JP2001008695A - ポリフェノールの濃縮・回収方法およびポリフェノール高含有酵母。 - Google Patents
ポリフェノールの濃縮・回収方法およびポリフェノール高含有酵母。Info
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Abstract
どのフラボノール類やスティルベン化合物であるリスベ
ラトロールを,安価に選択的且つ効率良く濃縮・回収す
ること,および,フラボノール類やリスベラトロールを
高濃度に含む酵母を開発することが,本発明の課題であ
る。 【解決手段】 本発明は赤ワイン発酵後の菌体を回収
し,当該菌体を得ること,および得られた菌体からエタ
ノールなどの親水性極性溶剤を使用し,酵母に吸着した
フラボノール類やスティルベン化合物を抽出し,フラボ
ノールやリスベラトロールを高濃度に含む溶液,または
更に高濃度化した溶液,または粉末を得ることにより実
施できる。また,パン酵母等市販酵母を赤ブドウ果汁や
ワインに添加・インキュベートすることでも,フラボノ
ール類やリスベラトロールが選択的に吸着できるので,
特に発酵工程を経なくても発明を実施できる。本発明
は,フラボノール類やスティルベン化合物を含む果汁あ
るいはワインと酵母菌体を接触させることで,選択的に
菌体に当該物質を吸着することを特徴とする。
Description
れるポリフェノール、特に、フラボノールであるケルセ
チンやミリセチン,スティルベン化合物であるリスベラ
トロール等を効率良く濃縮・回収する方法および当該ポ
リフェノールを高濃度に含むワイン酵母を提供するもの
である。
を解くのが赤ワインであるとの報告があってから,赤ワ
インは「健康に良い」ということから赤ワインの消費が
増大している。赤ワインは動脈硬化,心臓病,癌,痴呆
症,アルツハイマー症等に効果があると報告されてお
り、その効果を発揮する成分は含まれるポリフェノール
であるといわれている。
数有するものの総称であるが,その中でも、ケルセチン
に代表されるフラボノール類は、抗癌作用や抗酸化作用
の高い物質であると報告されている。また、同じくポリ
フェノールの一種のスティルベン化合物であるリスベラ
トロールは、悪玉コレステロールであるLDL-コレステロ
ールの酸化阻害による動脈硬化予防効果,血小板凝集阻
害による血栓症予防効果の他,抗癌作用,ファイトエス
トロゲンとしての作用,痴呆症やアルツハイマー症予防
効果を示すことにより注目を集めている。
赤ワインや赤ブドウ果汁を飲用することが知られてい
る。しかし,健康効果の高いフラボノール類やリスベラ
トロールのワインあるいはブドウ果汁おける濃度は比較
的低い。即ち,ブドウやワインにおけるフラボノール類
含量は通常20〜50 mg/L [J. Oszmianski, C.Y. Lee, A
m. J. Enol. Vitic., vol. 41, pp. 204-206 (1990),
P.L. Teissedre, E.N. Frankel, A.W. Waterhouse, H.
