JP2001041183A - スクロール気体圧縮機 - Google Patents
スクロール気体圧縮機Info
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- JP2001041183A JP2001041183A JP2000211066A JP2000211066A JP2001041183A JP 2001041183 A JP2001041183 A JP 2001041183A JP 2000211066 A JP2000211066 A JP 2000211066A JP 2000211066 A JP2000211066 A JP 2000211066A JP 2001041183 A JP2001041183 A JP 2001041183A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧縮効率向上のための効果的なバイパス穴の
配置構成を実現したものである。 【解決手段】 吐出口30に最も近い第2圧縮室2bが
吐出口30に開口した直後の状態で、バイパス穴39が
旋回スクロールラップ13aによって第2圧縮室2bへ
の開口部が狭められないに配置された、ものである。こ
の構成によれば、吐出口30に開通直後の第2圧縮室2
bと吐出口30との間の通路が狭い状態でも、バイパス
穴39の開口面積が狭められていないので、圧縮完了気
体の一部を円滑に吐出室に排出させ、吐出口30に通じ
る圧縮室の過圧縮を回避して圧縮入力増加を防止するこ
とができる。
配置構成を実現したものである。 【解決手段】 吐出口30に最も近い第2圧縮室2bが
吐出口30に開口した直後の状態で、バイパス穴39が
旋回スクロールラップ13aによって第2圧縮室2bへ
の開口部が狭められないに配置された、ものである。こ
の構成によれば、吐出口30に開通直後の第2圧縮室2
bと吐出口30との間の通路が狭い状態でも、バイパス
穴39の開口面積が狭められていないので、圧縮完了気
体の一部を円滑に吐出室に排出させ、吐出口30に通じ
る圧縮室の過圧縮を回避して圧縮入力増加を防止するこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール気体圧縮
機のバイパス穴の配置に関するものである。
機のバイパス穴の配置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低振動、低騒音特性を備えたスクロール
気体圧縮機は、吸入室が圧縮空間を形成する渦巻きの外
周部に有り、吐出口が渦巻きの中心部に設けられ、吸入
容積と最終圧縮室容積とで決定する圧縮比が一定であ
る。
気体圧縮機は、吸入室が圧縮空間を形成する渦巻きの外
周部に有り、吐出口が渦巻きの中心部に設けられ、吸入
容積と最終圧縮室容積とで決定する圧縮比が一定であ
る。
【0003】特に、吸入圧力と吐出圧力とで定める圧縮
比の変動が少ない場合は、それに合わせた容積比を設定
することによって、往復動圧縮機や回転式圧縮機のよう
な流体を圧縮するための吐出弁装置を必要とせず、高効
率な圧縮ができる。
比の変動が少ない場合は、それに合わせた容積比を設定
することによって、往復動圧縮機や回転式圧縮機のよう
な流体を圧縮するための吐出弁装置を必要とせず、高効
率な圧縮ができる。
【0004】このスクロール気体圧縮機を空調用冷媒圧
縮機として使用する場合は、可変速運転や空調負荷変動
によって冷媒の吸入圧力と吐出圧力が変化する。
縮機として使用する場合は、可変速運転や空調負荷変動
によって冷媒の吸入圧力と吐出圧力が変化する。
【0005】そして、実際の圧縮比と設定圧縮比との間
の差によって、不足圧縮や過圧縮運転が生じる。不足圧
縮時には、吐出室の高圧冷媒ガスが吐出口から圧縮室に
間欠的に逆流し、圧縮入力の増加を招く。
の差によって、不足圧縮や過圧縮運転が生じる。不足圧
縮時には、吐出室の高圧冷媒ガスが吐出口から圧縮室に
間欠的に逆流し、圧縮入力の増加を招く。
【0006】また、液冷媒や多量の潤滑油を圧縮する、
いわゆる液圧縮現象が生じた場合には、超過圧縮状態と
なり、圧縮入力の異常上昇,過大な振動と騒音、圧縮機
破損を招くことがある。
いわゆる液圧縮現象が生じた場合には、超過圧縮状態と
なり、圧縮入力の異常上昇,過大な振動と騒音、圧縮機
破損を招くことがある。
【0007】このような圧縮不足に起因する圧縮流体の
逆流を防ぐ方策として、吐出口の出口側に逆止弁装置を
設けることもある。
逆流を防ぐ方策として、吐出口の出口側に逆止弁装置を
設けることもある。
【0008】また、過圧縮を軽減する方策として、特公
平5−49830号公報に記載されているように、圧縮
室から吐出室に通じる対称位置に配置されたバイパス穴
を設け、バイパス穴の出口側に吐出室への流体流出のみ
を許容するバイパス弁装置を設けて液圧縮や過圧縮に起
因する圧縮機破損を防止する手段が知られている。
平5−49830号公報に記載されているように、圧縮
室から吐出室に通じる対称位置に配置されたバイパス穴
を設け、バイパス穴の出口側に吐出室への流体流出のみ
を許容するバイパス弁装置を設けて液圧縮や過圧縮に起
因する圧縮機破損を防止する手段が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、バイパス穴を設置することによりバイパ
ス穴内に圧縮途中ガスの圧縮室内残留を生じさせ、その
結果、バイパス穴内に残留した圧縮ガスが吸入行程で膨
張し、再圧縮されることによる圧縮効率低下を招き易い
ことから、バイパス穴開設の具体的な指針が少ないとい
う課題があった。
来の構成では、バイパス穴を設置することによりバイパ
ス穴内に圧縮途中ガスの圧縮室内残留を生じさせ、その
結果、バイパス穴内に残留した圧縮ガスが吸入行程で膨
張し、再圧縮されることによる圧縮効率低下を招き易い
ことから、バイパス穴開設の具体的な指針が少ないとい
う課題があった。
【0010】上述のような理由から、圧縮機破損防止の
ために設けられるバイパス穴の位置が、吐出口と関係し
てバイパス穴及びバイパス弁装置の配置構成から決めら
れることが多かった。
ために設けられるバイパス穴の位置が、吐出口と関係し
てバイパス穴及びバイパス弁装置の配置構成から決めら
れることが多かった。
【0011】当然のことながら、上述のような理由から
スクロール気体圧縮機の幅広い圧縮比運転領域での圧縮
効率向上のためにバイパス穴とバイパス弁装置を積極的
に導入する考え方が少なかった。
スクロール気体圧縮機の幅広い圧縮比運転領域での圧縮
効率向上のためにバイパス穴とバイパス弁装置を積極的
に導入する考え方が少なかった。
【0012】また、圧縮完了圧縮室が吐出口に開通直後
は、開通した圧縮室と吐出口との間の通路が狭く、しか
も、吐出口内の圧力が上昇して吐出口を開閉する逆止弁
装置が開通するまでの間、逆止弁装置の慣性力に起因し
て逆止弁装置の応答性が遅延する結果、吐出口に開通直
後の圧縮室および吐出口内で過圧縮が生じるなどの付加
的な要因があり、入力低減に効果的なバイパス機能を備
えたスクロール気体圧縮機の実現が望まれていた。
は、開通した圧縮室と吐出口との間の通路が狭く、しか
も、吐出口内の圧力が上昇して吐出口を開閉する逆止弁
装置が開通するまでの間、逆止弁装置の慣性力に起因し
