JP2001023640A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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Abstract
高い電池容量と安全性をもつリチウム二次電池を提供す
る。 【解決手段】LixCo1-h-iNihQiO2、のB成分及
びLixCo1-jQjO2、のC成分の少なくとも1以上
と、層状岩塩型単斜晶構造をもつLixMnyM1-yO2の
A成分とを含む複合酸化物を正極活物質とする。M:A
l、Fe、Co、Ni又はCr、Q: Al、Fe、M
n、Ti,Ca又はMg。
Description
次電池及びそれに使用されるリチウム遷移金属複合酸化
物を主成分とする正極活物質に関する。
化が進むにつれ、小型、軽量でかつ高エネルギー密度を
有するリチウム二次電池に対する期待が高まっている。
リチウム二次電池用の正極活物質には、LiCoO2、
LiNiO2、LiMn2O4、LiMnO2などの、リチ
ウムと遷移金属の複合酸化物が知られている。その中で
最近では特に、安全性が高く、かつ安価な材料として、
リチウムとマンガンの複合酸化物の研究が盛んである。
これらを正極活物質として用いて、負極活物質としてリ
チウムを吸蔵、放出することができる炭素材料等を用い
た、高電圧、高エネルギー密度のリチウム二次電池の開
発が進められている。
極活物質は、主活物質であるリチウムにコバルト、ニッ
ケル、マンガンをはじめとする遷移金属を固溶させた複
合酸化物からなる。その用いられる遷移金属の種類によ
って、電池容量、可逆性、作動電圧、安全性などの電極
特性が異なる。
0.2O2のように、リチウムにコバルトやニッケルを固溶
させた岩塩層状複合酸化物を正極活物質に用いたリチウ
ム二次電池は、それぞれ140〜160mAh/g及び
190〜210mAh/gと比較的高い電池容量を達成
できるとともに、2.5〜4.3Vの高い電圧領域で良
好な可逆性を示す。しかし、充電時において、正極活物
質と電解液溶媒との反応により、高温下で電池が発熱し
易い問題がある。また、原料となるコバルトやニッケル
が高価なためコストが高い、2.5〜3.5Vの電圧領
域での電池容量が低い、等の問題もある。
LiMn2O4からなるスピネル型複合酸化物を正極活物
質に用いたリチウム二次電池は、充電時の正極活物質と
電解液溶媒との反応による発熱は比較的しにくいもの
の、電池容量が上述のコバルト系およびニッケル系活物
質に比べて100〜120mAh/gと低い。また、充
放電サイクル耐久性が乏しく、3V未満の低い電圧領域
では急速に劣化が生じる。
合酸化物を正極活物質に用いたリチウム二次電池は、
3.0〜3.5Vの電圧領域での電池容量が低い。同じ
く安価なマンガンを原料とするβ−NaMnO2型構造
からなる斜方晶LiMnO2からなる複合酸化物を正極
活物質に用いたリチウム二次電池は、LiMn2O4に比
べて2V前後の低い電圧領域まで作動できるので高い電
池容量が期待できるが、充放電耐久性が乏しい。
構造からなる斜方晶LiMnO2と、α−NaMnO2型
構造からなる層状岩塩型構造の単斜晶LiMnO2 が知
られている。どちらのLiMnO2も、充電時の正極活
物質と電解液溶媒との反応による発熱は比較的しにく
い。しかし、斜方晶LiMnO2は、充放電の繰り返し
により徐々に別の結晶相(スピネル相)に転移していく
ため、充放電サイクル耐久性が乏しい。
CrまたはAlを添加した正極活物質が特開平10−1
34812号公報に開示されている。しかし、該公報に
開示されたLiMnMO2は、そのX線回折結果がJC
