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JP2001151828A - 変性エチレン重合体 - Google Patents

変性エチレン重合体

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Publication number
JP2001151828A
JP2001151828A JP33305499A JP33305499A JP2001151828A JP 2001151828 A JP2001151828 A JP 2001151828A JP 33305499 A JP33305499 A JP 33305499A JP 33305499 A JP33305499 A JP 33305499A JP 2001151828 A JP2001151828 A JP 2001151828A
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ethylene
ethylene polymer
group
compound
polymer
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JP33305499A
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Shuji Yahiro
修二 八尋
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F255/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00
    • C08F255/02Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00 on to polymers of olefins having two or three carbon atoms

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  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 エチレン単独重合体、又はエチレンと炭
素原子数が3〜20のα−オレフィンの共重合体であっ
て (A)190℃における2.16kg荷重でのメルトイ
ンデックスが0.3〜20g/10分 (B)密度が0.920g/cm3以上 (C)ゲルパメーションクロマトグラフィーで測定した
分子量分布が3〜4.5 (D)重合体中の末端ビニル基量が1000ヶ炭素あた
り0.005ヶ未満の関係を満たすエチレン重合体に極性モ
ノマーがグラフトされてなる変性エチレン重合体。 【効果】 本発明の特定のエチレン単独、又はエチレン
とα−オレフィンに極性モノマーをグラフトさせた変性
エチレン重合体は、変性工程での製造上の問題も無く、
金属又は極性物質との接着性にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定のエチレン重合
体に極性モノマーがグラフトされてなる変性エチレン重
合体に関する。さらに詳しくは特定のエチレン重合体を
用いることにより、押出し機内での極性モノマーのグラ
フト反応時において変性エチレン重合体の溶融粘度の低
下が少なく且つ目やにも少ない。又金属又は極性物質と
の接着性にも優れた変性エチレン重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在ポリエチレンはその優れた特性によ
り、各種用途に用いられている。しかしながらポリエチ
レンは分子中に極性基を有しておらず金属、および各種
の極性物質との親和性が乏しいという問題があった。こ
の課題を解決するために、ポリエチレンに極性モノマー
をグラフトさせポリエチレンに極性基を付与する方法が
広く用いられている。
【0003】しかし従来のチーグラーナッター触媒から
製造されるポリエチレンに極性モノマーをグラフトさせ
た場合には種々の問題が生ずる。例えば該ポリエチレン
に極性モノマーをグラフトすると、変性後のエチレン重
合体の流動性が著しく低下するという問題がある。又該
従来ポリエチレンは低分子量成分が多くしかもコモノマ
ーがより低分子量成分に挿入されており、この為に極性
モノマーが低分子量成分に優先的にグラフトされる為接
着性等において重要な高分子量成分に極性モノマーがグ
ラフトされていないという問題があるし、特に低分子量
成分の変性体は押出し時の目やにの原因となるという問
題があった。
【0004】最近メタロセン触媒から製造されたポリエ
チレンをグラフト変性体に適用する試みがある。特開平
9−3138公報 にはメタロセン触媒を用いたエチレ
ン重合体が開示されているが、この場合にもグラフト時
のポリエチレンの流動性低下が大きく変性体のメルトイ
ンデックスのコントロールが困難であるし、変性エチレ
ン重合体中にも多量の未溶融ゲルが発生する。特開平9
―3137にはメタロセン触媒を用いた狭い分子量分布
の変性エチレン重合体が開示されているが、この場合分
子量分布が狭すぎるためグラフト反応体の製造時の押し
出し負荷が高く、又得られた変性エチレン重合体もメル
トフラクチャー等の問題を生ずるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】グラフト変性時にエチ
レン重合体の溶融粘度の低下が少なく押出し時の目やに
も少なく、金属又は極性物質との接着性にも優れた変性
エチレン重合体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、特定のエチレン重合体を用い極性モノマーをグラ
フト変性した場合、変性時のエチレン重合体の溶融粘度
の低下且つ目やにも少なく、得られた変性エチレン重合
体は金属又は極性物質との接着性にも優れていることを
見いだした。
【0007】すなわち本発明は、エチレン重合体がエチ
レン単独重合体、又はエチレンと炭素原子数が3〜20
のα−オレフィンの共重合体であって (A)190℃における2.16kg荷重でのメルトイ
ンデックス(MI)が0.3〜20g/10分 (B)密度が0.920g/cm3以上 (C)ゲルパメーションクロマトグラフィー(GPC)
で測定した分子量分布が、3〜4.5 (D)重合体中の末端ビニル基量が1000ヶ炭素あた
り0.005ヶ未満の関係を満たすエチレン重合体に極
性モノマーがグラフトされてなる変性エチレン重合体で
ある。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明で用
いる特定のエチレン重合体は、エチレン単独重合体、又
はエチレンと炭素数3〜20、好ましくは4〜20のα
−オレフィンとの共重合体である。炭素数3〜20のα
−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、テト
ラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、
エイコセン−1などが使用できる。さらに、ビニルシク
ロヘキサンあるいはスチレンおよびその誘導体などのビ
