JP2001145950A - 熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法Info
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- JP2001145950A JP2001145950A JP32933999A JP32933999A JP2001145950A JP 2001145950 A JP2001145950 A JP 2001145950A JP 32933999 A JP32933999 A JP 32933999A JP 32933999 A JP32933999 A JP 32933999A JP 2001145950 A JP2001145950 A JP 2001145950A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 未反応物や副生成物の生成や残留が少ない熱
可塑性ポリエステル樹脂発泡体を、安定的に製造する方
法を提供する。 【解決手段】 極限粘度が0.4dl/g以上の熱可塑
性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物又はその無水物とを溶融混練し、該
溶融混練物を冷却固化後、加熱処理して得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂と発泡剤とを溶融混合して押出発泡
させる熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法にお
いて、熱可塑性ポリエステル樹脂の水酸基当量を100
とした場合に、分子内に3個以上のカルボキシル基を有
する化合物又はその無水物のカルボキシル基当量が30
〜250の範囲であるように配合する熱可塑性ポリエス
テル樹脂発泡体の製造方法。
可塑性ポリエステル樹脂発泡体を、安定的に製造する方
法を提供する。 【解決手段】 極限粘度が0.4dl/g以上の熱可塑
性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物又はその無水物とを溶融混練し、該
溶融混練物を冷却固化後、加熱処理して得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂と発泡剤とを溶融混合して押出発泡
させる熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法にお
いて、熱可塑性ポリエステル樹脂の水酸基当量を100
とした場合に、分子内に3個以上のカルボキシル基を有
する化合物又はその無水物のカルボキシル基当量が30
〜250の範囲であるように配合する熱可塑性ポリエス
テル樹脂発泡体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂を溶融押出発泡成形する製造方法に関し、詳し
くは、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等に好
適に使用される熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造
方法に関する。
テル樹脂を溶融押出発泡成形する製造方法に関し、詳し
くは、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等に好
適に使用される熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンテレフタレート
系樹脂に代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、優れ
た機械的性質及び化学的特性が注目され、繊維やフィル
ム分野に、更にその優れた透明性、気体遮断性、安全衛
生性等の面から、食品包装分野をはじめ各種分野におい
て著しい需要の伸びを示している。しかしながら、熱可
塑性ポリエステル樹脂は、一般に、溶融状態での粘度や
張力が低いため、押出発泡成形等の成形性が劣るため、
溶融重合時間を延長したり、溶融重合の後に固相重合を
行って高分子量化しても、これらの成形性の改良に結び
つく程の高溶融粘度化には不十分であり、良好な発泡成
型品を得ることが困難であった。熱可塑性ポリエステル
樹脂を高溶融粘度化して押出発泡成形する方法として
は、ポリエステル樹脂に分岐剤や分子鎖延長剤を加えて
溶融押出発泡する方法、例えばジグリシジルエステル化
合物を加える方法(特公昭61−48409号公報参
照。)が、また、ピロメリト酸無水物等を加える方法
(特公平5−15736号公報参照。)等が提案されて
いる。
系樹脂に代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、優れ
た機械的性質及び化学的特性が注目され、繊維やフィル
ム分野に、更にその優れた透明性、気体遮断性、安全衛
生性等の面から、食品包装分野をはじめ各種分野におい
て著しい需要の伸びを示している。しかしながら、熱可
塑性ポリエステル樹脂は、一般に、溶融状態での粘度や
張力が低いため、押出発泡成形等の成形性が劣るため、
溶融重合時間を延長したり、溶融重合の後に固相重合を
行って高分子量化しても、これらの成形性の改良に結び
つく程の高溶融粘度化には不十分であり、良好な発泡成
型品を得ることが困難であった。熱可塑性ポリエステル
樹脂を高溶融粘度化して押出発泡成形する方法として
は、ポリエステル樹脂に分岐剤や分子鎖延長剤を加えて
溶融押出発泡する方法、例えばジグリシジルエステル化
合物を加える方法(特公昭61−48409号公報参
照。)が、また、ピロメリト酸無水物等を加える方法
(特公平5−15736号公報参照。)等が提案されて
いる。
【0003】更に、特定の極限粘度およびヒドロキシル
末端基量との相関をもつ熱可塑性ポリエステル樹脂に、
2箇以上の酸無水物基を持った化合物を加えて溶融押出
発泡する方法(特開平8−151470号公報参照。)
や、特定のヒドロキシ末端基比率をもつ熱可塑性ポリエ
ステル樹脂と多官能化合物とを、特定の気体透過率であ
る気体で溶融押出発泡する方法(特開平8−00335
8号公報参照。)等の方法が提案されている。しかしな
がら、これらの方法は、使用する熱可塑性ポリエステル
樹脂の種類によっては、得られる熱可塑性ポリエステル
樹脂発泡体中に未反応物や副生成物が残留したり、必ず
しも発泡成形可能な程度まで溶融粘度を上昇させること
が困難な場合があった。特に、得られる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂発泡体中に未反応物や副生成物が残留する
と、これを成形加工した成型品に異物や着色などの外観
不良が発生したり、また、食品包装容器等の場合には内
容物への溶出が発生するため問題となっていた。
末端基量との相関をもつ熱可塑性ポリエステル樹脂に、
2箇以上の酸無水物基を持った化合物を加えて溶融押出
発泡する方法(特開平8−151470号公報参照。)
や、特定のヒドロキシ末端基比率をもつ熱可塑性ポリエ
ステル樹脂と多官能化合物とを、特定の気体透過率であ
る気体で溶融押出発泡する方法(特開平8−00335
8号公報参照。)等の方法が提案されている。しかしな
がら、これらの方法は、使用する熱可塑性ポリエステル
樹脂の種類によっては、得られる熱可塑性ポリエステル
樹脂発泡体中に未反応物や副生成物が残留したり、必ず
しも発泡成形可能な程度まで溶融粘度を上昇させること
が困難な場合があった。特に、得られる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂発泡体中に未反応物や副生成物が残留する
と、これを成形加工した成型品に異物や着色などの外観
不良が発生したり、また、食品包装容器等の場合には内
容物への溶出が発生するため問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の現状
に鑑みてなされたもので、未反応物や副生成物の生成や
残留が少ない熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体を、安定
的に製造する方法を提供することを目的とする。
に鑑みてなされたもので、未反応物や副生成物の生成や
残留が少ない熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体を、安定
的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成すべくなされたものであって、即ち、本発明は、極限
粘度が0.4dl/g以上の熱可塑性ポリエステル樹脂
と、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物
又はその無水物とを溶融混練し、該溶融混練物を冷却固
化後、加熱処理して得られる分岐熱可塑性ポリエステル
樹脂と発泡剤とを溶融混合して、押出発泡させる熱可塑
性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法において、熱可塑
性ポリエステル樹脂の水酸基当量を100とした場合
に、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物
又はその無水物のカルボキシル基当量が30〜250の
範囲であるように配合する熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体の製造方法に関する。
成すべくなされたものであって、即ち、本発明は、極限
粘度が0.4dl/g以上の熱可塑性ポリエステル樹脂
と、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物
又はその無水物とを溶融混練し、該溶融混練物を冷却固
