JP2001161650A - 脈波伝播速度情報測定装置 - Google Patents
脈波伝播速度情報測定装置Info
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- JP2001161650A JP2001161650A JP35303199A JP35303199A JP2001161650A JP 2001161650 A JP2001161650 A JP 2001161650A JP 35303199 A JP35303199 A JP 35303199A JP 35303199 A JP35303199 A JP 35303199A JP 2001161650 A JP2001161650 A JP 2001161650A
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Abstract
確な脈波伝播速度情報を測定することができ、且つ、安
価な脈波伝播速度情報測定装置を提供する。 【解決手段】 タイミング差変更手段76によってサン
プリングタイミング差ΔTが変更される毎に、相互相関
値算出手段80により、1拍分の第1脈波信号SM1 と
第2脈波信号SM2 とがそれぞれ表す第1波形と第2波
形との相互相関値ΦP (ΔT)を算出し、脈波伝播速度
情報算出手段86により、その相互相関値ΦP (ΔT)
の最大値の算出に用いられた第1波形および第2波形に
基づいて脈波伝播時間DTおよび脈波伝播速度PWVを
算出する。相互相関値ΦP (ΔT)が最大となる第1波
形と第2波形との組み合わせは、その第1波形および第
2波形の形状が相互に最も近似した波形であり、脈波伝
播時間DTおよび脈波伝播速度PWVは、その相互に最
も近似した第1波形および第2波形に基づいて算出され
ることから、高速処理が可能な高価な装置を用いること
なく正確な脈波伝播時間DTおよび脈波伝播速度PWV
を算出できる。
Description
波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度情
報、たとえば、脈波伝播時間や脈波伝播速度等を測定す
る脈波伝播速度情報測定装置に関し、特に、短い部位間
における脈波伝播速度情報を高精度に測定することがで
きる脈波伝播速度情報測定装置に関するものである。
度情報測定装置が種々提案されている。脈波伝播速度情
報は、血圧値、動脈硬化度、末梢抵抗などを推定するた
めに用いることができるからである。
体の所定の2部位に脈波センサを装着する必要がある
が、2つの脈波センサを一体的に構成するため、また
は、局所的な動脈硬化度を測定するため等、2つの脈波
センサ間の距離を短くして(たとえば数cm程度)、脈
波伝播速度情報を測定することが望まれている。
ンサ間の距離が短いと、2つの脈波センサ間を脈波が伝
播する時間すなわち脈波伝播時間DTが短くなるので、
脈波センサから検出される脈波を読み込むサンプリング
周期TS よりも脈波伝播時間DTが短くなってしまうこ
とがある。脈波伝播時間DTの方がサンプリング周期T
S よりも短い場合には、脈波伝播時間DTは測定できな
い。また、サンプリング周期TS よりも短くはならない
までも、脈波伝播時間DTがサンプリング周期TS と同
程度またはサンプリング周期TS の数倍程度である場合
には、正確な脈波伝播時間DTを測定することはできな
い。
周期TS の数倍程度である場合に、本来の脈波伝播時間
DT’と実際に測定される脈波伝播時間DTとの違いを
説明するために、第1脈波センサにより検出される第1
波形の立ち上がり部分と第2脈波センサにより検出され
る第2波形の立ち上がり部分とを特徴的に示す図であ
る。図1(a)は、本来の波形すなわちサンプリング周
期TS を無限小とした場合に検出される波形であり、脈
波伝播時間DT’は第1脈波の立ち上がり点a’と第2
脈波の立ち上がり点b’との時間差である。しかし、実
際には、サンプリング周期TS は一定の大きさのある時
間であり、第1脈波および第2脈波は、●で示すサンプ
リング周期TS 毎に読み込まれる点の連なりである。図
1(b)は、そのサンプリング周期毎TS 毎に読み込ま
れる点の連なりにより構成される測定された脈波を示し
