JP2001181216A - 光学活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法 - Google Patents
光学活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法Info
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C17/395—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 医薬や農薬を中心とする各種ファインケミス
トリー分野で高い利用価値を有する不飽和炭化水素類又
はそのハロゲン置換化合物の光学活性体を簡単な操作で
得ることができる工業的に有利な製造法を提供する。 【解決手段】 不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物のラセミ体と、光学活性な酒石酸誘導体とを混合
して、不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の
光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体との包接化合物を
形成させ、この包接化合物から不飽和炭化水素類又はそ
のハロゲン置換化合物の光学活性体を分離して得る。
トリー分野で高い利用価値を有する不飽和炭化水素類又
はそのハロゲン置換化合物の光学活性体を簡単な操作で
得ることができる工業的に有利な製造法を提供する。 【解決手段】 不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物のラセミ体と、光学活性な酒石酸誘導体とを混合
して、不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の
光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体との包接化合物を
形成させ、この包接化合物から不飽和炭化水素類又はそ
のハロゲン置換化合物の光学活性体を分離して得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な不飽和
炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法に関す
るものであり、これらの化合物は医薬や農薬を中心とす
るファインケミストリーの分野で高い利用価値を有する
ものである。
炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法に関す
るものであり、これらの化合物は医薬や農薬を中心とす
るファインケミストリーの分野で高い利用価値を有する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物は、
近年、医薬や農薬を中心とする各種ファインケミカルの
合成原料として工業的に重要な化合物となっており、光
学活性体を容易に得る方法が求められていた。しかし、
通常の化学合成においては、光学異性体の等量混合物、
いわゆるラセミ体を与え、光学活性体を得るには通常か
なり困難を伴う。
性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物は、
近年、医薬や農薬を中心とする各種ファインケミカルの
合成原料として工業的に重要な化合物となっており、光
学活性体を容易に得る方法が求められていた。しかし、
通常の化学合成においては、光学異性体の等量混合物、
いわゆるラセミ体を与え、光学活性体を得るには通常か
なり困難を伴う。
【0003】従来、光学活性な不飽和炭化水素類の合成
は容易ではなく、報告例が少ない。例えば、光学活性な
3−フェニルシクロヘキセンは8ステップを経て合成さ
れている。また、一般的な光学活性な不飽和炭化水素類
を入手する方法としては各種の光学活性な金属触媒を使
用した不斉合成法が挙げられるが、代表的な例として、
(a)光学活性なニッケル系触媒を用いた不斉合成によ
る方法[J.Chem.Soc.,Chem. Commun.(1980),(20),937; T
etrahedron(1986),42(7),2043; Organometallics(199
1),10(10),3425]、(b)モリブデン−タングステン錯
体を触媒として用いた光学活性な不飽和炭化水素類の閉
環反応による方法[WO9524366]、(c)光学活性なリン
系触媒を用いた不斉合成反応による方法[J.Org.Chem.(1
985),50(10),1781]などが知られている。
は容易ではなく、報告例が少ない。例えば、光学活性な
3−フェニルシクロヘキセンは8ステップを経て合成さ
れている。また、一般的な光学活性な不飽和炭化水素類
を入手する方法としては各種の光学活性な金属触媒を使
用した不斉合成法が挙げられるが、代表的な例として、
(a)光学活性なニッケル系触媒を用いた不斉合成によ
る方法[J.Chem.Soc.,Chem. Commun.(1980),(20),937; T
