JP2001179992A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents
液体噴射記録ヘッドの製造方法Info
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- JP2001179992A JP2001179992A JP36590199A JP36590199A JP2001179992A JP 2001179992 A JP2001179992 A JP 2001179992A JP 36590199 A JP36590199 A JP 36590199A JP 36590199 A JP36590199 A JP 36590199A JP 2001179992 A JP2001179992 A JP 2001179992A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 異方性エッチングにより形成する液室を略長
方形状とすることにより、天板のチップサイズを小さく
でき、かつ全ノズルにわたって吐出特性を均一にかつ安
定させて印字品位の優れた液体噴射記録ヘッドの製造方
法を提供する。 【解決手段】 天板1の材料として、表面の結晶方位が
〈110〉面でノズル(3)の長さ方向の結晶方位が
〈111〉面となるシリコンウェハ5を用い、天板1の
ノズル形成面に液室2を形成するための異方性エッチン
グを行なう際のマスク層として機能する窒化珪素層7
に、液室形成部位の中央部に梯子状の開口領域13をお
いて相対向するようにくし歯状の補正パターン10を付
設し、異方性エッチングに際して、補正パターン10の
部分へのオーバーエッチングにより、ノズル形成面にお
ける液室形状を略長方形状に形成する。これにより、全
ノズルにわたって液吐出特性を均一化させ、天板チップ
の小型化が可能となる。
方形状とすることにより、天板のチップサイズを小さく
でき、かつ全ノズルにわたって吐出特性を均一にかつ安
定させて印字品位の優れた液体噴射記録ヘッドの製造方
法を提供する。 【解決手段】 天板1の材料として、表面の結晶方位が
〈110〉面でノズル(3)の長さ方向の結晶方位が
〈111〉面となるシリコンウェハ5を用い、天板1の
ノズル形成面に液室2を形成するための異方性エッチン
グを行なう際のマスク層として機能する窒化珪素層7
に、液室形成部位の中央部に梯子状の開口領域13をお
いて相対向するようにくし歯状の補正パターン10を付
設し、異方性エッチングに際して、補正パターン10の
部分へのオーバーエッチングにより、ノズル形成面にお
ける液室形状を略長方形状に形成する。これにより、全
ノズルにわたって液吐出特性を均一化させ、天板チップ
の小型化が可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な吐出口から
記録液を液滴として吐出させて記録媒体に記録を行なう
液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するものである。
記録液を液滴として吐出させて記録媒体に記録を行なう
液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置に使用されるサーマル
インクジェットプリントヘッド等の液体噴射記録ヘッド
は、インク等の記録液を吐出する複数の微細なノズル
(吐出口)、各ノズルに連通する液室、および各ノズル
内に位置付けられた吐出エネルギー発生素子(例えば、
電気熱変換素子等の発熱体)を備え、記録情報に対応し
た駆動信号を吐出エネルギー発生素子に印加し、該吐出
エネルギー発生素子の位置するノズル内の記録液に吐出
エネルギーを付与することによって、記録液を微細なノ
ズルから飛翔液滴として吐出させて記録を行なうように
構成されている。
インクジェットプリントヘッド等の液体噴射記録ヘッド
は、インク等の記録液を吐出する複数の微細なノズル
(吐出口)、各ノズルに連通する液室、および各ノズル
内に位置付けられた吐出エネルギー発生素子(例えば、
電気熱変換素子等の発熱体)を備え、記録情報に対応し
た駆動信号を吐出エネルギー発生素子に印加し、該吐出
エネルギー発生素子の位置するノズル内の記録液に吐出
エネルギーを付与することによって、記録液を微細なノ
ズルから飛翔液滴として吐出させて記録を行なうように
構成されている。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッド用のノズルと
して様々な形態のものが提案されており、その一例を図
7を参照して説明する。
して様々な形態のものが提案されており、その一例を図
7を参照して説明する。
【0004】図7において、101は、上面が結晶の
〈110〉面になるように切断され研磨されたシリコン
ウェハから形成される天板(ノズル部材)であり、貫通
孔で記録液溜まりとなる液室102と、この液室102
に連通する記録液吐出用の複数のノズル溝103(以
下、単にノズルともいう)が設けられている。108
は、吐出エネルギー発生素子としての発熱体(ヒータ
ー)109が多数配設されたシリコンチップで構成され
た素子基板(ヒーターボード)である。
〈110〉面になるように切断され研磨されたシリコン
ウェハから形成される天板(ノズル部材)であり、貫通
孔で記録液溜まりとなる液室102と、この液室102
に連通する記録液吐出用の複数のノズル溝103(以
下、単にノズルともいう)が設けられている。108
は、吐出エネルギー発生素子としての発熱体(ヒータ
ー)109が多数配設されたシリコンチップで構成され
た素子基板(ヒーターボード)である。
【0005】これらの天板101とヒーターボード10
8は、図7に示すように、ノズル103とヒーター10
9が相対向するように、密着接合あるいは接着され、ノ
ズル103とヒーターボード108の表面で細長い液吐
出用のノズルを形成し、また、このとき、ノズル103
内部にヒーター109を位置付けるように両者は精密に
位置調整される。記録液は図示しない記録液タンクから
供給されて液室102に導かれた後に、ノズル103内
に達する。ヒーターボード108上のヒーター109
は、図示しない制御回路によって制御され、印字データ
に応じてヒーター109の各々に通電される。制御回路
はヒーターボード108上に設けることもできるし、あ
るいは別基板に構成されていても良い。
8は、図7に示すように、ノズル103とヒーター10
9が相対向するように、密着接合あるいは接着され、ノ
ズル103とヒーターボード108の表面で細長い液吐
出用のノズルを形成し、また、このとき、ノズル103
内部にヒーター109を位置付けるように両者は精密に
位置調整される。記録液は図示しない記録液タンクから
供給されて液室102に導かれた後に、ノズル103内
に達する。ヒーターボード108上のヒーター109
は、図示しない制御回路によって制御され、印字データ
に応じてヒーター109の各々に通電される。制御回路
はヒーターボード108上に設けることもできるし、あ
るいは別基板に構成されていても良い。
【0006】印字データに応じて通電されたヒーター1
09は発熱し、そのノズル103内の記録液を加熱す
る。加熱された記録液は、ある臨界温度を越えると沸騰
し、泡を発生する。この発生した泡は数μSの短い時間
で成長し、記録液に衝撃力を与える。この衝撃で記録液
の一部がノズル103の吐出口から勢い良く押し出さ
れ、飛翔液滴として紙等の記録媒体上に着弾する。これ
が繰り返されることにより印刷画像が完成する。
09は発熱し、そのノズル103内の記録液を加熱す
る。加熱された記録液は、ある臨界温度を越えると沸騰
し、泡を発生する。この発生した泡は数μSの短い時間
で成長し、記録液に衝撃力を与える。この衝撃で記録液
の一部がノズル103の吐出口から勢い良く押し出さ
れ、飛翔液滴として紙等の記録媒体上に着弾する。これ
が繰り返されることにより印刷画像が完成する。
【0007】次に、前記のような天板(ノズル部材)の
作製方法について、図8を参照し、その工程に沿って説
明する。なお、図8において、左側の図(a、b、・・
・)は天板を液吐出方向の面で切断した端面図であり、
