JP2001064433A - ポリエステル多孔膜の製造方法 - Google Patents
ポリエステル多孔膜の製造方法Info
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Abstract
通気性、透湿性を付与させた梱包用緩衝材、シート・フ
ィルム等の包装材料、濾過材料、農業用フィルムを始
め、歯科用又は外科用等の生体医療材料や衛生材料等に
有用なポリエステル多孔膜、特に生分解性ポリエステル
多孔膜、更にポリエステルと無機カルシウム塩との複合
体多孔膜の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 下記の工程を含む、ポリエステル多孔膜
又はポリエステルと無機カルシウム塩との複合体多孔膜
の製造方法。 (a)ポリエステル(又はポリエステルと無機カルシウ
ム塩とを混練もしくは溶融・混練した混練物)をポリエ
ステルの良溶媒に溶解・分散させ、ポリエステル(又は
ポリエステルと無機カルシウム塩)の溶解・分散液を作
成し、(b)該溶解・分散液に、ポリエステルの貧溶媒
で抽出される孔空け剤を混合・分散し、次いでキャスト
・フィルム化して膜を作成し、(c)該膜をポリエステ
ルの貧溶媒に浸漬し、孔空け剤を抽出することにより膜
に孔を形成させる。
Description
透湿性を付与させた梱包用緩衝材、シート・フィルム等
の包装材料、濾過材料、農業用フィルムを始め、歯科用
又は外科用等の生体医療材料や衛生材料等に有用なポリ
エステル多孔膜、特に生分解性ポリエステル多孔膜、更
にポリエステルと無機カルシウム塩との複合体多孔膜の
製造方法に関する。
ンドクリンによる生態系に与える影響は大きな社会問題
となってきている。こうした問題の解決に応えるため、
様々な生分解性プラスチックの研究が盛んに行なわれて
いる。これらは、廃棄しても自然界で分解されることか
ら汎用ポリマーの代替として期待されている。
ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル或いはこれら
の共重合体等の生分解性を有する高分子材料の多孔性膜
は、柔軟性、通気性、透湿性、強度を有し、廃棄しても
細菌やカビ等の微生物によって分解するため、環境調和
型の材料として注目を集めている。
は、特開平5−209073号公報に、脂肪族ポリエス
テル樹脂に炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機充
填材を多量に加えて延伸し、樹脂と無機充填剤との間に
界面剥離による微孔を形成させる、多孔性フィルムの製
造方法が報告されている。
塑剤を含むポリ乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸の
共重合体に炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの微粉状
充填剤を溶融製膜後、延伸することによる多孔性フィル
ムの製造方法の記載がある。
では、多孔化させるために原料ポリマー中に充填剤を多
量に添加するために、充填剤が該多孔性フィルム中に残
留することによりフィルムが脆くなり、更に充填剤の種
類によっては、医療用途や衛生用途等に用いることがで
きない等の制限がある。
複合体多孔質膜の製造方法としては、特開平7−000
498号公報に、骨の圧電現象を利用して、圧電性高分
子物質と圧電性無機物微粒子との複合体からなる多孔膜
を組織誘導再生法(GTR法:Guided Tissue Regenera
tion)に適用する記載がある。該多孔膜はポリマーを良
溶媒中に溶解した後、ガラス板上に流延し、更に水浴中
に浸漬後、乾燥する製法により調製されている。
に関しては、例えば、ポリマーを良溶媒及び良溶媒と混
和し得る貧溶媒の混合物に溶解し、基材上に一定の厚さ
に流延した後、注意深い条件下に溶媒を除去させる方法
(乾式法)や、ポリマーを溶媒に溶解後、凍結乾燥によ
り溶媒を除去する方法(凍結乾燥法)、
膜を形成させた後、該膜を貧溶媒に浸漬して孔を形成さ
せる方法や、ポリマーに貧溶媒に溶解する食塩等の物質
を包含させ、キャストして膜を形成させた後に、貧溶媒
に溶解する食塩等の物質を除去する方法(湿式法)、
等)において延伸して多孔化する方法(延伸法)や、放
射線、電子線照射、又はドリル等で機械的に孔を形成す
る方法(機械的方法)、高エネルギー荷電粒子照射によ
り高分子物質に照射損傷を形成し化学的エッチング等に
より穴を拡大する方法(物理的方法)等が知られてい
る。
として期待されると共に、その優れた生体分解性を生か
して、生体内で分解、吸収される歯科用や外科用等の医
療用材料、特に骨組織の再生材料として、その利用が注
目されている。その中には無機材料としてカルシウム塩
を含有するものも多く報告されており、例えば、特表平
1−501289号公報には、ポリマーとセラミックス
からなる連続気孔を有する生体複合材料が開示されてい
る。
は、特に生体内での体液の流通や組織の再生に有利に働
くことが期待されている。しかしながら、これらのポリ
マーと無機物質とを複合化すると、得られる複合体が脆
くなり、骨組織の再生材料として使用する際に、加工が
難しく、患者に適合しにくい問題点があった。
とする課題は、柔軟性、通気性、透湿性を付与させた梱
包用緩衝材、シート・フィルム等の包装材料、濾過材
料、農業用フィルムを始め、歯科用又は外科用等の生体
医療材料や衛生材料等に有用なポリエステル多孔膜、特
に生分解性ポリエステル多孔膜、更にポリエステルと無
