JP2001163691A - 被覆粒状肥料及びその製造方法 - Google Patents
被覆粒状肥料及びその製造方法Info
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Abstract
その製造方法を得ること。 【構成】 油変性アルキド樹脂とジフェニルメタンジイ
ソシアネート及び/又はトリレンジイソシアネートとの
反応により作られたポリウレタン樹脂とカルナバワック
スを主構成成分とする被覆材で被覆された肥効調節型被
覆粒状肥料を提供する。
Description
調節された被覆粒状肥料とその製造方法に関する。詳し
くは、特定の熱硬化性樹脂と特定のワックス類からなる
被覆材で被覆された肥効調節型被覆粒状肥料に関する。
さらに詳しくは、油変性アルキド樹脂とジフェニルメタ
ンジイソシアネート(以下MDIと言う)及び/又はト
リレンジイソシアネート(以下TDIと言う)との反応
により造られたポリウレタン樹脂とカルナバワックスを
主構成成分とする被覆材で被覆された肥効調節型被覆粒
状肥料に関する。
素による地下水汚染などの環境問題から、肥料の低減な
ど環境負荷軽減が課題となっている。また、農業人口の
減少により省力型肥料が要請され、また、作物の中に
は、生育初期には養分補給が僅少でよく、生育期には適
量の養分を必要とする作物があり、この様な作物に関
し、初期に肥料溶出が抑制され適期に適量の養分補給が
可能な肥料が求めれている。この様な課題に対して、従
来の化成肥料と比較して養分供給パターンをコントロー
ルしやすい肥効調節型の被覆肥料が提案され、実用化さ
れている。
に問題も発生している。即ち、被覆肥料が生分解性樹脂
でない場合、被膜が圃場に残留し環境汚染を招来するこ
とがある。また、溶剤型樹脂を使用した場合、大気汚染
を招来し、被覆肥料製造時に於ける作業者への影響(毒
性)、火災(引火性)等の問題、溶剤の除去・回収等の
複雑さ等多大の費用を要する問題がある。そのため、製
造時に有機溶剤を使用する必要がなく、且つ生分解性を
考慮しやすい熱硬化性樹脂が提案されている。
として、例えば、特公昭40-28927号公報がある。当該公
報には脂肪油変性アルキド樹脂、脂肪油変性ジシクロペ
ンタジエン重合体、ジイソシアネート変性脂肪油重合体
などが開示されている。しかし、これらの樹脂はオレフ
ィン樹脂と比べて透水性が高いため、溶出の調節が困難
である。油変性アルキド樹脂とワックスを使用した被覆
材も提案されている。例えば、特公昭59-30679号公報に
は乾性油変性フタル酸樹脂ワニス単独またはこのものと
相溶性のある有機資材(ロジン、パラフィン、ワック
ス、塩素化パラフィン等)との混合物で被覆された粒状
肥料が開示されている。また、特開平6-56567号公報、
特開平6-191980号公報、特開平6-191981号公報、特開平
7-69770号公報、特開平7-215789号公報には、油変性ア
ルキド樹脂と分子中に共役二重結合を有する不飽和油と
を必須成分とし、これにワックス、石油樹脂、ロジン、
エステルガム、ボイル油等を加えた被覆材が開示されて
いる。
類で一次被覆され、さらにその表面をアルキド樹脂と水
に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、
1種類を含む材で二次被覆された後、一次被覆を溶融も
しくは軟化処理した多層被覆粒状肥料が開示されてい
る。しかしながら、アルキド系被覆材は被覆膜強度が弱
いため欠陥を生じやすく、ワックスの持つ撥水効果が十
分に作用せず、精度の良い溶出の調節が困難である。
用したものに米国特許第3264089号がある。この発明は
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応物
からなるウレタン樹脂を被覆材とした被覆肥料を開示し
ている。特公昭54-39298号公報はポリオキシプロピレン
化合物とイソシアネート化合物とを反応させることによ
りポリウレタン被覆層を形成した被覆粒状肥料を提案し
ている。また、特公平7-16648号公報にはポリイソシア
ネート、フェノールホルマリン縮合物、ヒドロキシ基含
有軟化剤、触媒アミンからなる無溶剤型被覆剤が、特開
平4-305085号公報にはポリイソシアネートとウールグリ
スまたはラノリン等から誘導されるポリオールとを有機
溶剤に溶解してなる被覆剤が、米国特許第5374292号に
はMDI、ポリエチレンテレフタレート、トリエタノール
アミン、マイクロクリスタリンワックスからなる被覆緩
効性肥料が開示されている。
水性(架橋密度)の異なる2種類乃至それ以上の熱硬化
性樹脂(無溶剤型液状ウレタン樹脂)を使用した被覆肥
料が、特開平10-29886号公報にはオキシエチレン基とエ