Peleg, J.B. German, J. Sci. Food Agric., vol.70, p
p. 55-61 (1996)]である。また,リスベラトロール含量
は更に低く,全スティルベン化合物濃度でも白ワインで
0.01〜3.02 mg/L,赤ワインで0.82〜13.43mg/L [M. Sat
o, Y. Suzuki, T. Okuda, K. Yokotsuka, Biosci. Biot
ech. Biochem., vol. 61, pp. 1800-1805 (1997)]であ
る。
な量摂取することは,ワインや果汁を大量摂取しなけれ
ばならず,ワインの場合はアルコールの害が問題とな
り,果汁の場合は糖分の過剰摂取となる問題がある。ワ
インを減圧蒸留などで濃縮すれば、アルコールの害の問
題は避けることができるが、これによって得られた濃縮
物は有機酸量が多すぎるため飲食用には適しない。一
方、果汁を濃縮しても糖分の過剰摂取の問題は解決でき
ない。従って,これら有効なポリフェノールを選択的に
高濃度化することが望まれていた。こここで,理論的に
は吸着樹脂を使用し,極性の比較的低い物質を吸着し,
溶媒を使用し選択的に溶出することが考えられるが,樹
脂塔の建設や吸着樹脂が必要であり,コストが高くなる
難点がある。従来,フラボノール類やリスベラトロール
をワインやブドウ果汁等から安価に,選択的濃縮・回収
する方法は知られていなかった。
ことは古くから行われているが,ポリフェノールを高濃
度で含み,特にポリフェノールの中でも,フラボノール
類やリスベラトロールを高濃度で含む酵母食品の報告は
ない。今までに詳述したように,ケルセチンに代表され
るフラボノール類やスティルベン化合物であるリスベラ
トロールには抗癌性や動脈硬化予防効果など種々の優れ
た作用があるが,フラボノール類とリスベラトロールを
高濃度に含む酵母は未だに開発されていない。
存在するケルセチンなどのフラボノール類やスティルベ
ン化合物であるリスベラトロールを,安価に選択的且つ
効率良く濃縮・回収すること,および,フラボノール類
やリスベラトロールを高濃度に含む酵母を開発すること
が,本発明の課題である。
有効利用研究の過程で,ワイン発酵後の酵母菌体に含ま
れるポリフェノールを分析したところ,意外にも,ポリ
フェノール中のケルセチンやミリセチン等のフラボノー
ル類,およびリスベラトロールやその配糖体パイシード
などのスティルベン化合物が著量含まれることを見い出
した。更に鋭意研究を重ねたところ,酵母はブドウ果汁
やワインに添加するだけで,フラボノール類やスティル
ベン化合物を選択性良く吸着できることを見い出し,本
発明に到達した。
収し,当該菌体を得ること,および得られた菌体からエ
タノールなどの親水性極性溶剤を使用し,酵母に吸着し
たフラボノール類やスティルベン化合物を抽出し,フラ
ボノール類やスティルベン化合物を高濃度に含む溶液,
または更に高濃度化した溶液,または粉末を得ることに
より実施できる。また,パン酵母等市販酵母を赤ブドウ
果汁やワインに添加・インキュベートすることでも,フ
ラボノール類やスティルベン化合物が選択的に吸着でき
るので,特に発酵工程を経なくても発明を実施できる。
本発明は,フラボノール類やスティルベン化合物を含む
果汁あるいはワインと酵母菌体を接触させることで,選
択的に菌体に当該物質を吸着することを特徴とする。
における果汁とは目的のフラボノール類やスティルベン
化合物を含有するものであれば,特に果汁の種類は問わ
ない。果汁としては,赤ブドウ果汁,りんご果汁,ブル
ーベリー果汁,アローニャ果汁,黒すぐり果汁等が使用
できるが,好適には,赤ブドウ果汁が用いられる。
ない。通常ワインはブドウを発酵したものであるが,前
述したフラボノール類およびスティルベン化合物を含む
果汁を発酵して得られたものであれば,全て本発明に使
用できる。好適には,赤ワインが使用される。
法は,ワイン醸造の発酵工程を利用することができる。
また,市販の乾燥または酵母湿菌体を使用し,果汁およ
び/またはワインに添加し,しばらく接触時間を取るこ
とでも実施できる。市販の酵母菌体としてはパン酵母
(オリエンタル酵母社)や醸造用のワイン酵母(EC111
8,Lallemand社)など,入手可能な酵母菌体であれば,
