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JP2001069024A - 設定装置及びそれを実装した装置並びに状態設定方法 - Google Patents

設定装置及びそれを実装した装置並びに状態設定方法

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Publication number
JP2001069024A
JP2001069024A JP24057999A JP24057999A JP2001069024A JP 2001069024 A JP2001069024 A JP 2001069024A JP 24057999 A JP24057999 A JP 24057999A JP 24057999 A JP24057999 A JP 24057999A JP 2001069024 A JP2001069024 A JP 2001069024A
Authority
JP
Japan
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area
information
setting
state
wireless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24057999A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Takemoto
英治 竹本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP24057999A priority Critical patent/JP2001069024A/ja
Publication of JP2001069024A publication Critical patent/JP2001069024A/ja
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  • Channel Selection Circuits, Automatic Tuning Circuits (AREA)
  • Circuits Of Receivers In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置が自身の存在する領域を理解・認識し、
その領域での動作に適した状態に装置自身を自己設定す
ることができる設定装置を提供すること 【解決手段】 無線送信装置30から送られる無線情報
を無線受信機構11が受信し、受信情報判定機構12に
与える。この判定機構では、受信情報データベース13
に格納された情報に基づいて現在の存在領域を判定し、
判定結果を装置制御機構14に与える。その制御機構
は、制御情報データベース15を参照し、領域に応じた
制御情報を取得し、装置本体20に対して制御情報を送
る。装置本体は、例えば携帯電話などの無線通信機器で
あり、判定した領域は国とする。これにより、各国に応
じた周波数や、出力電力などの状態に自動的に設定され
る。つまり、無線通信機器(装置)は、自分の存在する
領域を無線で認識すると、その領域での動作に適した状
態に自己設定することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、設定装置及びそれ
を実装した装置並びに状態設定方法に関するものであ
る。
【0002】
【発明の背景】現在の社会環境においては、携帯電話,
携帯パソコン等の携帯端末、ラジオその他の無線機(送
信及びまたは受信機能を持つ)、自動車、飛行機などの
乗り物、車載用機器、OA機器、FA機器等の様々な装
置が実用化され、係る装置類は生活と切り離せなくなっ
ている。
【0003】そして、上記装置には、法律上或いはマナ
ー上から設置位置(存在位置)に応じて、機械の設定条
件を変更したり、動作状態を変える必要があるものがあ
る。一例を示すと、例えば、SS無線装置の場合、日本
で使用する際には、2473〜2497MHzの周波数
帯域を用いて送受信することが義務付けられており、そ
れ以外の周波数の使用が禁止されている。また、米国で
使用する場合には、2400〜2475MHzの周波数
帯域を用いることが義務付けられている。このように、
領域(国)によって利用可能な周波数帯域が異なる。
【0004】そこで、日本国専用のSS無線装置や、米
国専用のSS無線装置というように、各国ごとに専用の
SS無線装置を開発・販売することになる。しかし、こ
のように複数種の装置を製造・販売することは、メーカ
ーにとっては製造が煩雑でコスト高となり、ユーザーに
とっては出張・旅行その他により日本国と米国の両方に
行き来するような場合に、それぞれの国専用のSS無線
装置を購入しなければならない。
【0005】係る問題を解決するためには、例えば各国
にあわせた周波数帯域で送受信する機能を持たせ、スイ
ッチ等の切り替え操作により択一的に選択された周波数
帯域での送受信が有効となるような装置とし、ユーザー
が使用する場所によりスイッチ等を切り替えて設定する
ことにより対応できる。しかし、係る切り替え処理は煩
雑であるばかりでなく、切り替え設定を間違えるおそれ
もある。
【0006】また、マナーの点では、例えば、携帯電話
などにおいては、病院,コンサート並びに映画館などで
は、携帯電話の電源をOFFにすることが薦められてい
る。しかし、実際には電源をOFFにすることを忘れて
しまい、呼び出し音が鳴り響くおそれがある。また、病
院,映画館等に出入りするたびに電源のON/OFFを
操作するのも煩雑である。
【0007】係る問題を解決するため、上記病院や映画
館などにおいて、微弱電波を発信して電波の壁(妨害電
波)を構成することにより、携帯電話の発信・着信を阻
止するようにした携帯電話等通話抑止機能装置も開発さ
れている。しかし、係る妨害電波を発し通信不能にする
装置が作動していると、緊急連絡もできなくなる。そし
て、映画館などにおいては、呼び出し音が鳴り響くこと
がマナー上好ましくないのであり、例えば携帯電話の機
能の1つである着呼時に音を鳴らさずに振動等により着
呼を知らせるようなモードにしておくと、周囲の人には
迷惑をかけることなく着呼を知ることができ、緊急連絡
にも対応できる。係るモードにすることにより、マナー
上問題がなくなるにもかかわらず、上記装置の設置によ
り緊急連絡ができなくなるのも好ましくない。さらに
は、例えば事故・急病などにより、警察や消防署その他
の施設に緊急連絡をしたいような場合に、発信すること