etrahedron(1986),42(7),2043; Organometallics(199
1),10(10),3425]、(b)モリブデン−タングステン錯
体を触媒として用いた光学活性な不飽和炭化水素類の閉
環反応による方法[WO9524366]、(c)光学活性なリン
系触媒を用いた不斉合成反応による方法[J.Org.Chem.(1
985),50(10),1781]などが知られている。
【0004】しかし、これらの方法では合成工程が長い
例や高価な金属錯体触媒を使用する例、毒性の極めて高
い化合物を使用する例など、いずれも光学活性な不飽和
炭化水素類を生産する方法として好ましくない。
例や高価な金属錯体触媒を使用する例、毒性の極めて高
い化合物を使用する例など、いずれも光学活性な不飽和
炭化水素類を生産する方法として好ましくない。
【0005】また、光学活性な不飽和炭化水素類のハロ
ゲン置換化合物を入手するための方法はあまり知られて
おらず、僅かにラセミ体を光学活性な固定相を用いたガ
スクロマトグラフィーにより分離するなどの方法が知ら
れているにすぎない。しかし、光学活性なハロゲン化不
飽和脂肪族炭化水素類を大量に生産する方法としては好
ましくない。
ゲン置換化合物を入手するための方法はあまり知られて
おらず、僅かにラセミ体を光学活性な固定相を用いたガ
スクロマトグラフィーにより分離するなどの方法が知ら
れているにすぎない。しかし、光学活性なハロゲン化不
飽和脂肪族炭化水素類を大量に生産する方法としては好
ましくない。
【0006】上記の問題に対処して、本発明が解決しよ
うとする課題は、医薬や農薬を中心とする各種ファイン
ケミカルの合成原料として重要な化合物である光学活性
な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物を容易
に得る方法を提供することである。
うとする課題は、医薬や農薬を中心とする各種ファイン
ケミカルの合成原料として重要な化合物である光学活性
な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物を容易
に得る方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
た。
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、不飽和炭化水素類又
はそのハロゲン置換化合物のラセミ体と、光学活性な酒
石酸誘導体とを混合して、不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導
体との包接化合物を形成させ、この包接化合物から不飽
和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体
を分離して得ることを特徴とする、光学活性な不飽和炭
化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法である。
はそのハロゲン置換化合物のラセミ体と、光学活性な酒
石酸誘導体とを混合して、不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導
体との包接化合物を形成させ、この包接化合物から不飽
和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体
を分離して得ることを特徴とする、光学活性な不飽和炭
化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、不飽和炭化水素
類として、シクロヘキセン誘導体、ノルボルネン誘導
体、あるいは下記の式(1)又は(2)で表される化合
物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもので
はなく、ここで用いられる光学活性な酒石酸誘導体であ
るホスト化合物と包接化合物を形成するものであればい
かなるものでもよい。
類として、シクロヘキセン誘導体、ノルボルネン誘導
体、あるいは下記の式(1)又は(2)で表される化合
物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもので
はなく、ここで用いられる光学活性な酒石酸誘導体であ
るホスト化合物と包接化合物を形成するものであればい
かなるものでもよい。
【0010】
【化6】
【0011】シクロヘキセン誘導体の具体例として、下
記の式(6)〜(9)で表される化合物が挙げられ、ノ
ルボルネン誘導体の具体例として、下記の式(10)で表
される化合物が挙げられる。
記の式(6)〜(9)で表される化合物が挙げられ、ノ
ルボルネン誘導体の具体例として、下記の式(10)で表
される化合物が挙げられる。
【0012】
【化7】
【0013】また、不飽和炭化水素類のハロゲン置換化
合物として、下記の式(3)で表される化合物が挙げら
れる。
合物として、下記の式(3)で表される化合物が挙げら
れる。
【0014】
【化8】
【0015】(式中、Xはフッ素基、クロル基、ブロム