ステル基を含有するポリウレタン樹脂からなる被覆剤
が、特開平10-324587号公報にはポリオール成分とポリ
イソシアネート成分から誘導され、オキシアルキレン基
とエステル基を含有するポリウレタン樹脂からなる被覆
剤が、特開平10-265288号公報には芳香族ポリイソシア
ネートから得られるイソシアネート基末端プレポリマ
ー、ヒマシ油又はヒマシ油誘導体ポリオール、アミン系
ポリオールからなるポリウレタン樹脂で被覆された被覆
粒状肥料が開示されている。しかしながら、これらポリ
ウレタン樹脂の中には構成成分により樹脂が分解せずに
残存する問題がある。また、この様な方法で得られたポ
リウレタン樹脂には限界があり、オレフィン樹脂等より
透水性が高いためポリウレタン樹脂単独では溶出の調節
精度が悪くならざるを得ない。特開平8-2988号公報には
被覆製造槽内への樹脂付着を防止する目的で、熱硬化性
樹脂を被覆後、乾燥硬化する前にワックス類で処理する
方法が示されているが、通常の量では溶出を精度良く調
節することはできない。
状樹脂を加熱処理する方法が有用であることが示されて
いる。特開平7-315975号公報においては粒状物質の被覆
方法として、熱可塑性物質を一次被覆後、熱硬化性樹脂
を二次被覆し、一次被覆された熱可塑性物質を溶融もし
くは軟化処理する方法が開示されているが、ここに開示
されている方法のみでは、十分に肥料溶出を制御するこ
とができない。また、被覆方法も煩雑である。特開平8-
225387号公報は熱可塑性樹脂を被覆後、熱処理をするこ
とを特徴とする被覆肥料の製造方法を開示している。こ
の方法は肥料溶出制御方法としては有効な方法である
が、熱可塑性樹脂は溶融しても粘度が高いため溶剤なし
では均一な被膜を形成することが困難である。さらに、
特開平9-202683号公報は噴霧と乾燥を繰り返し粒状肥料
表面上に熱硬化性樹脂被覆膜を形成する方法を開示して
いるが、熱硬化性樹脂単独では塗膜間隙が多くなり溶出
の調節は困難である。
分解性を考慮した原料を用い、簡便な方法で、有機溶剤
を使用することなく溶出が精度良く調節された被覆粒状
肥料を製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、本
発明を完成したものである。
アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIからなるポリウ
レタン樹脂とカルナバワックスを主構成成分とする被覆
材で被覆された被覆粒状肥料に関する。既に述べた様
に、ポリオール成分に油変性アルキド樹脂を用いる利点
として、これを用いたポリウレタン樹脂単独で溶出が調
節可能な点であり、さらにワックスを用いると作業性の
改善又は溶出の調節が可能なことは特開平10-265288号
公報に開示されている。しかしながら本発明に於いて
は、ワックスにカルナバワックスを使用し、ポリウレタ
ン樹脂としてポリオール成分である油変性アルキド樹脂
とMDI及び/又はTDIの反応物を利用することによ
り、工業的に容易に硬度が高く且つ欠陥の少ない撥水性
被膜を形成することが可能となったものである。
変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIとの反応に
より造られたポリウレタン樹脂とカルナバワックスとを
主構成成分とする被覆材であって、ポリウレタン樹脂と
カルナバワックスの重量比が1:0.25〜1:1の範
囲にある被覆材で被覆された被覆粒状肥料に関し、本第
2の発明は、油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワッ
クス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々に
又は(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に肥料
粒に噴霧し乾燥することを特徴とする被覆粒状肥料の製
造方法に関する。また、本第3の発明は油変性アルキド
樹脂(A)とカルナバワックス(B)とMDI及び/又
はTDI(C)とを別々に又は(A)と(B)との混合
物と(C)とを別々に肥料粒に噴霧し乾燥した後、カル
ナバワックスの軟化又は溶融温度以上の温度で熱処理す
ることを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法に関し、本
第4の発明は、噴霧し乾燥することを少なくとも5回以
上繰り返し行うことを特徴とする被覆粒状肥料の製造方
法に関する。
樹脂は公知の方法により得られるもの、例えば無水フタ
ル酸、無水マレイン酸等の多塩基酸とグリセリン、ペン
タエリスリトール等の多価アルコール、及び変性剤とし
