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JP2001158869A - 筆記具用油性インキ - Google Patents

筆記具用油性インキ

Info

Publication number
JP2001158869A
JP2001158869A JP2000209961A JP2000209961A JP2001158869A JP 2001158869 A JP2001158869 A JP 2001158869A JP 2000209961 A JP2000209961 A JP 2000209961A JP 2000209961 A JP2000209961 A JP 2000209961A JP 2001158869 A JP2001158869 A JP 2001158869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
oil
based ink
writing
writing instrument
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000209961A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Omatsu
武志 尾松
Hiroshi Inoue
浩 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2000209961A priority Critical patent/JP2001158869A/ja
Priority to TW89118922A priority patent/TWI261608B/zh
Priority to KR10-2000-0054571A priority patent/KR100381848B1/ko
Priority to AT00308145T priority patent/ATE331767T1/de
Priority to DE2000629061 priority patent/DE60029061T2/de
Priority to EP20000308145 priority patent/EP1085064B1/en
Priority to US09/665,984 priority patent/US6406204B1/en
Publication of JP2001158869A publication Critical patent/JP2001158869A/ja
Priority to US10/133,027 priority patent/US6655867B2/en
Priority to KR10-2002-0066492A priority patent/KR100433099B1/ko
Priority to US10/691,730 priority patent/US20040161286A1/en
Pending legal-status Critical Current

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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D10/00Correcting fluids, e.g. fluid media for correction of typographical errors by coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/16Writing inks
    • C09D11/18Writing inks specially adapted for ball-point writing instruments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/16Writing inks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】レベリング性や筆記性を確保しながら、着色剤
の沈降を防止することができ、再分散の必要がない修正
インキを提供する。 【解決手段】着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を含
有し、上記ゲル化剤は上記有機溶剤に対する溶解度(2
0℃)が0.1〜20重量%の溶解性ゲル化剤であり、
インキの粘度は、剪断速度が0.1(1/s)のとき9
00mPa・s以上であり、剪断速度が100(1/
s)のとき250mPa・s以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油性インキに関し、
特に筆記具用に開発された油性インキに関する。さらに
詳細には、本発明は、修正ペン等の修正具、油性ボール
ペン、ペイントマーカー等の用途に適用できるゲル状の
油性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筆記具用油性インキとして、例え
ば、アルミニウム粉顔料を用いたペイントマーカーや、
二酸化チタンを含む修正ペンなどが提供されている。ま
た油性インキは、ペンタイプ、刷毛塗りのボトルタイプ
等、収蔵する容器の構造も様々である。これらの共通点
は、いずれも、インキ自身を攪拌して着色剤を再分散さ
せるため、金属ボールの攪拌子が容器内に内蔵されてい
る事が挙げられる。すなわち、従来のペイントマーカー
や修正ペンは、静置状態で放置した場合にはアルミニウ
ム粉や二酸化チタンなどの着色剤が容器内のインキ中で
沈降し、ペイントマーカーや修正ペンとしての機能を十
分に果たさなくなるため、使用者が容器内の攪拌子を振
ることにより、容器内に沈降分離していた着色剤を再分
散させ、初期の分散状態に回復する必要があった。
【0003】特開平6−264012号は、隠蔽剤とし
ての着色剤の沈降を防止し、系の再分散性を確保するた
めにモンモリロナイト系粘土鉱物を配合した修正液を提
案している。また、特開平7−173417号はフッ素
金雲母を配合した修正液を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの油性
インキ組成物は、静置状態における着色剤の沈降を極力
防止しているとはいうものの、長期間静置した場合にイ
ンキの底部には沈降層を生成することもあり、再分散を
考慮しなければならなかった点で従来の油性インキと変
わるところがない。また特に、粘土鉱物或いはフッ素金
雲母の添加量を一定量以上配合し増粘していくとゲル状
態となって、塗布時に平滑な塗膜が得られないとしてい
る。
【0005】これらの点は、修正ペン等の修正具に限ら
ず、油性ボールペンやペイントマーカー等に用いる油性
インキ組成物にも同様のことがいえるのであって、かか
る分野においても筆記性を確保しながら着色剤の沈降を
防止することができる油性インキの提供が望まれている
ところである。
【0006】また、従来の油性ボールペン、中でも白色
の油性インキを用いたボールペンは、一般の黒色インキ
のボールペンと同様、非常に高沸点な溶剤をインキに使
用しているため、紙等の浸透面に筆記した場合は、見か
け上乾燥するが、このようなインキで非吸収面に筆記し
た場合は乾燥しないという問題がある。また、流動性は
非常に悪く、面に塗る、特に面に厚く塗る用途では実用
性がないのが実情である。
【0007】本発明の目的は、レベリング性や筆記性を
確保しながら、着色剤、中でも二酸化チタン等の隠蔽性
顔料の沈降を防止することができ、再分散、再攪拌を必
ずしも必要としない筆記具用油性インキ、特に修正イン
キを提供するところにある。
【0008】また、本発明の目的は、上記目的に加え
て、紙等の浸透面のみならず非吸収面に筆記した場合で
も、インキの乾燥が早く、またたとえ面に厚く塗る際に
も流動性が良好な筆記具用油性インキ、特に修正インキ
を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
鋭意検討した結果、本発明は、着色剤、樹脂、有機溶剤
及びゲル化剤を含有し、上記ゲル化剤は上記有機溶剤に
対する溶解度(20℃)が0.1〜20重量%の溶解性
ゲル化剤であり、インキの粘度は、剪断速度が0.1
(1/s)のとき700mPa・s以上であり、剪断速
度が100(1/s)のとき500mPa・s以下であ
る筆記具用油性インキを採用した。
【0010】これにより、良好なレベリング性や筆記性
を確保しながら、二酸化チタンやアルミニウム粉顔料等
の着色剤の沈降を防止することができ、必ずしも再分
散、再攪拌をしなくてもよい油性インキを得ることがで
きる。
【0011】本発明にいう溶解性ゲル化剤とは、有機溶
剤(中でも炭化水素系溶剤)に部分的に溶解する性質を
持つ界面活性機能を備えてインキ中で3次元網目構造を
形成しつつ、インキに擬塑性流動性(チキソトロピー
性)を与えるゲル化剤を示すものとして定義される。具
体的には、有機溶剤、中でも炭化水素系溶剤に対する溶
解度(20℃)が0.1〜20重量%、好ましくは0.