て逆止弁装置の応答性が遅延する結果、吐出口に開通直
後の圧縮室および吐出口内で過圧縮が生じるなどの付加
的な要因があり、入力低減に効果的なバイパス機能を備
えたスクロール気体圧縮機の実現が望まれていた。
【0013】なお、圧縮完了圧縮室が吐出口に開通直後
の吐出口内圧力上昇を抑制する方策として、吐出口の出
口側を開閉する逆止弁装置を備えない構成において、吐
出口の周囲に多数の小径の吐出孔を配置して気体排出通
路を確保する手段が実開昭62−26591号公報で開
示されている。また、吸入側に近い側の圧縮室で過圧縮
された気体を吐出口に最も近い側の圧縮室にバイパスさ
せるべく、吐出口に最も近い圧縮室にバイパス穴を開口
させた構成が特開昭62−48979号公報で開示され
ている。
の吐出口内圧力上昇を抑制する方策として、吐出口の出
口側を開閉する逆止弁装置を備えない構成において、吐
出口の周囲に多数の小径の吐出孔を配置して気体排出通
路を確保する手段が実開昭62−26591号公報で開
示されている。また、吸入側に近い側の圧縮室で過圧縮
された気体を吐出口に最も近い側の圧縮室にバイパスさ
せるべく、吐出口に最も近い圧縮室にバイパス穴を開口
させた構成が特開昭62−48979号公報で開示され
ている。
【0014】しかしながら、前者の小径の吐出孔は吐出
口と同作用に供されるのみで、圧縮室に開口するバイパ
ス穴に関わる上記課題解決の一方策として応用できなか
った。
口と同作用に供されるのみで、圧縮室に開口するバイパ
ス穴に関わる上記課題解決の一方策として応用できなか
った。
【0015】また、後者の吐出口に最も近い側の圧縮室
に開口するバイパス穴は、圧縮途中の圧縮室から吐出室
に圧縮ガスを直接流出させることができないので、本来
のバイパス通路の機能を有しないという課題があった。
また仮に、バイパス穴を吐出室に直接連通させ、その出
口側を開閉するバイパス弁を設けたとしても、バイパス
穴を単に設けるのみの構成では、バイパス穴に残留する
圧縮気体が再膨張し再圧縮されることによる圧縮効率の
低下を招く。更に、吐出口を開閉する逆止弁装置とバイ
パス弁とが干渉するので、バイパス穴とバイパス弁と逆
止弁装置とを互いに適正配置することが困難で、バイパ
ス穴を圧縮室における過圧縮防止と補助吐出口としての
効果を両立できない課題もあった。
に開口するバイパス穴は、圧縮途中の圧縮室から吐出室
に圧縮ガスを直接流出させることができないので、本来
のバイパス通路の機能を有しないという課題があった。
また仮に、バイパス穴を吐出室に直接連通させ、その出
口側を開閉するバイパス弁を設けたとしても、バイパス
穴を単に設けるのみの構成では、バイパス穴に残留する
圧縮気体が再膨張し再圧縮されることによる圧縮効率の
低下を招く。更に、吐出口を開閉する逆止弁装置とバイ
パス弁とが干渉するので、バイパス穴とバイパス弁と逆
止弁装置とを互いに適正配置することが困難で、バイパ
ス穴を圧縮室における過圧縮防止と補助吐出口としての
効果を両立できない課題もあった。
【0016】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、圧縮室内での過圧縮防止と、圧縮室が吐出
口に開口後の圧縮気体の排出促進を図りながら圧縮効率
の確保を図ることを目的とする。
ものであり、圧縮室内での過圧縮防止と、圧縮室が吐出
口に開口後の圧縮気体の排出促進を図りながら圧縮効率
の確保を図ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、吐出口に最も近い圧縮室に開口して設けた
バイパス穴の各開口部が、旋回スクロールラップの先端
に設けられたシール部材によって閉塞されない位置に配
置されたものである。上記バイパス穴の配置構成によっ
て、バイパス穴を設けない圧縮機構と同レベルの圧縮効
率を得ることができると共に、圧縮室が吐出口に開通後
の圧縮入力低減を図ることもできる。
に本発明は、吐出口に最も近い圧縮室に開口して設けた
バイパス穴の各開口部が、旋回スクロールラップの先端
に設けられたシール部材によって閉塞されない位置に配
置されたものである。上記バイパス穴の配置構成によっ
て、バイパス穴を設けない圧縮機構と同レベルの圧縮効
率を得ることができると共に、圧縮室が吐出口に開通後
の圧縮入力低減を図ることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】上記の課題を解決するための請求
項1記載の発明は、吐出口に最も近い一対の各圧縮室に
それぞれ開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス穴を
鏡板に配置すると共に、そのバイパス穴を介して各圧縮
室から吐出室へのみの流体排出を許容し且つバイパス穴
の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設けると共に、
各圧縮空間への給油手段を備えた構成において、 バイ
パス穴を構成するそれぞれのバイパス小孔の圧縮室への
各開口部の大きさを、旋回スクロールラップの先端に設
けた渦巻き状溝に遊合状態で配置された渦巻き状のシー
ル部材の摺接部幅より小さく設定し、それぞれのバイパ
ス小孔の圧縮室への各開口部は、シール部材によって、
常時、完全に閉塞されない位置に配置されたものであ
る。
項1記載の発明は、吐出口に最も近い一対の各圧縮室に
それぞれ開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス穴を
鏡板に配置すると共に、そのバイパス穴を介して各圧縮
室から吐出室へのみの流体排出を許容し且つバイパス穴
の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設けると共に、
各圧縮空間への給油手段を備えた構成において、 バイ
パス穴を構成するそれぞれのバイパス小孔の圧縮室への
各開口部の大きさを、旋回スクロールラップの先端に設
けた渦巻き状溝に遊合状態で配置された渦巻き状のシー
ル部材の摺接部幅より小さく設定し、それぞれのバイパ
ス小孔の圧縮室への各開口部は、シール部材によって、
常時、完全に閉塞されない位置に配置されたものであ
る。
【0019】そして、この構成によれば、旋回スクロー
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量が少なく
なる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張し
再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できる。ま
た、圧縮室圧力が過圧縮の場合の圧縮室から吐出室への
圧縮気体のバイパス作用と、シール部材によって旋回ス
クロールラップを隔てて隣接する圧縮室間の密封作用も
同時に機能させることができる。更に、吐出口に開通後
もバイパス穴が閉塞されていないので、補助吐出口とし
て機能し、圧縮室での圧縮完了気体の一部を円滑に吐出
室に排出させ、圧縮室の過圧縮を防止できる。
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量が少なく
なる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張し