て天然植物油あるいは動物油等を加熱縮合して得られる
一般的なものであり特に制限はない。本発明において
は、これをウレタン化して被覆材として使用するため、
被覆膜の強度の点から水酸基価は20〜400のものが
好ましい。また、酸価に関して言えば、酸価が高いとウ
レタン化反応が阻害され被膜の乾燥性が悪くなるととも
に目的の被膜強度が得られないため、酸価は15以下、
さらに好ましくは10以下である。使用される油変性ア
ルキド樹脂の粘度は低いものが望ましく、ウレタン化し
て樹脂とした場合の膜強度の観点から、変性剤としては
アマニ油、ヒマシ油が、多塩基酸としては無水フタル酸
が、また、多価アルコールとしてはグリセリンが特に推
奨される。しかし、これらに限定されるものではない。
ト化合物は、MDI、TDIである。詳しくは、MDI
は精製されて得られるモノメリックMDI(4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)、オリゴマーの存在するポリメ
リックMDIである。また、TDIは2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート
である。また、それらの混合物も使用することができ
る。しかし、これらのうち被膜形成性の点からポリメリ
ックMDIがもっとも好ましい。
DIの比率は、イソシアネート基とポリオール成分の水
酸基のモル比(NCO/OH)として1.1〜3.0が
好ましい。これらの比率の範囲外となると被膜の架橋が
減少し十分な耐水性が得られなかったり、被覆強度が減
少し被膜に欠陥が発生しやすくなり、肥料溶出の調節が
きわめて困難となる。
ン化に際しての反応促進のため触媒を添加することは有
用な技術である。公知慣用のものを用いることができ、
前者の架橋触媒として、例えば、ナフテン酸マンガン、
オクタン酸コバルト等の有機塩類が、また、後者の触媒
として、例えば、オクタン酸カリウム等の有機塩類、ト
リエチレンジアミン等のアミン化合物が使用できる。
限はなく、市販のいずれのものでも使用することができ
る。精製されたもの、あるいはエマルジョンとして加工
されたものも使用可能である。
ン樹脂とカルナバワックスの質量比が1:0.25〜
1:1の範囲で使用される。カルナバワックス量が少な
い場合には撥水性の効果が得られず肥料溶出の調節が困
難となる。多い場合には被膜強度が低下し被膜に欠陥が
生じやすくなり十分な肥効調節が不可能となる。
なく、例えば、尿素、硫安、硝安、塩安、塩化カリの様
な単肥、燐安、硫化燐安、燐硝安カリの様な複合肥料が
代表として挙げられる。肥料粒子の粒径に特に限定はな
いが、1mm〜5mmのものが好ましく使用される。
についてさらに詳しく言えば、被覆粒状肥料の製造方法
は肥料粒子表面に被膜を形成する工程と、得られた被覆
粒子を加熱処理する工程に分けられる。
状態にある粒状肥料に対し各被覆材を付着させ、これを
熱風等で加温することによって粒状肥料上で硬化させ被
膜を形成する方法が使用できる。粒状肥料を流動、転動
するには公知の方法が使用できる。例えば、流動化には
流動装置や噴流動装置が、転動化には回転パンや回転ド
ラムの装置が使用できる。
下となる様に調整したものを使用する。例えば、油変性
アルキド樹脂は80〜120℃に加熱する。MDI及び
/又はTDIは常温で300cp以下のものはそのま
ま、また、固体のものは融点以上に加熱し液状化する。
カルナバワックスは、単独で、あるいは、油変性アルキ
ド樹脂に分散させて使用する。いずれの場合も90〜1
20℃に加熱し液状化したものを使用する。被覆材の粘
度が300cpを越えると作業性が悪くなり、さらに均
一な被膜が形成されず、肥料溶出の制御が困難となるた
め好ましくない。
は、油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIとカ
ルナバワックスとを混合使用することもできるが、保存
時間が長いと一部ポリウレタン樹脂が生成し望ましくな
い。最良の方法は油変性アルキッド樹脂とカルナバワッ
クスを混合物とし、MDI及び/又はTDIと別にして
使用する方法である。勿論3者を別々に使用することも
できる。
子に均一に塗布できれば特に限定はなく、スプレーによ
る噴霧、あるいは滴下に限らず実施できる。また、各被
覆材を同一の箇所から噴霧、あるいは別々の箇所から噴
霧してもかまわない。被膜を硬化させるには加熱を行う
が、温度が低すぎると噴霧された溶液の粘性が高くなり
粒子表面上で均一な膜が形成されない。また、温度が高
すぎるとカルナバワックスが硬化せず、被膜が形成され
ないため、加熱温度は50℃〜75℃が好ましい。ま
た、噴霧溶液の粘度を下げ、肥料粒表面上に均一な被膜
を形成させるため、また反応性を高めるために有機溶剤
