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JP2001174691A - カメラの測距装置 - Google Patents

カメラの測距装置

Info

Publication number
JP2001174691A
JP2001174691A JP35954599A JP35954599A JP2001174691A JP 2001174691 A JP2001174691 A JP 2001174691A JP 35954599 A JP35954599 A JP 35954599A JP 35954599 A JP35954599 A JP 35954599A JP 2001174691 A JP2001174691 A JP 2001174691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
points
distance
luminance
screen
area
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP35954599A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Nonaka
修 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP35954599A priority Critical patent/JP2001174691A/ja
Publication of JP2001174691A publication Critical patent/JP2001174691A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】通常のワンチップマイコン等、単純な演算制御
回路を用いて廉価に構成しながら、高速に効率よく測距
ポイントを求めることができるカメラの測距装置を提供
する。 【解決手段】画面内をM個の点に分割する第1分割手段
と、このM個の各点の輝度分布を測定する輝度測定手段
と、この輝度測定手段の輝度測定結果に基づいて、M個
の点のうち、N個の点を選択する選択手段と、主要被写
体位置を決定するにあたって、選択手段により選択され
たN個の点の各々をさらに分割する第2分割手段として
の機能を備えたCPU1を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラの測距装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AFカメラにおいて、画面内の複数のポ
イント(点)を測距してピント合せをする機能はマルチ
AF機能として従来より採用されている。マルチAF機
能を備えたカメラでは、測距ポイントの増加に伴なって
測距に要する時間が長くなるため、例えば、特開平10
−142490号公報ではシーンを分割することを開示
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平10−
142490号公報に記載されている方法では距離分布
を求めること自体に少なからぬ時間を要してしまう。例
えば1つのポイントについての測距を行うにあたって、
画素信号より被写体像信号を検出するいわゆるパッシブ
タイプのAFの場合、まず適切な画素データの積分制
御、相関演算、補間演算等、複雑な演算が必要となる。
しかもこれらの演算は同時にはできず、順番に行なわな
ければならない。従って、多くのポイントを測距しよう
とすると、上記の処理を何度も繰り返さなければならな
かった。
【0004】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、通常のワンチ
ップマイコン等、単純な演算制御回路を用いて廉価に構
成しながら、高速に効率よく測距ポイントを求めること
ができるカメラの測距装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明に係るカメラの測距装置は、画面内を
M個の点に分割する第1分割手段と、このM個の各点の
輝度分布を測定する輝度測定手段と、この輝度測定手段
の輝度測定結果に基づいて、上記M個の点のうち、N個
の点を選択する選択手段と、主要被写体位置を決定する
にあたって、前記選択手段により選択されたN個の点の
各々をさらに分割する第2分割手段とを具備する。
【0006】また、第2の発明に係るカメラの測距装置
は、第1の発明において、上記輝度測定手段は、カメラ
から補助光を投射した際の輝度分布を測定する。
【0007】また、第3の発明に係るカメラの測距装置
は、第1の発明において、上記N個の点の各々は、それ
ぞれ複数の測距ポイントを有し、この複数の測距結果に
基づいて上記主要被写体の位置を決定する。
【0008】また、第4の発明に係るカメラの測距装置
は、画面内の主要被写体の位置を決定するカメラにおい
て、上記画面内の輝度分布を判断するセンサアレイと、
このセンサアレイの出力に基づいて画面内をM個の点に
分割し、これらM個のうち限られたN個の点について測
距動作を行い、この測距動作により得られた複数の距離
情報に基づいて主要被写体の位置を決定する決定手段と
を具備する。
【0009】また、第5の発明に係るカメラの測距装置
は、第4の発明において、上記分割されたM個の点のう
ち、測距動作を行う点の数を切換える切換え手段をさら
に備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。 本実施形態による測距方法
をより明らかにするために、まず従来技術による測距方
法について説明する。
【0011】図28は測距装置の基本構成を示してい
る。図28において、1はCPU、2a、2bはセンサ
アレイ、3a、3bは受光レンズ、5は被写体、34は
A/D変換部、35は演算部、33a、33bは像パタ
ーンである。
【0012】以下に、図29(a)、(b)、(c)を
用いて従来の測距方法について説明する。
【0013】図29(b)に示すような画面内のA、
B、Cの3ポイントを測距する場合には、まず、Aのポ
イントについて、積分制御、相関演算、補間演算を行な
って被写体距離を求める(図29(a)のステップS1
00、S101、S102)。次に、同じ処理をB点に
ついて行なう(図29(a)のステップS103、S1
04、S105)。次に、Cの点についても同じ手順で
被写体距離を求める(図29(a)のステップS10
