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JP2001021720A - 位相差板および円偏光板 - Google Patents

位相差板および円偏光板

Info

Publication number
JP2001021720A
JP2001021720A JP11197827A JP19782799A JP2001021720A JP 2001021720 A JP2001021720 A JP 2001021720A JP 11197827 A JP11197827 A JP 11197827A JP 19782799 A JP19782799 A JP 19782799A JP 2001021720 A JP2001021720 A JP 2001021720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anisotropic layer
optically anisotropic
group
liquid crystal
crystal molecules
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11197827A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohei Arakawa
公平 荒川
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Ken Kawada
憲 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11197827A priority Critical patent/JP2001021720A/ja
Publication of JP2001021720A publication Critical patent/JP2001021720A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な円偏光を達成できる位相差板を提供す
る 【解決手段】 光学異方性層Aと光学異方性層Bとを設
けた位相差板において、波長550nmで測定した光学
異方性層Aの配向複屈折と厚みとの積を150乃至35
0nmに調整し、光学異方性層Aにツイスト角が3乃至
45゜のツイスト構造を導入し、光学異方性層Bの位相
差を60乃至170nmに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二つの光学異方性
層を有する位相差板およびそれを用いた円偏光板に関す
る。特に本発明は、反射型液晶表示装置、光ディスクの
書き込み用のピックアップ、PS変換素子、GH−LC
D、有機ELディスプレイあるいは反射防止膜に利用さ
れるλ/4板として有効な位相差板に関する。
【0002】
【従来の技術】λ/4板は、非常に多くの用途を有して
おり、既に実際に使用されている。しかし、λ/4板と
称していても、ある特定波長でλ/4を達成しているも
のが大部分である。特開平10−68816号および同
10−90521号公報に、光学異方性を有する二枚の
ポリマーフイルムを積層することにより得られる位相差
板が開示されている。特開平10−68816号公報記
載の位相差板は、複屈折光の位相差が1/4波長である
1/4波長板と、複屈折光の位相差が1/2波長である
1/2波長板とを、それらの光軸が交差した状態で貼り
合わせている。特開平10−10−90521号公報記
載の位相差板は、レターデーション値が160〜320
nmである位相差板を少なくとも2枚、その遅相軸が互
いに平行でも直交でもない角度になるように積層してい
る。いずれの公報に記載の位相差板も、具体的には、二
枚のポリマーフイルムの積層体からなる。いずれの公報
も、これにより広い波長領域でλ/4を達成できると説
明している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−6881
6号および同10−90521号公報記載の位相差板の
製造では、二枚のポリマーフイルムの光学的向き(光軸
や遅相軸)を調節するためには、煩雑な製造工程を必要
とする。ポリマーフイルムの光学的向きは、一般にシー
ト状あるいはロール状フイルムの縦方向または横方向に
相当する。シートあるいはロールの斜め方向に光軸や遅
相軸を有するポリマーフイルムは、理論的には製造可能
ではあるが生産性が非常に低い。そして、特開平10−
68816号および同10−90521号公報記載の発
明では、二つのポリマーフイルムの光学的向きを平行で
も直交でもない角度に設定する。従って、特開平10−
68816号および同10−90521号公報記載の位
相差板を製造するためには、二種類のポリマーフイルム
を所定の角度にカットして、得られるチップを貼り合わ
せる必要がある。チップの貼り合わせで位相差板を製造
しようとすると、処理が煩雑であり、軸ズレによる品質
低下が起きやすく、歩留まりが低下し、コストが増大
し、汚染による劣化も起きやすい。また、ポリマーフイ
ルムでは、レターデーション値を厳密に調節することも
難しい。液晶性分子からなる光学異方性層は、ポリマー
からなる複屈折率フイルムよりも光学的性質の調節が容
易である。しかし、λ/2位相子に波長分散の大きい素
材を使うと、偏光の方位角がR(650n)、G(55
0nm)、B(450)nm環で大きな差が生じる。そ
の結果、λ/4位相子と組み合わせると反射率が若干大
きくなる。液晶性分子は、一般に波長分散が大きい。視
野角改良に特に有効なディスクティック液晶性分子で
は、波長分散が特に大きくなる。本発明の目的は、波長
分散の大きな光学材料を用いても、λ/2位相子通過後
の偏光方位角をそろえ、λ/4位相子で良好な円偏光を
達成できる位相差板を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(7)の位相差板および下記(8)の円偏光板
により達成された。 (1)光学異方性層Aと光学異方性層Bとを有し、波長
550nmで測定した光学異方性層Aの配向複屈折と厚
みとの積が150乃至350nmであり、光学異方性層
Aがさらにツイスト角が3乃至45゜のツイスト構造を
有し、光学異方性層Bの位相差が60乃至170nmで
あることを特徴とする位相差板。 (2)光学異方性層Aが液晶性分子から形成された層で
ある(1)に記載の位相差板。 (3)光学異方性層Bが液晶性分子から形成された層で
ある(1)または(2)に記載の位相差板。 (4)液晶性分子がディスコティック液晶性分子である
(2)に記載の位相差板。 (5)液晶性分子がディスコティック液晶性分子である
(3)に記載の位相差板。 (6)液晶性分子が実質的に均一に配向している状態で
固定されている(2)に記載の位相差板。 (7)液晶性分子が実質的に均一に配向している状態で