ている。図1(b)に示すように、サンプリング周期T
S に一定の大きさがあることから、本来は第1脈波と第
2脈波とが図1(a)に示すように同じ形状の波形であ
ったとしても、測定される脈波は異なった形状となって
しまう場合がある。そのため、脈波伝播時間DTを算出
するための基準点(図1では、第1脈波の立ち上がり点
aおよび第2脈波の立ち上がり点b)が本来の基準点と
は異なってしまい、測定される脈波伝播時間DTは、本
来の脈波伝播時間DT’とは異なった値となってしまう
のである。
るために、サンプリング周期TS を短くすることが考え
られるが、サンプリング周期TS を短くすると、それだ
け大量の波形データが読み込まれることになることか
ら、高速処理が必要となり装置が高価になってしまうと
いう問題がある。
されたものであり、その目的とするところは、2つの脈
波センサ間の距離が短い場合でも正確な脈波伝播速度情
報を測定することができ、且つ、安価な脈波伝播速度情
報測定装置を提供することにある。
を背景として種々研究を重ねるうち、サンプリング周期
TS が長いことにより、測定される脈波が本来の脈波と
は異なっていても、第1脈波および第2脈波の波形が相
互に一致していれば正確な脈波伝播時間DTが算出でき
ること、さらに、第1脈波の波形と第2脈波の波形とを
相互に一致させるには、サンプリングタイミングを相対
的にずらせばよいことを見いだした。
明の要旨とするところは、生体の所定部位にそれぞれ装
着される第1脈波センサと第2脈波センサとを備え、そ
の第1脈波センサから出力される第1脈波信号とその第
2脈波センサから出力される第2脈波信号とに基づい
て、生体内を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈
波伝播速度情報を測定する脈波伝播速度情報測定装置で
あって、(a) 前記第1脈波センサから出力される第1脈
波信号を取り込むサンプリングタイミングと、前記第2
脈波センサから出力される第2脈波信号を取り込むサン
プリングタイミングとの相互のサンプリングタイミング
差を、予め設定されたずらし単位毎に変更するタイミン
グ差変更手段と、(b) そのタイミング差変更手段により
サンプリングタイミング差が変更される毎に、所定期間
分の前記第1脈波信号および前記第2脈波信号とがそれ
ぞれ表す第1波形と第2波形との相互相関値をそれぞれ
算出する相互相関値算出手段と、(c) その相互相関値算
出手段により、前記サンプリングタイミング差が変更さ
れる毎に算出される相互相関値のうち、最大値を決定す
る最大値決定手段と、(d) その最大値決定手段により決
定された最大値の算出に用いられた前記第1波形および
第2波形を用い、その第1波形の所定部位を第1基準点
とし、その第2波形の所定部位を第2基準点とし、その
第1基準点とその第2基準点との間の時間差に基づい
て、前記脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報
算出手段とを、含むことを特徴とする脈波伝播速度情報
測定装置。
段によってサンプリングタイミング差が変更される毎
に、相互相関値算出手段により、所定期間分の第1脈波
信号と第2脈波信号とがそれぞれ表す第1波形と第2波
形との相互相関値が算出され、脈波伝播速度情報算出手
段では、その相互相関値の最大値の算出に用いられた第
1波形および第2波形に基づいて脈波伝播速度情報が算
出される。相互相関値が最大となる第1波形と第2波形
との組み合わせは、その第1波形および第2波形の形状
が相互に最も近似した波形であり、脈波伝播速度情報
は、その相互に最も近似した第1波形と第2波形に基づ
いて算出されることから、高速処理が可能な高価な装置
を用いることなく正確な脈波伝播速度情報が算出され
る。
図面に基づいて詳細に説明する。
情報測定装置10の回路構成を示すブロック図である。
図において、脈波伝播速度情報測定装置10は、図4に
詳しく示す圧脈波検出プローブ12から供給される脈波
信号SMに基づいて、脈波伝播速度情報を測定する。
うに、生体の頸14に装着バンド16により装着され、
図4に詳しく示すように、容器状を成すセンサハウジン
グ18を収容するケース20と、このセンサハウジング