6、S107、S108)。最後にA、B、C点から主
要被写体距離を選択する(ステップS109)。
【0014】ここで積分制御とは、センサアレイ2a、
2bを用いて被写体5の像信号を検出するにあたって、
センサアレイ2a、2bを構成する画素の出力電流をコ
ンデンサに蓄えて電圧信号に変換するときに処理回路の
ダイナミックレンジ内に電圧信号を収める技術である。
【0015】次に相関演算について説明する。図30は
測距の演算原理を説明するための図であり、図30
(a)は焦点とずらし量との関係を示す図、図30
(b)は右側センサRのセンサ部分ごとの信号出力を示
す図、図30(c)は左側センサLのセンサ部分ごとの
信号出力を示す図、図30(d)は左右のセンサ出力と
隣接するセンサ部分の出力の関係を示す図である。
【0016】相関演算とは、各画素について、図30
(b)、図30(c)のような像信号が得られた時、セ
ンサアレイ2a側、2b側の像位置の相対ズレ量Xを画
素のピッチ単位で求める技術である。これは、2つのセ
ンサアレイ2a、2bの画素データごとに差をとって、
これらを加算した結果を求め、次に、センサアレイ2b
の画素データを1画素のみずらして、再び同じ手順で各
画素データの差の加算を行う。上記した処理を繰り返
し、2つの像信号が一致した時に相関度が高いとして、
ズレ量Xの概略値を求めるようにしている。何画素分か
ずらした時に両データは一致して、加算値はMIN値と
なり相関度は最も良くなるが、加算値が0にならない場
合には、画素のピッチ以下のズレ量があると考えられ、
補間演算がさらに行われる。
【0017】上記したような複雑な演算制御を図29
(a)のフローに従って反復するにあたって、例えば図
29(c)のように30ポイントもの測距を行なう場合
には、図29(b)の場合と比較してほぼ10倍もの時
間を要してしまい、撮影者はシャッターチャンスを逃し
てしまう可能性がでてくる。
【0018】次に、パッシブタイプの測距装置における
光パターンの相対位置差算出の方法について、まず図2
9を参照して説明する。
【0019】図29において、受光レンズ3a、3bの
位置の差(基線長B)により、センサアレイ2a、2b
上に入射する光分布の相対位置差xは、被写体5の距離
Lに依存して変化する。各受光レンズ3a、3bの焦点
距離をfとすると、被写体距離Lは次式で求められる。
【0020】L = B×f/x …(式a) センサアレイ2a、2bの各センサは光の入射量にした
がった電流信号を出力する。これらをA/D変換部34
によりディジタル信号に変換して演算部34に入力す
る。演算部34は、相関演算によって上記相対位置差x
を検出して像ずれ量を算出する。この結果をワンチップ
マイコン等からなる演算制御手段(CPU)1に入力し
て、上記(式a)に基づき演算することで被写体距離L
が求められる。以上がパッシブタイプの三角測距方式の
基本原理と一般的な装置構成である。
【0021】上記のずれ量演算機能は、一般的に後述の
ように二つの手順から成るが、これらはCUP1内に制
御プログラムとして内蔵していてもよい。このような技
術を用いてカメラのピント合わせを行う場合、このCP
U1がカメラの動作を制御し、撮影用あるいはピント合
わせ用レンズ等をモータなどのアクチュエータを介して
適宜制御すれば自動焦点(AF)機能付きカメラが提供
できる。
【0022】ところで、像のずれ量の演算のためには、
2つのラインセンサ2a、2bにおけるセンサピッチの
単位でどれだけ像がずれているかを調べる演算ステップ
(即ち相関演算)を必要とする。そして、これより細か
い分解能でさらに正確にずれ量を算出する演算ステップ
(以下、補間演算と称す)を必要とする。
【0023】例えば、センサアレイ2a上に波形33a
のようなパターンで光が入射した場合は、各センサの出
力R1〜R6の大きさは、図30(b)に棒グラフで示
したような分布33aとなる。なおここで‘R’は右側
センサを示し、‘L’は左側センサを示し、これらに付
された添え字の1〜6が例えば受光レンズ光軸基準での
センサの位置の絶対位置を示しているとすると、左側セ
ンサの出力L1〜L6から出力R1〜R6と同じ信号が
出力される場合には、上記相対位置差xは0となるの
で、求める被写体距離Lは「無限遠」になる。
【0024】また、被写体が「有限距離」に存在する
と、上記xとセンサピッチSPから決るセンサの数Sだ
けシフトしたところの左側センサLには、図30(c)
に示すような上記出力R1〜R6に類似する値の出力信
号が得られる。
【0025】図30(a)のグラフにおける縦軸の値F
F(i)は次式に従って求められる。
【0026】 FF(i) = Σ|R(i)−L(i)| …(式b) すなわち、あるRのセンサの出力から対応するLのセン
サの出力を引き算し、その絶対値を各センサごとに加算
した結果をFFとして用いればよい。すなわち、まずR
(i)からL(i)を引き算してその絶対値をとり、あ
る幅でiを変化させこれらを加算する。
【0027】次に、RiまたはLiの一方のセンサを1
単位だけずらして先に差をとった隣接するセンサと同様
に差をとると、FF(i+1)は次のような式で表現で
きる。
【0028】 FF(i+1)=Σ|R(i+1)−L(i)| …(式c) このようにFFの値は、順次、ずらし量(以下、SIF
T量と称す)を変更しながら得られるが、RとLとの差
の和であるFFが最小値(Fmin)となるSIFT量
が最もよく対応がとれている位置と考えられるため、こ
の場合のSIFT量が上記Sとして求められる。以上が
相関演算に関する処理手順の概略である。
【0029】また、上記Sを加味して両センサアレイの
出力分布を図示すると、図30(b)のように、L側の
Sだけずれた各センサから対応する添え字の付いたR側
各センサと同様の出力が得られる。
【0030】続いて、補間演算の詳細について図30
(b)〜(d)を参照して説明する。実際の二つのセン
サアレイ上の像のズレ量はセンサのピッチに完全に対応
してずれるわけではなく、正確にはピッチより細かい精
度にて像ズレ量を検出しなければならない。そこで補間
演算を行う必要が発生する。図30(b)、(c)中の
RとLは各々図28中のセンサアレイ2a、2bを構成
する一部のセンサ出力を表わしている。また、図30
(d)には、すでに「相関演算」が終了し、上記Sだけ
シフトさせた後で比較しやすい状態にしたグラフを示し
てある。すなわち、L0〜L4は正確にはLs〜Ls+
4と記述するべきであるが、記載上繁雑になるのを避け
てこのSは省略して記してある。
【0031】ここで、Lのセンサには上記Sだけシフト
