JP2001098908A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
バルブタイミング調整装置Info
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/34—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
- F01L1/344—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
- F01L1/3442—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロータとケースを異種材料で形成した場合、
その両者の相対的回動を拘束するロック手段の係合穴が
強度不足で変形・早期摩耗するのを防止し、且つ、ロー
タとケースとの摺接面間を温度変化に対応したクリアラ
ンスに確保する。 【解決手段】 第一回転体2よりも線膨張係数が大きな
材料で第二回転体6を形成し、その第二回転体6にロッ
ク手段20を内蔵し、且つ、そのロック手段20を係脱
させるための係合穴21を第一回転体2に設けた。
その両者の相対的回動を拘束するロック手段の係合穴が
強度不足で変形・早期摩耗するのを防止し、且つ、ロー
タとケースとの摺接面間を温度変化に対応したクリアラ
ンスに確保する。 【解決手段】 第一回転体2よりも線膨張係数が大きな
材料で第二回転体6を形成し、その第二回転体6にロッ
ク手段20を内蔵し、且つ、そのロック手段20を係脱
させるための係合穴21を第一回転体2に設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の運転
条件に応じて吸気弁と排気弁の一方もしくは両方の開閉
タイミングを変化させるためのバルブタイミング調整装
置に関するものである。
条件に応じて吸気弁と排気弁の一方もしくは両方の開閉
タイミングを変化させるためのバルブタイミング調整装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のバルブタイミング調整装置は、内
燃機関の吸・排気バルブを開閉駆動する系統のカムシャ
フトに回転自在に取付けられて内燃機関の出力で回転駆
動されるケースと、このケースに収容されて前記カムシ
ャフトに結合され、前記ケースに対して相対回動可能な
ロータと、前記ケース及びロータの一方に設けられたロ
ック用の係合穴と、前記ケース及びロータの他方に設け
られ、機械的付勢力で前記係合穴に嵌入係合してロータ
とケースとの相対的回動を拘束し、且つ、流体制御圧力
で前記係合穴から抜け出して前記拘束を解除するロック
ピンとを備えた構成となっている。そして、前記ケース
は内向きに突出する複数のシューを、且つ、前記ロータ
は外向きに突出する複数のベーンをそれぞれ有し、それ
らのシューとベーンとの間に形成された遅角油圧室と進
角油圧室とに選択的に供給される油圧を、内燃機関の運
転状況に応じて自動制御することで、前記遅角油圧室と
進角油圧室との差圧により、前記ロータを進角方向また
は遅角方向に作動させて吸・排気バルブの開閉タイミン
グを制御するものである。なお、前記ロータの各ベーン
及び前記ケースの各シューは、遅角油圧室と進角油圧室
との間で油漏れを防止するためのチップシールをそれぞ
れの先端に有している。
燃機関の吸・排気バルブを開閉駆動する系統のカムシャ
フトに回転自在に取付けられて内燃機関の出力で回転駆
動されるケースと、このケースに収容されて前記カムシ
ャフトに結合され、前記ケースに対して相対回動可能な
ロータと、前記ケース及びロータの一方に設けられたロ
ック用の係合穴と、前記ケース及びロータの他方に設け
られ、機械的付勢力で前記係合穴に嵌入係合してロータ
とケースとの相対的回動を拘束し、且つ、流体制御圧力
で前記係合穴から抜け出して前記拘束を解除するロック
ピンとを備えた構成となっている。そして、前記ケース
は内向きに突出する複数のシューを、且つ、前記ロータ
は外向きに突出する複数のベーンをそれぞれ有し、それ
らのシューとベーンとの間に形成された遅角油圧室と進
角油圧室とに選択的に供給される油圧を、内燃機関の運
転状況に応じて自動制御することで、前記遅角油圧室と
進角油圧室との差圧により、前記ロータを進角方向また
は遅角方向に作動させて吸・排気バルブの開閉タイミン
グを制御するものである。なお、前記ロータの各ベーン
及び前記ケースの各シューは、遅角油圧室と進角油圧室
との間で油漏れを防止するためのチップシールをそれぞ
れの先端に有している。
【0003】かかるバルブタイミング調整装置において
は、ケース及びそのカバー部材とロータとの摺接面間の
クリアランスを常に最小に抑えることが肝要である。し
かるに、内燃機関稼動時の温度変化によって、前記ケー
ス及びそのカバー部材やロータは熱膨張または熱収縮す
る。この場合、ケース及びそのカバー部材とロータとの
線膨張係数が大きく異なると、それらの摺接面間のクリ
アランスが大きく変動し、そのクリアランス部分から多
量の油漏れが生じたり、逆に、ロック解除状態のロータ
が熱膨張でケースに圧接して回動不能になるなど、バル
ブ開閉タイミングの制御性能が損なわれるという結果に
なる。
は、ケース及びそのカバー部材とロータとの摺接面間の
クリアランスを常に最小に抑えることが肝要である。し
かるに、内燃機関稼動時の温度変化によって、前記ケー
ス及びそのカバー部材やロータは熱膨張または熱収縮す
る。この場合、ケース及びそのカバー部材とロータとの
線膨張係数が大きく異なると、それらの摺接面間のクリ
アランスが大きく変動し、そのクリアランス部分から多
量の油漏れが生じたり、逆に、ロック解除状態のロータ
が熱膨張でケースに圧接して回動不能になるなど、バル
ブ開閉タイミングの制御性能が損なわれるという結果に
なる。
【0004】そこで、内燃機関稼動時の温度変化による
前記クリアランスの変動を極力抑えるべく、ケース及び
そのカバー部材とロータを線膨張係数が同じ材料で形成
することも既に提案されている。しかしながら、ケース
及びそのカバー部材とロータとを異種材料で形成したバ
ルブタイミング調整装置にあっても、前記ケース及びそ
のカバー部材とロータとの摺接面間に設定されたクリア
ランスが内燃機関稼動時の温度変化によって変動するの
を小さく抑える必要がある。
前記クリアランスの変動を極力抑えるべく、ケース及び
そのカバー部材とロータを線膨張係数が同じ材料で形成
することも既に提案されている。しかしながら、ケース
及びそのカバー部材とロータとを異種材料で形成したバ
ルブタイミング調整装置にあっても、前記ケース及びそ
のカバー部材とロータとの摺接面間に設定されたクリア
ランスが内燃機関稼動時の温度変化によって変動するの
を小さく抑える必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のバルブタイミン
グ調整装置は以上のように構成されているので、ロータ
とケースを同一の材料、例えば線膨張係数が同じアルミ
系材料で形成した場合、そのロータとケースの何れか一
方にロックピンを、且つ、他方に係合穴を設けることと
なり、その係合穴は、ロックピンの係合時にロータ回動
方向の剪断力が作用するために、最も機械的強度を必要
とするが、アルミ系材料のロータまたはケースに設けら
れた前記係合穴は強度不足となって、その係合穴の変形
や早期摩耗が生じ、これに起因して、前記係合穴へのロ
ックピン係合時には両者間にガタツキが生じて異音を発
するのみならず、バルブ開閉タイミングの制御性能に大
きな支障を来す可能性が高いなどの課題があった。
グ調整装置は以上のように構成されているので、ロータ
とケースを同一の材料、例えば線膨張係数が同じアルミ
系材料で形成した場合、そのロータとケースの何れか一
方にロックピンを、且つ、他方に係合穴を設けることと
なり、その係合穴は、ロックピンの係合時にロータ回動
方向の剪断力が作用するために、最も機械的強度を必要
とするが、アルミ系材料のロータまたはケースに設けら
れた前記係合穴は強度不足となって、その係合穴の変形
や早期摩耗が生じ、これに起因して、前記係合穴へのロ
ックピン係合時には両者間にガタツキが生じて異音を発
するのみならず、バルブ開閉タイミングの制御性能に大
きな支障を来す可能性が高いなどの課題があった。
【0006】また、従来のバルブタイミング調整装置に
おいて、ケース及びそのカバー部材とロータを異種材料
で形成した場合であっても、ケースとロータの何れにロ
ック手段を設けるか、また、そのロック手段をケース及
びロータの回転中心軸に対して、どの方向に作動させる
かなどの点で種々の課題がある。例えば、鉄系材料で形
成されたケース側にロックピンを設け、アルミ系材料で
形成されたロータに係合穴を設けた場合であっても、上
述のように、ケース及びロータを同一材料で形成した場
合と同様に、係合穴が強度不足となって当該係合穴の変
形や早期摩耗が生じ、これに起因してロータ拘束時のロ
ックピンと係合穴との間にガタが生じ、バルブ開閉タイ
ミングの制御性能に大きな支障を来す可能性が高いなど
の課題があった。
おいて、ケース及びそのカバー部材とロータを異種材料
で形成した場合であっても、ケースとロータの何れにロ
ック手段を設けるか、また、そのロック手段をケース及
びロータの回転中心軸に対して、どの方向に作動させる
かなどの点で種々の課題がある。例えば、鉄系材料で形
成されたケース側にロックピンを設け、アルミ系材料で
形成されたロータに係合穴を設けた場合であっても、上
述のように、ケース及びロータを同一材料で形成した場
合と同様に、係合穴が強度不足となって当該係合穴の変
形や早期摩耗が生じ、これに起因してロータ拘束時のロ
ックピンと係合穴との間にガタが生じ、バルブ開閉タイ
ミングの制御性能に大きな支障を来す可能性が高いなど
の課題があった。
【0007】特に、上述のように、ケース及びそのカバ
ー部材とロータを異種材料で形成した場合、内燃機関稼
動時の如何なる温度条件であっても、ケース側とロータ