18を頸動脈22の幅方向に移動させるためにそのセン
サハウジング18に螺合され且つケース20内に設けら
れた図示しないモータによって回転駆動されるねじ軸2
4とを備えている。この圧脈波検出プローブ12は、前
記装着バンド16により、センサハウジング18の開口
端が生体の頸14の体表面26に対向する状態で取り付
けられている。
イヤフラム28を介して圧脈波センサ30が相対移動可
能かつセンサハウジング18の開口端から突出し可能に
設けられており、これらセンサハウジング18およびダ
イヤフラム28等によって圧力室32が形成されてい
る。この圧力室32内には、図2に示すように、空気ポ
ンプ34から調圧弁36を経て圧力空気が供給されるよ
うになっており、これにより、圧脈波センサ30は圧力
室32内の圧力(Pa)に応じた押圧力で前記体表面26に
押圧される。
ラム28は、圧脈波センサ30を頸動脈22に向かって
押圧する押圧装置38を構成しており、上記ねじ軸24
および図示しないモータは、圧脈波センサ30が押圧さ
れる押圧位置をその頸動脈22の幅方向に移動させて変
更する押圧位置変更装置すなわち幅方向移動装置40を
構成している。
図5に示すように、多数の半導体感圧素子(以下、感圧
素子という)Eが互いに平行な2列に配列されて、それ
ぞれ第1感圧素子列E1および第2感圧素子列E2を形
成している。第1感圧素子列E1は、複数の第1感圧素
子E1(m)(m:整数)により構成され、その長さ
は、頸動脈22の幅方向すなわちねじ軸24と平行な圧
脈波センサ30の移動方向において、その頸動脈22の
直径よりも長くなるように、たとえば2cmとされ、そ
れぞれの第1感圧素子E1(m)は一定の間隔で配列さ
れている。また、第2感圧素子列E2も第1感圧素子列
E1と同様に、複数の第2感圧素子E2(n)(n:整
数)により構成され、その長さおよび各感圧素子E2
(n)の配列間隔は第1感圧素子列E1と同様とされて
いる。また、第1感圧素子列E1と第2感圧素子列E2
との間の距離Dは比較的短い距離、たとえば1cm程度
とされる。
12は、上記第1感圧素子列E1が上流側となり、第2
感圧素子列E2が下流側となるようにして頸14の体表
面26の頸動脈22上に押圧される。圧脈波検出プロー
ブ12が対表面26の頸動脈22上に装着されると、各
感圧素子Eは頸動脈22から発生して体表面26に伝達
される圧力振動波すなわち圧脈波を検出し、その圧脈波
を表す圧脈波信号SMを各感圧素子E毎に設けられたサ
ンプルホールド回路44にそれぞれ供給する。サンプル
ホールド回路44は、演算制御装置46からのサンプリ
ングパルスに従って感圧素子Eから入力される圧脈波信
号SMを周期的に時間選択し、その選択した圧脈波信号
SMをマルチプレクサ48に逐次出力する。
ルホールド回路44から逐次供給される圧脈波信号SM
を時分割してA/D変換器50へ出力し、A/D変換器
50は、マルチプレクサ48から入力される圧脈波信号
SMをA/D変換して前記演算制御装置46へ供給す
る。
54、RAM56、および図示しないI/Oポート等を
備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、
CPU52は、ROM54に予め記憶されたプログラム
に従ってRAM56の記憶機能を利用しつつ信号処理を
実行することにより、空気ポンプ34および調圧弁36
へ図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力して圧力
室32内の圧力を調節し、また、圧脈波センサ30から
圧脈波信号SMを読み込み、その圧脈波信号SMに基づ
いて脈波伝播速度情報を算出し、その算出した脈波伝播
速度情報を表示器58に表示する。なお、CPU52
は、後述するずらし単位TU ずつ変更されるサンプリン
グタイミング差ΔTを計測するために、そのずらし単位
TU 以下のクロック数を備えたものが用いられる。
0における演算制御装置46の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。図6において、サンプリン
グパルス出力手段70は、各感圧素子E毎に設けられた
それぞれのサンプルホールド回路44に、同時に或いは
後述するタイミング差変更手段76により設定される所