1〜14重量%のゲル化剤が好適に用いられる。
【0012】これにより、着色剤、中でも二酸化チタン
等の顔料粒子を3次元網目構造に取り込み、当該顔料粒
子の沈降を抑止する一方で、擬塑性流動性(チキソトロ
ピー性)によってレベリング性や筆記性を発揮すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】インキに擬塑性流動性を与えるゲ
ル化剤としては、ベントナイト等の分散性ゲル化剤もあ
るが、本発明に用いられるゲル化剤は、既述の通り、有
機溶剤に部分的に溶解する界面活性機能を持ってインキ
中で三次元網目構造(ゲル構造)を形成し、着色剤をこ
の三次元網目構造(ゲル構造)に取り込むとともに、他
方、筆記時の剪断力によって粘度低下するゲル化剤であ
る。
【0014】界面活性機能を持つゲル化剤としては、特
定の金属石鹸を例示することができるが、本発明で用い
られるゲル化剤は、特に有機溶剤に対する溶解度(20
℃)が0.1〜20重量%の溶解性ゲル化剤である。す
なわち、有機溶剤に対する溶解度(20℃)が0.1〜
20重量%となる様な極性基と非極性基を有する分子構
造を持ち、かつインキに擬塑性流動性を与えるゲル化剤
でなければならない。このようなゲル化剤の場合、その
三次元構造は、顔料粒子等の着色剤をミセル構造の内部
に取り込んで高粘度状態で分散安定化しているものと推
定される。そして筆記時にインキに剪断力が加わると、
低粘度化して流動化し、レベリング性や筆記性を発揮す
ることができる。
【0015】しかし、インキの粘度が、剪断速度が0.
1(1/s)のとき700mPa・s未満であると、粘
度が低すぎるため、たとえゲル化剤によって3次元網目
構造が形成されても、顔料粒子等の着色剤の取り込みが
安定しないことが原因であると推定されるが、充分な着
色剤の沈降抑止を達成することが困難となり、振盪、再
攪拌によって再分散を必要とする場合が生じる。他方、
インキの粘度が、剪断速度が100(1/s)のとき5
00mPa・sを超えると、筆記時のインキの流動性が
低下し、良好なレベリング性や筆記性を確保することが
困難となる。従って、本発明では、インキの粘度は、剪
断速度が0.1(1/s)のとき700mPa・s以上
であり、剪断速度が100(1/s)のとき500mP
a・s以下とすることが重要である。しかし、上記の点
から、本発明に係るインキの粘度の好適範囲は、剪断速
度が0.1(1/s)のとき900mPa・s以上であ
り、剪断速度が100(1/s)のとき250mPa・
s以下である。
【0016】本発明で示す粘度は、先端が1.0mm径
のボールを60μmの隙間を持たせて保持したペン先を
有する修正ペンを用いて、ボールの回転によってインキ
に剪断力を付与した際の粘度(Pa・s)を基準に示し
ている。なお、本発明で示される粘度は、HAAKE社
製レオメーターRS−75を用い、20℃で、Z20D
INローターをもって測定した値である。このインキの
粘度は、溶解性ゲル化剤によって達成することが望まし
いが、別に粘度調整剤を用いることも可能である。
【0017】このような属性を有する溶解性ゲル化剤で
あれば、本発明において使用することができる。例え
ば、ジベンジリデンソルビトールなどのソルビトール誘
導体、デキストリン脂肪酸エステル、水添ひまし油、
1,2−ヒドロキシステアリン酸、ポリエーテル・エス
テル型界面活性剤系ゲル化剤等を挙げることができる。
最も好適な溶解性ゲル化剤としては、2−エチルヘキサ
ン酸アルミニウムを例示することができる。この2−エ
チルヘキサン酸アルミニウムの場合、インキ中で2−エ
チルヘキサン酸アルミニウム分子同士がアルミニウム金
属の存在に起因して配位結合し、この配位結合された2
−エチルヘキサン酸アルミニウム分子のミセルによる3
次元網目構造(ゲル構造)がインキ中で形成され、この
ゲル構造の中に着色剤が取り込まれて、これが着色剤の
沈降を抑止しているためと推測される。また、この2−
エチルヘキサン酸アルミニウムを配合した油性インキ、
特に修正インキは、上記のミセルによる3次元網目構造
(ゲル構造)に起因していると思われるが、静止粘度は
高いが剪断速度が大きくなるにつれて低粘度化するチキ
ソトロピー性を持っている。
【0018】2−エチルヘキサン酸アルミニウムとして
は、モノソープ型、ジソープ型及びトリソープ型を例示
することができる。本発明ではモノソープ型、ジソープ
型及びトリソープ型の2−エチルヘキサン酸アルミニウ
ムのうちいずれかに特に限定されるものではないが、ジ
ソープ型の2−エチルヘキサン酸アルミニウムを単独又
は主要成分として使用することが好ましい。ジソープ型
の2−エチルヘキサン酸アルミニウムの場合、ジソープ
の分子構造上、油性インキの系においてゲル構造を形成
し易いためと考えられ、モノソープ型及びトリソープ型
と比較して二酸化チタンや着色顔料等の着色剤の分散安
定性が特に優れている。
【0019】溶解性ゲル化剤のインキ組成物中の含有量
は、特に限定されるものではない。例えば、有機溶剤の
含有量や種類など他の配合成分に応じて適宜調整するこ
ともできる。具体的には、メチルシクロヘキサン等の脂
環族炭化水素系溶剤を用いる修正液などの油性インキ組
成物の場合は、2−エチルヘキサン酸アルミニウムなど
のゲル化剤は、インキ全量中0.05〜5重量%配合す
ることが実用上好ましく、最適範囲はインキ全量中0.
1〜3重量%である。2−エチルヘキサン酸アルミニウ
ムなどのゲル化剤をインキ全量中0.05重量%未満配
合した場合は、刷毛塗り性及び筆記性については良好で
あるが、同成分の配合量が少なすぎるため油性インキの
系において網目構造を作り難いことから、着色剤の分散
安定性に乏しく、またチキソトロピー性を発揮し難い。
一方、2−エチルヘキサン酸アルミニウムなどのゲル化
剤をインキ全量中5重量%を超えて配合すると、着色剤
の分散安定性及びチキソトロピー性は発揮されるが、同
