JP2001029078A - Rna増幅法 - Google Patents
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- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6844—Nucleic acid amplification reactions
- C12Q1/686—Polymerase chain reaction [PCR]
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、生体由来の種々夾雑物の存在下で
も核酸合成が阻害されない反応液を調製することによ
り、生体由来試料を直に反応液に添加して試料中のRNA
を増幅する方法を確立し、試料中のRNAを簡便、迅速か
つ高感度に解析することを目的とする。 【解決手段】 通常使用される反応液より高いpHを有
し、かつポリアミン 及び/又は 硫酸化多糖を含有する
反応液を使用することを特徴とする。
も核酸合成が阻害されない反応液を調製することによ
り、生体由来試料を直に反応液に添加して試料中のRNA
を増幅する方法を確立し、試料中のRNAを簡便、迅速か
つ高感度に解析することを目的とする。 【解決手段】 通常使用される反応液より高いpHを有
し、かつポリアミン 及び/又は 硫酸化多糖を含有する
反応液を使用することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はRNA増幅法、特に、
逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(Reverse Transcri
ptase - Polymerase Chain Reaction :以下RT-PCRと略
す)法によるRNA合成法に関する。
逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(Reverse Transcri
ptase - Polymerase Chain Reaction :以下RT-PCRと略
す)法によるRNA合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】RT−PCR法は、逆転写酵素(Reverse Tran
scriptase)を用いてRNAを相補的なDNA(cDNA)に転換した
後に、PCR法でcDNAを増幅する方法で、微量のRNAでも定
量的に解析できるため、今日最も検出感度の高い解析法
の1つとして、RNAを遺伝子として保有しているウイルス
の検出、mRNAの定量的検出や塩基配列決定による発現遺
伝子の解析、さらにはcDNAのクローニングによる発現産
物の解析および生産等には欠かせないものになってい
る。
scriptase)を用いてRNAを相補的なDNA(cDNA)に転換した
後に、PCR法でcDNAを増幅する方法で、微量のRNAでも定
量的に解析できるため、今日最も検出感度の高い解析法
の1つとして、RNAを遺伝子として保有しているウイルス
の検出、mRNAの定量的検出や塩基配列決定による発現遺
伝子の解析、さらにはcDNAのクローニングによる発現産
物の解析および生産等には欠かせないものになってい
る。
【0003】RT-PCR法において、RT反応に引き続き行う
PCR法は、DNA鎖の中の特定の領域をはさんだプライマー
間のDNA合成反応を繰り返すことによって、目的のDNA断
片を数十万倍にも増幅できる方法である。PCR法は、マ
リス氏らの発明である特開昭61-274697号に述べられて
いる。
PCR法は、DNA鎖の中の特定の領域をはさんだプライマー
間のDNA合成反応を繰り返すことによって、目的のDNA断
片を数十万倍にも増幅できる方法である。PCR法は、マ
リス氏らの発明である特開昭61-274697号に述べられて
いる。
【0004】さらにRNAを増幅する他の方法としては、N
ASBA(Nucleic Acid Sequence BasedAmplification)法等
が開発されている。本法はRNAからダイレクトに増幅反
応を行うことが出来るため、RNAを鋳型とした研究には
適しており、最近使用されるようになってきた。更に、
本法はPCRのような変性工程を含まないので、熱サイク
ルを必要とせず、一定温度で増幅できる特徴を有してい
る。
ASBA(Nucleic Acid Sequence BasedAmplification)法等
が開発されている。本法はRNAからダイレクトに増幅反
応を行うことが出来るため、RNAを鋳型とした研究には
適しており、最近使用されるようになってきた。更に、
本法はPCRのような変性工程を含まないので、熱サイク
ルを必要とせず、一定温度で増幅できる特徴を有してい
る。
【0005】しかし前記の方法をはじめとしたRNA増幅
法は全て酵素反応をベースとしているため、生体試料中
に存在する色素、たんぱく、糖類あるいは未知の夾雑物
によって反応が強く阻害されることが広く知られてい
る。
法は全て酵素反応をベースとしているため、生体試料中
に存在する色素、たんぱく、糖類あるいは未知の夾雑物
によって反応が強く阻害されることが広く知られてい
る。
【0006】そこで、前記のRNA増幅に先立つて、被験
物から細胞、真菌、細菌、ウィルス等(以下、RNA包含
体と称する)を分離後、そのRNA包含体よりRNAを抽出す
る過程が必要となる。その方法として、従来、酵素、界
面活性剤、カオトロピック剤等により生体試料を処理
し、その後、フェノールあるいはフェノール・クロロホ
ルム等を用いて、RNAを抽出する方法が従来より使用さ
れている。最近ではRNA抽出の過程において、イオン交
換樹脂、ガラスフィルター、ガラスビーズあるいはタン
パク凝集作用を有する試薬等が使用されている。
物から細胞、真菌、細菌、ウィルス等(以下、RNA包含
体と称する)を分離後、そのRNA包含体よりRNAを抽出す
る過程が必要となる。その方法として、従来、酵素、界
面活性剤、カオトロピック剤等により生体試料を処理
し、その後、フェノールあるいはフェノール・クロロホ
ルム等を用いて、RNAを抽出する方法が従来より使用さ