定のサンプリングタイミング差ΔTで、予め設定された
サンプリング周期TSのサンプリングパルスを出力す
る。このサンプリン周期TS は、たとえば数ミリ秒〜数
十ミリ秒程度に設定される。上記サンプリング周期TS
毎にサンプリングパルスが出力されることにより、その
サンプリング周期Ts 毎に各感圧素子Eから圧脈波信号
SMが読み込まれるので、サンプリングパルス出力手段
は、圧脈波信号SMを読み込む信号読み込み手段として
機能している。
ング周期TS 毎にそれぞれのサンプルホールド回路44
から供給される圧脈波信号SMに基づいて、圧脈波セン
サ30の押圧面42の第1感圧素子列E1および第2感
圧素子列E2に配列された複数の感圧素子Eにより検出
される圧脈波の脈圧PM を、各感圧素子E毎にそれぞれ
算出する。図7は、各感圧素子Eにより逐次検出される
圧脈波信号SMの一例を示す図であり、脈圧PM とは、
図7に示すように、一拍毎の圧脈波のピークcにおける
圧力と立ち上がり点d(または最小点)における圧力と
の差である。
1を構成する第1感圧素子E1(m)のうち、脈圧算出
手段72により算出される脈圧PM が最大の素子を第1
最適感圧素子E1O に決定し、第2感圧素子列E2を構
成する第2感圧素子E2(n)のうち、脈圧算出手段7
2により算出される脈圧PM が最大の素子を第2最適感
圧素子E2O に決定する。上記のようにして決定された
第1最適感圧素子E1 O および第2最適感圧素子E2O
は、頸動脈22の直上に位置する感圧素子Eであり、後
述する脈波伝播速度情報算出手段86では、上記第1最
適感圧素子E1 O から出力される第1圧脈波信号SM1
および上記第2最適感圧素子E2O から出力される第2
圧脈波信号SM2 に基づいて脈波伝播速度情報が算出さ
れる。従って、本実施例では、第1最適感圧素子E1O
および第2最適感圧素子E2O を備えた圧脈波センサ3
0が第1脈波センサおよび第2脈波センサとして機能
し、特に、いずれかの感圧素子Eが第1最適感圧素子E
1O に決定される第1感圧素子列E1側が第1脈波セン
サとして機能し、いずれかの感圧素子Eが第2最適感圧
素子E2O に決定される第2感圧素子列E2側が第2脈
波センサとして機能する。
適感圧素子E1O から出力される第1圧脈波信号SM1
をサンプルホールド回路44がサンプリング周期TS 毎
に取り込むサンプリングタイミングと、上記第2最適感
圧素子E2O から出力される第2圧脈波信号SM2 をサ
ンプルホールド回路44がサンプリング周期TS 毎に取
り込むサンプリングタイミングとのサンプリングタイミ
ング差ΔTを、予め設定されたずらし単位TU 毎に、そ
のサンプリングタイミング差ΔTが最大タイミング差Δ
Tmax となるまで変更する。
Tを図示する図であり、上段が、サンプリングパルス出
力手段70により、上記第1最適感圧素子E1O に接続
されたサンプルホールド回路44に出力されるサンプリ
ングパルスであり、下段が、サンプリングパルス出力手
段70により、上記第2最適感圧素子E2O に接続され
たサンプルホールド回路44に出力されるサンプリング
パルスである。図8に示すように、一方のサンプルホー
ルド回路44に対してサンプリングパルスが出力されて
から、他方のサンプルホールド回路44に対してサンプ
リングパルスが出力されるまでの時間差がサンプリング
タイミング差ΔTである。
グ周期TS よりも小さい期間であり、後述する脈波伝播
速度情報算出手段86において必要とされる感度、およ
び第1最適感圧素子E1O と第2最適感圧素子E2O と
の素子間距離Lに基づいて決定される。なお、感度と
は、算出される最小単位すなわち分解能のことである。
また、脈波伝播速度PWVは式1によって算出される。 (式1) PWV=L/DT 従って、たとえば脈波伝播速度PWVの感度として10(m
/s) が必要とされる場合であって、第1感圧素子E1O
と第2感圧素子E2O との素子間距離Lが2 cmである場
合、式1より、脈波伝播速度PWVが600(m/s)のときの
脈波伝播時間DTは3.33(msec)となり、脈波伝播速度P
WVが610(m/s)のときの脈波伝播時間DTは3.28(msec)
となる。両者の脈波伝播時間DTの差は3.33-3.28 = 0.