機カルシウム塩との複合体多孔膜の製造方法を提供する
ことにある。
た結果、ポリエステルを特定のポリエステルの良溶媒に
溶解・分散し、これにポリエステルの貧溶媒で抽出され
る孔空け剤(特定の有機溶剤)を添加してキャスト・フ
ィルム化後、ポリエステルの貧溶媒に浸漬して該孔空け
剤を抽出して孔を形成させる製造方法により、
ステル多孔膜が容易に得られ、且つ無機カルシウム材を
包含させた系においても、優れた柔軟性を有するポリエ
ステル系多孔複合体膜が容易に得られることを見出し
て、本発明を完成するに至った。
む、ポリエステル多孔膜の製造方法と、(a)ポリエス
テルをポリエステルの良溶媒に溶解・分散させ、ポリエ
ステルの溶解・分散液を作成する、(b)ポリエステル
の溶解・分散液に、ポリエステルの貧溶媒で抽出される
孔空け剤を添加し、混合・分散し、次いでキャスト・フ
ィルム化してポリエステル膜を作成する、(c)ポリエ
ステル膜をポリエステルの貧溶媒に浸漬し、ポリエステ
ル膜から貧溶媒で孔空け剤を抽出することにより、ポリ
エステル膜に孔を形成させる。
ルである(1)に記載のポリエステル多孔膜の製造方法
と、
エステルである(2)に記載のポリエステル多孔膜の製
造方法と、
する構造単位とジカルボン酸とジオールに由来するポリ
エステル構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに
由来するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜6
0重量%である(3)に記載のポリエステル多孔膜の製
造方法と、
ム、塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリルから成
る群から選ばれる1種以上である(1)〜(4)のいず
れか1つに記載のポリエステル多孔膜の製造方法と、
ル、エタノール、プロパノールからなる群から選ばれる
1種以上である(1)〜(5)のいずれか1つに記載の
ポリエステル多孔膜の製造方法と、
孔空け剤がジオール類、トリオール類、低級モノアルコ
ール類からなる群から選ばれる1種以上の有機溶媒であ
る(1)〜(6)のいずれか1つに記載のポリエステル
多孔膜の製造方法と、
である(1)〜(7)のいずれか一つに記載のポリエス
テル多孔膜の製造方法と、
するポリエステルの貧溶媒で抽出される孔空け剤の添加
量がポリエステルの溶解・分散液に対して20重量%以
下である(1)〜(8)のいずれか1つに記載の製造方
法と、
と無機カルシウム塩とからなるポリエステル系多孔複合
体膜の製造方法と、(a)ポリエステルと無機カルシウ
ム塩とを混練もしくは溶融・混練し、ポリエステルと無
機カルシウム塩との混練物を作成する、(b)ポリエス
テルと無機カルシウム塩との混練物をポリエステルの良
溶媒に溶解・分散させ、ポリエステルと無機カルシウム
塩との溶解・分散液を作成する、(c)ポリエステルと
無機カルシウム塩との溶解・分散液に、ポリエステルの
貧溶媒で抽出される孔空け剤を添加し、次いでキャスト
・フィルム化してポリエステルと無機カルシウム塩との
複合体膜を作成する、(d)ポリエステルと無機カルシ
ウム塩との複合体膜をポリエステルの貧溶媒に浸漬し、
ポリエステルの貧溶媒で抽出される孔空け剤を抽出する
ことにより、複合体膜に孔を形成させる、
テルである(10)に記載のポリエステル系多孔複合体
膜の製造方法と、
リエステルである(11)に記載のポリエステル系多孔
複合体膜の製造方法と、
来する構造単位とジカルボン酸とジオールに由来するポ
リエステル構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオール
に由来するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜
60重量%である(12)に記載のポリエステル系多孔
複合体膜の製造方法と、
ルム、塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリルから
成る群から選ばれる1種以上である(10)〜(13)
のいずれか1つに記載のポリエステル系多孔複合体膜の
製造方法と、
ル、エタノール、プロパノールからなる群から選ばれる
1種以上である(10)〜(14)のいずれか1つに記
載のポリエステル系多孔複合体膜の製造方法と、
る孔空け剤がジオール類、トリオール類、低級モノアル
コール類からなる群から選ばれる1種以上の有機溶媒で
ある(10)〜(15)のいずれか1つに記載のポリエ
ステル系多孔複合体膜の製造方法と、
mである(10)〜(16)のいずれか一つに記載のポ
リエステル系多孔複合体膜の製造方法と、
との溶解・分散液に添加するポリエステルの貧溶媒で抽
出される孔空け剤の添加量がポリエステル溶液に対して
20重量%以下である(10)〜(17)のいずれか一
つに記載のポリエステル系多孔複合体膜の製造方法と、
塩が50重量%以下である、上記の(10)〜(18)
のいづれか1つに記載のポリエステル系多孔複合体膜の
製造方法と、
ルシウム類又は炭酸カルシウムである(19)に記載の
ポリエステル系多孔複合体膜の製造方法とを含むもので
ある。
分解性のポリエステルと良溶媒との溶解・分散液にポリ
エステルの貧溶媒に溶出される孔空け剤を添加してキャ
スト・フィルム化後、ポリエステルの貧溶媒に浸漬して
孔空け剤を抽出することにより、膜に孔を形成させるポ
リエステル多孔膜の製造方法と、
もしくは溶融・混練して混練した後、混練物とポリエス
テルの良溶剤との溶解・分散液を調製し、この溶液中に