れている。最近ではRNA抽出の過程において、イオン交
換樹脂、ガラスフィルター、ガラスビーズあるいはタン
パク凝集作用を有する試薬等が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
を用いて試料中のRNAの精製を行っても、夾雑物の完全
な除去は困難であり、かつ試料中のRNAの回収量が一定
しない場合も多く、このため引き続くRNA増幅が、とり
わけ試料中の目的とするRNAの含量が少ない場合には、
うまくできない場合もある。また、これら精製法は操作
が煩雑で時間を要し、また操作中のコンタミネーション
の機会が高い。
を用いて試料中のRNAの精製を行っても、夾雑物の完全
な除去は困難であり、かつ試料中のRNAの回収量が一定
しない場合も多く、このため引き続くRNA増幅が、とり
わけ試料中の目的とするRNAの含量が少ない場合には、
うまくできない場合もある。また、これら精製法は操作
が煩雑で時間を要し、また操作中のコンタミネーション
の機会が高い。
【0008】さらに、RNAは全ての生体試料中に普遍的
に存在するRNA分解酵素(RNase)による分解の危険性に常
にさらされており、精製の際に迅速なRNase不活性化の
処理を行うべきことはもちろんのこと、精製過程におい
ても、精製後においても、RNaseが混入しないような厳
重な操作や管理が要求される。
に存在するRNA分解酵素(RNase)による分解の危険性に常
にさらされており、精製の際に迅速なRNase不活性化の
処理を行うべきことはもちろんのこと、精製過程におい
ても、精製後においても、RNaseが混入しないような厳
重な操作や管理が要求される。
【0009】本発明の目的は、核酸合成に対する阻害物
質の作用を抑制して、生体試料中のRNAを効率よく増幅
させる新規な反応液を提供することにより、試料もしく
は試料中のRNA包含体を反応液に直接添加し、試料中に
存在するRNAを増幅する方法を提供することにある。
質の作用を抑制して、生体試料中のRNAを効率よく増幅
させる新規な反応液を提供することにより、試料もしく
は試料中のRNA包含体を反応液に直接添加し、試料中に
存在するRNAを増幅する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料を反応液
に直接添加してRNA増幅反応を行うことにより、試料中
に存在するRNAを直に増幅させることを特徴とする。こ
の場合、試料を反応液に添加しても、反応液を試料に添
加してもよく、特に添加の順序にこだわらない。
に直接添加してRNA増幅反応を行うことにより、試料中
に存在するRNAを直に増幅させることを特徴とする。こ
の場合、試料を反応液に添加しても、反応液を試料に添
加してもよく、特に添加の順序にこだわらない。
【0011】本発明において、RNA増幅法にはRT-PCR法
が含まれるが、酵素反応を利用してRNA増幅を行うもの
であれば、これに限定されるものではない。また、本発
明で「直接添加」とは、「RNA増幅に先立つて、試料か
ら細胞、真菌、細菌、ウィルス等(RNA包含体)を分離
後、そのRNA包含体よりRNAを抽出する過程が不要」とい
う意味である。
が含まれるが、酵素反応を利用してRNA増幅を行うもの
であれば、これに限定されるものではない。また、本発
明で「直接添加」とは、「RNA増幅に先立つて、試料か
ら細胞、真菌、細菌、ウィルス等(RNA包含体)を分離
後、そのRNA包含体よりRNAを抽出する過程が不要」とい
う意味である。
【0012】本発明において、試料は生体試料中のRNA
包含体もしくは生体試料そのものをいう。また、生体試
料とは、動植物組織、体液、排泄物等をいい、RNA包含
体とは細胞、真菌、細菌、ウイルス等をいう。体液には
血液、血漿、血清等の血液由来試料、髄液、唾液、乳等
が含まれる。排泄物には尿、糞便等が含まれる。細胞に
は血液や髄液から分離した白血球、口中の粘膜細胞等が
含まれるが、これらに限定されるものではない。
包含体もしくは生体試料そのものをいう。また、生体試
料とは、動植物組織、体液、排泄物等をいい、RNA包含
体とは細胞、真菌、細菌、ウイルス等をいう。体液には
血液、血漿、血清等の血液由来試料、髄液、唾液、乳等
が含まれる。排泄物には尿、糞便等が含まれる。細胞に
は血液や髄液から分離した白血球、口中の粘膜細胞等が
含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0013】本発明は、段落番号[0010]記載の特徴
を実現するために、前記試料を添加する反応液のpHを
25℃で8.2以上、好ましくは、8.8〜9.2、55
℃で7.4以上、好ましくは8.0〜8.4及び/又は7
0℃で7.1以上、好ましくは、7.7〜8.1としたこ
とを特徴とする。
を実現するために、前記試料を添加する反応液のpHを
25℃で8.2以上、好ましくは、8.8〜9.2、55
℃で7.4以上、好ましくは8.0〜8.4及び/又は7
0℃で7.1以上、好ましくは、7.7〜8.1としたこ
とを特徴とする。
【0014】反応液のpH値は、例えば前記試料が血液、
血漿または血清等の血液由来試料である場合において
は、当該反応液中の25℃でのpH値は8.9、55℃でのpHは
8.1及び/又は 70℃でのpHは7.8付近とすることが好まし
い。
血漿または血清等の血液由来試料である場合において
は、当該反応液中の25℃でのpH値は8.9、55℃でのpHは
8.1及び/又は 70℃でのpHは7.8付近とすることが好まし
い。
【0015】また本発明は、段落番号[0010]記載の
特徴を実現するために、試料中の目的とするRNAを増幅
する核酸合成法において、反応液にポリアミンを添加す
ることを特徴とする。ここでポリアミンは、試料に加え
てから、反応液に添加しても、反応液に直接添加しても
よい。また、ポリアミンは、反応液に均一に入っていな
い状態(たとえば試料にポリアミンを加えて、この試料
を反応液に攪拌せずに添加した場合など)でも同様の効
果がある。また、ポリアミンは1種でも数種を組み合わ
せてもよい。
特徴を実現するために、試料中の目的とするRNAを増幅
する核酸合成法において、反応液にポリアミンを添加す