化後、加熱処理して得られる分岐熱可塑性ポリエステル
樹脂と発泡剤とを溶融混合して、押出発泡させる熱可塑
性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法において、熱可塑
性ポリエステル樹脂の水酸基当量を100とした場合
に、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物
又はその無水物のカルボキシル基当量が30〜250の
範囲であるように配合する熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法に
おいて用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、
代表的には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が挙げ
られる。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂と
は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸単位とエ
チレングリコールを主成分とするジオール単位との重縮
合体からなるポリエステルであって、ジカルボン酸成分
中におけるテレフタル酸以外のジカルボン酸含有量およ
びジオール成分中におけるエチレングリコール以外のジ
オール含有量の合計量が通常30モル%以下、好ましく
は20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の
ものである。30モル%を越えてこれらの共重合成分を
用いる場合は、熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶性が低
下するため、溶融混練物を冷却固化した後の加熱処理が
困難となるため好ましくない。更には、得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂発泡体の力学強度、耐熱性も劣る傾
向となる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法に
おいて用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、
代表的には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が挙げ
られる。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂と
は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸単位とエ
チレングリコールを主成分とするジオール単位との重縮
合体からなるポリエステルであって、ジカルボン酸成分
中におけるテレフタル酸以外のジカルボン酸含有量およ
びジオール成分中におけるエチレングリコール以外のジ
オール含有量の合計量が通常30モル%以下、好ましく
は20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の
ものである。30モル%を越えてこれらの共重合成分を
用いる場合は、熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶性が低
下するため、溶融混練物を冷却固化した後の加熱処理が
困難となるため好ましくない。更には、得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂発泡体の力学強度、耐熱性も劣る傾
向となる。
【0007】尚、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分
としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエ
タンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸が挙げられる。
としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエ
タンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸が挙げられる。
【0008】又、エチレングリコール以外のグリコール
成分としては、例えば、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロ
ヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)スルホン酸等の芳香族グリコールが挙げられ
る。
成分としては、例えば、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロ
ヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)スルホン酸等の芳香族グリコールが挙げられ
る。
【0009】更に、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、
p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカ
ルボン酸やアルコキシカルボン酸、並びに、3官能以上
のカルボン酸成分やヒドロキシ成分等の一種又は二種以
上が、共重合されていてもよい。中で、ジカルボン酸単
位としては、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、又、
グリコール単位としては、ジエチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールが好適である。また、テレフタル酸及びそれ以外
のジカルボン酸成分は、重縮合の原料として、カルボン
酸が炭素数1〜4程度のアルキルでエステル化されてい
るものを用いることができる。
p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカ
ルボン酸やアルコキシカルボン酸、並びに、3官能以上
のカルボン酸成分やヒドロキシ成分等の一種又は二種以
上が、共重合されていてもよい。中で、ジカルボン酸単
位としては、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、又、
グリコール単位としては、ジエチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールが好適である。また、テレフタル酸及びそれ以外
のジカルボン酸成分は、重縮合の原料として、カルボン
酸が炭素数1〜4程度のアルキルでエステル化されてい
るものを用いることができる。
【0010】前記熱可塑性ポリエステル樹脂は、フェノ
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=
1/1)の混合溶媒中、30℃で測定した場合の極限粘
度が、好ましくは0.4dl/g以上、さらに好ましく
は0.5dl/g以上、特に好ましくは0.6dl/g
以上である。熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度が
0.4dl/g未満の場合には、熱可塑性ポリエステル
樹脂発泡体を製造するに十分な程度の溶融粘度が達成で
きないため好ましくない。又、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂は、水酸基当量が、好ましくは15meq/kg
以上、さらに好ましくは30meq/kg以上の範囲で
ある。熱可塑性ポリエステル樹脂の水酸基当量が15m
eq/kg未満の場合には、熱可塑性ポリエステル樹脂
発泡体を製造するに十分な程度の溶融粘度が達成できな
い傾向がある。
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=
1/1)の混合溶媒中、30℃で測定した場合の極限粘
度が、好ましくは0.4dl/g以上、さらに好ましく
は0.5dl/g以上、特に好ましくは0.6dl/g
以上である。熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度が
0.4dl/g未満の場合には、熱可塑性ポリエステル
樹脂発泡体を製造するに十分な程度の溶融粘度が達成で
きないため好ましくない。又、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂は、水酸基当量が、好ましくは15meq/kg
以上、さらに好ましくは30meq/kg以上の範囲で
ある。熱可塑性ポリエステル樹脂の水酸基当量が15m
eq/kg未満の場合には、熱可塑性ポリエステル樹脂
発泡体を製造するに十分な程度の溶融粘度が達成できな
い傾向がある。
【0011】本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
の水酸基当量は、以下の方法により求めることができ
る。まず、カルボキシル基当量の測定は、測定する熱可
塑性ポリエステル樹脂をフリーザミルにて粉砕後、14
0℃、15分間熱風乾燥する。これを0.1g秤量し、
195℃にてベンジルアルコール3ml中に3分間で溶
解し、30秒放冷の後、クロロホルム5mlを注入して
冷却する。この溶液をフェノールレッドを指示薬として
0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶
液で滴定する。そして、前記の方法で測定した極限粘度
から式−1より平均分子量Mnを算出し、式−2より総
末端当量を算出し、また、前記で測定したカルボキシル
基当量の値から、式−3より水酸基当量を算出する。
の水酸基当量は、以下の方法により求めることができ