再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できる。ま
た、圧縮室圧力が過圧縮の場合の圧縮室から吐出室への
圧縮気体のバイパス作用と、シール部材によって旋回ス
クロールラップを隔てて隣接する圧縮室間の密封作用も
同時に機能させることができる。更に、吐出口に開通後
もバイパス穴が閉塞されていないので、補助吐出口とし
て機能し、圧縮室での圧縮完了気体の一部を円滑に吐出
室に排出させ、圧縮室の過圧縮を防止できる。
【0020】請求項2記載の発明は、吐出口に最も近い
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、そのバイパス
穴を介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容
し且つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板
に設けると共に、各圧縮空間への給油手段を備えた構成
において、 バイパス穴を構成するそれぞれのバイパス
小孔の圧縮室への各開口部の大きさを、旋回スクロール
ラップの先端に設けた渦巻き状溝に遊合状態で配置され
た渦巻き状のシール部材の摺接部幅より小さく設定し、
それぞれのバイパス小孔の圧縮室への各開口部は、圧縮
室が吐出口に開通しない状態でシール部材によって、常
時、完全に閉塞されず、且つ、少なくとも圧縮室が吐出
口に開通直後の状態で、旋回スクロールラップの先端に
よって各開口部の開口面積が狭められない位置に配置さ
れたものである。
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、そのバイパス
穴を介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容
し且つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板
に設けると共に、各圧縮空間への給油手段を備えた構成
において、 バイパス穴を構成するそれぞれのバイパス
小孔の圧縮室への各開口部の大きさを、旋回スクロール
ラップの先端に設けた渦巻き状溝に遊合状態で配置され
た渦巻き状のシール部材の摺接部幅より小さく設定し、
それぞれのバイパス小孔の圧縮室への各開口部は、圧縮
室が吐出口に開通しない状態でシール部材によって、常
時、完全に閉塞されず、且つ、少なくとも圧縮室が吐出
口に開通直後の状態で、旋回スクロールラップの先端に
よって各開口部の開口面積が狭められない位置に配置さ
れたものである。
【0021】そして、この構成によれば、旋回スクロー
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量が少なく
なる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張し
再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できる。ま
た、圧縮室圧力が過圧縮の場合の圧縮室から吐出室への
圧縮気体のバイパス作用と、シール部材によって旋回ス
クロールラップを隔てて隣接する圧縮室間の密封作用も
同時に機能させることができる。更に、吐出口に開通直
後の圧縮室と吐出口との間の通路が狭い状態でも、バイ
パス穴の圧縮室への開口面積が狭められていないので、
バイパス穴が補助吐出口として機能し、圧縮室の圧縮完
了気体の一部を円滑に吐出室に排出させ、圧縮室の過圧
縮を防止できる。
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量が少なく
なる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張し
再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できる。ま
た、圧縮室圧力が過圧縮の場合の圧縮室から吐出室への
圧縮気体のバイパス作用と、シール部材によって旋回ス
クロールラップを隔てて隣接する圧縮室間の密封作用も
同時に機能させることができる。更に、吐出口に開通直
後の圧縮室と吐出口との間の通路が狭い状態でも、バイ
パス穴の圧縮室への開口面積が狭められていないので、
バイパス穴が補助吐出口として機能し、圧縮室の圧縮完
了気体の一部を円滑に吐出室に排出させ、圧縮室の過圧
縮を防止できる。
【0022】請求項3記載の発明は、各圧縮室に開口す
る複数個のバイパス小孔が、圧縮進行方向に従って順次
開弁されるべく、複数個のバイパス小孔を共通の弁部で
開閉するバイパス弁のリード弁部の先端を圧縮進行方向
とは反対の方向に向けて配置したものである。そして、
この構成によれば、リード弁部の先端部分が吐出口に最
も遠いバイパス小穴を開閉する構成になり、過圧縮が少
ない状態でもバイパス弁の開弁が容易で、迅速なバイパ
ス作用による入力低減ができる。
る複数個のバイパス小孔が、圧縮進行方向に従って順次
開弁されるべく、複数個のバイパス小孔を共通の弁部で
開閉するバイパス弁のリード弁部の先端を圧縮進行方向
とは反対の方向に向けて配置したものである。そして、
この構成によれば、リード弁部の先端部分が吐出口に最
も遠いバイパス小穴を開閉する構成になり、過圧縮が少
ない状態でもバイパス弁の開弁が容易で、迅速なバイパ
ス作用による入力低減ができる。
【0023】請求項4記載の発明は、吐出口に最も近い
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、バイパス穴を
介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容し且
つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設
けた構成において、バイパス穴を同時に開閉すべく、吐
出口を囲む環状形状の弁体を備えたバイパス弁を配設し
たものである。
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、バイパス穴を
介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容し且
つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設
けた構成において、バイパス穴を同時に開閉すべく、吐
出口を囲む環状形状の弁体を備えたバイパス弁を配設し
たものである。
【0024】そして、この構成によれば、一方または両
方の圧縮室で過圧縮が発生した場合や圧縮室が吐出口に
通じた状態で、バイパス穴が同時に開弁することによっ
て、一対の圧縮室の圧力が同じになり、圧縮トルク変動
を少なくできる。
方の圧縮室で過圧縮が発生した場合や圧縮室が吐出口に
通じた状態で、バイパス穴が同時に開弁することによっ
て、一対の圧縮室の圧力が同じになり、圧縮トルク変動
を少なくできる。
【0025】請求項5記載の発明は、 底面にバイパス
穴が開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス吐出室を