05(msec)となる。すなわち、感度10(m/s) 、2つの脈波
センサ間の距離が2cm である場合、脈波伝播時間DT
は、0.05(msec)の感度が必要となる。従って、0.05(mse
c)がずらし単位TU となる。このずらし単位TU 毎に上
記サンプリングタイミング差ΔTをずらす範囲は、タイ
ミング差ΔTが0から上記最大タイミング差ΔTmax ま
でであり、その最大タイミング差ΔTmax は、サンプリ
ング周期TS から上記ずらし単位TU を引いた値(ΔT
max =TS −1TU )である。
段76によりサンプリングタイミング差ΔTが変更され
る毎に、そのサンプリングタイミング差ΔTだけずらさ
れて出力されるサンプリングパルスに従って読み込まれ
る第1脈波信号SM1 および第2脈波信号SM2 の所定
期間分をRAM56の図示しない所定の記憶領域に記憶
する。上記所定期間は、後述する脈波伝播速度情報算出
手段86において、基準点となる部位を含む期間であ
り、たとえば、一拍分或いは数拍分とされる。
手段78により、サンプリングタイミング差ΔTが変更
される毎に所定期間分が記憶された第1脈波信号SM1
および第2脈波信号SM2 に基づいて、その所定期間分
の第1脈波信号SM1 が表す第1波形と所定期間分の第
2脈波信号SM2 が表す第2波形との相互相関関数Φ p
(t)をサンプリングタイミング差ΔTが変更される毎に
それぞれ算出し、さらにそのサンプリングタイミング差
ΔTが変更される毎に算出した相互相関関数Φ p (t)
に、そのサンプリングタイミング差ΔTを代入した相互
相関値ΦP (ΔT)をそれぞれ算出する。なお、添字p
はTS /TU 以下の整数である。また、それぞれの相互
相関関数Φp (t)は、サンプリングタイミング差ΔTに
おいて最大値となるので、上記相互相関値ΦP (ΔT)
は、各サンプリングタイミング差ΔT毎に算出される相
互相関係数Φp (t)の最大値を表している。
出手段80により、サンプリングタイミング差ΔTが変
更される毎に算出された相互相関値ΦP (ΔT)のうち
の最大値を決定する。相互相関値ΦP (ΔT)は、第1
波形の形状と第2波形の形状の相関(近似)の程度を表
すので、相互相関値ΦP (ΔT)が最大値となるのは、
サンプリングタイミング差ΔTが変更される毎に記憶さ
れる前記第1波形および第2波形の相関が最も大きい波
形に基づいて算出された場合である。図9は、上記最大
値の算出に用いられた第1脈波の立ち上がり部分および
第2脈波の立ち上がり部分を特徴的に示す図であり、図
1と比較するために、第1脈波は図1に示す第1脈波と
同一の形状の波形としてある。また、図中に破線で示す
部分は、本来の脈波の立ち上がり部分であり、測定され
た第1脈波および第2脈波とも本来の脈波とは異なって
いるが、サンプリングタイミング差ΔTだけ第2圧脈波
信号SM2 のサンプリングタイミングが遅らせられるこ
とによって、第1脈波と高い相関を示す第2脈波が検出
される。
手段74により決定された第1最適感圧素子E1O と第
2最適感圧素子E2O との素子間距離(すなわちセンサ
間距離)Lを、予め記憶された関係に基づいて決定す
る。図10には、第1最適感圧素子E1O および第2最
適感圧素子E2O と、素子間距離Lとの関係を図示す
る。
大値決定手段82により決定された最大値が算出された
第1波形および第2波形に基づいて、その第1波形の所
定部位(たとえば立ち上がり点やピーク)を第1基準点
s1 とし、第2波形において上記第1基準点に対応する
部位を第2基準点s2 として、その第1基準点s1 から
第2基準点s2 までを脈波伝播時間DTとして算出する
脈波伝播時間算出手段を含み、さらに、その脈波伝播時
間DTから前記式1に基づいて脈波伝播速度PWVを算
出する。
られる第1基準点s1 および第2基準点s2 が図9に示
す第1波形の立ち上がり点および第2波形の立ち上がり