る。まず、カルボキシル基当量の測定は、測定する熱可
塑性ポリエステル樹脂をフリーザミルにて粉砕後、14
0℃、15分間熱風乾燥する。これを0.1g秤量し、
195℃にてベンジルアルコール3ml中に3分間で溶
解し、30秒放冷の後、クロロホルム5mlを注入して
冷却する。この溶液をフェノールレッドを指示薬として
0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶
液で滴定する。そして、前記の方法で測定した極限粘度
から式−1より平均分子量Mnを算出し、式−2より総
末端当量を算出し、また、前記で測定したカルボキシル
基当量の値から、式−3より水酸基当量を算出する。
【0012】
【数1】 極限粘度=7.36×10-4×Mn0.685 ・・(式−1) 総末端当量(meq/kg)=(106 /Mn)×2 ・・(式−2) 水酸基当量(meq/kg)=総末端当量(meq/kg)−カルボキシル基 当量(meq/kg) ・・(式−3)
【0013】本発明において、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂は、溶融重合またはそれに続く固相重合等によっ
て合成された原料を使用する以外に、シート、フィル
ム、絞り成形容器及びボトル等の成形加工過程で発生し
た端材や規格外品、または包装容器等として使用された
後に市場から回収された成型品等を粉砕したものも使用
することが出来る。これらは、粉砕品をそのまま原料と
して使用する以外に、一度溶融してペレット形状等にし
て使用することが出来る。
ル樹脂は、溶融重合またはそれに続く固相重合等によっ
て合成された原料を使用する以外に、シート、フィル
ム、絞り成形容器及びボトル等の成形加工過程で発生し
た端材や規格外品、または包装容器等として使用された
後に市場から回収された成型品等を粉砕したものも使用
することが出来る。これらは、粉砕品をそのまま原料と
して使用する以外に、一度溶融してペレット形状等にし
て使用することが出来る。
【0014】熱可塑性ポリエステル樹脂には、結晶化を
促進するための結晶化促進剤を添加することができる。
結晶化促進剤は特に限定されないが、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン類、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、アイ
オノマーなどの変性ポリオレフィン類、安息香酸ナトリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム
などの有機低分子塩類、タルクなどの無機核剤などが例
示される。また、三酸化アンチモンなど重合触媒の選択
によって熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化を促進する
ことも出来る。これらの結晶化促進剤は1種を用いても
複数種を併用してもよい。
促進するための結晶化促進剤を添加することができる。
結晶化促進剤は特に限定されないが、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン類、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、アイ
オノマーなどの変性ポリオレフィン類、安息香酸ナトリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム
などの有機低分子塩類、タルクなどの無機核剤などが例
示される。また、三酸化アンチモンなど重合触媒の選択
によって熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化を促進する
ことも出来る。これらの結晶化促進剤は1種を用いても
複数種を併用してもよい。
【0015】前記結晶化促進剤を添加する場合は、熱可
塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、結晶化促
進剤を好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましく
は0.1〜10重量部、更に好ましくは0.2〜5重量
部使用すればよい。結晶化促進剤を添加することによ
り、得られる発泡体の耐熱性が向上する場合がある。こ
れら結晶化促進剤は、通常、発泡成形時に加熱処理して
得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂と共に添加して
用いられるが、予め、加熱処理して得られる分岐熱可塑
性ポリエステル樹脂中に含有させるため溶融混練時に添
加してもよい。
塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、結晶化促
進剤を好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましく
は0.1〜10重量部、更に好ましくは0.2〜5重量
部使用すればよい。結晶化促進剤を添加することによ
り、得られる発泡体の耐熱性が向上する場合がある。こ
れら結晶化促進剤は、通常、発泡成形時に加熱処理して
得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂と共に添加して
用いられるが、予め、加熱処理して得られる分岐熱可塑
性ポリエステル樹脂中に含有させるため溶融混練時に添
加してもよい。
【0016】尚、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体の製造方法には、本発明の効果を損なわない範囲
で、ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、チオ
エーテル系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン
系、シアノアクリレート系等の光安定剤、無機系および
有機系の核剤、分子量調整剤、可塑剤、耐加水分解剤、
帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、発泡
剤、着色剤、分散助剤等の添加剤、及び、ガラス繊維、
マイカ、カーボンファイバー、チタン酸カリファイバー
等の強化材、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム等の充填材等が樹脂に対して0.001〜10
重量%の範囲で含有されていてもよい。これらの添加剤
及び充填剤は、通常、発泡成形時に熱可塑性ポリエステ
ル樹脂や分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化
合物又はその無水物とともに添加して用いられるが、予
め熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有されていてもよ
い。更には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリア
ミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂等の他の熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー
等を混合して用いてもよい。
泡体の製造方法には、本発明の効果を損なわない範囲
で、ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、チオ
エーテル系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン
系、シアノアクリレート系等の光安定剤、無機系および
有機系の核剤、分子量調整剤、可塑剤、耐加水分解剤、
帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、発泡
剤、着色剤、分散助剤等の添加剤、及び、ガラス繊維、
マイカ、カーボンファイバー、チタン酸カリファイバー
等の強化材、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム等の充填材等が樹脂に対して0.001〜10
重量%の範囲で含有されていてもよい。これらの添加剤
及び充填剤は、通常、発泡成形時に熱可塑性ポリエステ
ル樹脂や分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化
合物又はその無水物とともに添加して用いられるが、予
め熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有されていてもよ
い。更には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリア
ミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂等の他の熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー
等を混合して用いてもよい。
【0017】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法において用いられる、分子内に3個以上のカ
ルボキシル基を有する化合物又はその無水物としては、
分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又は
その無水物であれば、限定されるものではないが、具体
的には、例えば、トリメリト酸、ピロメリト酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン
酸、エチレングリコール−ビストリメリテート、グリセ
ロール−トリストリメリテート、シクロペンタンテトラ