との摺接面間を、それら両者の相対的回動を許容し且つ
油漏れを防止可能な最適のクリアランスに確保すること
が理想的であるため、前記ケースとロータは、温度条件
に対応した寸法設定を行う必要があるが、このことにつ
いての技術的手段が何ら配慮されていないという点でも
課題があった。
ー部材とロータを異種材料で形成した場合、内燃機関稼
動時の如何なる温度条件であっても、ケース側とロータ
との摺接面間を、それら両者の相対的回動を許容し且つ
油漏れを防止可能な最適のクリアランスに確保すること
が理想的であるため、前記ケースとロータは、温度条件
に対応した寸法設定を行う必要があるが、このことにつ
いての技術的手段が何ら配慮されていないという点でも
課題があった。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、第一回転体と、この第一回転体に
収容された第二回転体とを異種材料で形成するものであ
りながら、それら両者の相対的回動を拘束するロック手
段の係合穴が強度不足で変形したり早期摩耗するのを防
止可能で、且つ、内燃機関稼動時の温度変化による性能
低下を極小化でき、バルブ開閉タイミング制御上の性能
が安定して信頼性が向上するバルブタイミング調整装置
を得ることを目的とする。
めになされたもので、第一回転体と、この第一回転体に
収容された第二回転体とを異種材料で形成するものであ
りながら、それら両者の相対的回動を拘束するロック手
段の係合穴が強度不足で変形したり早期摩耗するのを防
止可能で、且つ、内燃機関稼動時の温度変化による性能
低下を極小化でき、バルブ開閉タイミング制御上の性能
が安定して信頼性が向上するバルブタイミング調整装置
を得ることを目的とする。
【0009】また、この発明は、第一回転体と第二回転
体を異種材料で容易に形成でき、それらの量産性が向上
してコスト低減が可能なバルブタイミング調整装置を得
ることを目的とする。
体を異種材料で容易に形成でき、それらの量産性が向上
してコスト低減が可能なバルブタイミング調整装置を得
ることを目的とする。
【0010】さらに、この発明は、第一回転体と第二回
転体の摺接面間を、内燃機関の稼動時における温度変化
に対応した最適クリアランスに確保できるバルブタイミ
ング調整装置を得ることを目的とする。
転体の摺接面間を、内燃機関の稼動時における温度変化
に対応した最適クリアランスに確保できるバルブタイミ
ング調整装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るバルブタ
イミング調整装置は、内燃機関の吸・排気バルブの少な
くとも一方を開閉駆動するカムシャフトに回転自在に設
けられ、内燃機関の出力で回転駆動される第一回転体
と、この第一回転体に所定角度範囲内で相対回動可能に
収納されて前記カムシャフトに結合された第二回転体
と、機械的付勢力で作動して第一回転体と第二回転体の
相対的回動を拘束し、且つ、流体制御圧力で作動して前
記拘束を解除するロック手段とを備えたバルブタイミン
グ調整装置において、第一回転体よりも線膨張係数が大
きな材料で第二回転体を形成し、この第二回転体には、
第一回転体及び第二回転体の回転中心軸と平行する方向
に作動可能なロック手段を内蔵し、第一回転体には前記
ロック手段を係脱可能に係合させる係合穴を設けたもの
である。
イミング調整装置は、内燃機関の吸・排気バルブの少な
くとも一方を開閉駆動するカムシャフトに回転自在に設
けられ、内燃機関の出力で回転駆動される第一回転体
と、この第一回転体に所定角度範囲内で相対回動可能に
収納されて前記カムシャフトに結合された第二回転体
と、機械的付勢力で作動して第一回転体と第二回転体の
相対的回動を拘束し、且つ、流体制御圧力で作動して前
記拘束を解除するロック手段とを備えたバルブタイミン
グ調整装置において、第一回転体よりも線膨張係数が大
きな材料で第二回転体を形成し、この第二回転体には、
第一回転体及び第二回転体の回転中心軸と平行する方向
に作動可能なロック手段を内蔵し、第一回転体には前記
ロック手段を係脱可能に係合させる係合穴を設けたもの
である。
【0012】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第一回転体が鉄系材料からなり、第二回転体がアル
ミ系材料からなっているものである。
は、第一回転体が鉄系材料からなり、第二回転体がアル
ミ系材料からなっているものである。
【0013】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第一回転体が鉄系焼結によって形成され、第二回転
体がアルミ鍛造もしくはアルミ鋳造によって形成されて
いるものである。
は、第一回転体が鉄系焼結によって形成され、第二回転
体がアルミ鍛造もしくはアルミ鋳造によって形成されて
いるものである。
【0014】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第一回転体の軸方向長に対して第二回転体の軸方向
長を、常温状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲
内で短くしたものである。
は、第一回転体の軸方向長に対して第二回転体の軸方向
長を、常温状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲
内で短くしたものである。
【0015】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第二回転体と、この第二回転体に内蔵されたロック
手段は、線膨張係数がほぼ同じ材料からなるものであ
る。
は、第二回転体と、この第二回転体に内蔵されたロック
手段は、線膨張係数がほぼ同じ材料からなるものであ
る。
【0016】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、内燃機関の吸・排気バルブの少なくとも一方を開閉
駆動するカムシャフトに回転自在に設けられ、内燃機関
の出力で回転駆動される第一回転体と、この第一回転体
に所定角度範囲内で相対回動可能に収納されて前記カム
シャフトに結合された第二回転体と、機械的付勢力で作
動して第一回転体と第二回転体の相対的回動を拘束し、
且つ、流体制御圧力で作動して前記拘束を解除するロッ
ク手段とを備えたバルブタイミング調整装置において、
第一回転体よりも線膨張係数が小さな材料で第二回転体
を形成し、この第一回転体には、第一回転体及び第二回
転体の軸心を中心とした半径方向に作動可能なロック手
段を内蔵し、第二回転体には前記ロック手段を係脱可能
に係合させる係合穴を設けたものである。
は、内燃機関の吸・排気バルブの少なくとも一方を開閉
駆動するカムシャフトに回転自在に設けられ、内燃機関
の出力で回転駆動される第一回転体と、この第一回転体
に所定角度範囲内で相対回動可能に収納されて前記カム
シャフトに結合された第二回転体と、機械的付勢力で作
動して第一回転体と第二回転体の相対的回動を拘束し、
且つ、流体制御圧力で作動して前記拘束を解除するロッ
ク手段とを備えたバルブタイミング調整装置において、
第一回転体よりも線膨張係数が小さな材料で第二回転体
を形成し、この第一回転体には、第一回転体及び第二回
転体の軸心を中心とした半径方向に作動可能なロック手
段を内蔵し、第二回転体には前記ロック手段を係脱可能
に係合させる係合穴を設けたものである。
【0017】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第一回転体がアルミ系材料からなり、第二回転体が
鉄系材料からなっているものである。
は、第一回転体がアルミ系材料からなり、第二回転体が
鉄系材料からなっているものである。
【0018】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第一回転体がアルミ鍛造もしくはアルミ鋳造によっ
て形成され、第二回転体が鉄系焼結によって形成されて
いるものである。
は、第一回転体がアルミ鍛造もしくはアルミ鋳造によっ
て形成され、第二回転体が鉄系焼結によって形成されて
いるものである。
【0019】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第一回転体の軸方向長に対して第二回転体の軸方向
長を、常温状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲
内で短くしたものである。
は、第一回転体の軸方向長に対して第二回転体の軸方向
長を、常温状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲
内で短くしたものである。
【0020】この発明に係るバルブタイミング調整装置
の第一回転体と、この第一回転体に内蔵されたロック手
段は、線膨張係数がほぼ同じ材料からなるものである。
の第一回転体と、この第一回転体に内蔵されたロック手
段は、線膨張係数がほぼ同じ材料からなるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるバ
ルブタイミング調整装置を示す断面図、図2は図1のA
−A線に沿って断面した矢視図である。図1において、
1は内燃機関の吸排気系のバルブを開閉駆動するカムシ
ャフト、2はそのカムシャフト1上に回転自在に嵌め込
み保持された第一回転体であり、この第一回転体2は、
内燃機関のクランクシャフト(図示せず)から回転駆動
力を入力するタイミングスプロケットまたはタイミング
プーリ(以下、タイミング回転体という)3と、このタ
イミング回転体3の片側面に組付け固定された断面貫通
円筒状のケース4とを備えるハウジング構成となってお
り、前記ケース4の内周面には、図2に示すように、カ
ムシャフト1の回転中心方向に向かって延びる複数のシ
ュー5が一体的に設けられている。
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるバ
ルブタイミング調整装置を示す断面図、図2は図1のA
−A線に沿って断面した矢視図である。図1において、
1は内燃機関の吸排気系のバルブを開閉駆動するカムシ
ャフト、2はそのカムシャフト1上に回転自在に嵌め込
み保持された第一回転体であり、この第一回転体2は、
内燃機関のクランクシャフト(図示せず)から回転駆動
力を入力するタイミングスプロケットまたはタイミング
プーリ(以下、タイミング回転体という)3と、このタ
イミング回転体3の片側面に組付け固定された断面貫通
円筒状のケース4とを備えるハウジング構成となってお
り、前記ケース4の内周面には、図2に示すように、カ
ムシャフト1の回転中心方向に向かって延びる複数のシ
ュー5が一体的に設けられている。
【0022】6はケース4内に収納されてカムシャフト
1に連結固定されたロータであり、このロータ6は第一
回転体2に対して相対回動可能な第二回転体となるもの
で、そのロータ6の回転胴部(ボス部)7には、図2に
示すようにラジアル方向に延びる複数(前記シュー5と
同数)のベーン8が一体凸設されている。
1に連結固定されたロータであり、このロータ6は第一
回転体2に対して相対回動可能な第二回転体となるもの
で、そのロータ6の回転胴部(ボス部)7には、図2に
示すようにラジアル方向に延びる複数(前記シュー5と
同数)のベーン8が一体凸設されている。
【0023】9は前記各シュー5の先端に設けられたチ
ップシール、10はそのチップシール9のバックスプリ
ングであり、このバックスプリング10の付勢力を背圧
として前記チップシール9はロータ6の回転胴部7に摺
接している。11は前記各ベーン8の先端に設けられた
チップシールであり、このチップシール11はケース4
の内周面に摺接しているもので、前記シュー5先端のチ
ップシール9の場合と同様のバックスプリング(図示せ
ず)を備えるものである。
ップシール、10はそのチップシール9のバックスプリ
ングであり、このバックスプリング10の付勢力を背圧
として前記チップシール9はロータ6の回転胴部7に摺
接している。11は前記各ベーン8の先端に設けられた
チップシールであり、このチップシール11はケース4
の内周面に摺接しているもので、前記シュー5先端のチ
ップシール9の場合と同様のバックスプリング(図示せ
ず)を備えるものである。
【0024】12は前記各ベーン8を遅角方向に移動さ
せるための遅角油圧室、13は前記各ベーン8を進角方
向に移動させるための進角油圧室であり、これらの遅角
油圧室12および進角油圧室13は、ケース4とロータ
6との間で各シュー5と各ベーン8との間に形成された
扇柱状の空間から成って作動油が供給されるようになっ
ている。
せるための遅角油圧室、13は前記各ベーン8を進角方
向に移動させるための進角油圧室であり、これらの遅角
油圧室12および進角油圧室13は、ケース4とロータ
6との間で各シュー5と各ベーン8との間に形成された
扇柱状の空間から成って作動油が供給されるようになっ
ている。
【0025】14はケース4におけるタイミング回転体
3と反対側の端部に組付けられたカバー部材、15はタ
イミング回転体3とケース4とカバー部材14とを共締
め一体化している締付けボルトであり、従って、前記カ
バー部材14は、前記ケース4の一体回転部位となって
第一回転体2の一部を構成しているものである。16は
カムシャフト1の端部にロータ6を締付け固定している
軸ボルト、17はカムシャフト1およびロータ6に設け
られた第1油路であり、この第1油路17は前記遅角油
圧室12に連通している。18は同じくカムシャフトお
よびロータ6に設けられた第2油路であり、この第2油
路18は前記進角油圧室13に連通している。
3と反対側の端部に組付けられたカバー部材、15はタ
イミング回転体3とケース4とカバー部材14とを共締
め一体化している締付けボルトであり、従って、前記カ
バー部材14は、前記ケース4の一体回転部位となって
第一回転体2の一部を構成しているものである。16は
カムシャフト1の端部にロータ6を締付け固定している
軸ボルト、17はカムシャフト1およびロータ6に設け
られた第1油路であり、この第1油路17は前記遅角油
圧室12に連通している。18は同じくカムシャフトお
よびロータ6に設けられた第2油路であり、この第2油
路18は前記進角油圧室13に連通している。
【0026】19はロータ6の1つのベーン8に軸方向
に沿って設けられたピン孔、20はそのピン孔19内に
摺動可能に嵌め込み保持されてロータ6の回転軸(カム
シャフト1の回転中心軸)と平行する方向に作動するロ
ックピン(ロック手段)、21はケース4の一体回転部
位となるタイミング回転体3における前記ベーン8との
摺接面に開口形成された係合穴であり、この係合穴21
は凹状孔からなって前記ロックピン20を係脱可能に係
合させるものである。21aは前記係合穴21に対する
ロックピン20の係合時にそのロックピン20と係合穴
21の内面との間に形成される通油用細隙、22は前記
ロックピン20を前記係合穴21に対する係合方向に付
勢する機械的付勢手段としてのスプリング、23はロー
タ6に設けられた大気開放孔であり、この大気開放孔2
3は、前記ピン孔19内におけるスプリング22の収納
側を大気中に開放するもので、空気穴とドレン通路を兼
ねている。
に沿って設けられたピン孔、20はそのピン孔19内に
摺動可能に嵌め込み保持されてロータ6の回転軸(カム
シャフト1の回転中心軸)と平行する方向に作動するロ
ックピン(ロック手段)、21はケース4の一体回転部
位となるタイミング回転体3における前記ベーン8との
摺接面に開口形成された係合穴であり、この係合穴21
は凹状孔からなって前記ロックピン20を係脱可能に係
合させるものである。21aは前記係合穴21に対する
ロックピン20の係合時にそのロックピン20と係合穴
21の内面との間に形成される通油用細隙、22は前記
ロックピン20を前記係合穴21に対する係合方向に付
勢する機械的付勢手段としてのスプリング、23はロー
タ6に設けられた大気開放孔であり、この大気開放孔2
3は、前記ピン孔19内におけるスプリング22の収納
側を大気中に開放するもので、空気穴とドレン通路を兼
ねている。
【0027】図2において、24は前記ロックピン20
を有するベーン8に設けられて当該ベーン8両側の遅角
油圧室12と進角油圧室13とを連通する連通油路であ
り、この連通油路24は、図1に示すロータ6のカバー
部材14側の側面に設けられた周方向溝からなってい
る。25は前記連通油路24の途中に設けられた幅広楕
円状の移動溝、26はその移動溝25と前記通油用細隙
21aとを連通するロック解除用油路、27は前記移動
溝25に移動可能に内蔵されたスライドプレートであ
り、このスライドプレート27は、前記連通油路24
を、遅角油圧室12に通じる遅角側油路24aと、進角
油圧室13に通じる進角側油路24bとに分断してい
る。かかるスライドプレート27は、遅角油圧室12内
の油圧が進角油圧室13内の油圧よりも高いときに遅角
油圧室12からの油圧で進角油圧室13側に移動してロ
ック解除用油路26を遅角側油路24aに接続する位置
と、進角油圧室13内の油圧が遅角油圧室12内の油圧
よりも高いときに進角油圧室13からの油圧で遅角油圧
室12側に移動してロック解除用油路26を進角側油路
24bに接続する位置とに切り替わる切替弁の機能を奏
するものである。
を有するベーン8に設けられて当該ベーン8両側の遅角
油圧室12と進角油圧室13とを連通する連通油路であ
り、この連通油路24は、図1に示すロータ6のカバー
部材14側の側面に設けられた周方向溝からなってい
る。25は前記連通油路24の途中に設けられた幅広楕
円状の移動溝、26はその移動溝25と前記通油用細隙
21aとを連通するロック解除用油路、27は前記移動
溝25に移動可能に内蔵されたスライドプレートであ
り、このスライドプレート27は、前記連通油路24
を、遅角油圧室12に通じる遅角側油路24aと、進角
油圧室13に通じる進角側油路24bとに分断してい
る。かかるスライドプレート27は、遅角油圧室12内
の油圧が進角油圧室13内の油圧よりも高いときに遅角
油圧室12からの油圧で進角油圧室13側に移動してロ
ック解除用油路26を遅角側油路24aに接続する位置
と、進角油圧室13内の油圧が遅角油圧室12内の油圧
よりも高いときに進角油圧室13からの油圧で遅角油圧
室12側に移動してロック解除用油路26を進角側油路
24bに接続する位置とに切り替わる切替弁の機能を奏
するものである。
【0028】以上のように構成されたバルブタイミング
調整装置において、この実施の形態1では、第一回転体
2と第二回転体6を線膨張係数が異なる材料で形成した
ものである。すなわち、この実施の形態1では、タイミ
ング回転体3とケース4及びカバー部材14からなる第
一回転体2と、この第一回転体2内に収納された第二回
転体(ロータ)6との材料対比において、第一回転体2
よりも線膨張係数が大きな材料で第二回転体6を形成
し、その第二回転体6にカムシャフト1の回転軸と平行
する方向へ作動可能なロックピン20を内蔵させ、且
つ、第2回転体6よりも線膨張係数が小さな材料で形成
された第一回転体2に前記ロックピン20の係合穴21
を設けたものである。
調整装置において、この実施の形態1では、第一回転体
2と第二回転体6を線膨張係数が異なる材料で形成した
ものである。すなわち、この実施の形態1では、タイミ
ング回転体3とケース4及びカバー部材14からなる第
一回転体2と、この第一回転体2内に収納された第二回
転体(ロータ)6との材料対比において、第一回転体2
よりも線膨張係数が大きな材料で第二回転体6を形成
し、その第二回転体6にカムシャフト1の回転軸と平行
する方向へ作動可能なロックピン20を内蔵させ、且
つ、第2回転体6よりも線膨張係数が小さな材料で形成
された第一回転体2に前記ロックピン20の係合穴21
を設けたものである。
【0029】次に動作について説明する。内燃機関の運