ることを特徴とする。ここでポリアミンは、試料に加え
てから、反応液に添加しても、反応液に直接添加しても
よい。また、ポリアミンは、反応液に均一に入っていな
い状態(たとえば試料にポリアミンを加えて、この試料
を反応液に攪拌せずに添加した場合など)でも同様の効
果がある。また、ポリアミンは1種でも数種を組み合わ
せてもよい。
【0016】段落番号[0015]記載のポリアミンと
は、第一級もしくは第二級アミノ基を二つ以上もつ炭化
水素の総称である。ある種のポリアミンは、生体内に存
在しており、タンパク質や核酸合成の盛んな組織に多く
含まれており、多様な生理的作用を有しているが、本発
明におけるポリアミンの作用にはかかる作用が必ずしも
要求されるわけではなく、第一級もしくは第二級アミノ
基を二つ以上一分子内に有する炭化水素であれば特に限
定される物ではない。
は、第一級もしくは第二級アミノ基を二つ以上もつ炭化
水素の総称である。ある種のポリアミンは、生体内に存
在しており、タンパク質や核酸合成の盛んな組織に多く
含まれており、多様な生理的作用を有しているが、本発
明におけるポリアミンの作用にはかかる作用が必ずしも
要求されるわけではなく、第一級もしくは第二級アミノ
基を二つ以上一分子内に有する炭化水素であれば特に限
定される物ではない。
【0017】具体的には、例えばその分子内にアミノ基
を2個含有する直鎖のポリアミン(エチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、プトレスシン)、アミノ基を3
個含有する直鎖のポリアミン(スペルミジン、ジエチレ
ントリアミン)、アミノ基を4個含有する直鎖のポリア
ミン(スペルミン、トリエチレンテトラミン)、アミノ
基を5個含有する直鎖のポリアミン(テトラエチレンペ
ンタミン)、アミノ基を6個含有する直鎖のポリアミン
(ペンタエチレンヘキサミン)、環状の構造を有してい
るポリアミン(1,4−ビス(3−アミノプロピル)−
ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1
−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,1
3−テトラオキサ−7,16−ディアザサイクロオクタ
デカンおよびトリス(2−アミノエチル)アミン)等が
挙げられる。
を2個含有する直鎖のポリアミン(エチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、プトレスシン)、アミノ基を3
個含有する直鎖のポリアミン(スペルミジン、ジエチレ
ントリアミン)、アミノ基を4個含有する直鎖のポリア
ミン(スペルミン、トリエチレンテトラミン)、アミノ
基を5個含有する直鎖のポリアミン(テトラエチレンペ
ンタミン)、アミノ基を6個含有する直鎖のポリアミン
(ペンタエチレンヘキサミン)、環状の構造を有してい
るポリアミン(1,4−ビス(3−アミノプロピル)−
ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1
−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,1
3−テトラオキサ−7,16−ディアザサイクロオクタ
デカンおよびトリス(2−アミノエチル)アミン)等が
挙げられる。
【0018】また、ポリアミンの添加量(濃度)は、ポ
リアミンの種類や試料の種類、濃度等により異なるが、
分子内に含有するアミノ基が少ないほど高濃度で、アミ
ノ基が多いほど低濃度で効果を発揮する。例えば、アミ
ノ基を2個含有するエチレンジアミンでは8mM程度の濃度
が好ましいが、アミノ基を5個以上含有するテトラエチ
レンペンタミンやペンタエチレンヘキサミンでは4mM以
上の濃度では逆に増幅反応を阻害し、2mM以下の濃度が
好ましい。
リアミンの種類や試料の種類、濃度等により異なるが、
分子内に含有するアミノ基が少ないほど高濃度で、アミ
ノ基が多いほど低濃度で効果を発揮する。例えば、アミ
ノ基を2個含有するエチレンジアミンでは8mM程度の濃度
が好ましいが、アミノ基を5個以上含有するテトラエチ
レンペンタミンやペンタエチレンヘキサミンでは4mM以
上の濃度では逆に増幅反応を阻害し、2mM以下の濃度が
好ましい。
【0019】また本発明は、段落番号[0010]記載の
特徴を実現するために、試料中の目的とするRNAを増幅
する核酸合成法において、反応液に硫酸化多糖を添加す
ることを特徴とする。ここで、硫酸化多糖は、試料に加
えてから、反応液に添加しても、反応液に直接添加して
もよい。また、硫酸化多糖は、反応液に均一に入ってい
ない状態(たとえば試料に硫酸化多糖を加えて、この試
料を反応液に攪拌せずに添加した場合など)でも同様の
効果がある。また、硫酸化多糖は1種でも数種を組み合
わせてもよい。
特徴を実現するために、試料中の目的とするRNAを増幅
する核酸合成法において、反応液に硫酸化多糖を添加す
ることを特徴とする。ここで、硫酸化多糖は、試料に加
えてから、反応液に添加しても、反応液に直接添加して
もよい。また、硫酸化多糖は、反応液に均一に入ってい
ない状態(たとえば試料に硫酸化多糖を加えて、この試
料を反応液に攪拌せずに添加した場合など)でも同様の
効果がある。また、硫酸化多糖は1種でも数種を組み合
わせてもよい。
【0020】本発明において、硫酸化多糖としては、ヘ
パリンおよびその塩、デキストランサルフェイトおよび
その塩が好ましいが、これに限定されず、例えば、へパ
ラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、フノ
ラン、硫酸化アガロース、カラギーナン、ポルフィラ
ン、フコイダン、硫酸化カードランなどを用いることが
出来る。
パリンおよびその塩、デキストランサルフェイトおよび
その塩が好ましいが、これに限定されず、例えば、へパ
ラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、フノ
ラン、硫酸化アガロース、カラギーナン、ポルフィラ
ン、フコイダン、硫酸化カードランなどを用いることが
出来る。
【0021】硫酸化多糖の添加量(濃度)は、硫酸化多