吐出口を囲んで固定スクロールの鏡板に凹設し、そのバ
イパス吐出室にバイパス弁を配置し、吐出口の出口側を
開閉する逆止弁装置をバイパス弁より吐出室側の鏡板に
配置したものである。
穴が開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス吐出室を
吐出口を囲んで固定スクロールの鏡板に凹設し、そのバ
イパス吐出室にバイパス弁を配置し、吐出口の出口側を
開閉する逆止弁装置をバイパス弁より吐出室側の鏡板に
配置したものである。
【0026】そして、この構成によれば、バイパス弁と
逆止弁装置が干渉することがないので、過圧縮防止と補
助吐出口の両方を兼ねたバイパス穴を最適位置に配設し
て、バイパス効果を高めることができる。
逆止弁装置が干渉することがないので、過圧縮防止と補
助吐出口の両方を兼ねたバイパス穴を最適位置に配設し
て、バイパス効果を高めることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例の横置形スクロール気
体圧縮機について、図面を参照して説明する。
体圧縮機について、図面を参照して説明する。
【0028】(実施例1)図1において、1は鉄製の密
閉容器で、その内部全体は吐出管(図示なし)に連通す
る高圧雰囲気となり、その中央部にモータ3、右部に圧
縮部が配置され、モータ3の回転子3aを固定した駆動
軸4の一端を支承する圧縮部の本体フレーム5が密閉容
器1に固定されており、その本体フレーム5に固定スク
ロール7が取り付けられている。
閉容器で、その内部全体は吐出管(図示なし)に連通す
る高圧雰囲気となり、その中央部にモータ3、右部に圧
縮部が配置され、モータ3の回転子3aを固定した駆動
軸4の一端を支承する圧縮部の本体フレーム5が密閉容
器1に固定されており、その本体フレーム5に固定スク
ロール7が取り付けられている。
【0029】駆動軸4に設けられた主軸方向の油穴12
は、その一端が給油ポンプ装置(図示なし)に通じ、他
端が最終的に主軸受8に通じている。固定スクロール7
と噛み合って圧縮室2を形成する旋回スクロール13
は、渦巻き状の旋回スクロールラップ13aと旋回軸1
3cとを直立させたラップ支持円板13bとから成り、
固定スクロール7と本体フレーム5との間に配置されて
いる。
は、その一端が給油ポンプ装置(図示なし)に通じ、他
端が最終的に主軸受8に通じている。固定スクロール7
と噛み合って圧縮室2を形成する旋回スクロール13
は、渦巻き状の旋回スクロールラップ13aと旋回軸1
3cとを直立させたラップ支持円板13bとから成り、
固定スクロール7と本体フレーム5との間に配置されて
いる。
【0030】また、前述の実開昭62−26591号公
報でも開示されているような、渦巻き状溝13dが旋回
スクロールラップ13aの先端に設けられている。この
渦巻き状溝13dと同形状をした渦巻き状のシール部材
13eが渦巻き状溝13d内に油膜形成ができる程度の
微小隙間を有して遊合状態で配置されている。
報でも開示されているような、渦巻き状溝13dが旋回
スクロールラップ13aの先端に設けられている。この
渦巻き状溝13dと同形状をした渦巻き状のシール部材
13eが渦巻き状溝13d内に油膜形成ができる程度の
微小隙間を有して遊合状態で配置されている。
【0031】固定スクロール7は、鏡板7aと渦巻き状
の固定スクロールラップ7bとから成り、固定スクロー
ルラップ7bの中央部に吐出口30、外周部に吸入室3
1が配置されている。吐出口30は、隣接する吐出室3
2を介してモータ3が配置された高圧空間に通じてい
る。吸入室31は、密閉容器1の端壁を貫通する吸入管
33に通じている。
の固定スクロールラップ7bとから成り、固定スクロー
ルラップ7bの中央部に吐出口30、外周部に吸入室3
1が配置されている。吐出口30は、隣接する吐出室3
2を介してモータ3が配置された高圧空間に通じてい
る。吸入室31は、密閉容器1の端壁を貫通する吸入管
33に通じている。
【0032】駆動軸4の主軸から偏芯して駆動軸4の右
端穴部に配置された旋回軸受14は、旋回スクロール1
3の旋回軸13cと係合摺動すべく構成されている。旋
回スクロール13のラップ支持円板13bと本体フレー
ム5に設けられたスラスト軸受19との間は、油膜形成
可能な微小隙間が設けられている。
端穴部に配置された旋回軸受14は、旋回スクロール1
3の旋回軸13cと係合摺動すべく構成されている。旋
回スクロール13のラップ支持円板13bと本体フレー
ム5に設けられたスラスト軸受19との間は、油膜形成
可能な微小隙間が設けられている。
【0033】ラップ支持円板13bには旋回軸13cと
ほぼ同芯の環状シール部材18が遊合状態で装着されて
おり、その環状シール部材18はその内側の背面室A2
0と外側とを仕切っている。背面室A20の上流側と下
流側は旋回軸受14の摺動面と駆動軸4の油穴12およ
び主軸受8を介して油溜11に通じている。
ほぼ同芯の環状シール部材18が遊合状態で装着されて
おり、その環状シール部材18はその内側の背面室A2
0と外側とを仕切っている。背面室A20の上流側と下
流側は旋回軸受14の摺動面と駆動軸4の油穴12およ
び主軸受8を介して油溜11に通じている。
【0034】旋回軸受14の底部の油室15と、ラップ
支持円板13bの外周部空間の背面室C16との間は、
ラップ支持円板13bに設けられた油通路21を介して
通じている。
支持円板13bの外周部空間の背面室C16との間は、
ラップ支持円板13bに設けられた油通路21を介して
通じている。
【0035】油通路21は、その両端に絞り部A22と
絞り部B23を、その中間にバイパス油穴24を有して
いる。バイパス油穴24は、旋回スクロール13の旋回
運動に伴って、スラスト軸受19面に設けられた環状の
油溝25に間欠的に通じるべく配置されている。環状の
油溝25と背面室C16とは、環状の油溝25の一部と
して設けられた排出油通路26を介して通じている。
絞り部B23を、その中間にバイパス油穴24を有して
いる。バイパス油穴24は、旋回スクロール13の旋回
運動に伴って、スラスト軸受19面に設けられた環状の
油溝25に間欠的に通じるべく配置されている。環状の
油溝25と背面室C16とは、環状の油溝25の一部と
して設けられた排出油通路26を介して通じている。
【0036】スラスト軸受19の環状の溝25は、自転
阻止部材27と係合する旋回スクロール13の係止溝
(図示なし)にも間欠的に連通すべく配置されている。
背面室C16と吸入室31との間は、ラップ支持円板1
3bと摺接する鏡板7aの表面に設けられた油溝43
(図4参照)を介して連通している。
阻止部材27と係合する旋回スクロール13の係止溝
(図示なし)にも間欠的に連通すべく配置されている。
背面室C16と吸入室31との間は、ラップ支持円板1
3bと摺接する鏡板7aの表面に設けられた油溝43
(図4参照)を介して連通している。
【0037】吐出口30の出口側を開閉する逆止弁装置
35が固定スクロール7の鏡板7aの平面上に取り付け
られており、その逆止弁装置35は薄鋼板製のリード弁
35aと弁押え35bとから成る。
35が固定スクロール7の鏡板7aの平面上に取り付け
られており、その逆止弁装置35は薄鋼板製のリード弁
35aと弁押え35bとから成る。
【0038】吐出口30を囲むバイパス吐出室36が逆