右側の図(a−1、b−1、・・・)は、天板の下面
(ノズル形成面)側から見た図であり、以下の説明にお
いては、(a)および(a−1)、(b)および(b−
1)、・・・を単に(a)、(b)・・・と表示する。
作製方法について、図8を参照し、その工程に沿って説
明する。なお、図8において、左側の図(a、b、・・
・)は天板を液吐出方向の面で切断した端面図であり、
右側の図(a−1、b−1、・・・)は、天板の下面
(ノズル形成面)側から見た図であり、以下の説明にお
いては、(a)および(a−1)、(b)および(b−
1)、・・・を単に(a)、(b)・・・と表示する。
【0008】図8の(a)において、液室およびノズル
を形成する天板(ノズル部材)の材料となるシリコンウ
ェハ105は、表面の結晶方位が〈110〉面、ノズル
の長さ方向の結晶方位が〈111〉面となるものであっ
て、このシリコンウェハ105の両面に、熱酸化、ある
いはCVD(Chemical Vapor Deposition )等の成膜
方法によって、図8の(b)に示すように二酸化珪素
(SiO2 )の薄膜106を1μm程度形成する。この
二酸化珪素層106はシリコンを異方性エッチングする
際のマスク層として機能するものである。次に、二酸化
珪素層106に通常のフォトリソグラフィ技術を用い
て、一方の面(ノズル形成面)にノズルと液室を合わせ
た形状にパターニングし、反対側の面に液室の形状にパ
ターニングを行なう(図8の(c))。さらに、ノズル
形成面に窒化珪素(SiN)層107をCVD等の方法
によって成膜し(図8の(d))、そして、液室の形状
にパターニングする(図8の(e))。
を形成する天板(ノズル部材)の材料となるシリコンウ
ェハ105は、表面の結晶方位が〈110〉面、ノズル
の長さ方向の結晶方位が〈111〉面となるものであっ
て、このシリコンウェハ105の両面に、熱酸化、ある
いはCVD(Chemical Vapor Deposition )等の成膜
方法によって、図8の(b)に示すように二酸化珪素
(SiO2 )の薄膜106を1μm程度形成する。この
二酸化珪素層106はシリコンを異方性エッチングする
際のマスク層として機能するものである。次に、二酸化
珪素層106に通常のフォトリソグラフィ技術を用い
て、一方の面(ノズル形成面)にノズルと液室を合わせ
た形状にパターニングし、反対側の面に液室の形状にパ
ターニングを行なう(図8の(c))。さらに、ノズル
形成面に窒化珪素(SiN)層107をCVD等の方法
によって成膜し(図8の(d))、そして、液室の形状
にパターニングする(図8の(e))。
【0009】その後、これを、例えばTMAH(水酸化
テトラメチルアンモニウム)の22%溶液のようなエッ
チング液に浸して異方性エッチングを行なう。この異方
性エッチングにより、ウェハ両面でシリコンが露出した
部分(すなわち、液室の形状)にしたがってエッチング
が進み、最後は両面からのエッチングがつながって貫通
穴(液室102)を形成する(図8の(f))。
テトラメチルアンモニウム)の22%溶液のようなエッ
チング液に浸して異方性エッチングを行なう。この異方
性エッチングにより、ウェハ両面でシリコンが露出した
部分(すなわち、液室の形状)にしたがってエッチング
が進み、最後は両面からのエッチングがつながって貫通
穴(液室102)を形成する(図8の(f))。
【0010】ここで、図8の(f)に示すエッチングの
形状について説明すると、天板(ノズル部材)は微細な
ノズルを異方性エッチングで形成することを主目的とし
ているので、シリコンの〈111〉面がノズル壁と平行
になる向きを選んでノズルのパターニングをしており、
液室102を略長方形状とすると、ノズルの長さ方向す
なわち液室(貫通穴)102の短辺はウェハ表面と垂直
に〈111〉面が存在するために、エッチング後は液室
短辺の表面に垂直な面が残る。ところが、液室(貫通
穴)102の長辺方向はウェハ表面と略30°傾いた
〈111〉面が多数並んでいるので、短辺方向のように
垂直な面とはならず、多数の面が複合した形となるの
で、厳密には滑らかな面とはならない。
形状について説明すると、天板(ノズル部材)は微細な
ノズルを異方性エッチングで形成することを主目的とし
ているので、シリコンの〈111〉面がノズル壁と平行
になる向きを選んでノズルのパターニングをしており、
液室102を略長方形状とすると、ノズルの長さ方向す
なわち液室(貫通穴)102の短辺はウェハ表面と垂直
に〈111〉面が存在するために、エッチング後は液室
短辺の表面に垂直な面が残る。ところが、液室(貫通
穴)102の長辺方向はウェハ表面と略30°傾いた
〈111〉面が多数並んでいるので、短辺方向のように
垂直な面とはならず、多数の面が複合した形となるの
で、厳密には滑らかな面とはならない。
【0011】次に、ノズル形成面の窒化珪素層107を
エッチングにより除去し(図8の(g))、図8の
(c)で二酸化珪素層106に形成したノズルパターン
を露出させ、再び、TMAH溶液による異方性エッチン
グを行なうと、ノズルに相当する部分103がエッチン
グされる(図8の(h))。
エッチングにより除去し(図8の(g))、図8の
(c)で二酸化珪素層106に形成したノズルパターン
を露出させ、再び、TMAH溶液による異方性エッチン
グを行なうと、ノズルに相当する部分103がエッチン
グされる(図8の(h))。
【0012】ところで、以上のように異方性エッチング
で得られるノズル103の形状は、液吐出方向にはウェ
ハ表面に垂直な〈111〉面が存在するので、断面が長
方形であるノズルを形成することができるが、ノズルの
長さ方向にはエッチングを止める面がないので、ノズル
間のノズル壁104は、ノズルの後端側(液室側)と先
端側からもエッチングされ、長さ方向にオーバーエッチ
されて鋭角の形状となる。したがって、このオーバーエ
ッチされた部分にはマスク層である二酸化珪素の薄膜が
残ってしまう。そこで、この二酸化珪素薄膜を除去する
ために、高圧空気あるいは高圧空気に水などを含ませて
ウェハに吹き付けることにより、シリコンを傷付けるこ
となく二酸化珪素薄膜だけを除去する。水を高圧空気で
吹き付ける方法で1μm程度の薄膜を除去するために
は、100〜2000kPaの圧力があれば十分であ
る。あるいはフッ化アンモニウムとフッ酸の混合液を用
いたウェットエッチングによって二酸化珪素薄膜全体を
除去することもできる。
で得られるノズル103の形状は、液吐出方向にはウェ
ハ表面に垂直な〈111〉面が存在するので、断面が長
方形であるノズルを形成することができるが、ノズルの
長さ方向にはエッチングを止める面がないので、ノズル
間のノズル壁104は、ノズルの後端側(液室側)と先
端側からもエッチングされ、長さ方向にオーバーエッチ
されて鋭角の形状となる。したがって、このオーバーエ
ッチされた部分にはマスク層である二酸化珪素の薄膜が
残ってしまう。そこで、この二酸化珪素薄膜を除去する
ために、高圧空気あるいは高圧空気に水などを含ませて
ウェハに吹き付けることにより、シリコンを傷付けるこ
となく二酸化珪素薄膜だけを除去する。水を高圧空気で
吹き付ける方法で1μm程度の薄膜を除去するために
は、100〜2000kPaの圧力があれば十分であ
る。あるいはフッ化アンモニウムとフッ酸の混合液を用
いたウェットエッチングによって二酸化珪素薄膜全体を
除去することもできる。
【0013】以上の工程によって作製された天板(ノズ
ル部材)101の形状を図9に図示する。ここで、液室
形成のパターニングの際、シリコンチップの両面でほぼ
同様の形状としているが、記録液供給側(すなわち図7
における上面)のパターンは、異方性エッチングによっ
て穴が貫通する程度に小さくてもよく、図示しない記録
液供給部材との接続形態あるいは天板形成時のウェハ強
度を確保するという観点で、むしろノズル形成面側より
も小さいパターンとしたほうが望ましい。
ル部材)101の形状を図9に図示する。ここで、液室
形成のパターニングの際、シリコンチップの両面でほぼ
同様の形状としているが、記録液供給側(すなわち図7
における上面)のパターンは、異方性エッチングによっ
て穴が貫通する程度に小さくてもよく、図示しない記録
液供給部材との接続形態あるいは天板形成時のウェハ強