固定されている(3)に記載の位相差板。 (8)偏光膜と光学異方性層Aと光学異方性層Bとを有
し、波長550nmで測定した光学異方性層Aの配向複
屈折と厚みとの積が150乃至350nmであり、光学
異方性層Aがさらにツイスト角が3乃至45゜のツイス
ト構造を有し、光学異方性層Bの位相差が60乃至17
0nmであることを特徴とする円偏光板。 なお、光学異方性層Bの位相差が60乃至170nmで
あると規定しているのは、特定の波長(例えば、550
nm)において達成されていれば良く、広い波長領域に
おいて60乃至170nmの位相差を達成する必要はな
い。
【0005】
【発明の効果】本発明者の研究の結果、二つの光学異方
性層の一方(上記の定義ではA)にツイスト構造を導入
することにより、広帯域特性を大幅に向上できることが
判明した。本発明では、二つの光学異方性層の一方(好
ましくは両方)を液晶性分子から形成することができ
る。液晶性分子からなる光学異方性層は、ポリマーから
なる複屈折率フイルムよりも光学的性質の調節が容易で
ある。液晶性分子を含む光学異方性層の光学的向きは、
液晶性分子のラビング方向によって容易に調節できる。
よって、従来の技術のようにフイルムをカットしてチッ
プにする必要がない。また、偏光板とロールツーロール
の張り合わせが可能である。さらに、液晶性分子の種類
と量を調整することで、必要とされるレターデーション
値を厳密に調節することもできる。以上のように本発明
によれば、簡単に製造できる広帯域λ/4板が得られ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】[位相差板の光学的性質]光学異
方性層Aは、配向複屈折と厚みとの積が150乃至35
0nmである。光学異方性層Aは、さらに、ツイスト角
が3乃至45゜のツイスト構造を有する。配向複屈折と
厚みとの積は、ツイスト構造が存在しない場合における
面内のレターデーション値に相当する。面内のレターデ
ーション値については、光学異方性層Bについて後述す
る。
【0007】光学異方性層Bは、位相差が60乃至17
0nmである。光学異方性層Bは、前述したように、特
定の波長において60乃至170nmの位相差を達成し
ていれば良い。特定の波長とは、可視領域のほぼ中間の
波長である550nmにおいて、60乃至170nmの
位相差を達成していることが好ましい。特定波長(λ)
において位相差πを達成するためには、特定波長(λ)
において測定した光学異方性層Bのレターデーション値
を60乃至170nmに調整すればよい。レターデーシ
ョン値は、光学異方性層の法線方向から入射した光に対
する面内のレターデーション値を意味する。具体的に
は、下記式により定義される値である。 レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d 式中、nxおよびnyは光学異方性層の面内の主屈折率
であり、そしてdは光学異方性層の厚み(nm)であ
る。光学異方性層AおよびBは、複屈折率フイルムまた
は液晶性分子からなる層であることが好ましく、少なく
とも一方が液晶性分子からなる層であることがさらに好
ましく、両方が液晶性分子からなる層であることが最も
好ましい。
【0008】[複屈折率フイルム]複屈折率フイルム
は、ポリマーフイルムからなることが好ましい。ポリマ
ーフイルムは、フイルムに光学異方性を付与できるポリ
マーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリ
オレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノル
ボルネン系ポリマー)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアリレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリル酸エステルおよびセルロースエステル
が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体あるい
はポリマー混合物を用いてもよい。フイルムの光学異方
性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸
であることが好ましい。一軸延伸は、2つ以上のロール
の周速差を利用した縦一軸延伸またはポリマーフイルム
の両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸が好
ましい。なお、二枚以上のポリマーフイルムを用いて、
二枚以上のフイルム全体の光学的性質が前記の条件を満
足してもよい。ポリマーフイルムは、複屈折のムラを少
なくするためにソルベントキャスト法により製造するこ
とが好ましい。ポリマーフイルムの厚さは、20乃至5
00nmであることが好ましく、50乃至200nmで
あることがさらに好ましく、50乃至100nmである
ことが最も好ましい。
【0009】[液晶性分子から形成される層]液晶性分
子としては、棒状液晶性分子またはディスコティック液
晶性分子が好ましく、ディスコティック液晶性分子が特
に好ましい。液晶性分子は、実質的に均一に配向してい
ることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で
固定されていることがさらに好ましく、重合反応により
液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。液晶
性分子の配向は、光学異方性層AおよびBに要求される
光学的性質(前述)に応じて調整する。棒状液晶性分子
としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニ
ル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル
類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シ
アノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピ
リミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フ
ェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロ
ヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上
のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性
分子も用いることができる。
【0010】ディスコティック液晶性分子は、様々な文
献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., v