PDSの35−749と類似していることから判るよう
に、いずれも斜方晶LiMnO2構造を有しており、充
放電サイクルの耐久性は不十分なものであった。
通常の固相反応法で合成したα−NaMnO2をLiイ
オンを含む非水溶媒中で300℃以下の温度でイオン交
換に供することにより合成されている(A.R.Armstrong
and P.G.Bruce,NATURE,Vol.381,P499, 1996)。また、
アルカリ金属水酸化物の共存下のリチウム塩水溶液中で
マンガン酸化物を水熱処理することにより直接合成する
ことが見出されている(田淵ら、特開平11−2112
8号公報)。かかる方法で合成された層状岩塩型単斜晶
LiMnO2は、イオン交換法よりも工業的に製造し易
く好ましい。
状岩塩型単斜晶LiMnO2を正極活物質に用いた場
合、充放電サイクル耐久性は斜方晶LiMnO2に較べ
て改良されるものの、LiCoO2、LiNi0.8Co
0.2O2のように、リチウムにコバルトやニッケルを固溶
させた岩塩層状複合酸化物を正極活物質に用いたリチウ
ム二次電池より充放電サイクル耐久性がいまだ劣る問題
があった。更に層状岩塩型単斜晶LiMnO2を正極活
物質に用いた場合、LiCoO2、LiNi0.8Co0 .2
O2のようにコバルトやニッケルを固溶させた層状岩塩
型複合酸化物を正極活物質に用いたリチウム二次電池よ
り大電流密度での電池容量発現性が劣る問題もある。
物を正極活物質として使用する替わりに、斜方晶系のL
iMnO2に、LiNiO2 、LiCoO2およびLiM
n2O4からなる群より選択される少なくとも一種のリチ
ウム遷移金属複合酸化物を混合することが特開平9−1
80718号公報に提案されている。しかし、かかる混
合物を用いた電池は充放電サイクル耐久性が不足する問
題がある。また、特開平11−3698号公報にはLi
Mn2O4、LiNiO2およびLiCoO2の3種混合物
からなるリチウム二次電池が提案されている。かかるL
iMn2O4、LiNiO2およびLiCoO2の3種混合
物をもちいた電池は充放電電圧4.3〜3.0V範囲で
は単位重量当たりのLiMn2O4の放電容量が低いので
必然的に混合物も放電容量が低い。また、4.3〜2.
5Vの電圧領域で充放電を行うと充放電サイクルの進行
とともにLiMn2O4の劣化により急速に電池容量低下
が起きる。
囲での使用を可能とし、高電流密度下での電池容量が高
く、充放電サイクル耐久性に優れ、高安全性、高エネル
ギー密度及び大電流放電特性の良いリチウム二次電池及
びそれに使用される正極活物質を提供することを目的と
する。
金属複合酸化物を主成分とする正極活物質層を備えたリ
チウム二次電池において、リチウム遷移金属複合酸化物
が、下記成分(B)および下記成分(C)から選ばれる
少なくとも一つの成分と、下記成分(A)とを含有する
ことを特徴とするリチウム二次電池にある。 (A)層状岩塩型単斜晶構造を有し、LixMnyM1-y
O2で表される複合酸化物 (B)LixCo1-h-iNihQiO2で表される複合酸化
物。 (C)LixCo1-jQjO2で表される複合酸化物。
式間で、Q及びxは独立して選ばれる。 M:Al、F
e、Co、Ni及びCrから選ばれる1種以上の元素、
Q: Al、Fe、Mn、Ti,Ca及びMgから選ばれ
る1種以上の元素。
0.6≦h≦1.0、0≦i≦0.10、 0≦1−h
−i、 0≦j≦0.05。
する。
属複合酸化物の成分(A)である、LixMnyM1-yO2
で表される複合酸化物は、結晶構造が層状岩塩型単斜晶
構造を有するものが使用されるが、斜方晶構造のものに
比べて、充放電サイクル耐久性が高い性質を有すること