成分の配合量が過剰過ぎるため粘度が高くなりすぎ、適
度な刷毛塗り性及び筆記性を得ることが困難となる。
【0020】着色剤としては、特に限定されるものでは
ない。白色及び又は有色の各種の顔料等を用いることが
できる。具体的には、無機顔料、有機顔料、樹脂粒子顔
料、蛍光顔料、光輝性顔料、蓄光顔料、二色性顔料など
を使用することができる。例えば、無機顔料や有機顔料
として、二酸化チタン、アルミニウム粉、真鍮粉や、ア
ルキレンビスメラミン、銅フタロシアニン系顔料、スレ
ン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラ
キノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チ
オインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、
インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などを挙げるこ
とができる。また、光輝性顔料として、ガラスフレーク
顔料、金属被覆顔料などを挙げることができる。またそ
のほか、樹脂粒子顔料として、顔料又は染料により着色
された樹脂粒子顔料などを用いることができる。また、
着色剤として染料(例えば、直接染料、酸性染料、塩基
性染料など)を用いることもできる。これらの着色剤
は、単独で又は混合して使用することができる。
【0021】しかしながら特に、分散安定性に乏しく、
静止状態で容器底部に沈降分離する傾向の強い比重の大
きな二酸化チタンは、本発明を実施する上では最適の着
色剤として用いることができる。二酸化チタンとしては
ルチル型、アナターゼ型等いずれも用いることができる
が、修正液に使用する場合は、隠蔽性の大きなルチル型
の二酸化チタンが特に好ましい。
【0022】本発明の着色剤、中でも二酸化チタンは、
インキ組成物中20〜60重量%配合することが好まし
い。特に修正インキの場合、隠蔽剤となる着色剤はイン
キ全量中30〜60重量%配合することが実用上好まし
く、最適範囲はインキ全量中35〜55重量%である。
隠蔽剤となる着色剤をインキ全量中30重量%未満配合
した場合は、充分な隠蔽効果を得ることが困難となる。
隠蔽剤となる着色剤をインキ全量中60重量%を超えて
配合すると、粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及
び筆記性を得ることが困難となる。その他の着色剤につ
いては、用途に応じ適量を配合すればよい。
【0023】本発明で使用できる樹脂は、有機溶剤への
溶解性、塗膜の形成、被塗布面(筆記面)への密着性或
いは着色剤の分散性を発揮する樹脂、すなわち塗膜形成
樹脂、バインター樹脂、分散樹脂等と称される公知の樹
脂であって、特に2−エチルヘキサン酸アルミニウム等
の溶解性ゲル化剤との相溶性を有する樹脂であれば用い
ることができる。例えば、アルキルフェノール樹脂、ロ
ジン変性樹脂、アルキッド樹脂、アクリル系樹脂、不飽
和熱可塑性樹脂エラストマー、飽和熱可塑性エラストマ
ー、ビニルアルキルエーテル樹脂、環化ゴム、石油樹
脂、テルペン樹脂などを例示することができる。これら
は要求される上記の塗膜物性等に応じて適宜選択して用
いることができ、また1種又は2種以上を混合して用い
ることもできる。
【0024】これらの樹脂の配合量は、限定されるもの
でなく、着色剤の濃度に応じて決定すればよいが、イン
キ全量中3〜30重量%配合することが実用上好まし
く、最適範囲はインキ全量中5〜20重量%である。こ
れらの樹脂をインキ全量中3重量%未満配合した場合
は、着色剤の被塗布面への定着性が低下する。これらの
樹脂をインキ全量中を30重量%を超えて配合すると、
粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及び筆記性が低
下することになる。
【0025】有機溶剤としては、上記樹脂の溶解性及び
塗膜の乾燥性を達成できる公知の有機溶剤を用いること
ができる。例えば、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化
水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水
素系溶剤などの炭化水素系溶剤が使用できるが、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等
のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン系溶剤、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエ
ーテル等のアルコールエーテル系溶剤などの極性溶剤を
使用することもできる。
【0026】しかし、2−エチルヘキサン酸アルミニウ
ムを配合した油性インキ組成物では、有機溶剤として
は、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳
香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤など
の炭化水素系溶剤が好適である。これは、2−エチルヘ
キサン酸アルミニウムのような溶解性ゲル化剤を配合し
た本発明の油性インキ組成物の場合、プロピルアルコー
ル等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン等のケト
ン系溶剤では、既述した様なミセルによる3次元網目構
造(ゲル構造)がインキ中で形成され難いのに対して、
炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭
化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭
化水素系溶剤の場合、上記3次元網目構造(ゲル構造)
が形成され易く、着色剤の沈降分離の抑止効果を十分発
揮することが可能となる。一方、ジベンジリデンソルビ
トールのような溶解性ゲル化剤は、プロピルアルコール
等のアルコール系溶剤やアルコールエーテル系溶剤に上
記3次元網目構造(ゲル構造)が形成され易く、着色剤
の沈降分離の抑止効果を十分発揮することができる。
【0027】2−エチルヘキサン酸アルミニウムのよう
な溶解性ゲル化剤を配合した本発明の油性インキ組成物
の場合は、脂環族炭化水素系溶剤の中でも、特にシクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン、シクロペンタンであれば、筆記線を溶かしにくいこ
と及び乾燥性の面から修正液としては好適な溶剤として
用いられるが、さらに重要なことは、かかる溶剤が2−
エチルヘキサン酸アルミニウムのような溶解性ゲル化剤
に対して3次元網目構造(ゲル構造)を系中でつくりや
すい環境を与える効果も併せ持っている。また脂肪族炭
化水素系溶剤、特にiso−ヘプタン、n−ヘプタン、
iso−オクタン、n−オクタンなども同様である。
【0028】なお、有機溶剤は速乾性有機溶剤が好適で
ある。特に、蒸気圧が少なくとも20mmHg(20℃)、
好ましくは20〜300mmHg(20℃)の速乾性有機溶
剤を用いると、本発明の油性インキ、中でも二酸化チタ
ン等の隠蔽性顔料がインキ組成物中に含まれた本発明の
修正インキの場合、擬塑性流動性がインキに与えられて
いるので、筆記中は流動性があるが筆記後は流動性を失
いつつ直ちに乾燥するので、隠蔽面に直ちに再筆記する
ことができ、修正インキとして好適である。このような
速乾性有機溶剤としては、既述の通り、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シ
クロペンタンのほか、iso−ヘキサン、iso−ヘプ
タン、iso−オクタン、n−オクタンを例示すること
ができるが、速乾性とゲル化剤の擬塑性流動性の点か
ら、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン、シクロペンタン、中でもメチルシクロヘ
キサンが好適である。
【0029】その一方、2−エチルヘキサン酸アルミニ
ウムのような溶解性ゲル化剤を、例えば脂環族炭化水素
系溶剤に溶解するときに、少量のアルコール、特にメチ
ルアルコールやエチルアルコールなどを添加することで
2−エチルヘキサン酸アルミニウムが溶解し易くなる。
すなわち、分子内に極性基と非極性基を持つ溶解性ゲル
化剤は、低極性(乃至非極性)溶剤と極性溶剤を併用す
ることで溶けやすくなる。また、低極性(乃至非極性)
溶剤と極性溶剤を併用することにより、特に2−エチル
ヘキサン酸アルミニウムの様な溶解性ゲル化剤は3次元
網目構造(ゲル構造)を系中でつくりやすい。具体的に
は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコールなどのアルコール系溶剤の配合は、溶解性
ゲル化剤1重量部に対して5重量部までが好適である。
溶解性ゲル化剤1重量部に対して5重量部を超えてアル
コール系溶剤を配合すると、たとえ脂環族炭化水素系溶
剤が含有されていても、2−エチルヘキサン酸アルミニ
ウムのような溶解性ゲル化剤による3次元網目構造(ゲ
ル構造)が形成し難くなる。
【0030】有機溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂
環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲ
ン化炭化水素系溶剤などの炭化水素系溶剤の場合、イン
キ全量中10〜70重量%配合することが実用上好まし
く、最適範囲はインキ全量中30〜60重量%である。
これらの有機溶剤をインキ全量中10重量%未満配合し
た場合は、粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及び
筆記性を得ることが困難となる。一方、これらの有機溶
剤をインキ全量中70重量%を超えて配合すると、着色
剤による隠蔽性が低下し、着色剤を隠蔽剤として用いる
場合はその実用性が悪化する。
【0031】なお、本発明のインキには、塗膜改質のた
めの微細シリカ粉、フロー性を調整するためのプラスチ
ックピグメントのほか、各種の分散剤、界面活性剤など
を添加することができる。
【0032】特に、ノニオン系界面活性剤を含有する本
発明の油性インキの場合、当該界面活性を含有しない油
性インキの比較して、着色剤、特に顔料粒子、中でも二
酸化チタン顔料粒子のインキ中での分散安定性とインキ
の流動性を更に向上することができる。このノニオン系
界面活性剤としては特に限定されないが、高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチ
レンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルが好
ましい。高級アルコールエチレンオキサイド付加物とし
ては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテルを例示することができ
る。アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物とし
ては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテルを例示する
ことができる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソ
ルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、
ソルビタントリオレエートを例示することができる。ま
た、ノニオン系界面活性剤は、インキ全量に対して0.