糖の種類や試料の種類、濃度等により異なるが、用いる
試料が血液由来、硫酸化多糖がヘパリンの場合は反応液
中に0.4〜25μg/ml添加するのが好ましい。また試料が
血液由来、硫酸化多糖がデキストランサルフェイトの場
合は反応液中に0.05〜8μg/ml添加するのが好ましい。
糖の種類や試料の種類、濃度等により異なるが、用いる
試料が血液由来、硫酸化多糖がヘパリンの場合は反応液
中に0.4〜25μg/ml添加するのが好ましい。また試料が
血液由来、硫酸化多糖がデキストランサルフェイトの場
合は反応液中に0.05〜8μg/ml添加するのが好ましい。
【0022】RT反応液は、通常、pH緩衝液並びにMgC
l2、KCl等の塩類、ジチオスレトール(DTT)、プライマ
ー、デオキシリボヌクレオチド類、RNaseインヒビター
及び逆転写酵素を含むものである。また、上記の塩類は
適宜他の塩類に変更して使用されている。また、ゼラチ
ン、アルブミン等のタンパク、界面活性剤等種々の物質
が添加される場合がある。
l2、KCl等の塩類、ジチオスレトール(DTT)、プライマ
ー、デオキシリボヌクレオチド類、RNaseインヒビター
及び逆転写酵素を含むものである。また、上記の塩類は
適宜他の塩類に変更して使用されている。また、ゼラチ
ン、アルブミン等のタンパク、界面活性剤等種々の物質
が添加される場合がある。
【0023】RT-PCRにおいて、RT反応に引き続き行われ
るPCRの反応液は、通常、pH緩衝液並びにMgCl2、KCl等
の塩類、プライマー、デオキシリボヌクレオチド類及び
耐熱性ポリメラーゼを含むものである。また、上記の塩
類は適宜他の塩類に変更して使用されている。また、ゼ
ラチン、アルブミン等のタンパク、ジメチルスルホキシ
ド、界面活性剤等種々の物質が添加される場合がある。
るPCRの反応液は、通常、pH緩衝液並びにMgCl2、KCl等
の塩類、プライマー、デオキシリボヌクレオチド類及び
耐熱性ポリメラーゼを含むものである。また、上記の塩
類は適宜他の塩類に変更して使用されている。また、ゼ
ラチン、アルブミン等のタンパク、ジメチルスルホキシ
ド、界面活性剤等種々の物質が添加される場合がある。
【0024】RT-PCRはRT反応の産物の1部をPCR反応液に
添加して実行すること(Two tube-Twostep)、RT反応の産
物にPCR用試薬類を添加して実行すること(One tube-Two
step)、あるいは予めRT-PCRに必要な全ての試薬を準備
しておき、RT反応とPCRを連続して実行すること(One tu
be-One step)も可能である。
添加して実行すること(Two tube-Twostep)、RT反応の産
物にPCR用試薬類を添加して実行すること(One tube-Two
step)、あるいは予めRT-PCRに必要な全ての試薬を準備
しておき、RT反応とPCRを連続して実行すること(One tu
be-One step)も可能である。
【0025】pH緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタンと塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸の組合せであ
り、鉱酸の中で望ましいものは塩酸である。また、トリ
シン、CAPSO(3ーNーCyclohexylamino −2 −hydroxyprop
anesulfonic acid )あるいはCHES(2ー(Cyclohexylami
no )ethanesulfonic acid )と苛性ソーダ、苛性カリ
との組み合わせによるpH緩衝液等種々のpH緩衝液が使用
され得る。pH調整された緩衝液は、反応液の中で10mMか
ら100mMの間の濃度で使用されることが多い。
アミノメタンと塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸の組合せであ
り、鉱酸の中で望ましいものは塩酸である。また、トリ
シン、CAPSO(3ーNーCyclohexylamino −2 −hydroxyprop
anesulfonic acid )あるいはCHES(2ー(Cyclohexylami
no )ethanesulfonic acid )と苛性ソーダ、苛性カリ
との組み合わせによるpH緩衝液等種々のpH緩衝液が使用
され得る。pH調整された緩衝液は、反応液の中で10mMか
ら100mMの間の濃度で使用されることが多い。
【0026】プライマーは、cDNA合成や核酸増幅の際の
合成開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プラ
イマーは一本鎖であることが望ましいが、二本鎖も使用
できる。もし、プライマーが二本鎖の場合には、増幅反
応に先立って一本鎖にすることが望ましい。プライマー
は、公知の方法により合成することができるし、また、
生物界から単離することもできる。
合成開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プラ
イマーは一本鎖であることが望ましいが、二本鎖も使用
できる。もし、プライマーが二本鎖の場合には、増幅反
応に先立って一本鎖にすることが望ましい。プライマー
は、公知の方法により合成することができるし、また、
生物界から単離することもできる。
【0027】RT反応に使用する逆転写酵素は、RNAをcDN
Aに逆転写出来る酵素を意味する。逆転写酵素として
は、Rous associated virus(RAV)やAvian myeloblastos
is virus(AMV)等のトリのレトロウイルス由来の逆転写
酵素、Moloney murine leukemiavirus(MMLV)等のマウス
のレトロウイルス(MMLV)由来の逆転写酵素あるいはTher
mus thermophilus由来のTth DNAポリメラーゼ等がある
が、これらにのみ限定されるものではない。
Aに逆転写出来る酵素を意味する。逆転写酵素として
は、Rous associated virus(RAV)やAvian myeloblastos
is virus(AMV)等のトリのレトロウイルス由来の逆転写