度を確保するという観点で、むしろノズル形成面側より
も小さいパターンとしたほうが望ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の天板(ノズル部材)作製工程においては、天板をシ
リコンの異方性エッチングを用いて作製することによ
り、天板をウェハ状態で生産できるために量産性が非常
に高く、また、フォトリソグラフィ技術を利用したノズ
ル形成を行なうことで、高密度のノズルが精度よく形成
できるけれども、異方性エッチングを利用して作製した
液室の形状は、図9に図示するように複雑な形となる。
すなわち、ノズル方向の側壁は、シリコンの〈111〉
面が表面と垂直に存在するが、ノズル並び方向には、単
独の〈111〉面はなく、ノズル方向と55°および7
1°の角度をもって〈111〉面が交わっている。した
がって、液室を異方性エッチングしていくと、角の部分
にこの2つの面を残したままノズル方向にオーバーエッ
チしていき、図9のような複雑な形状の液室102とな
ってしまう。液室のエッチングは穴が貫通する程度の時
間行なうが、通常ウェハの厚さはその強度から0.6m
m程度であるので、図8に示した工程にしたがって天板
を作製した場合、0.3mmほどの深さを異方性エッチ
ングすることになる。このときのノズル方向のオーバー
エッチ量は深さとほぼ同程度になるので、チップサイズ
の無駄が多く、ウェハ内での取り個数が少なくなるとい
う問題があった。また、液室側面近傍ではノズル並び方
向と角度をもった面が残ってしまうので、両端と中央付
近のノズルで液室形状の違いによって記録液の流抵抗が
異なる。すなわち、記録液のリフィル(液吐出後のノズ
ルへの記録液の再充填)の条件が変わってしまうので、
ノズルによって吐出特性が変わり、印字品位が安定しな
かったり、ヘッドの性能を十分引き出せないという問題
点があった。
来の天板(ノズル部材)作製工程においては、天板をシ
リコンの異方性エッチングを用いて作製することによ
り、天板をウェハ状態で生産できるために量産性が非常
に高く、また、フォトリソグラフィ技術を利用したノズ
ル形成を行なうことで、高密度のノズルが精度よく形成
できるけれども、異方性エッチングを利用して作製した
液室の形状は、図9に図示するように複雑な形となる。
すなわち、ノズル方向の側壁は、シリコンの〈111〉
面が表面と垂直に存在するが、ノズル並び方向には、単
独の〈111〉面はなく、ノズル方向と55°および7
1°の角度をもって〈111〉面が交わっている。した
がって、液室を異方性エッチングしていくと、角の部分
にこの2つの面を残したままノズル方向にオーバーエッ
チしていき、図9のような複雑な形状の液室102とな
ってしまう。液室のエッチングは穴が貫通する程度の時
間行なうが、通常ウェハの厚さはその強度から0.6m
m程度であるので、図8に示した工程にしたがって天板
を作製した場合、0.3mmほどの深さを異方性エッチ
ングすることになる。このときのノズル方向のオーバー
エッチ量は深さとほぼ同程度になるので、チップサイズ
の無駄が多く、ウェハ内での取り個数が少なくなるとい
う問題があった。また、液室側面近傍ではノズル並び方
向と角度をもった面が残ってしまうので、両端と中央付
近のノズルで液室形状の違いによって記録液の流抵抗が
異なる。すなわち、記録液のリフィル(液吐出後のノズ
ルへの記録液の再充填)の条件が変わってしまうので、
ノズルによって吐出特性が変わり、印字品位が安定しな
かったり、ヘッドの性能を十分引き出せないという問題
点があった。
【0015】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、異方性
エッチングにより形成する液室を略長方形状とすること
により、天板のチップサイズを小さくでき、かつ、全ノ
ズルにわたって液吐出特性を均一にかつ安定させて印字
品位の優れた液体噴射記録ヘッドを製造することができ
る液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目的
とするものである。
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、異方性
エッチングにより形成する液室を略長方形状とすること
により、天板のチップサイズを小さくでき、かつ、全ノ
ズルにわたって液吐出特性を均一にかつ安定させて印字
品位の優れた液体噴射記録ヘッドを製造することができ
る液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、画像デ
ータに応じて記録液に吐出エネルギーを付与する複数の
吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、記録液を
貯溜する液室および複数のノズルを有する天板とを備
え、前記吐出エネルギー発生素子と前記ノズルがそれぞ
れ対向するように前記素子基板と前記天板とを接合して
形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、前記
液室を異方性エッチングにより形成する際の天板ノズル
形成面における異方性エッチングのマスク層に液室形成
部位の内方へ延びる補正パターンを付設し、前記液室形
成のための異方性エッチングに際して、前記補正パター
ンの部分へのオーバーエッチングにより前記天板ノズル
形成面における液室形状を略長方形状に形成することを
特徴とする。
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、画像デ
ータに応じて記録液に吐出エネルギーを付与する複数の
吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、記録液を
貯溜する液室および複数のノズルを有する天板とを備
え、前記吐出エネルギー発生素子と前記ノズルがそれぞ
れ対向するように前記素子基板と前記天板とを接合して
形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、前記
液室を異方性エッチングにより形成する際の天板ノズル
形成面における異方性エッチングのマスク層に液室形成
部位の内方へ延びる補正パターンを付設し、前記液室形
成のための異方性エッチングに際して、前記補正パター
ンの部分へのオーバーエッチングにより前記天板ノズル
形成面における液室形状を略長方形状に形成することを
特徴とする。
【0017】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記天板の材料として、表面が〈110〉面
であるシリコンウェハを用いることが好ましい。
おいては、前記天板の材料として、表面が〈110〉面
であるシリコンウェハを用いることが好ましい。
【0018】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記補正パターンはくし歯状に形成されてお
り、該くし歯状の補正パターンは、液室形成部位の中央
部に間隔をおいて相対向するように配置され、液室形成
部位の中央部に梯子状の領域を開口することが好まし
い。
おいては、前記補正パターンはくし歯状に形成されてお
り、該くし歯状の補正パターンは、液室形成部位の中央
部に間隔をおいて相対向するように配置され、液室形成
部位の中央部に梯子状の領域を開口することが好まし
い。
【0019】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記補正パターンは、液室形成部位の中央部
に間隔をおいて相対向するように配置され、液室形成部
位の中央部に略H字状の領域を開口することが好まし
い。
おいては、前記補正パターンは、液室形成部位の中央部
に間隔をおいて相対向するように配置され、液室形成部
位の中央部に略H字状の領域を開口することが好まし
い。
【0020】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記補正パターンは、シリコンウェハのノズ
ル方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線と