カルボン酸、シクロヘキサンヘキサカルボン酸、ヘキサ
ントリカルボン酸等、及びそれらの無水物が挙げられ、
更には、水酸基等の他の官能基を有するものであっても
よい。中で、トリメリト酸、ピロメリト酸、及びそれら
の無水物が好適であり、特にピロメリト酸及びその無水
物が好適である。尚、これら化合物は、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
の製造方法において用いられる、分子内に3個以上のカ
ルボキシル基を有する化合物又はその無水物としては、
分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又は
その無水物であれば、限定されるものではないが、具体
的には、例えば、トリメリト酸、ピロメリト酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン
酸、エチレングリコール−ビストリメリテート、グリセ
ロール−トリストリメリテート、シクロペンタンテトラ
カルボン酸、シクロヘキサンヘキサカルボン酸、ヘキサ
ントリカルボン酸等、及びそれらの無水物が挙げられ、
更には、水酸基等の他の官能基を有するものであっても
よい。中で、トリメリト酸、ピロメリト酸、及びそれら
の無水物が好適であり、特にピロメリト酸及びその無水
物が好適である。尚、これら化合物は、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0018】前記の分子内に3個以上のカルボキシル基
を有する化合物又はその無水物の配合量は、前記熱可塑
性ポリエステル樹脂の水酸基当量を100とした場合
に、カルボキシル基当量が30〜250となるように調
整し、50〜200とするのが好ましく、80〜150
とするのが更に好ましい。これら化合物又はその無水物
の配合量が前記範囲未満では、熱処理した熱可塑性ポリ
エステル樹脂の溶融粘度が低いため、外観良好な発泡体
を得ることが出来ない。一方、前記範囲超過では、発泡
成形時の押出性が悪化するとともに、無反応のカルボキ
シル基化合物や副生成物が残留するため発泡体の劣化お
よび異物や着色、臭気等の原因となる。尚、3個以上の
カルボキシル基を有する化合物又はその無水物が、酸無
水物の状態である場合は、無水物環が水和して開環した
ものとしてカルボキシル基当量を算出するものとする。
を有する化合物又はその無水物の配合量は、前記熱可塑
性ポリエステル樹脂の水酸基当量を100とした場合
に、カルボキシル基当量が30〜250となるように調
整し、50〜200とするのが好ましく、80〜150
とするのが更に好ましい。これら化合物又はその無水物
の配合量が前記範囲未満では、熱処理した熱可塑性ポリ
エステル樹脂の溶融粘度が低いため、外観良好な発泡体
を得ることが出来ない。一方、前記範囲超過では、発泡
成形時の押出性が悪化するとともに、無反応のカルボキ
シル基化合物や副生成物が残留するため発泡体の劣化お
よび異物や着色、臭気等の原因となる。尚、3個以上の
カルボキシル基を有する化合物又はその無水物が、酸無
水物の状態である場合は、無水物環が水和して開環した
ものとしてカルボキシル基当量を算出するものとする。
【0019】分子内に3個以上のカルボキシル基を有す
る化合物又はその無水物のカルボキシル基当量は、使用
する化合物の分子構造から算出できる。使用する化合物
が混合物等で分子構造が不明な場合は、前記の熱可塑性
ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量を測定した方法
と同様な方法により測定することができる。前記の分子
内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその
無水物は、溶融混練装置に直接に投入することもできる
が、予め熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有したマスタ
ーバッチとして溶融混練装置に投入することも出来る。
更には、前記結晶化促進剤や、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂以外の樹脂中に含有したマスターバッチとして溶
融混練装置に投入することも出来る。
る化合物又はその無水物のカルボキシル基当量は、使用
する化合物の分子構造から算出できる。使用する化合物
が混合物等で分子構造が不明な場合は、前記の熱可塑性
ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量を測定した方法
と同様な方法により測定することができる。前記の分子
内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその
無水物は、溶融混練装置に直接に投入することもできる
が、予め熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有したマスタ
ーバッチとして溶融混練装置に投入することも出来る。
更には、前記結晶化促進剤や、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂以外の樹脂中に含有したマスターバッチとして溶
融混練装置に投入することも出来る。
【0020】本発明において、前記の分子内に3個以上
のカルボキシル基を有する化合物又はその無水物に加え
て、本発明の効果を損なわない範囲で、1官能や2官能
以上のエポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサ
ゾリン化合物等の反応促進剤を1種又は2種以上を併用
してもよい。本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法に使用される原料である分岐熱可塑性ポリエ
ステル樹脂は、通常、前記の熱可塑性ポリエステル樹脂
と前記の分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化
合物又はその無水物、及び、必要に応じて用いる添加剤
等とを混練装置にて溶融混練し、これを固体状態とした
後に、加熱処理することにより製造される。
のカルボキシル基を有する化合物又はその無水物に加え
て、本発明の効果を損なわない範囲で、1官能や2官能
以上のエポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサ
ゾリン化合物等の反応促進剤を1種又は2種以上を併用
してもよい。本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法に使用される原料である分岐熱可塑性ポリエ
ステル樹脂は、通常、前記の熱可塑性ポリエステル樹脂
と前記の分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化
合物又はその無水物、及び、必要に応じて用いる添加剤
等とを混練装置にて溶融混練し、これを固体状態とした
後に、加熱処理することにより製造される。
【0021】本発明における溶融混練の混練方式には特
に制約はなく、回分式であっても連続式であってもよい
が、一般に一軸押出機または二軸押出機の名称の連続押
出機、あるいは強制搬送力を持たない連続式横型反応装
置などが好適に使用される。本発明において溶融混練
は、熱可塑性ポリエステル樹脂をそのまま混練装置に投
入することも出来るが、予め熱可塑性ポリエステル樹脂
を乾燥して投入することが好ましく、この場合、含有水
分量を400ppm以下、好ましくは200ppm以
下、特に好ましくは50ppm以下とする。ポリエステ
ル樹脂を乾燥することにより、樹脂の劣化や着色を抑制
するとともに、分子内に3個以上のカルボキシル基を有
する化合物又はその無水物との反応性を高めることが出
来る。
に制約はなく、回分式であっても連続式であってもよい
が、一般に一軸押出機または二軸押出機の名称の連続押
出機、あるいは強制搬送力を持たない連続式横型反応装
置などが好適に使用される。本発明において溶融混練
は、熱可塑性ポリエステル樹脂をそのまま混練装置に投
入することも出来るが、予め熱可塑性ポリエステル樹脂
を乾燥して投入することが好ましく、この場合、含有水
分量を400ppm以下、好ましくは200ppm以
下、特に好ましくは50ppm以下とする。ポリエステ
ル樹脂を乾燥することにより、樹脂の劣化や着色を抑制
するとともに、分子内に3個以上のカルボキシル基を有
する化合物又はその無水物との反応性を高めることが出
来る。
【0022】熱可塑性ポリエステル樹脂を乾燥せずに混
練装置に投入する場合は、混練装置内部の溶融樹脂滞留
部分を減圧状態にすることが好ましい。このような混練
装置内部を減圧する場合は二軸押出機または強制搬送力
を持たない連続式横型反応装置等が好ましく、2×10
4 Pa以下、好ましくは3×103 Pa以下で行うこと
が好ましい。混練装置内部を減圧することにより、熱可
塑性ポリエステル樹脂と分子内に3個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物又はその無水物との反応性を高める
ことが出来るとともに、樹脂の劣化や着色を防いだり、
反応残留物や副生成物を除去することができる。
練装置に投入する場合は、混練装置内部の溶融樹脂滞留
部分を減圧状態にすることが好ましい。このような混練
装置内部を減圧する場合は二軸押出機または強制搬送力
を持たない連続式横型反応装置等が好ましく、2×10
4 Pa以下、好ましくは3×103 Pa以下で行うこと
が好ましい。混練装置内部を減圧することにより、熱可
塑性ポリエステル樹脂と分子内に3個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物又はその無水物との反応性を高める
ことが出来るとともに、樹脂の劣化や着色を防いだり、