酵素、Moloney murine leukemiavirus(MMLV)等のマウス
のレトロウイルス(MMLV)由来の逆転写酵素あるいはTher
mus thermophilus由来のTth DNAポリメラーゼ等がある
が、これらにのみ限定されるものではない。
【0028】本発明のRT反応には、トリのレトロウイル
ス由来、特にAMV由来の逆転写酵素を使用するのが好ま
しい。
ス由来、特にAMV由来の逆転写酵素を使用するのが好ま
しい。
【0029】PCRに使用する耐熱性ポリメラーゼは、プ
ライマー付加による核酸を合成する耐熱性にすぐれたポ
リメラーゼを意味する。適切な耐熱性ポリメラーゼとし
ては、Thermus aquaticus由来のTaq DNAポリメラーゼ、
前記のTth DNAポリメラーゼ、Pyrococcus由来のKOD、Pf
uあるいはPwoDNAポリメラーゼ、あるいは前記の耐熱
性ポリメラーゼの混合等があるが、これらにのみ限定さ
れるものではない。なおTth DNAポリメラーゼはRT活性
も有しているため、RT-PCRをOne tube-One stepで行う
ときに、1種類の酵素で賄うことが出来る特徴を有して
いる。
ライマー付加による核酸を合成する耐熱性にすぐれたポ
リメラーゼを意味する。適切な耐熱性ポリメラーゼとし
ては、Thermus aquaticus由来のTaq DNAポリメラーゼ、
前記のTth DNAポリメラーゼ、Pyrococcus由来のKOD、Pf
uあるいはPwoDNAポリメラーゼ、あるいは前記の耐熱
性ポリメラーゼの混合等があるが、これらにのみ限定さ
れるものではない。なおTth DNAポリメラーゼはRT活性
も有しているため、RT-PCRをOne tube-One stepで行う
ときに、1種類の酵素で賄うことが出来る特徴を有して
いる。
【0030】本発明の核酸合成法の手順は、通常使用さ
れる反応液より高いpHを有した反応液を使用して、かつ
ポリアミン 及び/又は 硫酸化多糖を添加する以外、通
常の方法と何ら変わらない。すなわち、RT反応において
は選択したプライマーと逆転写酵素に適した反応温度
で、30分〜1時間程度の反応を行う。PCRにおいては、先
ず、DNAを熱変性により、1本鎖のDNAにする(ディナチ
ュレーション工程)。次に増幅させたい領域を挟むプラ
イマーをハイブリダイズさせる(アニーリング工程)。
次に4種類のデオキシリボヌクレオチド類(dATP, dGTP,
dCTP, dTTP)の共存下にDNAポリメラーゼを作用さ
せ、プライマーの伸長反応を行う(ポリメライゼーショ
ン工程)。
れる反応液より高いpHを有した反応液を使用して、かつ
ポリアミン 及び/又は 硫酸化多糖を添加する以外、通
常の方法と何ら変わらない。すなわち、RT反応において
は選択したプライマーと逆転写酵素に適した反応温度
で、30分〜1時間程度の反応を行う。PCRにおいては、先
ず、DNAを熱変性により、1本鎖のDNAにする(ディナチ
ュレーション工程)。次に増幅させたい領域を挟むプラ
イマーをハイブリダイズさせる(アニーリング工程)。
次に4種類のデオキシリボヌクレオチド類(dATP, dGTP,
dCTP, dTTP)の共存下にDNAポリメラーゼを作用さ
せ、プライマーの伸長反応を行う(ポリメライゼーショ
ン工程)。
【0031】
【実施例】以下の実施例は本発明を説明するものである
が、いかなる意味においても本発明を限定的に解釈する
ための意味を有するものではない。
が、いかなる意味においても本発明を限定的に解釈する
ための意味を有するものではない。
【0032】
【実験例1】本例は、ヒト血液を直接、今回完成した反
応液に添加してヒトベータアクチンRNAに特異的なプラ
イマーを使用してRT-PCRを行ったものである。実験は50
μlの反応液当たりヒト血液を1μl添加してRT-PCRを行
った。
応液に添加してヒトベータアクチンRNAに特異的なプラ
イマーを使用してRT-PCRを行ったものである。実験は50
μlの反応液当たりヒト血液を1μl添加してRT-PCRを行
った。
【0033】RT反応のプライマーはヒトベータアクチン
RNAに相補的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチド(BAR)
を使用し、続いて行うPCRでは、RT反応で合成されたcDN
Aに相補的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチド(BAF)を
追加して行った。なお、 RT-PCRでの、RNA由来産物とDN
A由来産物を識別するために、BAFプライマーは、ヒトベ
ータアクチン遺伝子のエクソン3、BARプライマーはエク
ソン4に設定し、両プライマー間に107bpのイントロンを
挟むように設計した。従って、本実験のRT-PCRにおける
RNA由来の産物は263bpであり、DNA由来の産物は370bpで
ある。使用したプライマー配列は次の通りである。 BAF: 5' CAAGAGATGGCCACGGCTGCT 3'(配列番号:1) BAR: 5' TCGTTCTGCATCCTGTCGGCA 3'(配列番号:2)
RNAに相補的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチド(BAR)
を使用し、続いて行うPCRでは、RT反応で合成されたcDN
Aに相補的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチド(BAF)を
追加して行った。なお、 RT-PCRでの、RNA由来産物とDN
A由来産物を識別するために、BAFプライマーは、ヒトベ
ータアクチン遺伝子のエクソン3、BARプライマーはエク
ソン4に設定し、両プライマー間に107bpのイントロンを
挟むように設計した。従って、本実験のRT-PCRにおける
RNA由来の産物は263bpであり、DNA由来の産物は370bpで
ある。使用したプライマー配列は次の通りである。 BAF: 5' CAAGAGATGGCCACGGCTGCT 3'(配列番号:1) BAR: 5' TCGTTCTGCATCCTGTCGGCA 3'(配列番号:2)
【0034】RT反応液には、10mMTris-HCl, 35mMKCl,
