JP2001086718A - 自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造方法 - Google Patents
自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造方法Info
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- JP2001086718A JP2001086718A JP25703399A JP25703399A JP2001086718A JP 2001086718 A JP2001086718 A JP 2001086718A JP 25703399 A JP25703399 A JP 25703399A JP 25703399 A JP25703399 A JP 25703399A JP 2001086718 A JP2001086718 A JP 2001086718A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固定子と回転子の間の空隙部の磁束密度分布
を正弦波とすることによって、高効率で低騒音の2極の
自己始動形永久磁石式同期電動機を提供する。 【解決手段】 等方性のリング状の永久磁石6を平行磁
場Hをかけて着磁することにより、磁化方向8が軸9の
中心と極の中心10を結ぶ線A−A’線に平行である2
極の回転子磁極が形成されて、固定子と回転子の間の空
隙部における磁束密度分布は正弦波となり、空隙部の磁
束密度分布の高調波成分は無くなり鉄損が低減できて、
高い効率が得られるとともに、電動機の騒音を低減する
ことができる。
を正弦波とすることによって、高効率で低騒音の2極の
自己始動形永久磁石式同期電動機を提供する。 【解決手段】 等方性のリング状の永久磁石6を平行磁
場Hをかけて着磁することにより、磁化方向8が軸9の
中心と極の中心10を結ぶ線A−A’線に平行である2
極の回転子磁極が形成されて、固定子と回転子の間の空
隙部における磁束密度分布は正弦波となり、空隙部の磁
束密度分布の高調波成分は無くなり鉄損が低減できて、
高い効率が得られるとともに、電動機の騒音を低減する
ことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍空調機器用電
動圧縮機やその他の一般産業用に使用される自己始動形
永久磁石式同期電動機とその製造方法に関するものであ
る。
動圧縮機やその他の一般産業用に使用される自己始動形
永久磁石式同期電動機とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自己始動形永久磁石式同期電動機は、始
動時には回転子の始動用かご形導体により誘導電動機と
して作動し、回転子が同期速度付近に達すると永久磁石
がつくる回転子磁極によって同期速度に引き込まれて同
期速度に入るが、定速度運転性および高効率性等優れた
性能を有しているため一般産業用その他に広く使用され
ており、特に電動機の回転子構造についてはさまざまな
改良が施されてきた。
動時には回転子の始動用かご形導体により誘導電動機と
して作動し、回転子が同期速度付近に達すると永久磁石
がつくる回転子磁極によって同期速度に引き込まれて同
期速度に入るが、定速度運転性および高効率性等優れた
性能を有しているため一般産業用その他に広く使用され
ており、特に電動機の回転子構造についてはさまざまな
改良が施されてきた。
【0003】従来の自己始動形永久磁石式同期電動機の
回転子は一般的に、特公昭59−23179号公報に示
されているものがある。以下、図面を参照しながら上記
従来の自己始動形永久磁石式同期電動機を説明する。
回転子は一般的に、特公昭59−23179号公報に示
されているものがある。以下、図面を参照しながら上記
従来の自己始動形永久磁石式同期電動機を説明する。
【0004】図2は2極の例を示すものである。1は回
転子、2は回転子鉄心であり、回転子鉄心2の外周付近
に設けた複数個のスロット3に導体バー4を配設し、前
記導体バー4の両端を短絡環で短絡して始動用かご形導
体を形成している。短絡環は図示しないが、回転子鉄心
の軸方向の両端に配置された環状の導電性材料よりな
り、各々の導体バー4に接続されている。また前記導体
バー4の内側に複数個の永久磁石埋め込み用穴5が設け
られ、永久磁石6が埋め込まれている。7は永久磁石の
異極間の磁束短絡防止用スリットであり、前記磁束短絡
防止用スリット7と永久磁石埋め込み用穴5との間の距
離Pを十分狭くすることにより、前記永久磁石埋め込み
用穴5と前記磁束短絡防止用スリット7との間を磁気飽
和させ、永久磁石による異極間の磁束短絡を防止するよ
うに構成されている。