ニル化合物も使用できる。特にブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1が好ましい。
【0009】これらα−オレフィンの挿入量はエチレン
重合体の密度が0.92g/cm3以上、好ましくは
0.925g/cm3〜0.96g/cm3の範囲となる
量である。ここでの密度はメルトインデックス測定時に
得られるストランドを、120℃で1時間熱処理し、さ
らに室温で1時間放冷した後に、密度勾配管で測定した
ものである。密度が0.92g/cm3未満の場合、エ
チレン重合体の分子量分布が狭くなり変性時の押出し負
荷が上がり、低密度化による低融点成分増加により押出
しの際に多量の目やにが発生する。又得られた変性エチ
レン重合体もメルトフラクチャー等を発生しやすくな
る。
【0010】本発明で用いるエチレン単独重合体又はエ
チレンとα−オレフィンとの共重合体の190℃におけ
る2.16kg荷重でのメルトインデックスは0.3〜
20g/10分、好ましくは0.8〜10g/10分、
さらに好ましくは1〜5g/10分の範囲である。メル
トインデックスが0.3g/10分未満の場合グラフト
時の押出し負荷が高くなり押し出し困難である。20g
/10分を越える場合には変性エチレン重合体の接着性
が不良となる。
【0011】本発明で用いるエチレン単独又はエチレン
とα−オレフィンとの共重合体においては分子量分布
(Mw/Mn)は3〜4.5、好ましくは3〜4であ
る。分子量分布はWaters社製150−C,ALC
/GPC、カラムとしてはShodex社製AT−80
7Sと東ソー社製TSK−gelGMHーH6を直列に
して用い、溶媒に10ppmのイルガノックス1010
(商品名)を含むトリクロロベンゼンをもちいて、14
0℃で測定する。尚標準物質として市販の単分散のポリ
スチレンを用い、検量線を作成する。分子量分布が上記
範囲未満である場合、変性時の押し出し負荷が上がり、
得られた変性エチレン重合体もメルトフラクチャーを生
じやすくなる。
【0012】又分子量分布が上記範囲を越える場合は得
られた変性エチレン重合体の接着性が低下するし、グラ
フト変性時においても多量の目やにが発生する。上記目
やに発生の一つの目安としては、エチレン重合体の溶融
特性が以下の場合に少ない。つまり190℃におけるず
り応力2.4×105Paに到達するときのずり速度で定
義される流動性インデックス(FI)とメルトインデッ
クス(MI)とがFI<75×MIの関係を満たす場合であ
る。FI測定においては東洋精機製作所製キャピログラ
フ1C、キャピラリーL8mm,D2.0mmを用い190℃
で、せん断速度を変化させ2.4×105Paに到達する
ときのずり速度(sec-1)を測定する。
【0013】又本発明においてもちいられる特定のエチ
レン重合体中の末端ビニル基は1000ヶ炭素あたり0.
005ヶ未満である。この末端ビニル基量が上記範囲を越
える場合には、グラフト変性時における押出し機内反応
で、エチレン重合体の溶融粘度の低下が大きくなり、変
性エチレン重合体のメルトインデックスのコントロール
が困難である。又変性エチレン重合体中に高分子成分が
発生し多量の未溶融ゲルが発生するという問題がある。
末端ビニル基量は厚み0.5mm程度の熱プレスシートを作
成し、赤外共鳴吸収法(IR)により910cm-1の吸
光度(A910)を求め次式により求める。ここでρは密度
(g/cm3)、tはフイルムの厚さ(mm)である。 末端ビニル基量(ヶ/1000炭素)=0.114×A910
×t
【0014】次に(A)から(D)の特性を有するエチ
レン単独重合体、又はエチレンとα−オレフィン共重合
体の製造方法について述べる。本発明で用いるエチレン
単独、共重合体は、例えば(ア)担体物質、(イ)有機
アルミニウム化合物、(ウ)環状η結合性アニオン配位
子を有する遷移金属化合物、及び(エ)該環状η結合性
アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒
活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤から調整され
た担持触媒を用いて、エチレンを単独重合して、または
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合
して得られる。
【0015】担体物質(ア)としては、有機担体、無機
担体のいずれであってもよい。有機担体としては、好ま
しくは(1)炭素数2〜10のα−オレフィンの(共)
重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、(2)芳香族不飽和炭化水素
重合体、例えば、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体および(3)極性基含有重合体、例え
ば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリルニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0016】無機担体としては、(4)無機酸化物、例
えば、SiO2、Al22、MgO、TiO2、B23
CaO、ZnO、BaO、ThO、SiO2−MgO、
SiO2−Al23、SiO2−MgO、SiO2−V2
5等、(5)無機ハロゲン化合物、例えば、MgCl
2 、AlCl3 、MnCl2等、(6)無機の炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、例えば、Na2CO3 、K2CO3
、CaCO3 、MgCO3、Al2(SO43 、B
aSO4 、KNO3 、Mg(NO32等、(7)水酸
化物、例えば、Mg(OH)2、Al(OH)3、Ca(O
H)2等が例示される。最も好ましい担体物質はシリカ
である。
【0017】担体の粒子径は任意であるが一般的には1
〜3000μm、好ましくは5〜2000μm、さらに
好ましくは10〜1000μmの範囲である。上記担体
物質は必要に応じて(イ)有機アルミニウム化合物で処
理される。好ましい有機アルミニウム化合物の例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのアルキルアルミニウム;、ジエチルアルミ
ニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノク
ロリド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチル
アルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
アルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジメチルアルミニュウトリメチルシロ
キシド、ジメチルアルミニウムフェノキシドなどのアル
ミニウムアルコキシド、メチルアルモキサン、エチルア
ルミキサン、イソブチルアルミキサン、メチルイソブチ
ルアルモキサンなどのアルモキサン等が挙げられる。こ
れらのうちでトリアルキルアルミニウム、アルミニウム