1.5mMMgCl2, 200μMのdATP, dCTP, dGTPおよびdTTP, 2m
M DTT, 0.4μMのBARプライマー, 50units/50μlのRibon
ucleaseInhibitor(Takara shuzo, Kyoto, Japan), 5u
nits/50μl のAMV XL逆転写酵素(Takara shuzo)にポ
リアミン、硫酸化多糖を添加した反応液(pH8.9)を使用
した。
1.5mMMgCl2, 200μMのdATP, dCTP, dGTPおよびdTTP, 2m
M DTT, 0.4μMのBARプライマー, 50units/50μlのRibon
ucleaseInhibitor(Takara shuzo, Kyoto, Japan), 5u
nits/50μl のAMV XL逆転写酵素(Takara shuzo)にポ
リアミン、硫酸化多糖を添加した反応液(pH8.9)を使用
した。
【0035】RT反応に続くPCR反応は、前記RT反応液に2
0pmolのBAFプライマーおよび1.25 unitsのTaq DNA ポリ
メラーゼ(TaKaRa Taq: Takara shuzo)を添加して行っ
た。
0pmolのBAFプライマーおよび1.25 unitsのTaq DNA ポリ
メラーゼ(TaKaRa Taq: Takara shuzo)を添加して行っ
た。
【0036】RT反応は55℃、30分間行い、反応後95℃、
5分間処理し、逆転写酵素を不活化した。
5分間処理し、逆転写酵素を不活化した。
【0037】前記操作終了後、BAFプライマーおよびTaq
DNA ポリメラーゼを添加してPCRを行った。PCRは、94
℃ 30秒間、68℃ 30秒間、72℃ 60秒間の条件で50サ
イクル、最後に72℃ 7分間のポリメライゼーションを
行った。PCR終了後、反応液5μlを用いて、2.5%アガ
ロースを含む、0.5μg/ml臭化エチジウム添加TAE(40mM
Tris-acetate, 1mM EDTA)液中で電気泳動を行い検出し
た。
DNA ポリメラーゼを添加してPCRを行った。PCRは、94
℃ 30秒間、68℃ 30秒間、72℃ 60秒間の条件で50サ
イクル、最後に72℃ 7分間のポリメライゼーションを
行った。PCR終了後、反応液5μlを用いて、2.5%アガ
ロースを含む、0.5μg/ml臭化エチジウム添加TAE(40mM
Tris-acetate, 1mM EDTA)液中で電気泳動を行い検出し
た。
【0038】50μlの反応液当たり1μlのヒト血液を直
接添加してRT-PCRを行ったときの増幅産物の電気泳動図
を図1に示す。
接添加してRT-PCRを行ったときの増幅産物の電気泳動図
を図1に示す。
【0039】図中Mはサイズマーカー(HincIIで切断し
た250ng のφ X174-RF DNA)、1は逆転写酵素存在下、
2は対照として逆転写酵素非存在下でRT-PCRを行ったと
きの結果を示したものである。
た250ng のφ X174-RF DNA)、1は逆転写酵素存在下、
2は対照として逆転写酵素非存在下でRT-PCRを行ったと
きの結果を示したものである。
【0040】以上の結果から、 ヒト血液を直に反応液
に添加して逆転写酵素存在下でRT-PCRを行ったとき(レ
ーン1)に、ヒトベータアクチンRNAに特異的な増幅産物
が得られたことが示されている(図中矢印)。なお、矢
印より上の増幅産物はPCRにより増幅したDNA増幅産物で
ある。
に添加して逆転写酵素存在下でRT-PCRを行ったとき(レ
ーン1)に、ヒトベータアクチンRNAに特異的な増幅産物
が得られたことが示されている(図中矢印)。なお、矢
印より上の増幅産物はPCRにより増幅したDNA増幅産物で
ある。
【0041】
【実験例2】本例は、ヒト血液を低浸透圧液で処理して
溶血した後、遠心操作を行い上清を除去した白血球沈査
に実験例1と同じ反応液を添加してRT-PCRを行ったもの
である。RT-PCRおよび電気泳動によるRNA増幅産物の検
出は実験例1と同一の条件で行った。
溶血した後、遠心操作を行い上清を除去した白血球沈査
に実験例1と同じ反応液を添加してRT-PCRを行ったもの
である。RT-PCRおよび電気泳動によるRNA増幅産物の検
出は実験例1と同一の条件で行った。
【0042】種々の量の白血球沈査に50μlの反応液を
添加してRT-PCRを行ったときの増幅産物の電気泳動図を
図2に示す。
添加してRT-PCRを行ったときの増幅産物の電気泳動図を
図2に示す。
【0043】図中Mはサイズマーカー(HincIIで切断し
た250ng のφ X174-RF DNA)、2,3,4,5はそれぞれ10μ
l, 20μl, 40μl, 80μlの血液を処理して作製した白血
球沈査に50μlの反応液を添加してRT-PCRを行ったとき
の結果を示したものである。なお、1はコントロールと
して白血球無添加でRT-PCRを行ったときの結果である。
た250ng のφ X174-RF DNA)、2,3,4,5はそれぞれ10μ
l, 20μl, 40μl, 80μlの血液を処理して作製した白血
球沈査に50μlの反応液を添加してRT-PCRを行ったとき
の結果を示したものである。なお、1はコントロールと
して白血球無添加でRT-PCRを行ったときの結果である。
【0044】以上の結果から、 ヒトの白血球沈査に今
回開発した反応液を添加してRT-PCRを行ったときに、い
ずれの白血球添加量においてもヒトベータアクチンRNA
に特異的な増幅産物が得られたことが示されている(図
中矢印)。なお、矢印より上の増幅産物はPCRにより増
幅したDNA増幅産物である。
回開発した反応液を添加してRT-PCRを行ったときに、い
ずれの白血球添加量においてもヒトベータアクチンRNA
に特異的な増幅産物が得られたことが示されている(図
中矢印)。なお、矢印より上の増幅産物はPCRにより増
幅したDNA増幅産物である。
【0045】さらに図2の結果は、80μlもの大量の血液
を処理して得た白血球をRT-PCRに使用した場合において
も(レーン5)、ヒトベータアクチンRNAに特異的な増幅
産物が得られたことを示している。
を処理して得た白血球をRT-PCRに使用した場合において