ができず、携帯電話の利便性を損なう。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、装置(設定装置)が自身の存在する領域を理解・認
識し、その領域での動作に適した状態に制御対象装置を
設定することができる設定装置及びそれを実装した装置
並びに状態設定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る状態設定方法では、制御対象装置
(実施の形態では、「装置本体20,パソコン20′」
等に相当)の状態を設定する設定装置(実施の形態で
は、「自己設定装置10」に相当)における状態設定方
法であって、受信した無線情報から、自己が存在する領
域を判定し、次いで、その判定した領域に応じた前記制
御対象装置の状態にするための情報を前記制御対象装置
に向けて出力するようにした(請求項10)。そして、
上記領域の判定は、予め記憶保持した無線情報と領域を
関連付けた受信情報データベースを参照して行うことが
できる(請求項11)。
【0010】係る方法を実施するための設定装置として
は、例えば、制御対象装置の状態を設定する設定装置で
あって、無線受信手段(実施の形態では、「無線受信機
構11,ラジオ受信回路11′」等に相当)と、その無
線受信手段で受信した無線情報から、自己が存在する領
域を判定する受信情報判定手段と、その判定した領域に
応じた制御対象装置(実施の形態では、「装置本体2
0,パソコン20′等」に相当)の状態にするための情
報を前記制御対象装置に向けて出力する装置制御手段と
を備えて構成することができる(請求項1)。そして、
前記受信情報判定手段は、その判定する条件を記録した
受信情報データベースに基づいて判定を行うようにして
もよい(請求項2)。
【0011】各種装置によっては、存在する領域によっ
て動作するのに適した状態が変わるものがある。一例を
示すと、携帯電話,PHSその他の無線通信機器の場合
には、国によって使用可能なチャネル・周波数が異なっ
ていたり、出力電力に制限があるものも有る。また、携
帯電話などにおいては、映画館,交通機関,病院などの
ように、マナーその他の理由から使用を制限した方が良
い場所がある。さらには、場所によって特定の処理をす
ることが決まっているようなことがある。もちろん、実
施の形態に記載したものや、さらにそれ以外にも領域に
よって適した動作の状態が変わる装置(制御対象装置)
は多々有り、本発明はそれらに適用できる。
【0012】係る場合、従来であれば、上記例示列挙し
た領域(国)の場合、その国に応じて無線通信機器を製
造したものを用意したり、使用者が切り替えスイッチな
どにより使用状態を設定する必要があり、また、その他
の例でも使用者が個々にマニュアル操作により状態の設
定を行わなければならなかったが、本発明では、無線情
報により領域を判定・認識し、自動的に適した状態に設
定することができるので、煩雑でなく、また設定のし忘
れも無いので好ましい。
【0013】なお、設定装置(装置制御手段)自体が制
御対象装置に対して状態の設定を行う必要はなく、状態
設定するために必要な情報を出力できれば良い。つま
り、例えば、「ある状態に設定しろ」という命令を送
り、その命令を受けた制御対象装置側でその状態に設定
するようにしてもよい。さらには、判定した「領域情
報」を状態に設定するための情報として出力するように
してもよい。つまり、実施の形態では、判定した領域に
応じて、適した状態にするための制御内容を決定し、そ
の決定した制御内容を実行するための情報(制御情報)
として出力するようにしているが、必ずしも具体的な制
御内容まで決定しなくても良い。もちろん、制御内容ま
で決定するのはかまわないし、設定装置側で制御内容ま
で決定すると、制御対象装置側の負荷が軽減する点で好
ましい。
【0014】一方、判定対象の領域としては各種のもの
が有るが、一例としては、前記判定する領域は、国であ
ったり(請求項3)、自動車等の燃料供給販売所の敷地
内であったり(請求項4)、軌道内,踏切内の少なくと
も一方であったり(請求項5)、所望の室内とする(請
求項6)等がある。
【0015】そして、請求項3は、第1の実施の形態で
実現されており、請求項4,5は第2の実施の形態で実
現されており、請求項6は第4,第5の実施の形態で実
現されている。実施の形態で詳細に説明した通り、所望
の制御対象装置に対し、それぞれの場所に応じた適切な
状態設定ができる。
【0016】なお、請求項6に記載する「室内」は、実
施の形態で言う「映画室」のように、1つの室内はもち
ろんのこと、病院や映画館のように建物内という場合も
含み、さらには、その建物内の任意の場所(廊下,正面
玄関前など)も含む。さらにまた、第5の実施の形態で
示すように、ある室内の中を複数の領域に設定する場合
のように、室内の一部であることも含む広い概念であ
る。つまり、外部と遮断された領域のどこかであればよ
い。
【0017】また、本発明に係る状態設定方法では、制
御対象装置の状態を設定する設定装置における状態設定
方法であって、受信した無線情報から、自己が存在する
領域を判定し、次いで、その判定した領域に応じた前記
制御対象装置の状態にするための制御内容を決定し、そ
の決定した制御内容を実行するための情報を前記制御対
象装置に向けて出力するようにした(請求項10)。そ
して、好ましくは、前記領域の判定は、予め記憶保持し
た無線情報と領域を関連付けた受信情報データベースを
参照して行うことである(請求項11)。
【0018】また、別の条件設定方法としては、受信し
た無線情報から、装置自身が存在する領域を判定し、次
いで、その判定した領域での動作に適した状態を決定
し、その決定した状態に装置自身が自己設定する処理を
行うようにしてもよい(請求項12)。
【0019】そして、上記した各方法を実施するのに適
した装置としては、請求項1から6のいずれか1項に記
載の設定装置と、その設定装置によって状態が設定され
る制御対象装置とを備え、存在する領域に適した状態に
自己設定するように構成することである(請求項7)。
このようにすると、装置自身が領域に適した状態に自己
設定するので、上記した設定装置と同様利便性が向上す
る。
【0020】そして、具体的な一例としては、前記制御
対象装置は、無線通信機器であって、通信相手の他の無
線通信機器と異なる無線送信装置が発する無線情報に基
づいて領域を判定するように構成することである(請求
項8)。
【0021】さらには、前記無線通信機器は、高周波の
電波送受信機であって、受信した高周波を中間周波に変