ol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総
説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節
(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. C
omm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Che
m. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されて
いる。ディスコティック液晶性分子およびその重合反応
については、特開平8−5837号、同8−2728
4、同8−334621号、同9−104656号の各
公報に記載がある。ディスコティック液晶性分子を重合
により固定するためには、ディスコティック液晶性分子
の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必
要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させる
と、重合反応において配向状態を保つことが困難にな
る。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を
導入する。従って、重合性基を有するディスコティック
液晶性分子は、下記式で表わされる化合物であることが
好ましい。
【0011】D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】上記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0020】L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO−
【0021】 L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0022】光学異方性層Aではツイスト構造を導入す
るため、AL(アルキレン基またはアルケニレン基)に
不斉炭素原子を導入し、ディスコティック液晶性分子を
螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原子
を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が円盤状コア
(D)側であり、右側が重合性基(Q)側である。*印
を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子である。光学活
性は、SとRのいずれでもよい。
【0023】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 − AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
− AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
【0024】AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH
2
【0025】AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0026】前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0027】
【化8】
【0028】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。二種類以上のディス
コティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価
の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分
子を併用することができる。また、重合性基(Q)を有
する分子と有していない分子を併用してもよい。
【0029】非重合性ディスコティック液晶性分子は、
前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基
(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物
であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコテ
ィック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物である
ことが好ましい。 D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)
の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変
更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子
の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、
前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様であ
る。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40である
ことが好ましく、1乃至30であることがさらに好まし
い。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好まし
く、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル
基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が
1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好まし
い。
【0030】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を
螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原子
を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物が
使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディス
コティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を導
入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティッ
ク液晶性分子を実質的に垂直(ホモジニアス)配向させ