アルコキシドなどが好ましい。最も好ましくはトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウムである。
【0018】本発明の担持触媒は、(ウ)環状η結合性
アニオン配位子を有する遷移金属化合物(本発明に於い
て、以下単に『遷移金属化合物』と称することがある)
を含む。本発明の遷移金属化合物は、例えば以下の一般
式(1)で表すことができる。
【0019】
【化1】 式中Mは1つ以上の配位子Lとη5結合をしている酸化
数+2、+3又は+4の長周期型周期律表第4族遷移金
属である。
【0020】また、Lは環状η結合性アニオン配位子で
あり、各々独立に、シクロペンタジエニル基、インデニ
ル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テ
トラヒドロフルオレニル基、またはオクタヒドロフルオ
レニル基であり、これらの基は20個までの非水素原子
を含む炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素
基、アミノヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ
基、ジヒドロカルビルアミノ基、ヒドロカルビルフォス
フィノ基、シリル基、アミノシリル基、ヒドロカルビル
オキシシリル基及びハロシリル基から各々独立に選ばれ
る1乃至8の置換基を任意に有していてもよく、さらに
は2つのLが20個までの非水素原子を含むヒドロカル
バジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレン
オキシ、ヒドロカルビレンアミノ、シラジイル、ハロシ
ラジイル、アミノシラン等の2価の置換基により結合さ
れていてもよい。
【0021】Xは各々独立に、60までの非水素性原子
を有する、1価のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価
で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、又はM及
びLに各々1価ずつの価数で結合する2価のアニオン性
σ結合型配位子である。X’は各々独立に、炭素数4乃
至40からなる、フォスフィン、エーテル、アミン、オ
レフィン、及び/又は共役ジエンから選ばれる中性ルイ
ス塩基配位性化合物である。
【0022】また、lは1又は2の整数である。pは
0、1又は2の整数であり、Xが1価のアニオン性σ結
合型配位子またはM及びLに各々1価ずつの価数で結合
する2価のアニオン性σ結合型配位子である時pはMの
形式酸化数よりl以上少なく、またXがMと2価で結合
する2価のアニオン性σ結合型配位子である時pはMの
形式酸化数よりl+1以上少ない。またqは0、1また
は2である。遷移金属化合物としては、上記一般式
(1)でl=1の場合が好ましい。例えば、遷移金属化
合物の好適な例は、以下の一般式(2)で表される。
【0023】
【化2】
【0024】式中Mは形式酸化数+2、+3または+4
のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムである。ま
た、R3各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲ
ルミル基、シアノ基、ハロゲン、またはこれらの複合基
であり、各々20までの非水素原子を有することがで
き、また近接するR3同士が相俟ってヒドロカルバジイ
ル、シラジイルまたはゲルマジイル等の2価の誘導体を
形成して環状となっていてもよい。
【0025】X”は各々独立にハロゲン、炭化水素基、
ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基、ま
たはシリル基であり、各々20までの非水素原子を有し
ており、また2つのX”が炭素数5乃至30の中性の共
役ジエン若しくは2価の誘導体を形成してもよい。Yは
−O−、−S−、−NR*−、−PR*−であり、ZはS
iR* 2、CR* 2SiR* 2SiR* 2、CR* 2CR* 2、CR
*=CR*、CR* 2SiR* 2またはGeR* 2であり、ここ
でR*は各々独立に炭素数1乃至12のアルキル基また
はアリール基である。また、nは1乃至3の整数であ
る。さらに、遷移金属化合物としてより好適な例は、以
下の一般式(3)及び(4)で表される。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】式中R3は各々独立に、水素、炭化水素
基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、また
はこれらの複合基であり、各々20までの非水素原子を
有することができる。また、Mは、チタニウム、ジルコ
ニウムまたはハフニウムである。Z、Y、X及びX*
前出の定義と同じである。pは0、1または2であり、
またqは0または1である。
【0029】但し、pが2でqが0の時、Mの酸化数は
+4であり且つXはハロゲン、炭化水素基、ヒドロカル
ビルオキシ基、ジヒドロカルビルアミド基、ジヒドロカ
ルビルフォスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、
シリル基またはこれらの複合基あり、20までの非水素
原子を有している。また、pが1でqが0の時、Mの酸
化数が+3であり且つXがアリル基、2−(N,N−ジ
メチルアミノメチル)フェニル基または2−(N,N−
ジメチル)−アミノベンジル基から選ばれる安定化アニ
オン配位子であるか、若しくはMの酸化数が+4であり
且つXが2価の共役ジエンの誘導体であるか、あるいは
MとXが共にメタロシクロペンテン基を形成している。
【0030】また、pが0でqが1の時、Mの酸化数は
+2であり且つX’は中性の共役あるいは非共役ジエン
であって任意に1つ以上の炭化水素基で置換されていて
もよく、また該X’は40までの炭素原子を含み得、M
とπ型錯体を形成している。さらに、本発明において、
遷移金属化合物として最も好適な例は、以下の一般式
(5)及び(6)で表される。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】式中R3は各々独立に、水素または炭素数
1乃至6のアルキル基である。また、Mはチタニウムで
あり、Yは−O−、−S−、−NR*−、−PR*−であ
り、ZはSiR* 2、CR* 2、SiR* 2SiR* 2、CR* 2
CR* 2、CR*=CR*、CR* 2SiR* 2またはGeR* 2
であり、ここでR*は各々独立に水素、或いは、炭化水
素基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化
アルキル基、ハロゲン化アリール基またはこれらの複合
基であり、該R*は20までの非水素原子を有すること
ができ、また必要に応じてZ*中の2つのR*どうし、ま
たはZ*中のR*とY中のR*とが相俟って環状となって
いてもよい。
【0034】pは0、1または2であり、qは0または
1である。但し、pが2でqが0の時、Mの酸化数は+
4であり且つXは各々独立にメチル基またはベンジル基
である。また、pが1、qが0の時、Mの酸化数が+3