反応残留物や副生成物を除去することができる。
【0023】本発明において、混練装置による溶融混練
は、好ましくは180〜340℃、更に好ましくは20
0〜320℃、特に好ましくは230〜300℃の温度
で行う。前記範囲未満では、熱可塑性ポリエステル樹脂
と、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物
又はその無水物との反応が不充分な傾向となり、一方、
前記範囲超過では、樹脂の劣化や着色等が生じ易い傾向
となる。溶融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂は、
水冷、風冷等の冷却により固化され、通常、ペレット状
等の粒状物として回収される。このような粒状とした場
合、引き続き実施される加熱処理の効率が高くなるため
好ましい。
は、好ましくは180〜340℃、更に好ましくは20
0〜320℃、特に好ましくは230〜300℃の温度
で行う。前記範囲未満では、熱可塑性ポリエステル樹脂
と、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化合物
又はその無水物との反応が不充分な傾向となり、一方、
前記範囲超過では、樹脂の劣化や着色等が生じ易い傾向
となる。溶融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂は、
水冷、風冷等の冷却により固化され、通常、ペレット状
等の粒状物として回収される。このような粒状とした場
合、引き続き実施される加熱処理の効率が高くなるため
好ましい。
【0024】溶融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂
は、溶融混練にて得られた粒状等を固体状態で加熱処理
することにより、溶融粘度を更に上昇させることが出来
る。加熱処理を行う際の装置は特に限定されないが、固
体状態の溶融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂が、
静置されている状態よりも流動または攪拌されている状
態で加熱されることが好ましく、具体的には、一般的に
ダブルコーン型、横型円筒型、縦型円筒型、縦型漏斗型
などの回転容器や攪拌容器、流動床などが好適に使用さ
れる。
は、溶融混練にて得られた粒状等を固体状態で加熱処理
することにより、溶融粘度を更に上昇させることが出来
る。加熱処理を行う際の装置は特に限定されないが、固
体状態の溶融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂が、
静置されている状態よりも流動または攪拌されている状
態で加熱されることが好ましく、具体的には、一般的に
ダブルコーン型、横型円筒型、縦型円筒型、縦型漏斗型
などの回転容器や攪拌容器、流動床などが好適に使用さ
れる。
【0025】この様な加熱処理を実施する場合は、通
常、窒素などの不活性気体の気流下や滞留下、或いは大
気圧以下の減圧下にて行うことが樹脂の劣化の観点から
好ましい。大気圧以下の減圧下で行う場合は、減圧度が
高い方が好ましく、3×103Pa以下とすることが特
に好ましい。減圧下で行う場合に残留する気体は不活性
気体であることが好ましい。
常、窒素などの不活性気体の気流下や滞留下、或いは大
気圧以下の減圧下にて行うことが樹脂の劣化の観点から
好ましい。大気圧以下の減圧下で行う場合は、減圧度が
高い方が好ましく、3×103Pa以下とすることが特
に好ましい。減圧下で行う場合に残留する気体は不活性
気体であることが好ましい。
【0026】前記加熱処理は、通常、溶融混練で得られ
た樹脂の融解温度以下の温度、好ましくは150〜25
0℃、特に好ましくは180〜230℃の温度で、1〜
50時間、好ましくは5〜40時間、特に好ましくは1
0〜30時間の処理を行う。融解温度を超過する温度で
は樹脂が溶融するため加熱処理の効率が悪くなり、前期
温度範囲未満では加熱処理による溶融粘度の上昇効果が
小さい傾向がある。又、該加熱処理を行うにあたり、加
熱処理前に予め粒状物を結晶化しておくことが好まし
い。結晶化は、通常、加熱処理と同様の操作を、90〜
180℃、好ましくは110〜170℃、特に好ましく
は120〜160℃の温度で、0.1〜10時間、好ま
しくは0.2〜8時間、特に好ましくは0.5〜6時間
行う。予め結晶化を行うことにより、粒状物の融着が防
止されるため好ましい。
た樹脂の融解温度以下の温度、好ましくは150〜25
0℃、特に好ましくは180〜230℃の温度で、1〜
50時間、好ましくは5〜40時間、特に好ましくは1
0〜30時間の処理を行う。融解温度を超過する温度で
は樹脂が溶融するため加熱処理の効率が悪くなり、前期
温度範囲未満では加熱処理による溶融粘度の上昇効果が
小さい傾向がある。又、該加熱処理を行うにあたり、加
熱処理前に予め粒状物を結晶化しておくことが好まし
い。結晶化は、通常、加熱処理と同様の操作を、90〜
180℃、好ましくは110〜170℃、特に好ましく
は120〜160℃の温度で、0.1〜10時間、好ま
しくは0.2〜8時間、特に好ましくは0.5〜6時間
行う。予め結晶化を行うことにより、粒状物の融着が防
止されるため好ましい。
【0027】このような加熱処理を行うことにより、溶
融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度が上
昇するため押出発泡成形性が向上するとともに、更に無
反応のカルボキシル基化合物や副生成物を除去、低減化
させることができるため樹脂の劣化および異物や着色、
臭気等を低減することができる。前記加熱処理により得
られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、温度280
℃、剪断速度10sec -1における溶融粘度が1万ポイズ
以上、更には5万ポイズ以上、特には10万ポイズ以上
であることが好ましい。溶融粘度が前記範囲未満の場合
は、溶融粘度が低いために良好な発泡体を得ることがで
きない。
融混練された熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度が上
昇するため押出発泡成形性が向上するとともに、更に無
反応のカルボキシル基化合物や副生成物を除去、低減化
させることができるため樹脂の劣化および異物や着色、
臭気等を低減することができる。前記加熱処理により得
られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、温度280
℃、剪断速度10sec -1における溶融粘度が1万ポイズ
以上、更には5万ポイズ以上、特には10万ポイズ以上
であることが好ましい。溶融粘度が前記範囲未満の場合
は、溶融粘度が低いために良好な発泡体を得ることがで
きない。
【0028】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法は、通常、前記の加熱処理により得られる分
岐熱可塑性ポリエステル樹脂と発泡剤、及び、必要に応
じて用いる添加剤等とを発泡成形機に投入することによ
り製造される。発泡体を成形する際に使用する発泡剤と
しては、既に知られている各種の発泡剤を用いることが
出来る。例えば、窒素、炭酸ガス、ヘリウム等の不活性
ガス、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の飽和
炭化水素、テトラフロロエタン、フレオン(商品名)等
のハロゲン化炭化水素などの物理発泡剤、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム等の無機塩、クエン酸ナトリウム
などの有機塩、アゾジカルボンアミド、ヒドラゾンカル
ボンアミド等のアゾ化合物およびその塩、5−フェニル
テトラゾール等のテトラゾール化合物およびその塩など
の化学発泡剤が挙げられ、更に、これらの発泡剤を複数
併用することもできる。
の製造方法は、通常、前記の加熱処理により得られる分
岐熱可塑性ポリエステル樹脂と発泡剤、及び、必要に応
じて用いる添加剤等とを発泡成形機に投入することによ
り製造される。発泡体を成形する際に使用する発泡剤と
しては、既に知られている各種の発泡剤を用いることが
出来る。例えば、窒素、炭酸ガス、ヘリウム等の不活性
ガス、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の飽和
炭化水素、テトラフロロエタン、フレオン(商品名)等
のハロゲン化炭化水素などの物理発泡剤、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム等の無機塩、クエン酸ナトリウム
などの有機塩、アゾジカルボンアミド、ヒドラゾンカル
ボンアミド等のアゾ化合物およびその塩、5−フェニル
テトラゾール等のテトラゾール化合物およびその塩など
の化学発泡剤が挙げられ、更に、これらの発泡剤を複数
併用することもできる。
【0029】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法には、安定した微細な発泡を行うために発泡
助剤や発泡核剤を添加することができる。これら発泡助
剤や発泡核剤としては、例えば、塩化ナトリウム,塩化
カリウムなどの塩化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸アルムニウムなどの炭酸塩、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウムなどの酸化物などに代表される無
機化合物や、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸ナトリ
ウム、モンタン酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜
鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、カプリル酸ナ
トリウム、ミスチリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、テレフタル酸ナトリウム、イソフタル酸ナトリウ
ム、フタル酸ナトリウムなどに代表される有機化合物な
どが例示される。これらは複数を併用することも出来
る。
の製造方法には、安定した微細な発泡を行うために発泡
助剤や発泡核剤を添加することができる。これら発泡助
剤や発泡核剤としては、例えば、塩化ナトリウム,塩化
カリウムなどの塩化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸アルムニウムなどの炭酸塩、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウムなどの酸化物などに代表される無
機化合物や、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸ナトリ
ウム、モンタン酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜
鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、カプリル酸ナ
トリウム、ミスチリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、テレフタル酸ナトリウム、イソフタル酸ナトリウ
ム、フタル酸ナトリウムなどに代表される有機化合物な
どが例示される。これらは複数を併用することも出来
る。
【0030】これら発泡助剤や発泡核剤は、通常、分岐
熱可塑性ポリエステル樹脂とともに発泡成形機に投入す
るが、予め分岐熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有され
ていてもよい。発泡成形するための成型方法には特に制
約はないが、回分式であっても連続式であってもよく、
一般的な発泡成形法、すなわち押出成形や射出成形、プ
レス成形、注入成形等の種々の熱成形方法を使用するこ
とができ、中で、押出発泡成形が特に好ましく用いられ
る。押出発泡成形を行う場合、成形に使用する装置には
特に制約はないが、一般に一軸押出機、或いは二軸押出
機の名称のものが好適に使用され、これらを直列に組み
合わせたタンデム型の押出機も好適に使用される。
熱可塑性ポリエステル樹脂とともに発泡成形機に投入す
るが、予め分岐熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有され
ていてもよい。発泡成形するための成型方法には特に制
約はないが、回分式であっても連続式であってもよく、
一般的な発泡成形法、すなわち押出成形や射出成形、プ
レス成形、注入成形等の種々の熱成形方法を使用するこ
とができ、中で、押出発泡成形が特に好ましく用いられ
る。押出発泡成形を行う場合、成形に使用する装置には
特に制約はないが、一般に一軸押出機、或いは二軸押出
機の名称のものが好適に使用され、これらを直列に組み
合わせたタンデム型の押出機も好適に使用される。
【0031】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法では、発泡成形する際の樹脂温度は、好まし
くは170〜320℃、更に好ましくは190〜310
℃、特に好ましくは210〜300℃の温度で行う。前
記範囲未満では、発泡成形時の溶融粘度が高いため押出
性が悪化する傾向となり、一方、前記範囲超過では、樹
脂の劣化や着色等が生じ易い傾向となる。射出成形、プ
レス成形、注入成形等で成形する場合は、発泡剤が導入
され、前記温度である樹脂を冷却金型に注入することに
より発泡体が得られる。押出成形する場合は、通常、発
泡剤が導入され、ダイから押出された溶融樹脂を直ちに
冷却することにより発泡体が得られる。ダイから押出す
際は、樹脂の固化する温度以上の範囲において極力冷却
しておくことが、微細な気泡を維持する上で好ましい。
の製造方法では、発泡成形する際の樹脂温度は、好まし
くは170〜320℃、更に好ましくは190〜310
℃、特に好ましくは210〜300℃の温度で行う。前
記範囲未満では、発泡成形時の溶融粘度が高いため押出
性が悪化する傾向となり、一方、前記範囲超過では、樹
脂の劣化や着色等が生じ易い傾向となる。射出成形、プ
レス成形、注入成形等で成形する場合は、発泡剤が導入
され、前記温度である樹脂を冷却金型に注入することに
より発泡体が得られる。押出成形する場合は、通常、発
泡剤が導入され、ダイから押出された溶融樹脂を直ちに
冷却することにより発泡体が得られる。ダイから押出す
際は、樹脂の固化する温度以上の範囲において極力冷却
しておくことが、微細な気泡を維持する上で好ましい。
【0032】押出発泡成形する際のダイの形状は任意で
あり、紐状に押出す場合や、フラットダイやTダイを使
用してシート状或いは板状にする場合、サーキュラーダ
イを使用して管状、或いはこれを切り開いてシート状に
する場合などがある。更にダイから押出された発泡体の
冷却を促進するために、マンドレルやフォーミングダ
イ、サイジングプレート等を使用することが好ましい。
更にロール冷却、水中冷却、送風冷却などの冷却方法を
使用することができる。
あり、紐状に押出す場合や、フラットダイやTダイを使
用してシート状或いは板状にする場合、サーキュラーダ
イを使用して管状、或いはこれを切り開いてシート状に
する場合などがある。更にダイから押出された発泡体の
冷却を促進するために、マンドレルやフォーミングダ
イ、サイジングプレート等を使用することが好ましい。
更にロール冷却、水中冷却、送風冷却などの冷却方法を
使用することができる。
【0033】本発明において、物理発泡剤を用いて押出
発泡成形する場合、発泡剤は通常、押出装置のバレルよ
り、発泡剤注入用の孔を通して溶融樹脂中に導入する。
本発明において、化学発泡剤を用いて押出発泡成形する
場合は、分岐熱可塑性ポリエステル樹脂および化学発泡
剤を共に原料として押出機に投入するか、或いは化学発
泡剤を押出機の途中から添加する方法が用いられる。該
化学発泡剤は、予め分岐熱可塑性ポリエステル樹脂また
は他の樹脂100重量部に対し1〜200重量部含有さ
れたマスターバッチであってもよい。
発泡成形する場合、発泡剤は通常、押出装置のバレルよ
り、発泡剤注入用の孔を通して溶融樹脂中に導入する。
本発明において、化学発泡剤を用いて押出発泡成形する
場合は、分岐熱可塑性ポリエステル樹脂および化学発泡
剤を共に原料として押出機に投入するか、或いは化学発
泡剤を押出機の途中から添加する方法が用いられる。該
化学発泡剤は、予め分岐熱可塑性ポリエステル樹脂また
は他の樹脂100重量部に対し1〜200重量部含有さ
れたマスターバッチであってもよい。
【0034】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
の製造方法に使用する、分岐熱可塑性ポリエステル樹脂
は、原料をそのまま発泡成形機に投入することも出来る
が、予め乾燥して投入することが好ましく、この場合、
含有水分量を400ppm以下、好ましくは200pp
m以下、特に好ましくは50ppm以下とする。ポリエ
ステル樹脂を乾燥することにより、樹脂の劣化や着色を
抑制することができる。分岐熱可塑性ポリエステル樹脂
を乾燥せずに発泡成形機に投入する場合は、成形機内部
の溶融樹脂滞留部分を減圧状態にすることが好ましい。
このように成形機内部を減圧する場合は、特に二軸押出
機または、前段が二軸押出機であるタンデム型押出機が
好ましく、減圧度を、2×104 Pa以下、好ましくは
3×10 3 Pa以下とすることが好ましい。発泡成形機
内部を減圧することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂
中の水分を除去することが出来るため、樹脂の劣化や着
色を防いだり、反応残留物や副生成物を除去することが
できる。
の製造方法に使用する、分岐熱可塑性ポリエステル樹脂
は、原料をそのまま発泡成形機に投入することも出来る
が、予め乾燥して投入することが好ましく、この場合、
含有水分量を400ppm以下、好ましくは200pp
m以下、特に好ましくは50ppm以下とする。ポリエ
ステル樹脂を乾燥することにより、樹脂の劣化や着色を
抑制することができる。分岐熱可塑性ポリエステル樹脂
を乾燥せずに発泡成形機に投入する場合は、成形機内部
の溶融樹脂滞留部分を減圧状態にすることが好ましい。
このように成形機内部を減圧する場合は、特に二軸押出
機または、前段が二軸押出機であるタンデム型押出機が
好ましく、減圧度を、2×104 Pa以下、好ましくは
3×10 3 Pa以下とすることが好ましい。発泡成形機
内部を減圧することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂
中の水分を除去することが出来るため、樹脂の劣化や着
色を防いだり、反応残留物や副生成物を除去することが
できる。
【0035】化学発泡剤を用い、成形機内部を減圧して
押出発泡成形する場合、通常、減圧して樹脂中の水分を
除去する過程の温度では化学発泡剤は分解せず、水分除
去した後に温度を上昇させることで化学発泡剤が分解す
るように温度調節することにより製造される。物理発泡
剤を用い、成形機内部を減圧して押出発泡成形する場
合、通常、減圧して樹脂中の水分を除去した後に物理発
泡剤が導入されるように装置を設計する必要がある。こ
の場合は、L/Dの大きな二軸押出機或いはタンデム型
の押出機が好適に用いられる。こうして得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂発泡体の密度は、好ましくは0.0
3〜0.8g/cm3 、更に好ましくは0.05〜0.