転時には、当該内燃機関のクランクシャフト(図示せ
ず)からの回転力が第一回転体2のタイミング回転体3
に伝達される。この際、ロックピン20がスプリング2
2による機械的付勢力で係合穴21内に嵌入して第一回
転体2と第二回転体6をロックした状態(図1の状態)
になっていると、第一回転体2と第二回転体6及びカム
シャフト1が一体回転することにより、そのカムシャフ
ト1上に一体結合されたカム(図示せず)が内燃機関の
吸・排気系バルブを開閉駆動する。この状態において、
遅角油圧室12と進角油圧室13及び係合穴21には、
内燃機関の運転状況に応じた油圧が油圧制御系統から供
給されている。ここで、前記係合穴21に供給されてい
る油圧力が、ロックピン20に対するスプリング22の
付勢力に打ち勝つと、その油圧力でロックピン20が係
合穴21内から後退して第一回転体2と第二回転体6の
ロックが解除される。そのロック解除により、第一回転
体2と第二回転体6が相対回動可能となり、その第二回
転体6が遅角油圧室12と進角油圧室13との差圧で回
動することにより、前記吸・排気系バルブの開閉タイミ
ングが自動制御される。
転時には、当該内燃機関のクランクシャフト(図示せ
ず)からの回転力が第一回転体2のタイミング回転体3
に伝達される。この際、ロックピン20がスプリング2
2による機械的付勢力で係合穴21内に嵌入して第一回
転体2と第二回転体6をロックした状態(図1の状態)
になっていると、第一回転体2と第二回転体6及びカム
シャフト1が一体回転することにより、そのカムシャフ
ト1上に一体結合されたカム(図示せず)が内燃機関の
吸・排気系バルブを開閉駆動する。この状態において、
遅角油圧室12と進角油圧室13及び係合穴21には、
内燃機関の運転状況に応じた油圧が油圧制御系統から供
給されている。ここで、前記係合穴21に供給されてい
る油圧力が、ロックピン20に対するスプリング22の
付勢力に打ち勝つと、その油圧力でロックピン20が係
合穴21内から後退して第一回転体2と第二回転体6の
ロックが解除される。そのロック解除により、第一回転
体2と第二回転体6が相対回動可能となり、その第二回
転体6が遅角油圧室12と進角油圧室13との差圧で回
動することにより、前記吸・排気系バルブの開閉タイミ
ングが自動制御される。
【0030】以上説明した実施の形態1によれば、第一
回転体2よりも線膨張係数が大きな材料で第二回転体6
を形成し、その第二回転体6にカムシャフト1の回転軸
と平行する方向へ作動可能なロックピン20を内蔵さ
せ、且つ、第二回転体6よりも線膨張係数が小さな材料
で形成された第一回転体2に前記ロックピン20の係合
穴21を設けるように構成したので、ロックピン20を
内蔵した第二回転体6よりも線膨張係数が小さな第一回
転体2に設けられた係合穴21は、前記ロックピン20
の係合時に第一回転体2及び第二回転体6の回動方向に
生じる剪断力に対応した十分な機械的強度が得られる。
このため、前記係合穴21が強度不足で変形したり早期
に摩耗するのを防止できると共に、ロックピン20と係
合穴21の係合時における両者間のガタツキを防止で
き、そのガタツキに起因してバルブ開閉タイミングの制
御性能が低下するのを防止できるという効果がある。さ
らには、上述のように、第一回転体2内に収納された第
二回転体6の線膨張係数が第一回転体2よりも大きくし
たことにより、第一回転体2と第二回転体6との摺接面
間のクリアランスが、内燃機関始動後の高温状態で最小
となる寸法設定を行うことが可能となり、その寸法設定
によって、高油温時には、第一回転体2内に収納された
第二回転体6の熱膨張率が第一回転体2よりも大きくな
り、その両者の熱膨張率の差によって、前記クリアラン
スが最小となるため、作動油の粘度低下による前記クリ
アランスからの漏れ油量を極く少量に抑えることができ
るという効果がある。また、低油温時には、前記クリア
ランスが逆に増大するが、その反面、油粘度が高くなる
ため、前記クリアランスからの油漏れを抑えることが可
能という効果がある。従って、内燃機関稼動時の温度変
化による前記クリアランスからの漏れ油量が安定化し、
作動油の温度変化による粘性変化を利用して前記温度変
化に対応した最適なクリアランスを確保でき、性能が安
定した信頼性の高いバルブタイミング調整装置を得るこ
とができるという効果がある。
回転体2よりも線膨張係数が大きな材料で第二回転体6
を形成し、その第二回転体6にカムシャフト1の回転軸
と平行する方向へ作動可能なロックピン20を内蔵さ
せ、且つ、第二回転体6よりも線膨張係数が小さな材料
で形成された第一回転体2に前記ロックピン20の係合
穴21を設けるように構成したので、ロックピン20を
内蔵した第二回転体6よりも線膨張係数が小さな第一回
転体2に設けられた係合穴21は、前記ロックピン20
の係合時に第一回転体2及び第二回転体6の回動方向に
生じる剪断力に対応した十分な機械的強度が得られる。
このため、前記係合穴21が強度不足で変形したり早期
に摩耗するのを防止できると共に、ロックピン20と係
合穴21の係合時における両者間のガタツキを防止で
き、そのガタツキに起因してバルブ開閉タイミングの制
御性能が低下するのを防止できるという効果がある。さ
らには、上述のように、第一回転体2内に収納された第
二回転体6の線膨張係数が第一回転体2よりも大きくし
たことにより、第一回転体2と第二回転体6との摺接面
間のクリアランスが、内燃機関始動後の高温状態で最小
となる寸法設定を行うことが可能となり、その寸法設定
によって、高油温時には、第一回転体2内に収納された
第二回転体6の熱膨張率が第一回転体2よりも大きくな
り、その両者の熱膨張率の差によって、前記クリアラン
スが最小となるため、作動油の粘度低下による前記クリ
アランスからの漏れ油量を極く少量に抑えることができ
るという効果がある。また、低油温時には、前記クリア
ランスが逆に増大するが、その反面、油粘度が高くなる
ため、前記クリアランスからの油漏れを抑えることが可
能という効果がある。従って、内燃機関稼動時の温度変
化による前記クリアランスからの漏れ油量が安定化し、
作動油の温度変化による粘性変化を利用して前記温度変
化に対応した最適なクリアランスを確保でき、性能が安
定した信頼性の高いバルブタイミング調整装置を得るこ
とができるという効果がある。
【0031】実施の形態2.この実施の形態2では、第
一回転体2を鉄系材料で形成し、第二回転体6をアルミ
系材料で形成することにより、上記実施の形態1による
第一回転体2と第二回転体6のそれぞれの構成材料を具
体化したものである。従って、第一回転体2と第二回転
体6のそれぞれを構成する線膨張係数が異なる材料とし
て、高価で特殊な材料を用いる必要がなく、且つ、アル
ミ系材料で形成された第二回転体6は、鉄系材料で形成
された第一回転体2よりも線膨張係数が大きいため、上
記実施の形態1と同様の効果が得られる。
一回転体2を鉄系材料で形成し、第二回転体6をアルミ
系材料で形成することにより、上記実施の形態1による
第一回転体2と第二回転体6のそれぞれの構成材料を具
体化したものである。従って、第一回転体2と第二回転
体6のそれぞれを構成する線膨張係数が異なる材料とし
て、高価で特殊な材料を用いる必要がなく、且つ、アル
ミ系材料で形成された第二回転体6は、鉄系材料で形成
された第一回転体2よりも線膨張係数が大きいため、上
記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0032】実施の形態3.この実施の形態3では、上
記実施の形態1及び上記実施の形態2による第一回転体
2を鉄系材料の焼結加工によって成形し、第二回転体6
をアルミ系材料の鍛造もしくは鋳造によって成形したも
のである。従って、第一回転体2と第二回転体6の成形
が容易で、量産性が向上し、コスト低減が可能になると
いう効果がある。
記実施の形態1及び上記実施の形態2による第一回転体
2を鉄系材料の焼結加工によって成形し、第二回転体6
をアルミ系材料の鍛造もしくは鋳造によって成形したも
のである。従って、第一回転体2と第二回転体6の成形
が容易で、量産性が向上し、コスト低減が可能になると
いう効果がある。
【0033】実施の形態4.この実施の形態4では、上
記実施の形態1から上記実施の形態3による第一回転体
2のケース4の軸方向長に対して第二回転体(ロータ)
6の軸方向長を、常温状態で20〜80ミクロンの範囲
内に設定したものであり、その寸法設定にあたって実験
した結果を表1に示す。
記実施の形態1から上記実施の形態3による第一回転体
2のケース4の軸方向長に対して第二回転体(ロータ)
6の軸方向長を、常温状態で20〜80ミクロンの範囲
内に設定したものであり、その寸法設定にあたって実験
した結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1において、第一回転体は上記実施の形
態1によるケース4のみを対象とし、そのケース4を鉄
系材料で形成したものであり、第二回転体はアルミ系材
料で形成したロータ6からなるものである。そして、常
温25℃で第一回転体の軸方向長を23mmに、且つ、第
二回転体の軸方向長を22.94mmにそれぞれ設定し、
その設定により、第一回転体と第二回転体の摺接面間の
クリアランスを40ミクロンとしたものである。
態1によるケース4のみを対象とし、そのケース4を鉄
系材料で形成したものであり、第二回転体はアルミ系材
料で形成したロータ6からなるものである。そして、常
温25℃で第一回転体の軸方向長を23mmに、且つ、第
二回転体の軸方向長を22.94mmにそれぞれ設定し、
その設定により、第一回転体と第二回転体の摺接面間の
クリアランスを40ミクロンとしたものである。
【0036】かかる条件下で第一回転体と第二回転体と
の温度を同様に変化させたところ、−25℃の温度にお
いて、鉄系材料の第一回転体は軸方向長が22.986
mmに熱収縮し、アルミ系材料の第二回転体は軸方向長が
22.9136mmに熱収縮し、その熱収縮の差分によっ