転子、2は回転子鉄心であり、回転子鉄心2の外周付近
に設けた複数個のスロット3に導体バー4を配設し、前
記導体バー4の両端を短絡環で短絡して始動用かご形導
体を形成している。短絡環は図示しないが、回転子鉄心
の軸方向の両端に配置された環状の導電性材料よりな
り、各々の導体バー4に接続されている。また前記導体
バー4の内側に複数個の永久磁石埋め込み用穴5が設け
られ、永久磁石6が埋め込まれている。7は永久磁石の
異極間の磁束短絡防止用スリットであり、前記磁束短絡
防止用スリット7と永久磁石埋め込み用穴5との間の距
離Pを十分狭くすることにより、前記永久磁石埋め込み
用穴5と前記磁束短絡防止用スリット7との間を磁気飽
和させ、永久磁石による異極間の磁束短絡を防止するよ
うに構成されている。
【0005】従来、回転子鉄心2の隣り合うスロット4
の間の距離T1は各々の箇所で一定の大きさであった。
また、スロット4の径方向長さH1も一定であり、回転
子鉄心2がこのような形状の場合、回転子磁極の端付近
に位置する隣り合うスロットの間の距離Tやスロット3
と永久磁石埋め込み用穴5の間の距離Y1は十分広い磁
路幅を有しているため、永久磁石6から涌出する磁束
は、回転子磁極の端付近の外周面にも他の箇所の外周面
とほぼ同程度に流出することになる。その結果、固定子
の巻線に電圧を印加せず、巻線による磁界が回転子にか
かっていない状態での固定子と回転子の間の空隙部の磁
束密度分布は、縦軸を磁束密度Bgとし、横軸を回転子
磁極の極間を原点としたときの空隙部の回転方向の角度
θとした場合に、図3に示すように矩形波となる。この
ことにより空隙部の磁束密度分布は高調波成分を多く含
むため、鉄損が大きく電動機の効率は低い値に留まって
おり、また電動機の騒音も高い状況にある。
の間の距離T1は各々の箇所で一定の大きさであった。
また、スロット4の径方向長さH1も一定であり、回転
子鉄心2がこのような形状の場合、回転子磁極の端付近
に位置する隣り合うスロットの間の距離Tやスロット3
と永久磁石埋め込み用穴5の間の距離Y1は十分広い磁
路幅を有しているため、永久磁石6から涌出する磁束
は、回転子磁極の端付近の外周面にも他の箇所の外周面
とほぼ同程度に流出することになる。その結果、固定子
の巻線に電圧を印加せず、巻線による磁界が回転子にか
かっていない状態での固定子と回転子の間の空隙部の磁
束密度分布は、縦軸を磁束密度Bgとし、横軸を回転子
磁極の極間を原点としたときの空隙部の回転方向の角度
θとした場合に、図3に示すように矩形波となる。この
ことにより空隙部の磁束密度分布は高調波成分を多く含
むため、鉄損が大きく電動機の効率は低い値に留まって
おり、また電動機の騒音も高い状況にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の自
己始動形永久磁石式同期電動機においては、回転子鉄心
の全てのスロットの間の距離が一定であり、且つ全ての
スロットの径方向長さも一定であるため、固定子の巻線
に電圧を印加せず、巻線による磁界が回転子にかかって
いない状態での固定子と回転子の間の空隙部の磁束密度
分布は矩形波となる。このことにより空隙部の磁束密度
分布は高調波成分を多く含んでいるため、鉄損が大きく
電動機は高い効率が得られず、また電動機の騒音も高い
という課題があった。
己始動形永久磁石式同期電動機においては、回転子鉄心
の全てのスロットの間の距離が一定であり、且つ全ての
スロットの径方向長さも一定であるため、固定子の巻線
に電圧を印加せず、巻線による磁界が回転子にかかって
いない状態での固定子と回転子の間の空隙部の磁束密度
分布は矩形波となる。このことにより空隙部の磁束密度
分布は高調波成分を多く含んでいるため、鉄損が大きく
電動機は高い効率が得られず、また電動機の騒音も高い
という課題があった。
【0007】本発明は上記の課題を解決するもので、固
定子と回転子の間の空隙部の磁束密度分布を正弦波にす
ることによって空隙部の磁束密度分布の高調波成分を無
くして鉄損を低減することにより高い効率が得られ、且
つ低騒音の自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造
方法を提供することを目的とする。
定子と回転子の間の空隙部の磁束密度分布を正弦波にす
ることによって空隙部の磁束密度分布の高調波成分を無
くして鉄損を低減することにより高い効率が得られ、且
つ低騒音の自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、回転子鉄心の外周に配置された任意の方向
の磁化容易軸を持つ等方性のリング状の永久磁石の同一
極内の磁化方向が、回転子の軸に垂直な断面において極
の中心と回転子の軸の中心を結ぶ線に全て平行となるよ
うに平行磁場をかけて2極に着磁する。