換する受信系を備え、前記無線情報の伝送周波数が、前
記電波送受信機の受信周波数よりも低い場合、前記受信
系の前記中間周波に変換した以降の所定の受信経路と、
前記無線情報の受信経路を共用する構成とするとよい
(請求項9)。このようにすると、無線情報を受信する
ための回路構成が簡略化できるので、小型化が図れ、装
置(制御対象装置)が携帯端末などのような小型化が条
件のものにも適用できる。
【0022】本発明で言う領域を判定するための無線情
報の無線とは、電波・光・音波・超音波等あらゆる波長
のものを含む概念である。そして、実施の形態でも説明
したように、その無線情報は、既存の設備・機器から送
信されているものを利用できるので、本発明を実現する
ために新たに無線送信装置を設置しなくても適用でき
る。もちろん、既存の設備の一部を改良したり、別途設
置してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る装置の好適
な一実施の形態を示している。同図に示すように、本形
態の装置1は、本発明の要部となる自己設定装置10
と、その装置1自体が本来持つ機能を備えた装置本体2
0とを備え、自己設定装置10からの制御情報にしたが
って、装置本体20がその装置1が存在する領域に応じ
た状態に設定するようになっている。
【0024】この自己設定装置10は、外部の無線送信
装置30から出力される無線(電波・光・音波・超音波
など)情報を受信し、その受信した情報から自己設定装
置10ひいてはそれが実装される装置1が存在する領域
を認識し、それに基づいて所定の処理を行うようになっ
ている。
【0025】そして、具体的な構成としては、係る無線
送信装置30が発する無線を無線受信機構11で受信
し、その受信した無線信号を受信情報判定機構12に与
える。受信情報判定機構12は、受け取った無線信号に
含まれる情報に基づき受信情報データベース13をアク
セスし、装置1(自己設定装置10)が存在する領域を
判定するようになっている。この受信情報判定機構12
で判定した判定結果(領域)は、装置制御機構14に与
えられる。そして、その装置制御機構14は、制御情報
データベース15に格納されている情報にしたがい、受
け取った判定結果(領域)に応じて装置本体20を制御
するようになっている。
【0026】これにより、装置本体20が、存在する領
域に応じて設定を変える必要・機能が有る場合に、上記
した装置制御機構14からの命令にしたがい自動的に設
定が変えられるので、ユーザーはいちいち領域に応じて
設定を変える必要がなく、利便性が向上する。以下、よ
り具体的な例について説明する。
【0027】装置1が携帯電話その他の無線機の場合に
ついて説明する。通信機器の場合には、各国の電波法な
どにより、使用可能な周波数や、出力電波の強度などの
動作状態(条件)が規定されており、その動作条件は国
ごとに異なっている。そこで、本装置1に実装された自
己設定装置10は、どの国の領域内に存在しているかを
判断し、その国に合った動作条件に設定するようになっ
ている。
【0028】そして、どの国に存在しているかの判断
は、各国が出力している標準電波を受信し、その受信内
容から判断するようにしている。すなわち、日本では、
茨城県猿島郡三和町に設置された無線送信所(これが、
図1に示す無線送信装置30となる)から、標準電波J
JYが全国に向けて送信出力されている。この、JJY
電波は日本国内のほぼ全土で受信できるように送信され
ており、またJJYの呼出符号を持つ電波は世界で唯一
日本でしか送信されていない。したがって、このJJY
の呼出符号を受信できたならば、その装置は日本国内に
存在していると判定できる。
【0029】そこで、無線受信機構11は、上記JJY
電波の送信周波数帯の無線を受信する機能を有する。そ
して、JJYの呼出符号に関する情報を受信情報データ
ベース13に格納しておく。すなわち、日本の標準電波
JJYの呼出符号は、JJYに対応するモールスコード
となっており、そのモールスコードを5MHz,8MH
z,10MHzを用いて2回送信する。そして、送信時
刻は、毎時9分、19分、29分、39分、49分、5
9分としている。
【0030】よって、無線受信機構11は、5MHz,
8MHz,10MHzのうち、少なくとも1つの周波数
の無線を受信可能に設定する。また、少なくとも呼出符
号を示すモールスコードを受信情報データベース13に
記憶しておく。
【0031】そして、受信情報判定機構12では、受信
した無線情報を解析し、それが、格納したJJYの呼出
符号と一致するか否かを判断する。また、制御情報デー
タベース15には、その国(上記の例では日本)の法律
(電波法等)に準拠する動作状態の情報が格納されてお
り、装置制御機構14は、判定した国に適した動作状態
の情報を取得するとともに、その取得した動作状態(電
波の強度、電波の周波数、送信許容時間など)になるよ
うに装置本体20に対して制御命令を送る。
【0032】なお、領域に応じた動作状態の設定処理
は、装置制御機構14が直接的に装置本体20に対して
設定動作をするようにしても良いし、設定自体は装置本
体20側で行い、装置制御機構14は、係る設定に必要
な情報を送るようにしても良い。すなわち、前者の場合
は、制御情報データベース15には使用する電波の周波
数や、電波の強度等の具体的な動作条件が格納されてお
り、装置制御機構14にて装置本体20の動作条件を設
定することになる。一方、後者の場合には、具体的な動
作条件の設定機能自体は装置本体20に組み込んでお
き、どの状態に設定するかの地域情報(例えば国コード
等)のみを装置制御機構14が装置本体20に与えるよ
うになる。この場合に、制御情報データベース15は、
国コードなどの地域を特定するデータを格納しておけば
良いので、記憶容量は小さいもので済む。
【0033】さらに、このような標準電波は、日本のみ
でなく、米国(WWVH:米国コロラド州を中心とする
地域)や、中国(BPM),ロシア(RID),台湾
(BSF),韓国(HLA)など、各種の国々で試験或
いは実用的に使用されている。そこで、各国における標
準電波に含む呼出符号に関する情報をデータベースに記
憶させておき、その記憶した情報と受信した無線情報と
を比較することにより、どの国の領域に属しているかを
容易にすることができ、その領域に応じた設定に自動的
に切り替えることができる。
【0034】そして、説明を簡単にするため、日本用の
動作状態と、米国用の動作状態を切り替え設定するため
のものとする。すると、日本の標準電波(JJY)の送
信条件は、上記した通りであり、米国の送信条件は2.