3〜5重量%含まれていることが望ましい。
【0033】このように、本発明のゲル状の油性インキ
は、すぐれたレベリング性を発揮し、刷毛塗り性や筆記
性を確保しながら、着色剤の沈降を防止することができ
ることから、加圧式及び非加圧式を問わず、油性ボール
ペン、ペイントマーカーのほか、特に修正ペン、刷毛塗
り型修正液等の修正具など、各種の筆記具に用いること
ができる。
【0034】例えば、本発明のゲル状の油性インキは、
図1に示す様な修正ペン1に用いることができる。この
修正ペン1は、インキ収容管11内に擬塑性流動を示す
本発明に係る油性インキ12が収容されている。この油
性インキ12は、本発明の油性インキであればすべて収
容できるのであるが、この実施形態の修正ペン1では特
に隠蔽性白色顔料として二酸化チタンが含まれ、また有
機溶剤として速乾性有機溶剤が含まれている速乾性修正
インキに対して好適に用いられる。図1に示す様に、こ
の修正ペン1のインキ収容管11の一端側のインキ流出
部14には、繊維又はプラスチックからなる棒状体のペ
ン先13が保持された状態で取り付けられている。また
インキ収容管11の有底の他端には当該インキ収容管1
1内を加圧する加圧装置15が取り付けられている。ま
たこの修正ペン1は、油性インキ12中に含まれる速乾
性溶剤の蒸発を防止しペン先13の乾燥を防止する被覆
構造体16が装着されている。なお、本修正ペン1のイ
ンキ収容管11は透明又は半透明の合成樹脂材で構成さ
れている。そして、本実施形態では、従来の修正ペンや
刷毛塗り型修正ボトルとは異なり、インキ収容管11内
には撹拌子が入っていない。
【0035】また例えば、本発明のゲル状の油性インキ
は、図2に示す様な修正ペン2に用いることができる。
この修正ペン2は、外筒20内にインキ収容管21が装
填されており、擬塑性流動を示す本発明に係る油性イン
キ22がこのインキ収容管21内に収容されている。こ
の油性インキ22も、本発明の油性インキであればすべ
て収容できるのであるが、この実施形態の修正ペン2も
特に隠蔽性白色顔料として二酸化チタンが含まれ、また
有機溶剤として速乾性有機溶剤が含まれている速乾性修
正インキに対して好適に用いられる。図2に示す様に、
この修正ペン2のインキ収容管21の一端側のインキ流
出部23には、ボールで構成されたペン先24がソケッ
ト部25に保持されて取り付けられている。またこの修
正ペン2のインキ収容管21内には、インキの逆流防止
と有機溶剤の蒸発防止を図る必要から、上記油性インキ
22と接するようにインキ追従体26が収容されてい
る。このインキ追従体26は、油性インキ22と接する
第1層261とこの第1層261と接する第2層262
で少なくとも構成されている。そして、上記第1層26
1は、ゲル化剤として水溶性高分子を含む水性ゲル状物
質、上記第2層262は難揮発性又は不揮発性の有機液
体で構成されている。本筆記具に収容する油性インキ2
2は、インキの粘度が、剪断速度が0.1(1/s)の
とき700mPa・s以上であり、剪断速度が100
(1/s)のとき250mPa・s以下である擬塑性流
動性を持つ速乾性のゲル状の油性インキであるため、イ
ンキ追従体26は、筆記時に剪断減粘性を伴ってこの油
性インキ22がペン先から流出する際、このインキの流
出に伴って同じく上記粘度変化に基づいて擬塑性流動性
を発揮して当該油性インキに接しながらその流動に追随
し、しかも速乾性有機溶剤の蒸発を抑えながら擬塑性流
動性を発揮することが重要である。かかる点から、本筆
記具では、第1層261として上記の水性ゲル状物質を
用いているのであるが、特に上記の要求を達成するため
には、水性ゲル状物質のゲル化剤として、ザンサンガ
ム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグリカン、
ジェランガム等の糖類、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースと等のセルロース類、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成
水溶性高分子等どを用いることが好適である。また、上
記要求を更に十分確保する上から、本筆記具では、第1
層261と接する第2層262を少なくとも設け、この
第2層262を難揮発性又は不揮発性の有機液体又は、
有機液体をゲル化したもので構成しているのであるが、
この有機液体としては、シリコーンオイルのほか、ポリ
ブテン等を好適に用いることができる。またさらに、本
実施形態の場合、特に速乾性の有機溶剤を含む油性イン
キを用いているため、インキの乾燥防止乃至有機溶剤の
蒸発防止を確保するべく、図2に示す様に、ボールのペ
ン先24にはインキの流出方向にバネの付勢を与えてお
り、かつキャップ3の内底部には、このペン先24のボ
ールが上記バネの付勢で弾発的に密着する弾性体31が
備えられている。弾性体31としては、例えばホットメ
ルト、シリコーンボール、ゴムキャップ等を用いること
ができる。なお、26は、インキ収容管21内の油性イ
ンキ22をペン先24方向に導出するインキ流出路であ
るが、本筆記具にはこのインキ流出路26内に逆流防止