た後に、固定するのと同時に、同じまたは類似の重合反
応により不斉炭素原子を含む化合物も光学異方性層内で
固定することができる。以下にカイラル剤の例を示す。
なお、C−1、C−3およびC−4は、左ねじれのカイ
ラル剤、C−2およびC−5は、右ねじれのカイラル剤
である。
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】ディスコティック液晶性分子を空気界面側
においても、実質的に均一に配向させるため、セルロー
スエステルを光学異方性層に添加することが好ましい。
セルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸
エステルを用いることが好ましい。セルロースの低級脂
肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数
が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5
であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好
ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合し
ていてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエス
テルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エ
ステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプ
ロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒド
ロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオ
ネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれ
る。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。
セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、3
0%以上であることが好ましく、30乃至80%である
ことがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレー
トのアセチル化度は、30%以下であることが好まし
く、1乃至30%であることがさらに好ましい。セルロ
ースエステルは、0.005乃至0.5g/m2 の範囲
の量で使用することが好ましく、0.01乃至0.45
g/m2 の範囲であることがより好ましく、0.02乃
至0.4/m2 の範囲であることがさらに好ましく、
0.03乃至0.35/m2 の範囲であることが最も好
ましい。また、ディスコティック液晶性分子の量の0.
1乃至5重量%の量で使用することも好ましい。
【0035】光学異方性層は、液晶性分子、さらに必要
に応じて不斉炭素原子を含む化合物、セルロースエステ
ル、あるいは下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布
液を、垂直配向膜の上に塗布することで形成する。塗布
液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく
用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−
ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチル
スルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭
化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド
(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル
(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセト
ン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒド
ロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。ア
ルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の
有機溶媒を併用してもよい。
【0036】塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出
しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング
法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティン
グ法、バーコーティング法)により実施できる。配向さ
せた液晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定
化は、液晶性分子に導入した重合性基(Q)の重合反応
により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合
開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重
合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開
始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許236
7661号、同2367670号の各明細書記載)、ア
シロインエーテル(米国特許2448828号明細書記
載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国
特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物
(米国特許3046127号、同2951758号の各
明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp
−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許35
49367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジ
ン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許
4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール
化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含ま
れる。
【0037】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。液晶性分
子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ま
しい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J
/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ
/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促
進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光
学異方性層の厚さは、0.1乃至10μmであることが
好ましく、0.5乃至5μmであることがさらに好まし
く、1乃至5μmであることが最も好ましい。
【0038】[配向膜]液晶性分子は、実質的に垂直に
配向させることが好ましい。実質的に垂直に配向させる
とは、液晶性分子の平均傾斜角が60乃至90゜である
ことを意味する。液晶性分子の傾斜角は、ディスコティ
ック液晶性分子の場合は円盤面と配向膜面との角度、棒
状液晶性分子の場合はと配向膜面との角度に相当する。
液晶性分子を垂直に配向させるためには、配向膜の表面
エネルギーを低下させることが重要である。具体的に
は、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを
低下させ、これによりディスコティック液晶性分子を立
てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる
官能基としては、炭素原子数が10以上の炭化水素基が
有効である。炭化水素基を配向膜の表面に存在させるた
めに、ポリマーの主鎖よりも側鎖に炭化水素基を導入す
ることが好ましい。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基
またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、
分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、
アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)または
アルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)で
あることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のよ
うな強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。
炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であること
が好ましく、10乃至60であることがさらに好まし
く、10乃至40であることが最も好ましい。ポリマー
の主鎖は、ポリイミド構造またはポリビニルアルコール
構造を有することが好ましい。
【0039】ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸と
ジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテ
トラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用い
て、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよ
い。炭化水素基は、テトラカルボン酸起源の繰り返し単
位に存在していても、ジアミン起源の繰り返し単位に存
在していても、両方の繰り返し単位に存在していてもよ
い。ポリイミドに炭化水素基を導入する場合、ポリイミ
ドの主鎖または側鎖にステロイド構造を形成することが
特に好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素
原子数が10以上の炭化水素基に相当し、ディスコティ
ック液晶性分子を垂直に配向させる機能を有する。本明
細書においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒド
ロフェナントレン環構造またはその環の結合の一部が脂
肪族環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合
となっている環構造を意味する。
【0040】炭素原子数が10以上の炭化水素基を有す
る変性ポリビニルアルコールも垂直配向膜に好ましく用
いることができる。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基
またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、
分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、
アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)または
アルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)で
あることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のよ
うな強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。
炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であること
が好ましく、10乃至60であることがさらに好まし
く、10乃至40であることが最も好ましい。炭化水素
基を有する変性ポリビニルアルコールは、炭素原子数が
10以上の炭化水素基を有する繰り返し単位を2乃至8
0モル%の範囲で含むことが好ましく、3乃至70モル
%含むことがさらに好ましい。
【0041】好ましい炭素原子数が10以上の炭化水素
基を有する変性ポリビニルアルコールを、下記式(P
V)で表す。 (PV) −(VAl)x−(HyC)y−(VAc)z− 式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であ
り;HyCは、炭素原子数が10以上の炭化水素基を有
する繰り返し単位であり;VAcは酢酸ビニル繰り返し
単位であり;xは、20乃至95モル%(好ましくは2
5乃至90モル%)であり;yは、2乃至80モル%
(好ましくは3乃至70モル%)であり;そして、zは