5MHz,5MHz,10MHz,15MHzを用い、
毎正時と毎時30分から呼出符号WWVを送信するよう
になっている。
【0035】したがって、装置1の無線受信機構11と
しては、少なくともJJYとWWVを受信することので
きる機能を有する。そして、無線装置30の機能は、図
2のようになる。つまり、日本国の場合には、無線送信
装置30から一定の時刻に達するとJJY呼出符号を含
む情報が送信され、また、米国の場合には、無線送信装
置30から一定の時刻に達するとWWV呼出符号を含む
情報が送信される。
【0036】一方、本形態の装置1では、図3に示すフ
ローチャートのように動作する。すなわち、まず無線受
信機構11にて無線情報を受信する(ST1)。する
と、受信した情報は、受信情報判定機構12に送られ、
そこにおいて受信情報データベース13に格納されたデ
ータと、受信した情報が一致するか否かを判断する(S
T2)。
【0037】そして、一致した情報でない場合にはステ
ップ1に戻り次の情報の受信を待つ。また、一致した情
報の場合には、その受信情報から装置1が存在する領域
を認識し、装置制御機構14は制御情報データベース1
5をアクセスし、領域に応じた設定を読み出し、実行す
ることになる(ST3)。
【0038】つまり、JJYを受信した場合には日本国
内であるという「領域」を装置が自動認識し、日本国内
で使用されるに適した状態に自己設定する。この日本国
内に適した状態に設定とは、例えば、万国標準時との時
差(−9時間)の自動設定や、電波法に適合する電波の
強度、電波の周波数、送信許容時間等の設定等が有る。
【0039】このようにすることにより、設置される領
域により異なる設定を従来手動で必要としていた各種無
線装置が、本発明ではその設定が自動的に行われるの
で、設定状態の判断確認の冗長化や設定作業工数が削減
され、しかも、切り替え設定のし忘れもなくなる。
【0040】図4〜図6は、本形態の装置(無線機器)
1のより具体的な構成を示している。この例では、すな
わち、装置本体20が本来受信する無線機の送受信電波
の周波数(例えばGHz帯)と、上記標準電波(例えば
10MHz帯)は大きく異なるので、本来であれば、受
信機構も別系統となる。すると、装置の大型化並びにコ
スト高を招くので、図示の例では両信号の受信系の一部
の共通化を図るようにした。
【0041】すなわち、良く知られているように、アン
テナ20aから送受信する無線信号の周波数は、高周波
数であるので、そのままでは無線機器内での信号処理が
スムーズに行えないため、周波数を落とした中間周波を
用いて信号処理をする。そのため、アンテナ20aは送
受信切り替えスイッチ20bを介して受信系と送信系を
択一的に切り替えるようになり、受信系と送信系には、
それぞれ高周波増幅器20c,20dと中間周波増幅器
20e,20fを有している。
【0042】ここで、受信系の高周波増幅器20cは、
受信した高周波を中間周波に変換するとともに増幅する
機能を持ち、受信系の中間周波増幅器20eは、上記中
間周波を低周波に変換するとともに増幅する機能を持
つ。また、送信系の高周波増幅器20dや中間周波増幅
器20fは、上記とは逆の周波数変換をするとともに増
幅する機能を持つ。
【0043】なお、上記構成は、無線機器における公知
の構成であり、図示の例では、各増幅機能と周波数変換
機能を1つのブロックで示したが、実際の回路では、複
数の回路・素子から構成されても良いのはもちろんであ
る。
【0044】ここで本形態では、受信系の高周波増幅器
20cと中間周波増幅器20eの間に切り替えスイッチ
11aを設け、この切り替えスイッチ11aの切り替え
動作により、受信系の中間周波増幅器20eを高周波増
幅器20cと標準電波受信アンテナ11bとを択一的に
接続するようになっている。これにより、図示するスイ
ッチの状態では、アンテナ20aを介して受信した通常
の無線信号(無線機器のための信号)が中間周波増幅器
20eを介して受信系に伝達される。一方、切り替えス
イッチ11aが切り替わり、標準電波受信アンテナ11
bに接続されると、上記した領域を特定するための標準
電波(JJYやWWV等)が受信され中間周波増幅器2
0eを介して図外の受信情報判定機構に送られる。
【0045】係る構成にすることにより、切り替えスイ
ッチ11aの切り替え動作により、無線機器にとっての
本来の信号の送受信するための回路と、標準電波を受信
する回路の一部を共有することができ、GPS受信機や
他の位置検出手段を独立して設けるものに比べて、装置
の小型化・低価格化を図ることができる。
【0046】なお、上記構成を実現するためには、標準
電波受信アンテナは、対象となる複数の領域を特定する
標準電波の周波数帯域に感度を持つ必要が有り、また、
受信系の高周波増幅器20cでは、一段で標準電波であ
る10MHz程度の中間周波に落とす機能を持つ必要が
有る。
【0047】また、図5に示すように、受信系に複数段
(図示の例では2段)の中間周波増幅器20e′,20
e″を接続した構成のものにおいて、その途中に切り替
えスイッチ11aを挿入配置することもできる。さらに
は、標準電波受信アンテナ11bに接続され、標準電波
(10MHz)を受ける中間周波増幅器20e,20
e″は、図4,図5に示す回路では、10MHzから一
度に無線機器の内部における信号処理に用いる低周波数
に落とすようにしているが、図6に示すように、標準電
波受信アンテナ11bと切り替えスイッチ11aの間に
も中間周波増幅器11cを設け、最終の中間周波増幅器
20e″における周波数の落とす率を低く抑えるように
しても良い。
【0048】図7は、本発明の第2の実施の形態を示し
ている。同図に示すように、本形態では、無線送信装置
がラジオ放送局30′であって、そのラジオ放送局3
0′から送信される情報に基づいて自己設定装置10′
が存在する領域を認識するようにしている。つまり、ラ
ジオ放送局30′は、各局ごとに固有の周波数,呼出符
号が割り当てられており、また、所定のタイミング(時
刻)で呼出符号と放送局名を音声情報(例えば、「JT
TTこちらはT放送局です。……」等)として送信する
ようになっている。さらに、ラジオ局(地方局)は、そ
の視聴可能なエリアが決まっている。
【0049】そこで、本形態の自己設定装置10′でラ
ジオ放送を受信し、音声認識をすることによりどの放送
局を受信しているかを判断し、領域を特定することがで
きる。そして、制御対象の装置本体20としては、例え
ばパソコンとし、そのパソコンで用いるユーザーインタ
ーフェースをその地域のものにあわせることができる。