であり且つXが2−(N,N−ジメチル)アミノベンジ
ルであるか、あるいはMの酸化数が+4であり且つXが
2−ブテン−1,4−ジイルである。また、pが0でq
が1の時、Mの酸化数は+2であり且つX’は1,4−
ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタ
ジエンである。前記ジエン類は金属錯体を形成する非対
称ジエン類を例示したものであり、実際には各幾何異性
体の混合物である。
【0035】また、本発明のメタロセン系触媒は、
(エ)遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯
体を形成可能な活性化剤(本発明において以下単に『活
性化剤』と称することがある)を含む。通常、メタロセ
ン系触媒に於いては、遷移金属化合物と上記活性化剤に
より形成される錯体が、触媒活性種として高いオレフィ
ン重合活性を示す。本発明において、活性化剤として
は、例えば以下の一般式(7)で定義される化合物が挙
げられる。
【0036】
【化7】
【0037】但し、式中[L−H]d+はプロトン付与性
のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基であ
る。また、式中[MmQp]d-は相溶性の非配位性アニ
オンであり、Mは周期律表第5族乃至第15族から選ば
れる金属又はメタロイドであり、Qは各々独立にヒドリ
ド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキサイド
基、アリロキサイド基、炭化水素基、炭素数20までの
置換炭化水素基であり、またハライドであるQは1個以
下である。また、mは1乃至7の整数であり、pは2乃
至14の整数であり、dは1乃至7の整数であり、p−
m=dである。本発明で、活性化剤のより好ましい例は
以下の一般式(8)で定義される化合物である。
【0038】
【化8】
【0039】但し、式中[L−H]+はプロトン付与性
のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基であ
る。また、式中[MmQn(Gq(T−H)r)z]d-
は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期律表第5
族乃至第15族から選ばれる金属又はメタロイドであ
り、Qは各々独立にヒドリド、ジアルキルアミド基、ハ
ライド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、炭化水
素基、炭素数20までの置換炭化水素基であり、またハ
ライドであるQは1個以下である。
【0040】また、GはM及びTと結合するr+1の価
数を持つ多価炭化水素基であり、TはO、S、NR、又
はPRであり、ここでRはヒドロカルビル、トリヒドロ
カルビルシリル基、トリヒドロカルビルゲルマニウム
基、若しくは水素である。また、mは1乃至7の整数で
あり、nは0乃至7の整数であり、qは0又は1の整数
であり、rは1乃至3の整数であり、zは1乃至8の整
数であり、dは1乃至7の整数であり、n+z−m=d
である。
【0041】活性化剤のさらに好ましい例は、以下の一
般式(9)で表される。
【0042】
【化9】
【0043】但し、式中[L−H]+はプロトン付与性
のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基であ
る。また、式中[BQ3*-は相溶性の非配位性アニ
オンであり、Bは硼素元素を表し、Qはペンタフルオロ
フェニル基であり、Q*は置換基としてOH基を1つ有
する炭素数6乃至20の置換アリール基である。
【0044】本発明の相溶性の非配位性アニオンの具体
例としては、例えば、トリフェニル(ヒドロキシフェニ
ル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)
ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニ
ル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒ
ドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチ
ルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス
(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)
ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオリメチルフ
ェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレ
ート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロ
キシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)(4−(4´−ヒドロ
キシフェニル)フェニル)ボレート、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボ
レート等が挙げられ、最も好ましくはトリス(ペンタフ
ルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレートが挙
げられる。
【0045】他の好ましい相溶性の非配位性アニオンの
例としては、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNH
R基で置き換えられたボレートが挙げられる。ここで、
Rは好ましくは、メチル基、エチル基またはtert−
ブチル基である。
【0046】また、プロトン付与性のブレンステッド酸
の具体例としては、例えば、トリエチルアンモニウム、
トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニ
ウム及びトリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエチル
メチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム、ジ
ブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルアンモニ
ウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシルメチル
アンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、ジテト
ラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメチルア
ンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、ジイ
コシルメチルアンモニウム、ビス(水素化タロウアルキ
ル)メチルアンモニウム等のようなトリアルキル基置換
型アンモニウムカチオンが挙げられ、また、N,N−ジ
メチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、
N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム、N,
N−ジメチルベンジルアニリニウム等のようなN,N−
ジアルキルアニリニウムカチオンも好適である。さら
に、ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキ
シルアンモニウム等のようなジアルキルアンモニウムカ
チオンも好適であり、トリフェニルフォスフォニウム、
トリ(メチルフェニル)フォスフォニウム、トリ(ジメ
チルフェニル)フォスフォニウム等のようなトリアリー
ルフォスフォニウムカチオン、或いはジメチルスルフォ
ニウム、ジエチルフルフォニウムまたはジフェニルスル
フォニウム等も好適であり、さらにはトリフェニルカル
ボニウムイオン、ジフェニルカルボニウムイオン、シク
ロヘプタトリニウム、インデニウム等も好適である。ま
た本発明において活性化剤として次の式(10)で表さ
れるユニットを有する有機金属オキシ化合物も用いるこ
とができる。
【0047】
【化10】
【0048】ただし、M2は周期律表第13族乃至第1
5族の金属またはメタロイドであり、Rは各々独立に炭
素数1乃至12の炭化水素基又は置換炭化水素基であ
り、nは金属M2の価数であり、mは2以上の整数であ
る。本発明の活性化剤の好ましい例は、例えば次式(1
1)で示されるユニットを含む有機アルミニウムオキシ
化合物である。
【0049】
【化11】
【0050】但し、Rは炭素数1乃至8のアルキル基で
あり、mは2乃至60の整数である。本発明の活性化剤
の最も好ましい例は、例えば次式(12)で示されるユ
ニットを含むメチルアルモキサンである。
【0051】
【化12】
【0052】但し、mは2乃至60の整数である。本発
明で用いる触媒は、成分(ア)担体物質に成分(イ)有
機アルミニウム化合物、成分(ウ)環状η結合性アニオ
ン配位子を有する遷移金属化合物及び成分(エ)該環状
η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応
して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤を担
持させることにより得られるが、成分(イ)から成分
(エ)を担持させる方法は任意であるが一般的には成分
(イ)、成分(ウ)及び成分(エ)をそれぞれが溶解可
能な不活性溶媒中に溶解させ、成分(ア)と混合した
後、溶媒を留去する方法、また成分(イ)、成分(ウ)
及び成分(エ)を不活性溶媒に溶解後、固体が析出しな
い範囲でないで、これを濃縮して、次の濃縮液の全量を
粒子内に保持できる量の成分(ア)を加える方法、成分
(ア)に成分(イ)および成分(エ)をまず担持させ、
ついで成分(ウ)を担持させる方法、成分(ア)に成分
(イ)及び成分(エ)および成分(ウ)を逐次に担持さ
せる方法等が例示される。本発明の成分(ウ)および成
分(エ)は一般的には液体又は固体である。
【0053】本発明では成分(イ)、(ウ)、(エ)
は、担持の際、不活性溶媒に希釈して使用する場合があ
る。この目的に使用する不活性溶媒としては、例えば、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタ
ン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素;及びエチルクロライド、クロルベ
ンゼン、ジクロルメタン等のハロゲン化炭化水素或いは
これらの混合物等を挙げることができる。かかる不活性
炭化水素溶媒は、乾燥剤、吸着剤などを用いて、水、酸
素、硫黄分等の不純物を除去して用いることが望まし
い。
【0054】成分(ア)担体物質1グラムに対し、成分
(イ)有機アルミニウム化合物はAl原子換算で1×1
0−5から1×10−1モル、好ましくは1×10−4
モルから5×10−2モル、成分(ウ)環状η結合性ア
ニオン配位子を有する遷移金属化合物は1×10−7モ
ルから1×10−3モル好ましくは5×10−7モルか
ら5×10−4モル、成分(エ)該環状η結合性アニオ
ン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を
発現する錯体を形成可能な活性化剤は1×10−7モル
から1×10−3モル好ましくは5×10−7モルから
5×10−4モルの範囲である。各成分の使用量、及び
担持方法は活性、経済性、パウダー特性、および反応器
内のスケール等により決定される。得られた担持触媒
は、担体に担持されていない有機アルミニウム化合物、
ボレート化合物、チタン化合物を除去することを目的
に、不活性炭化水素溶媒を用いでデカンテーション或い
は濾過等の方法により洗浄することもできる。
【0055】上記一連の溶解、接触、洗浄等の操作は、
その単位操作毎に選択される−30℃以上150℃以下
範囲の温度で行うことが推奨される。そのような温度の
より好ましい範囲は、0℃以上100℃以下である。担
持触媒を得る一連の操作は、乾燥した不活性雰囲気下で
行うことが好ましい。本発明で用いる担持触媒は、不活
性炭化水素溶媒中に分散したスラリー状態で保存するこ
とも、或いは乾燥して固体状態で保存することもでき
る。
【0056】エチレン単独又はエチレンとαーオレフィ
ンとの共重合体の重合は、スラリー重合法、気相重合法
等公知の重合方法を用いることができる。本発明に於い
て重合を行う場合、一般的には重合圧力は0.1〜10
MPa、好ましくは0.3〜3MPaが好適であり、重合温
度は20℃〜115℃、好ましくは50℃〜90℃が好
適である。本発明の目的を達成するためには、スラリー
重合法が特に好適である。 本発明でスラリー重合法を
用いる場合、温度の上限は、生成するエチレン単独重合
体又は共重合体が実質的にスラリー状態を維持し得る温
度が上限であり、この値を越える場合は、エチレン単独
又は共重合体の分子量分布が3未満になる。
【0057】スラリー重合法に用いる溶媒としては、本
発明で先に記載した不活性炭化水素溶媒が好適であり、
特に、イソブタン、イソペンタン、ヘプタン、ヘキサ
ン、オクタン等が好適である。本発明で用いることがで
きるコモノマーは、次の一般式で表されるα−オレフィ
ンである。
【0058】H2 C=CHR2 (式中、R2 は炭素数1〜18のアルキル基または炭素
数6〜20のアリール基であり、アルキル基は直鎖状、
分岐状または環状である。) このようなコモノマーとしては、例えば、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデ
セン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オク
タデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン、及
びスチレンよりなる群から選ばれ、炭素数3〜20の環
状オレフィンが、例えば、シクロペンテン、シクロヘプ
テン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、
テトラシクロドデセン、及び2−メチル−1.4,5.