した後もR基準でまだxだけずれた光が入射していると
する。このとき例えば、L1のセンサにはR0とR1に
入射する光が混じり合って入射し、同様に、各Lのセン
サにもR基準でxだけずれた光が順次入射するので、各
Lの出力(L1〜L3)は、図24の[式1]に示した
ように表現されることがわかる。
【0032】上記Fminと、Fminから上記シフト
量をプラス方向とマイナス方向にずらしたFFの値F−
1とF+1は、この各Rn、Lnの出力を用いて表現す
ると、図25の[式2]のように表される。さらに、
[式1]を用いて[式2]を展開すると、値Fmin、
F−1、F+1のそれぞれは図26の[式3]のように
表される。
【0033】また、この[式3]中の{|R0−R1|
+|R1−R2|+|R2−R3|}を(ΣΔR)とし
て表現すると、この(ΣΔR)に依存せず、先のズレ量
xが図27の[式4]に示す演算によって求められる。
これが「補間演算」である。
【0034】なお、これらの演算は、図28中の演算部
35にて行われるが、ワンチップマイコン等の演算制御
手段(CPU)1において所定のプログラムに従って行
ってもよい。
【0035】このように得られた値Sとxに基づいて、
CPU1がピント合わせレンズの繰り出し量を算出し、
制御すればオートフォーカス(AF)カメラが提供でき
る。
【0036】しかしながら、多くの測距ポイントを測距
するにあたって、どの測距ポイントに関して以上の演算
を行って測距を行なうかは、非常に大きな問題となる。
【0037】以下に上記した従来の問題点を克服する本
発明の一実施形態について説明する。図1(a)は、本
実施形態を適用した測距装置の構成を示している。図1
(a)において、2a、2bは受光素子、3a、3bは
受光レンズ、4はピント合わせ部、5は被写体、7は積
分部、8は選択部である。また、制御部(CPU)1は
A/D変換器1a、積分制御部1b、相関演算部1cの
機能を備えている。
【0038】例えば、図1(b)のような構図では、画
面内の☆印のポイントに対して、正しい測距及びピント
合せを行なう必要があるが、この場合カメラは、☆印の
位置の像を適切にとらえて相関演算、補間演算を行なわ
なければならない。しかし、ユーザーがもし構図を変更
して、図1(c)のような構図にカメラを構えた場合に
は、画面内☆印の位置は画面の上部、ここでは太陽の周
辺部になってしまうので、太陽の明るさにカメラが反応
してしまい、撮影したい人物の像が正しく得られない確
率が高くなる。
【0039】このように、主要被写体位置の判定を正し
く行なわないと、いくら画面内の多くのポイントを測距
可能としても、正しいピントの写真を撮影することは困
難である。
【0040】図2は、図1の積分部の詳細な構成を主と
して示す図である。センサアレイ2a、2bを構成する
センサS1〜S4は電源としてのバイアス回路20によ
り駆動されてそれぞれが受光量に応じた信号電流を出力
する。この信号電流は、積分開始/終了スイッチ7aが
ON状態のときには積分アンプA1〜A4に導かれる。
また、リセットスイッチ7bがOFF状態のときには、
積分量に応じた電圧信号が各積分アンプA1〜A4の出
力に出力される。この結果をCPU1に内蔵されたA/
D変換器1aによって読み取り、相関演算部1cにて相
関演算を行うことによりピント合わせ部4でピント合せ
を行うことができる。
【0041】しかし、各センサS1〜S4に入る光の量
は、シーンの明るさや被写体の色や反射率によって種々
の値にバラつくので、限られたダイナミックレンジの積
分アンプA1〜A4で積分量を適正な値に収めるために
は、正確な積分制御技術が必要になる。例えば、積分時
間が短かすぎる時、積分結果が平坦になってしまって差
が得られないが、長すぎても回路の飽和によって、積分
結果が均一になってしまう。
【0042】先の相関演算の説明からも明らかなよう
に、像に変化がとぼしいと、2つのセンサアレイで得ら
れた2つの像の相関がとりにくく、結果として正しい測
距ができなくなってしまう。
【0043】そこで、積分結果をリアルタイムでモニタ
して適正なレベルになった所で積分を終了させる技術が
用いられる。すなわち、複数のスイッチ7cのうちどの
スイッチをONさせるかによって、モニタすべきセンサ
の出力が決定される。図3はこのスイッチ7cをONさ
せて積分制御を行なうときのタイミングチャートであ
る。各センサS1〜S4に光が入射されているときに
は、最初にリセットスイッチ7bをONさせて積分アン
プA1〜A4の出力を基準レベルにリセットした後、積
分開始/終了スイッチ7aをON、リセットスイッチ7
bをOFFすると、T1のタイミングで積分が開始され
る。
【0044】最大積分値検出回路6は、複数のスイッチ
7cを逐次切り替えて入力される積分アンプA1〜A4
の積分値のうち、最大のものを検出する回路である。従
って、A/D選択スイッチ8がこの最大積分値検出回路
6に接続されているときに最も積分量の大きい出力が選
択されてCPU1のA/D変換器1aに入力されること
になる。従ってCPU1はこの最大積分出力を、図3
(a)に示すようにA/D変換器1aを動作させながら
逐次モニタして、この最大積分値が回路のダイナミック
レンジを越えない時点T2で積分開始/終了スイッチ7
aをOFFすれば、各センサの積分出力が、ダイナミッ
クレンジを越えることはない。積分停止後、各センサS
1〜S4の積分出力を取り入れてA/D変換するため
に、A/D選択スイッチ8を切換えて制御すれば、CP
U1は各センサ出力を順次モニタすることができる。
【0045】このようにして得られた像信号は図3
(b)のようなもので、光の入射状態に従って、暗い所
は低い出力、明るい所は高い出力を示す。このような技
術によって、カメラの測距装置は適正な像信号を得るこ
とができる。
【0046】また、CPU1により複数のスイッチ7c
を選択的に動作させて特定の積分アンプの出力のみが最
大積分値検出回路6に接続されるようにしたので、各セ
ンサS1〜S4のうち、図1(c)の例のように、セン
サS1に太陽の光が入射したとしても、このセンサS1
が最大積分値検出回路6に接続されていなければ太陽の
強い光によって積分制御がなされてしまうことはない。
逆に、積分モニタ時に太陽の直射光が入射すると、被写
体の像信号が得られる前に積分制御が終了してしまい正
確な測距ができなくなってしまう場合が多い。このよう
なことは、上記最大積分値検出回路6の代わりに、最大
値と最小値の差をとる回路や平均値を検出する回路であ
っても同様の事が起こりうる。
