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JP2001059198A - 耐食性に優れたZn−Coめっき金属板とその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れたZn−Coめっき金属板とその製造方法

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Publication number
JP2001059198A
JP2001059198A JP23520699A JP23520699A JP2001059198A JP 2001059198 A JP2001059198 A JP 2001059198A JP 23520699 A JP23520699 A JP 23520699A JP 23520699 A JP23520699 A JP 23520699A JP 2001059198 A JP2001059198 A JP 2001059198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
plating layer
corrosion resistance
plated
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23520699A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuniyasu Araga
邦康 荒賀
Hiroo Shigeru
博雄 茂
Masatoshi Iwai
正敏 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
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Publication of JP2001059198A publication Critical patent/JP2001059198A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないめっき付着量で耐食性に優れ且つ成形
加工性および生産性についても優れた電気Zn−Coめ
っき金属板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】Zn−Co合金を主体とするめっき層が形
成されたZn−Coめっき金属板において、Zn−Co
めっき層をアモルファスにする。尚、Cu−Kα線を用
いて測定しためっき層のX線回折パターンが、実質的に
Znのη相に起因するピークを含まないと共に、2θ:
41〜45°近傍に半値幅が1°以上のピークが見られ
る他は実質的に基板金属に由来するピークが認められる
場合にアモルファスであるということができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材,家庭電器製
品,自動車等の広範な分野において使用される耐食性に
優れた薄目付けの電気Zn−Coめっき金属板およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】なお、本発明においてめっき対象となる金
属基材には、FeやFe基合金の他、CuやAl等の非
鉄金属やそれらの合金が含まれ、その形状については平
板材や波板材等の板材をはじめとして管材や棒材,線材
等の如何を問わないが、以下では代表的な金属基材であ
る鋼板を取り上げて本発明を説明する。
【0003】
【従来の技術】建材,家庭電器製品および自動車等の広
範な分野において、鋼板等を防食する手段としてZnめ
っきが従来より汎用されている。Znめっき鋼板のめっ
き法には、溶融めっき法,電気めっき法,蒸着めっき法
等があり、腐食環境が厳しく且つ長期の耐食性が要求さ
れる建材や自動車用途には、厚めっきが容易な溶融めっ
きが行われている。また、腐食環境はマイルドである
が、美麗な表面外観が要求される家電やOA機器等への
用途には薄目付でめっき外観が美麗な電気めっきが主と
して用いられている。
【0004】近年、鋼板等の耐食性向上に対する要求は
更に高まる傾向にあり、いずれのめっき方法においても
めっき付着量を増加させることで耐食性を向上させるこ
とはできるが、めっき付着量の増加は加工性や溶接性の
劣化を招いてしまう。そこでZnと異種金属の合金めっ
き等の方法が数多く提案されており、中でも薄目付が容
易な電気めっき法では、Zn−Ni,Zn−Fe,Zn