特に種類は問わない。果汁および/またはワインと酵母
の接触条件は,発酵工程を利用する場合は,ワインの発
酵条件である,10℃〜30℃,3〜20日間である。果汁お
よび/またはワインに酵母菌体を添加する場合は,酵母
と果汁および/またはワインの接触条件は0〜30℃,30
分間以上で良いが,通常,5〜20℃,5時間の接触時間が
好適である。
イン発酵後の酵母を使用する場合,赤ワイン発酵後の酵
母を遠心分離や濾過など,通常ワインの清澄化の為に行
われる菌体分離操作により回収される。回収した菌体
は,適宜,真空乾燥,凍結乾燥,噴霧乾燥など当該業者
であれば通常行う乾燥工程にて乾燥され,乾燥粉末とし
て得られる。市販の酵母を果汁および/またはワインに
添加・接触させ,酵母にフラボノール類やリスベラトロ
ールを吸着した場合も,赤ワイン発酵酵母の場合と同様
の方法で回収,乾燥できる。
はワインに対する添加量は特に限定されないが,果汁お
よび/またはワインに対し,0.1〜10%(w/v)が使用でき
る。ワイン発酵酵母の場合は,酒母として添加する酵母
量は極めて少量であるが,発酵中に酵母が増殖するの
で,その酵母量は通常約0.5%(w/v)である。
ボノール類やスティルベン化合物を吸着した回収酵母か
ら,目的のフラボノール類やスティルベン化合物は溶媒
にて抽出できる。使用する溶媒は酵母菌体からフラボノ
ール類やスティルベン化合物を抽出できるアセトン,メ
タノール,あるいはエタノールなどの溶媒であれば,特
に限定されないが,フラボノール類やスティルベン化合
物を含む抽出物を,飲料など人体に対して使用すること
を考慮すれば,エタノールが好適に使用される。
ベン化合物の抽出は,通常行われる方法でよく、特に限
定はされない。例えば、エタノール水を酵母菌体に接触
させることで行うことが出来る。その各種条件は、フラ
ボノール類やスティルベン化合物が効率よく抽出される
ものであれば良いが、エタノール濃度10%以上、酵母と
の接触時間10分間以上、抽出温度は0〜60℃の範囲が望
ましい。特に望ましくは、エタノール濃度が20〜80%(v/
v)、酵母との接触時間30分間から20時間、が好適条件で
ある。また、抽出時の温度も操作の容易さからは5〜30
℃が選択される。
に説明するが,本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
例 赤ブドウ濃縮マスト(スペイン産)を4倍に希釈し,糖
濃度20.2%の果汁100 Lを用意し,これに市販酵母(Uvafe
rm CM, Danster Ferment AG社製)を1000 ppm添加し,2
0℃にて発酵した。12日間の発酵で糖を完全に消費し,
発酵が終了したので,遠心(7000 rpm, 15分間)し,菌
体を分離し湿菌体を得た。湿菌体の収得量は2600 gであ
った。本湿菌体を凍結乾燥した後,乾燥酵母菌体を0.3
g分取し,60%(v/v)エタノール30 mLを添加,20℃,20時
間スターラーにて撹拌し,酵母に吸着したポリフェノー
ル成分を抽出した。得られた抽出液は遠心(3000 rpm,1
0分間)し,上清を得,0.45μmの膜濾過し,濾液につい
てフォーリン・チオカルト法にて,総ポリフェノールを
没食子換算にて求めた。その結果,赤ワイン乾燥酵母に
は3.54%(w/w)のポリフェノールが含まれていた。通常の
赤ワインには,総ポリフェノールが0.1〜0.35%が含まれ
るので,赤ワイン酵母の総ポリフェノール量はワインの
濃度の10倍以上ということが判明した。
ト(HPLC)にて,スティルベン化合物およびフラボノール
類の分析を行った。HPLCの詳細な条件は文献 [M. Sato,
Y.Suzuki, T. Okuda, K. Yokotsuka, Biosci. Biotec
h. Biochem., vol. 61, pp.1800-1805 (1997)]に示した
条件と同一である。分析結果を表1に示す。
およびフラボノール化合物含量
は、リスベラトロールが122.4 mg/kg,総スティルベン
化合物が234.9 mg/kgが含まれていた。この時に得られ
たワインには総スティルベン化合物が3.1 mg/Lが含まれ
ていたので、ワインのおよそ80倍のスティルベン化合物
が含まれていたことになる。特にリスベラトロールにつ
いてはワインのおよそ400倍の濃度で含まれていた。一