基のうちのいずれかを、Rは水素原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、フッ素基、クロル
基、ブロム基のいずれかを示す。) 一方、本発明で用いられるホスト化合物は、不飽和炭化
水素類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体と包接
化合物を形成するもので、分離能、入手のし易さ、取り
扱いのし易さ、後工程の処理などから、好ましくは光学
活性な酒石酸誘導体であり、より好ましくは下記の式
(4)又は(5)で表される光学活性な酒石酸誘導体で
ある。
基のうちのいずれかを、Rは水素原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、フッ素基、クロル
基、ブロム基のいずれかを示す。) 一方、本発明で用いられるホスト化合物は、不飽和炭化
水素類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体と包接
化合物を形成するもので、分離能、入手のし易さ、取り
扱いのし易さ、後工程の処理などから、好ましくは光学
活性な酒石酸誘導体であり、より好ましくは下記の式
(4)又は(5)で表される光学活性な酒石酸誘導体で
ある。
【0016】
【化9】
【0017】(式中、R1及びR2は同一又は異なって、
水素原子、メチル基又はエチル基を示す。Arはフェニ
ル基、トリル基又はナフチル基を示す。n=4,5又は
6である。) 特に、上記の式(5)で表される光学活性な酒石酸誘導
体は分離能が高い。また、上記の式(4)及び(5)で
表される光学活性な酒石酸誘導体は光学活性な酒石酸か
ら容易に合成できるので、安価に得られ、さらに再利用
も可能である。
水素原子、メチル基又はエチル基を示す。Arはフェニ
ル基、トリル基又はナフチル基を示す。n=4,5又は
6である。) 特に、上記の式(5)で表される光学活性な酒石酸誘導
体は分離能が高い。また、上記の式(4)及び(5)で
表される光学活性な酒石酸誘導体は光学活性な酒石酸か
ら容易に合成できるので、安価に得られ、さらに再利用
も可能である。
【0018】本発明において、不飽和炭化水素類又はそ
のハロゲン置換化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸
誘導体との包接化合物を形成させるためには、いかなる
方法を用いてもよい。例えば、ラセミ体の不飽和炭化水
素類又はそのハロゲン置換化合物と光学活性な酒石酸誘
導体を2:1から1:4のモル比で、必要ならば、加温
下に適切な溶媒に溶解し、冷却、又は溶解度の低い溶媒
を徐々に加えることにより、包接化合物の結晶を得るこ
とができる。また、無溶媒下で混合することによって、
包接化合物が形成することもある。
のハロゲン置換化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸
誘導体との包接化合物を形成させるためには、いかなる
方法を用いてもよい。例えば、ラセミ体の不飽和炭化水
素類又はそのハロゲン置換化合物と光学活性な酒石酸誘
導体を2:1から1:4のモル比で、必要ならば、加温
下に適切な溶媒に溶解し、冷却、又は溶解度の低い溶媒
を徐々に加えることにより、包接化合物の結晶を得るこ
とができる。また、無溶媒下で混合することによって、
包接化合物が形成することもある。
【0019】包接化合物から不飽和炭化水素類又はその
ハロゲン置換化合物の光学活性体を取得する方法は、い
かなる方法であってもよい。例えば、包接化合物を加熱
することにより不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体とを分離
する方法、包接化合物をカラムクロマトグラフィー処理
することにより不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体とを分離
する方法、包接化合物中の不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の光学活性体をメタノールやアセトン
など他の化合物に置換することによって不飽和炭化水素
類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体を得る方法
などがある。
ハロゲン置換化合物の光学活性体を取得する方法は、い
かなる方法であってもよい。例えば、包接化合物を加熱
することにより不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体とを分離
する方法、包接化合物をカラムクロマトグラフィー処理
することにより不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体とを分離
する方法、包接化合物中の不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の光学活性体をメタノールやアセトン
など他の化合物に置換することによって不飽和炭化水素