−Co等の各種合金めっきが採用されている。特に、Z
n−Co系合金めっきは高耐食性が期待でき、より高い
耐食性を得る技術として例えば特開昭60−21109
6号公報には複層めっき鋼板が提案されている。これ
は、第1層としてCoを6〜30重量%、第2層として
Coを0.1〜6重量%含有するZn−Co合金めっき
層を形成するものである。しかしながら、上記複層めっ
き鋼板でも耐食性についてはまだ改善の余地が残されて
おり、必要な場合にはめっき付着量を多くしなければな
らず、このため経済性に欠けるうえ、めっき皮膜の加工
性や溶接性の改善にも限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に着目してなされたものであり、少ないめっき付着
量で耐食性に優れ且つ成形加工性および生産性について
も優れた電気Zn−Coめっき金属板及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とのできた本発明の耐食性に優れたZn−Coめっき金
属板とは、Zn−Co合金を主体とするめっき層が形成
されたZn−Coめっき金属板であって、Zn−Coめ
っき層がアモルファスであることを要旨とするものであ
る。具体的には、Cu−Kα線を用いて測定しためっき
層のX線回折パターンが、実質的にZnのη相に起因す
るピークを含まないと共に、2θ:41〜45°近傍に
半値幅が1°以上のピークが見られる他は実質的に基板
金属に由来するピークが認められる場合にアモルファス
であるということができる。
【0007】尚、Zn−Coめっき層中のCo含有量は
1〜35重量%であることが望ましく、ZnおよびCo
の金属塩を含有する酸性めっき液を用い、300〜20
00A/dm2の電流密度で電気めっきを行うことによ
り、めっき層がアモルファスである電気Zn−Coめっ
き金属板を製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者等は、純Znめっき層よ
り優れた耐食性を有するZn−Coめっき層の耐食性を
更に向上させる技術の開発を目的として鋭意研究を重ね
た。その結果、Zn−Coめっき層をアモルファスめっ
き層とすることにより、従来のZn−Coめっき層に比
べて飛躍的に優れた耐食性を示すことを突き止め、本発
明に想到した。
【0009】なお、本発明で言う耐食性とは、めっきま
ま(無塗装)での耐赤錆性や耐穴あき腐食性を意味する
ものであり、また塗装した後にあっては塗膜に疵がつい
た部分や塗装鋼板の端面における耐食性や耐塗膜膨れ性
を意味するものである。
【0010】またアモルファスとは、構成する各原子が
結晶構造を持たずランダムな位置関係にある状態を言
う。例えば常法によりZnとCoの合金めっきを作製す
ると、Co含有率に従ってZn相,ZnとCoの金
属間化合物相( 例えばCoZn 13,Co5Zn21),
Co相の各相が、複数認められる。結晶構造を有する純
金属や合金または金属間化合物等のめっき層をX線回折
法により測定すると、図1の純Znめっきや図2の結晶
構造を有するZn−Co合金めっきの様に、結晶の各面
間隔に対応した鋭い回折線(ピーク)が観測されるが、
アモルファスめっき層の場合には、図3に示した本発明
に係るZn−Coめっきの測定結果の様に、鋭い回折線
は認められずブロードな回折パターンとなる。
【0011】Zn−Coめっき層が、結晶質を有するZ
n−Coめっき層(以下、アモルファスめっき層に対し
て結晶質めっき層ということがある)に比べて非常に優
れた耐食性を有する理由は、現時点では必ずしも全てが
解明された訳ではないが以下の様に考えられる。Zn−
Co結晶質めっき層の場合、めっき層中に通常、前記
〜の複数の“相”を有しており、これらの相ごとに腐
食電位が異なっている。従って、めっき層中でミクロな
腐食電池が形成され、腐食電位の低い相の溶解が促進さ
れ、結果としてめっき層全体の耐食性を下げている。こ
れに対してアモルファスめっき層の場合には、各原子が
ランダムに配置しているため、めっき層中に結晶構造に
起因する“相”が存在せず均一なめっき層となってい
る。即ち、めっき層の腐食電位が均一であるため、腐食
電池が形成されず優れた耐食性を示す。また、結晶質に
は必ず存在する結晶粒界は、腐食の起点と考えられてい
るが、アモルファスめっき層にはこの結晶粒界が存在し
ないため、この点でも非常に有利であることが推察でき
る。
【0012】本発明のZn−Coめっき層は、X線回折
法を用いて測定した回折パターンがブロードでなければ
ならない。具体的には、線源としてCuKα線を用いた