3g/cm3 である。前記範囲未満では発泡体の物理的
強度が低いため好ましくなく、前記範囲超過では断熱性
等の発泡体としての性質が不充分となる。
押出発泡成形する場合、通常、減圧して樹脂中の水分を
除去する過程の温度では化学発泡剤は分解せず、水分除
去した後に温度を上昇させることで化学発泡剤が分解す
るように温度調節することにより製造される。物理発泡
剤を用い、成形機内部を減圧して押出発泡成形する場
合、通常、減圧して樹脂中の水分を除去した後に物理発
泡剤が導入されるように装置を設計する必要がある。こ
の場合は、L/Dの大きな二軸押出機或いはタンデム型
の押出機が好適に用いられる。こうして得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂発泡体の密度は、好ましくは0.0
3〜0.8g/cm3 、更に好ましくは0.05〜0.
3g/cm3 である。前記範囲未満では発泡体の物理的
強度が低いため好ましくなく、前記範囲超過では断熱性
等の発泡体としての性質が不充分となる。
【0036】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体
は、その形状を限定されるものではないが、例えば、シ
ート状、板状、筒状、矩形状等の形状に成形して使用さ
れる。本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体は、更
に加熱処理することにより耐熱性が向上することがあ
る。加熱処理は、通常、100℃〜180℃、好ましく
は120〜160℃で、通常、3〜100秒、好ましく
は5〜60秒、更に好ましくは8〜30秒の条件で行わ
れる。加熱の方法は特に限定されるものではなく、オー
ブン等の装置内に保持する場合や、ヒーター近傍を通過
させる場合や、所定温度の金型に接触させる場合等があ
り、金型に接触させる場合は、同時に賦形することも出
来る。
は、その形状を限定されるものではないが、例えば、シ
ート状、板状、筒状、矩形状等の形状に成形して使用さ
れる。本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体は、更
に加熱処理することにより耐熱性が向上することがあ
る。加熱処理は、通常、100℃〜180℃、好ましく
は120〜160℃で、通常、3〜100秒、好ましく
は5〜60秒、更に好ましくは8〜30秒の条件で行わ
れる。加熱の方法は特に限定されるものではなく、オー
ブン等の装置内に保持する場合や、ヒーター近傍を通過
させる場合や、所定温度の金型に接触させる場合等があ
り、金型に接触させる場合は、同時に賦形することも出
来る。
【0037】本発明の製造方法で得られる熱可塑性ポリ
エステル樹脂発泡体は、未反応物や副生成物の生成や残
留が少なく、軽量かつ肉厚なため断熱性等の良好な発泡
体を安定的に製造することができる。こうして得られた
成形体は、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等
に好適に使用することが出来、特に食品と接触する用途
や、外観が要求される用途の成形体として好適に使用す
ることができる。
エステル樹脂発泡体は、未反応物や副生成物の生成や残
留が少なく、軽量かつ肉厚なため断熱性等の良好な発泡
体を安定的に製造することができる。こうして得られた
成形体は、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等
に好適に使用することが出来、特に食品と接触する用途
や、外観が要求される用途の成形体として好適に使用す
ることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 P−1;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル
%、ジオール単位がエチレングリコール98モル%、ジ
エチレングリコール2モル%からなり、極限粘度0.6
1dl/g、水酸基当量68.1meq/kgである熱
可塑性ポリエステル樹脂。 P−2;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル
%、ジオール単位がエチレングリコール92モル%、
1,4−シクロヘキサンジメタノール6モル%、ジエチ
レングリコール2モル%からなり、極限粘度0.93d
l/g、水酸基当量36.0meq/kgである熱可塑
性ポリエステル樹脂。 P−3;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル
%、ジオール単位がエチレングリコール98モル%、ジ
エチレングリコール2モル%から得られ、極限粘度1.
03dl/g、水酸基当量19.1meq/kgである
熱可塑性ポリエステル樹脂。
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 P−1;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル
%、ジオール単位がエチレングリコール98モル%、ジ
エチレングリコール2モル%からなり、極限粘度0.6
1dl/g、水酸基当量68.1meq/kgである熱
可塑性ポリエステル樹脂。 P−2;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル
%、ジオール単位がエチレングリコール92モル%、
1,4−シクロヘキサンジメタノール6モル%、ジエチ
レングリコール2モル%からなり、極限粘度0.93d
l/g、水酸基当量36.0meq/kgである熱可塑
性ポリエステル樹脂。 P−3;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル
%、ジオール単位がエチレングリコール98モル%、ジ
エチレングリコール2モル%から得られ、極限粘度1.