止弁装置35に隣接して鏡板7aに凹設されている。バ
イパス吐出室36は、鏡板7aに圧入固定された逆止弁
座ケース37に設けたバイパス通路38を介して吐出室
32に通じている。
止弁装置35に隣接して鏡板7aに凹設されている。バ
イパス吐出室36は、鏡板7aに圧入固定された逆止弁
座ケース37に設けたバイパス通路38を介して吐出室
32に通じている。
【0039】鏡板7aの中央部には、吐出口30と間欠
的に連通する第2圧縮室2bとバイパス吐出室36とに
開口し、且つ、第2圧縮室2bへの開口部が旋回スクロ
ールラップ13aの先端部に配置されたシール部材13
eの幅Wよりも小径のバイパス穴39が吐出口30に対
して圧力的に対称配置されている。バイパス穴39のバ
イパス吐出室36側の開口部は、後述のバイパス弁の開
弁を促進すべく第2圧縮室2bへの開口部よりも拡大さ
れている。
的に連通する第2圧縮室2bとバイパス吐出室36とに
開口し、且つ、第2圧縮室2bへの開口部が旋回スクロ
ールラップ13aの先端部に配置されたシール部材13
eの幅Wよりも小径のバイパス穴39が吐出口30に対
して圧力的に対称配置されている。バイパス穴39のバ
イパス吐出室36側の開口部は、後述のバイパス弁の開
弁を促進すべく第2圧縮室2bへの開口部よりも拡大さ
れている。
【0040】バイパス穴39は、一対の第2バイパス小
孔39bと一対の第3バイパス小孔39cと一対の第4
バイパス小孔39dから成り、旋回スクロールラップ1
3aの壁面に沿って圧縮進行に追従する形態で順次対称
配置されている。
孔39bと一対の第3バイパス小孔39cと一対の第4
バイパス小孔39dから成り、旋回スクロールラップ1
3aの壁面に沿って圧縮進行に追従する形態で順次対称
配置されている。
【0041】第2バイパス小孔39b,第3バイパス小
孔39c,第4バイパス小孔39dはシール部材13e
によって同時に全閉塞されないように、適正間隔で配置
されている。第2バイパス小孔39b,第3バイパス小
孔39c,第4バイパス小孔39dの出口側を開閉する
バイパス弁40とそれを付勢するコイルバネ41がバイ
パス吐出室36に配置されている。
孔39c,第4バイパス小孔39dはシール部材13e
によって同時に全閉塞されないように、適正間隔で配置
されている。第2バイパス小孔39b,第3バイパス小
孔39c,第4バイパス小孔39dの出口側を開閉する
バイパス弁40とそれを付勢するコイルバネ41がバイ
パス吐出室36に配置されている。
【0042】図4は図1におけるA−A線に沿った断面
を示した図で、吐出口30と間欠的に連通する第2圧縮
室2bが吐出口30と開通した直後の圧縮空間の状態を
示す。
を示した図で、吐出口30と間欠的に連通する第2圧縮
室2bが吐出口30と開通した直後の圧縮空間の状態を
示す。
【0043】なお、固定スクロールラップ7bの内壁
(吐出口30の側)は、渦巻き始め(吐出口30に近い
側)部先端から180度巻き進んだ(外側に伸展する)
位置から旋回スクロール13aと接触状態となり、第2
圧縮室2bが吐出口30と遮断されるように、渦巻き形
状が形成されている。また、旋回スクロールラップ13
aの内壁形状も上記と同様の形態である。
(吐出口30の側)は、渦巻き始め(吐出口30に近い
側)部先端から180度巻き進んだ(外側に伸展する)
位置から旋回スクロール13aと接触状態となり、第2
圧縮室2bが吐出口30と遮断されるように、渦巻き形
状が形成されている。また、旋回スクロールラップ13
aの内壁形状も上記と同様の形態である。
【0044】また、旋回スクロールラップ13aと固定
スクロールラップ7bとの接触点の実質的な移動範囲と
なる渦巻き数は、約1.75巻きである。この状態での
圧縮室2の配置は、吸入室31と間欠的に連通する第1
圧縮室2a、および吐出口30と間欠的に連通する第2
圧縮室2bで構成されている。したがって、本実施例に
おける渦巻き構成は、旋回スクロールラップ13aと固
定スクロールラップ7bとの接触点の渦巻き移動範囲が
2巻き以上でない形態である。
スクロールラップ7bとの接触点の実質的な移動範囲と
なる渦巻き数は、約1.75巻きである。この状態での
圧縮室2の配置は、吸入室31と間欠的に連通する第1
圧縮室2a、および吐出口30と間欠的に連通する第2
圧縮室2bで構成されている。したがって、本実施例に
おける渦巻き構成は、旋回スクロールラップ13aと固
定スクロールラップ7bとの接触点の渦巻き移動範囲が
2巻き以上でない形態である。
【0045】この圧縮空間の容積比、すなわち、圧縮室
2の吸入容積と圧縮完了時の圧縮室容積との割合が、圧
縮機定格負荷時の吸入室31の圧力と吐出室32の圧力
との割合、すなわち、運転圧縮比に相当する容積比に最
も近づくように設定されており、定格負荷運転時に過不
足圧縮の少ない渦巻き形状の圧縮空間に設定されてい
る。
2の吸入容積と圧縮完了時の圧縮室容積との割合が、圧
縮機定格負荷時の吸入室31の圧力と吐出室32の圧力
との割合、すなわち、運転圧縮比に相当する容積比に最
も近づくように設定されており、定格負荷運転時に過不
足圧縮の少ない渦巻き形状の圧縮空間に設定されてい
る。
【0046】この状態で、第2バイパス小孔39b,第
3バイパス小孔39c,第4バイパス小孔39dは旋回
スクロールラップ13aによって、遮閉されることのな
い位置に配置されている。
3バイパス小孔39c,第4バイパス小孔39dは旋回
スクロールラップ13aによって、遮閉されることのな
い位置に配置されている。
【0047】また、第2バイパス小孔39b,第3バイ
パス小孔39c,第4バイパス小孔9dは、第2圧縮室
2bが図4の状態から進角または退角した状態でも旋回
スクロールラップ13aによって、同時に遮閉されるこ
とがないような形状と間隔で配置されている。
パス小孔39c,第4バイパス小孔9dは、第2圧縮室
2bが図4の状態から進角または退角した状態でも旋回
スクロールラップ13aによって、同時に遮閉されるこ
とがないような形状と間隔で配置されている。
【0048】図5に示す如く、バイパス弁40の外観形
状は逆止弁座ケース37との回転止め係止穴40aを中
央部に有し、第2バイパス小孔39b,第3バイパス小
孔39c,第4バイパス小孔39dを開閉する一対のリ
ード部40bを外周部に有している。リード部40bの
先端部が第4バイパス小孔39dを開閉し、リード部4
0bの根元部が第2バイパス小孔39bを開閉できるよ
うにバイパス弁40が配置されている。
状は逆止弁座ケース37との回転止め係止穴40aを中
央部に有し、第2バイパス小孔39b,第3バイパス小
孔39c,第4バイパス小孔39dを開閉する一対のリ
ード部40bを外周部に有している。リード部40bの
先端部が第4バイパス小孔39dを開閉し、リード部4
0bの根元部が第2バイパス小孔39bを開閉できるよ
うにバイパス弁40が配置されている。
【0049】コイルバネ41は、それ自身の温度が上昇
するとバイパス弁40への付勢力が増加し、それ自身の
温度が下降するとバイパス弁40への付勢力が減少する
形状記憶特性を有している。
するとバイパス弁40への付勢力が増加し、それ自身の
温度が下降するとバイパス弁40への付勢力が減少する
形状記憶特性を有している。