X線回折の場合、実質的にZnのη相の回折パターンを
示すことなく、2θ:41〜45°近傍に半値幅が1°
以上のピークが見られる他は実質的に基板金属に由来す
るピークが認められるものであることが必要である。
尚、CoZn13,Co5Zn21,CoZnの各金属間化
合物が生成した場合には、2θ:41〜45°付近に鋭
い回折パターンが認められる。また、2θ:41〜45
°近傍において、半値幅で1°未満の鋭いピークを1つ
だけ持つ場合であっても、前記金属間化合物のいずれか
が生成しており、もはやアモルファスめっきとは言え
ず、優れた耐食性は期待できない。
【0013】X線回折に関しては公知の方法を用いれば
良く、線源としてもCuKα線の他、CoKα線等を使
用してもよい。尚、CuKα線以外の線源を用いた場合
には、本発明でいうピーク回折角度(2θ)は、その線
源の波長に合わせて変化する。また線源の強度について
は、例えば管球方式の場合、一般的に使用される電圧4
0kV,電流20mA程度を採用すればよい。測定角度
の範囲は、2θで30〜80°(CuKα線を用いた場
合)程度測定することが望ましい。
【0014】本発明のZn−Coめっき層の成分組成で
あるが、Co量が少なすぎると、Coの添加効果が実質
的に発揮されず、しかもアモルファスめっき層を得るこ
とできない。従って、耐食性においてZn−Co結晶質
めっき層と格別の差異が認められなくなるので、1%以
上含有させることが望ましく、2%以上であればより望
ましい。一方、Co量が多すぎると、めっき層自身の腐
食電位が貴になり、基材として鋼板等のFe系素材やA
l系素材を用いた場合にZn系めっきに特有の犠牲防食
作用が無くなり、或いはかえって基材の腐食を促進して
しまう。更には成形加工性が劣化すると同時に高価なC
oを多量に含有させることは経済的にも好ましくない。
従って、35%以下が好ましく、30%以下であればよ
り好ましい。なお、Coの含有量が増加すると成形加工
性が低下する理由は、Coの増加に伴いめっき層の硬度
が増加し、成形加工時にクラックが生じ、めっき層が剥
離しやすくなるからであると考えられる。
【0015】本発明においてZn−Coめっきの付着量
は特に制限されるものではないが、めっき付着量が2g
/m2に満たない場合には、めっきままの状態における
耐食性が不十分である。逆に付着量が多過ぎると、成形
加工性やスポット溶接性に問題が生じる他、経済性にも
劣る。従って、2〜60g/m2の範囲から選定するこ
とが望ましく、より好ましくは5〜40g/m2であ
る。また、めっきは基材である金属板の必要な面に施せ
ばよく、片面だけに施しても良いし両面に施しても良
い。
【0016】本発明に係るめっき金属板では、仕上げ塗
装を施さずにめっきのままで使用することも可能である
が、必要により耐食性,耐疵付き性,耐指紋性,加工性
等の特性の一層の向上を目的として、各種化成処理(ク
ロメート皮膜処理やりん酸塩皮膜処理,クリアー皮膜処
理等)や塗装を施してもよい。化成処理の中でも代表的
なクロメート皮膜処理としては、反応型クロメート皮膜
処理,塗布型クロメート処理,電解クロメート処理等が
あり、耐食性,耐疵付き性,耐黒変性等の特性を向上す
る上では、シリカ等の各種酸化物や有機シラン化合物、
更にはりん酸,硝酸,フッ化物,珪素フッ化物等の各種
反応促進剤をCr化合物が主成分である処理液に含有せ
しめたクロメート処理を行うことが推奨される。
【0017】上記化成処理のクリアー皮膜処理において
は、クリアー皮膜が有機系樹脂を主体とする場合には、
エポキシ系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリウレタン系
樹脂,エチレン性不飽和カルボン酸を重合成分として含
むエチレン共重合体樹脂,ポリビニル系樹脂,ポリアミ
ド系樹脂,フッ素系樹脂等の有機樹脂成分を主体とする
ものを処理液としたものが例示でき、耐食性,潤滑性,
耐疵付き性,加工性,溶接性,電着塗装性,塗膜密着性
等の品質を向上させるため、必要によりシリカ等の各種
酸化物粒子や各種りん酸塩等の無機顔料、ワックス粒
子,有機シラン化合物,ナフテン酸塩等を含有せしめた
処理液を塗布してもよい。また、上記クリアー皮膜が無
機物を主体とするものとしては、ケイ酸ソーダ,ケイ酸
カリウム,ケイ酸リチウム等のケイ酸塩を主体とする処
理液を塗布するものが例示でき、造膜性,耐食性,潤滑
性,耐疵付き性,加工性,溶接性,電着塗装性,塗膜密
着性等の品質向上を目的として、コロイダルシリカ等の
各種酸化物粒子や各種りん酸等の無機顔料、ワックス粒