に本発明は、回転子鉄心の外周に配置された任意の方向
の磁化容易軸を持つ等方性のリング状の永久磁石の同一
極内の磁化方向が、回転子の軸に垂直な断面において極
の中心と回転子の軸の中心を結ぶ線に全て平行となるよ
うに平行磁場をかけて2極に着磁する。
【0009】固定子の巻線に電圧を印加せず、巻線によ
る磁界が回転子にかかっていない状態での空隙部の磁束
密度分布について図4と図5を用いて説明する。
る磁界が回転子にかかっていない状態での空隙部の磁束
密度分布について図4と図5を用いて説明する。
【0010】図4において1は回転子、2は回転子鉄心
である。回転子鉄心2の外周を覆うように等方性のリン
グ状の永久磁石6を配置している。回転子鉄心2の外周
付近に複数個の導体バー4を配設するためのスロット3
を設け、アルミダイカストにより前記導体バー4と回転
子鉄心の軸方向の両端の短絡環(図示せず)を一体成型
して始動用かご形導体を形成している。回転子の表面の
極間を原点とし、回転方向の角度がθである点をP点と
した場合、回転子の表面上のP点での磁束密度Bは極の
中心10と回転子の軸9の中心を結ぶ線A−A’に平行
であり、径方向の成分Brとθ方向の成分Bθに分けら
れる。Brは式(1)で表わされる。
である。回転子鉄心2の外周を覆うように等方性のリン
グ状の永久磁石6を配置している。回転子鉄心2の外周
付近に複数個の導体バー4を配設するためのスロット3
を設け、アルミダイカストにより前記導体バー4と回転
子鉄心の軸方向の両端の短絡環(図示せず)を一体成型
して始動用かご形導体を形成している。回転子の表面の
極間を原点とし、回転方向の角度がθである点をP点と
した場合、回転子の表面上のP点での磁束密度Bは極の
中心10と回転子の軸9の中心を結ぶ線A−A’に平行
であり、径方向の成分Brとθ方向の成分Bθに分けら
れる。Brは式(1)で表わされる。
【0011】Br=Bsinθ ………(1) 空隙部は非常に狭いため空隙部は回転子の表面から非常
に近い範囲の中にあるため、空隙部の磁束密度Bg
(θ)は回転子の表面の磁束密度に近い値となる。従っ
て、空隙部の磁束密度Bg(θ)は式(2)で表わされ
る。
に近い範囲の中にあるため、空隙部の磁束密度Bg
(θ)は回転子の表面の磁束密度に近い値となる。従っ
て、空隙部の磁束密度Bg(θ)は式(2)で表わされ
る。
【0012】Bg(θ)≒Br ………(2) ここで、式(1)を代入すると Bg(θ)≒Bsinθ ………(3) となるため、Bがθに拘わらず一定となるように永久磁
石の径方向に平行磁場で着磁すると図5に示すように縦
軸を空隙部の磁束密度、横軸をθとした場合に空隙部の
磁束密度分布は正弦波となる。
石の径方向に平行磁場で着磁すると図5に示すように縦
軸を空隙部の磁束密度、横軸をθとした場合に空隙部の
磁束密度分布は正弦波となる。
【0013】このことにより従来例に比べて空隙部の磁
束密度分布の高調波成分が無くなり鉄損を低減すること
ができるため、高効率で低騒音の2極の自己始動形永久
磁石式同期電動機とすることができる。
束密度分布の高調波成分が無くなり鉄損を低減すること
ができるため、高効率で低騒音の2極の自己始動形永久
磁石式同期電動機とすることができる。
【0014】一方、ラジアル異方性の永久磁石を用いた
場合には極間を除いてBrはθに拘わらず一定であるた
め、回転子表面での磁束密度の分布は矩形波となる。こ
のことにより空隙部の磁束密度分布も矩形波となる。し
たがってラジアル異方性の永久磁石を用いた場合は空隙
部の磁束密度の高調波成分が大きく、電動機の効率は低
い値に留まり、また電動機の騒音も高い状況になる。
場合には極間を除いてBrはθに拘わらず一定であるた
め、回転子表面での磁束密度の分布は矩形波となる。こ
のことにより空隙部の磁束密度分布も矩形波となる。し
たがってラジアル異方性の永久磁石を用いた場合は空隙
部の磁束密度の高調波成分が大きく、電動機の効率は低
い値に留まり、また電動機の騒音も高い状況になる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、前記固定子
鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転し、回転子
鉄心の外周に等方性のリング状の永久磁石を配置し、回
転子鉄心内の外周付近に設けた複数個のスロットに導体
バーを配設して、前記導体バーの両端を短絡環で短絡し
て形成した始動用かご形導体を有する回転子とからなる
電動機であって、前記永久磁石の同一極内の磁化方向が
回転子の軸に垂直な断面において極の中心と回転子の軸
の中心を結ぶ線に全て平行となる2極の回転子磁極を有
することにより、回転子の表面における径方向の磁束密
度が正弦波で分布するため、空隙部の磁束密度分布は正