弁が設けられている。また、本筆記具には、図2に示す
様に、インキ収容管21の他端部に当該インキ収容管2
1の内部に逆流防止体27を装填している。さらに、こ
のインキ収容管21の他端部側の外筒体20の端部に
は、乾燥防止剤28が内装されている。乾燥防止剤28
としては例えば速乾性溶剤をゲル化させたグリース状物
質が好ましい。なお、29はインキ追従体26の内部に
設定されたフロートである。なお、本修正ペン2のイン
キ収容管21及び外筒20も、前記実施形態と同様に、
透明又は半透明の合成樹脂材で構成されている。そし
て、本実施形態も、従来の修正ペンや刷毛塗り型修正ボ
トルとは異なり、インキ収容管21内には撹拌子が入っ
ていない攪拌・振盪不要型の修正ペンである。
【0036】上記の様な修正ペンであれば、いずれも、
分散安定性に優れたゲル状の油性インキが収容されてい
るので、従来の修正ペンや刷毛塗り型修正ボトルとは異
なり、振盪乃至撹拌子で攪拌しなくても、そのままイン
キを流出させて筆記することができる。また、筆記を停
止すると、流出インキは流動性を失いつつ直ちに乾燥す
ることから、紙面等に厚く塗っても、インキが流れた
り、滲んだり、また塗膜の先が太くなる等の問題はな
く、レベリング性や再筆記性が格別優れている。また、
本発明の油性インキは、分散安定性が優れた擬塑性流動
体であるので、二酸化チタンなどの着色剤の分離沈降を
阻止することができるため、透明乃至半透明のインキ収
容管乃至外筒に油性インキを収容することができ、外観
上の見栄え等の商品価値も良好であるほか、筆記具外部
からインキ残量が視認できる利点がある。
【0037】なお、本発明の油性インキは上記の修正ペ
ンに限定して適用されるものではない。例えば、ペン先
の形状乃至構造もボールや棒状体(チップ含む)だけで
なく、円柱体(ローラー)であっても適用することがで
きる。またボール、棒状体、及び円柱体から選ばれるペ
ン先構造体を複数個保持させたペン先を持つ筆記具にも
適用することができる。また、本発明では、インキの乾
燥防止及び有機溶剤の蒸発防止手段として、上記実施形
態の態様の以外で、ペン先を含めインキ流出部の構造体
に対してこれに密着する密着手段であればすべて含まれ
る。また、インキ収容管や外筒は、上記実施形態の場
合、透明又は半透明の合成樹脂材で構成しているが、透
明又は半透明のガラス材や、不透明の合成樹脂材やガラ
ス材等の各種の材質を用いることも勿論可能である。ま
た、インキ収容管は、上記実施形態の様に、有底であっ
ても、またレフィールタイプの様に無底であっても差し
支えない。
【0038】また上記実施形態では、修正ペンとして構
成しているが、ペイントマーカーや油性ボールペンにも
適用することができるほか、刷毛塗りのボトルタイプの
修正具にも適用することができる。なお、速乾性有機溶
剤を含む本発明の油性インキの場合は、油性インキを閉
塞空間において収容し得る構造の修正ペン、ペイントマ
ーカーや油性ボールペンに適用することが最も好まし
い。
【0039】
【実施例】(実施例1)表の配合組成により実施例1の
油性インキを試作した。まず、有機溶剤のメチルシクロ
ヘキサンに、樹脂を加熱溶解せしめた後、溶解性ゲル化
剤の溶解助剤としてアルコールを添加し、次に溶解性ゲ
ル化剤を添加し、ディゾルバーで充分に攪拌して溶解せ
しめ、溶解性ゲル化剤を含む樹脂液を用意した。
【0040】次に、着色剤である二酸化チタン又はアル
ミニウム粉顔料と上記樹脂液を混合し、十分に混練した
後、公知の分散機を用いて分散処理を行って、所定の油
性インキを得た。なお、表の配合はいずれも「重量部」
により示している。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表中、 ・二酸化チタンAは、チタン工業社製、商品名:クロノ
スKR−270、二酸化チタンBは、チタン工業社製、商品
名:クロノスKR−380N、二酸化チタンCは、石原産業社
製、商品名:R−930、 ・アルミニウム粉顔料は、エカルトベルケ社製、商品
名:ハイドロラックBGHクロムX、 ・2−エチルヘキサン酸アルミニウムは、ホープ製薬社
製、商品名:オクトープAl−A ・アルキルフェノール樹脂は、荒川化学社製、商品名:
タマノル510、 ・ロジン変性フェノール樹脂は、荒川化学社製、商品
名:タマノル135、 ・アルキッド樹脂は、荒川化学社製、商品名:アラキー
ド6701-60、 ・ノニオン系界面活性剤Aは、花王社製、商品名:レオ
ドールSP-O10、ノニオン系界面活性剤Bは、花王社製、
商品名:エマルゲン105、
【0044】なお、表中、有機溶剤に対する溶解性ゲル
化剤の溶解度(20℃)は、メチルシクロヘキサン及び
エチルアルコールに対する各溶解性ゲル化剤の溶解度
(重量%)を示しており、溶解度が大きければ溶解性ゲ
ル化剤が溶剤に溶解し易いことを示しており、また比較
例5の様に溶解度が0の場合は、溶解性ゲル化剤が溶剤
に溶解せずに分散していることを示している。また、表
中、粘度は、先端が1.0mm径のボールを60μmの
隙間を持たせて保持したペン先を有する前記図2に示す
修正ペンを用いて、ボールの回転によってインキに剪断