も(レーン5)、ヒトベータアクチンRNAに特異的な増幅
産物が得られたことを示している。
【0046】以上の結果は、今回開発した反応液を使用
したRT-PCRにより、大量の白血球中のRNAが解析できる
ことを示している。従って、本方法を使用することによ
り、1部の細胞に発現しているRNAあるいは、細胞中に微
量に発現しているRNAを、試料あるいは試料中のRNA包含
体から直接解析することが可能となる。
したRT-PCRにより、大量の白血球中のRNAが解析できる
ことを示している。従って、本方法を使用することによ
り、1部の細胞に発現しているRNAあるいは、細胞中に微
量に発現しているRNAを、試料あるいは試料中のRNA包含
体から直接解析することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】本発明により、生体由来試料を反応液に
添加して、試料中に存在するRNAを直に増幅することが
可能となった。本発明を使用することにより、生体由来
試料中に潜むC型肝炎ウイルス(HCV)等のRNAウイルス、
エイズウイルス(HIV)等のレトロウイルス等の外来生物
あるいは宿主細胞とはもはや別物となってしまった癌細
胞等の変異細胞を簡便、迅速に検出することが可能とな
った。さらに本発明を使用することにより、 細胞中で
転写されるmRNAの検出や塩基配列決定による発現遺伝子
の解析、さらにはcDNAのクローニングによる発現産物の
解析および生産等を簡便、迅速に行うことが可能となっ
た。さらに、本方法は生体由来試料から直接RNAを増幅
するため、従来のRNAの抽出、精製時におけるRNaseによ
るRNAの分解による影響を心配する必要がなくなった。
添加して、試料中に存在するRNAを直に増幅することが
可能となった。本発明を使用することにより、生体由来
試料中に潜むC型肝炎ウイルス(HCV)等のRNAウイルス、
エイズウイルス(HIV)等のレトロウイルス等の外来生物
あるいは宿主細胞とはもはや別物となってしまった癌細
胞等の変異細胞を簡便、迅速に検出することが可能とな
った。さらに本発明を使用することにより、 細胞中で
転写されるmRNAの検出や塩基配列決定による発現遺伝子
の解析、さらにはcDNAのクローニングによる発現産物の
解析および生産等を簡便、迅速に行うことが可能となっ
た。さらに、本方法は生体由来試料から直接RNAを増幅
するため、従来のRNAの抽出、精製時におけるRNaseによ
るRNAの分解による影響を心配する必要がなくなった。
【0048】
【配列表】 <110>shimadzu corp. <120>Method for synthesis of RNA <130>K0990669 <160>2 <210>1 <211>21 <212>DNA <213>Artificial Sequence <400>1 CAAGAGATGGCCACGGCTGCT <210>2 <211>21 <212>DNA <213>Artificial Sequence <400>2 TCGTTCTGCATCCTGTCGGCA
【図1】実験例1で増幅されたRNAを検出するために用
いたゲル電気泳動の泳動図である。
いたゲル電気泳動の泳動図である。
【図2】実験例2で増幅されたRNAを検出するために用
いたゲル電気泳動の泳動図である。
いたゲル電気泳動の泳動図である。
Claims (4)
- 【請求項1】生体試料中の目的とするRNAを増幅する核
酸合成法において、試料中のRNA包含体もしくは試料そ
のものを反応液に直接添加して反応させることを特徴と
するRNA増幅法。 - 【請求項2】前記の反応液の25℃におけるpHを8.2以
上、55℃におけるpHを7.4以上及び/又は 70℃におけるp
Hを7.1以上としたことを特徴とする請求項1記載のRNA
増幅法。 - 【請求項3】前記の反応系内にポリアミンを添加するこ
とを特徴とする請求項1記載のRNA増幅法。 - 【請求項4】前記の反応系内に硫酸化多糖(sulfated p
olysaccharide)およびその塩(以下総称して硫酸化多
糖と称する)を添加することを特徴とする請求項1記載
のRNA増幅法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11202626A JP2001029078A (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | Rna増幅法 |
DE60030811T DE60030811T2 (de) | 1999-07-16 | 2000-07-05 | Verfahren zur Ampifizierung von RNA |
EP00114422A EP1069190B1 (en) | 1999-07-16 | 2000-07-05 | Method for amplification of RNA |
US09/610,901 US6472187B1 (en) | 1999-07-16 | 2000-07-06 | Method for amplification of RNA |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11202626A JP2001029078A (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | Rna増幅法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001029078A true JP2001029078A (ja) | 2001-02-06 |
Family
ID=16460480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11202626A Pending JP2001029078A (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | Rna増幅法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6472187B1 (ja) |