【0050】また、鏡板7aには、吸入室31と間欠的
に連通する第1圧縮室2aと吐出室32とに開口する一
対の第1バイパス穴39aが対称配置されていると共
に、第1バイパス穴39aの出口側を開閉する補助バイ
パス弁装置42が取り付けられている。
に連通する第1圧縮室2aと吐出室32とに開口する一
対の第1バイパス穴39aが対称配置されていると共
に、第1バイパス穴39aの出口側を開閉する補助バイ
パス弁装置42が取り付けられている。
【0051】図6は、横軸に圧縮機運転速度を、縦軸に
圧力と圧縮比を表し、空調装置運転時の圧縮機運転速度
と吸入圧力,吐出圧力,圧縮比の関係を示す実負荷特性
図である。
圧力と圧縮比を表し、空調装置運転時の圧縮機運転速度
と吸入圧力,吐出圧力,圧縮比の関係を示す実負荷特性
図である。
【0052】図7は、横軸に圧縮室の容積変化を、縦軸
に圧縮室の圧力変化を表した従来スクロール気体圧縮機
のP−V線図(指圧線図)である。
に圧縮室の圧力変化を表した従来スクロール気体圧縮機
のP−V線図(指圧線図)である。
【0053】以上のように構成されたスクロール気体圧
縮機について、その動作を説明する。
縮機について、その動作を説明する。
【0054】図1〜図7において、モータ3によって駆
動軸4が回転駆動すると本体フレーム5のスラスト軸受
19に支持された旋回スクロール13が旋回運動をし、
圧縮機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を含んだ吸入
冷媒ガスが、吸入管33を経由して吸入室31に流入
し、旋回スクロール13と固定スクロール7との間に形
成された圧縮室2へと圧縮移送され、中央部の吐出口3
0,吐出室32を経てモータ3を冷却しながら吐出管
(図示なし)から圧縮機外部に排出される。
動軸4が回転駆動すると本体フレーム5のスラスト軸受
19に支持された旋回スクロール13が旋回運動をし、
圧縮機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を含んだ吸入
冷媒ガスが、吸入管33を経由して吸入室31に流入
し、旋回スクロール13と固定スクロール7との間に形
成された圧縮室2へと圧縮移送され、中央部の吐出口3
0,吐出室32を経てモータ3を冷却しながら吐出管
(図示なし)から圧縮機外部に排出される。
【0055】潤滑油を含んだ吐出冷媒ガスは、吐出室3
2から吐出管(図示なし)までの通路途中で分離され、
油溜11に収集する。吐出圧力が作用する油溜11の潤
滑油は、駆動軸4の一端に連結された給油ポンプ装置
(図示なし)により、駆動軸4の油穴12を経由して油
室15に送られ、その大部分が主軸受8を経由して油溜
11に帰還する一方、残りの潤滑油が旋回スクロール1
3に設けられた油通路21を経由して最終的に背面室C
16に流入する。
2から吐出管(図示なし)までの通路途中で分離され、
油溜11に収集する。吐出圧力が作用する油溜11の潤
滑油は、駆動軸4の一端に連結された給油ポンプ装置
(図示なし)により、駆動軸4の油穴12を経由して油
室15に送られ、その大部分が主軸受8を経由して油溜
11に帰還する一方、残りの潤滑油が旋回スクロール1
3に設けられた油通路21を経由して最終的に背面室C
16に流入する。
【0056】油通路21を流れる潤滑油は、その入口部
の絞り部A22で一次減圧され、その一部の潤滑油がバ
イパス油穴24を通じてスラスト軸受19に設けられた
環状の油溝25に流入し、残りの潤滑油が絞り部B23
で二次減圧された後、両経路を経た潤滑油は吸入室31
に通じている背面室C16に流入する。
の絞り部A22で一次減圧され、その一部の潤滑油がバ
イパス油穴24を通じてスラスト軸受19に設けられた
環状の油溝25に流入し、残りの潤滑油が絞り部B23
で二次減圧された後、両経路を経た潤滑油は吸入室31
に通じている背面室C16に流入する。
【0057】油通路21の潤滑油は、旋回スクロール1
3の旋回運動に伴ってバイパス油穴24が環状の油溝2
5に間欠的に連通する際の通路抵抗の影響を受ける。
3の旋回運動に伴ってバイパス油穴24が環状の油溝2
5に間欠的に連通する際の通路抵抗の影響を受ける。
【0058】すなわち、旋回速度が遅い時には油通路2
1の潤滑油が環状の油溝25に多く流入し、旋回速度が
速い時には油通路21の潤滑油が環状の油溝25に少な
く流入するように調整される。圧縮室2の冷媒ガス圧力
は、駆動軸4の主軸方向に旋回スクロール13を固定ス
クロール7から離反させようと作用する。
1の潤滑油が環状の油溝25に多く流入し、旋回速度が
速い時には油通路21の潤滑油が環状の油溝25に少な
く流入するように調整される。圧縮室2の冷媒ガス圧力
は、駆動軸4の主軸方向に旋回スクロール13を固定ス
クロール7から離反させようと作用する。
【0059】一方、旋回スクロール13のラップ支持円
板13bが吐出圧力の作用する背面室A20(環状シー
ル部材18で囲まれた内側部分)からの背圧を受けてい
る。
板13bが吐出圧力の作用する背面室A20(環状シー
ル部材18で囲まれた内側部分)からの背圧を受けてい
る。
【0060】したがって、旋回スクロール13を固定ス
クロール7から離反させようとする力と背圧力とが相殺
される。
クロール7から離反させようとする力と背圧力とが相殺
される。
【0061】その結果、旋回スクロール13の離反力よ
りも背圧力が大きい場合には、ラップ支持円板13bは
固定スクロール7の鏡板7aに支持され、反対の場合に
はスラスト軸受19に支持される。
りも背圧力が大きい場合には、ラップ支持円板13bは
固定スクロール7の鏡板7aに支持され、反対の場合に
はスラスト軸受19に支持される。
【0062】上述のいずれの場合にもラップ支持円板1
3bとその摺動面の間は微小隙間が保持されて、その摺
動面に供給された潤滑油によって油膜形成されており、
その摺動抵抗が軽減されている。
3bとその摺動面の間は微小隙間が保持されて、その摺
動面に供給された潤滑油によって油膜形成されており、
その摺動抵抗が軽減されている。
【0063】旋回スクロール13のラップ支持円板13
bが固定スクロール7の鏡板7aまたはスラスト軸受1
9のいずれに支持される場合でも、圧縮室2の隙間は微
小で、背面室C16,吸入室31を順次経て圧縮室2に
流入した潤滑油の油膜で密封されている。
bが固定スクロール7の鏡板7aまたはスラスト軸受1
9のいずれに支持される場合でも、圧縮室2の隙間は微
小で、背面室C16,吸入室31を順次経て圧縮室2に
流入した潤滑油の油膜で密封されている。
【0064】一方、スクロール気体圧縮機は容積比と冷
媒の特性から定まる圧縮比が一定なことから、圧縮機冷
時始動初期には多量の冷媒液が圧縮室2に流入して液圧
縮が生じることが有り、圧縮室2が異常圧力上昇して吐
出室32の圧力より高くなる。
媒の特性から定まる圧縮比が一定なことから、圧縮機冷
時始動初期には多量の冷媒液が圧縮室2に流入して液圧
縮が生じることが有り、圧縮室2が異常圧力上昇して吐
出室32の圧力より高くなる。
【0065】吸入室31と間欠的に連通する第1圧縮室
2aで液圧縮が生じた場合には、図3のように、鏡板7
aに設けた第1バイパス穴39aの出口側を閉塞する補
助バイパス弁装置42および第2バイパス小孔39b,
第3バイパス小孔39c,第4バイパス小孔39dの出
