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JP2001064462A - スチレン樹脂組成物 - Google Patents

スチレン樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001064462A
JP2001064462A JP24375199A JP24375199A JP2001064462A JP 2001064462 A JP2001064462 A JP 2001064462A JP 24375199 A JP24375199 A JP 24375199A JP 24375199 A JP24375199 A JP 24375199A JP 2001064462 A JP2001064462 A JP 2001064462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene resin
weight
parts
styrene
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24375199A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ichikawa
康治 市川
Yoshibumi Omori
義文 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP24375199A priority Critical patent/JP2001064462A/ja
Publication of JP2001064462A publication Critical patent/JP2001064462A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収スチレン樹脂と石炭灰とを利用して、均
一な発泡セルと優れた機械的強度を持った押出成形体を
与えることのできる、資源の有効活用となるスチレン樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)回収スチレン樹脂を少なくとも
50重量%以上含有するスチレン樹脂100重量部、
(B)平均粒径が0.1〜40μmの石炭灰2〜100
重量部、および(C1)耐衝撃性スチレン樹脂5〜20
0重量部および(D)発泡剤0.2〜5重量部を含有し
てなるスチレン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン樹脂成型
品の再利用に関し、詳しくは、再生スチレン樹脂と石炭
灰とを利用する、均一な発泡セルを有し機械的強度に優
れた押出発泡成形品を成形するのに適した、資源の有効
活用となるスチレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン樹脂は、硬質成形品は硬度が大
きく透明性、電気特性に優れるので日用品、文具、電気
部品などに広く使用され、また、発泡成形品は軽量であ
りながら比較的堅固で緩衝作用があるので電気製品の梱
包材、鮮魚収容箱、食品収納トレイ等に多く使われてい
る。これらの用途で使用された後のスチレン樹脂成形品
は、従来ほとんど焼却または埋立てにより処分されてい
たが、近年、廃棄物処理能力の限界、資源の枯渇対策お
よび環境保全の観点から、回収再利用が検討されるよう
になった。スチレン樹脂成形品を再利用するためには、
先ず、回収されたスチレン樹脂成形品を成形原料として
使用しやすい形態に整える必要がある。そのため、硬質
成形品は粉砕して2〜8mm程度の大きさのフレークと
される。発泡成型品は、使用されたスチレン樹脂の10
〜70倍の容積に膨張しているので、単位重量当りの回
収経費を低減するために減容が行なわれる。スチレン樹
脂発泡成形品の主な減容の方法としては、加熱溶融する
熱減容方式による方法、溶剤に溶解する溶剤減容方式に
よる方法などがある。硬質成形品の再生スチレン樹脂や
発泡成型品の熱減容方式回収による再生スチレン樹脂
は、安価である利点があるものの、得られる成型品は耐
衝撃性などの機械的強度が小さいことに加えて、品質の
ばらつきが大きいという問題を有していた。また、発泡
成型品の溶剤減容方式による回収スチレン樹脂は、溶液
を濾過することにより混入している異物を簡易に除去で
きる利点はあるものの、溶剤を蒸発分離する設備を必要
とするのでコストがかかる上に、成形品は残留溶剤のた
めに不均一な柔らかさと不均一な発泡セルを有する難点
があった。このように、回収スチレン樹脂は使用すると
成形に何らかの難があるため、再利用がはかばかしく進
まないでいた。一方、火力発電所を代表とする石炭燃焼
の技術は、近年とみに洗練されて燃焼度が進み、石炭灰
は電気集塵機によって回収される微細なものになった。
しかし、石炭灰が回収されても再利用の用途が無く、大