弦波となる。このことにより空隙部の磁束密度分布の高
調波成分は無く鉄損を低減することができるため、高効
率で低騒音の2極の自己始動形永久磁石式同期電動機が
得られるという作用を有する。
は、固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、前記固定子
鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転し、回転子
鉄心の外周に等方性のリング状の永久磁石を配置し、回
転子鉄心内の外周付近に設けた複数個のスロットに導体
バーを配設して、前記導体バーの両端を短絡環で短絡し
て形成した始動用かご形導体を有する回転子とからなる
電動機であって、前記永久磁石の同一極内の磁化方向が
回転子の軸に垂直な断面において極の中心と回転子の軸
の中心を結ぶ線に全て平行となる2極の回転子磁極を有
することにより、回転子の表面における径方向の磁束密
度が正弦波で分布するため、空隙部の磁束密度分布は正
弦波となる。このことにより空隙部の磁束密度分布の高
調波成分は無く鉄損を低減することができるため、高効
率で低騒音の2極の自己始動形永久磁石式同期電動機が
得られるという作用を有する。
【0016】また請求項2に記載の発明は、固定子鉄心
に巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の内径円筒
面に対向して回転自在に回転する回転子とからなる電動
機であって、回転子鉄心の外周付近に設けた複数個のス
ロットに導体バーを配設し、前記導体バーの両端を短絡
環で短絡して始動用かご形導体を形成するとともに、前
記回転子鉄心の外周にリング状の等方性の永久磁石を装
着してなる回転子に、前記回転子の軸に垂直な方向に平
行磁場をかけて着磁することを特徴とする2極の自己始
動形永久磁石式同期電動機の製造方法としたので、永久
磁石の着磁はどの方向に磁場をかけても自在に2極の回
転子磁極を形成することができるため、回転子鉄心の径
方向位置と永久磁石の磁極との位置を合わせながら組み
立てる必要がなく、組み立て作業が容易になるという作
用を有する。
に巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の内径円筒
面に対向して回転自在に回転する回転子とからなる電動
機であって、回転子鉄心の外周付近に設けた複数個のス
ロットに導体バーを配設し、前記導体バーの両端を短絡
環で短絡して始動用かご形導体を形成するとともに、前
記回転子鉄心の外周にリング状の等方性の永久磁石を装
着してなる回転子に、前記回転子の軸に垂直な方向に平
行磁場をかけて着磁することを特徴とする2極の自己始
動形永久磁石式同期電動機の製造方法としたので、永久
磁石の着磁はどの方向に磁場をかけても自在に2極の回
転子磁極を形成することができるため、回転子鉄心の径
方向位置と永久磁石の磁極との位置を合わせながら組み
立てる必要がなく、組み立て作業が容易になるという作
用を有する。
【0017】また請求項3に記載の発明は、固定子鉄心
に巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の内径円筒
面に対向して回転自在に回転する回転子とからなる電動
機であって、回転子鉄心の外周付近に設けた複数個のス
ロットに導体バーを配設し、前記導体バーの両端を短絡
環で短絡して始動用かご形導体を形成した前記回転子鉄
心の外周に、ラジアル方向に平行磁場をかけて着磁した
等方性のリング状の永久磁石を装着してなる回転子を構
成することを特徴とする2極の自己始動形永久磁石式同
期電動機の製造方法としたので、永久磁石だけで着磁で
きるため着磁工程の生産性を高めることができるという
作用を有する。
に巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の内径円筒
面に対向して回転自在に回転する回転子とからなる電動
機であって、回転子鉄心の外周付近に設けた複数個のス
ロットに導体バーを配設し、前記導体バーの両端を短絡
環で短絡して始動用かご形導体を形成した前記回転子鉄
心の外周に、ラジアル方向に平行磁場をかけて着磁した
等方性のリング状の永久磁石を装着してなる回転子を構
成することを特徴とする2極の自己始動形永久磁石式同
期電動機の製造方法としたので、永久磁石だけで着磁で
きるため着磁工程の生産性を高めることができるという
作用を有する。
【0018】また請求項4に記載の発明は、永久磁石が
希土類磁石で形成したので、強い磁力が得られるため回
転子や電動機全体を小型軽量化することができるという
作用を有する。
希土類磁石で形成したので、強い磁力が得られるため回
転子や電動機全体を小型軽量化することができるという