て、第一回転体と第二回転体の摺接面間のクリアランス
は72.6ミクロンとなった。また、175℃の温度で
は、第一回転体の軸方向長が23.0414に、且つ、
第二回転体の軸方向長が23.00191にそれぞれ熱
膨張し、両者間のクリアランスは22.3ミクロンとな
った。ここで、第一回転体と第二回転体の低温から高温
(例えば、−40℃〜150℃)までの熱膨張によって
前記クリアランスは70ミクロンとなり、これよりも狭
いクリアランスになると、第二回転体(ロータ)の回動
が拘束されてしまう。逆に、前記−40℃〜150℃ま
での熱膨張時のクリアランスを、例えば100ミクロン
以上に設定すると、そのクリアランスからの漏れ油量が
大量となって油圧制御性能が損なわれる結果となる。
の温度を同様に変化させたところ、−25℃の温度にお
いて、鉄系材料の第一回転体は軸方向長が22.986
mmに熱収縮し、アルミ系材料の第二回転体は軸方向長が
22.9136mmに熱収縮し、その熱収縮の差分によっ
て、第一回転体と第二回転体の摺接面間のクリアランス
は72.6ミクロンとなった。また、175℃の温度で
は、第一回転体の軸方向長が23.0414に、且つ、
第二回転体の軸方向長が23.00191にそれぞれ熱
膨張し、両者間のクリアランスは22.3ミクロンとな
った。ここで、第一回転体と第二回転体の低温から高温
(例えば、−40℃〜150℃)までの熱膨張によって
前記クリアランスは70ミクロンとなり、これよりも狭
いクリアランスになると、第二回転体(ロータ)の回動
が拘束されてしまう。逆に、前記−40℃〜150℃ま
での熱膨張時のクリアランスを、例えば100ミクロン
以上に設定すると、そのクリアランスからの漏れ油量が
大量となって油圧制御性能が損なわれる結果となる。
【0037】従って、図1に示す第二回転体6がアルミ
系材料からなって軸方向へ作動可能なロックピン20を
内蔵している場合、鉄系材料からなる第一回転体2と第
二回転体6との摺接面間のクリアランスを、常温(25
℃)状態で22.3〜72.6ミクロンの範囲内に設定
する必要があり、その設定のために、上述のように、第
一回転体2の軸方向長に対して第二回転体6の軸方向長
を、常温状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲内
で短くしたものである。
系材料からなって軸方向へ作動可能なロックピン20を
内蔵している場合、鉄系材料からなる第一回転体2と第
二回転体6との摺接面間のクリアランスを、常温(25
℃)状態で22.3〜72.6ミクロンの範囲内に設定
する必要があり、その設定のために、上述のように、第
一回転体2の軸方向長に対して第二回転体6の軸方向長
を、常温状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲内
で短くしたものである。
【0038】以上説明した実施の形態4によれば、アル
ミ系材料で形成され、軸方向へ作動可能なロックピン2
0を内蔵した第二回転体6の軸方向長を、鉄系材料で形
成された第一回転体2の軸方向長に対して、常温状態で
20ミクロンから80ミクロンの範囲内で短くするよう
に構成したので、高油温時には、第一回転体2と第二回
転体6との熱膨張の差によって両者間のクリアランスを
極小化でき、低油温時には、第一回転体と第二回転体の
熱収縮の差によって両者間のクリアランスが増大する
が、その反面、作動油の粘度が高くなるため、前記クリ
アランスからの油漏れを抑えることができるなど、内燃
機関稼動時の温度変化に対応した最適なクリアランスを
確保でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が一層向上
するという効果がある。
ミ系材料で形成され、軸方向へ作動可能なロックピン2
0を内蔵した第二回転体6の軸方向長を、鉄系材料で形
成された第一回転体2の軸方向長に対して、常温状態で
20ミクロンから80ミクロンの範囲内で短くするよう
に構成したので、高油温時には、第一回転体2と第二回
転体6との熱膨張の差によって両者間のクリアランスを
極小化でき、低油温時には、第一回転体と第二回転体の
熱収縮の差によって両者間のクリアランスが増大する
が、その反面、作動油の粘度が高くなるため、前記クリ
アランスからの油漏れを抑えることができるなど、内燃
機関稼動時の温度変化に対応した最適なクリアランスを
確保でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が一層向上
するという効果がある。
【0039】実施の形態5.この実施の形態5では、上
記実施の形態1において第二回転体6に内蔵したロック
ピン20を、その第二回転体6と線膨張係数がほぼ同じ
材料すなわち第二回転体6と同じアルミ系材料で形成し
たものである。このように、第二回転体6とロックピン
20を線膨張係数がほぼ同じ材料で形成することによ
り、第二回転体6とロックピン20の熱膨張率及び熱収
縮率が同じとなって、第二回転体6のピン孔19と当該
ピン孔19内で摺動するロックピン20との間で、内燃
機関の始動時に第2回転体6がハンチングを引き起こす
ような径方向の隙間が発生しないという効果がある。
記実施の形態1において第二回転体6に内蔵したロック
ピン20を、その第二回転体6と線膨張係数がほぼ同じ
材料すなわち第二回転体6と同じアルミ系材料で形成し
たものである。このように、第二回転体6とロックピン
20を線膨張係数がほぼ同じ材料で形成することによ
り、第二回転体6とロックピン20の熱膨張率及び熱収
縮率が同じとなって、第二回転体6のピン孔19と当該
ピン孔19内で摺動するロックピン20との間で、内燃
機関の始動時に第2回転体6がハンチングを引き起こす
ような径方向の隙間が発生しないという効果がある。
【0040】実施の形態6.図3はこの発明の実施の形
態6によるバルブタイミング調整装置を示す断面図、図
4は図3のB−B線に沿って断面した矢視図であり、図
1及び図2と同一または相当部分には同一符号を付して
重複説明を省略する。図において、119はケース4の
1つのシュー5に設けられたピン孔であり、このピン孔
119は、前記シュー5をケース4の回転中心方向に向
かって貫通する径方向貫通孔からなっている。120は
前記ピン孔119内に嵌め込み収納されてケース4の半
径方向に摺動するロックピン(ロック手段)、121は
そのロックピン120を有する前記シュー5が摺接する
ロータ6の回転胴部7に設けられた係合穴であり、この
係合穴121はロックピン120が嵌入係合可能な凹状
孔からなっている。122はロックピン120を係合穴
121に対する係合方向に付勢するスプリング(機械的
付勢手段)、123はピン孔119の外側開口部に装着
された盲栓であり、この盲栓123は大気開放孔123
aを有して前記スプリング122のホルダを兼ねるもの
である。
態6によるバルブタイミング調整装置を示す断面図、図
4は図3のB−B線に沿って断面した矢視図であり、図
1及び図2と同一または相当部分には同一符号を付して
重複説明を省略する。図において、119はケース4の
1つのシュー5に設けられたピン孔であり、このピン孔
119は、前記シュー5をケース4の回転中心方向に向
かって貫通する径方向貫通孔からなっている。120は
前記ピン孔119内に嵌め込み収納されてケース4の半
径方向に摺動するロックピン(ロック手段)、121は
そのロックピン120を有する前記シュー5が摺接する
ロータ6の回転胴部7に設けられた係合穴であり、この
係合穴121はロックピン120が嵌入係合可能な凹状
孔からなっている。122はロックピン120を係合穴
121に対する係合方向に付勢するスプリング(機械的
付勢手段)、123はピン孔119の外側開口部に装着
された盲栓であり、この盲栓123は大気開放孔123
aを有して前記スプリング122のホルダを兼ねるもの
である。
【0041】なお、上記実施の形態1では、ロックピン
20をスプリング22の付勢力に抗して係合穴21との
係合解除方向に流体制御圧力で作動させるためのロック
解除系統油路として、連通油路24と移動溝25とロッ
ク解除用油路26、及び、ロック解除用油路26を遅角
油圧室12または進角油圧室13に対して選択的に連通
させる油路切替手段としてのスライドプレート27を、
ロックピン20を有する1つのベーン8に設けたが、そ
れらのロック解除系統油路及び油路切替手段は、この実
施の形態6において1つのシュー5に設けられているも
ので、上記実施の形態1で説明した内容と基本的に同じ
働きをするため、前記ロック解除系統油路及び油路切替
手段において、実施の形態1と同一または相当部分には
同一符号を付して具体的説明を省略する。
20をスプリング22の付勢力に抗して係合穴21との
係合解除方向に流体制御圧力で作動させるためのロック
解除系統油路として、連通油路24と移動溝25とロッ
ク解除用油路26、及び、ロック解除用油路26を遅角
油圧室12または進角油圧室13に対して選択的に連通
させる油路切替手段としてのスライドプレート27を、
ロックピン20を有する1つのベーン8に設けたが、そ
れらのロック解除系統油路及び油路切替手段は、この実
施の形態6において1つのシュー5に設けられているも
ので、上記実施の形態1で説明した内容と基本的に同じ
働きをするため、前記ロック解除系統油路及び油路切替
手段において、実施の形態1と同一または相当部分には
同一符号を付して具体的説明を省略する。
【0042】以上のように、ケース4の1つのシュー5
にロックピン120を設け、このロックピン120をケ
ース4の半径方向に作動させるように構成したバルブタ
イミング調整装置において、この実施の形態6では、前
記ケース4を含む第一回転体2の構成材料よりも線膨張
係数が小さな材料でロータ(第二回転体)6を形成した
ものである。なお、この実施の形態6によるバルブタイ
ミング調整装置の動作は、ロックピン120の作動方向
がケース4及びロータ6の軸心を中心とした半径方向で
ある以外は、上記実施の形態1と基本的に同じため説明