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレンよりなる群から選ばれ、炭素数
4〜20の直鎖状、分岐状または環状ジエンが、例え
ば、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,
5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、及びシクロ
ヘキサジエンよりなる群から選ばれる。本発明に於いて
は、特に、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等
が好適である。
【0059】また、本発明で用いる担持触媒はそれのみ
でエチレン、またはエチレンとα−オレフィンの重合が
可能であるが、溶媒や反応系の被毒の防止のため、付加
成分として有機アルミニウム化合物を共存させて使用す
ることも可能である。好ましい有機アルミニウム化合物
の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロリ
ド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウム
ハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジメ
チルアルミニュウトリメチルシロキシド、ジメチルアル
ミニウムフェノキシド、等のアルミニウムアルコキシ
ド、メチルアルモキサン、エチルアルミキサン、イソブ
チルアルミキサン、メチルイソブチルアルモキサンなど
のアルモキサンなどが挙げられる。これらのうちでトリ
アルキルアルミニウム、アルミニウムアルコキシドなど
が好ましい。最も好ましくはトリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム
である。
【0060】本発明で用いる極性モノマーとしては水酸
基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン
性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合
物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、不飽
和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも
一種のモノマーである。
【0061】水酸基含有エチレン性不飽和化合物として
はヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート、トリメロールプロパ
ン(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ
(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、2−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチ
ルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;1
0−ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オー
ル、2−メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレ
ン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、2
−(メタ)アクロイルオキシエチルアシツドフォスフェ
ート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコー
ル、アリロキシエタノール、2−ブテン−1,4−ジオ
ール、グリセリンモノアルコール等が挙げられる。
【0062】アミノ基含有エチレン性不飽和化合物とし
ては(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチ
ルなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステ
ル系誘導体;N−ビニルエチルアミンおよびN−アセチ
ルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;アリル
アミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミ
ン、N,N−ジメチルアクリロアミドおよびN,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリロアミド等のアリルアミン系
誘導体;アクリルアミドおよびN-メチルアクリルアミド
などのアクリルアミド系誘導体;P−アミノスチレンな
どのアミノスチレン類;6−アミノヘキシルコハク酸イ
ミド、アミノエチルコハク酸イミド等が挙げられる。
【0063】エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物と
してはグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリ
レート、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステ
ル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、クロ
トン酸のモノおよびジグリシジルエステル、マレイン酸
のモノおよびジグリシジルエステル、テトラヒドロフタ
ル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸の
のモノおよびジグリシジルエステル、ブテントリカルボ
ン酸モノおよびジグリシジルエステル、シトラコン酸の
モノおよびジグリシジルエステル、エンド−シス−ビシ
クロ[2.2.1]へプト−5−エン2,3−ジカルボ
ン酸(商標名 ナジツク酸)のモノおよびジグリシジル
エステル、ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジ
カルボン酸(商標名:メチルナジツク酸)のモノおよび
ジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびグ
リシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよびアルキ
ルグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のアル
キルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、
2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−P−
グリシジルエーテル、3,4−エポキシ3−メチル−1
−ブテン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エ
ポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−
1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペ
ンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシク
ロヘキセンモノオキシド等が挙げられる。
【0064】芳香族ビニル化合物の例としてはスチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビ
ニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン、2−
メチル−5−ビニルピリジン、2−イソプロペニルピリ
ジン、2−ビニルキノン、3−ビニルイソキノン、N−
ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等があげら
れる。
【0065】不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸などの不飽和カル
ボン酸又はこれら酸無水物あるいはこれらの誘導体が挙
げられる。ビニルエステル化合物の例としては酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラルリル酸
ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サルチ
ル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げ
られる。
【0066】本発明の変性エチレン重合体は押出し機な
どを使用して特定のエチレン重合体と極性モノマーを、
すでに周知の有機過酸化物存在下で混練反応させる。反
応温度は120〜300℃の範囲で、反応時間は0.5
〜10分間の範囲が好ましい。上記極性モノマーのグラ
フト量はエチレン重合体100重量部に対して0.01〜
10重量部好ましくは0.05〜5重量部 さらに好ま
しくは0.08〜3重量部グラフ量とすることが好まし
い。このグラフト量が上記範囲未満の場合変性エチレン
重合体の接着性が不十分であるし、この量をこえると、
目やにが発生し変性エチレン重合体の連続製造が困難で
ある。
【0067】得れた変性エチレン重合体はすでに公知の
フェノール系安定剤、有機フォスファイト系安定剤、は
有機チオエーテル系安定剤高級脂肪酸の金属などの安定
剤、顔料、耐候剤、染料、核剤、ステアリン酸カルシウ
ム等の潤滑材、カーボンブラック、タルク、ガラス繊維
等の無機充填材あるいは補強材、難燃剤、中性子遮断剤
等のポリオレフィンに添加される配合剤を本発明の目的
をそこなわない範囲で添加することができる。
【0068】フェノール系安定剤としては、2、6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール、2、6−ジ−シ
クロヘキシル−4−メチルフェノール、2、6−ジイソ
プロピル−4−エチルフェノール、2、6−ジ−t−ア