部分は埋め立て処分されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況に鑑み、回収スチレン樹脂と石炭灰とを併せて活用
する方策を検討し、殊に発泡成形において石炭灰が熱可
塑性樹脂成型において広く利用されている無機充填剤以
上に、曲げ剛性、引張り強さ、曲げ強さなどを高める作
用を持っていることに着目し、均一な発泡セルと優れた
機械的強度とを有する押出発泡成形品を与えることので
きるスチレン樹脂組成物を提供することを目的に鋭意研
究した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
回収スチレン樹脂と石炭灰とに加えて、特定の高分子化
合物を配合することにより達せられる。即ち、本発明
は、(1)(A)回収スチレン樹脂を少なくとも50重
量%以上含有するスチレン樹脂100重量部、(B)平
均粒径が1〜40μmの石炭灰2〜100重量部、(C
1)耐衝撃性スチレン樹脂5〜200重量部および
(D)発泡剤0.2〜5重量部を含有してなるスチレン
樹脂組成物(以上、本第1発明)、および、(2)
(A)回収スチレン樹脂100重量部、(B)平均粒径
が1〜40μmの石炭灰2〜80重量部、(C2)ゴム
またはエチレン系重合体1〜60重量部および(D)発
泡剤0.2〜5重量部を含有してなるスチレン樹脂組成
物(以上、本第2発明)、を提供するものである。本発
明組成物(第1発明組成物および第2発明組成物の総
称)により、回収スチレン樹脂や石炭灰の資源の有効活
用ができ、得られる成形品は、良好なスキン層を有し、
発泡セルが均一で、曲げ強度、衝撃強度などが改善され
たものとなる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明組成物の(A)成分のスチ
レン樹脂は、少なくともその50重量%以上はスチレン
樹脂の回収品である。この場合の回収品とは、必ずしも
使用済み品に限定されるものではなく、スチレン樹脂の
生産の過程で品質規格から外れたり、不純物が混入する
などの理由で通常のスチレン樹脂として扱えないものを
も含むものである。本発明組成物において、スチレン樹
脂とは、スチレン単独重合体、または、スチレンの他
に、α−メチルスチレン、ビニルトルエンもしくはジビ
ニルベンゼン単量体単位を合計30重量%以下含有する
共重合体、または、スチレンを80重量%以上含有する
スチレンと共重合可能なその他の単量体との共重合体で
ある。スチレンと共重合可能な単量体としては酢酸ビニ
ル、カプロン酸ビニルなどの炭素数2〜18のビニルエ
ステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸など
の不飽和カルボン酸類;メタアクリル酸メチル、マレイ
ン酸モノメチルなどの不飽和カルボン酸エステル類;エ
チレン、1−ペンテンなどのオレフィン類;アリルグリ
シジルエーテル、グリシジルメタアクリレートなどのエ
ポキシ基含有不飽和化合物;イソブチルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
アクリロニトリル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。
回収スチレン樹脂の典型例は、上記組成のスチレン樹脂
が硬質成形品として日用品、文具、電気部品などに使用
された後、回収され、粉砕されて好ましくは2〜8mm
程度の大きさのフレークにされたもの、または、スチレ
ン樹脂が発泡成型品として梱包用緩衝材、魚箱、食品収
納用トレーなどに使用された後、熱減容方式もしくは溶
剤減容方式により回収され、好ましくは2〜4mm程度
の大きさに細粒化されたものである。本発明の(A)成
分としては、かかる回収スチレン樹脂のほかに、必要に
応じて新しいスチレン樹脂を、スチレン樹脂全体の50
重量%未満の範囲で使用することができる。好ましい
(A)成分スチレン樹脂は、温度200℃、荷重5kg
fでのメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
/10分のものが好ましく、更に好ましくは1〜30g
/10分のものである。MFRが0.1より小さいと溶
融樹脂の粘度が高くて成形が困難になる傾向があり、一
方、MFRが50より大きいと他の成分との均一混合が
阻害され、そのため成形性が悪化するとともに成形品の
強度が低下する虞がある。
【0006】本発明組成物の(B)成分として用いられ
る石炭灰は、石炭を燃焼した残渣で、主成分がシリカお
よびアルミナで、これらが更に酸化カルシウム、三二酸
化鉄、酸化マグネシウム、酸化カリウムなどの各5〜1
重量%の成分と共に混然と絡み合った粒子であり、平均
粒径が1〜40μm、好ましくは3〜20μmのもので
ある。ここで、石炭灰の平均粒径は、メタノールを30
重量%含む水系媒体に石炭灰を分散し、発振周波数50
kHZの超音波振盪器に1分間かけた後、3分間静置し