力を付与した際の粘度(mPa・s)を基準に示してい
る。
【0045】次に、実施例1〜4及び比較例1〜5の油
性インキをガラスビンに移し、室温及び40℃における
静置保存性(分散安定性)を経時的に評価した。各評価
項目は下記の通りであり、表中では(上層濃度/下層の
沈降量)で評価している。 (上層濃度)ガラスビンに入った油性インキの上層成分
(上澄み)をスポイトで抜き取り、黒画用紙に塗布して
評価した。Iは評価の初期状態と同等、IIは同初期状態
と比較して簿くなっている状態、IIIは全く出ていない
状態を意味している。 (下層の沈降量)ガラスビンに入った油性インキの下層
成分をスパチュラですくい取ったときのケーキの量で相
対的に評価した。Iはほとんどない、IIはふつう、IIIは
多いことを意昧する。
【0046】また、実施例5〜9及び比較例6〜8の油
性インキについても、室温及び40℃における静置保存
性(分散安定性)を経時的に評価し、上層から下層に至
るまでのインキについて外観全体を観察した。表中、I
は評価の初期状態と同等、IIは同初期状態と比較して沈
降が見られる、IIIははっきりと沈降が見られることを
示している。
【0047】次に、表中、インキの流動性(インキの流
出量)は、各実施例及び各比較例の油性インキを、先端
の直径が0.5mm、1.0mm、1.5mmのボール
をそれぞれ30μm、60μm、90μmの隙間で保持
したペン先を有する前記図2に示す修正ペンのインキ収
容管内に入れ、それぞれ黒画用紙上において実際に筆記
して、それぞれ官能評価した。Iは優れている、IIは良
好、IIIは良好でなかったことを示している。
【0048】また、表中、レベリング性、筆記性及び塗
膜の乾燥性の評価は、各実施例及び各比較例の油性イン
キを、先端が1.0mm径のボールを保持したペン先を
有する前記図2に示す修正ペンのインキ収容管内に入
れ、黒画用紙上において実際に筆記して、それぞれ官能
評価した。それぞれIは良好、IIは良好でなかったこと
を示している。
【0049】なお、上記の各種評価にあたって用いた修
正ペンは、いずれも図2に示した構造のものであって、
いずれもステンレス製のボールペンチップ(ボールの材
質:超硬合金)を用いている。
【0050】表より、実施例のインキは、インキの流動
性、分散安定性、レベリング性、筆記性、及び乾燥性の
いずれにおいても良好であった。特に、ノニオン性界面
活性剤を更に配合した実施例5〜9の油性インキの場
合、ノニオン性界面活性剤を配合していないインキと比
較して、たとえ樹脂成分量を少なくした場合でも、前記
ノニオン性界面活性剤の効果によって、インキの流動性
と分散安定性が大きく向上していることが認められる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、上述の通り、油性インキ、特
に修正インキの場合、良好なレベリング性を発揮し、刷
毛塗り性や筆記性を確保しながら、着色剤の沈降を防止
することができる。従って、本発明は、必ずしも再分
散、再攪拌しなくても対応することができる修正ペンを
提供することができる。また、特に、二酸化チタンなど
の隠蔽性顔料と速乾性有機溶剤を含有する擬塑性流動性
を持った油性インキの場合、紙面上等において筆記をや
めると流動性を失いつつ直ちに乾燥するため、厚塗りを
しても平坦な再筆記面が現れる点で、きわめて優れた修
正インキとすることができる。従って、本発明の油性イ
ンキ組成物は、修正インキに好適に用いられるが、さら
に油性ボールペン用インキ、ペイントマーカー用インキ
にも同様にして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る修正ペンの一実施形態を示す概略
断面図である。
【図2】同他実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 修正ペン 11 インキ収容管 12 油性インキ 2 修正ペン 21 インキ収容管 22 油性インキ 26 インキ追従体 261 第1層 262 第2層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 161/00 10/00 167/08 161/00 193/04 167/08 201/00 193/04 B43K 7/02 B 201/00 8/02 F Fターム(参考) 2C350 GA03 GA04 HA00 KC01 KC16 NA10 NA11 NA19 NC09 4J038 BA012 BA092 BA231 CB122 CE022 CG032 DA041 DD121 DL032 HA216 JA01 JA02 JA17 JA27 JA28 JA47 JA55 JA57 KA03 KA06 KA08 KA09 MA10 MA15 NA26 PB12 4J039 AB01 AB04 AD10 AD15 AD18 AD23 AE02 AE06 AE07 AF01 AF07 BA13 BA32 BA35 BC01 BC02 BC07 BC12 BC19 BC20 BE01 BE12 BE22 BE23 CA07 EA10 EA29 EA44 EA48 GA26 GA27