同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線とを
組み合わせてパターン設計され、液室形成部位の中央部
に開口した領域をおいて相対向するように配置されてい
ることが好ましい。
おいては、前記補正パターンは、シリコンウェハのノズ
ル方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線と
同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線とを
組み合わせてパターン設計され、液室形成部位の中央部
に開口した領域をおいて相対向するように配置されてい
ることが好ましい。
【0021】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記補正パターンは、シリコンウェハのノズ
ル方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線と
同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線とノ
ズル並び方向に平行な線とを組み合わせてパターン設計
され、液室形成部位の中央部に開口した領域をおいて相
対向するように配置されていることが好ましい。
おいては、前記補正パターンは、シリコンウェハのノズ
ル方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線と
同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線とノ
ズル並び方向に平行な線とを組み合わせてパターン設計
され、液室形成部位の中央部に開口した領域をおいて相
対向するように配置されていることが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法によれ
ば、シリコンの異方性エッチングにより天板(ノズル部
材)を作製する際に、液室形成のための異方性エッチン
グのマスク層に液室形成部位の内方へ延びる補正パター
ンを付設し、この異方性エッチングに際して補正パター
ンの部分へのオーバーエッチングにより、ノズル形成面
の液室形状を略長方形状に形成するようになし、天板の
チップサイズを小さくすることができ、ウェハ内での取
り個数を多くすることが可能となり、また、全ノズルに
わたって液吐出特性が均一でかつ安定した液体噴射記録
ヘッドを容易に実現することが可能になる。
ば、シリコンの異方性エッチングにより天板(ノズル部
材)を作製する際に、液室形成のための異方性エッチン
グのマスク層に液室形成部位の内方へ延びる補正パター
ンを付設し、この異方性エッチングに際して補正パター
ンの部分へのオーバーエッチングにより、ノズル形成面
の液室形状を略長方形状に形成するようになし、天板の
チップサイズを小さくすることができ、ウェハ内での取
り個数を多くすることが可能となり、また、全ノズルに
わたって液吐出特性が均一でかつ安定した液体噴射記録
ヘッドを容易に実現することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
いて説明する。
【0024】本発明に係る液体噴射記録ヘッドの製造方
法の第1の実施例を図1および図2に基づいて説明す
る。
法の第1の実施例を図1および図2に基づいて説明す
る。
【0025】図1は、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
の製造方法の第1の実施例に基づく天板の作製方法を工
程順に示す工程図であり、図2は、同じく本発明の第1
の実施例に基づく天板の作製方法における液室を形成す
る工程を説明するための詳細図であり、(a)は液室を
形成するためのマスクパターンを形成した状態を示す図
であり、(b)は異方性エッチングにより液室を形成し
ている途中の状態図であり、(c)は異方性エッチング
により形成された液室の最終形状を示す図である。
の製造方法の第1の実施例に基づく天板の作製方法を工
程順に示す工程図であり、図2は、同じく本発明の第1
の実施例に基づく天板の作製方法における液室を形成す
る工程を説明するための詳細図であり、(a)は液室を
形成するためのマスクパターンを形成した状態を示す図
であり、(b)は異方性エッチングにより液室を形成し
ている途中の状態図であり、(c)は異方性エッチング
により形成された液室の最終形状を示す図である。
【0026】本発明の第1の実施例に基づく天板の作製
方法を図示する図1において、左側の図(a、b、・・
・)は天板を液吐出方向の面で切断した端面図であり、
右側の図(a−1、b−1、・・・)は、天板の下面
(ノズル形成面)側から見た図であり、以下の説明にお
いては、(a)および(a−1)、(b)および(b−
1)、・・・を単に(a)、(b)・・・と表示する。
方法を図示する図1において、左側の図(a、b、・・
・)は天板を液吐出方向の面で切断した端面図であり、
右側の図(a−1、b−1、・・・)は、天板の下面
(ノズル形成面)側から見た図であり、以下の説明にお
いては、(a)および(a−1)、(b)および(b−
1)、・・・を単に(a)、(b)・・・と表示する。
【0027】図1の(a)において、液室(2)および
ノズル(3)を形成する天板1の材料となるシリコンウ
ェハ5は、表面の結晶方位が〈110〉面、ノズルの長
さ方向の結晶方位が〈111〉面となるものであって、
このシリコンウェハ5の両面に、熱酸化あるいはCVD
等の成膜方法によって、図1の(b)に示すように二酸
化珪素(SiO2 )の薄膜6を1μm程度形成する。こ
の二酸化珪素層6はシリコンを異方性エッチングしてノ
ズル(3)を形成する際のマスク層として機能するもの
である。次に、二酸化珪素層6に通常のフォトリソグラ
フィ技術を用いて、一方の面(ノズル形成面)にノズル
と液室を合わせた形状をパターニングし、そして、反対
側の面には液室の形状にパターニングを行なう(図1の
(c))。
ノズル(3)を形成する天板1の材料となるシリコンウ
ェハ5は、表面の結晶方位が〈110〉面、ノズルの長
さ方向の結晶方位が〈111〉面となるものであって、
このシリコンウェハ5の両面に、熱酸化あるいはCVD
等の成膜方法によって、図1の(b)に示すように二酸
化珪素(SiO2 )の薄膜6を1μm程度形成する。こ
の二酸化珪素層6はシリコンを異方性エッチングしてノ
ズル(3)を形成する際のマスク層として機能するもの
である。次に、二酸化珪素層6に通常のフォトリソグラ
フィ技術を用いて、一方の面(ノズル形成面)にノズル
と液室を合わせた形状をパターニングし、そして、反対
側の面には液室の形状にパターニングを行なう(図1の
(c))。
【0028】さらに、ノズル形成面に窒化珪素層(Si
N)7をCVD等の方法によって成膜し(図1の
(d))、液室の形状にパターニングする(図1の
(e))。このとき、ノズル形成面にパターニングされ
る液室形状は、本実施例では、図2の(a)に詳細に図
示するように、梯子状に開口した領域13として形成さ
れ、この梯子状の開口領域13のみがシリコン5が露出
している。すなわち、本実施例における液室形成のため
のマスクパターンは、図2の(a)に図示するように、
ノズル(3)側とノズルの反対側の両側から相対向する
ように形成されたくし歯状の補正パターン10を有する
ものであって、開口される領域は長方形とはせずに、液
室形成予定部位の中央部にノズル並び方向に平行に延び
る幅の狭い1本の直線部11とノズル並び方向に直交す
る方向にこの直線部11の両側方(ノズル側とノズルの
反対側)に延びる複数の枝状部12とからなる梯子状の
開口領域13を開口することに特徴を有するものであ
る。
N)7をCVD等の方法によって成膜し(図1の
(d))、液室の形状にパターニングする(図1の
(e))。このとき、ノズル形成面にパターニングされ
る液室形状は、本実施例では、図2の(a)に詳細に図
示するように、梯子状に開口した領域13として形成さ
れ、この梯子状の開口領域13のみがシリコン5が露出
している。すなわち、本実施例における液室形成のため