EP (1) | EP1069190B1 (ja) |
JP (1) | JP2001029078A (ja) |
DE (1) | DE60030811T2 (ja) |
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WO2007052765A1 (ja) | 2005-11-02 | 2007-05-10 | Shimadzu Corporation | Rnaの抽出方法及びrnaの検出方法 |
JP2008531039A (ja) * | 2005-02-28 | 2008-08-14 | バイオクエスト インク | 核酸分子が含まれる直接酵素反応方法 |
WO2013002354A1 (ja) | 2011-06-29 | 2013-01-03 | 株式会社ダナフォーム | 生体試料の前処理方法、rnaの検出方法及び前処理キット |
JP2014525753A (ja) * | 2011-08-17 | 2014-10-02 | キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | アニオン性ポリマーを含む、rt−pcr用組成物及び方法 |
JP2017504356A (ja) * | 2013-12-25 | 2017-02-09 | コヨーテ バイオサイエンス カンパニー, リミテッド | 核酸増幅のための方法およびシステム |
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AU9066001A (en) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Invitrogen Corporation | Compositions and methods for enhanced sensitivity and specificity of nucleic acid synthesis |
US6667165B2 (en) * | 2001-11-13 | 2003-12-23 | Eppendorf Ag | Method and compositions for reversible inhibition of thermostable polymerases |
US8628918B2 (en) | 2005-05-09 | 2014-01-14 | Affymetrix, Inc. | Multiplex capture of nucleic acids |
US8632970B2 (en) | 2005-05-09 | 2014-01-21 | Affymetrix, Inc. | Multiplex capture of nucleic acids |
DE602006020715D1 (de) * | 2005-05-12 | 2011-04-28 | Affymetrix Inc | Multiplex-assays für verzweigtkettige dna |
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JPWO2010064628A1 (ja) * | 2008-12-05 | 2012-05-10 | オリンパス株式会社 | 核酸含有試料の調製方法、試料調製用溶液、及び核酸の解析方法 |
CN108368543B (zh) | 2015-10-12 | 2023-06-13 | 领先细胞医疗诊断有限公司 | 高噪声样品中原位检测核苷酸变体及相关的组合物和方法 |
DE102019201966B4 (de) | 2019-02-14 | 2023-07-27 | Axagarius Gmbh & Co. Kg | Probentransferwerkzeug |
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ES2194843T3 (es) * | 1992-09-11 | 2003-12-01 | Hoffmann La Roche | Deteccion de acidos nucleicos en sangre. |
US5705366A (en) * | 1994-09-15 | 1998-01-06 | Johnson & Johnson Clinical Diagnostics, Inc. | Coamplification of target nucleic acids using volume exclusion agent in reaction composition, test kit and test device useful therefor |
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-
1999
- 1999-07-16 JP JP11202626A patent/JP2001029078A/ja active Pending
-
2000
- 2000-07-05 DE DE60030811T patent/DE60030811T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2000-07-05 EP EP00114422A patent/EP1069190B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2000-07-06 US US09/610,901 patent/US6472187B1/en not_active Expired - Lifetime
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---|---|
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EP1069190A3 (en) | 2002-07-17 |
DE60030811T2 (de) | 2007-02-22 |
US6472187B1 (en) | 2002-10-29 |
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