類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体を得る方法
などがある。
【0020】また、包接化合物の段階で再結晶を繰り返
すか、又は包接化合物から不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の光学活性体を分離した後、再度、光
学活性な酒石酸誘導体を用いて包接化合物を形成させる
ことによって、得られる不飽和炭化水素類又はそのハロ
ゲン置換化合物の光学活性体の光学純度を向上させるこ
とも可能である。
すか、又は包接化合物から不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の光学活性体を分離した後、再度、光
学活性な酒石酸誘導体を用いて包接化合物を形成させる
ことによって、得られる不飽和炭化水素類又はそのハロ
ゲン置換化合物の光学活性体の光学純度を向上させるこ
とも可能である。
【0021】
【作用】本発明の方法が不飽和炭化水素類又はそのハロ
ゲン置換化合物の光学活性体の製造に適している理由は
明確ではないが、本発明で用いられる光学活性な酒石酸
誘導体が、不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合
物と相互作用し易い大きさと極性を持っており、包接化
合物を形成し易いものと考えられる。さらに、光学活性
な酒石酸誘導体の立体構造によって、不飽和炭化水素類
又はそのハロゲン置換化合物の光学異性体の一方のみと
選択的に包接化合物を形成するものと考えられる。
ゲン置換化合物の光学活性体の製造に適している理由は
明確ではないが、本発明で用いられる光学活性な酒石酸
誘導体が、不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合
物と相互作用し易い大きさと極性を持っており、包接化
合物を形成し易いものと考えられる。さらに、光学活性
な酒石酸誘導体の立体構造によって、不飽和炭化水素類
又はそのハロゲン置換化合物の光学異性体の一方のみと
選択的に包接化合物を形成するものと考えられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 下記の式(11)で表される酒石酸誘導体の(R,R)−
(−)体(3.00g、6.1mmol)と上記式(6)で表される3
−メチルシクロヘキセンのラセミ体(0.58g、6.1mmol)
をジエチルエーテル15mlに溶解した後、12時間放置する
と、2:1包接結晶2.34gが得られた。得られた包接結
晶を減圧蒸留(20mmHg、120℃)することにより、光学活
性な(−)−3−メチルシクロヘキセン0.16gが53%の
収率で得られた。純品との比旋光度比較により得られた
光学活性な(−)−3−メチルシクロヘキセンの光学純
度を測定したところ、16%e.e.であった。同様の操作を
更に2回繰り返した結果、得られた光学活性な(−)−
3−メチルシクロヘキセンの光学純度は75%e.e.まで上
昇した。
(−)体(3.00g、6.1mmol)と上記式(6)で表される3
−メチルシクロヘキセンのラセミ体(0.58g、6.1mmol)
をジエチルエーテル15mlに溶解した後、12時間放置する
と、2:1包接結晶2.34gが得られた。得られた包接結
晶を減圧蒸留(20mmHg、120℃)することにより、光学活
性な(−)−3−メチルシクロヘキセン0.16gが53%の
収率で得られた。純品との比旋光度比較により得られた
光学活性な(−)−3−メチルシクロヘキセンの光学純
度を測定したところ、16%e.e.であった。同様の操作を
更に2回繰り返した結果、得られた光学活性な(−)−
3−メチルシクロヘキセンの光学純度は75%e.e.まで上
昇した。
【0024】
【化10】
【0025】実施例2 実施例1と同様、上記の式(11)で表される酒石酸誘導体
の(R,R)−(−)体を用いて、上記の式(1)、
(2)、(7)、(8)、(9)、(10)で表される不
飽和炭化水素類のラセミ体から各々、光学活性体を得
た。結果を表1に示した。光学活性体の純品がないもの
に関しては旋光度([α]D )で示した。
の(R,R)−(−)体を用いて、上記の式(1)、
(2)、(7)、(8)、(9)、(10)で表される不
飽和炭化水素類のラセミ体から各々、光学活性体を得
た。結果を表1に示した。光学活性体の純品がないもの
に関しては旋光度([α]D )で示した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例3 上記の式(11)で表される酒石酸誘導体の(R,R)−
(−)体(3.02g、6.2mmol)と下記式(12)で表される
3−クロル−1−ブテンのラセミ体(0.54g、6.0mmol)
をジエチルエーテル15ml中に溶解した。溶解後、4℃で
一晩放置して、包接化合物の結晶2.25gを得た。得られ
た包接結晶を減圧蒸留(20mmHg、120℃)することによ
り、光学活性な3−クロル−1−ブテン0.16gが得られ
た。同様の操作を更に2回繰り返した結果、得られた光
学活性な3−クロル−1−ブテンの光学純度は56%e.e.