た懸濁液を用いて遠心沈降濁度法により積分粒径分布を
求め、積分値50%となる粒径をもって表わす。石炭灰
の平均粒径が1μmより小さいと取扱いが困難になるこ
とに加えて、均一に分散した組成物が得られにくい傾向
があり、逆に、40μmより大きいと得られる発泡成形
品の引っ張り強度、衝撃強度などの機械的強度を低下さ
せるほか、セルを粗くする虞がある。本発明において、
(B)成分の石炭灰は、公知のシリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、酸化チタンなどの微細な無機充填剤に比し
て、発泡成型品の曲げ弾性率、曲げ強度、衝撃強度など
を強化する作用が大きいが、その機構は明らかでない。
石炭灰の使用量は、(A)成分のスチレン樹脂100重
量部当たり、本第1発明においては2〜100重量部、
好ましくは5〜80重量部であり、本第2発明において
は2〜80重量部、好ましくは5〜60重量部である。
石炭灰の使用量が2重量部より少ないと発泡成形品の曲
げ弾性率や衝撃強度が小さくなる傾向があり、逆に上記
の上限量より多く用いると発泡セルが荒れ、曲げ強度や
衝撃強度がが小さくなる虞がある。
【0007】本第1発明の(C1)成分に使用される耐
衝撃性スチレン樹脂(HIPS)は、共役ジエン系重合
体の存在下でスチレンを重合してなるスチレン系樹脂の
ことである。ここで共役ジエン系重合体とは、1,3−
ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプ
レン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンな
どの共役ジエン単量体単独重合体、または、これらを6
0重量%以上含有する、これらと共重合可能な単量体と
の共重合体である。前記共役ジエン単量体と共重合可能
な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2
−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプ
ロピルスチレン、ジクロロスチレンなどの芳香族ビニル
単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、シクロペ
ンテン、2−ノルボルネンなどのオレフィン系単量体;
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン系単量体;メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのア
クリル酸エステル系単量体などが挙げられる。好ましい
共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体などが挙げられる。(C1)成分の耐衝撃性
スチレン樹脂は、これらの共役ジエン系重合体がスチレ
ン樹脂のマトリックスの中にドメインとして分散し、そ
の共役ジエン系重合体のドメインの中にスチレン樹脂の
サブドメインが分散するいわゆるサラミ構造を形成した
ものである。好ましいドメインの大きさは1〜50μm
であり、好ましいサブドメインの大きさは0.1〜3μ
mである。(C1)成分の耐衝撃性スチレン樹脂は、新
規のいわゆるバージン品でも、回収品でも使用可能であ
るが、本発明組成物が均一に形成されるために、大きさ
は1mm〜4mmであることが好ましい。また、温度2
00℃、荷重5kgfでのメルトフローレート(MF
R)は、0.1〜50g/10分が好ましく、更に好ま
しくは1〜15g/10分である。MFRが0.1g/
10分より小さいと溶融樹脂の粘度が高くて成形が困難
になる傾向があり、一方、MFRが50g/10分より
大きいと他の成分との十分な混練が妨げられ、そのため
成形性が低下すると同時に成形品の強度が低下する虞が
ある。耐衝撃性スチレン樹脂の使用量は、(A)成分の
スチレン樹脂100重量部当たり5〜200重量部、好
ましくは10〜120重量部である。耐衝撃性スチレン
樹脂の使用量が5重量部より少ないと耐衝撃性の改善効
果が小さくなる可能性があり、逆に200重量部より多
いと上記の有利なドメイン−マトリクス構造が実現でき
なくなる虞がある。
【0008】本第2発明の(C2)成分には、ゴムまた
はエチレン系重合体が使われる。かかるゴムとしては、
天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーなどが用い
られるが、スチレン樹脂と相溶性の良いブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、イソプレンゴムおよびスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体などの合成ゴム;スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体およびスチレン−エチ