口側を閉塞するバイパス弁40のリード部40bが圧縮
進行に追従して順次開いて冷媒を吐出室32に流出さ
せ、圧縮室圧力を降下させる。
2aで液圧縮が生じた場合には、図3のように、鏡板7
aに設けた第1バイパス穴39aの出口側を閉塞する補
助バイパス弁装置42および第2バイパス小孔39b,
第3バイパス小孔39c,第4バイパス小孔39dの出
口側を閉塞するバイパス弁40のリード部40bが圧縮
進行に追従して順次開いて冷媒を吐出室32に流出さ
せ、圧縮室圧力を降下させる。
【0066】また、吐出口30と間欠的に連通する第2
圧縮室2bで液圧縮が生じた場合には、鏡板7aに設け
た第2バイパス小孔39b,第3バイパス小孔39c,
第4バイパス小孔39dの出口側を閉塞するバイパス弁
40の全体がコイルバネ41の付勢力に抗して開き冷媒
を吐出室32に流出させ、圧縮室圧力を降下させる。
圧縮室2bで液圧縮が生じた場合には、鏡板7aに設け
た第2バイパス小孔39b,第3バイパス小孔39c,
第4バイパス小孔39dの出口側を閉塞するバイパス弁
40の全体がコイルバネ41の付勢力に抗して開き冷媒
を吐出室32に流出させ、圧縮室圧力を降下させる。
【0067】なお、第2〜第4バイパス小孔(39b,
39c,39d)は旋回スクロールラップ13aの端面
によって同時に閉塞されることが無いように配置されて
いるので、バイパス弁40が一部連続的に必ず開通作動
する。
39c,39d)は旋回スクロールラップ13aの端面
によって同時に閉塞されることが無いように配置されて
いるので、バイパス弁40が一部連続的に必ず開通作動
する。
【0068】また、補助バイパス弁装置42およびバイ
パス弁40が開通作動するのは、圧縮室2で液圧縮が生
じる場合に限らない。すなわち、図6に示す如く、通常
の冷凍サイクル運転における吸入圧力は、圧縮機が低速
〜高速運転に変化するのに追従して低下する。一方、吐
出圧力は上昇して、圧縮比が上昇するのが一般的であ
る。
パス弁40が開通作動するのは、圧縮室2で液圧縮が生
じる場合に限らない。すなわち、図6に示す如く、通常
の冷凍サイクル運転における吸入圧力は、圧縮機が低速
〜高速運転に変化するのに追従して低下する。一方、吐
出圧力は上昇して、圧縮比が上昇するのが一般的であ
る。
【0069】したがって、補助バイパス弁装置42およ
びバイパス弁40が設置されない場合の圧縮機低速運転
時などの圧縮比は、定格負荷運転状態で設定された圧縮
比よりも小さくなって図7の斜線部分で示す如く過圧縮
状態となる。
びバイパス弁40が設置されない場合の圧縮機低速運転
時などの圧縮比は、定格負荷運転状態で設定された圧縮
比よりも小さくなって図7の斜線部分で示す如く過圧縮
状態となる。
【0070】このような場合には上述と同様に、第2バ
イパス小孔39b,第3バイパス小孔39c,第4バイ
パス小孔39dの出口側を閉塞するバイパス弁40のリ
ード部40bが順次開いて冷媒を吐出室32に流出さ
せ、2点鎖線99で示す如く、圧縮室圧力が途中降下し
て圧縮負荷が軽減する。
イパス小孔39b,第3バイパス小孔39c,第4バイ
パス小孔39dの出口側を閉塞するバイパス弁40のリ
ード部40bが順次開いて冷媒を吐出室32に流出さ
せ、2点鎖線99で示す如く、圧縮室圧力が途中降下し
て圧縮負荷が軽減する。
【0071】なお、一般的には、対称位置に配置された
圧縮室2(圧縮室A,圧縮室B)の各圧力は、圧縮室隙
間密封程度の差から互いに相違する。この圧縮室2の圧
力差は旋回スクロール13に自転力を与えて自転阻止部
材27に回転力を与えることになる。
圧縮室2(圧縮室A,圧縮室B)の各圧力は、圧縮室隙
間密封程度の差から互いに相違する。この圧縮室2の圧
力差は旋回スクロール13に自転力を与えて自転阻止部
材27に回転力を与えることになる。
【0072】しかし、補助バイパス弁装置42およびバ
イパス弁40が開通して圧縮負荷軽減する場合には、圧
縮室2(圧縮室A,圧縮室B)の圧力が吐出室32を介
して圧縮行程途中で瞬時的に均圧されて、圧縮室圧力差
が小さくなる。
イパス弁40が開通して圧縮負荷軽減する場合には、圧
縮室2(圧縮室A,圧縮室B)の圧力が吐出室32を介
して圧縮行程途中で瞬時的に均圧されて、圧縮室圧力差
が小さくなる。
【0073】また、バイパス吐出室36に排出された圧
縮途中冷媒ガスがバイパス通路38を経て吐出室32に
流出する際に、逆止弁装置35のリード弁35aが押し
上げられ、吐出口30と吐出室32との間が開通される
(図3参照)。
縮途中冷媒ガスがバイパス通路38を経て吐出室32に
流出する際に、逆止弁装置35のリード弁35aが押し
上げられ、吐出口30と吐出室32との間が開通される
(図3参照)。
【0074】吐出口30と開通直後の第2圧縮室2b内
の冷媒ガスは、逆止弁装置35のリード弁35aの開口
遅延のない状態で通路抵抗を受けることなく、円滑に吐
出室32に排出されるので、吐出口30内での過圧縮が
生じることは無い。
の冷媒ガスは、逆止弁装置35のリード弁35aの開口
遅延のない状態で通路抵抗を受けることなく、円滑に吐
出室32に排出されるので、吐出口30内での過圧縮が
生じることは無い。
【0075】一方、圧縮機高速運転時は吸入室31の圧
力が低下、吐出室32の圧力が上昇する結果、実際の冷
凍サイクル運転圧縮比がスクロール気体圧縮機設定圧縮
比よりも大きい圧縮状態(バイパス弁40が開通作動し
ない状態)となる。
力が低下、吐出室32の圧力が上昇する結果、実際の冷
凍サイクル運転圧縮比がスクロール気体圧縮機設定圧縮
比よりも大きい圧縮状態(バイパス弁40が開通作動し
ない状態)となる。
【0076】この状態では、第2圧縮室2bの容積が拡
大する過程で、しかも逆止弁装置35が吐出口30を閉
塞するまでの間に、吐出室32の冷媒ガスが吐出口30
を介して第2圧縮室2bに間欠的に逆流する。この逆流
冷媒ガスは第2圧縮室2bで再圧縮されて圧縮損失とな
る。
大する過程で、しかも逆止弁装置35が吐出口30を閉
塞するまでの間に、吐出室32の冷媒ガスが吐出口30
を介して第2圧縮室2bに間欠的に逆流する。この逆流
冷媒ガスは第2圧縮室2bで再圧縮されて圧縮損失とな
る。
【0077】しかしながら、吸入室31に供給された潤
滑油が吸入冷媒ガスと共に圧縮室を通過する際の油膜に
よって隣接する圧縮室隙間,渦巻き状溝13dとシール
部材13eとの隙間が密封されるので、吐出口30に開
通しない圧縮室への吐出冷媒ガスの逆流が阻止される。
滑油が吸入冷媒ガスと共に圧縮室を通過する際の油膜に
よって隣接する圧縮室隙間,渦巻き状溝13dとシール
部材13eとの隙間が密封されるので、吐出口30に開
通しない圧縮室への吐出冷媒ガスの逆流が阻止される。
【0078】すなわち、旋回スクロールラップ13aを
隔てて隣接する圧力の高い圧縮室から圧力の低い圧縮室
へ冷媒ガスが漏洩しょうとする際に、冷媒と潤滑油が渦
巻き状溝13dの底部とシール部材13eの底部との間
に流れ込み、その結果、シール部材13eが固定スクロ
ール7の鏡板7aに押し付けられ、旋回スクロールラッ
プ13aを隔てて隣接する圧縮室の間が密封される。
隔てて隣接する圧力の高い圧縮室から圧力の低い圧縮室
へ冷媒ガスが漏洩しょうとする際に、冷媒と潤滑油が渦
巻き状溝13dの底部とシール部材13eの底部との間