方、フラボノール類に関しては、ケルセチン-3-グルコ
シド、ケルセチン、ミリセチン、ルチンおよびケンフェ
ロールの総量を総フラボノール濃度とすると、1498.7 m
g/kg含まれていた。この時に得られたワインには総フラ
ボノール濃度として25.0 mg/Lが含まれていたことか
ら、総フラボノール濃度もワインのおよそ60倍である
ことが判明した。中でも、ケルセチンについてはおよそ
250倍、ミリセチンについてはおよそ200倍の濃度
であった。
拌した実施例 果汁やワインに市販乾燥酵母を添加し,フラボノール化
合物やスティルベン化合物を選択的に吸着・濃縮可能か
どうかを検討した。実施例1で使用した濃縮赤ブドウ果
汁を4倍希釈したブドウ果汁100 mLに,乾燥酵母(EC111
8,Lallemand社製)を1 g添加し,5℃もしくは20℃で,
5時間または20時間撹拌した。また,同様に、実施例1で
得られた赤ワイン100 mLに,ブドウ果汁と乾燥酵母を1
g添加し,ブドウ果汁撹拌した。各条件で撹拌後,酵母
を遠心分離(7000 rpm,15分間)し,蒸留水20 mLで1回
洗浄した。酵母は凍結乾燥器にて乾燥した。各条件での
乾燥菌体回収量を表2に示す。得られた乾燥酵母菌体を
0.3 g分取し,60%(v/v)エタノール30 mLを添加,20℃,
20時間スターラーにて撹拌し,酵母に吸着したポリフェ
ノール成分を抽出した。得られた抽出液は遠心(3000 rp
m,10分間)し,上清をHPLC分析した。分析したスティ
ルベン化合物およびフラボノール化合物に関し,表3に
5℃におけるブドウ果汁への酵母添加によるポリフェノ
ールの吸着結果,表4に20℃におけるブドウ果汁への酵
母添加によるポリフェノールの吸着結果,表5に5℃に
おけるワインへの酵母添加によるポリフェノールの吸着
結果,表6に20℃におけるワインへの酵母添加によるポ
リフェノールの吸着結果を示す。
の変化
加によるポリフェノールの菌体吸着量
加によるポリフェノールの菌体吸着量
よるポリフェノールの菌体吸着量
よるポリフェノールの菌体吸着量
℃の場合,5℃と比べ,回収菌体量が若干多くなってい
るが,これは接触中に酵母が僅かに増殖したためと考え
られる。この傾向は果汁での20℃,20時間接触の場合に
顕著であった。
ィルベン化合物中,主要物質であるトランス-リスベラ
トロールの菌体への回収率(吸着割合)は70〜80%であ
り,極めて選択的に酵母に吸着,回収されていることが
分かる。また,フラボノール化合物中,主要物質である
ケルセチンおよびミリセチンの菌体での回収率は90%以
上と極めて高く,極めて選択的に効率良く菌体に吸着さ
れ,エタノールで溶出されることが判明した。表3,表
4から,吸着反応時間は5℃では5時間でも20時間でも殆
ど差がなく,接触時間は5時間で既に充分であることが
判明した。また,20℃では酵母へのスティルベン化合物
およびフラボノール化合物の吸着量は5℃より若干少な
く,特に反応時間が長くなると少なくなることが分かっ
た。これは,酵母が発酵してしまうと為と考えられた。
即ち,果汁から酵母にスティルベン化合物およびフラボ
ノール化合物を吸着させる場合,5℃付近の低温で反応
することが良く,20℃で吸着反応を行う場合は,5時間
程度の短時間の方が望ましいことが判明した。
ィルベン化合物中,主要物質であるトランス-リスベラ
トロールの菌体への回収率(吸着割合)は43〜60%であ
り,選択的に酵母に吸着,回収されていることが分か
る。また,フラボノール化合物中,主要物質であるケル
セチンはほぼ全て菌体に吸着され,エタノールで溶出さ
れることが判明した。表5,表6から,吸着反応時間は
5℃の場合,5時間でも20時間でも殆ど差がなく,接触時
間は5時間で既に充分であることが判明した。また,20
℃の場合は,20時間の反応より5時間の方が吸着量が若
干多い傾向であった。吸着量は20℃より5℃の方が多
く,赤ワインに酵母を添加し,スティルベン化合物およ
びフラボノール化合物を吸着させる場合,5℃付近の低
温で反応することが良く,反応時間は5〜20時間でほぼ
同様であることが判明した。5℃,5時間ワインと接触し
た乾燥酵母の総フェノール含量は1.4%であり,20℃,5
時間ワインと接触した乾燥酵母の総フェノール含量は1.