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を
    含有し、上記ゲル化剤は上記有機溶剤に対する溶解度
    (20℃)が0.1〜20重量%の溶解性ゲル化剤であ
    り、インキの粘度は、剪断速度が0.1(1/s)のと
    き700mPa・s以上であり、剪断速度が100(1
    /s)のとき500mPa・s以下である筆記具用油性
    インキ。
  2. 【請求項2】 インキの粘度は、剪断速度が0.1(1
    /s)のとき900mPa・s以上であり、剪断速度が
    100(1/s)のとき250mPa・s以下である筆
    記具用油性インキ。
  3. 【請求項3】 着色剤が二酸化チタンを含む請求項1又
    は2記載の筆記具用油性インキ。
  4. 【請求項4】 二酸化チタンがインキ全量に対して20
    〜60重量%含まれている請求項3記載の筆記具用油性
    インキ。
  5. 【請求項5】 ゲル化剤が2−エチルヘキサン酸アルミ
    ニウムである請求項1乃至4のいずれかの項に記載の筆
    記具用油性インキ。
  6. 【請求項6】 ゲル化剤がジソープ型の2−エチルヘキ
    サン酸アルミニウムである請求項1乃至4のいずれかの
    項に記載の筆記具用油性インキ。
  7. 【請求項7】 ゲル化剤がインキ全量に対して0.05
    〜5重量%含まれている請求項1乃至6のいずれかの項
    に記載の筆記具用油性インキ。
  8. 【請求項8】 有機溶剤が炭化水素系溶剤である請求項
    1乃至7のいずれかの項に記載の筆記具用油性インキ。
  9. 【請求項9】 有機溶剤が、少なくとも20mmHg(20
    ℃)の蒸気圧を有する速乾性有機溶剤である請求項1乃
    至8のいずれかの項に記載の筆記具用油性インキ。
  10. 【請求項10】 有機溶剤がメチルシクロヘキサンであ
    る請求項8又は9記載の筆記具用油性インキ。
  11. 【請求項11】 有機溶剤がインキ全量に対して10〜
    70重量%含まれている請求項8乃至10のいずれかの
    項に記載の筆記具用油性インキ。
  12. 【請求項12】 樹脂が、アルキルフェノール樹脂、ロ
    ジン変性樹脂及びアルキッド樹脂の少なくともいずれか
    から選ばれる請求項1乃至11のいずれかの項に記載の
    筆記具用油性インキ。
  13. 【請求項13】 樹脂がインキ全量に対して3〜30重
    量%含まれている請求項1乃至12のいずれかの項に記
    載の筆記具用油性インキ。
  14. 【請求項14】 さらに、ノニオン系界面活性剤を含有
    する請求項1乃至13のいずれかに記載の筆記具用油性
    インキ。
  15. 【請求項15】 ノニオン系界面活性剤が、高級アルコ
    ールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエ
    チレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルの
    いずれかから選ばれる請求項14記載の筆記具用油性イ
    ンキ。
  16. 【請求項16】 ノニオン系界面活性剤が、インキ全量
    に対して0.3〜5重量%含まれている請求項14又は
    15記載の筆記具用油性インキ。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16のいずれかの項に記
    載の油性インキが収容された筆記具。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至16のいずれかの項に記
    載の油性インキがインキ収容管内に収容され、インキ収
    容管の一端側のインキ流出部にはペン先が取り付けられ
    ており、上記インキ収容管内には上記油性インキと接す
    るようにインキ追従体が収容され、当該インキ追従体
    が、油性インキと接する第1層とこの第1層と接する第
    2層で少なくとも構成されており、上記第1層は水性ゲ
    ル状物質、上記第2層は難揮発性又は不揮発性の有機液
    体である請求項17記載の筆記具。
  19. 【請求項19】 水性ゲル状物質は、ゲル化剤として水
    溶性高分子を含有している請求項18記載の筆記具。
  20. 【請求項20】 水溶性高分子が糖類である請求項19
    記載の筆記具。
  21. 【請求項21】 筆記具が、ペン先のインキ流出部にボ
    ール、ローラー、棒状体の少なくともいずれかを保持し
    てなる請求項17乃至20のいずれかに記載の修正ペ
    ン。
  22. 【請求項22】 外部からインキが視認できる容器を備
    えた請求項21記載の修正ペン。
  23. 【請求項23】 振盪乃至攪拌することなく誤字の上に
    筆記して誤字を隠蔽する請求項21又は22記載の修正
    ペンの使用方法。
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