のマスクパターンは、図2の(a)に図示するように、
ノズル(3)側とノズルの反対側の両側から相対向する
ように形成されたくし歯状の補正パターン10を有する
ものであって、開口される領域は長方形とはせずに、液
室形成予定部位の中央部にノズル並び方向に平行に延び
る幅の狭い1本の直線部11とノズル並び方向に直交す
る方向にこの直線部11の両側方(ノズル側とノズルの
反対側)に延びる複数の枝状部12とからなる梯子状の
開口領域13を開口することに特徴を有するものであ
る。
【0029】その後、これを、例えばTMAH(水酸化
テトラメチルアンモニウム)の22%溶液のようなエッ
チング液に浸して異方性エッチングを行なうと、ウェハ
両面でシリコン5が露出した部分(すなわち、それぞれ
にパターニングされた形状)にしたがってエッチングが
進み、最終的に両面からのエッチングがつながって貫通
穴(液室2)を形成する(図1の(f)および図2の
(c))。
テトラメチルアンモニウム)の22%溶液のようなエッ
チング液に浸して異方性エッチングを行なうと、ウェハ
両面でシリコン5が露出した部分(すなわち、それぞれ
にパターニングされた形状)にしたがってエッチングが
進み、最終的に両面からのエッチングがつながって貫通
穴(液室2)を形成する(図1の(f)および図2の
(c))。
【0030】ここで、ノズル形成面における液室形成の
ための異方性エッチングについて詳細に説明すると、シ
リコン5のエッチングは、はじめは、パターニングされ
た相対向するくし歯状の補正パターン10の間の梯子状
の開口領域13(シリコンが露出している領域)のとお
りに進んでいくが、ノズル並び方向に関しては耐エッチ
ング性がないので、図2の(a)に14で示すノズルに
一番近いパターンの部分は、ノズル並び方向と平行には
ならず、55°および71°の角度でオーバーエッチさ
れる。一方、くし歯状の補正パターン10の部分は、エ
ッチング開始当初は窒化珪素層7のパターンとおりにエ
ッチングされるが、オーバーエッチングの速度は面の部
分よりも角の部分で速く進むので、くし歯状の補正パタ
ーン10の液室中央に近い部分の先端部15では角の部
分が次第にオーバーエッチされていく。結果として、あ
る程度異方性エッチングした段階での液室の形状は、図
2の(b)に示すような形になる。
ための異方性エッチングについて詳細に説明すると、シ
リコン5のエッチングは、はじめは、パターニングされ
た相対向するくし歯状の補正パターン10の間の梯子状
の開口領域13(シリコンが露出している領域)のとお
りに進んでいくが、ノズル並び方向に関しては耐エッチ
ング性がないので、図2の(a)に14で示すノズルに
一番近いパターンの部分は、ノズル並び方向と平行には
ならず、55°および71°の角度でオーバーエッチさ
れる。一方、くし歯状の補正パターン10の部分は、エ
ッチング開始当初は窒化珪素層7のパターンとおりにエ
ッチングされるが、オーバーエッチングの速度は面の部
分よりも角の部分で速く進むので、くし歯状の補正パタ
ーン10の液室中央に近い部分の先端部15では角の部
分が次第にオーバーエッチされていく。結果として、あ
る程度異方性エッチングした段階での液室の形状は、図
2の(b)に示すような形になる。
【0031】これをさらにエッチングし、補正パターン
10の部分が全てエッチングされたところでエッチング
を終了すると、図2の(c)に示すような略長方形の液
室2を形成することができる。
10の部分が全てエッチングされたところでエッチング
を終了すると、図2の(c)に示すような略長方形の液
室2を形成することができる。
【0032】くし歯状の補正パターン10の大きさに関
しては、くし歯状部分の長さaは天板1の厚さの約1/
2以上にすることで、補正パターン10のオーバーエッ
チを完了する前に液室となる穴を貫通させることができ
る。また、補正パターン10のくし歯状部分の間隔b
は、ノズル(3)に一番近いパターンの部分14でオー
バーエッチされる大きさに影響し、オーバーエッチ量は
補正パターン10のくし歯状部分の間隔bの約0.24
倍となる。したがって、液室形状によるリフィル速度の
差異を生じさせないためには、補正パターン10のくし
歯状部分の間隔bは500μm以下とすることが望まし
い。
しては、くし歯状部分の長さaは天板1の厚さの約1/
2以上にすることで、補正パターン10のオーバーエッ
チを完了する前に液室となる穴を貫通させることができ
る。また、補正パターン10のくし歯状部分の間隔b
は、ノズル(3)に一番近いパターンの部分14でオー
バーエッチされる大きさに影響し、オーバーエッチ量は
補正パターン10のくし歯状部分の間隔bの約0.24
倍となる。したがって、液室形状によるリフィル速度の
差異を生じさせないためには、補正パターン10のくし
歯状部分の間隔bは500μm以下とすることが望まし
い。
【0033】以上説明したように、本実施例による天板
はノズル形成面においてノズル並び方向に略平行な辺を
もつ略長方形状に貫通した液室を形成することができる
ので、材料に無駄がなくしかも全ノズルにわたって均一
な液吐出特性を備えた天板を実現することができる。な
お、記録液供給側(すなわち、ノズル形成面の反対側の
面)のパターンは、異方性エッチングによって穴が貫通
する程度に小さくてもよく、図示しない記録液供給部材
との接続形態あるいは天板作製時のウェハ強度を確保す
るという観点で、むしろノズル形成面側よりも小さいパ
ターンとしたほうが望ましい。
はノズル形成面においてノズル並び方向に略平行な辺を
もつ略長方形状に貫通した液室を形成することができる
ので、材料に無駄がなくしかも全ノズルにわたって均一
な液吐出特性を備えた天板を実現することができる。な
お、記録液供給側(すなわち、ノズル形成面の反対側の
面)のパターンは、異方性エッチングによって穴が貫通
する程度に小さくてもよく、図示しない記録液供給部材
との接続形態あるいは天板作製時のウェハ強度を確保す
るという観点で、むしろノズル形成面側よりも小さいパ
ターンとしたほうが望ましい。
【0034】次いで、ノズル形成面の窒化珪素層7をエ
ッチングにより除去し(図1の(g))、図1の(c)
で二酸化珪素層6に形成したノズルパターンを露出さ
せ、再び、TMAH溶液による異方性エッチングを行な
うと、ノズルに相当する部分がエッチングされ、ノズル
3が形成される(図1の(h))。このとき、図1の
(f)でエッチングした液室2の部分もさらにエッチン
グが進むことになるが、ノズル3のエッチングは液室2
のエッチングに比べてエッチング時間が短いので、液室
形状に与える影響は小さい。あるいは、ノズルエッチン
グ相当の時間を見越して液室2のエッチングを早めに止
め、最終的に所望の形状が得られるようにすることもで
きる。
ッチングにより除去し(図1の(g))、図1の(c)
で二酸化珪素層6に形成したノズルパターンを露出さ
せ、再び、TMAH溶液による異方性エッチングを行な
うと、ノズルに相当する部分がエッチングされ、ノズル
3が形成される(図1の(h))。このとき、図1の
(f)でエッチングした液室2の部分もさらにエッチン
グが進むことになるが、ノズル3のエッチングは液室2
のエッチングに比べてエッチング時間が短いので、液室
形状に与える影響は小さい。あるいは、ノズルエッチン
グ相当の時間を見越して液室2のエッチングを早めに止
め、最終的に所望の形状が得られるようにすることもで
きる。
【0035】このように異方性エッチングで得られるノ
ズル3の形状は、液吐出方向にはウェハ表面に垂直な
〈111〉面が存在するので、断面が長方形であるノズ
ルを作製することができるが、ノズルの長さ方向にはエ
ッチングを止める面がないので、ノズル間のノズル壁4
は、ノズルの後端側(液室側)と先端側からもエッチン
グされ、長さ方向にオーバーエッチされて鋭角の形状と
なる。したがって、このオーバーエッチされた部分には
マスク層である二酸化珪素薄膜6が残ってしまう。そこ
で、この二酸化珪素薄膜6を除去するために、高圧空気
あるいは高圧空気に水などを含ませてウェハに吹き付け
ることにより、シリコン5を傷付けることなく二酸化珪
素薄膜6だけを除去する。水を高圧空気で吹き付ける方
法で1μm程度の薄膜を除去するためには、100〜2