そして、係る処理を行うための具体的な機能構成は、以
下のようになる。
【0050】まず、自己設定装置10′としては、入力
側にラジオ放送を受信するためのラジオ受信回路11′
を設けている。このラジオ受信回路11′は、各ラジオ
局の周波数に対応してスキャンするようになっている。
【0051】そのラジオ受信回路11′の受信出力は、
受信情報判定機構12に与えられ、そこにおいて受信し
た受信情報と受信情報データベース13に格納されたデ
ータを比較し、一致する情報が有るか否かを判断し、本
装置が存在する領域(地域)を判定する。すなわち、受
信情報データベース13には、例えば図8に示すような
周波数,呼出符号,放送局名,地域を関連付けたテーブ
ルが格納されており、受信情報判定機構12では、ラジ
オ受信回路11′で受信した情報が、受信周波数,呼出
符号,放送局名(呼出符号と放送局名はいずれか一方で
も可)が、所定の組み合わせになっているか否かを判断
し、一致している場合には、対応する地域情報を抽出
し、抽出した地域情報を次段の装置制御機構14に送
る。
【0052】なお、上記した一致/不一致の判断は、例
えば、受信した音声情報を音声認識してテキストデータ
化し、そのテキストデータと呼出符号,放送局名を比較
する。また、周波数の判断は、例えば、ラジオ受信回路
11′における受信周波数により判断する。
【0053】装置制御機構14は、受け取った地域情報
(領域)に基づいて制御情報データベース15をアクセ
スし、地域情報に対応する制御信号を取得し、その取得
した制御信号(現在どの位置に存在するかを示す信号)
を、装置本体(この例ではパソコン)20′に与える。
ここで、制御情報データベース15に格納されたデータ
は、例えば図9に示すように、地域と制御信号を関連付
けたテーブル形式となっている。
【0054】そして、上記の地域(領域)を特定する制
御信号を受け取ったパソコン20′では、その地域にあ
ったインターフェースに切り替える。また、パソコン2
0′内には、図10に示すように語句の地域ごとの変換
テーブルが格納されている。そこで、例えば制御信号と
して「01004」を受信した後は大阪に位置している
と判断し、「私は大阪に住んでいる。」という文章を入
力した場合、自動的に「あて大阪に住んでんねん。」と
いうように方言に変換するようにすることができる。こ
の変換は、単純にすれば、図10に示すように同一の意
味を表す単語(名詞,動詞に限らず各種の品詞の語句を
登録しておく)が存在する場合に、その単語を与えられ
た制御信号に対応する語句に交換することにより実施で
きる。もちろん、各種の文法情報を登録しておき、上記
変換後さらに文章としておかしくないように適宜修正す
るようにしても良い。
【0055】なお、装置本体20は、ラジオ受信機自体
とし、例えばラジオ受信機に設置されるワンタッチ選局
ボタン(このボタンを押下すると、予め設定した受信周
波数に切り替えられ、所望の放送局が受信可能となる)
に対して自動設定するようにしてもよい。つまり、存在
する地域内で有効な受信周波数を各ワンタッチ選局ボタ
ンに割り当ててもよい。
【0056】図11,図12は、本発明の第3の実施の
形態の要部を示している。本実施の形態では、装置本体
(制御対象)20は、自動車等の乗り物であり、その自
動車等の存在位置を認識し、自動車等に対して所定の動
作を行わせるようにしている。そして、無線通信機器1
0としては、例えば自動車に搭載されたETC(Ele
ctronic Toll Collection:ノ
ンストップ自動料金収受システム)用応答機である。も
ちろん、受信機能を持つものであれば、ETC用応答機
に限ることはないが、ETC応答機を兼用することによ
り、高速道路等の料金所以外でも利用できるようにな
り、また、車載用電気機器の搭載数を減らすことができ
るので好ましい。
【0057】すなわち、現在ETCの開発がITS(I
ntelligent Transport Syst
ems:高度道路交通システム)で進められており、近
い将来に自動車等の乗り物のかなりの割合の台数に対し
てETC対応の応答機が搭載されることが予測できるの
で、その有効利用を図るものである。
【0058】このETCは、自動車等に搭載される各個
人の所持金額残高等を記録する応答機と、路面または路
肩などに設置される質問機からなる。本来、ETC質問
機は有料道路の料金所等に設置され、応答機と通信を行
い、応答機或いは応答機に接続されたICカード等に記
録された金額残高から有料道路の通行料金等を差し引く
ものである。そして、本実施の形態では、応答機が質問
機からの電波を受信できれば、応答機は付近に質問機が
存在することを理解できることを応用している。
【0059】すなわち、質問機の持つ呼出符号,または
質問機から応答機に通信する場合の識別コード(以下、
呼出符号や識別コードを総称してコードと称する)とし
て、料金収受用のコードの他に、自動車等の燃料供給販
売所の敷地内であることを示すコードであるとか踏切の
遮断機の内部であることを示すコードを追加し、本発明
の受信情報データベース13にそのコード種別を登録す
ることにより、自動車等は本発明に具現化する応答機を
1機導入すれば新たな無線受信装置を付加することなく
本発明の効果を享受できる。
【0060】その場合に、ETC用の質問機が無線送信
装置30となり、ETC用の応答機が無線受信機構11
となる。そして、受信情報判定機構12は、質問機から
送られてくる情報(コード)を解析(認識)し、受信情
報データベース13に一致するコードがあるか否かを判
断し、一致する場合には、そのコードが意味する領域を
装置制御機構14に与える。
【0061】そして装置制御機構14は、制御情報デー
タベース15をアクセスし、与えられた領域に則した制
御信号を装置本体20である自動車等(より具体的に
は、その自動車内の特定の装置)に対して送る。一例と
しては、燃料供給販売所を示すコードを受信した場合に
は、エンジンの停止(回転数=0)を確認の上、自動車
等の燃料供給口(給油口等)を開ける。
【0062】同様に、踏切や軌道内を示すコードを受信
した場合には、制御命令としては、エンジン回転数が0
となった場合(例えばエンスト)、緊急警報を発する処
理を行うことがあり、これにより、電車や後続の自動車
等との衝突を防止することができる。
【0063】そして、上記処理を実現するための処理フ
ローチャートしては、図11,図12に示すようなもの
がある。この図は、自動車等の燃料供給販売所の敷地内
を検出するためのもので、図11は無線送信装置(質問