まで上昇した。
(−)体(3.02g、6.2mmol)と下記式(12)で表される
3−クロル−1−ブテンのラセミ体(0.54g、6.0mmol)
をジエチルエーテル15ml中に溶解した。溶解後、4℃で
一晩放置して、包接化合物の結晶2.25gを得た。得られ
た包接結晶を減圧蒸留(20mmHg、120℃)することによ
り、光学活性な3−クロル−1−ブテン0.16gが得られ
た。同様の操作を更に2回繰り返した結果、得られた光
学活性な3−クロル−1−ブテンの光学純度は56%e.e.
まで上昇した。
【0028】
【化11】
【0029】
【発明の効果】本発明により、簡単な操作で、不飽和炭
化水素類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体が分
離できるようになった。また、本発明に用いる光学活性
な酒石酸誘導体は安価で入手が容易であり、かつ、繰り
返し使用できる。この結果、高い光学純度を有する光学
活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物を
大量かつ安価に得る製造を可能にするものである。
化水素類又はそのハロゲン置換化合物の光学活性体が分
離できるようになった。また、本発明に用いる光学活性
な酒石酸誘導体は安価で入手が容易であり、かつ、繰り
返し使用できる。この結果、高い光学純度を有する光学
活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物を
大量かつ安価に得る製造を可能にするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 13/45 C07C 13/45 17/395 17/395 21/02 21/02 // C07M 7:00 C07M 7:00
Claims (6)
- 【請求項1】 不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換
化合物のラセミ体と、光学活性な酒石酸誘導体とを混合
して、不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の
光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体との包接化合物を
形成させ、この包接化合物から不飽和炭化水素類又はそ
のハロゲン置換化合物の光学活性体を分離して得ること
を特徴とする、光学活性な不飽和炭化水素類又はそのハ
ロゲン置換化合物の製造法。 - 【請求項2】 不飽和炭化水素類が、シクロヘキセン誘
導体、ノルボルネン誘導体、あるいは下記の式(1)又
は(2)で表される化合物である請求項1記載の製造
法。 【化1】 - 【請求項3】 不飽和炭化水素類のハロゲン置換化合物
が下記の式(3)で表される化合物である請求項1記載
の製造法。 【化2】 (式中、Xはフッ素基、クロル基、ブロム基のうちのい
ずれかを、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、フッ素基、クロル基、ブロム基
のいずれかを示す。) - 【請求項4】 光学活性な酒石酸誘導体が下記の式
(4)又は(5)で表される化合物である請求項1〜3
のいずれか一項に記載の製造法。 【化3】 (式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、メ
チル基又はエチル基を示す。Arはフェニル基、トリル
基又はナフチル基を示す。n=4,5又は6である。) - 【請求項5】 シクロヘキセン誘導体が、下記の式
(6)〜(9)で表される化合物である請求項2記載の
製造法。 【化4】 - 【請求項6】 ノルボルネン誘導体が、下記の式(10)
で表される化合物である請求項2記載の製造法。 【化5】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36922599A JP2001181216A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 光学活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36922599A JP2001181216A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 光学活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001181216A true JP2001181216A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18493896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36922599A Pending JP2001181216A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 光学活性な不飽和炭化水素類又はそのハロゲン置換化合物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001181216A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109134184A (zh) * | 2017-06-16 | 2019-01-04 | 中国科学院上海药物研究所 | 二萜类化合物、其制备方法及用途 |
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1999
- 1999-12-27 JP JP36922599A patent/JP2001181216A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109134184A (zh) * | 2017-06-16 | 2019-01-04 | 中国科学院上海药物研究所 | 二萜类化合物、其制备方法及用途 |
CN109134184B (zh) * | 2017-06-16 | 2021-03-19 | 中国科学院上海药物研究所 | 二萜类化合物、其制备方法及用途 |
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