジングの
    狭幅の側部を閉鎖する、請求項１乃至１７のうちのいず
    れか一項に記載の制御装置。