が見出された。
素、Mは、Al、Fe、Co、Ni及びCrから選ばれ
る1種以上の元素が使用される。なかでも、充放電サイ
クル耐久性に優れることからFe、Crが好ましい。ま
た、成分(A)の複合酸化物を表す上記の式において、
xは、0<x≦1.1であり、yは、1である。yが
0.5未満であると層状岩塩単斜晶構造を維持出来なく
なる。特に好ましくは、yは、0.65≦y≦0.99
が採用される。
化物中の成分(A)の含有量は、30〜80重量%であ
るのが好ましい。30重量%未満であるとリチウム電池
の安全性が乏しくなり、また、電圧領域3V未満での電
池容量が低下する。一方、80重量%を超えると、大電
流での放電容量が低下するので不適切である。特に好ま
しい成分(A)の含有量は、40〜70重量%である。
は、LixCo1-h-iNihQiO2で表されるが、Qは、
Al、Fe、Mn、Ca及びMgから選ばれる1種以上
の元素であり、Qの存在により、充放電サイクル、耐久
性向上あるいは電池安全性が向上する。なかでも、Q
は、Mn、Alが好ましい。
1.1であり、hは、0.6≦h≦1.0である。成分
(B)におけるニッケルとコバルトの原子比は、上記h
とiを調整することにより、70:30〜85:15に
なるようにするのが好ましい。コバルトがこの量比より
多いと容量が低下するので好ましくない。コバルトがこ
の量比より少ないと充放電サイクル耐久性が乏しくなる
ので好ましくない。ニッケルとコバルトの原子比は8
0:20〜84:16であるのが特に好ましい。
i≦0.10であり、充放電サイクル、耐久性向上ある
いは電池安全性が向上する。特に、iは、ニッケルとコ
バルトとの合計量に対して0.1〜5%程度固溶するよ
うに、0.001≦i≦ 0.05であるのが好まし
い。
は、LixCo1-jQjO2で表されるが、Qは、 Al、
Fe、Mn、Ca及びMgから選ばれる1種以上の元素
であり、成分(B)のQとは、独立して選択される。Q
の存在により、充放電サイクル、耐久性向上あるいは電
池安全性が向上する。なかでも、Qは、Ti、Caが好
ましい。
x≦1.1であり、jは、0≦j≦0.05である。特
に、jは、QがコバルトとQの合量に対して原子比で
0.1〜3%程度固溶するように、0.001≦j≦
0.03であるのが好ましい。
化物中の成分(B)の含有量は、20〜70重量%であ
るのが好ましい。20重量%未満であるとリチウム二次
電池の容量が低下したり、大電流充放電特性が低下する
ので好ましくない。成分(B)の含有量は、30〜60
重量%であるのが特に好ましい。また、リチウム遷移金
属複合酸化物中の成分(C)の含有量は、20〜70重
量%であるのが好ましい。20重量%未満であるとリチ
ウム二次電池の容量が低下したり、大電流充放電特性が
低下するので好ましくない。成分(C)の含有量は、3
0〜60重量%以上であるのが特に好ましい。そして、
リチウム遷移金属複合酸化物中に成分(B)と成分
(C)とを含有する場合は、両成分の合計の含有量が、
好ましくは、20〜70重量%、特には30〜60重量
%であるのが適切である。
しい代表例として、以下の(1)及び(2)のものがあ
げられる。なお、本発明で使用される、上記成分
(A)、成分(B)及び成分(C)は、それぞれに該当
する複合酸化物の1種又は2種以上が使用される。
分とする正極活物質層を備えたリチウム二次電池におい
て、リチウム遷移金属複合酸化物が、30〜80重量%
の成分(A)と、20〜70重量%の成分(B)との混
合物を含有するリチウム二次電池。なかでも、成分
(B)の、LixCo1-h-iNihQiO2において、0.