子,有機シラン化合物を処理液に含有させてもよい。
【0018】これらの化成処理皮膜は単独で施してもよ
く、種々組み合わせて施してもよい。上記化成処理皮膜
の好ましい付着量は、耐食性向上効果等を有効に発揮さ
せると共に経済性を考慮すれば5〜300mg/m2
範囲から選択すればよく、また無機質もしくは有機質皮
膜の好ましい付着量は、同様の理由から膜厚で0.05
〜20μmとすればよい。
【0019】次に本発明に係るZn−Coめっき金属板
の製造方法について詳述する。本発明の製造方法は、Z
nとCoの金属塩を含有する酸性めっき液を用い、電流
密度300A/dm2以上という従来の電気めっき法と
比べて非常に高い電流密度で電気めっきを行う必要があ
る。高い電流密度でめっきを行うことによりアモルファ
スめっきが得られる理由に関しては、以下の様な理由に
よるものと考えられる。すなわち、基材表面で還元され
た金属原子は、通常、マイグレーションという基材表面
における金属原子の移動過程を経て、めっき原子層のキ
ンク或いはステップに取り込まれ結晶として成長してい
く。このマイグレーション過程は、比較的遅い素過程で
あり、電流密度を大きくし金属原子の還元量(すなわち
析出量)を多くすると、マイグレーションによる結晶化
が間に合わなくなり、析出した金属原子は結晶格子を組
むことなくめっき層を形成するようになるものと推定さ
れる。
【0020】上述の通り、アモルファスめっき層を得る
ためには300A/dm2以上の電流密度が必要であ
り、500A/dm2以上とすることが好ましい。一
方、2000A/dm2を超えると、基材表面への金属
イオンの供給が間に合わなくなり、めっき外観が黒っぽ
く変色するめっきヤケ現象が生じ、商品価値が著しく損
なわれるため、2000A/dm2以下とすることが必
要であり、1800A/dm2であればより好ましい。
【0021】まためっき液については、酸性浴(例えば
硫酸塩浴、塩化物浴)が使用可能である。ZnおよびC
oについては、硫酸塩,塩化物,酢酸塩,炭酸塩等の金
属イオンとして、所望のめっき皮膜組成となる量をめっ
き液に加えれば良い。例えば、めっき液中のZnイオン
量は10〜110g/Lで、Coイオン量は5〜110
g/L程度でアモルファスめっきを得ることができた。
また、めっき液のpHについては、電流効率およびめっ
きヤケ現象との関係からpH0.1〜2.0の範囲とす
ることが好ましい。なおめっき液には、導電性を高めて
電力消費量を低減させるため、Na2SO4,(NH4)2
4,KCL, NaCl等の導電性補助剤を添加しても
よい。
【0022】その他のめっき条件であるめっき液温度や
相対流速については、めっきヤケ等の不良が出ない範囲
で設定すればよく、前者については30〜70℃、後者
については0.3〜5m/sについて本発明の効果が確
認された。なお、相対流速とは液の流れ方向とめっき原
板である鋼板の通板方向を考慮した液流速と通板速度の
差である。
【0023】まためっき方法についても特に規定される
ものでは無く、常法に従ってめっき母材に脱脂や酸洗等
の前処理を施した後、縦型あるいは横型のめっきセルで
電気めっきすればよい。電気めっきの方法としても、公
知の直流(定電流)めっき法やパルスめっき法が採用で
きる。
【0024】尚、Zn−Coアモルファスめっきについ
ては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド
(EMIC)を電解液に用いた溶融塩電析法が知られている
[表面技術協会 第95回講演大会要旨集(p.29)]。しか
しながら、Zn−Coアモルファスめっきと耐食性との
関係については何の知見も開示されていない。しかも上
記溶融塩電析法によると40〜70%の多量のCoを含
有させないとアモルファスめっき層を得ることができな
いが、このように多量のCoを含有させると、前述した
ように優れた耐食性を得ることができない。
【0025】本発明の表面処理板に用いる基材は、自動
車,家電製品,建材等の材料として用いられる各種の冷
間圧延鋼板が主に用いられる。しかしながら、用途に応
じて熱間圧延鋼板や、アルミニウム合金板,銅板等,鋼
板以外の金属板や管材,棒材,線材を選択することも可
能である。
【0026】以下、実施例を挙げて本発明の構成および
作用効果を具体的に説明するが、これらは本発明を何等
制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
において適宜変更実施することは、全て本発明の技術的
範疇に含まれる。
【0027】