機)30の機能を示すフローチャートである。すなわ
ち、設定時間間隔ごとに、燃料識別供給販売所の識別コ
ードを含む情報を発信する。この発信した情報は、出力
電力を調整するなどして敷地内のみに伝わるようになっ
ている。なお、踏切等に設置された無線送信機であれ
ば、2番目のステップでは、その踏切等の識別コードを
含む情報を発信することになる。
【0064】また、自己設定装置10の機能としては、
図11に示すようになる。そして、ステップ11が無線
受信機構11で実行し、ステップ12が受信情報判定機
構12で実行し、ステップ13が装置制御機構14で実
行することになる。さらに、踏切等に対応したものとし
ては、ステップ12は「踏切等に一致するコードを得
た」になり、ステップ13は、「エンジン回転数が0と
なった場合、緊急警報を発する」になる。そして、実用
上は、自己設定装置10側では、複数の領域を弁別し、
それに対応した制御命令を発するようになる。
【0065】図13〜図16は、本発明の第4の実施の
形態の要部を示している。本実施の形態では、制御対象
の装置本体20として、言葉の理解を助ける字幕を表示
するための無線式ヘッドマウントディスプレイに適用し
た例を示している。
【0066】現在VR(Virtual Realit
y:仮想現実)を実現する手段の1つとして、ヘッドマ
ウントディスプレイがある。映画を例にとれば、第1の
言語を音声で、第2の言語を字幕で表示する方法が存在
する。しかし、国際連合を例にとれば6つの公用語があ
り、2つの言語しか表せないのでは不足する。また、複
数の言語を字幕で表示することは、字幕の表示エリアの
問題もあり困難である。そこで、ヘッドマウントディス
プレイを利用し、実際の映画、劇の芝居、会議の進行は
直接目視で、字幕だけはヘッドマウントディスプレイを
通して表示させることにより、多言語への対応が容易と
なる。
【0067】そして、本形態では、その無線式ヘッドマ
ウントディスプレイの存在領域を認識し、必要な処理を
行うようにする。すなわち、映画室,劇場,会議室の室
内等の字幕を表示する必要がある領域にいる場合には、
字幕を表示し、トイレ等で映画室等を出ると、字幕を消
して視界を広くしたり、出口への道案内表示をしたりす
る。
【0068】具体的には、映画館の場合には、自己設定
装置10の受信情報データベース13には、例えば図1
3に示すように標準電波のコードと領域を関連付けたテ
ーブルが格納されているとする。また、制御情報データ
ベース15には、図14に示すように、各領域と、その
領域において行う制御情報を関連付けたテーブルが格納
されている。
【0069】そして、無線送信装置30は、映画館内の
各所に設置し、各無線送信装置30は、図15に示すフ
ローチャートのように、設定時間に達したならば、その
設置された領域に応じた識別コード(図13に示す標準
電波を示す01から06のコード情報)を含む無線を発
信する。
【0070】また、自己設定装置10としては、図16
に示すフローチャートのように、無線受信機構11で無
線情報を受信したならば、その受信した情報を受信情報
判定機構12に送り、そこにおいて受信した情報が領域
を特定する識別コードであるか否か、そして識別コード
である場合には、その識別コードが意味する領域を判断
する。
【0071】そして、識別コードを取得し、領域を認識
したならば、ステップ23に進み、装置制御機構14に
てヘッドマウントディスプレイに領域に応じた表示をす
る。具体的には、図14に示す制御情報の欄の処理を行
う。すなわち、映画室内に存在している場合には、字幕
情報を表示し、正面玄関付近にいる場合には、ヘッドマ
ウントディスプレイを付けたまま映画館を退出するのを
防止するため、返却要請の注意を表示する。さらに、各
階の緊急時の避難廊下にいる場合には、各回の非常口の
位置を表示し、スムーズに避難できるようにする。ま
た、通常の廊下の場合には、何も表示せず、広い視界を
確保する。つまり、ステップ23で言う「表示する」と
は「非表示」も含む概念である。なお、図示した例は、
映画館についてものであるが、劇場,会議室などにおい
ても同様の機能により実現できる。
【0072】図17,図18は、本発明の第4の実施の
形態の要部を示している。本実施の形態では、従来一定
の領域で妨害電波により強制的に使用不能とされていた
各種無線装置(携帯電話,PHS等)で、妨害電波を用
いることなく緊急度や優先度に応じて当該装置の機能を
制限・解除・設定可能にするものである。
【0073】すなわち、よく知られているように、各種
携帯無線通信機器(携帯電話、PHSなど)は、基地局
を介して他の通信機器等と通信(通話)するようになっ
ている。つまり、基地局が親局で携帯無線通信機器が子
局の関係となる。そして、基地局と携帯無線通信機器と
の間では、通話のための音声情報以外にも各種の制御情
報が送受されている。そこで、建造物の屋内等に設置さ
れる基地局の送信する制御情報の中に、映画室や劇場で
あることを示す識別コードを含ませるようにする。
【0074】PHS、すなわち第二世代コードレス電話
システムを例にとると、基地局から子局に対して制御情
報を送信するフォーマットとしてシステム情報報知メッ
セージ、第2システム情報報知メッセージ、第3システ
ム情報報知メッセージが用意されているので、このフォ
ーマットで現在予約領域となっている部分に識別コード
を割り当てることで容易に実現できる。
【0075】このように、基地局側から識別コードを送
信することから、基地局が本発明における無線送信装置
となる。一方、本発明における無線受信装置は、子局で
ある携帯無線通信機器であり、識別コードを受信し受信
情報データベースによりその識別コードが映画室や劇場
を示すことを理解すると、自動的に電源をOFFにした
り、留守番モードに切り替えたりする他、着信音がなら
ないように設定変更するような制御を行う。
【0076】また、発信機能については、全ての発呼を
禁止するようにしても良いし、110番通報や119番
通報等の緊急時に使用する電話番号のみ発呼可能となる
ように設定しても良い。これは、発呼する際に相手先ダ
イアルを確認し、予め登録した緊急時電話番号と一致す
るもののみ実際に発呼処理をするようなアルゴリズムを
組み込むことにより実現できる。
【0077】このようにすることにより、公共の場にお
いて他人の迷惑になることなく、妨害電波を用いること
なく緊急度や優先度に応じて当該装置の機能を制限・解
除・設定できるという効果が得られる。
【0078】また、各種携帯無線通信機器のシステムで
は、映画室や劇場内に基地局を設置しても、屋外からの