7≦h≦0.9、0≦i≦0.10、特には、0.75
≦h≦0.85、0.001≦i≦0.05を満足する
リチウム二次電池。
分とする正極活物質層を備えたリチウム二次電池におい
て、30〜80重量%の下記成分(A)と、20〜70
重量%の下記成分(C)との混合物を含有するリチウム
二次電池。
合酸化物を主成分とする正極活物質を使用する正極は、
好ましくは、次のようにして製造される。即ち、上記複
合酸化物の混合物の粉末に、アセチレンブラック、黒
鉛、ケッチェンブラック等のカーボン系導電材、結合材
及び結合材の溶媒または分散媒とを混合することにより
正極合剤が形成される。
とし、アルミニウム箔、ステンレス箔等の正極集電体に
塗布又は担持し、プレス圧延して正極活物質層を正極集
電体上に形成する。結合材には、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、カルボ
キシメチルセルロース、アクリル樹脂等が用いられる。
27〜37%であることが好ましい。空隙率が27%未
満であると電解液が含浸しにくくなる結果、電池の内部
抵抗が高くなるので好ましくない。37%を超えると正
極活物質層の体積が増加し単位体積あたりの充放電容量
が低下するので好ましくない。空隙率は30〜35%が
特に好ましい。正極活物質層の空隙率は、正極活物質層
を正極集電体上に形成した正極電極体をプレス圧延する
際のプレス条件、あるいはスラリーまたは混練物を形成
する際の溶媒または分散媒の含量により制御される。な
お、本発明で正極の空隙率は、見かけの密度と真密度か
ら求めた。
は、マンガン化合物とリチウム化合物と金属元素Mを含
む化合物から固相法により500〜1000℃焼成する
などの既知方法により合成される。なかでも、リチウム
元素およびリチウム元素以外のアルカリ金属水酸化物を
含有する水溶液中でマンガン化合物と金属元素Mを含む
化合物とを、好ましくは130〜300℃にて、水熱処
理することにより製造されたものであるのが適切であ
る。
素に加え高濃度の水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリ
ウムを含有する強塩基性水溶液中に、マンガン化合物と
金属元素Mを含む化合物マンガンと金属元素、Mの共沈
水酸化物、共沈酸化物または共沈オキシ水酸化物などの
共沈物の少なくともいずれかを130〜300℃にて水
熱処理することにより製造されるのが特に好ましい。
2O3、MnO、MnO2などの酸化物、これら酸化物の
水和物、オキシ水酸化物などが例示される。マンガン原
料としては、3価のマンガンの化合物がより好ましい。
これらのマンガン原料は、単独で使用してもよく、2種
以上を併用しても良い。
単体金属、水酸化物、酸化物、オキシ水酸化物、塩化
物、硝酸塩等が使用される。これらの原料は、単独で使
用してもよく、2種以上を併用しても良い。
質溶液の溶媒としては、炭酸エステルが好ましい。炭酸
エステルは環状、鎖状いずれも使用できる。環状炭酸エ
ステルとしてはプロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート(以下ECという)等が例示される。鎖状炭酸
エステルとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート(以下DECという)、エチルメチルカーボネ
ート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピ
ルカーボネート等が例示される。
2種以上を混合して使用でき、他の溶媒と混合して使用
してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖状
炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電特
性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合があ
る。
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(例え
ば、カイナー:アトケム社商品名)、特開平10−29
4131号公報に開示されたフッ化ビニリデン−パーフ
ルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体を添加し、