点である場合、第1脈波の立ち上がり点s1 と第2脈波
の立ち上がり点s2 との時間差が脈波伝播時間DTとな
る。図9に示すように、第1脈波の立ち上がり点s1は
本来の第1脈波の立ち上がり点s1 ’よりもΔcだけ前
の時間に決定されているが、第2圧脈波信号SM2 のサ
ンプリングタイミングが第1圧脈波信号SM1のサンプ
リングタイミングよりもサンプリングタイミング差ΔT
だけ遅らせられることによって、第2脈波の立ち上がり
点s2 も本来の第2脈波の立ち上がり点s2 ’よりもΔ
cだけ前の時間に決定されているので、正確な脈波伝播
時間DTが算出される。さらに、この脈波伝播時間算出
手段により算出した脈波伝播時間DTと、前記センサ間
距離決定手段84により決定した素子間距離Lとを、前
記式1に代入して脈波伝播速度PWVを算出する。この
ようにして算出される脈波伝播速度PWVは、従来のよ
うに2つの独立した脈波センサを生体の所定の2部位に
それぞれ装着する場合に比較して、素子間距離(センサ
間距離)が正確に決定できることから、正確な脈波伝播
速度PWVが算出できる。
た演算制御装置46の制御作動の要部をさらに具体的に
説明するためのフローチャートである。なお、本フロー
チャートは、幅方向移動装置40および押圧装置38に
より、圧脈波センサ30の装着位置および押圧力が最適
な状態に維持された状態で実行される。
テップを省略する。)では、演算制御装置46から各サ
ンプルホールド回路44に、数ミリ秒程度の所定周期T
S でサンプリングパルスが出力されることにより、各感
圧素子Eから脈波信号SMが読み込まれる。
圧脈波信号SMが読み込まれたか否かが、たとえば、い
ずれかの圧脈波信号SMが表す圧脈波の立ち上がり点に
基づいて判断される。このS2の判断が否定されるうち
は、上記S1が繰り返し実行されて圧脈波信号SMの読
み込みが継続される。そして、1拍分の圧脈波が読み込
まれると、S2の判断が肯定されて脈圧算出手段72に
対応するS3が実行される。
しにより各感圧素子E毎に読み込まれた圧脈波信号SM
について、それぞれの圧脈波信号SMが表す圧脈波の立
ち上がり点dおよびピークcが決定され、そのピークc
と立ち上がり点dとの差から各感圧素子E毎に脈圧PM
がそれぞれ算出される。
は、上記S3で各感圧素子毎Eに算出された脈圧P
M が、第1感圧素子列E1および第2感圧素子列E2に
ついてそれぞれ比較され、第1感圧素子E1(m)のう
ち最も脈圧PM が大きい素子が第1最適感圧素子E1O
に決定され、第2感圧素子E2(n)のうち最も脈圧P
Mが大きい素子が第2最適感圧素子E2O に決定され
る。
S5では、上記S4でそれぞれ決定された第1最適感圧
素子E1O と第2最適感圧素子E2O との間の素子間距
離Lが算出される。
応するS6では、上記S4で決定された第1最適感圧素
子E1O に接続されたサンプルホールド回路44に対し
て、上記所定のサンプリング周期TS 毎にサンプリング
パルスが出力されるとともに、そのサンプリングパルス
が出力されるタイミングから所定のサンプリングタイミ
ング差ΔTだけ遅らせて、前記第2最適感圧素子E2O
に接続されたサンプルホールド回路44に対して、上記
所定のサンプリング周期TS 毎にサンプリングパルスが
出力される。上記サンプリングタイミング差ΔTの初期
値は0とされ、後述するS11で、ずらし単位TU ずつ
加算される。
乃至S8が実行される。まず、S7では、上記S6にお
いて所定のサンリング周期TS でサンプリングパルスが
出力されることにより読み込まれる第1圧脈波信号SM
1 および第2圧脈波信号SM 2 が、RAM56の図示し
ない所定の記憶領域に記憶される。そして、続くS8で
は、上記S7において、第1圧脈波信号SM1 および第
2圧脈波信号SM2 が1拍分記憶されたか否か、すなわ
ち、第1脈波および第2脈波が1拍分記憶されたか否か
が判断される。この判断が否定された場合は、前記S6