無線が壁や天井を減衰しながら一定の割合で透過して受
信できる場合があるが、壁や天井の材質としてシールド
材や電波吸収材等を用いることによりこの屋外からの無
線を考慮しなくすることが可能である。
【0079】そして、基地局を便宜的に無線送信装置と
して使用した場合の機能を示すフローチャートとして
は、図17のように動作させることにより実現できる。
映画室、劇場、会議室の内部でのみ受信できる標識電波
(識別情報)を一定の短い時間間隔、または連続で発す
る。また、電波は壁や天井を減衰しながら一定の割合で
透過するが、壁や天井の材質としてシールド材や電波吸
収材等を用いることにより、映画室、劇場、会議室の内
部にのみ標識電波をとどめることが可能である。また、
自己設定装置10側では、図18に示すようなフローチ
ャートのように動作することにより実現できる。
【0080】なお、無線送信装置30は、上記のように
基地局を利用することにより、制御信号(識別コード)
の送受が簡単に実現できるが、必ずしも基地局に限るこ
とはなく、識別コードを発するための固有の装置を別途
設置しても良い。
【0081】図19は、本発明の第5の実施の形態の機
能を説明する図である。すなわち、本形態では、人また
は物体に悪影響のある領域に侵入するときに、本発明に
よる無線受信装置は、制御対象となる移動車両,ロボッ
トの動作状態を変更するようにしている。
【0082】つまり、図の例では、電波暗室等の閉塞さ
れた空間領域を持つ室内35に、電界発生源30″があ
り、その電界発生源30″からは、近づくと人体等に影
響がある強大な電界が発生している。そこで、同一の室
内であっても、以下のようにいくつかの領域に区分けで
きる。
【0083】すなわち、まず、その電界発生源30″の
付近は、危険領域R1となり、その電界発生源30″が
動作中(電界発生中)は、その領域内に侵入するのを避
けなければならない。一方電界強度は、距離が離れるに
つれて指数関数的に減少していくので、同じ室内であっ
ても、人体等に影響を与えないほどに電界強度が小さく
なっている領域(安全領域R3)もある。そして、両領
域R1,R3の中間に位置し、グレーゾーンとなる注意
領域R2がある。そして、具体的な電界強度との関係で
言えば、10V/m以上の領域が危険領域R1となり、
1V/m以上10V/m未満の領域が注意領域R2とな
り、1V/m未満の領域が安全領域R1となる。そし
て、この領域の具体的な範囲は、電界発生源30″の動
作状況に応じて変動する場合もあるし、一定の場合もあ
る。
【0084】係る場合に、自己設定装置10における無
線受信機構11としては、電界強度を検出する機能を持
ち、受信情報データベース13には、上記領域とその範
囲を示す電界強度を対応付けたテーブルを格納してお
く。したがって、受信情報判定機構12では、受け取っ
た電界強度を受信情報データベース13に格納された情
報と比較し、現在存在している領域を判定し、その判定
結果を装置制御機構14に渡すことになる。
【0085】そして、装置制御機構14では、制御情報
データベース15をアクセスし、受け取った判定結果、
つまり存在領域に応じた制御内容を取得し、必要な制御
命令を装置本体である移動車両等に対して与える。そし
て、各領域に対する制御としては、例えば、安全領域R
3では通常走行,注意領域R2では一次停止・徐行走
行,危険領域R1では緊急待避走行などとなる。具体的
には、以下の通りである。
【0086】通常の安全領域R3にいるときには、どこ
にいても問題が無いので、移動車両,ロボットは、操作
者からの操作命令にしたがって所望の方向に走行・移動
する。そして、人或いは物体に対して悪影響を与えるお
それのある注意領域R2に位置すると、一時停止し、操
作命令の移動方向に向けて徐行して走行する。つまり、
操作命令のうち移動方向のみ受け付け、その他の速度な
どの命令は無視するように設定を切り替える。また、一
時停止したり、徐行することにより、危険領域R1に近
づいていることを操作者に知らせることができる。さら
に、危険領域R1になったならば、操作命令の有無並び
に内容に関係なく、180度方向転換して引き返す。こ
れにより、危険領域R1内に存在する時間を可及的に減
少することができる。
【0087】また、人または物体に悪影響のある領域の
検出としては、上記のように電界強度に限ることは無
く、例えば電子レンジのような2450MHz付近のマ
イクロ波を発するものであったり、非破壊検査室や、病
院の超音波診察室の内部のように超音波を発するもので
あったりする他、各種のものに適用できる。
【0088】そして、マイクロ波を検出するものとして
は、例えば無線受信機構11としては、目的とする24
50MHzを含む周波数帯域のマイクロ波を受信するも
のであり、受信情報判定機構12としては、受信信号が
2450MHzの周波数であるか否かを判断することが
できる。そして、装置制御機構としては、上記した電界
強度と同様に、検出しない場合には通常走行で、245
0MHzのマイクロ波を受信した場合には、緊急待避す
るように制御することができる。
【0089】同様に、超音波の場合には、無線受信機構
11,受信情報判定機構12としては、一定(例えば9
0dB)以上の音圧の超音波の存在を検出・認識するこ
とができるものであり、当該状態を認識したならば、装
置制御機構14が上記と同様緊急待避するように制御す
ることができる(検出しない場合には、通常走行とす
る)。
【0090】上記した2つの変形例の場合、受信する情
報が「2450MHz付近のマイクロ波」や「一定以上
の音圧の超音波」という非常に単純な物理現象であるた
め、図1等のブロック図に示す「受信情報データベー
ス」を実装しなくでもよい。つまり、「受信情報データ
ベース」は本発明の必須構成要件ではないが、構成要件
の1つとしてあったとしても何ら不都合を生じるもので
はない。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る設定装置及
びそれを実装した装置並びに状態設定方法では、設置さ
れる領域により異なる設定を行う必要のある無線通信装
置その他の制御対象装置で、当該設定を自動的に行うこ
とができる。その結果、設定状態の判断確認の冗長化や
設定作業工数の削減をすることができる。
【0092】そして、請求項2のように構成すると、複
雑な(複数の)領域の判定・識別が容易に行えるので、
適用できるバリエーションが増え、好ましい。さらに、
請求項9のように構成すると、本来の無線通信機器(電
波送受信機)としての受信系と、領域を特定するための