下記の溶質を加えることによりゲルポリマー電解質も使
用することができる。
としては、ClO4 -、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -、
AsF6 -、SbF6 -、CF3CO2 -、(CF3SO2)2N
-等をアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上を
使用することが好ましい。上記の電解質溶液またはポリ
マー電解質は、リチウム塩からなる電解質を前記溶媒ま
たは溶媒含有ポリマーに0.2〜2.0mol/リット
ルの濃度で添加するのが好ましい。この範囲を逸脱する
と、イオン伝導度が低下し、電解質溶液又はポリマー電
解質の電気伝導度が低下する。より好ましくは0.5〜
1.5mol/リットルが選定される。セパレータに
は、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンフィル
ムが好ましく使用される。
ムイオンを吸蔵、放出可能な材料である。これらの負極
活物質を形成する材料は特に限定されないが、リチウム
金属、リチウム合金、炭素材料、周期表14、15族の
金属を主体とした酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合
物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物
等がれる。上記炭素材料としては、種々の熱分解条件で
有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土状黒
鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等が使用できる。また、酸化
物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用でき
る。負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔等が用いら
れる。
炭素材料である場合は、有機溶媒と混練してスラリーと
し、該スラリーを金属箔集電体に塗布、乾燥、プレスし
て得ることが好ましい。本発明のリチウム二次電池の形
状には特に制約はない。シート状(いわゆるフィルム
状)、折り畳み状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用
途に応じて選択される。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。な
お、例11〜14は、比較例である。
(モル比0.85:0.15)混合水溶液に水酸化アン
モニウム水溶液を加えて共沈させ、150℃で加熱、乾
燥により、マンガン−アルミニウム共沈水酸化物(マン
ガン:アルミニウム原子比=0.85:0.15)を得
た。
ム0.45重量%を含むアルカリ水溶液にマンガン−ア
ルミニウム共沈水酸化物粉末を添加し、撹拌した。オー
トクレーブ内を窒素ガスで置換した後、225℃で10
時間水熱処理した。反応終了後オートクレーブを冷却し
た後内容物を取り出し内容物スラリーを濾過し、エタノ
ールで洗浄して水酸化リチウム、水酸化カリウム等を除
去し、乾燥して粉末を取得した。
果、2θが18度、37度、39度、45度、62度、
65度、67度に回折ピークが認められ、これらは層状
岩塩型単斜晶構造を有するLiMnO2であることが判
った。粉末の元素分析によりLiMn0.85Al0.15O2
であることが判った。
で82:18になるようにNiCl 2・6H2OとCoC
l2 ・6H2Oとを炭酸ガスを飽和した純水に溶解せし
め、この溶液にNaHCO3水溶液を加え、生成した沈
殿物を水洗後窒素ガス中140℃で乾燥することにより
ニッケル−コバルト(原子比82:18)の共沈炭酸塩
を得た。この炭酸塩を炭酸リチウムと混合し910℃で
5時間焼成することによりLiNi0.82Co0.18O2を
得た。
2 とLiNi0.82Co0.18O2を重量比で50:50の
割合で混合し、この混合物粉末とアセチレンブラックと
ポリフッ化ビニリデンとを83/10/7の重量比でN
−メチルピロリドン加えつつボールミル混合し、スラリ
ーとした。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム
箔正極集電体上に塗布し、150℃にて乾燥してN−メ
チルピロリドンを除去した。しかる後にロールプレス圧
延をして正極体を得た。
プロピレンを用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を
負極に用い負極集電体にニッケル箔を使用し、電解液に
は、1MのLiPF6/EC+DEC(1:1)を用い
てステンレス製簡易密閉セル(以下、電池という)をア
ルゴングローブボックス内で組立た。なお、1MのLi
PF6/EC+DEC(1:1)とは、容量比1:1の
ECとDECとを含む溶媒に1MのLiPF6を溶質と
する電解質溶液を意味する。
の電流密度で4.3Vまで充電し、定電流2mA/cm
2にて2.0Vまで放電して高電流密度かつ広い電圧領
域で充放電サイクル試験を20回行い、3回充放電後の
放電容量と20回充放電後の放電容量との比率から維持
率を求めた。
電後のセルを解体し、正極を電解液溶媒と共に密閉容器
に入れて試料となし、示差走査熱量測定装置を用い、昇
温せしめた時の発熱開始温度を求めた。結果を表1に示
す。
コバルトを使用したほかは例1と同様にマンガンコバル
ト共沈水酸化物を合成し、ついで例1と同様にリチウム
−マンガン−コバルト複合酸化物を合成した。X線回折
分析により、生成した粉末は例1と同様に層状岩塩型単
斜晶構造を有するLiMnO2であることが判った。粉
末の元素分析によりLiMn0.85Co0.15O2であるこ
とが判った。
の替わりにLiMn0.85Co0.15O2 を用い、LiNi
0.82Co0.18O2と重量比で50:50の割合で混合し
た他は例1と同様にして、正極体および電池を作製し、
特性を評価した。結果を表1に示す。
ニッケルを使用したほかは例1と同様にマンガン−ニッ
ケル共沈水酸化物を合成し、ついで例1と同様にして、
リチウム−マンガン−ニッケル複合酸化物を合成した。
X線回折分析により生成した粉末は、例1と同様に層状
岩塩型単斜晶構造を有するLiMnO2であることが判
った。粉末の元素分析によりLiMn0.85Ni0.15O2
であることが判った。
の替わりにLiMn0.85Ni0.15O2を用い、LiNi
0.82Co0.18O2と重量比で50:50の割合で混合し
た他は例1と同様にして、正極体および電池を作製し、
特性を評価した。結果を表1に示す。
鉄を使用したほかは例1と同様にマンガン−鉄共沈水酸
化物を合成し、例1と同様にリチウム−マンガン−アル
ミニウム複合酸化物を合成した。X線回折分析により生
成した粉末は例1と同様に層状岩塩型単斜晶構造を有す
るLiMnO2であることが判った。粉末の元素分析に
よりLiMn0.85Fe0.15O2であることが判った。
の替わりにLiMn0.85Fe0.15O2 を用い、LiNi
0.82Co0.18O2と重量比で50:50の割合で混合し
た他は例1と同様にして、正極体および電池を作製し、
特性を評価した。結果を表1に示す。
クロムを使用したほかは例1と同様にマンガン−クロム
共沈水酸化物を合成した。X線回折分析により、生成し
た粉末は例1と同様に単斜晶を有する層状岩塩型LiM
nO2構造であることが判った。粉末の元素分析により
LiMn0.85Cr0.15O2であることが判った。
の替わりにLiMn0.85Cr0.15O2を用い、LiNi
0.82Co0.18O2と重量比で50:50の割合で混合し
た他は例1と同様にして、正極体および電池を作製し、
特性を評価した。結果を表1に示す。
たほかは例1と同様にマンガン水酸化物を合成し、例1
と同様にリチウム−マンガン複合酸化物を合成した。X
線回折分析により生成した粉末は例1と同様に単斜晶を
有する層状岩塩型LiMnO2構造であることが判っ
た。粉末の元素分析によりLiMnO2であることが判
った。
の替わりにLiMnO2を用い、LiNi0.82Co0.18
O2と重量比で50:50の割合で混合した他は例1と
同様にして、正極体および電池を作製し特性を評価し
た。結果を表1に示す。
化コバルトCo3O4粉末を乾式混合し、900℃にて1
0時間大気中で焼成することによりLiCoO2を得
た。
と上記LiCoO2を、重量比で50:50の割合で混
合した他は例1と同様にして、正極体および電池を作製
し、特性を評価した。結果を表1に示す。
Ni0.82Co0.18O2を重量比で40:60の割合で混