レン−イソプレン−スチレン共重合体などの熱可塑性エ
ラストマーなどが例示される。ゴムはこれらの1種また
は2種以上を混合して用いることができる。ゴムは、ム
ーニー粘度(100℃でのML4)では90以下のも
の、MFRでは、温度200℃、荷重5kgfで0.1
〜10g/10分のものが好ましい。ムーニー粘度が9
0より大きいと、またはMFRが0.1より小さいと、
スチレン樹脂中でのゴム成分の分散が不十分となり均一
な発泡セルが形成されない可能性があり、また、MFR
が10より大きいとスチレン樹脂中での分散単位が極め
て微小となり、あるいは相溶状態に近づき、衝撃強度の
改善効果が現れない虞れがある。
【0009】本第2発明の(C2)成分に使われるエチ
レン系重合体は、エチレンの単独重合体またはエチレン
と他のビニル系単量体との共重合体である。エチレン系
重合体の具体例としては、高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、低圧法直鎖
状低密度ポリエチレン、低圧法直鎖状超低密度ポリエチ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エ
チレン−ヘプテン−1共重合体、エチレン−オクテン−
1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−
メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体などが挙げられる。エチレン系重合体として
好ましいものは、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン
−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合
体、エチレン−ヘプテン−1共重合体、エチレン−オク
テン−1共重合体などである。また、好ましいエチレン
系重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfでのM
FRが0.1〜10g/10分のものであり、1〜5g
/10分のものが更に好ましい。エチレン系重合体のM
FRが0.1g/10分より小さいと、流動性が低くま
た溶融、混練性が悪くて不均一分散による物性低下やピ
ンホール発生などの虞があり、一方、MFRが10g/
10分より大きいとエチレン系重合体のスチレン樹脂中
での分散単位が微小すぎて衝撃強度改善効果が現れない
可能性がある。ゴムまたはエチレン系重合体は、直径5
mm以下の大きさになるように粉砕されていることが好
ましい。ゴムまたはエチレン系共重合体の使用量は、
(A)成分のスチレン樹脂100重量部あたり1〜60
重量部、好ましくは5〜30重量部である。使用量が1
重量部より少いと耐衝撃性の改善効果が小さくなる可能
性があり、一方、40重量部より多いと発泡セルが粗く
なる虞がある。
【0010】本発明組成物において(D)成分として添
加される発泡剤としては、熱分解型発泡剤および揮発性
発泡剤が挙げられる。熱分解型発泡剤としては、N,
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N′
−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミドな
どのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジドな
どのスルホニルヒドラジド類などの熱分解型有機発泡
剤、および、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、
炭酸アンモニウムなどの熱分解型無機発泡剤が好適に用
いられる。揮発性発泡剤としては、ノルマルブタン、イ
ソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタル、ノルマル
ヘキサンなどが例示される。特にアゾ化合物およびスル
ホニルヒドラジド類が好ましい。これら発泡剤は1種ま
たは2種以上を、(A)成分のスチレン樹脂100重量
部あたり0.2〜5重量部用い、好ましくは0.5〜1.
5重量部用いる。発泡剤使用量が0.2重量部より少い
と、得られる成形品は発泡倍率が低くなる傾向があり、
3重量部より多く用いると表面硬度が低下し、発泡セル
の大きさが不均一化する虞れがある。
【0011】本発明組成物には、必要に応じて、充填
剤、可塑剤、滑剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤などのその他の成分を配合することができる。本
発明組成物に添加可能な充填剤は、有機、無機あるいは
天然、合成のいずれのものでも良い。無機充填剤には、
シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、珪酸カルシ