作用を有する。
【0019】
【実施例】以下、本発明による自己始動形永久磁石式同
期電動機の実施例について、図面を参照しながら説明す
る。なお、従来と同一の構成については同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。また固定子は一般的な自己
始動形永久磁石式同期電動機と同様の構成であるため固
定子についての説明も省略する。
期電動機の実施例について、図面を参照しながら説明す
る。なお、従来と同一の構成については同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。また固定子は一般的な自己
始動形永久磁石式同期電動機と同様の構成であるため固
定子についての説明も省略する。
【0020】(実施例1)図1を用いて説明する。図1
は本発明の実施例1による自己始動形永久磁石式同期電
動機の回転子の縦断面図を示す。図1において、1は回
転子、2は回転子鉄心である。回転子鉄心2の外周に等
方性のリング状の永久磁石6を配置している。回転子鉄
心2の外周付近に複数個の導体バー4を配設するための
スロット3を設け、アルミダイカストにより前記導体バ
ー4と回転子鉄心の軸方向の両端の短絡環(図示せず)
を一体成型して始動用かご形導体を形成している。
は本発明の実施例1による自己始動形永久磁石式同期電
動機の回転子の縦断面図を示す。図1において、1は回
転子、2は回転子鉄心である。回転子鉄心2の外周に等
方性のリング状の永久磁石6を配置している。回転子鉄
心2の外周付近に複数個の導体バー4を配設するための
スロット3を設け、アルミダイカストにより前記導体バ
ー4と回転子鉄心の軸方向の両端の短絡環(図示せず)
を一体成型して始動用かご形導体を形成している。
【0021】ここで図1において平行磁場Hで着磁する
ことにより、等方性のリング状の永久磁石6の磁化方向
8が軸9の中心と極の中心10を結ぶ線A−A’線に平
行である2極の回転子磁極を形成する。永久磁石6の磁
化方向8の磁束の大きさが一定となるように着磁される
ので、回転子の表面での径方向の磁束密度の分布は正弦
波となるため、空隙部の磁束密度分布は図5のような正
弦波となる。このことにより空隙部の磁束密度分布の高
調波成分は無く鉄損を低減することができ、高い効率が
得られるとともに電動機の騒音を低減することができ
る。
ことにより、等方性のリング状の永久磁石6の磁化方向
8が軸9の中心と極の中心10を結ぶ線A−A’線に平
行である2極の回転子磁極を形成する。永久磁石6の磁
化方向8の磁束の大きさが一定となるように着磁される
ので、回転子の表面での径方向の磁束密度の分布は正弦
波となるため、空隙部の磁束密度分布は図5のような正
弦波となる。このことにより空隙部の磁束密度分布の高
調波成分は無く鉄損を低減することができ、高い効率が
得られるとともに電動機の騒音を低減することができ
る。
【0022】(実施例2)上記実施例1で述べた2極の
自己始動形永久磁石式同期電動機の回転子の製造方法
は、回転子鉄心2にアルミダイカストで始動用かご形導
体を形成した前記回転子の外周に、等方性のリング状の
永久磁石を装着した回転子1に軸に垂直な方向に平行磁
場をかけて2極の回転子磁極を形成する工法であるた
め、永久磁石の着磁はどの方向に磁場をかけても自在に
2極の回転子磁極を形成することができるため、回転子
鉄心の径方向の位置と永久磁石の磁極の位置合わせをし
ながら組み立てをする必要がなく、組み立て作業を容易
に行うことができる。
自己始動形永久磁石式同期電動機の回転子の製造方法
は、回転子鉄心2にアルミダイカストで始動用かご形導
体を形成した前記回転子の外周に、等方性のリング状の
永久磁石を装着した回転子1に軸に垂直な方向に平行磁
場をかけて2極の回転子磁極を形成する工法であるた
め、永久磁石の着磁はどの方向に磁場をかけても自在に
2極の回転子磁極を形成することができるため、回転子
鉄心の径方向の位置と永久磁石の磁極の位置合わせをし
ながら組み立てをする必要がなく、組み立て作業を容易
に行うことができる。
【0023】また先に等方性のリング状の永久磁石に、
径方向の平行磁場をかけて2極に着磁した後、アルミダ
イカストで始動用かご形導体を形成した回転子鉄心の外
周に装着する工法も考えられ、この場合は永久磁石のみ
の着磁であるから着磁工程の生産性を高めることができ
る。
径方向の平行磁場をかけて2極に着磁した後、アルミダ
イカストで始動用かご形導体を形成した回転子鉄心の外
周に装着する工法も考えられ、この場合は永久磁石のみ
の着磁であるから着磁工程の生産性を高めることができ
る。
【0024】両者の中、どちらを選択するかは設備・工
法等総合的な面から決めて行けばよい。
法等総合的な面から決めて行けばよい。