000kPaの圧力があれば十分である。あるいはフッ
化アンモニウムとフッ酸の混合液を用いたウェットエッ
チングによって二酸化珪素薄膜6全体を除去することも
できる。
ズル3の形状は、液吐出方向にはウェハ表面に垂直な
〈111〉面が存在するので、断面が長方形であるノズ
ルを作製することができるが、ノズルの長さ方向にはエ
ッチングを止める面がないので、ノズル間のノズル壁4
は、ノズルの後端側(液室側)と先端側からもエッチン
グされ、長さ方向にオーバーエッチされて鋭角の形状と
なる。したがって、このオーバーエッチされた部分には
マスク層である二酸化珪素薄膜6が残ってしまう。そこ
で、この二酸化珪素薄膜6を除去するために、高圧空気
あるいは高圧空気に水などを含ませてウェハに吹き付け
ることにより、シリコン5を傷付けることなく二酸化珪
素薄膜6だけを除去する。水を高圧空気で吹き付ける方
法で1μm程度の薄膜を除去するためには、100〜2
000kPaの圧力があれば十分である。あるいはフッ
化アンモニウムとフッ酸の混合液を用いたウェットエッ
チングによって二酸化珪素薄膜6全体を除去することも
できる。
【0036】以上のように液室2およびノズル3が形成
されて最終的な天板1が得られ、これを図7に図示する
ようにヒーターボード上に密着接合あるいは接着するこ
とにより、液体噴射記録ヘッドを作製する。
されて最終的な天板1が得られ、これを図7に図示する
ようにヒーターボード上に密着接合あるいは接着するこ
とにより、液体噴射記録ヘッドを作製する。
【0037】以上のように、本実施例によれば、天板
(ノズル部材)をシリコンの異方性エッチングを用いて
構成することにより、天板をウェハ状態で生産できるた
めに量産性が非常に高く、また、フォトリソグラフィ技
術を利用したノズル形成を行なうことで、高密度のノズ
ルが精度よく形成できる。さらに、天板のノズル形成面
の液室形状を略長方形とすることができることから、天
板のチップサイズを小さくすることができ、ウェハ内で
の取り個数を多くすることが可能となり、また、従来技
術のように液室側面近傍でノズル並び方向と角度をもっ
た面が残ってしまうようなことがなく、全ノズルにわた
って液吐出特性を均一にすることができ、印字品位を安
定させることができる。
(ノズル部材)をシリコンの異方性エッチングを用いて
構成することにより、天板をウェハ状態で生産できるた
めに量産性が非常に高く、また、フォトリソグラフィ技
術を利用したノズル形成を行なうことで、高密度のノズ
ルが精度よく形成できる。さらに、天板のノズル形成面
の液室形状を略長方形とすることができることから、天
板のチップサイズを小さくすることができ、ウェハ内で
の取り個数を多くすることが可能となり、また、従来技
術のように液室側面近傍でノズル並び方向と角度をもっ
た面が残ってしまうようなことがなく、全ノズルにわた
って液吐出特性を均一にすることができ、印字品位を安
定させることができる。
【0038】次に、本発明に係る液体噴射記録ヘッドの
製造方法の第2の実施例について、図3を参照して説明
する。
製造方法の第2の実施例について、図3を参照して説明
する。
【0039】前述した第1の実施例では、補正パターン
は、ノズル側とノズルの反対側の両側からくし歯状部分
が相対向するように形成されているが、天板の大きさに
応じて、図3に図示するように、くし歯状の補正パター
ン20をノズル側のみに配置することもできる。この補
正パターン20を用いて異方性エッチングを行なう態様
は、前述した第1の実施例と同様であって、最終的に略
長方形状の液室2を作製することができ、その他の構成
に関しても、第1の実施例と同様であるので、同一部材
には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
は、ノズル側とノズルの反対側の両側からくし歯状部分
が相対向するように形成されているが、天板の大きさに
応じて、図3に図示するように、くし歯状の補正パター
ン20をノズル側のみに配置することもできる。この補
正パターン20を用いて異方性エッチングを行なう態様
は、前述した第1の実施例と同様であって、最終的に略
長方形状の液室2を作製することができ、その他の構成
に関しても、第1の実施例と同様であるので、同一部材
には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0040】次に、本発明に係る液体噴射記録ヘッドの
製造方法の第3の実施例について、図4を参照して説明
する。
製造方法の第3の実施例について、図4を参照して説明
する。
【0041】本実施例は、図4の(a)に図示するよう
に、オーバーエッチ低減のための補正パターンを大きく
取り、液室両端部に液室の大きさを決める窒化珪素層の
開口領域を設けた点で、前記の第1の実施例と相違して
いる。なお、その他の構成に関しては、第1の実施例と
同様であるので、同一部材には同じ符号を付し、詳細な
説明は省略する。
に、オーバーエッチ低減のための補正パターンを大きく
取り、液室両端部に液室の大きさを決める窒化珪素層の
開口領域を設けた点で、前記の第1の実施例と相違して
いる。なお、その他の構成に関しては、第1の実施例と
同様であるので、同一部材には同じ符号を付し、詳細な
説明は省略する。
【0042】本実施例における補正パターン30は、ノ
ズル側とノズルの反対側の両側から相対向するように形
成され、液室形成予定部位の中央部にノズル並び方向に
平行に延びる幅の狭い1本の直線部31と液室両端部に
おいてノズル並び方向に直交する方向に直線部31の両
側方(ノズル側とノズルの反対側)に延びる枝状部32
とからなる略H字状の開口領域33を開口するように配
置されている。
ズル側とノズルの反対側の両側から相対向するように形
成され、液室形成予定部位の中央部にノズル並び方向に
平行に延びる幅の狭い1本の直線部31と液室両端部に
おいてノズル並び方向に直交する方向に直線部31の両
側方(ノズル側とノズルの反対側)に延びる枝状部32
とからなる略H字状の開口領域33を開口するように配
置されている。
【0043】このように補正パターン30を設けた天板
1を第1の実施例と同様にTMAHなどのエッチング液
に浸して異方性エッチングを行なうと、補正パターン3
0のノズルに近い部分34では、第1の実施例と同様の
小さなオーバーエッチが生じ、補正パターン30の液室
中央に近い部分35では角の部分から次第にオーバーエ
ッチされていく。オーバーエッチの速度は面の部分より
角の部分で速く進むので、液室形状は、オーバーエッチ
が進むにつれて、図4の(b)に示す形状を経て、最終
的に図4の(c)に示す形状にエッチングされる。
1を第1の実施例と同様にTMAHなどのエッチング液
に浸して異方性エッチングを行なうと、補正パターン3
0のノズルに近い部分34では、第1の実施例と同様の
小さなオーバーエッチが生じ、補正パターン30の液室
中央に近い部分35では角の部分から次第にオーバーエ
ッチされていく。オーバーエッチの速度は面の部分より
角の部分で速く進むので、液室形状は、オーバーエッチ
が進むにつれて、図4の(b)に示す形状を経て、最終
的に図4の(c)に示す形状にエッチングされる。
【0044】本実施例における補正パターン30は、第
1の実施例に比べて、オーバーエッチの速度が遅くなる
ので、天板チップの奥行きをより小さくしたい場合に適
している。
1の実施例に比べて、オーバーエッチの速度が遅くなる
ので、天板チップの奥行きをより小さくしたい場合に適
している。
【0045】次に、本発明に係る液体噴射記録ヘッドの
製造方法の第4の実施例について、図5を参照して説明
する。
製造方法の第4の実施例について、図5を参照して説明
する。
【0046】本実施例は、シリコンウェハの〈111〉
面に沿ってパターン設計を行なうものであり、ノズル方
向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線41と
同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線42
とを組み合わせて補正パターン40を形成し、ノズル側
とノズルの反対側の両側から相対向するように配置し、