3%であった。
ル化合物を抽出する目的で,抽出に用いるエタノール水
のエタノール濃度を検討した。実施例1で得られた乾燥
赤ワイン酵母を0.3 g宛秤量し,0〜99.5%濃度のエタノ
ール水を添加し,総量を30 mLとし,20℃,20時間スタ
ーラーにて撹拌後,遠心分離器にて上清を得,0.45μm
の膜濾過後,実施例1と同様のHPLC条件にて,スティル
ベン化合物およびフラボノール化合物の抽出量を測定し
た。結果を表7に示す。
で,菌体1 kg当りに換算して示した。表7より,抽出エ
タノール濃度は60%(v/v)が最大の抽出効率を示した。80
%エタノール水は高い抽出率を示すが,99.5%のエタノー
ルでは全く抽出されなかった。表7から,菌体からの抽
出エタノール水としては,40〜80%エタノール水が好適
に使用できることが判明した。
ルベン化合物およびフラボノール化合物の抽出量
ノールを添加し,スティルベン化合物およびフラボノー
ル化合物の抽出液を得るため,実施例1で得られた湿菌
体300 mLに95.5%のアルコールを種々の量添加し,実用
的な抽出条件を検討した。アルコール添加後,20℃で一
夜撹拌し,遠心後,上清をHPLC分析し,得られる抽出液
のスティルベン化合物およびフラボノール化合物の濃度
を調べた。結果を表8に示す。
ルベン化合物およびフラボノール化合物濃度
ールを添加し,スティルベン化合物およびフラボノール
化合物の抽出液を得るためには,アルコール濃度が41%
の時が最も濃厚な抽出液が得られた。このときのスティ
ルベン化合物およびフラボノール化合物の総濃度は,ワ
インの濃度の7.7倍であった。しかし,総抽出スティル
ベン化合物およびフラボノール化合物の総量ではエタノ
ール濃度が59.1%であり,実施例3の結果を再現した。以
上,赤ワイン発酵後,ワイン製造工程で得られる菌体に
エタノールを添加することで,容易にスティルベン化合
物およびフラボノール化合物濃度の高い溶液の得られる
ことが示された。更に高濃度の溶液を得るためには,減
圧濃縮などの濃縮工程で,高濃度溶液が調製できる。
性,動脈硬化予防効果,血栓症予防効果の高い,スティ
ルベン化合物およびフラボノール化合物がブドウ果汁や
ワインから容易に選択的に抽出することが可能になり,
従来,廃棄物として捨てられていた赤ワイン発酵終了後
の菌体からも,スティルベン化合物およびフラボノール
化合物が効率良く回収できることが示された。得られる
酵母菌体は健康補助食品として使用できるほか,抽出液
は種々のアルコール飲料や化粧品など広い応用が期待さ
れる。
Claims (6)
- 【請求項1】 果汁および/またはワインに酵母を接触
させることを特徴とするポリフェノールの濃縮・回収方
法。 - 【請求項2】 果汁および/またはワインに酵母を接触
させることを特徴とするスティルベン化合物の濃縮・回
収方法。 - 【請求項3】 果汁および/またはワインに酵母を接触
させることを特徴とするフラボノール類の濃縮・回収方
法。 - 【請求項4】 乾燥重量1kg当たり没食子換算総ポリフ
ェノールを5g以上含む酵母。 - 【請求項5】 乾燥重量1kg当たりスティルベン化合物
を20mg以上含む酵母。 - 【請求項6】 乾燥重量1kg当たりフラボノール類を5
00mg以上含む酵母。
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