ミル−4−メチルフェノール、2、6−ジ−t−オクチ
ル−4−n−プロピルフェノール、2、6−ジシクロヘ
キシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピ
ル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−
ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェノール、2
−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノー
ル、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプ
ロピルフェノール、テトラキス(メチレン(3、5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート)
メタン、2、2,−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4、4,−ブチリデンビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4,−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2、2,−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ベンジルベンゼン、1,3,5−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)メタ
ン、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−ブチル−4−
ヒドロキシフェニール)プロピオネート)メタン、β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシルフェノー
ル)プロピオン酸アルキルエステル、2、2, −オキザ
ミドビス(エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス
(メチレン(2,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ル)プロピオネート)、n−オクタデシル−3−(4,
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロ
ピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、2,4,6−トリス(3, ,5, ジ−t−ブチル−
4,−ヒドロキシベンジルチオノ−1,3,5−トリア
ジン、2、2,−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4、4,−メチレンビス(2,6
−ジ−t−ブチルフェノール)、2、2,−メチレンビ
ス(6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾー
ル)、ビス(3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシド)グリコールエステ
ル、4,4,−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−
クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,
3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−
4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,
5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,
3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)イソシアネート、1,3,5−トリス
((3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニールオキシエチル)イソシアヌレート、
2−オクチルチオ−4,6−ジ(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリア
ジン、4,4,−チオビス(6−t−ブチル−m−クレ
ゾール)等が挙げられる。
【0069】有機フォスファイト系安定剤としては、ト
リオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、
トリデシルホスファイト、オクチルージホスファイト、
トリス( 2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエチ
ル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−
メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4,
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス
(モノ又はジノニルフェニル)ホスファイト、水素化−
4,4、−イソプロピリデンジフェノールポリホスファ
イド、ビス(オクチルフェニル)ビス(4,4、 −ブチ
リデンビス( 3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル))1,6−ヘキサンオールジホスファイド、フェニ
ル−4,4、−イソプロピリデンジフェノールペンタエ
リスリトールジホスファイド、ビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ド、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイド、トリ
((4,4、 −イソプロピリデンビス(2−t−ブチル
フェノール))ホスファイド、ジ(ノニルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイド、トリス(1,3−
ジ−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、
4,4、 −イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェ
ノール)ジ(ノニルフェニル)ホスファイド、9,10
−ジ−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンス
レン−10−オキサイド、テトラキス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)−4,4、−ビフェニレンジホスフ
ァイド等が挙げられる。
【0070】有機チオエーテル系安定剤としては、ジラ
ウリルー、ジミリスチルー、ジステアリルーなどのジア
ルキルチオプロピオネート及びブチルー、オクチルー、
ラウリルー、ステアリルー、等のアルキルチオプロピオ
ン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)の
エステル、(例えばペンタエリスチトールテトララウリ
ルチオプロピオネート)が挙げられる。さらに具体的に
はジラウリルチオプロピオネート、ジミリスチルチオプ
ロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラ
ウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリル
チオジブチレート等が挙げられる。
【0071】不飽和カルボン酸およびその誘導体として
は、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、カプリル
酸、アラキジン酸、パルミチイン酸、ベヘニン酸、など
の高級脂肪酸のマグネシウム、カルシウム、バリウム塩
などのアルカリ土類金属塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛
塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが用い
られる。ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネ
シウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸カル
シュウムオレイン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、マグネ
シウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸
リチュム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナト
リウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、ラウリン酸カリウム、12ーヒドロキシステアリン
酸カルシウムなどである。
【0072】
【発明の実施の形態】以下に実施例などを用いて本発明
を更に具体的に説明するがこれらは本発明の範囲を限定
するものではない。 (1)メルトフローインデックス;ASTMDー1238
に従い、190℃、荷重2.16Kgで測定した値であ
る。 (2)分子量分布;測定に用いた測定装置はWaters
社製150ーC,ALC/GPC、カラムとしてはSh
odex社製AT−807Sと東ソー社製TSK−ge
lGMH−H6を直列にして用い、溶媒に10ppmの
イルガノックス1010(商品名)を含むトリクロロベ
ンゼンをもちいて、140℃で測定した。尚標準物質と
して市販の単分散のポリスチレンを用い、検量線を作成
した。
【0073】(3)流動インデックス(FI):東洋精機
製作所製キャピログラフ1C、キャピラリーL8mm,D2.
0mmを用190℃で、せん断速度を変化させ2.4×1