ポリエステルの貧溶媒に抽出される孔空け剤を添加しキ
ャスト・フィルム化後、貧溶媒に浸漬して孔空け剤を抽
出することにより、複合体膜に孔を形成させるポリエス
テル系多孔複合体膜の製造法に関するものである。
の汎用ポリエステルであるPET等の芳香族ポリエステ
ルや、芳香族基を含まない脂肪族ポリエステル、更に一
般に生分解性ポリエステルと言われている主として脂肪
族ポリエステルから成るポリエステル、特に乳酸系ポリ
エステルが挙げられる。
えば、ポリグリコール酸や、昭和高分子株式会社製の商
品名ビオノーレに代表されるような脂肪族ポリエステ
ル、ポリε−カプロラクトンのようなラクトン系ポリエ
ステル、ICI社製の商品名バイオポールのようなポリ
ヒドロキシブチレート系ポリエステルが挙げられる。
単位(残基)を含有するポリエステルを意味し、乳酸単
位(残基)の繰り返しから成るポリ乳酸、グリコール酸
単位と乳酸単位とから成る乳酸系ポリエステル共重合
体、乳酸単位とポリエステル単位とから成る乳酸系ポリ
エステル共重合体、乳酸単位とポリエーテルポリオール
単位とから成る乳酸系ポリエーテルポリエステル共重合
体等が挙げられる。
重合体、ポリ乳酸、乳酸単位とポリエステル単位からな
る乳酸系ポリエステル、乳酸単位とポリエーテエルポリ
オール単位からなる乳酸系ポリエーテルエステル、昭和
高分子株式会社製ビオノーレのような脂肪族ポリエステ
ル、ポリε−カプロラクトンのようなラクトン系ポリエ
ステルは生分解性を有し、且つ分子量を制御することが
容易であるため好ましい。また生体適合性の観点から
は、特に乳酸系ポリエステル、中でもポリ乳酸や乳酸単
位とポリエステル単位からなる乳酸系ポリエステル共重
合体が好ましい。
ン酸とジオールに由来する構造を有するものや、グリコ
ール酸やε−カプロラクトンなどを共重合させたものが
あるが、これらの共重合成分が単独でも複数でもよい。
応によって製造できる。即ち、溶剤の存在下もしくは非
存在下において原料の脂肪族多価カルボン酸と多価アル
コールとを触媒の存在下もしくは非存在下に脱水重縮合
を行って製造する。
テル化物を使用して脱アルコール重縮合を行っても良
い。更に分子量を挙げるために、減圧下で脱グリコール
反応を行っても良い。或いは無水コハク酸とエチレンオ
キサイドが例として上げられるような開環重合で得るこ
とも出来る。
を問わないが、具体例を挙げれば、コハク酸、無水コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、或いはこれらのア
ルキルエステル等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
これらの多価カルボン酸は1種又は2種以上用いること
ができる。
リコールの様なジオール、グリセリンのようなトリオー
ル、ペンタエリスリトールのようなテトラオール、ポリ
エチレングリコールのようなポリエーテルポリオールが
挙げられる。
しく、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキ
サメチレングリコール、オクタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ジエチレングリコール、水添ビスフェ
ノールA等が挙げられる。更に、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイドのような環状物でも良い。これら
の多価オールは1種又は2種以上用いることができる。
に、これらに更に高分子量化剤として少量の多価カルボ
ン酸またはその酸無水物を加えても良い。これらは、公
知慣用のもので良く、特に制約はないが、具体例を挙げ
れば、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、無
水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット
酸、テトラヒドロフランのテトラカルボン酸、テトラヒ
ドロフランのテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、特
に、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びその酸無水
物が好ましい。
ラクタイドを重合させてポリ乳酸を、グリコール酸の環
状2量体であるグリコライドを重合させてポリグリコー
ル酸を、更にグリコール酸単位と乳酸単位からなる共重
合体を開環重合触媒の存在下開環重合により製造でき
る。触媒としては、一般にエステル化触媒、開環重合触
媒として知られる触媒はいずれも使用可能であり、例え
ば、Sn、Ti、Zr、Zn、Ge、Co、Fe、A
l,Mn等のアルコキサイド、酢酸塩、酸化物、塩化物
等が用いられる。
価カルボン酸及び多価アルコールとの重縮合、乳酸とポ
リエステルの重縮合、或いはラクタイドとポリエステル
の共重合により得ることが出来る。特に、ラクタイドと
ポリエステルを開環重合触媒で共重合させると反応が早
く、分子量の制御も容易であり、物性も優れているため
望ましい。また、これらの重合には触媒を用いても構わ
ない。特にラクタイドとポリエステルの共重合に関して
は触媒を使用することが望ましい。
ウレート、テトライソプロピルチタネート、テトラブト
キシチタン、チタンオキシアセチルアセトナート、鉄
(III)アセチルアセトナート、鉄(III)エトキサイ
ド、アルミニウムイソプロポキサイド、アルミニウムア
セチルアセトナートは反応が早く好ましい。
子からなるL−ラクタイド、D−乳酸2分子からなるD