受信系を一部共有化することができ、装置の小型化が図
れるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図2】無線送信装置の機能を説明するフローチャート
である。
【図3】無線受信装置の作用を説明するフローチャート
である。
【図4】無線機器の具体的な構成例の一部を示す図であ
る。
【図5】無線機器の具体的な構成例の一部を示す図であ
る。
【図6】無線機器の具体的な構成例の一部を示す図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図8】第2の実施の形態における受信情報データベー
スのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における制御情報データベー
スのデータ構造の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における制御対象の装置
(装置本体)であるパソコンの機能を説明する図であ
る。
【図11】本発明の第3の実施の形態の要部である無線
送信装置の機能を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態の要部である無線
受信装置の機能を説明するフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態における受信情報データベ
ースのデータ構造の一例を示す図である。
【図14】第3の実施の形態における制御情報データベ
ースのデータ構造の一例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態の要部である無線
送信装置の機能を説明するフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態の要部である無線
受信装置の機能を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の第4の実施の形態の要部である無線
送信装置の機能を説明するフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施の形態の要部である無線
受信装置の機能を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施の形態を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10 自己設定装置 11 無線受信機構 11′ ラジオ受信回路 12 受信情報判定機構 13 受信情報データベース 14 装置制御機構 15 制御情報データベース 20 装置本体 20′ パソコン 30 無線送信装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象装置の状態を設定する設定装置
    であって、 無線受信手段と、 その無線受信手段で受信した無線情報から、自己が存在
    する領域を判定する受信情報判定手段と、 その判定した領域に応じた制御対象装置の状態にするた
    めの情報を前記制御対象装置に向けて出力する装置制御
    手段とを備えたことを特徴とする設定装置。
  2. 【請求項2】 前記受信情報判定手段は、その判定する
    条件を記録した受信情報データベースに基づいて判定を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の設定装置。
  3. 【請求項3】 前記判定する領域は、国であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の設定装置。
  4. 【請求項4】 前記判定する領域は、自動車等の燃料供
    給販売所の敷地内であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の設定装置。
  5. 【請求項5】 前記判定する領域は、軌道内,踏切内の
    少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の設定装置。
  6. 【請求項6】 前記判定する領域は、所望の室内とする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の設定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    設定装置と、 その設定装置によって状態が設定される制御対象装置と
    を備え、 存在する領域に適した状態に自己設定することを特徴と
    する装置。
  8. 【請求項8】 前記制御対象装置は、無線通信機器であ
    って、 通信相手の他の無線通信機器と異なる無線送信装置が発
    する無線情報に基づいて領域を判定することを特徴とす
    る請求項7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記無線通信機器は、高周波の電波送受
    信機であって、受信した高周波を中間周波に変換する受
    信系を備え、 前記無線情報の伝送周波数が、前記電波送受信機の受信
    周波数よりも低い場合、 前記受信系の前記中間周波に変換した以降の所定の受信
    経路と、前記無線情報の受信経路を共用する構成とした
    ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 【請求項10】 制御対象装置の状態を設定する設定装
    置における状態設定方法であって、 受信した無線情報から、自己が存在する領域を判定し、 次いで、その判定した領域に応じた前記制御対象装置の
    状態にするための制御内容を決定し、 その決定した制御内容を実行するための情報を前記制御
    対象装置に向けて出力することを特徴とする状態設定方
    法。
  11. 【請求項11】 前記領域の判定は、予め記憶保持した
    無線情報と領域を関連付けた受信情報データベースを参
    照して行うことを特徴とする請求項10に記載の状態設
    定方法。
  12. 【請求項12】 受信した無線情報から、装置自身が存
    在する領域を判定し、 次いで、その判定した領域での動作に適した状態を決定
    し、 その決定した状態に装置自身が自己設定する処理を行う
    ことを特徴とする状態設定方法。
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