【0047】また、図1(a)の構成で、受光レンズ3
aからの点線で示した光線を利用すると、被写体5に関
して画面中心にあるポイントC以外のポイント、つまり
基線長方向にズレたポイントL、Rの測距も可能であ
る。
【0048】また、図4(a)のように、受光レンズ3
a、3bの後方に配置されたセンサアレイ2a、2bを
基線長方向と垂直の方向に上下各々1本ずつ追加するこ
とにより、基線長方向とは垂直な方向Uの部分とDの部
分を測距可能となる。すなわち、図4(b)に示すよう
な模式的なセンサアレイのモニタ域(測距可能域)につ
いて画面内の多くのポイントを測距できるようになる。
【0049】さらにこの考え方を拡張すれば、図5に示
すように、1本あるいは3本のラインセンサではなく、
センサが連続して並べられたいわゆるエリアセンサ2
a、2bを用いることによって画面内をくまなくモニタ
でき、例えば図29(c)に示すように、測距可能ポイ
ント数を30ポイントにしたり、それ以上に増加させる
ことが可能になる。
【0050】このような工夫によって測距ポイント数を
増加させれば、画面のどこに主要被写体が存在しても正
確な測距ができ、例えば、従来の画面中央しか測距でき
なかった、図13(a)のような構図で画面の端の方に
人物がいる場合も、正確なピント合せができるようにな
る。しかしながら、すでに説明したように測距域が広く
なる程、測距の時によけいなものを無駄に測距する事が
多くなり、このことに付随して誤測距に到る確率も増加
する。
【0051】そこで例えば、図1(b)、(c)のよう
なシーンでは、まず最初から被写体5の位置を測定して
そこにピント合せをしてしまえば、他のポイントを誤測
距してしまうことによるピンボケや、タイムラグによる
問題を起こすことはない。このため本実施形態では図6
を用いて後述するように、まず全画面の積分制御結果よ
り得られる画面内各点(ここではCPU1の分割手段と
しての機能によりM個の点に分割される)の輝度分布を
測定する。次にこのときの輝度分布に基づいてM個の点
のうちN個の点を優先度の高いエリアとして選択する。
次にこのN個の各点をさらに分割して測距を行うことに
より距離分布を得、得られた距離分布に基づいて主要被
写体の位置を判定する。そして、この主要被写体位置に
ついてのみ補間演算を行うようにする。このような測距
方法によれば、測距動作は優先度の低いポイントが測距
されることがないうちに終了するので、高速な測距が可
能となる。ここで、画面のまん中より上では空や太陽な
ど、主要被写体より高輝度のものがある場合が多いの
で、本実施形態では、こうした情報をもとに主要被写体
判定の一助とする。
【0052】図7、図8は優先度決定の手順の詳細を説
明するためのフローチャートである。ここで撮影者が構
図を横にしたり縦にしたりする事を考えて、まずステッ
プS1では、画面の上部がどの位置にあるのかを検出す
る。
【0053】図9は、カメラの縦横検知、または、上向
き検知について説明するための図である。図9に示すよ
うに、カメラ内に水銀のような流体の導電物質52を収
めたケース51を内蔵させ、このケース51内に差し込
まれた複数の電極(イ−ニ)53のうち、どの電極どう
しが流体導電体でショートされるかをCPUが判定する
ことによってカメラの縦横検知が可能になる。つまり、
(a)に示すようにロとハがショートすれば横と判定で
き、(b)に示すようにロとイならば縦と判定でき、
(c)に示すようにロとニならば上向きと判定できる。
【0054】上記した方法により画面の上部がどの位置
かを調べた後、ステップS2に進む。ステップS2で
は、このときの判定結果に基づいて図10(a)のよう
に画面を9分割(1〜9)した時に、のブロック
が上にあるのか、のブロックが上にあるのか、
のブロックが上にあるのかによって判定方法を切り
替える。いずれの場合も考え方は同じで、画面上方は空
であり、主要被写体は下の方に存在するという考え方、
さらに、画面内中央は主要被写体の存在確率が高いであ
ろうという考え方でシーケンスを構成しているので、こ
こでは、カメラを普通に構えた横長構図の例(が
上部)を想定してフローの説明を行なう。このような構
図では、の領域は空である確率が高いので、ステ
ップS3ではの部分の平均輝度を求め、これを空
である部分の判定基準とする。つまり、図10(b)の
ような構図では、に加えての部分も空である
と判断する時に、この明るさ情報が用いられる。
【0055】ただし、一番上のブロックが空であって、
全く測距の必要がないかどうかはこれだけでは判断でき
ないのでステップS4では、所定の輝度BVSと、一番
上のブロックの平均輝度BVUとを比較し、所定の明る
さ以上なら空である確率が高いので、優先度係数Pを1
×1とする(ステップS5)。1×1のうち、最初の数
字1は、図10(a)の〜の各部に付けられた重み
づけの値である。画面の4つの角部と、上部の
まん中のは、主要被写体の存在頻度が低いので1とし
ている。それらの部分を除くエリアは重みづけを
2とし、中央のは存在確率がきわめて高いので、重み
づけを3としている。
【0056】また、1×1の後の数字1は空である時、
測距の必要が低いとして1、それ以外の場合には2ある
いは6と、輝度やその変化によって重みづけを増すよう
にしている。つまり空であり、存在確率が低い領域であ
る場合は、優先度係数は1×1=1となる。従って、図
10(c)のシーンのように空の一部に山があるような
場合は、ステップS4をNに分岐してステップS6に進
み、優先度係数を1×2とする。1×2の前半の数字1
は位置依存なので変化しない。
【0057】このようにのブロックの優先度係数
を決めたあとで、次のブロック(ここでは、)の
判定を行なうが、ステップS7ではこのの輝度変
化を調べる。図10(b)のようなシーンでは変化があ
り、図10(c)のようなシーンでは変化がない。変化
があった場合にはステップS8をYに分岐してステップ
S9に進み、の各ブロックの輝度と、あらかじめ
求めた画面上部の平均輝度BVUとを比較し、同じよう
な輝度ならば空であると考えて2の重みづけを、異なる
ならば6の重みづけをしていく。以上がステップS9か
らステップS17までの処理である。
【0058】図10(b)のようなシーンではステップ
S9をNに分岐してステップS10に進み、優先度を2
×6=12とする。また、図10(c)のシーンでは
とも同じような輝度分布なのでステップS8をNに
分岐してステップS20に移行する。ここでは、大きな
輝度変化はないので、共に同じような重みづけ2
でよい。それに位置の重みづけを考慮すると、につい