−ラクタイド及びL−乳酸及びD−乳酸からなるmes
o−ラクタイドが存在する。L−ラクタイド、またはD
−ラクタイドのみを含む共重合体は結晶化し、高融点が
得られる。本発明の乳酸系ポリマーでは、これら3種の
ラクタイドを組み合わせることにより、用途に応じた好
ましい樹脂特性を実現できる。特に高い熱的物性を得る
ため、L−ラクタイドを総ラクタイド中、75%以上含
むものが好ましく、更に好ましくは90%以上である。
価アルコール、ラクタイドに関しては、前記と同じもの
が使用出来る。ポリエステルに関しては、特に制限はな
く、例えば、芳香族ポリエステル、芳香族・脂肪族ポリ
エステル、脂肪族ポリエステル、他にはポリε−カプロ
ラクトンのようなラクトン系ポリエステル、ポリヒドロ
キシブチレート系ポリエステル等が挙げられる。しか
し、生分解性を考慮した場合は、脂肪族ポリエステル、
特に前述した脂肪族ポリエステルや、ポリε−カプロラ
クトンのようなラクトン系ポリエステル、ポリヒドロキ
シブチレート系ポリエステルが好ましい。
は、乳酸とポリエーテルポリオールの重縮合、或いはラ
クタイドとポリエーテルポリオールの共重合により得る
ことが出来る。特に、ラクタイドとポリエーテルポリオ
ールを開環重合触媒で共重合させると反応が早く、分子
量の制御も容易なため望ましい。
ては、前記と同じものが使用出来る。ポリエーテルポリ
オールに関しては、一般的にポリエーテルポリオールと
言われているポリマーであれば特に制限はなく、例え
ば、両末端が水酸基のジオールタイプや、3個以上の水
酸基末端を有するトリオール以上のものでも特に種類を
問わないが、具体例を挙げれば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドの共重合体、ポリテトラメチレン
グリコール等が挙げられる。
タイドとポリエステル或いはポリエーテルポリオールと
を共重合した乳酸系ポリエステルの反応は、混合物を加
温溶融させるか、溶剤によって反応物を希釈混合後、重
合触媒を添加する。乳酸系ポリエステル中の乳酸単位の
光学活性比、DL比により、得られる乳酸系ポリエステ
ルの物理化学的性質が異なると共に、結晶化速度も異な
るので、これらは用途に応じて選択することが好まし
い。一般に結晶化速度はD体もしくはL体100%のポ
リ乳酸が早く、L体もしくはD体との混合体になると結
晶化速度は遅くなる。
チロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン等のラクトン類の開環重合、或いはこれらラクトン類
とポリエステル、ポリエーテルポリオールの開環付加重
合による共重合体が挙げられる。
ステルに残留するモノマーを減圧下で脱揮或いは溶媒に
より洗浄除去しても良い。残留モノマーは臭気の原因と
なったり、粒子調製後に水相側に溶出した場合に、粒子
の変質を起こす可能性があり好ましくない。用途によっ
ても異なるが、グリコライド、ラクタイド等の残留モノ
マーは、一般に水分の付着等による加水分解や熱による
融着の原因に成り易く好ましくない。これら残留モノマ
ー量は1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下
である。
溶媒の溶解・分散液にポリエステルの貧溶媒で抽出され
る孔空け剤を添加し、キャスト・フィルム後にポリエス
テルの貧溶媒中に浸漬し、ポリマーの凝固時に孔空け剤
を抽出することによって孔を形成させる。この為、ポリ
エステルの貧溶媒中でのポリエステルの結晶化速度によ
り孔の形成が左右される。即ち、ポリエステルの結晶化
速度が遅すぎると孔空け剤が貧溶媒中に先に抜けてしま
い、孔が形成されない。
用いることが好ましい。用いるポリエステルの分子量に
ついては、特に制限はないが、具体的には、重量平均分
子量(Mw)が2万〜40万であり、更に好ましくは3
万〜30万である。なお、本発明でいう重量平均分子量
(Mw)とは、GPCで測定される標準ポリスチレンに
換算した値である。
で、特に好ましく用いられるのが、乳酸に由来する構造
単位とジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル
構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来する
ポリエステル構造単位の成分量比は2重量%〜60重量
%であり、60重量%より多い場合には充分な強度が得
られず、より好ましくは2〜50重量%である。
カルボン酸に由来する構造を有するポリエステルに、乳
酸の環状2量体であるラクタイドを開環重合触媒の存在
下に、開環共重合並びにエステル交換反応させるか、ジ
オールとジカルボン酸に由来する構造を有するポリエス
テルとポリ乳酸とをエステル交換反応させて得ることが
できる。
ステル構造単位を有する乳酸系ポリエステルの原料とし
て使用するポリエステルは、特に限定されないが、ジカ
ルボン酸とジオールに由来する構造単位を含むポリエス
テルであればよく、脱水・脱グリコール縮合やエステル
交換反応による公知慣用の製法により得ることができ
る。
ステル構造単位を有する乳酸系ポリエステルの構成成分
としてのジオール成分は、特に限定されないが、具体的
にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレング
リコール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、オクタンジオール、
ジメタノール、キシレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ジブタンジオール、ポ
リテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステル構造単位を有する乳酸系ポリエステルの構
成成分としてのジカルボン酸成分も、特に限定されない
が、具体的にはコハク酸、メチルコハク酸、2−メチル
アジピン酸、メチルグルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、ダイマー酸等が挙げられる。
とからなるポリエステル系多孔複合体膜の製造方法を含
むものである。ここで言う無機カルシウム塩とは、特に
無機リン酸カルシウム類又は炭酸カルシウムが好ましく
用いられる。
とは、リン酸に由来する部分とカルシウム原子の合計が
50重量%以上含まれるものをいい、具体的にはリン酸
三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸アパタイ
ト、マグネシウム含有アパタイト、フッ素アパタイト等
である。また、その結晶構造は如何なるものでもよく、
非晶質であってもよい。
解されて生じる分解生成物(酸成分)を中和する効果を
有する。生体内にポリエステル、特に乳酸系ポリエステ
ルを用いる場合、これらの分解生成物が酸性物質である
ために、周辺組織等に悪影響を及ぼすことが指摘されて
おり、ポリエステルを無機カルシウム塩と複合化させる
ことにより、生体にやさしく、且つ、リン酸三カルシウ
ム、炭酸カルシウムは、生体吸収性の無機物として知ら
れており、生体中に残存する恐れがない利点を有する。
の平均粒径をさし、平均粒径を算出するための個々の粒
径はその粒子と同量のリン酸カルシウムからなる球状の
粒子の直径をさす。本発明で用いる無機カルシウム塩の
平均粒径は0.1〜300μmであり、0.1μm未満
ではポリエステルと混練しにくくなり、300μmより
大きい場合には、生体内での生体骨との接合、置換が速
やかに行われにくくなる。
れないが、具体的には球状、多孔質、無定形でもよい。
また本発明に用いるハイドロキシアパタイトの製法は特
定されないが、具体的には乾式法、水熱法、湿式法、ア
ルコキシド法があり、熱処理を行ってもよい。またリン
酸三カルシウムの製法も特に特定されないが、具体的に
は乾式法、水熱法、湿式法があり、熱処理を行ってもよ
い。
ては、用いるポリエステルの種類により異なるが、クロ
ロホルム、ジクロロメタンといった塩素化炭化水素、ジ
オキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシ
レン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、テトラヒドロフラン、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリルか
ら成る群から選ばれる1種以上が好ましく用いられる。
水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ジエチルエーテル等が挙げられ、より好ま
しくはメタノール、エタノール、プロパノールからなる
群から選ばれる1種以上である。
解・分散液に、ポリエステルの貧溶媒で溶出される孔空
け剤を添加し、混合・分散し、次いでキャスト・フィル
ム化した後に、貧溶媒にポリエステル膜を浸漬し、孔空
け剤を抽出することにより、ポリエステル膜に孔を形成
させる。
れる前に、ポリエステルが貧溶媒中で凝固してしまう
と、孔空けが不完全で終了し好ましくない。従って、用
いるポリエステルの貧溶媒は、ポリエステルの溶解度が
極めて低い溶媒よりも、ややポリエステルの良溶媒に近
い溶解度を有し、且つ、ポリエステルが凝固し、且つポ
リエステル内部に含まれる孔空け剤、及び良溶媒と溶解
・混和して、ポリエステル外にそれらを抽出できる溶媒
が好ましい。
出される孔空け剤は、ポリエステルの溶解・分散液に混
合・分散され、次いでキャスト・フィルム化される際
に、ポリエステル中に出来るだけ均一に、安定して分
散、保持されている必要がある。従って、ポリエステル
及びポリエステルの良溶媒に親和性を有し、且つポリエ
ステルの貧溶媒で抽出可能なものでなければならない。
出される孔空け剤は、ジオール類、トリオール類、低級
モノアルコール類からなる群から選ばれる1種以上の有
機溶媒である。具体的には、ジオール類としては、エチ
レングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレング
リコール等である。
低級モノアルコール類としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、ヘプタノール、オクタノール等が挙げられ、炭
素数4〜8の低級モノアルコールが好ましく、特に好ま
しくはtーブチルアルコールである。
比率は、目的によって異なるが、一般的に無機カルシウ
ム塩の混合比率が大きくなると脆くなる。そこで、無機
カルシウム塩の混合率を50重量%程度までなら、柔軟
性をあまり損なわないで強度を保持することができる。
と無機カルシウム塩との複合体サスペンジョンの濃度
は、ポリマー溶液の5〜25重量%であり、より好まし
くは10〜20重量%である。溶媒の選択によっては、
5重量%未満では十分な粘度が得られず、キャスト・フ
ィルム化されるまでに無機カルシウム塩が沈降し、均一
なキャスト・フィルム膜が製膜できず、好ましくない。
また、ポリエステルと無機カルシウム塩との複合体サス
ペンジョンの粘度としては、5℃〜35℃において0.