ウム、珪酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、ケイソウ土、マイカなどがあるが、本発明の組成
物の成形品に曲げ剛性、耐衝撃性などの機械的強度を付
与するのに、シランカップリング剤で処理したアスペク
ト比10〜40の珪酸カルシウムなどの無機充填剤が特
に好ましい。これは、発泡セルの膜の伸張方向に対し、
親和性の高い表面性状を持つ高アスペクト比材料が表面
配向し易いためと思われる。
【0012】本発明組成物は、前記(A)成分、(B)
成分および(C1)成分または(C2)成分ならびに必
要に応じて用いられるその他の成分をタンブラー、スー
パーミキサー、リボンブレンダーなどの混合機で20〜
120℃で混合して粒状とされ、通常はこれに(D)成
分の発泡剤が添加されて押出し機で加熱・溶融、押出さ
れ、ペレットに形成される。ただし、発泡剤として揮発
性発泡剤を用いるときは、通常、揮発性発泡剤は、押出
機などでの発泡成形加工の段階で系内に投入する方法が
採られる。こうして製造された本発明組成物は、押出機
にて成形することにより、均一な発泡セルを有し、耐衝
撃性、曲げ剛性、硬度などの機械的強度に優れた成形品
に加工される。押出機は特に限定されるものではなく、
一軸押出機が十分使用可能であり、また、二軸(同方
向、異方向、コニカル)押出機、コニーダ押出機などの
各形式のものが適用可能である。スクリューは、ダルメ
ージ付き、高圧縮比、高L/Dタイプなどが混練性能、
発泡押出性能などの点で有利であるが、特に限定される
ものではない。トーピード、スタティックミキサーなど
の使用も好適ではあるが、特に限定されるものではな
い。また、シリンダーサイズ、押出容量速度なども限定
されるものではない。押出機における加工条件は、通
常、シリンダー温度120〜180℃、ダイス温度12
0〜160℃、サイザー温度10〜25℃などの条件が
好適に用いられる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。 実施例1〜7、比較例1〜8 表1および表2に示す種類と量の各成分を用い、タンブ
ラーにて次の要領でブレンドした。ゴムまたはエチレン
系重合体は、予め粉砕機にかけて直径5mm以下の粒状
にしてから用いた。タンブラーに回収スチレン樹脂を、
次いで(C1)成分または(C2)成分を入れて(比較
例3、5および8を除く)10分間混合してから石炭灰
を添加し(比較例1、2および4を除く)、更に15分
間混合を続ける。得られた混合物をシリンダー径75m
mの一軸押出機で、シリンダー温度170℃、3mmφ
の12穴ペレットダイス温度160℃にて押出し、ペレ
タイザーで長さ約3mmに裁断して粒状混合物を得た。
次いで、タンブラー内に上記粒状混合物を入れてから発
泡剤と顔料を添加して15分間混合し発泡成形用のペレ
ットを作製した。得られたペレットを、シリンダー径6
0mmの一軸押出機を用い、スクリュウL/D比28、
圧縮比2.5、回転数30rpm、シリンダーおよびダ
イス温度140〜170℃にて押出発泡成形した。ダイ
ス、サイザー、水槽を用いて賦形、冷却、固化を行い、
厚み20mm、幅30mmの断面を有する角柱状の発泡
角材を成形した。
【0014】押出発泡成形品の試験、評価は以下によっ
た。結果を表1に示す。 (1)セル状態 ○:成形品断面の発泡セルが細かくまた比較的均一であ
る。 △:成形品断面に粗い発泡セルが多く見られる。 ×:成形品断面中央部の発泡セルの大半が粗くて不揃い
である. (2)表面状態 ○:成形品表面が略平滑である。 △:成形品表面に僅かに流れシワが見られるが、凹凸は
僅かである。 ×:成形品表面に流れシワおよび凹凸が明確に見られ
る。 (3)発泡倍率 JIS K 7112による水中置換法により真比重お
よび成形品比重を測定し、下式により求める。 発泡倍率=真比重/成形品比重 (4)曲げ強度および曲げ弾性率 JIS K 7203の曲げ試験法による。 (5)衝撃強度 落球(500g鋼球)によりノッチ付き成形品が破壊に
至るときの落球の高さ(cm)で評価する。即ち、成形
された角材を長さ300mmに切断し、中央部に幅(3
0mm)に対し深さ5mmまで鋸刃にてノッチを入れ、
ノッチをを下方に向けてスパン250mmにて支持し、
その中央を落球により打撃する。
【0015】
【表1】
【0016】注 *1:熱減容再生スチレン樹脂、大塚産業(株)製、W
FR15g/10分。 *2:溶剤減容再生スチレン樹脂、スタイロジャパン
(株)製、WFR30g/10分 。溶剤含有量(23
0℃下1時間加熱での重量減)4重量%。 *3:大同炭燃焼灰、中国電力(株)新小野田発電所産
出、3〜12μm。 *4:耐衝撃性ポリスチレン樹脂再生品フレーク、総和
(株)製、MFR2.8g/10分、ブタジエン含有量
3〜20重量%。 *5:ゼオフィットZFT1330、日本ゼオン(株)
製、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、ブタジエン含有量70重量%、MFR0.2g/1