【0025】(実施例3)図示はしないが、永久磁石を
希土類磁石で形成すれば、強い磁力が得られるので回転
子や電動機全体を小型軽量化することができる。
希土類磁石で形成すれば、強い磁力が得られるので回転
子や電動機全体を小型軽量化することができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明によ
れば、固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、前記固定
子鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転し、回転
子鉄心の外周に等方性のリング状の永久磁石を配置し、
回転子鉄心内の外周付近に設けた複数個のスロットに導
体バーを配設して、前記導体バーの両端を短絡環で短絡
して形成した始動用かご形導体を有する回転子とからな
る電動機であって、前記永久磁石の同一極内の磁化方向
が回転子の軸に垂直な断面において極の中心と回転子の
軸の中心を結ぶ線に全て平行となる2極の回転子磁極を
有することにより、空隙部の磁束密度分布は正弦波とな
る。このことにより空隙部の磁束密度分布の高調波成分
が無くなって鉄損を低減することができ、高い効率が得
られるとともに低騒音の2極の自己始動形永久磁石式同
期電動機を実現することができる。
れば、固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、前記固定
子鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転し、回転
子鉄心の外周に等方性のリング状の永久磁石を配置し、
回転子鉄心内の外周付近に設けた複数個のスロットに導
体バーを配設して、前記導体バーの両端を短絡環で短絡
して形成した始動用かご形導体を有する回転子とからな
る電動機であって、前記永久磁石の同一極内の磁化方向
が回転子の軸に垂直な断面において極の中心と回転子の
軸の中心を結ぶ線に全て平行となる2極の回転子磁極を
有することにより、空隙部の磁束密度分布は正弦波とな
る。このことにより空隙部の磁束密度分布の高調波成分
が無くなって鉄損を低減することができ、高い効率が得
られるとともに低騒音の2極の自己始動形永久磁石式同
期電動機を実現することができる。
【0027】また請求項2に記載の発明によれば、回転
子鉄心に永久磁石を装着した後着磁する工法としたもの
であるので、回転子鉄心の径方向の位置を永久磁石の磁
極との位置合わせをしながら組み立てをする必要がな
く、組み立て作業を容易に行うことができる。
子鉄心に永久磁石を装着した後着磁する工法としたもの
であるので、回転子鉄心の径方向の位置を永久磁石の磁
極との位置合わせをしながら組み立てをする必要がな
く、組み立て作業を容易に行うことができる。
【0028】また請求項3に記載の発明によれば、先に
着磁した永久磁石を回転子鉄心に装着する工法としたも
のであり、永久磁石のみの着磁となるため着磁工程の生
産性を高めることができる。
着磁した永久磁石を回転子鉄心に装着する工法としたも
のであり、永久磁石のみの着磁となるため着磁工程の生
産性を高めることができる。
【0029】また請求項4に記載の発明によれば、永久
磁石を希土類磁石で形成したので、強い磁力が得られる
ため回転子や電動機全体を小型軽量化することができ
る。
磁石を希土類磁石で形成したので、強い磁力が得られる
ため回転子や電動機全体を小型軽量化することができ
る。
【図1】本発明の一実施の形態による回転子の縦断面図
【図2】従来の自己始動形永久磁石式同期電動機の回転
子の縦断面図
子の縦断面図
【図3】従来例の空隙部の磁束密度分布図
【図4】回転子の表面の磁束を示す図
【図5】空隙部の磁束密度分布図
1 回転子 2 回転子鉄心 3 スロット 4 導体バー 6 永久磁石 9 軸 10 極の中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H621 AA01 AA03 GA01 GA04 HH01 HH03 HH10 JK02 5H622 AA01 CA01 CA02 CA05 CA12 DD02 PP03 PP10 PP11 PP20 QA04 QB04
Claims (4)
- 【請求項1】 固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、
前記固定子鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転
し、回転子鉄心の外周に等方性のリング状の永久磁石を
配置し、回転子鉄心内の外周付近に設けた複数個のスロ
ットに導体バーを配設して、前記導体バーの両端を短絡
環で短絡して形成した始動用かご形導体を有する回転子