以降が繰り返し実行されて、第1圧脈波信号SM1 、第
2圧脈波信号SM2 の読み込みおよび記憶が継続され
る。
は、続く相互相関値算出手段80に対応するS9におい
て、前記S6乃至S8の繰り返しにおいて記憶された1
拍分の第1脈波および第2脈波が第1波形および第2波
形とされて、その第1波形と第2波形との相互相関関数
Φp (t)が算出され、さらに、その相互相関関数Φ
p (t)に上記S6におけるサンプリングタイミング差Δ
Tが代入されることにより、その相互相関関数Φp (t)
の最大値を表す相互相関値Φp ( ΔT)が算出される。
るS10乃至S11が実行される。まず、S10では、
サンプリングタイミング差ΔTの変更が終了したか否か
が判断される。すなわち、サンプリングタイミング差Δ
Tが、サンプリング周期TSから1ずらし単位TU を引
いた値である最大タイミング差ΔTmax を越えたか否か
が判断される。このS10の判断が否定されるうちは、
続くS11において、サンプリングタイミング差ΔTに
1ずらし単位TU が加算されることによりサンプリング
タイミング差ΔTが更新された後、前記S6以下が繰り
返し実行される。なお、このS6乃至S11は、TS /
TU 回(TS /TU が整数でない場合は、それ以下の最
大整数値)繰り返される。
は、続く最大値決定手段82に対応するS12におい
て、前記S6乃至S11の繰り返しにおいてサンプリン
グタイミング差ΔTが変更される毎に算出される相互相
関値Φp ( ΔT)のうちの最大値が決定される。
応するS13乃至S14が実行される。まず、S13で
は、上記S12で決定された相互相関値Φp ( ΔT)の
うちの最大値の算出に用いられた第1波形および第2波
形に基づいて、その第1波形の立ち上がり点を第1基準
点s1 とし、その第2波形の立ち上がり点を第2基準点
s2 として、第1基準点s1 から第2基準点s2 までの
時間差が脈波伝播時間DTとして算出される。そして、
続くS14では、前記S5で決定された素子間距離Lお
よび上記S13で算出された脈波伝播時間DTが、前記
式1に代入されて脈波伝播速度PWVが算出される。
脈波伝播速度PWVが表示器58に表示される。そし
て、続くS16では、図示しない停止スイッチから測定
終了信号が供給されたか否かに基づいて、測定終了操作
がされたか否かが判断される。このS16の判断が否定
された場合は前記S1以降が繰り返し実行されるが、肯
定された場合は本ルーチンは終了させられる。なお、上
記S16の判断が否定された場合に、S6以降でなく、
S1以降が繰り返し実行されるのは、体動等により頸動
脈22に対する圧脈波センサ30の位置が変化している
可能性があり、その場合には第1感圧素子列および第2
感圧素子列において最大の脈圧PM を検出する素子が変
化している可能性があるためである。
ング差変更手段76(S10乃至S11)によってサン
プリングタイミング差ΔTが変更される毎に、相互相関
値算出手段80(S9)により、1拍分の第1脈波信号
SM1 と第2脈波信号SM2とがそれぞれ表す第1波形
と第2波形との相互相関値ΦP (ΔT)が算出され、脈
波伝播速度情報算出手段86(S13乃至S14)で
は、その相互相関値ΦP(ΔT)の最大値の算出に用い
られた第1波形および第2波形に基づいて脈波伝播時間
DTおよび脈波伝播速度PWVが算出される。相互相関
値ΦP (ΔT)が最大となる第1波形と第2波形との組
み合わせは、その第1波形および第2波形の形状が相互
に最も近似した波形であり、脈波伝播時間DTおよび脈
波伝播速度PWVは、その相互に最も近似した第1波形
および第2波形に基づいて算出されることから、高速処
理が可能な高価な装置を用いることなく正確な脈波伝播
時間DTおよび脈波伝播速度PWVが算出される。
詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適
用される。
サ30に第1感圧素子列E1および第2感圧素子列E2