【実施例】常法で作製したAlキルド冷延鋼板をめっき
母材として用いた。これを脱脂・酸洗後、硫酸塩浴を用
いて下記の条件で電気めっきを施した。
【0028】 <電気めっき条件> ・めっき液組成: ZnSO4・7H2O 50〜400g/L CoSO4・7H2O 50〜400g/L Na2SO4 20〜100g/L H2SO4 10〜70g/L ・電流密度 : 100〜2500A/dm2 ・めっき浴温度: 60±5℃ ・めっき液流速: 0.5〜5m/sec ・電極(陽極): IrOx電極 ・めっき付着量: 20g/m2 得られためっき鋼板について、無塗装(めっきまま)の
耐食性をJIS Z2371塩水噴霧試験により評価し
た。塩水噴霧試験960時間(40日)経過後の赤錆発
生面積率を下記基準で判定した。また、成形加工性の判
定としてめっき面を外側にして180°密着曲げを実施
し、曲げ部にニチバンセロハンテープを付着させ引き剥
がし、テープに付着しためっき剥離片を目視観察し下記
基準にてめっき密着性を判定した。得られた結果を表1
にまとめて示す。
【0029】<耐食性> ◎ : 0% ○ : 10%未満 △ : 10以上50%未満 × : 50%以上 <めっき密着性(成形加工性)> ○ : 剥離なし または 実用上問題ないレベル × : 剥離大
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、めっき層構造が
アモルファスである本発明例No.1〜23の場合、い
ずれも非常に優れた耐食性とめっき密着性を兼備してい
る。これに対して、めっき層にZnのη相を含有した
り、2θ:41〜45°付近のピークの半値幅が1°未
満である比較例No.24〜29の場合、明らかに耐食
性が劣っており、また一部供試材(比較例No.26,
27)については、めっき密着性についても劣っている
ことがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、耐食性に優れ、且つ成形加工性および生産性につい
ても優れたZn−Coめっき金属板およびその製造方法
の提供が可能となった。特に本発明のアモルファスめっ
き金属板は、従来の表面処理金属材にない薄目付け高耐
食性を有しており、更に工業的規模の連続操業性にも優
れ、且つ安価に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】純Znめっき層のX線回折パターンを示す一例
である。
【図2】結晶構造を有するZn−Co合金めっき層のX
線回折パターンを示す一例である。
【図3】本発明のZn−Coめっき層のX線回折パター
ンを示す一例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 正敏 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 Fターム(参考) 4K023 AB29 BA06 BA08 BA21 BA29 DA02 DA06 DA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn−Co合金を主体とするめっき層が
    形成されたZn−Coめっき金属板であって、Zn−C
    oめっき層がアモルファスであることを特徴とする耐食
    性に優れたZn−Coめっき金属板。
  2. 【請求項2】 Cu−Kα線を用いて測定しためっき層
    のX線回折パターンが、実質的にZnのη相に起因する
    ピークを含まないと共に、2θ:41〜45°近傍に半
    値幅が1°以上のピークが見られる他は実質的に基板金
    属に由来するピークが認められる請求項1に記載のZn
    −Coめっき金属板。
  3. 【請求項3】 前記Zn−Coめっき層中のCo含有量
    が1〜35重量%である請求項1または2に記載のZn
    −Coめっき金属板。
  4. 【請求項4】 ZnおよびCoの金属塩を含有する酸性
    めっき液を用い、300〜2000A/dm2の電流密
    度で電気めっきを行うことを特徴とする電気Zn−Co
    めっき金属板の製造方法。
JP23520699A 1999-08-23 1999-08-23 耐食性に優れたZn−Coめっき金属板とその製造方法 Withdrawn JP2001059198A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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