1〜20Pa・sであることが好ましい。
溶媒で抽出される孔空け剤を含有するポリエステル膜を
キャストにより作成し、次いでポリエステルの貧溶媒に
浸漬し、ポリエステル膜から孔空け剤を貧溶媒で抽出す
ることにより、ポリエステル膜に孔を形成させる。
ラスやプラスチックフィルム等の塗布面から剥がさず、
バッチ式、又はロール等による巻き取り連続式で塗布部
材と共に貧溶媒に浸漬した場合は、ガラス等の塗布面に
接するポリエステル面(基板面)には貧溶媒が接触しな
い為に、該面からは孔空け剤は貧溶媒に抽出されにく
く、一方、貧溶媒に接触するポリエステル面(空気面)
から孔空け剤は貧溶媒に容易に抽出される。
の構造は、表裏面の緻密さが異なる非対称多孔質膜で、
内部(ガラス面に近い部分)は微細なフィブリル状で、
且つフィブリル間に連続性のある空隙が連通した孔が形
成された網目状構造体を有するものとなる。
膜をガラスやフィルム等の塗布面からバッチ式、又はロ
ール等による巻き取り連続式で剥がして、貧溶媒に浸漬
した場合は、ポリエステル膜の両面から孔空け剤が貧溶
媒に抽出されるので、製造されるポリエステル多孔膜の
構造は、表裏面の緻密さが同じ対称多孔質膜となる。対
称、非対称の多孔質膜の製造方法は、用途に応じて適
宜、選択されればよい。
μm〜100μmの孔を有し、また、空孔率は約5〜7
5%である。ここでいう空孔率とは、ポリエステル多孔
膜の見かけの比重に占める空隙の割合(百分率)で表さ
れ、下式で算出される。
重(g/cm3) d1:孔空け剤を添加して作製されたフィルムの比重
(g/cm3)
多孔膜の厚みは、用途によって適宜、変えることがで
き、特に限定されるものではないが、5〜800μmが
好ましい。孔空け剤、孔空け剤の量、用いるポリエステ
ル種を選択することにより、種々の孔径と空孔率を有す
る多孔膜の製造が可能である。
る構造単位とジカルボン酸とジオールに由来するポリエ
ステル構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由
来するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60
重量%であるポリエステルである場合は、乳酸成分10
0%のポリ乳酸に比べて、結晶化速度がより速い為に、
得られる多孔膜ポリエステルの製造可能な孔径範囲は広
くなる。
に特定されるものではないが、医療分野で用いる場合
は、患部に適った形状が好ましい。本発明の製造方法で
得られる多孔膜化したポリエステルは、柔軟性が向上
し、特に無機成分を含有させた複合体であっても、十分
な柔軟性を有し優れた加工性を有する。
発明を更に詳細に説明する。以下の実施例及び比較例に
おいて、「部」及び「%」は、特に断わりのない限り、
全て重量基準である。
ブロック共重合体(乳酸/ポリプロピレンセバケート=
70/30(重量%)(Mw:100,000)(以
下、CP−1と称する)3.0gをクロロホルムに溶解
し全量20gの溶液を調製した。この溶液中に孔空け剤
として、1,4−ブタンジオールを1.0g加え、よく
撹拌した。
上にキャスト・フィルム化した後、メタノール中に浸漬
した。ガラス板からポリエステル膜を剥離した後、大量
のメタノール中で洗浄し、35℃、5時間減圧乾燥し
て、ポリエステル多孔膜(膜厚:250μm、空孔率:
60%、空気面の孔径約6〜10μm、基板面の孔径約
2〜5μm)を得た。
板面)、空気面側(溶媒面)、及び多孔膜の断面を走査
型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。各々のSE
M写真を図1〜3に示す。ここで、空気面とは該試料溶
液をガラス板上にフィルム・キャストした時の空気面側
(溶媒面)をいい、基板面とはガラス面側面をいう。
孔膜の基板面のSEM写真(2000倍)であり、孔径
約6〜10μmの孔が観察される。図2は乳酸系ポリエ
ステル(CP−1)多孔膜の基板面のSEM写真(20
00倍)であり、孔径約2〜5μmの孔が観察される。
認められ、左側の境界線付近の比較的大きな孔が多数見
られる面が空気面である。一方、右側のややギザギザし
た境界線付近の比較的微細な孔が認められる面が基板面
で、緻密なフィブリル構造をとっていることが判る。
0)を用いて上記と同様にポリエステル多孔膜を作製し
た。各々のSEM観察写真を図4〜6に示す。図4はポ
リL−乳酸多孔膜の空気面のSEM写真(100倍)で
あり、孔径約50〜150μmの大きな孔が観察され
る。図5はポリL−乳酸多孔膜の基板面のSEM写真
(2000倍)であり、孔径約5〜10μmの比較的小
さい孔が観察される。
写真(100倍)であり、写真の左下に短い境界線(切
断線)が認められ、該境界線の付近の微細な孔が見られ
る面が基板面である。写真右上方に比較的大きな孔が見
られるのが空気面で、全体に連続性のフィブリル構造が
観察される。
ルシウム(TCP)30重量%を180℃に熱セットし
た東洋精機製作所製ラボ・プラストミルミキサーで10
分間混練し、CP−1/TCPの溶融・混練物を作製し
た(CP−2と称する)。