が設けられることにより、圧脈波センサ30が第1脈波
センサおよび第2脈波センサの双方の機能を果たしてい
たが、第1脈波センサおよび第2脈波センサはそれぞれ
独立に構成されていてもよい。
生体の体表面26に伝達される圧力振動波を検出する形
式のセンサすなわち圧脈波センサ30であったが、少な
くともいずれか一方のセンサが、生体組織に所定波長の
光を照射し透過光量或いは反射光量の変化から脈波を検
出する光電脈波センサ、指に装着された電極を介してイ
ンピーダンス変化を検出するインピーダンス脈波センサ
であってもよい。また、上流側に装着される脈波センサ
としては、最上流部位すなわち心臓における脈波として
考えることができる心音波形や心電誘導信号を検出する
心音マイクや心電誘導装置が用られてもよい。
0は、生体の頸14に装着されて頸動脈波を検出してい
たが、手首、大腿部、指尖部等、その他の部位に装着さ
れる形式の脈波センサであってもよい。
においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
倍程度である場合に、本来の脈波伝播時間DT’と実際
に測定される脈波伝播時間DTとの違いを説明する図で
ある。
装置の回路構成を説明するブロック線図である。
態を示す図である。
明する拡大図である。
素子の配列状態を説明する図である。
制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図
である。
圧脈波信号SMを例示する図である。
る。
波の立ち上がり部分および第2脈波の立ち上がり部分を
特徴的に示す図である。
E2O と、素子間距離Lとの関係を示す図である。
置の制御作動の要部をさらに具体的に説明するためのフ
ローチャートである。
サ) 76:タイミング差変更手段 80:相互相関値算出手段 82:最大値決定手段 86:脈波伝播速度情報算出手段
Claims (1)
- 【請求項1】 生体の所定部位にそれぞれ装着される第
1脈波センサと第2脈波センサとを備え、該第1脈波セ
ンサから出力される第1脈波信号と該第2脈波センサか
ら出力される第2脈波信号とに基づいて、生体内を脈波
が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度情報を
測定する脈波伝播速度情報測定装置であって、 前記第1脈波センサから出力される第1脈波信号を取り
込むサンプリングタイミングと、前記第2脈波センサか
ら出力される第2脈波信号を取り込むサンプリングタイ
ミングとの相互のサンプリングタイミング差を、予め設
定されたずらし単位毎に変更するタイミング差変更手段
と、 該タイミング差変更手段によりサンプリングタイミング
差が変更される毎に、所定期間分の前記第1脈波信号お
よび前記第2脈波信号とがそれぞれ表す第1波形と第2
波形との相互相関値をそれぞれ算出する相互相関値算出
手段と、 該相互相関値算出手段により、前記サンプリングタイミ
ング差が変更される毎に算出される相互相関値のうち、
最大値を決定する最大値決定手段と、 該最大値決定手段により決定された最大値の算出に用い
られた前記第1波形および第2波形を用い、該第1波形
の所定部位を第1基準点とし、該第2波形の所定部位を
第2基準点とし、該第1基準点と該第2基準点との間の
時間差に基づいて、前記脈波伝播速度情報を算出する脈
波伝播速度情報算出手段とを、含むことを特徴とする脈
波伝播速度情報測定装置。
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JP35303199A JP2001161650A (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | 脈波伝播速度情報測定装置 |
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