てはステップS20で3×2=6、についてはステ
ップS21で2×2=4の重みづけとなる。
【0059】そして、これまでの輝度判定により、残っ
たそれよりも低い位置のブロックに被写体が存在
する確率が高いとして各々6の重みづけを行なう。さら
に位置の重みづけが乗ぜられるのでについては1×
6=6、については2×6=12の重みづけとなる
(ステップS22、ステップS23)。したがって、
の重みづけが12、とが6となり、これらが優先
度の高い測距ポイントとなる。
【0060】ステップS17の後は以下の処理を行う。
図10(b)のようなシーンではについての重み
付けは、各々12、6、4となり、最下段のにつ
いては、ステップS18、ステップS19で位置の重み
づけに対しこれまでの輝度判定の残りの予測から3の重
みづけを乗じる。これによってについては1×3=
3、については2×3=6の重みづけとなる。従っ
て、優先度の高いのはの順となる。
【0061】そして、ステップS24では、このように
〜の優先度係数P1〜P9の重みづけ結果に基づい
て、図10(b)のシーンでは…、図10
(c)のシーンでは、…の順で優先順位付けが行
なわれる。
【0062】以上説明したように、被写体の存在する確
率を考慮した、画面内の位置及び輝度の分布の解析によ
って、測距すべきポイント(図10(a)の〜の9
分割は、もっと分割を細かくしてもよい)の絞りこみが
可能となる。
【0063】なお、ステップS2をステップS3に分岐
しない場合(ステップS25またはS26に分岐した場
合)についても、各々考え方は同じなのでここでの説明
は省略する。このような考え方によって測距ポイントを
増加させても、実際測距を行なうポイントの絞込み(図
6の実施形態では4ポイント)を行うことが可能とな
る。
【0064】一方、図12(a)のようなシーンでは、
図7のステップS2をステップS3に分岐、図8のステ
ップS8をNに分岐してステップS20に進む。この場
合は、図11(a)のような、で示す斜線の領
域が測距候補域となる。従って、この選ばれた領域のみ
を重点的に測距する。の各エリアに対し、各々
より細かい微少部分に分けて測距を行なう。ここでは、
図11(a)のように各エリアについて3ヶ所の測距を
行なう。
【0065】もしも、本実施形態のような絞りこみを行
わなければ、9エリア×3ポイント=27ポイントの測
距が必要であるが、この実施形態では、4×3=12ポ
イントに絞りこまれて、高速化が図られていることがわ
かる。ここで相関演算のみの測距を上記に12ポイント
について行なうと、図11(b)の3次元グラフで示さ
れるような距離分布が得られる。このような距離分布に
より図11(c)に示すような被写体の顔の部分と体の
部分が明瞭になるので、CPUはこの顔の中心を主要被
写体としてピント合せをすればよい。こうしたより正確
な主要被写体の判定は、単に明るさの分布のみからでは
割り出すことができないが、本実施形態では、図6のよ
うな測距手順により実現している。
【0066】図6のステップS201は、画面全域が適
当なコントラストを持つような積分制御を行なうステッ
プであり、次のステップS202では上記した図7、図
8のような手順を用いてM個の各エリアの輝度分布によ
り優先度の決定を行なう。ステップS203、S20
4、S205及びステップS210で測距候補エリアを
4つ選択し、各エリアにつき3ポイントごとの測距(相
関演算)を行なう。これによって図11(b)のような
距離分布が得られる(ステップS206)。次のステッ
プS207で顔と体の部分との関係に基づいて主要被写
体位置の判別を行ない(ステップS207)、ここでは
図10(a)のエリアの中心を主要被写体位置とす
る。次のステップS208でこの主要被写体位置データ
についての補間演算を行ない、ステップS209にてピ
ント合せを行なう。
【0067】このように本実施形態では、明るさの情報
に加え、より細かい距離分布の情報を用いたので、主要
被写体の位置を高速かつ正確に判定してピント合せを行
うことが可能となる。なお、CPUが高速でタイムラグ
に余裕があれば、ステップS204で補間演算までを行
ってもよい。これはステップS202にてすでに測距ポ
イントが絞りこまれているからである。
【0068】また、上記した図7、図8のフローに示す
ような縦横の構図判定の方法を用いるのではなく、図1
2、図13のようにエリアセンサの出力から、最適な測
距領域を選ぶようにしてもよい。
【0069】例えば図12(a)のような横構図では、
上半分が空であるので、下半分のどこかに主要被写体が
存在する確率が高い。これを自動的に判定するには、図
12(b)のようにエリアセンサをx,yの座標で考
え、x方向に沿って同じy値をとる画素の出力値を加算
してグラフ表示した場合の加算輝度分布と、図12
(c)のように、y方向に沿って同じx値をとる画素の
出力値を加算してグラフ表示した場合の加算輝度分布を
比べればよい。図12(b)では、空と大地が分離され
るため、ΔBVで示した大きな輝度変化がみられるが、
図12(c)では、空と大地が溶け合って単調な輝度変
化となる。この大きな輝度変化があった部分を、yBと
して検出する。
【0070】一方、図13(a)のような縦構図では、
逆に、y方向に加算した加算輝度分布に大きなΔBVの
変化が見られ、x方向に同じyの値をとるセンサエリア
の出力値を加算した加算輝度分布には単調な変化しか見
られない(図13(b)、(c))。ここでも図12と
同様に大きな輝度変化があった部分をxBとする。
【0071】このような特性を用いて、以下の図14、
図15に示すようなフローで優先すべき測距ポイントを
選択すれば、図16(a)、図16(b)のように空部
を除いた部分に優先すべき測距エリアを設定することが
できる。また、xB、yBが検出不能であった場合は、
主要被写体が存在する確率の高い、図16(c)のよう
な画面中央部を優先エリアとすればよい。
【0072】図14、図15のフローは、図10(a)
に示したような9分割のエリアから測距優先エリア(ピ
ント合せ優先エリア)を決定するフローであって、上記
した図7、図8のフローと同様に、さらに分割数の多い
応用も可能であるが、ここではあえて単純化して説明を
簡単にしている。
【0073】図14のステップS30は全画面の像信号
を得るための積分制御ステップであり、ステップS3
1、ステップS32、ステップS33は図16(a)の
ような画面横構図等の横切り輝度分布を求めるステップ
で、図12の例で言えばx方向に加算したデータを求め