2)を常温に戻した後、クロロホルムを添加し、15重
量%のCP−2/クロロホルムサスペンジョンを調製し
た。更にこのサスペンジョン中に孔空け剤として、1,
4−ブタンジオールをポリマー溶液に対して5重量%添
加し混合した。
上にキャスト・フィルム化した後、キャストフィルムを
ガラス板ごとメタノール中に浸漬した。試料膜がガラス
板から剥離した後、得られたフィルムをメタノールで洗
浄し、35℃、5時間減圧乾燥して、多孔複合体膜(膜
厚:250μm、空孔率:60%、孔径:2〜8μm)
を得た。
面、空気面側(溶媒面)の表面、及び多孔複合体膜の断
面をSEMを用いて観察した。各々のSEM観察写真を
図7〜9に示す。図7はポリエステルと無機カルシウム
塩とからなる多孔複合体膜の空気面のSEM写真(20
00倍)であり孔径約1〜8μmの孔が観察される。
からなる多孔複合体膜の基板面のSEM写真(2000
倍)であり、孔径約1〜5μmの孔が観察される。図9
はポリエステルと無機カルシウム塩とからなる多孔複合
体膜の断面のSEM写真(100倍)であり、左上部と
右下部に2本の膜の境界線(切断線)が認められ、左上
部の境界線付近の比較緻密な孔が見られる面が基板面
で、右下部の境界線付近が空気面である。全体に連続性
のフィブリル構造が観察される。
ロロホルム、貧溶媒としてメタノール、孔空け剤として
1,4−ブタンジオール、グリセロールを用い、また孔
空け剤の添加量を変えて得たCP−1のポリエステル多
孔膜、CP−2の多孔複合体膜の空孔率、空気面および
基板面の孔径をそれぞれ表1、表2に示す。
した厚さ250μmのCP−1とCP−2の非多孔の膜と
同様の膜厚のCP−1とCP−2の多孔膜を用いて、J
IS K 71132号小形試験片(1/3)に準じた
金型を用いて機械加工によって引張試験片を作製した。
引張試験の測定結果を表3に示す。ここで、柔軟性の指
標であるヤングモジュラスは応力−歪み曲線の初期勾配
より算出される。
65,000)の15重量%クロロホルム溶液を調製
し、孔空け剤として1,4−ブタンジオールをポリマー
溶液に対し5重量%添加した。その後、ガラス板上にキ
ャスト・フィルム化した後、貧溶媒であるメタノール中
に浸漬した。
ンはメタノール中での結晶化(白濁化)が遅く、作製し
たフィルムの表面及び断面をSEM観察したところ、孔
の形成は全くみられなかった。これはポリマーの結晶化
速度が遅いために、孔空け剤が容易に貧溶媒中に抽出さ
れためと思われる。
与させた梱包用緩衝材、シート・フィルム等の包装材
料、濾過材料、農業用フィルムを始め、歯科用又は外科
用等の生体医療材料や衛生材料等に有用な、種々の孔径
や形状を有し、且つ優れた加工性を有するポリエステル
多孔膜、特に生分解性ポリエステル多孔膜、更にポリエ
ステルと無機カルシウム塩との複合体多孔膜の製造方法
を提供することができる。
気面のSEM写真(2000倍)。孔径約6〜10μm
の孔が観察される。
板面のSEM写真(2000倍)である。孔径約2〜5
μmの孔が観察される。
面のSEM写真(100倍)である。縦に2本の膜の境
界線(切断線)が認められ、左側の境界線付近の比較的
大きな孔が多数見られる面が空気面、右側のギザギザし
た境界線付近が基板面で緻密な連続性のフィブリル構造
が観察される。
(100倍)である。孔径約50〜150μmの孔が観
察される。
(2000倍)である。孔径約5〜10μmの孔が観察
される。
00倍)である。連続性のフィブリル構造が観察され
る。
多孔複合体膜の空気面のSEM写真(2000倍)であ
る。孔径約1〜8μmの孔が観察される。
る多孔複合体膜の基板面のSEM写真(2000倍)で
ある。孔径約1〜5μmの孔が観察される。
多孔複合体膜の断面のSEM写真(100倍)である。
左下の短い境界線(切断線)付近が基板面で、右上方に
比較的大きな孔が見られるのが空気面で、全体に連続性
のフィブリル構造が観察される。
Claims (20)
- 【請求項1】 下記の工程を含む、ポリエステル多孔膜
の製造方法。 (a)ポリエステルをポリエステルの良溶媒に溶解・分
散させ、ポリエステルの溶解・分散液を作成する。 (b)ポリエステルの溶解・分散液に、ポリエステルの
貧溶媒で抽出される孔空け剤を添加し、混合・分散し、
次いでキャスト・フィルム化してポリエステル膜を作成
する。 (c)ポリエステル膜をポリエステルの貧溶媒に浸漬
し、ポリエステル膜から貧溶媒で孔空け剤を抽出するこ
とにより、ポリエステル膜に孔を形成させる。 - 【請求項2】 ポリエステルが生分解性ポリエステルで
ある請求項1に記載のポリエステル多孔膜の製造方法。 - 【請求項3】 生分解性ポリエステルが乳酸系ポリエス
テルである請求項2に記載のポリエステル多孔膜の製造
方法。 - 【請求項4】 乳酸系ポリエステルが、乳酸に由来する
構造単位とジカルボン酸とジオールに由来するポリエス
テル構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来
するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60重