液室形成予定部位の中央部において、相対向する両補正
パターン40の間に開口領域44を形成する。なお、そ
の他の構成に関しては、前記の第1の実施例と同様であ
るので、同一部材には同じ符号を付し、詳細な説明は省
略する。
面に沿ってパターン設計を行なうものであり、ノズル方
向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線41と
同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線42
とを組み合わせて補正パターン40を形成し、ノズル側
とノズルの反対側の両側から相対向するように配置し、
液室形成予定部位の中央部において、相対向する両補正
パターン40の間に開口領域44を形成する。なお、そ
の他の構成に関しては、前記の第1の実施例と同様であ
るので、同一部材には同じ符号を付し、詳細な説明は省
略する。
【0047】本実施例の補正パターン40によれば、エ
ッチングは〈111〉面に沿って進み、ノズルに近い部
分でのオーバーエッチはほとんど起こらない。それと同
時に図5の(b)に図示するように角の部分からオーバ
ーエッチしていって、最終的には第1の実施例と同様に
図5の(c)に示すような長方形状の液室形状が得られ
る。
ッチングは〈111〉面に沿って進み、ノズルに近い部
分でのオーバーエッチはほとんど起こらない。それと同
時に図5の(b)に図示するように角の部分からオーバ
ーエッチしていって、最終的には第1の実施例と同様に
図5の(c)に示すような長方形状の液室形状が得られ
る。
【0048】次に、本発明に係る液体噴射記録ヘッドの
製造方法の第5の実施例について、図6を参照して説明
する。
製造方法の第5の実施例について、図6を参照して説明
する。
【0049】本実施例は、シリコンウェハの〈111〉
面に沿ったパターン設計にノズル並び方向のパターンを
組み合わせてパターン設計を行なうものであり、ノズル
方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線51
と同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線5
2と、ノズル並び方向に平行な線53を組み合わせて補
正パターン50を形成し、ノズル側とノズルの反対側の
両側から相対向するように配置し、液室形成予定部位の
中央部において、相対向する両補正パターン50の間に
開口領域54を形成する。なお、本実施例においても、
その他の構成に関しては、前記の第1の実施例と同様で
あるので、同一部材には同じ符号を付し、詳細な説明は
省略する。
面に沿ったパターン設計にノズル並び方向のパターンを
組み合わせてパターン設計を行なうものであり、ノズル
方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ線51
と同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線5
2と、ノズル並び方向に平行な線53を組み合わせて補
正パターン50を形成し、ノズル側とノズルの反対側の
両側から相対向するように配置し、液室形成予定部位の
中央部において、相対向する両補正パターン50の間に
開口領域54を形成する。なお、本実施例においても、
その他の構成に関しては、前記の第1の実施例と同様で
あるので、同一部材には同じ符号を付し、詳細な説明は
省略する。
【0050】前述した第4の実施例で示した補正パター
ン40では天板の厚さや液室の大きさの関係で所望の形
状が得られない場合に、シリコンウェハの〈111〉面
に沿ったパターン設計にノズル並び方向のパターンを組
み合わせることによりオーバーエッチ速度を調整するこ
とができる。本実施例の補正パターン50によっても、
最終的には第1の実施例と同様に図6の(c)に示すよ
うな長方形状の液室形状が得られる。
ン40では天板の厚さや液室の大きさの関係で所望の形
状が得られない場合に、シリコンウェハの〈111〉面
に沿ったパターン設計にノズル並び方向のパターンを組
み合わせることによりオーバーエッチ速度を調整するこ
とができる。本実施例の補正パターン50によっても、
最終的には第1の実施例と同様に図6の(c)に示すよ
うな長方形状の液室形状が得られる。
【0051】以上説明した本発明により作製する天板
(ノズル部材)は、図7に示す形態に制限されるもので
はなく、例えば、吐出の効率化のためにヒーターボード
上に弁を設けた場合にも有効である。特に、本発明によ
り作製する天板においては、ノズル壁が垂直になってい
るので、弁の動作を妨げることがなく、より高速な動作
が可能となる。
(ノズル部材)は、図7に示す形態に制限されるもので
はなく、例えば、吐出の効率化のためにヒーターボード
上に弁を設けた場合にも有効である。特に、本発明によ
り作製する天板においては、ノズル壁が垂直になってい
るので、弁の動作を妨げることがなく、より高速な動作
が可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体噴射記録ヘッドの天板(ノズル部材)をシリコンの
異方性エッチングにより作製する際に、ノズル形成面の
液室形状を略長方形とすることができ、チップサイズを
小さくすることが可能となり、ウェハ内での取り個数を
多くすることができ、また、全ノズルにわたって液吐出
特性が均一でかつ安定した液体噴射記録ヘッドを容易に
実現することが可能になる。
液体噴射記録ヘッドの天板(ノズル部材)をシリコンの
異方性エッチングにより作製する際に、ノズル形成面の
液室形状を略長方形とすることができ、チップサイズを
小さくすることが可能となり、ウェハ内での取り個数を
多くすることができ、また、全ノズルにわたって液吐出
特性が均一でかつ安定した液体噴射記録ヘッドを容易に
実現することが可能になる。
【図1】本発明に係る液体噴射記録ヘッドの製造方法の
第1の実施例に基づく天板の作製方法を工程順に示す工
程図である。
第1の実施例に基づく天板の作製方法を工程順に示す工
程図である。
【図2】本発明の第1の実施例に基づく天板の作製方法
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)は液室を形成するためのマスクパターンを
形成した状態を示す図であり、(b)は異方性エッチン
グにより液室を形成している途中の状態図であり、
(c)は異方性エッチングにより形成された液室の最終
形状を示す図である。
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)は液室を形成するためのマスクパターンを
形成した状態を示す図であり、(b)は異方性エッチン
グにより液室を形成している途中の状態図であり、
(c)は異方性エッチングにより形成された液室の最終
形状を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例に基づく天板の作製方法
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例に基づく天板の作製方法
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例に基づく天板の作製方法
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施例に基づく天板の作製方法
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
における液室を形成する工程を説明するための詳細図で
あり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ図2と同
様の状態を示す図である。
【図7】液体噴射記録ヘッドの構成の一例を示す斜視図
である。
である。
【図8】従来の液体噴射記録ヘッドの製造方法における
天板作製工程を示す工程図である。
天板作製工程を示す工程図である。
【図9】従来の天板作製工程により作製された天板を示
す図である。
す図である。