を省略する。
にロックピン120を設け、このロックピン120をケ
ース4の半径方向に作動させるように構成したバルブタ
イミング調整装置において、この実施の形態6では、前
記ケース4を含む第一回転体2の構成材料よりも線膨張
係数が小さな材料でロータ(第二回転体)6を形成した
ものである。なお、この実施の形態6によるバルブタイ
ミング調整装置の動作は、ロックピン120の作動方向
がケース4及びロータ6の軸心を中心とした半径方向で
ある以外は、上記実施の形態1と基本的に同じため説明
を省略する。
【0043】以上説明した実施の形態6によれば、1つ
のシュー5にケース4の半径方向に作動可能なロックピ
ン120を設けた第一回転体2よりも線膨張係数が小さ
な材料で第二回転体6を形成し、その第二回転体6に係
合穴121を設けるように構成したので、第一回転体2
よりも線膨張係数が小さな第二回転体6に設けられた係
合穴121は十分な機械的強度が得られる。このため、
その係合穴121がロックピン120の係合時に変形も
しくは早期摩耗するのを防止できると共に、ロックピン
120と係合穴121の係合時における両者間のガタツ
キを防止でき、内燃機関始動時のハンチングを抑制でき
てバルブ開閉タイミングの制御性能が低下するのを防止
できるという効果がある。
のシュー5にケース4の半径方向に作動可能なロックピ
ン120を設けた第一回転体2よりも線膨張係数が小さ
な材料で第二回転体6を形成し、その第二回転体6に係
合穴121を設けるように構成したので、第一回転体2
よりも線膨張係数が小さな第二回転体6に設けられた係
合穴121は十分な機械的強度が得られる。このため、
その係合穴121がロックピン120の係合時に変形も
しくは早期摩耗するのを防止できると共に、ロックピン
120と係合穴121の係合時における両者間のガタツ
キを防止でき、内燃機関始動時のハンチングを抑制でき
てバルブ開閉タイミングの制御性能が低下するのを防止
できるという効果がある。
【0044】実施の形態7.この実施の形態7では、径
方向に作動可能なロックピン120を備えた第一回転体
2をアルミ系材料で形成し、ロックピン120を係合さ
せる係合穴121が設けられた第二回転体6を鉄系材料
で形成したもので、上記実施の形態6による第一回転体
2と第二回転体6のそれぞれの構成材料を具体化したも
のである。このように、アルミ系材料で形成した第一回
転体2に対して鉄系材料で形成した第二回転体6は線膨
張係数が小さくなるため、上記実施の形態6と同様の効
果が得られると共に、第一回転体2と第二回転体6のそ
れぞれを構成する異種材料として、高価で特殊な材料を
用いる必要がないという効果がある。
方向に作動可能なロックピン120を備えた第一回転体
2をアルミ系材料で形成し、ロックピン120を係合さ
せる係合穴121が設けられた第二回転体6を鉄系材料
で形成したもので、上記実施の形態6による第一回転体
2と第二回転体6のそれぞれの構成材料を具体化したも
のである。このように、アルミ系材料で形成した第一回
転体2に対して鉄系材料で形成した第二回転体6は線膨
張係数が小さくなるため、上記実施の形態6と同様の効
果が得られると共に、第一回転体2と第二回転体6のそ
れぞれを構成する異種材料として、高価で特殊な材料を
用いる必要がないという効果がある。
【0045】実施の形態8.この実施の形態8では、上
記実施の形態6及び上記実施の形態7による第一回転体
2をアルミ系材料の鍛造もしくは鋳造によって成形し、
第二回転体6を鉄系材料の焼結によって成形したもので
ある。従って、第一回転体2と第二回転体6の成形が容
易で、量産性が向上し、コスト低減が可能という効果が
ある。
記実施の形態6及び上記実施の形態7による第一回転体
2をアルミ系材料の鍛造もしくは鋳造によって成形し、
第二回転体6を鉄系材料の焼結によって成形したもので
ある。従って、第一回転体2と第二回転体6の成形が容
易で、量産性が向上し、コスト低減が可能という効果が
ある。
【0046】実施の形態9.この実施の形態9では、上
記実施の形態6から上記実施の形態8による第一回転体
2のケース4の軸方向長に対して第二回転体(ロータ)
6の軸方向長を、常温状態で20〜80ミクロンの範囲
内で短く設定したものであり、その寸法設定にあたって
実験した結果を表2に示す。
記実施の形態6から上記実施の形態8による第一回転体
2のケース4の軸方向長に対して第二回転体(ロータ)
6の軸方向長を、常温状態で20〜80ミクロンの範囲
内で短く設定したものであり、その寸法設定にあたって
実験した結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2において、第一回転体は上記実施の形
態6によるアルミ系材料のケース4を対象とし、第二回
転体は同じく上記実施の形態6による鉄系材料のロータ
6を対象としたものである。そして、常温25℃の状態
で第一回転体の軸方向長を23mmに、且つ、第二回転体
の軸方向長を22.96mmにそれぞれ設定し、その設定
により、第一回転体と第二回転体の摺接面間のクリアラ
ンスを40ミクロンとしたものである。
態6によるアルミ系材料のケース4を対象とし、第二回
転体は同じく上記実施の形態6による鉄系材料のロータ
6を対象としたものである。そして、常温25℃の状態
で第一回転体の軸方向長を23mmに、且つ、第二回転体
の軸方向長を22.96mmにそれぞれ設定し、その設定
により、第一回転体と第二回転体の摺接面間のクリアラ
ンスを40ミクロンとしたものである。
【0049】かかる条件下で第一回転体と第二回転体と
の温度を同様に変化させたところ、−25℃の温度にお
いて、アルミ系材料の第一回転体は軸方向長が22.9
736mmに熱収縮し、且つ、鉄系材料の第二回転体は軸
方向長が22.9434mmに熱収縮し、その熱収縮の差
分によって、第一回転体と第二回転体の摺接面間のクリ
アランスは30ミクロンとなった。また、175℃の温
度では、第一回転体の軸方向長が23.0794mmに、
且つ、第二回転体の軸方向長が23mmにそれぞれ熱膨張
し、両者間のクリアランスは80ミクロンとなった。
の温度を同様に変化させたところ、−25℃の温度にお
いて、アルミ系材料の第一回転体は軸方向長が22.9
736mmに熱収縮し、且つ、鉄系材料の第二回転体は軸
方向長が22.9434mmに熱収縮し、その熱収縮の差
分によって、第一回転体と第二回転体の摺接面間のクリ
アランスは30ミクロンとなった。また、175℃の温
度では、第一回転体の軸方向長が23.0794mmに、
且つ、第二回転体の軸方向長が23mmにそれぞれ熱膨張
し、両者間のクリアランスは80ミクロンとなった。
【0050】従って、図3に示す第一回転体2がアルミ
系材料で形成され、そのケース4のシュー5に径方向へ
作動可能なロックピン120を内蔵させる構造とする場
合、鉄系材料からなって前記ロックピン120を係合さ
せる係合穴121が径方向に設けられた第二回転体6
と、前記第一回転体2との摺接面間のクリアランスを、
常温(25℃)状態で30〜80ミクロンに設定する必
要があり、その設定のために、上述のように、第一回転
体2の軸方向長に対して第二回転体6の軸方向長を常温
状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲内で短くし
たものである。
系材料で形成され、そのケース4のシュー5に径方向へ
作動可能なロックピン120を内蔵させる構造とする場
合、鉄系材料からなって前記ロックピン120を係合さ
せる係合穴121が径方向に設けられた第二回転体6
と、前記第一回転体2との摺接面間のクリアランスを、
常温(25℃)状態で30〜80ミクロンに設定する必
要があり、その設定のために、上述のように、第一回転
体2の軸方向長に対して第二回転体6の軸方向長を常温
状態で20ミクロンから80ミクロンの範囲内で短くし
たものである。
【0051】以上説明した実施の形態9によれば、アル
ミ系材料で形成され、径方向へ作動可能なロックピン1
20を内蔵したシュー5を有する第一回転体2の軸方向
長に対して、その第一回転体2内に収納された第二回転
体6の軸方向長を、常温状態において20ミクロンから
80ミクロンの範囲内で短くするように構成したので、
内燃機関稼動時の温度変化に対応した好適なクリアラン
スを確保でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が向上
するという効果がある。
ミ系材料で形成され、径方向へ作動可能なロックピン1
20を内蔵したシュー5を有する第一回転体2の軸方向
長に対して、その第一回転体2内に収納された第二回転
体6の軸方向長を、常温状態において20ミクロンから
80ミクロンの範囲内で短くするように構成したので、
内燃機関稼動時の温度変化に対応した好適なクリアラン
スを確保でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が向上
するという効果がある。
【0052】実施の形態10.この実施の形態10で
は、上記実施の形態6から上記実施の形態8において第
一回転体2に内蔵したロックピン120を、その第一回
転体2と線膨張係数が同じ材料、すなわちアルミ系材料
で形成したものである。このように、第一回転体2とロ
ックピン120を線膨張係数がほぼ同じアルミ系材料で
形成することにより、第一回転体2とロックピン120
の熱膨張率及び熱収縮率が同じとなって、第一回転体2
のピン孔119と当該ピン孔119内で摺動するロック
ピン120との間で、内燃機関の始動時に第2回転体6
がハンチングを引き起こすような径方向の隙間が発生し
ないという効果がある。
は、上記実施の形態6から上記実施の形態8において第
一回転体2に内蔵したロックピン120を、その第一回
転体2と線膨張係数が同じ材料、すなわちアルミ系材料
で形成したものである。このように、第一回転体2とロ
ックピン120を線膨張係数がほぼ同じアルミ系材料で
形成することにより、第一回転体2とロックピン120