03dl/g、水酸基当量19.1meq/kgである
熱可塑性ポリエステル樹脂。
【0039】実施例1 二軸押出機(東芝機械社製TEM35、L/D=30)
に、熱可塑性ポリエステル樹脂としてP−1を100重
量部と、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化
合物又はその無水物としてのピロメリト酸二無水物を
0.3重量部の配合比で供給し、回転数150rpm、
温度290℃、1×102 Paの減圧下で溶融混練し
た。混練物はダイから押し出され、水槽中で冷却された
後、ペレタイザーでカットされ、ペレット形状で回収し
た。得られたペレットを冷却し、付着した水分を蒸発さ
せた後、ダブルコーン型回転固相重合装置に投入し、真
空中、150℃にて3時間の結晶化処理を行った後、引
き続き220℃にて25時間の加熱処理を行い、分岐熱
可塑性ポリエステル樹脂を得た。
に、熱可塑性ポリエステル樹脂としてP−1を100重
量部と、分子内に3個以上のカルボキシル基を有する化
合物又はその無水物としてのピロメリト酸二無水物を
0.3重量部の配合比で供給し、回転数150rpm、
温度290℃、1×102 Paの減圧下で溶融混練し
た。混練物はダイから押し出され、水槽中で冷却された
後、ペレタイザーでカットされ、ペレット形状で回収し
た。得られたペレットを冷却し、付着した水分を蒸発さ
せた後、ダブルコーン型回転固相重合装置に投入し、真
空中、150℃にて3時間の結晶化処理を行った後、引
き続き220℃にて25時間の加熱処理を行い、分岐熱
可塑性ポリエステル樹脂を得た。
【0040】前記方法で製造した樹脂を、含有水分量が
50ppm以下となるように乾燥した後、これを300
℃に設定した一軸押出機(30mmφ、L/D=40)
に投入し、途中、押出機バレルの後半1/3の部分よ
り、発泡剤としてブタンを0.6重量%となるように導
入し、ダイから吐出される迄に255℃まで冷却した。
サーキュラーダイから押出された発泡体は冷風の送風
下、マンドレルで引き取り、冷却した後、切り開いてロ
ールで巻き取ることにより熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体を得た。得られた発泡体は、厚み4.1mm、密度
0.28g/cm3 、外観良好であった。
50ppm以下となるように乾燥した後、これを300
℃に設定した一軸押出機(30mmφ、L/D=40)
に投入し、途中、押出機バレルの後半1/3の部分よ
り、発泡剤としてブタンを0.6重量%となるように導
入し、ダイから吐出される迄に255℃まで冷却した。
サーキュラーダイから押出された発泡体は冷風の送風
下、マンドレルで引き取り、冷却した後、切り開いてロ
ールで巻き取ることにより熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体を得た。得られた発泡体は、厚み4.1mm、密度
0.28g/cm3 、外観良好であった。
【0041】得られた発泡体をフリーザミルにて粉砕
し、1.0gをフェノール/1,1,2,2−テトラク
ロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒に1重量%溶
解し、この溶液を100倍量(容積)の過剰アセトン中
に滴下して析出した樹脂を濾過し、濾液をエバポレータ
によって濃縮後、蒸発乾固させることによって抽出物量
を測定したが、抽出物量は検出下限(0.01%)未満
であった。原料組成を表1に、発泡体の密度、厚み、外
観及び抽出物量の結果を表2に示す。
し、1.0gをフェノール/1,1,2,2−テトラク
ロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒に1重量%溶
解し、この溶液を100倍量(容積)の過剰アセトン中
に滴下して析出した樹脂を濾過し、濾液をエバポレータ
によって濃縮後、蒸発乾固させることによって抽出物量
を測定したが、抽出物量は検出下限(0.01%)未満
であった。原料組成を表1に、発泡体の密度、厚み、外
観及び抽出物量の結果を表2に示す。
【0042】実施例2〜6 表1に示すように、熱可塑性ポリエステル樹脂、分子内
に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその無
水物及びその使用量を変更した他は、実施例1と同様な
方法で熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体を製造した。原
料組成を表1に、発泡体の密度、厚み、外観及び抽出物
量の結果を表2に示す。
に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその無
水物及びその使用量を変更した他は、実施例1と同様な
方法で熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体を製造した。原
料組成を表1に、発泡体の密度、厚み、外観及び抽出物
量の結果を表2に示す。
【0043】比較例1 表1に示すように、分子内に3個以上のカルボキシル基
を有する化合物又はその無水物の使用量を変更した他
は、実施例1と同様な方法で発泡体の製造を試みたが、
固化前に泡が吹き破れたため、外観良好な発泡体が得ら
れなかった。原料組成を表1に、成形品の密度、厚み、
外観及び抽出物量の結果を表2に示す。
を有する化合物又はその無水物の使用量を変更した他
は、実施例1と同様な方法で発泡体の製造を試みたが、
固化前に泡が吹き破れたため、外観良好な発泡体が得ら
れなかった。原料組成を表1に、成形品の密度、厚み、
外観及び抽出物量の結果を表2に示す。
【0044】比較例2、3 表1に示すように、熱可塑性ポリエステル樹脂、分子内
に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその無
水物の使用量を変更した他は、実施例1と同様な方法で
発泡体の製造を試みたが、流動不良のためダイからの吐
出が困難であった。原料組成を表1に、発泡成形の結果
を表2に示す。
に3個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその無
水物の使用量を変更した他は、実施例1と同様な方法で
発泡体の製造を試みたが、流動不良のためダイからの吐
出が困難であった。原料組成を表1に、発泡成形の結果
を表2に示す。
【0045】比較例4 実施例1において、結晶化処理および加熱処理を行わな
い他は、実施例1と同様な方法で発泡体の製造を試みた
が、固化前に泡が吹き破れたため、外観良好な発泡体が
得られなかった。原料組成を表1に、成形品の密度、厚
み、外観及び抽出物量の結果を表2に示す。
い他は、実施例1と同様な方法で発泡体の製造を試みた
が、固化前に泡が吹き破れたため、外観良好な発泡体が
得られなかった。原料組成を表1に、成形品の密度、厚
み、外観及び抽出物量の結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、未反応物や副生成物等
の生成や残留が少ないと共に、力学物性等の良好な、軽
量かつ肉厚な発泡体を得る熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体の製造方法を提供することができ、特に、得られる
熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体は、包装容器や建材、
車両の内装材等として好適に使用できる。
の生成や残留が少ないと共に、力学物性等の良好な、軽
量かつ肉厚な発泡体を得る熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体の製造方法を提供することができ、特に、得られる
熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体は、包装容器や建材、
車両の内装材等として好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA66 AA67 BA02 BA03 BA13 BA32 BA33 BA36 BA37 BA38 BA39 BA40 BA53 CA22 CC04X CC04Y CC05X CC22X CC32X CC34Y CC36Y DA33 DA35 DA47 4F207 AA24 AB02 AG20 AH17 AH33 AH46 AK00 KA01 KA11 KA12 KF01 KF02 KF04 KK13 KK51 KW26 KW33 KW41
Claims (5)
- 【請求項1】 極限粘度が0.4dl/g以上の熱可塑
性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物又はその無水物とを溶融混練し、該
溶融混練物を冷却固化後、加熱処理して得られる分岐熱
可塑性ポリエステル樹脂と発泡剤とを溶融混合して、押
出発泡させる熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方
法において、熱可塑性ポリエステル樹脂の水酸基当量を
100とした場合に、分子内に3個以上のカルボキシル
基を有する化合物又はその無水物のカルボキシル基当量
が30〜250の範囲であるように配合することを特徴
とする熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂と分子内に3
個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその無水物
とを溶融混練し、該溶融混練物を冷却固化した後の加熱
処理を150〜250℃で、1〜50時間行うことを特
徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂発
泡体の製造方法。 - 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル樹脂と分子内に3
個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその無水物
とを溶融混練し、該溶融混練物を冷却固化した後の加熱
処理を窒素気流化、窒素滞留下及び大気圧以下の減圧下
の何れかの条件下で行うことを特徴とする請求項1また
は2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方
法。 - 【請求項4】 熱可塑性ポリエステル樹脂の水酸基当量
が15meq/kg以上である請求項1ないし3のいず
れかに記載の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方
法。 - 【請求項5】 分子内に3個以上のカルボキシル基を有
する化合物又はその無水物が、ピロメリト酸無水物およ
び/またはトリメリト酸無水物である請求項1ないし4
のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32933999A JP2001145950A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32933999A JP2001145950A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001145950A true JP2001145950A (ja) | 2001-05-29 |
Family
ID=18220357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32933999A Pending JP2001145950A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001145950A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009185128A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Toyobo Co Ltd | 発泡成型体用樹脂組成物、発泡成型体用樹脂シート、及び発泡成型体 |
-
1999
- 1999-11-19 JP JP32933999A patent/JP2001145950A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009185128A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Toyobo Co Ltd | 発泡成型体用樹脂組成物、発泡成型体用樹脂シート、及び発泡成型体 |
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