量%である請求項3に記載のポリエステル多孔膜の製造
方法。 - 【請求項5】 ポリエステルの良溶媒がクロロホルム、
塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリルから成る群
から選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれか1
つに記載のポリエステル多孔膜の製造方法。 - 【請求項6】 ポリエステルの貧溶媒がメタノール、エ
タノール、プロパノールからなる群から選ばれる1種以
上である請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリエス
テル多孔膜の製造方法。 - 【請求項7】 ポリエステルの貧溶媒で抽出される孔空
け剤がジオール類、トリオール類、低級モノアルコール
類からなる群から選ばれる1種以上の有機溶媒である請
求項1〜6のいずれか1つに記載のポリエステル多孔膜
の製造方法。 - 【請求項8】 多孔膜の孔径が0.1〜100μmであ
る請求項1〜7のいずれか一つに記載のポリエステル多
孔膜の製造方法。 - 【請求項9】 ポリエステルの溶解・分散液に添加する
ポリエステルの貧溶媒で抽出される孔空け剤の添加量が
ポリエステルの溶解・分散液に対して20重量%以下で
ある請求項1〜8のいずれか1つに記載の製造方法。 - 【請求項10】 下記の工程を含む、ポリエステルと無
機カルシウム塩とからなるポリエステル系多孔複合体膜
の製造方法。 (a)ポリエステルと無機カルシウム塩とを混練もしく
は溶融・混練し、ポリエステルと無機カルシウム塩との
混練物を作成する。 (b)ポリエステルと無機カルシウム塩との混練物をポ
リエステルの良溶媒に溶解・分散させ、ポリエステルと
無機カルシウム塩との溶解・分散液を作成する。 (c)ポリエステルと無機カルシウム塩との溶解・分散
液に、ポリエステルの貧溶媒で抽出される孔空け剤を添
加し、次いでキャスト・フィルム化してポリエステルと
無機カルシウム塩との複合体膜を作成する。 (d)ポリエステルと無機カルシウム塩との複合体膜を
ポリエステルの貧溶媒に浸漬し、ポリエステルの貧溶媒
で抽出される孔空け剤を抽出することにより、複合体膜
に孔を形成させる。 - 【請求項11】 ポリエステルが生分解性ポリエステル
である請求項10に記載のポリエステル系多孔複合体膜
の製造方法。 - 【請求項12】 生分解性ポリエステルが乳酸系ポリエ
ステルである請求項11に記載のポリエステル系多孔複
合体膜の製造方法。 - 【請求項13】 乳酸系ポリエステルが、乳酸に由来す
る構造単位とジカルボン酸とジオールに由来するポリエ
ステル構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由
来するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60
重量%である請求項12に記載のポリエステル系多孔複
合体膜の製造方法。 - 【請求項14】 ポリエステルの良溶媒がクロロホル
ム、塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリルから成
る群から選ばれる1種以上である請求項10〜13のい
ずれか1つに記載のポリエステル系多孔複合体膜の製造
方法。 - 【請求項15】 ポリエステルの貧溶媒がメタノール、
エタノール、プロパノールからなる群から選ばれる1種
以上である請求項10〜14のいずれか1つに記載のポ
リエステル系多孔複合体膜の製造方法。 - 【請求項16】 ポリエステルの貧溶媒で抽出される孔
空け剤がジオール類、トリオール類、低級モノアルコー
ル類からなる群から選ばれる1種以上の有機溶媒である
請求項10〜15のいずれか1つに記載のポリエステル
系多孔複合体膜の製造方法。 - 【請求項17】 多孔膜の孔径が0.1〜100μmで
ある請求項10〜16のいずれか一つに記載のポリエス
テル系多孔複合体膜の製造方法。 - 【請求項18】 ポリエステルと無機カルシウム塩との
溶解・分散液に添加するポリエステルの貧溶媒で抽出さ
れる孔空け剤の添加量がポリエステル溶液に対して20
重量%以下である請求項10〜17のいずれか一つに記
載のポリエステル系多孔複合体膜の製造方法。 - 【請求項19】 多孔複合体膜中の無機カルシウム塩が
50重量%以下である請求項10〜18のいづれか1つ
に記載のポリエステル系多孔複合体膜の製造方法。 - 【請求項20】 無機カルシウム塩が、無機リン酸カル
シウム類又は炭酸カルシウムである請求項19に記載の
ポリエステル系多孔複合体膜の製造方法。
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JP24517199A JP2001064433A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | ポリエステル多孔膜の製造方法 |
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