1 天板(ノズル部材) 2 液室 3 ノズル 4 ノズル壁 5 シリコン(ウェハ) 6 二酸化珪素層 7 窒化珪素層 10,20,30,40,50 補正パターン 13,23,33,44,54 開口領域 101 天板(ノズル部材) 102 液室 103 ノズル 104 ノズル壁 105 シリコン(ウェハ) 106 二酸化珪素層 107 窒化珪素層 108 素子基板(ヒーターボード) 109 吐出エネルギー発生素子(ヒーター)
Claims (6)
- 【請求項1】 画像データに応じて記録液に吐出エネル
ギーを付与する複数の吐出エネルギー発生素子を有する
素子基板と、記録液を貯溜する液室および複数のノズル
を有する天板とを備え、前記吐出エネルギー発生素子と
前記ノズルがそれぞれ対向するように前記素子基板と前
記天板とを接合して形成する液体噴射記録ヘッドの製造
方法において、 前記液室を異方性エッチングにより形成する際の天板ノ
ズル形成面における異方性エッチングのマスク層に液室
形成部位の内方へ延びる補正パターンを付設し、前記液
室形成のための異方性エッチングに際して、前記補正パ
ターンの部分へのオーバーエッチングにより前記天板ノ
ズル形成面における液室形状を略長方形状に形成するこ
とを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項2】 前記天板の材料として、表面が〈11
0〉面であるシリコンウェハを用いることを特徴とする
請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項3】 前記補正パターンはくし歯状に形成され
ており、該くし歯状の補正パターンは、液室形成部位の
中央部に間隔をおいて相対向するように配置され、液室
形成部位の中央部に梯子状の領域を開口することを特徴
とする請求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製
造方法。 - 【請求項4】 前記補正パターンは、液室形成部位の中
央部に間隔をおいて相対向するように配置され、液室形
成部位の中央部に略H字状の領域を開口することを特徴
とする請求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製
造方法。 - 【請求項5】 前記補正パターンは、シリコンウェハの
ノズル方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ
線と同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線
とを組み合わせてパターン設計され、液室形成部位の中
央部に開口した領域をおいて相対向するように配置され
ていることを特徴とする請求項1または2記載の液体噴
射記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 前記補正パターンは、シリコンウェハの
ノズル方向の〈111〉面に対して55°の角度をもつ
線と同じく〈111〉面に対して71°の角度をもつ線
とノズル並び方向に平行な線とを組み合わせてパターン
設計され、液室形成部位の中央部に開口した領域をおい
て相対向するように配置されていることを特徴とする請
求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36590199A JP2001179992A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 液体噴射記録ヘッドの製造方法 |
US09/742,433 US6958125B2 (en) | 1999-12-24 | 2000-12-22 | Method for manufacturing liquid jet recording head |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36590199A JP2001179992A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 液体噴射記録ヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001179992A true JP2001179992A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18485406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36590199A Pending JP2001179992A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 液体噴射記録ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001179992A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007098812A (ja) * | 2005-10-05 | 2007-04-19 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッドの製造方法 |
JP2007320201A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Seiko Epson Corp | マイクロデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
JP2008168552A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Seiko Epson Corp | マイクロデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
US8500243B2 (en) | 2010-08-11 | 2013-08-06 | Toshiba Tec Kabushiki Kaisha | Inkjet head and method of manufacturing inkjet head |
JP2016528070A (ja) * | 2013-07-30 | 2016-09-15 | メムジェット テクノロジー リミテッド | 高度な対称性を有するインクジェットノズル装置 |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36590199A patent/JP2001179992A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007098812A (ja) * | 2005-10-05 | 2007-04-19 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッドの製造方法 |
JP2007320201A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Seiko Epson Corp | マイクロデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
JP2008168552A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Seiko Epson Corp | マイクロデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
US8500243B2 (en) | 2010-08-11 | 2013-08-06 | Toshiba Tec Kabushiki Kaisha | Inkjet head and method of manufacturing inkjet head |
JP2016528070A (ja) * | 2013-07-30 | 2016-09-15 | メムジェット テクノロジー リミテッド | 高度な対称性を有するインクジェットノズル装置 |
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