合した他は例1と同様にして、正極体および電池を作製
し、特性を評価した。結果を表1に示す。
Ni0.82Co0.18O2を重量比で60:40の割合で混
合した他は例1と同様にして、正極体および電池を作製
し、特性を評価した。結果を表1に示す。
iNi0.82Co0.18O2を重量比で75:25の割合で
混合した他は例1と同様にして、正極体および電池を作
製し、特性を評価した。結果を表1に示す。
0.18O2のみを使用し、LiMn0.85Al0.15O2を混合
しなかった他は例1と同様にして、正極体および電池を
作製し、特性を評価した。結果を表1に示す。
0.15O2のみを使用し、LiNi0.82Co0.18O2を混合
しなかった他は例1と同様にして、正極体および電池を
作製し特性を評価した。結果を表1に示す。
を使用し、LiMn0.85Al0.15O2を混合しなかった
他は例7と同様にして、正極体および電池を作製し特性
を評価した。結果を表1に示す。
を使用し、LiCoO2を混合しなかったほかは例6と
同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。結果
を表1に示す。
能であり、高電流密度での容量が大きいと共に、発熱温
度が低いため安全性が高く、充放電サイクル耐久性が良
好なリチウム二次電池及びその為の正極活物質を得るこ
とができる。
Claims (7)
- 【請求項1】リチウム遷移金属複合酸化物を主成分とす
る正極活物質層を備えたリチウム二次電池において、リ
チウム遷移金属複合酸化物が、下記成分(B)および下
記成分(C)から選ばれる少なくとも一つの成分と、下
記成分(A)とを含有することを特徴とするリチウム二
次電池。 (A)層状岩塩型単斜晶構造を有し、LixMnyM1-y
O2で表される複合酸化物。 (B)LixCo1-h-iNihQiO2で表される複合酸化
物。 (C)LixCo1-jQjO2で表される複合酸化物。但
し、式中の記号は下記の意味を示す。各式間で、Q及び
xは独立して選ばれる。M:Al、Fe、Co、Ni及
びCrから選ばれる1種以上の元素、Q: Al、Fe、
Mn、Ti、Ca及びMgから選ばれる1種以上の元
素。 0<x≦1.1、 0.5≦y≦1、 0.6≦h≦
1.0、0≦i≦0.10、 0≦1−h−i、 0≦
j≦0.05。 - 【請求項2】リチウム遷移金属複合酸化物が、30〜8
0重量%の成分(A)と、20〜70重量%の成分
(B)とからなる請求項1記載のリチウム二次電池。 - 【請求項3】成分(B)が、LixCo1-h-iNihQiO
2において、0.7≦h≦0.9、0≦i≦0.05で
ある複合酸化物である請求項1又は2記載のリチウム二
次電池。 - 【請求項4】リチウム遷移金属複合酸化物が、30〜8
0重量%の成分(A)と、20〜70重量%の成分
(C)とからなる請求項1記載のリチウム二次電池。 - 【請求項5】成分(A)の複合酸化物が、リチウム元素
およびリチウム元素以外のアルカリ金属水酸化物を含有
する水溶液中で、マンガン化合物と金属元素Mを含む化
合物との130〜300℃における水熱処理により製造
されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のリチ
ウム二次電池。 - 【請求項6】リチウム遷移金属複合酸化物を主成分とす
る正極が、27〜37%の空隙率を有する請求項1〜5
のいずれかに記載のリチウム二次電池。 - 【請求項7】下記成分(B)および下記成分(C)から
選ばれる少なくとも一つの成分と、下記成分(A)とを
含有するリチウム遷移金属複合酸化物を主成分とするこ
とを特徴とするリチウム二次電池用の正極活物質。 (A)層状岩塩型単斜晶構造を有し、LixMnyM1-y
O2で表される複合酸化物。 (B)LixCo1-h-iNihQiO2で表される複合酸化
物。 (C)LixCo1-jQjO2で表される複合酸化物。但
し、式中の記号は下記の意味を示す。各式間で、Q及び
xは独立して選ばれる。M:Al、Fe、Co、Ni及
びCrから選ばれる1種以上の元素、Q: Al、Fe、
Mn,Ti,Ca及びMgから選ばれる1種以上の元
素。 0<x≦1.1、 0.5≦y≦1、 0.6≦h≦
1.0、0≦i≦0.10、 0≦1−h−i、 0≦
j≦0.05。
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