とからなる電動機であって、前記永久磁石の同一極内の
磁化方向が回転子の軸に垂直な断面において極の中心と
回転子の軸の中心を結ぶ線に全て平行となる2極の回転
子磁極を有することを特徴とする自己始動形永久磁石式
同期電動機。 - 【請求項2】 固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、
前記固定子鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転
する回転子とからなる電動機であって、回転子鉄心の外
周付近に設けた複数個のスロットに導体バーを配設し、
前記導体バーの両端を短絡環で短絡して始動用かご形導
体を形成するとともに、前記回転子鉄心の外周に等方性
のリング状の永久磁石を装着してなる回転子に、前記回
転子の軸に垂直な方向に平行磁場をかけて着磁すること
を特徴とする2極の自己始動形永久磁石式同期電動機の
製造方法。 - 【請求項3】 固定子鉄心に巻線を巻装した固定子と、
前記固定子鉄心の内径円筒面に対向して回転自在に回転
する回転子とからなる電動機であって、回転子鉄心の外
周付近に設けた複数個のスロットに導体バーを配設し、
前記導体バーの両端を短絡環で短絡して始動用かご形導
体を形成した前記回転子鉄心の外周に、径方向に平行磁
場をかけて着磁した等方性のリング状の永久磁石を装着
して回転子を構成することを特徴とする2極の自己始動
形永久磁石式同期電動機の製造方法。 - 【請求項4】 永久磁石が希土類磁石で形成したことを
特徴とする請求項1から請求項3に記載の2極の自己始
動形永久磁石式同期電動機とその製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25703399A JP2001086718A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25703399A JP2001086718A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001086718A true JP2001086718A (ja) | 2001-03-30 |
Family
ID=17300819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25703399A Pending JP2001086718A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 自己始動形永久磁石式同期電動機とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001086718A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005117771A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Hitachi Ltd | 永久磁石式同期電動機及びこれを用いた圧縮機 |
US7161270B2 (en) | 2003-10-14 | 2007-01-09 | Lg Electronics Inc. | Line start reluctance synchronous motor |
JP2007181305A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Hitachi Ltd | 永久磁石式同期電動機及びこれを用いた圧縮機 |
CN109842233A (zh) * | 2019-02-25 | 2019-06-04 | 武汉万至达智能科技有限公司 | 一种高平稳高效率三相高速电机 |
-
1999
- 1999-09-10 JP JP25703399A patent/JP2001086718A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005117771A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Hitachi Ltd | 永久磁石式同期電動機及びこれを用いた圧縮機 |
US7161270B2 (en) | 2003-10-14 | 2007-01-09 | Lg Electronics Inc. | Line start reluctance synchronous motor |
CN1324791C (zh) * | 2003-10-14 | 2007-07-04 | Lg电子株式会社 | 直接起动磁阻同步电机 |
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