る。縦方向には3分割なので、上、中、下の段の各々の
加算結果を、BV1、BV2、BV3とする。これらの
比較をステップS34、ステップS35で行なうが、所
定の輝度差を越えて大きく変化した所は空との境界を越
えたと考えられるので、それより上の部分の測距優先度
を下げて下の方の優先度を上げる。ただし、図7、図8
と同様の考え方で、画面位置の重みづけを考慮する。ス
テップS34をyに分岐すると、一番上の段のみ
が空なので、中の段が輝度分布による6の重みづけ、下
の段が3の重みづけとなり、それが各エリアの位置の重
み付けに乗ぜられる。また、ステップS35をyに分岐
すると上の段のみならず中の段も空なの
で、一番上の段は最も軽い重みづけとなる(ステップS
50)。また、中の段が2の重みづけ(ステップS5
2、S53)、下の段が6の重みづけ(ステップS5
3、S54)となる。
【0074】また、ステップS34、ステップS35で
ΔBV0を越える大きな輝度分布がなかった時は、ステ
ップS36で上の段と中の段の輝度差と、上の段と下の
段の輝度差とを比較して大きい方をΔBVYとして記憶
する。これは後で縦横の構図判定を改めて行なうためで
ある。
【0075】図15のステップS37からステップS3
9は、図16(b)のように縦構図であるか否かを判定
するために、今度は図13のようにy方向の輝度データ
加算を行っている部分である。ステップS40、ステッ
プS41ではステップS34、35と同様に、各加算値
間の輝度差を所定の輝度差ΔBV0と比較し、これを越
える時は空部が検出されたと判定する。
【0076】ステップS40、ステップS41をyに分
岐した場合の処理はステップS34、ステップS35と
同じである。また、ステップS36と同様に、ステップ
S42で今度は縦構図時に上の段と中の段の輝度差と、
上の段と下の段の輝度差とで大きいものをΔBVTとし
て記憶する。ステップS43では、ステップS36で求
められたΔBVYと、ステップS42で求められたBV
Tとの差を求め、これが所定の輝度ΔBV1以上ある時
は、改めて横構図の可能性が高いとして、ステップS6
0に分岐する。これは暗い風景をバックにすると、ステ
ップS34、ステップS35で、ΔBV0以上の輝度差
が現れにくくなることの対策である。しかし、輝度差が
所定レベル以上ない時にはステップS44〜ステップS
47において、図16(c)のようなエリアを
優先した順位づけを行うようにする。
【0077】図14に戻ってステップS55は、実際に
相関演算や補間演算によって、測距を行う時のポイント
を選ぶステップであり、P1〜P5のうち5以上の値を
示すものを選び、次のステップS56ではこのうち、優
先度の高いものから測距していく。この時、相関演算の
段階で主要被写体距離とは考えられないものはタイムラ
グ削減のために補間演算を行なわず、測距シーケンスを
途中で止めるようにしてもよい。ステップS57では、
得られた距離のうち最も近い距離を選択してピント合せ
距離とする。ここで最も近い距離ではなく、所定距離に
近いものを選択したり、平均値をピント合せ距離にして
もよい。
【0078】以上説明したように本実施形態では、画面
内の輝度変化の分布によって空の領域を省くようにした
ので、図9のような縦横検知手段は不要となる。このよ
うに、この実施形態では、まず測距優先エリアを絞りこ
み、そのエリアについてはさらに細かいポイントを測距
して主要被写体に関する情報を増加させたので、高速、
高精度のピント合せが可能となる。
【0079】なお、この実施形態では画面内を単純に9
つのエリアに分割したが、このエリア数を切り替えるよ
うにしてもよい。以下、これについて説明する。
【0080】図17(a)と(c)では画面内に占める
主要被写体の大きさが違うので、おのずから重点的に測
距したいエリアの面積やポイント数が変化する。そこで
ここでは図18のステップS301〜S319で示すよ
うに、測距したいエリアや測距ポイント数を画面内の輝
度情報に応じて切り替えるようにする。ここでも図1
2、図13で説明したような輝度情報の所定軸方向への
加算データを用いるが、その変極点の位置xH,yHか
ら画面の分割ポイント、分割数を決定する。また、分割
のしかたによってエリアの面積や形が変化するので、そ
れに合わせて測距ポイント数も増減させるようにした。
【0081】図18のフローでは、まずx方向に輝度デ
ータを加算し、そのy方向の変化をモニタしてy方向分
割数と測距ポイント数を決定する。次にy方向に輝度デ
ータを加算し、そのx方向の変化をモニタして、x方向
の分割数と測距ポイント数を決定する。このような手順
によって、図17(a)のシーンは、図17(b)のよ
うなエリア分割及び測距点配置がなされ、図17(c)
のようなシーンは図17(d)のようなエリア分割及び
測距点配置で測距がなされる。
【0082】こうして得られた各エリアから優先度の高
いエリアを図14、図15のような方法により選択して
測距データを得、その結果より主要被写体位置及び距離
を求めれば、無駄な測距をなくし、高速、高精度のピン
ト合せが可能となる。図17(b)のシーンならば9ポ
イント、図17(d)のシーンならば10ポイントの測
距を行うだけでその数倍の数の測距を行ったのと同じ効
果が得られる。
【0083】次に図19を用いて、スーパーコンビネー
ションAFと呼ばれるオートフォーカス技術について説
明する。
【0084】図19(a)は、被写体520をこの方式
のAFで測距するための主な構成を示すブロック図であ
る。
【0085】2つの受光レンズから入射した被写体52
0からの光は、2つのエリアセンサ502a、502b
に入射する。このエリアセンサ502a、502bは、
被写体像を受像して光電変換するもので、その出力はA
/D変換部502cでA/D変換されて、各画素のディ
ジタル値がカメラ制御用マイコン(CPU)501に入
力される。
【0086】また、このエリアセンサ502a、502
bには定常光除去回路502dが接続されており、この
定常光除去回路502dが作動しているときには被写体
520から定常的に入射する直流的な光の信号が除去さ
れ、光源505aからのパルス光のみが出力信号として
得られるようになっている。従って、定常光除去回路5
02dを作動させた状態で、CPU501が発光手段5
05を制御してストロボ等505aを駆動すると、被写
体520からの反射信号光がエリアセンサ502aの上
に図19(b)のような像を結ぶ。黒の部分は光が入射
した部分を示している。
【0087】CPU501内にはこうしたエリアセンサ
上の像パターンを判別するソフトウェア501aが組み