の熱膨張率及び熱収縮率が同じとなって、第一回転体2
のピン孔119と当該ピン孔119内で摺動するロック
ピン120との間で、内燃機関の始動時に第2回転体6
がハンチングを引き起こすような径方向の隙間が発生し
ないという効果がある。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、内燃
機関の出力で回転駆動される第一回転体の内部に所定角
度範囲で相対回動可能に収納され、内燃機関の吸・排気
バルブを開閉するカムシャフトに結合された第二回転体
を、前記第一回転体よりも線膨張係数が大きな材料で形
成し、その第二回転体に軸方向へ作動可能なロック手段
を内蔵すると共に、そのロック手段を係合させるための
係合穴を前記第一回転体に設けるように構成したので、
ロック手段を内蔵した第二回転体よりも線膨張係数が小
さな第一回転体に設けられた係合穴は、ロック手段の係
合時に生じる剪断力に対応した十分な機械的強度を得る
ことができ、このため、前記係合穴の強度不足による変
形や早期摩耗を防止可能で、ロック手段と係合穴の係合
時における両者間のガタツキ及びそのガタツキによる内
燃機関始動時のハンチングを防止でき、バルブ開閉タイ
ミングの制御性能が向上するという効果がある。さらに
は、上述のように、第一回転体内に収納した第二回転体
の線膨張係数が第一回転体よりも大きいため、その両者
の摺接面間のクリアランスが内燃機関始動後の高温状態
で最小となる寸法設定を行うことが可能となり、その寸
法設定によって、高油温時には、第一回転体よりも第二
回転体の熱膨張率が大きくなり、その両者の熱膨張率の
差によって、前記クリアランスが最小となるため、油粘
度低下による前記クリアランスからの漏れ油量を極く少
量に抑えることができるという効果がある。また、前記
寸法設定によって、低油温時には、前記クリアランスが
逆に増大するが、その反面、油粘度が高くなるため、前
記クリアランスからの油漏れを抑えることが可能という
効果がある。従って、内燃機関稼動時の温度変化による
前記クリアランスからの漏れ油量が安定化し、作動油の
温度変化による粘性変化を利用して前記温度変化に対応
した好適なクリアランスを確保でき、性能が安定した信
頼性の高いバルブタイミング調整装置を提供できるとい
う効果がある。
機関の出力で回転駆動される第一回転体の内部に所定角
度範囲で相対回動可能に収納され、内燃機関の吸・排気
バルブを開閉するカムシャフトに結合された第二回転体
を、前記第一回転体よりも線膨張係数が大きな材料で形
成し、その第二回転体に軸方向へ作動可能なロック手段
を内蔵すると共に、そのロック手段を係合させるための
係合穴を前記第一回転体に設けるように構成したので、
ロック手段を内蔵した第二回転体よりも線膨張係数が小
さな第一回転体に設けられた係合穴は、ロック手段の係
合時に生じる剪断力に対応した十分な機械的強度を得る
ことができ、このため、前記係合穴の強度不足による変
形や早期摩耗を防止可能で、ロック手段と係合穴の係合
時における両者間のガタツキ及びそのガタツキによる内
燃機関始動時のハンチングを防止でき、バルブ開閉タイ
ミングの制御性能が向上するという効果がある。さらに
は、上述のように、第一回転体内に収納した第二回転体
の線膨張係数が第一回転体よりも大きいため、その両者
の摺接面間のクリアランスが内燃機関始動後の高温状態
で最小となる寸法設定を行うことが可能となり、その寸
法設定によって、高油温時には、第一回転体よりも第二
回転体の熱膨張率が大きくなり、その両者の熱膨張率の
差によって、前記クリアランスが最小となるため、油粘
度低下による前記クリアランスからの漏れ油量を極く少
量に抑えることができるという効果がある。また、前記
寸法設定によって、低油温時には、前記クリアランスが
逆に増大するが、その反面、油粘度が高くなるため、前
記クリアランスからの油漏れを抑えることが可能という
効果がある。従って、内燃機関稼動時の温度変化による
前記クリアランスからの漏れ油量が安定化し、作動油の
温度変化による粘性変化を利用して前記温度変化に対応
した好適なクリアランスを確保でき、性能が安定した信
頼性の高いバルブタイミング調整装置を提供できるとい
う効果がある。
【0054】この発明によれば、係合穴を有する第一回
転体を鉄系材料で形成し、前記係合穴に係脱可能で且つ
軸方向に作動可能なロック手段を内蔵する第二回転体を
アルミ系材料で形成するように構成したので、第一回転
体と第二回転体のそれぞれを構成する線膨張係数が異な
る材料として、高価で特殊な材料を必要とせずに、第一
回転体と第二回転体を容易に形成できるという効果があ
る。
転体を鉄系材料で形成し、前記係合穴に係脱可能で且つ
軸方向に作動可能なロック手段を内蔵する第二回転体を
アルミ系材料で形成するように構成したので、第一回転
体と第二回転体のそれぞれを構成する線膨張係数が異な
る材料として、高価で特殊な材料を必要とせずに、第一
回転体と第二回転体を容易に形成できるという効果があ
る。
【0055】この発明によれば、第一回転体を鉄系材料
の焼結によって成形し、第二回転体をアルミ系材料の鍛
造もしくは鋳造によって成形するように構成したので、
第一回転体と第二回転体の成形が容易で、量産性が向上
し、コスト低減が可能という効果がある。
の焼結によって成形し、第二回転体をアルミ系材料の鍛
造もしくは鋳造によって成形するように構成したので、
第一回転体と第二回転体の成形が容易で、量産性が向上
し、コスト低減が可能という効果がある。
【0056】この発明によれば、第一回転体の軸方向長
に対して、この第一回転体よりも線膨張係数が大きな第
二回転体の軸方向長を、常温状態において20ミクロン
から80ミクロンの範囲内で短くなるように構成したの
で、線膨張係数が大きな第二回転体にロック手段を内蔵
した場合、高油温時には、第一回転体と第二回転体との
熱膨張の差によって、両者の摺接面間のクリアランスを
極小化でき、低油温時には、第一回転体と第二回転体の
熱収縮の差で前記クリアランスが増大するが、その反
面、作動油の粘度が高くなることにより、前記クリアラ
ンスからの油漏れを抑えることができるなど、内燃機関
稼動時の温度変化に対応した最適なクリアランスを確保
でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が一層向上する
という効果がある。
に対して、この第一回転体よりも線膨張係数が大きな第
二回転体の軸方向長を、常温状態において20ミクロン
から80ミクロンの範囲内で短くなるように構成したの
で、線膨張係数が大きな第二回転体にロック手段を内蔵
した場合、高油温時には、第一回転体と第二回転体との
熱膨張の差によって、両者の摺接面間のクリアランスを
極小化でき、低油温時には、第一回転体と第二回転体の
熱収縮の差で前記クリアランスが増大するが、その反
面、作動油の粘度が高くなることにより、前記クリアラ
ンスからの油漏れを抑えることができるなど、内燃機関
稼動時の温度変化に対応した最適なクリアランスを確保
でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が一層向上する
という効果がある。
【0057】この発明によれば、第二回転体に内蔵した
ロック手段を、その第二回転体と線膨張係数がほぼ同じ
材料で構成したので、第二回転体とロック手段の熱膨張
率及び熱収縮率がほぼ同じとなり、第一回転体の係合穴
と、この係合穴に係合した前記ロック手段との間に隙間
が発生するのを抑えることができ、内燃機関始動時のハ
ンチング発生を防止できるという効果がある。
ロック手段を、その第二回転体と線膨張係数がほぼ同じ
材料で構成したので、第二回転体とロック手段の熱膨張
率及び熱収縮率がほぼ同じとなり、第一回転体の係合穴
と、この係合穴に係合した前記ロック手段との間に隙間
が発生するのを抑えることができ、内燃機関始動時のハ
ンチング発生を防止できるという効果がある。
【0058】この発明によれば、内燃機関の出力で回転
駆動される第一回転体の内部に所定角度範囲で相対回動
可能に収納され、内燃機関の吸・排気バルブを開閉する
カムシャフトに結合された第二回転体を、前記第一回転
体よりも線膨張係数が小さな材料で形成し、その第二回
転体に径方向へ作動可能なロック手段を内蔵すると共
に、そのロック手段を係合させるための係合穴を前記第
一回転体に設けるように構成したので、ロック手段を内
蔵した第二回転体よりも線膨張係数が大きな第一回転体
に設けられた係合穴は、ロック手段の係合時に生じる剪
断力に対応した十分な機械的強度を得ることができ、こ
のため、前記係合穴の強度不足による変形や早期摩耗を
防止可能で、ロック手段と係合穴の係合時における両者
間のガタツキ及びそのガタツキによる内燃機関始動時の
ハンチングを防止でき、バルブ開閉タイミングの制御性
能が向上するという効果がある。
駆動される第一回転体の内部に所定角度範囲で相対回動
可能に収納され、内燃機関の吸・排気バルブを開閉する
カムシャフトに結合された第二回転体を、前記第一回転
体よりも線膨張係数が小さな材料で形成し、その第二回
転体に径方向へ作動可能なロック手段を内蔵すると共
に、そのロック手段を係合させるための係合穴を前記第
一回転体に設けるように構成したので、ロック手段を内
蔵した第二回転体よりも線膨張係数が大きな第一回転体
に設けられた係合穴は、ロック手段の係合時に生じる剪
断力に対応した十分な機械的強度を得ることができ、こ
のため、前記係合穴の強度不足による変形や早期摩耗を
防止可能で、ロック手段と係合穴の係合時における両者
間のガタツキ及びそのガタツキによる内燃機関始動時の
ハンチングを防止でき、バルブ開閉タイミングの制御性
能が向上するという効果がある。
【0059】この発明によれば、径方向に作動可能なロ
ック手段を内蔵する第一回転体をアルミ系材料で形成
し、前記ロック手段が係脱可能な係合穴を有する第二回
転体を鉄系材料で形成するように構成したので、第一回
転体と第二回転体のそれぞれを構成する線膨張係数が異
なる材料として、高価で特殊な材料を必要とせずに、第