0乃至30モル%(好ましくは2乃至20モル%)であ
る。好ましい炭素原子数が10以上の炭化水素基を有す
る繰り返し単位(HyC)を、下記式(HyC−I)お
よび(HyC−II)で表す。
【0042】
【化12】
【0043】式中、L1 は、−O−、−CO−、−SO
2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそ
れらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;L
2 は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2 −、
−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの
組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;そしてR
1 およびR2 は、それぞれ炭素原子数が10以上の炭化
水素基である。上記の組み合わせにより形成される二価
の連結基の例を、以下に示す。
【0044】L1:−O−CO− L2:−O−CO−アルキレン基−O− L3:−O−CO−アルキレン基−CO−NH− L4:−O−CO−アルキレン基−NH−SO2 −アリ
ーレン基−O− L5:−アリーレン基−NH−CO− L6:−アリーレン基−CO−O− L7:−アリーレン基−CO−NH− L8:−アリーレン基−O− L9:−O−CO−NH−アリーレン基−NH−CO−
【0045】垂直配向膜に用いるポリマーの重合度は、
200乃至5000であることが好ましく、300乃至
3000であることが好ましい。ポリマーの分子量は、
9000乃至200000であることが好ましく、13
000乃至130000であることがさらに好ましい。
二種類以上のポリマーを併用してもよい。垂直配向膜の
形成において、ラビング処理を実施することが好まし
い。ラビング処理は、上記のポリマーを含む膜の表面
を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施す
る。なお、垂直配向膜を用いてディスコティック液晶性
分子を垂直に配向させてから、その配向状態のままディ
スコティック液晶性分子を固定して光学異方性層を形成
し、光学異方性層のみをポリマーフイルム(または透明
支持体)上に転写してもよい。垂直配向状態で固定され
たディスコティック液晶性分子は、垂直配向膜がなくて
も配向状態を維持することができる。そのため、本発明
の位相差板では、垂直配向膜は(位相差板の製造におい
て必須ではあるが)必須ではない。
【0046】[透明支持体]透明支持体としては、波長
分散が小さいポリマーフイルムを用いることが好まし
い。透明支持体は、光学異方性が小さいことも好まし
い。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上で
あることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的に
は、Re400/Re700の比が1.2未満であるこ
とが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、
面内レターデーション(Re)が20nm以下であるこ
とが好ましく、10nm以下であることがさらに好まし
い。長尺状の透明支持体は、ロール状または長方形のシ
ート状の形状を有する。ロール状の透明支持体を用い
て、光学異方性層を積層してから、必要な大きさに切断
することが好ましい。ポリマーの例には、セルロースエ
ステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレー
トが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチ
ルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロー
スが最も好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキ
ャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の
厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、5
0乃至200μmであることがさらに好ましい。透明支
持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜ある
いは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持
体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、
紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透
明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0047】[円偏光板]本発明の位相差板は、反射型
液晶表示装置において使用されるλ/4板、光ディスク
の書き込み用のピックアップに使用されるλ/4板、コ
レステリック液晶との組み合わせで用いるλ/4板、あ
るいは反射防止膜として利用されるλ/4板として、特
に有利に用いることができる。λ/4板は、一般に偏光
膜と組み合わせた円偏光板として使用される。よって、
位相差板と偏光膜とを組み合わせた円偏光板として構成
しておくと、容易に反射型液晶表示装置のような用途と
する装置に組み込むことができる。偏光膜には、ヨウ素
系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン
系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜
は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製
造する。偏光膜の透過軸は、フイルムの延伸方向に垂直
な方向に相当する。偏光膜は、一般に両側に保護膜を有
する。ただし、本発明では、透明支持体を偏光膜の片側
の保護膜として機能させることができる。透明支持体と
は別に保護膜を用いる場合は、保護膜として光学的等方
性が高いセルロースエステルフイルム、特にトリアセチ
ルセルロースフイルムを用いることが好ましい。
【0048】広域帯λ/4とは、具体的には、波長45
0nm、550nmおよび650nmで測定したレター
デーション値/波長の値が、いずれも0.2乃至0.3
の範囲内であることを意味する。レターデーション値/
波長の値は、0.21乃至0.29の範囲内であること
が好ましく、0.22乃至0.28の範囲内であること
がより好ましく、0.23乃至0.27の範囲内である