こまれていて、人間の形であることが判定されればこれ
を主要被写体であるとみなすことができる。
【0088】図20はスーパーコンビネーションAFの
測距手順の詳細を示すフローチャートである。まず、ス
テップS101〜102では測距に先立って、光源50
5aにより被写体520に光線を照射してその反射信号
光のパターンのみを図19(b)のように抽出して、当
該パターンが人物の形状等から主要被写体であるかどう
かを判定する。主要被写体であると判定されたときには
抽出されたパターンを優先エリアとしてステップS10
3をYに分岐してステップS104に進む。ステップS
104では上記パターンを形成する光信号が弱いかどう
か、あるいは十分なコントラストがあるか否かを判別し
て、測距方式としていわゆるアクティブ方式(信号光を
カメラ側から投射して、その反射信号光を用いて測距す
るタイプ)とパッシブタイプ(被写体の像信号をもとに
測距するタイプ)のいずれの方式を用いるかの選択を行
なう。つまり、像信号のコントラストが弱い時にはステ
ップS110に分岐し、補助光照射により再度測距用光
を照射して、その反射信号光に基づいて先に求められた
優先エリアに対してアクティブAFを各エリアにつき3
ポイントづつ重点的に行なう(ステップS121)。
【0089】また、ステップS104で反射信号光が弱
いと判断された時は、パッシブAFの方が適していると
してステップS105に分岐する。ここでもすでに求め
られた優先エリアの像信号を重点的に用いたパッシブ方
式による測距を各エリアにつき3点づつ行なう。また、
ステップS103で主要被写体を見つけられなかった時
にはステップS120に分岐して被写体の存在確率の高
い画面の中央部を重点的にアクティブ測距する。
【0090】これらの測距方式、又は主要被写体の判別
の可否に従って、CPU501が音声信号発生部507
で発生される音声信号を選択して出力制御すれば、ユー
ザーにわかりやすく、このスーパーコンビネーションA
Fの特徴をアピールしながら、安心感のある測距を実現
できる。なお、「スーパーコンビネーションAF」の名
称は、アクティブ方式とパッシブ方式を単にハイブリッ
ド的に組み合わせたのではなく2つの方式を用いて主要
被写体の検知を行うことから命名されたものである。
【0091】図21は、図20のステップS102にお
ける優先度判定の処理の詳細を説明するためのフローチ
ャートである。ステップS80、ステップS81は、画
面構図の縦横を検出するために反射信号光量を比較する
ステップである。ここでは図22(a)、図22(b)
のような違いを考慮しており、図22(a)の場合は図
22(b)の場合と比べてのブロックからの反射光が
小さい分、ステップS82をyに分岐しやすくなる。こ
の時、画面上部エリアには主要被写体が存在しに
くいと考えて、位置の重みづけを1とする(ステップS
83)。また、のエリアには主要被写体が存在しや
すいと考えられるので重みづけを4とする(ステップS
84)。また、その他のエリアは存在確率が中
間に値するとして位置重みづけを2(ステップS85)
とする。
【0092】一方、図22(b)のような構図では、
のエリアが上にあると考えてステップS82をステ
ップS95に分岐して位置の重みづけを1とする。ま
た、画面中心の重みづけは8(ステップS96)、その
他は2(ステップS97)とする。
【0093】縦横図はポートレートである事が多いので
中央の重みづけを大きくしている。ステップS86で
は、所定光量以上の反射光量のエリアは除去するが、こ
れは図23(a)のような構図で、手前のビン601や
テーブル602などを優先的に測距して、人物603に
ピント合せできなくなる事を防止するためである。次に
ステップS87〜S90で、光量の大きい順から光量に
よる重みづけを行ない、こうして得られた位置と光量の
重みづけをステップS91で乗算して、各エリア〜
の優先度係数P1〜P9を求める。ステップS92では
こうして得られた優先度の高いエリア3つを選択して測
距候補エリアとする。図23(a)の例では、図23
(b)のように太い線で囲んだ部分になる。このように
して得られた3エリアを重点的に3点測距し、その他の
点を測距しないようにすれば、タイムラグを短くして、
しかも高精度のピント合せができる。
【0094】前述したように、パッシブ測距における相
関演算や補間演算には複雑な演算によってタイムラグを
生じやすく、多大なプログラム容量やメモリの容量も必
要とするが、本実施形態のように測距ポイントを少ない
エリアに絞りこむことにより、上記のことに対して十分
に対策することができる。
【0095】こうして得られた3つのエリアの測距効果
から、最も主要被写体が存在しやすい距離を選択してピ
ント合せを行なうが、この時、まず各エリアの3点につ
き、相関演算のみを行って、図23(c)のような大ざ
っぱな距離分布を求め、ピント合せエリアが決った後、
1点のみを重点的に補間演算を行うようにすれば、さら
に効果を高めることができる。図23(c)のような分
布が求まれば、順次下から距離が変化していく部分はテ
ーブルであると判別して人物にピントを合せることがで
きる。
【0096】以上上記した実施形態によれば、測距ポイ
ントを少なくして主要被写体位置を絞りこみ、高速のピ
ント合せが可能となる。単に測距ポイントを減少させる
と、測距しなかった位置に主要被写体が存在する場合に
はピントがぼけてしまう可能性が高かったが、本実施形
態では測距に先立って、画面内の明るさの分布によって
シーンの判定を行なうので、主要被写体に正しくピント
合せができる。
【0097】なお、上記した具体的実施形態から以下の
ような構成の発明が抽出される。
【0098】(付記) (1)画面内全域の輝度分布を測定する輝度分布測定手
段と、上記測定された輝度分布に応じて、測距領域を設
定する測距領域設定手段と、この測距領域内の測距点に
つき測距動作を実行する測距手段と、これら複数の測距
結果を評価して主要被写体が含まれる領域を特定する手
段とを具備し、上記特定された主要被写体迄の距離を確
定するようにしたことを特徴とするカメラの測距装置。
【0099】(2)上記輝度分布測定手段は、カメラか
ら発せられた測距用投光に基づく輝度分布を測定するこ
とを特徴とする(1)に記載の測距装置。
【0100】(3)全画面測距可能なカメラの測距装置
であって、画面内の輝度分布に応じて第1測距領域を設
定し、第1測距領域の測距結果に基づいて、主要被写体
が含まれる第2測距領域を抽出し、この第2測距領域に
対して測距動作を行い、ピント合せ位置を決定するよう