一回転体と第二回転体を容易に形成できるという効果が
ある。
ック手段を内蔵する第一回転体をアルミ系材料で形成
し、前記ロック手段が係脱可能な係合穴を有する第二回
転体を鉄系材料で形成するように構成したので、第一回
転体と第二回転体のそれぞれを構成する線膨張係数が異
なる材料として、高価で特殊な材料を必要とせずに、第
一回転体と第二回転体を容易に形成できるという効果が
ある。
【0060】この発明によれば、第一回転体をアルミ系
材料の鍛造もしくは鋳造によって成形し、第二回転体を
鉄系材料の焼結によって成形するように構成したので、
第一回転体と第二回転体の成形が容易で、量産性が向上
し、コスト低減が可能という効果がある。
材料の鍛造もしくは鋳造によって成形し、第二回転体を
鉄系材料の焼結によって成形するように構成したので、
第一回転体と第二回転体の成形が容易で、量産性が向上
し、コスト低減が可能という効果がある。
【0061】この発明によれば、第一回転体の軸方向長
に対して、この第一回転体よりも線膨張係数が大きな第
二回転体の軸方向長を、常温状態において20ミクロン
から80ミクロンの範囲内で短くなるように構成したの
で、線膨張係数が大きな第二回転体にロック手段を内蔵
した場合、高油温時には、第一回転体と第二回転体との
熱膨張の差によって、両者の摺接面間のクリアランスを
極小化でき、低油温時には、第一回転体と第二回転体の
熱収縮の差で前記クリアランスが増大するが、その反
面、作動油麻粘度が高くなることにより、前記クリアラ
ンスからの油漏れを抑えることができるなど、内燃機関
稼動時の温度変化に対応した最適なクリアランスを確保
でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が一層向上する
という効果がある。
に対して、この第一回転体よりも線膨張係数が大きな第
二回転体の軸方向長を、常温状態において20ミクロン
から80ミクロンの範囲内で短くなるように構成したの
で、線膨張係数が大きな第二回転体にロック手段を内蔵
した場合、高油温時には、第一回転体と第二回転体との
熱膨張の差によって、両者の摺接面間のクリアランスを
極小化でき、低油温時には、第一回転体と第二回転体の
熱収縮の差で前記クリアランスが増大するが、その反
面、作動油麻粘度が高くなることにより、前記クリアラ
ンスからの油漏れを抑えることができるなど、内燃機関
稼動時の温度変化に対応した最適なクリアランスを確保
でき、バルブ開閉タイミングの制御性能が一層向上する
という効果がある。
【0062】この発明によれば、第一回転体に内蔵した
ロック手段を、その第一回転体と線膨張係数がほぼ同じ
材料で構成したので、第一回転体とロック手段の熱膨張
率及び熱収縮率がほぼ同じとなり、第二回転体の係合穴
と、この係合穴に係合した前記ロック手段との間に隙間
が発生するのを抑えることができ、内燃機関始動時のハ
ンチング発生を防止できるという効果がある。効果があ
る。
ロック手段を、その第一回転体と線膨張係数がほぼ同じ
材料で構成したので、第一回転体とロック手段の熱膨張
率及び熱収縮率がほぼ同じとなり、第二回転体の係合穴
と、この係合穴に係合した前記ロック手段との間に隙間
が発生するのを抑えることができ、内燃機関始動時のハ
ンチング発生を防止できるという効果がある。効果があ
る。
【図1】 この発明の実施の形態1によるバルブタイミ
ング調整装置を示す断面図である。
ング調整装置を示す断面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿って断面した矢視図であ
る。
る。
【図3】 この発明の実施の形態6によるバルブタイミ
ング調整装置を示す断面図である。
ング調整装置を示す断面図である。
【図4】 図3のB−B線に沿って断面した矢視図であ
る。
る。
1 カムシャフト、2 第一回転体、3 タイミングス
プロケットまたはタイミングプーリ(タイミング回転
体)、4 ケース、5 シュー、6 ロータ(第二回転
体)、7 回転胴部(ボス部)、8 ベーン、9 チッ
プシール、10バックスプリング、11 チップシー
ル、12 遅角油圧室、13 進角油圧室、14 カバ
ー部材、15 締付けボルト、16 軸ボルト、17
第1油路、18 第2油路、19 ピン孔、20 ロッ
クピン(ロック手段)、21 係合穴、21a 通油用
細隙、22 スプリング(機械的付勢手段)、23 大
気開放孔、24 連通油路、24a 遅角側油路、24
b 進角側油路、25 移動溝、26 ロック解除用油
路、27 スライドプレート、119 ピン孔、120
ロックピン(ロック手段)、121 係合穴、122
スプリング(機械的付勢手段)、123 盲栓、12
3a 大気開放孔。
プロケットまたはタイミングプーリ(タイミング回転
体)、4 ケース、5 シュー、6 ロータ(第二回転
体)、7 回転胴部(ボス部)、8 ベーン、9 チッ
プシール、10バックスプリング、11 チップシー
ル、12 遅角油圧室、13 進角油圧室、14 カバ
ー部材、15 締付けボルト、16 軸ボルト、17
第1油路、18 第2油路、19 ピン孔、20 ロッ
クピン(ロック手段)、21 係合穴、21a 通油用
細隙、22 スプリング(機械的付勢手段)、23 大
気開放孔、24 連通油路、24a 遅角側油路、24
b 進角側油路、25 移動溝、26 ロック解除用油
路、27 スライドプレート、119 ピン孔、120
ロックピン(ロック手段)、121 係合穴、122
スプリング(機械的付勢手段)、123 盲栓、12
3a 大気開放孔。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G016 AA06 AA19 CA05 CA11 CA13 CA17 CA21 CA24 CA27 CA33 CA36 CA44 CA46 CA51 CA52 DA06 DA22 EA03 EA08 EA24 FA01 FA04
Claims (10)
- 【請求項1】 内燃機関の吸・排気バルブの少なくとも
一方を開閉駆動するカムシャフトに回転自在に設けら
れ、内燃機関の出力で回転駆動される第一回転体と、こ
の第一回転体に所定角度範囲内で相対回動可能に収納さ
れて前記カムシャフトに結合された第二回転体と、機械
的付勢力で作動して第一回転体と第二回転体の相対的回
動を拘束し、且つ、流体制御圧力で作動して前記拘束を
解除するロック手段とを備えたバルブタイミング調整装
置において、第一回転体よりも線膨張係数が大きな材料
で形成された第二回転体と、この第二回転体に内蔵さ
れ、第一回転体及び第二回転体の回転中心軸と平行する
方向に作動可能なロック手段と、第一回転体に設けら
れ、前記ロック手段を係脱可能に係合させる係合穴とを
備えたことを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 【請求項2】 第一回転体は鉄系材料からなり、第二回
転体はアルミ系材料からなっていることを特徴とする請
求項1記載のバルブタイミング調整装置。 - 【請求項3】 第一回転体は鉄系焼結によって形成さ
れ、第二回転体はアルミ鍛造もしくはアルミ鋳造によっ
て形成されていることを特徴とする請求項1または請求
項2記載のバルブタイミング調整装置。 - 【請求項4】 第一回転体の軸方向長に対して第二回転
体の軸方向長を、常温状態で20ミクロンから80ミク
ロンの範囲内で短くしたことを特徴とする請求項1から
請求項3のうちのいずれか1項記載のバルブタイミング
調整装置。 - 【請求項5】 第二回転体と、この第二回転体に内蔵さ
れたロック手段は、線膨張係数がほぼ同じ材料からなっ
ていることを特徴とする請求項1記載のバルブタイミン
グ調整装置。 - 【請求項6】 内燃機関の吸・排気バルブの少なくとも
一方を開閉駆動するカムシャフトに回転自在に設けら
れ、内燃機関の出力で回転駆動される第一回転体と、こ
の第一回転体に所定角度範囲内で相対回動可能に収納さ
れて前記カムシャフトに結合された第二回転体と、機械
的付勢力で作動して第一回転体と第二回転体の相対的回
動を拘束し、且つ、流体制御圧力で作動して前記拘束を
解除するロック手段とを備えたバルブタイミング調整装
置において、第一回転体よりも線膨張係数が小さな材料
で形成された第二回転体と、前記第一回転体に内蔵さ
れ、第一回転体及び第二回転体の軸心を中心とした半径
方向に作動可能なロック手段と、第二回転体に設けら
れ、前記ロック手段を係脱可能に係合させる係合穴とを
備えたことを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 【請求項7】 第一回転体はアルミ系材料からなり、第
二回転体は鉄系材料からなっていることを特徴とする請
求項6記載のバルブタイミング調整装置。 - 【請求項8】 第一回転体はアルミ鍛造もしくはアルミ
鋳造によって形成され、第二回転体は鉄系焼結によって
形成されていることを特徴とする請求項7記載のバルブ
タイミング調整装置。 - 【請求項9】 第一回転体の軸方向長に対して第二回転
体の軸方向長を、常温状態で20ミクロンから80ミク
ロンの範囲内で短くしたことを特徴とする請求項6から
請求項8のうちのいずれか1項記載のバルブタイミング
調整装置。 - 【請求項10】 第一回転体と、この第一回転体に内蔵
されたロック手段は、線膨張係数がほぼ同じ材料からな
っていることを特徴とする請求項6記載のバルブタイミ
ング調整装置。
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US09/886,282 US6325032B1 (en) | 1999-09-29 | 2001-06-22 | Valve timing regulation device |
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2000
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