を使用することも可能である。
に80℃〜110℃である。80℃より低くなるとカル
ナバワックスが軟化溶融しないため、ポリウレタン樹脂
の微細な間隙が埋められなかったり、粒子表面にカルナ
バワックス層が形成されない。また樹脂の反応も促進さ
れず、撥水性被膜が形成されないものとなる。一方11
0℃より高くなると加熱装置への付着、あるいはカルナ
バワクスが溶融して肥料塊を形成し、均一な被膜が得ら
れず、被覆溶出の調節がきわめて困難となる。加熱時間
は加熱温度に依存するが、5分〜2時間、好ましくは1
5分〜1時間である。短すぎるとカルナバワックスがポ
リウレタン樹脂内を十分に移動せず、また、長すぎると
粒子表面より流れ、十分な溶出調節効果が得られない。
加熱装置としては一般的な乾燥機が使用できる。また、
被覆装置内で加熱処理することもできるが、熱効率を上
げる目的で攪拌すると被覆に欠陥を生じる場合があり、
静置で加熱処理するか、攪拌する場合は攪拌速度を遅く
することが好ましい。
り、被膜形成性の向上及び肥効調節の補助的手段として
被覆材組成物に有機系または無機系の添加材を加えるこ
とも可能である。例えば、アルキド樹脂、ウレタン樹
脂、脂肪族エステル、ロジンおよびその誘導体、界面活
性剤、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
えば溶出調整は噴霧−乾燥回数によって行う。被覆材の
噴霧−乾燥を少なくとも5回以上繰り返し行うことが好
ましい。5回以下の場合、肥料成分の溶出が早く、被覆
粒状肥料の効果を期待することができない。一般的には
7〜50回程度である。被覆材組成、粒状肥料と被覆材
との割合、被膜の均一性にもよるが50回を上廻ると溶
出が遅きに失し、肥効時期を失することとなる。肥料の
種類、適用作物などによっても異なるが被覆率、即ち、
被覆粒状肥料に対する被覆材の割合は7〜20質量%で
ある。噴霧−乾燥回数が増加する程肥料成分の溶出量、
溶出時間は遅くなる。
が精度良く調節されたものとなる。油変性アルキド樹脂
とMDI及び/又はTDIとカルナバワックスの3者
で、本発明の様な優れた相乗効果が得られる要因とし
て、カルナバワックスの分子構造が大きく関与している
ものと推定される。即ち、カルナバワックスはカルナバ
椰子より採取されるものであり、高級脂肪酸エステルを
主成分とする。構成成分には不飽和結合やヒドロオキシ
基を有する分子が存在し、被膜形成時には高級脂肪酸エ
ステル同志またはアルキド樹脂との架橋や、MDI及び
/又はTDIと反応して複雑な構造をとるとともに、よ
り硬度の高い膜を形成するものと推定される。さらに加
熱処理の効果としては、被膜内でのワックス成分の均一
移動により優れた耐水構造が形成される。また、カルナ
バワックスが有する樹脂との適度の反応性と、上述の樹
脂中への適度の浸透が、初期の溶出は低く、その後精度
良く肥料成分を放出するものと考えられる。
明の範囲はこれに限定されるものではない。尚、特に断
らない限り%は全て質量%を示す。
00gを、熱風発生機を付設した遠心転動造粒コーティ
ング装置(回転円板径230mm)に仕込み、360rpm
で回転させ、粒状肥料を転動状態にし、下部より熱風を
送り70℃に保持した。油長47%のアマニ油ヒマシ油
変性アルキド樹脂(水酸基価190)40gに触媒とし
て脂肪族モノカルボン酸コバルト溶液(Co濃度8%)
0.2g、脂肪族モノカルボン酸カリウム溶液(濃度7
0%)0.4gを添加し、100℃に加熱しポリオール
溶液(A液)を調製した。また、カルナバワックス(P
VP S/A,(BRAZIL)製)30gを100℃
に加熱溶融し、溶融液(B液)を調製した。加温され且
つ転動状態にある粒状尿素に、A液とポリメリックMD
I(住友バイエルウレタン製、商品名スミジュール44
V10)を、2ヶ所から2流体ノズルにより、A液は
0.11g/秒、ポリメリックMDIは0.08g/秒
の速度で10秒間噴霧し、さらに引き続いてB液を2流
体ノズルにより0.08g/秒の速度で10秒間噴霧
し、5分間転動させ乾燥し、被膜を形成させた。この噴
霧−乾燥工程を20回繰り返し被覆粒状肥料を製造した
(実施例1−1)。次にこの被覆粒状肥料をステンレス
製バットに採り、90℃に維持した通風乾燥機に入れ1
時間放置し、加熱処理を行った(実施例1−2)。被覆
粒状肥料及び加熱処理を行った被覆粒状肥料の被覆率及
び溶出率を併せ表1に示す。
油変性アルキド樹脂(水酸基価190)40g、カルナ
バワックス(PVP S/A(BRAZIL)製)30
g、触媒として脂肪族モノカルボン酸コバルト溶液(C
o濃度8%)0.2g、脂肪族モノカルボン酸カリウム
溶液(濃度70%)0.4gを100℃に加熱し、溶融