にしたことを特徴とするカメラの測距装置。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、通常のワンチップマイ
コン等、単純な演算制御回路を用いて廉価に構成しなが
ら、高速に効率よく測距ポイントを求めることが可能な
カメラの測距装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した測距装置の構成
を示す図である。
【図2】図1の積分部の詳細な構成を主として示す図で
ある。
【図3】スイッチ7cをONさせて積分制御を行なうと
きのタイミングチャートである。
【図4】基線長方向とは垂直な方向のエリアを測距する
ためにセンサアレイを追加した構成を示す図である。
【図5】エリアセンサを追加して画面内をくまなく測距
するための構成を示す図である。
【図6】本実施形態による測距手順を説明するためのフ
ローチャートである。
【図7】図6における優先度決定の手順の詳細を説明す
るためのフローチャートの前部である。
【図8】図6における優先度決定の手順の詳細を説明す
るためのフローチャートの後部である。
【図9】カメラの縦横検知、または、上向き検知につい
て説明するための図である。
【図10】分割された画面の特定のブロックがどの位置
にあるのかを判定する方法を説明するための図である。
【図11】(a)は優先度決定により選択された特定の
測距候補領域を示す図であり、(b)は距離分布を示す
図であり、(c)は被写体の一例を示す図である。
【図12】エリアセンサから最適な測距領域を選ぶ方法
の一例を説明するための図である。
【図13】エリアセンサから最適な測距領域を選ぶ方法
の他の例を説明するための図である。
【図14】優先すべき測距ポイントを選択するときの手
順を説明するためのフローチャートの前部である。
【図15】優先すべき測距ポイントを選択するときの手
順を説明するためのフローチャートの後部である。
【図16】測距優先領域から除かれる空部を有する画面
の例と、優先エリアとされる画面中央部の領域を示す図
である。
【図17】エリア数を切り替えて測距を行う場合の手順
について説明するための図である。
【図18】測距したいエリアや測距ポイント数を画面内
の輝度情報に応じて切り替えて測距を行う手順を説明す
るためのフローチャートである。
【図19】スーパーコンビネーションAFのオートフォ
ーカス技術について説明するための図である。
【図20】スーパーコンビネーションAFの測距手順の
詳細を示すフローチャートである。
【図21】図20のステップS102における優先度判
定の処理の詳細を説明するためのフローチャートであ
る。
【図22】画面構図の縦横を検出するために反射信号光
量を比較するのに用いられる2つの画面の例を示す図で
ある。
【図23】所定光量以上の反射光量のエリアを除去する
方法について説明するための図である。
【図24】「式1」の内容を示す図である。
【図25】「式2」の内容を示す図である。
【図26】「式3」の内容を示す図である。
【図27】「式4」の内容を示す図である。
【図28】従来の測距装置の基本構成を示す図である。
【図29】従来の測距手順を説明するための図である。
【図30】測距の演算原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 CPU 1a A/D変換器 1b 積分制御部 1c 相関演算部 2a、2b センサアレイ 3a、3b 受光レンズ 4 ピント合わせ部 5 被写体 6 最大積分値検出回路 7 積分部 8 選択部 A1〜A4 積分アンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA06 BB05 DD06 FF01 FF05 FF09 JJ03 JJ05 JJ26 QQ03 QQ13 QQ14 QQ25 QQ27 QQ38 QQ42 QQ47 RR02 SS13 SS15 UU05 2F112 AC03 BA05 CA02 FA03 FA07 FA29 FA35 FA45 2H011 AA01 BA14 BA23 BA33 2H051 BA04 BA17 BA39 BB07 BB24 CB20 CC07 DA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画面内をM個の点に分割する第1分割手
    段と、 このM個の各点の輝度分布を測定する輝度測定手段と、 この輝度測定手段の輝度測定結果に基づいて、上記M個
    の点のうち、N個の点を選択する選択手段と、 主要被写体位置を決定するにあたって、前記選択手段に
    より選択されたN個の点の各々をさらに分割する第2分
    割手段と、 を具備することを特徴とするカメラの測距装置。
  2. 【請求項2】 上記輝度測定手段は、カメラから補助光
    を投射した際の輝度分布を測定することを特徴とする請
    求項1に記載の測距装置。
  3. 【請求項3】 上記N個の点の各々は、それぞれ複数の
    測距ポイントを有し、この複数の測距結果に基づいて上
    記主要被写体の位置を決定することを特徴とする請求項
    1に記載の測距装置。
  4. 【請求項4】 画面内の主要被写体の位置を決定するカ
    メラにおいて、 上記画面内の輝度分布を判断するセンサアレイと、 このセンサアレイの出力に基づいて画面内をM個の点に
    分割し、これらM個のうち限られたN個の点について測
    距動作を行い、この測距動作により得られた複数の距離
    情報に基づいて主要被写体の位置を決定する決定手段と
    を具備することを特徴とするカメラの測距装置。
  5. 【請求項5】 上記分割されたM個の点のうち、測距動
    作を行う点の数を切換える切換え手段をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の測距装置。
JP35954599A 1999-12-17 1999-12-17 カメラの測距装置 Withdrawn JP2001174691A (ja)

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JP35954599A JP2001174691A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 カメラの測距装置

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