ことがさらに好ましく、0.24乃至0.26の範囲内
であることが最も好ましい。
【0049】
【実施例】[実施例1]厚さ100μm、幅500mm
の光学的に等方性のトリアセチルセルロースフイルムを
透明支持体として用いた。下記の塗布液を、透明支持体
の片面上にバーコーターで塗布し、130℃で3分間乾
燥して、厚さ0.5μmの垂直配向膜を形成した。
【0050】 ──────────────────────────────────── 垂直配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── ステロイド変性ポリアミック酸 5.0重量% N−メチル−2−ピロリドン 25.0重量% エチレングリコールモノブチルエーテル 25.0重量% メチルエチルケトン 45.0重量% ────────────────────────────────────
【0051】垂直配向膜にラビング処理を実施した後、
下記の組成の塗布液を塗布、乾燥し、さらに500W/
cm2 の照度の水銀ランプで紫外線を1秒間照射して、
光学異方性層Aを形成した。光学異方性層Aの厚さは、
レターデーション値が250nmとなるように調節し
た。
【0052】 ──────────────────────────────────── 光学異方性層A塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性分子(1) 32.6重量% セルロースアセテートブチレート 0.2重量% 下記の変性トリメチロールプロパントリアクリレート 3.2重量% 下記の増感剤 0.4重量% 下記の光重合開始剤 1.1重量% カイラル剤C−2 0.35重量% メチルエチルケトン 62.5重量% ────────────────────────────────────
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】エリプソメーター(M−1500、日本分
光(株)製)に全反射プリズムを取り付け、光学異方性
層Aを回転しながら、空気界面近傍の位相差変化から液
晶配向方向を測定し、ラビング軸との差からツイスト角
を求めた。結果は、図1のグラフに示す。また、偏光板
の偏光透過軸と光学異方性層Aのラビング軸が15゜と
なるように、偏光板と透明支持体を貼り合わせ、楕円偏
光解析(KOBURA−21DH、王子計測機器(株)
製)を行った。波長480nm、550nmおよび63
0nmでの偏光方位角の最も大きな差とツイスト角との
関係を、図2のグラフに示す。
【0057】偏光板、光学異方性層Aおよび光学異方性
層Bの順序で貼り合わせて、円偏光板を作製した。光学
異方性層Bとしては、波長550nmにおけるレターデ
ーションが137nmのポリカーボネートフイルムを用
いた。光学異方性層Aの透明支持体は、偏光板側に配置
した。偏光板の透過軸と光学異方性層Aのラビング方向
との角度は15゜、偏光板の透過軸と光学異方性層Bの
遅相軸との角度は70゜、光学異方性層Aのラビング方
向と光学異方性層Bの遅相軸との角度は55゜に設定し
た。円偏光板のレターデーションについて波長分散解析
(KOBURA−31PR、王子計測機器(株)製)を
行った。結果を図3に示す。さらに、円偏光板を全反射
鏡に貼り付け、反射特性を調べた。結果を図4に示す。
【0058】[比較例1]カイラル剤C−2を添加しな
かった以外は、実施例1と同様にして、円偏光板を作製
して評価した。ツイスト角は図1に、偏光方位角の最も
大きな差とツイスト角との関係は図2に、波長分散解析
結果は図3に、そして反射特性は図4に示す。
【0059】[実施例2]カイラル剤C−2の添加量を
0.02重量%に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、円偏光板を作製して評価した。ツイスト角は図1
に、そして偏光方位角の最も大きな差とツイスト角との
関係は図2に示す。
【0060】[実施例3]カイラル剤C−2の添加量を
0.05重量%に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、円偏光板を作製して評価した。ツイスト角は図1
に、そして偏光方位角の最も大きな差とツイスト角との
関係は図2に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラル剤の添加量とツイスト角との関係を示
すグラフである。
【図2】偏光方位角の最も大きな差とツイスト角との関
係を示すグラフである。
【図3】実施例1および比較例1の円偏光板の波長分散
解析結果を示すグラフである。
【図4】実施例1および比較例1の円偏光板の反射特性
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 憲 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA07 BA42 BB03 BC02 BC04 BC22 2H091 FA11X FA11Z HA07 JA01 KA02 LA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学異方性層Aと光学異方性層Bとを有
    し、波長550nmで測定した光学異方性層Aの配向複
    屈折と厚みとの積が150乃至350nmであり、光学
    異方性層Aがさらにツイスト角が3乃至45゜のツイス
    ト構造を有し、光学異方性層Bの位相差が60乃至17
    0nmであることを特徴とする位相差板。
  2. 【請求項2】 光学異方性層Aが液晶性分子から形成さ
    れた層である請求項1に記載の位相差板。
  3. 【請求項3】 光学異方性層Bが液晶性分子から形成さ
    れた層である請求項1または請求項2に記載の位相差
    板。
  4. 【請求項4】 液晶性分子がディスコティック液晶性分
    子である請求項2に記載の位相差板。
  5. 【請求項5】 液晶性分子がディスコティック液晶性分
    子である請求項3に記載の位相差板。
  6. 【請求項6】 液晶性分子が実質的に均一に配向してい
    る状態で固定されている請求項2に記載の位相差板。
  7. 【請求項7】 液晶性分子が実質的に均一に配向してい
    る状態で固定されている請求項3に記載の位相差板。
  8. 【請求項8】 偏光膜と光学異方性層Aと光学異方性層
    Bとを有し、波長550nmで測定した光学異方性層A
    の配向複屈折と厚みとの積が150乃至350nmであ
    り、光学異方性層Aがさらにツイスト角が3乃至45゜
    のツイスト構造を有し、光学異方性層Bの位相差が60
    乃至170nmであることを特徴とする円偏光板。
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