液(C液)を調製した。実施例1と同じ装置を用い、実
施例1と同様に加温され且つ転動状態にある粒状尿素
に、C液とポリメリックMDI(住友バイエルウレタン
製、商品名スミジュール44V10)を2ヶ所から別々
に2流体ノズルにより、C液は0.19g/秒、ポリメ
リックMDIは0.08g/秒の速度で10秒間噴霧
し、5分間転動させ乾燥し、被膜を形成させた。この噴
霧−乾燥工程を20回繰り返し、被覆粒状肥料を製造し
た。(実施例2−1)次に、この被覆粒状肥料をステン
レス製バットに採り、90℃に維持した通風乾燥機に入
れ1時間放置し、加熱処理を行った。(実施例2−2)
被覆粒状肥料及び加熱処理を行った被覆粒状肥料の被覆
率及び溶出率を併せ表1に示す。
た以外は、実施例2−2と同一の被覆条件及び加熱処理
条件で被覆粒状肥料を製造した。この被覆粒状肥料の被
覆率及び溶出率を表1に示す。
ず、噴霧速度をC液は0.15g/秒、ポリメリックM
DIは0.11g/秒の速度に変えた以外は、実施例2
−1と同一の方法及び条件で被覆粒状肥料を製造した。
この被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を表1に示す。
ラフィンワックス(日本精蝋製 品名155)を使用
し、転動状態にある粒状尿素の温度を60℃に変えた以
外は、実施例2−2と同一の方法及び条件で被覆粒状肥
料を製造した。本組成で被覆を行った場合には、均一な
被膜が形成されず斑となった。この被覆粒状肥料の被覆
率及び溶出率を表1に示す。
ルコール型ワックス(日本精蝋製 品名OX−194
9)を使用した以外は、実施例2−2と同一の方法及び
条件で被覆粒状肥料を製造した。この被覆粒状肥料の被
覆率及び溶出率を表1に示す。
覆粒状肥料の重量)×100 溶出率:被覆粒状肥料2.5gを50mlの水に加え容
器を密閉して25℃の恒温槽に入れた。これを一定期間
後に取り出し肥料と溶液を分別し(*)、溶液中に溶出し
た窒素成分を定量し、次式により溶出率を計算した。 溶出率(%)=(溶液中の窒素量/被覆粒状肥料中の窒
素量)×100(**) * 窒素成分測定毎に、毎回分別した肥料に新たに5
0mlの水を加えた。 ** 表中の溶出率は累積値を示す。
期の溶出は低く、加熱処理することにより初期溶出は更
に抑制されることがわかる。
精度良く肥料成分溶出の調節が可能である。被覆材は分
解されるため土中に残存することがなく、また、有機溶
剤を使用する必要がないため、火災等の危険性がなく、
溶剤回収も不要であり簡単な設備で容易に製造すること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 油変性アルキド樹脂とジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)及び/又はトリレンジイソ
シアネート(TDI)との反応により造られたポリウレ
タン樹脂とカルナバワックスとを主構成成分とする被覆
材であって、ポリウレタン樹脂とカルナバワックスの重
量比が1:0.25〜1:1の範囲にある被覆材で被覆
された被覆粒状肥料。 - 【請求項2】 油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワ
ックス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々
にまたは(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に
肥料粒に噴霧し乾燥する被覆粒状肥料の製造方法。 - 【請求項3】 油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワ
ックス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々
に又は(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に肥
料粒に噴霧し乾燥した後、カルナバワックスの軟化又は
溶融温度以上の温度で熱処理することを特徴とする被覆
粒状肥料の製造方法。 - 【請求項4】 噴霧し乾燥することを少なくとも5回以
上繰り返し行うことを特徴とする請求項2又は3記載の
被覆粒状肥料の製造方法。
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JP35252999A JP4433533B2 (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | 被覆粒状肥料及びその製造方法 |
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