0分。 *6:Nipol NS−320、日本ゼオン(株)
製、スチレン−ブタジエンブロックポリマー、ブタジエ
ン含有量95重量%、ムーニー粘度38。 *7:商品名JK311A,日本ポリオレフィン(株)
製、低密度ポリエチレン、密度0.920g/cm
MFR1.0g/10分。 *8:商品名KM590L、日本ポリオレフィン(株)
製、高密度ポリエチレン、密度0.962g/cm
MFR5g/10分。 *9:バイスタル W、大塚化学製 、シランカップリン
グ処理品、アスペクト比30。 *10:ブラウンSAS−24988、アリスケミカル
(株)製。 *11:ステアリン酸亜鉛。
【0017】
【表2】
【0018】表2の注 *1〜*11については、表1の同番号の注記に同じ。 *12:ヒューズレックスE−2、(株)龍森製、溶融
シリカ、平均粒径6.2μm。 *13:重質炭カル、白石工業(株)製、平均粒径5μ
m。
【0019】本第1発明または本第2発明組成物の要件
を備えた配合により、均一な発泡セルを有する良好なス
チレン樹脂発泡成形体が得られ、それらは曲げ強度、圧
縮強度、耐衝撃強度などの機械的強度も優れている(実
施例1〜7)。また、実施例1、2を対比すると、充填
剤にシランカップリング処理したアスペクト比30の珪
酸カルシウムを添加することにより、曲げ強度、曲げ弾
性率および衝撃強度を一層大きく改良できることが判
る。本発明の規定から外れた組成物を使用すると、次に
記すように得られる成形体は何らかの不具合を発現す
る。石炭灰の代わりに通常の充填剤を配合すると、発泡
セルがやや荒れ気味になり、曲げ強度、曲げ弾性率およ
び衝撃強度が低下する傾向を示す(比較例1と実施例1
の対比、および比較例2と実施例3の対比)。石炭灰を
添加するに際して、(C1)成分または(C2)成分を
配合しないと、発泡性状が悪化傾向を示し衝撃強度が低
下する(比較例3と実施例1の対比)。本発明組成物か
ら石炭灰を除いて得られる発泡成形品は、曲げ強度,曲
げ弾性率および衝撃強度のいずれも低下する(比較例4
と実施例2の対比)。本発明の(C1)耐衝撃性スチレ
ン樹脂を規定より多く配合した比較例5と(C2)ゴム
成分またはエチレン系重合体を規定より多く添加した比
較例6または比較例7は、いずれも曲げ弾性率および衝
撃強度が低下した。石炭灰を規定より多く添加すると、
発泡性状や衝撃強度の悪化した成形品が得られる(比較
例8)。
【0020】
【発明の効果】本発明により、回収スチレン樹脂と石炭
灰とを利用する、均一な発泡セルと優れた機械的強度を
持った押出成形体を与えることのできる資源の有効活用
となるスチレン樹脂組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51:04 21:00) (C08L 25/02 51:04 23:04) Fターム(参考) 4F074 AA05 AA13 AA17 AA32 AC36 BA03 BA04 BA13 BA16 BA17 BA18 BA37 BA38 BA39 BA40 CC04Y DA33 DA34 4J002 AC012 AC032 AC062 AC072 AC082 BB032 BB042 BB052 BB062 BB072 BB082 BB152 BC03W BC031 BC033 BC04W BC041 BC042 BC043 BC06W BC061 BC063 BC07W BC071 BC073 BN14X BN21X BP012 DE207 DF007 DJ006 EA017 EQ017 ES007 ET007 EV267 FD010 FD016 FD327

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)回収スチレン樹脂を少なくとも5
    0重量%以上含有するスチレン樹脂100重量部、
    (B)平均粒径が1〜40μmの石炭灰2〜100重量
    部、(C1)耐衝撃性スチレン樹脂5〜200重量部お
    よび(D)発泡剤0.2〜5重量部を含有してなるスチ
    レン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)回収スチレン樹脂100重量部、
    (B)平均粒径が1〜40μmの石炭灰2〜80重量
    部、(C2)ゴムまたはエチレン系重合体1〜60重量
    部および(D)発泡剤0.2〜5重量部を含有してなる
    スチレン樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110945066B (zh) * 2017-07-25 2022-10-14 弗劳恩霍弗应用研究促进协会 在塑料中用作阻燃剂、阻燃增效剂和自由基生成剂的无卤素的磺酸酯和/或亚磺酸酯
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