5Paに到達するときのずり速度(sec-1)(FI)
を測定する。 (4)末端ビニル基量:末端ビニル基量は厚み0.5mm程度の
熱プレスシートを作成し、赤外共鳴吸収法(IR)によ
り910cm-1の吸光度(A910)を求め次式により求め
る。ここでρは密度(g/cm3)、tはフイルムの厚さ(m
m)である。 末端ビニル基量(ヶ/1000炭素)=0.114×A910
×t
【0074】(5)変性エチレン重合体の接着性評価:変
性エチレン重合体をプレス成形により200mm×200mm×0.
5mmに成形した。得られたシートと十分に乾燥させた同
一寸法のポリアミド(ナイロン66)シートとを230
℃、圧力1MPa、時間10秒接着する。得られたシート
をJIS−K6854法に準じ180度剥離強度を測定
した。 (6)無水マレイン酸のグラフト量:変性エチレン重合体
を沸湯キシレンに溶解した後、この溶液にキシレンの3
倍のアセトンをいれポリマー沈殿させ変性エチレン重合
体を回収した。この変性エチレン重合体を熱プレスし厚
み約0.5mmとして、赤外共鳴吸収法により1850
cm-1外の吸光度(A1850)を測定し以下の式で無水マレイ
ン酸のグラフト量を求めた。 無水マレイン酸のグラフト量(%)=1.06×A1850
/t t(mm)はフイルムの厚みである。
【0075】
【実施例1】エチレン重合体の調整 6.2g(8.8mmol)のトリエチルアンモニウム
トリス(ペンタフルオロフェニール)(4−ヒドロキシ
フェニール)ボレートを4lのトルエンに加え、90
℃、30分間攪拌した。次にこの溶液に1mol/lの
トリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液40mlを加
え90℃で1分間攪拌した。一方、シリカP−10(日
本、富士シリシア社製:商品名)を500℃で3時間窒
素気流で処理し、その処理後のシリカを1.7lのトル
エン中に入れ攪拌した。このシリカスラリー溶液に上記
トリエチルアンモニウムトリス(ペンタフルオロフェニ
ール)(4−ヒドロキシフェニール)ボレートとトリヘ
キシルアルミニウムのトルエン溶液を加え3時間、90
℃で攪拌した。
【0076】次に1mol/lのトリヘキシルアルミニ
ウムのトルエン溶液206mlを加え、さらに90℃で
1時間攪拌した。その後上澄み液を90℃のトルエンを
用いてデカンテーションを5回行い過剰のトリヘキシル
アルミニウムを除いた。0.218mol/lの濃い紫
色のチタニウム(N−1,1−ジメチルエチル)ジメチ
ル(1−(1,2,3,4,5,−eta)−2,3,
4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−
1−イル)シラナミナート)((2−)N)−(η4
1,3−ペンタジエン)のISOPARTME(米国、E
xxon化学社製)溶液20mlを上記混合物に加え3
時間攪拌し緑色の担持触媒を得た。
【0077】得られた担持触媒の一部を脱水脱酸素した
ヘキサン0.8lとともに1.5lの反応器に入れた。
容器内温度を75℃としてエチレンと1−ブテン、水素
の混合ガス比を調整し、全圧が0.8MPa とした。上記組
成の混合ガスを補給することで、全圧0.8MPa を保ち2
時間重合を行い、第一表記載のエチレン重合体を得た。
【0078】得られたエチレン重合体100重量部、無
水マレイン酸0.1重量部および有機過酸化物として2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン0.01重量部を添加し、同方向2軸押し出し機
(D45mm、L/D30)にて190℃、で溶融混練し変性
エチレン重合体を50kg/時間で押出し、ダイスの目や
に、及び押出されたストランドの表面状態を観察した。
変性エチレン重合体の接着強度を第一表に記載した。又
得られた変性エチレン重合体をインフレーションフイル
ムに製膜し、未溶融ゲルを測定した。ゲルは1gフイル
ム当たり、径0.2mm以上の大きさを有するゲルの数をカ
ウントした。
【0079】
【実施例2〜4】実施例1の製法に準じ、第一表記載の
実施例2〜4のエチレン重合体を製造した。得られたエ
チレン重合体はグラフト変性工程においても問題無く、
接着性においても優れていた。
【0080】
【比較例1〜3】実施例1の製法に準じ、第一表記載の
比較例1〜3のエチレン重合体を製造した。比較例1は
変性エチレン重合体のメルトインデックスが低いため、
押出し負荷が高く、ストランドのメルトフラクチャーを
おこしていた。比較例2はメルトインデックスが高く、
このため接着性が満足できるものではない。比較例3は
エチレン重合体の密度が低く分子量分布が狭くなり、押
出し負荷も高く、ストランドもメルトフラクチャーをお
こしていた。又エチレン重合体中の低融点成分も多くな
り、変性時に目やにが発生した。
【0081】
【比較例4】チーグラ触媒によるエチレン重合体 すでに周知の塩化マグネシュム6水和物、2−エチルヘ
キサノール、4塩化チタンから調整されたチーグラー触
媒を用いて、第一表記載の比較例4のエチレン共重合体
を重合した。変性時においてはメルトインデックスの低
下が大きく押出し負荷も高くなり、ストランドも激しく
メルトフラクチャーをおこしていた。又得られた変性エ
チレン重合体は多量の低分子量成分を含むものである
為、接着性も不十分である。末端ビニル基量も多く、変
性エチレン重合体中に多量の未溶融ゲルが発生した。
【0082】
【比較例5】ジルコノセン触媒によるエチレン共重合体 充分に窒素乾燥された200mlのフラスコにシリカ
(富士デブイソン社製Grande952:商品名)4
g、トルエン40mlを入れ、−40℃まで冷却した。
メチルアルモキサンのトルエン溶液(東ソーアクゾ社製
MMAO−3:商品名)30mlを加え一時間反応さ
せ、その後0℃で一時間、さらに80℃で3時間反応を
行い、反応終了後20℃まで冷却し、メチルアルモキサ
ンを担持したシリカの担体をえた。次にビス(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニュムジクロリドのト
ルエン溶液2.5ml/lをジルコニウム換算で1μm
ol、およびトリイソブチルアルミニュム(1.0mo
l/l)0.12mmolを加え、触媒を合成した。
【0083】得られた懸濁溶液を脱水脱酸素した、ヘキ
サン0.8lとともに、内部を真空脱気し、窒素置換し
た1.5lの反応器に入れた。容器内温度を75℃とし
てエチレンと1−ブテン、水素の混合ガスの量を調整
し、で全圧が0.8MPa とした。混合ガスを補給すること
で、全圧0.8MPa を保ち2時間重合を行い、第一表記載
のエチレン重合体を得た。変性工程においてはエチレン
重合体の分子量分布が狭いため押出し負荷も高く、メル
トフローインデツクスの低下も大きいものであつた。又
押し出されてくるストランドものこぎり状にメルトフラ
クチャーをおこしていた。又変性エチレン重合体におい
ては末端ビニル基量が多い為に多量のゲルが発生した。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】本発明の特定のエチレン単独、又はエチ
レンとα−オレフィンを、極性モノマーで変性したエチ
レン重合体は、変性時におけるメルトインデックスの低
下も少なく且つ目やにも少なく高速押出しが可能であ
る。又得られた変性エチレン重合体は接着性に優れてい
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン重合体がエチレン単独重合体、
    又はエチレンと炭素原子数が3〜20のα−オレフィン
    の共重合体であって (A)190℃における2.16kg荷重でのメルトイ
    ンデックス(MI)が0.3〜20g/10分 (B)密度が0.920g/cm3 以上 (C)ゲルパメーションクロマトグラフィー(GPC)
    で測定した分子量分布が、3〜4.5 (D)重合体中の末端ビニル基量が1000ヶ炭素あた
    り0.005ヶ未満の関係を満たすエチレン重合体に極
    性モノマーがグラフトされてなる変性エチレン重合体。
  2. 【請求項2】 該エチレン重合体のエチレン単独重合
    体、又はエチレンとα−オレフィンとの共重合体が
    (ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム化合物、
    (ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化
    合物、及び(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有す
    る遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を
    形成可能な活性化剤から調整された担持触媒を用いて得
    られたエチレン単独重合体、又はエチレンとα−オレフ
    ィンとの共重合体を用いることを特徴とする請求項1記
    載の変性エチレン重合体。
  3. 【請求項3】 190℃におけるずり応力2.4×10
    5Paに到達するときのずり速度(sec-1)で定義され
    る流動性インデックス(FI)とメルトインデックス
    (MI)とがFI<75×MIの関係を満たすエチレン
    重合体を用いることを特徴とすると請求項1,2記載の
    変性エチレン重合体。
  4. 【請求項4】 極性モノマーが水酸基含有エチレン性不
    飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エ
    ポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化
    合物、ビニルエステル化合物、不飽和カルボン酸および
    その誘導体から選ばれる少なくとも一種のモノマーであ
    り、そのグラフト基のグラフト量が、エチレン重合体1
    00重量部に対して0.01〜10重量%の範囲にある
    請求項1〜3記載の変性エチレン重合体。
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