に流れ込み、その結果、シール部材13eが固定スクロ
ール7の鏡板7aに押し付けられ、旋回スクロールラッ
プ13aを隔てて隣接する圧縮室の間が密封される。
【0079】また、シール部材13eが鏡板7aに押し
付けられることによって、圧縮室内壁に付着する潤滑油
が掻き集められ(油掻き作用)、その潤滑油がシール部
材13eの幅Wより小径のバイパス穴39に供給充填さ
れバイパス穴39内に油膜が形成し潤滑油が保持され、
バイパス穴39に滞留する冷媒ガス量が少なくなる。
付けられることによって、圧縮室内壁に付着する潤滑油
が掻き集められ(油掻き作用)、その潤滑油がシール部
材13eの幅Wより小径のバイパス穴39に供給充填さ
れバイパス穴39内に油膜が形成し潤滑油が保持され、
バイパス穴39に滞留する冷媒ガス量が少なくなる。
【0080】この結果、バイパス穴39内に残留する冷
媒ガスの再膨張,再圧縮による圧縮損失は極めて少な
い。
媒ガスの再膨張,再圧縮による圧縮損失は極めて少な
い。
【0081】また、バイパス吐出室36が鏡板7aに凹
設されることによって第2バイパス小孔39b,第3バ
イパス小孔39c,第4バイパス小孔39dの通路が短
くなった結果、バイパス穴39内に残留する冷媒ガスの
再膨張,再圧縮による圧縮損失が無視できるまでに低減
されている。
設されることによって第2バイパス小孔39b,第3バ
イパス小孔39c,第4バイパス小孔39dの通路が短
くなった結果、バイパス穴39内に残留する冷媒ガスの
再膨張,再圧縮による圧縮損失が無視できるまでに低減
されている。
【0082】また、第2圧縮室2bが吐出口30と開通
した直後の圧縮冷媒ガス排出通路は狭く、しかも逆止弁
装置35の開口遅延が生じる。
した直後の圧縮冷媒ガス排出通路は狭く、しかも逆止弁
装置35の開口遅延が生じる。
【0083】したがって、吐出口30に開通直後の第2
圧縮室2b内の圧力が吐出室32よりも圧力上昇しよう
とする。
圧縮室2b内の圧力が吐出室32よりも圧力上昇しよう
とする。
【0084】しかしながら、バイパス穴39が旋回スク
ロールラップの先端によってその開口部が狭められてい
ないので、圧縮冷媒ガスの一部がバイパス穴39とバイ
パス弁40とを介してバイパス吐出室36に円滑に排出
され、第2圧縮室2b内の圧力が低下し、過剰な過圧縮
が回避され、圧縮入力が低減する。すなわち、バイパス
穴39は補助吐出口として作用する。
ロールラップの先端によってその開口部が狭められてい
ないので、圧縮冷媒ガスの一部がバイパス穴39とバイ
パス弁40とを介してバイパス吐出室36に円滑に排出
され、第2圧縮室2b内の圧力が低下し、過剰な過圧縮
が回避され、圧縮入力が低減する。すなわち、バイパス
穴39は補助吐出口として作用する。
【0085】その後、第2圧縮室2bと吐出口との開通
拡大と逆止弁装置35の開口が進行するのに伴って、圧
縮冷媒ガスは吐出口30とバイパス穴39から吐出室3
2に排出される。
拡大と逆止弁装置35の開口が進行するのに伴って、圧
縮冷媒ガスは吐出口30とバイパス穴39から吐出室3
2に排出される。
【0086】なお、実際の容積比(吸入容積と最終圧縮
室容積との割合)が圧縮機定格運転負荷条件に合わせて
設定されているので、バイパス穴39の開設位置が上述
の位置より大幅に吸入側に開設された場合は、旋回スク
ロールラップ13aがバイパス穴39を通過後の第2圧
縮室2bが吐出口30と開通するまでの圧縮室移動範囲
で、密閉空間になる。
室容積との割合)が圧縮機定格運転負荷条件に合わせて
設定されているので、バイパス穴39の開設位置が上述
の位置より大幅に吸入側に開設された場合は、旋回スク
ロールラップ13aがバイパス穴39を通過後の第2圧
縮室2bが吐出口30と開通するまでの圧縮室移動範囲
で、密閉空間になる。
【0087】その結果、過圧縮発生時の実質的な入力低
減効果が漸次少なくなっていく。また、バイパス穴39
の開設位置が上述の位置より吐出口30の側に近付けた
場合は、圧縮機高速運転時など、吸入圧力と吐出圧力と
の差圧が大きくて実負荷圧縮比が設定圧縮比よりも大き
い場合に、第2圧縮室2bが吐出口30と開通するまで
にバイパス穴39が旋回スクロールラップ13aによっ
て遮閉されることに成るので、バイパス作用も少なくな
る。第2圧縮室2bが吐出口30と開通する直前と直後
に生じる過圧縮を回避できなくなり、バイパス作用によ
る入力低減効果も漸次少なくなる。
減効果が漸次少なくなっていく。また、バイパス穴39
の開設位置が上述の位置より吐出口30の側に近付けた
場合は、圧縮機高速運転時など、吸入圧力と吐出圧力と
の差圧が大きくて実負荷圧縮比が設定圧縮比よりも大き
い場合に、第2圧縮室2bが吐出口30と開通するまで
にバイパス穴39が旋回スクロールラップ13aによっ
て遮閉されることに成るので、バイパス作用も少なくな
る。第2圧縮室2bが吐出口30と開通する直前と直後
に生じる過圧縮を回避できなくなり、バイパス作用によ
る入力低減効果も漸次少なくなる。
【0088】圧縮機高速,高負荷運転時には、吐出ガス
温度上昇によってコイルバネ41は温度上昇し、バイパ
ス弁40への付勢力を増加させて、バイパス吐出室36
の底面とバイパス弁40とのシール性能を向上してお
り、第2バイパス小孔39b,第3バイパス小孔39
c,第4バイパス小孔39dを介して吐出室32から第
2圧縮室2bへの冷媒ガス漏洩流入を少なくしている。
温度上昇によってコイルバネ41は温度上昇し、バイパ
ス弁40への付勢力を増加させて、バイパス吐出室36
の底面とバイパス弁40とのシール性能を向上してお
り、第2バイパス小孔39b,第3バイパス小孔39
c,第4バイパス小孔39dを介して吐出室32から第
2圧縮室2bへの冷媒ガス漏洩流入を少なくしている。
【0089】また一方、吸入圧力と吐出圧力との差圧が
小さくて実負荷圧縮比が設定圧縮比よりも小さく、圧縮
室2での過圧縮状態を回避させるべく第2〜第4バイパ
ス小孔(39b,39c,39d)とバイパス吐出室3
6との開通を必要とする圧縮機低速,低負荷運転時に
は、コイルバネ41の温度が低いのでバイパス弁40へ
の付勢力が弱く、バイパス弁40が素早く後退して第2
〜第4バイパス小孔(39b,39c,39d)の開通
が容易になり、圧縮室2での過圧縮回避が容易にでき、
入力が低減する。
小さくて実負荷圧縮比が設定圧縮比よりも小さく、圧縮
室2での過圧縮状態を回避させるべく第2〜第4バイパ
ス小孔(39b,39c,39d)とバイパス吐出室3
6との開通を必要とする圧縮機低速,低負荷運転時に
は、コイルバネ41の温度が低いのでバイパス弁40へ
の付勢力が弱く、バイパス弁40が素早く後退して第2
〜第4バイパス小孔(39b,39c,39d)の開通
が容易になり、圧縮室2での過圧縮回避が容易にでき、
入力が低減する。
【0090】なお、上記実施例ではバイパス穴39の第
2圧縮室2bへの開口部の大きさをシール部材13eよ
り小さくしたが、圧力負荷,運転速度,圧縮室への給油
量条件などに応じてシール部材13eの幅W相当まで広
げることができ、潤滑油の油膜形成によって実質的な圧
縮効率低下を招くことがない。また、第2〜第4バイパ
ス小孔(39b,39c,39d)を更に拡大した場合
は、第2〜第4バイパス小孔(39b,39c,39
d)内にそれぞれのバイパス小孔を潤滑油で塞ぐだけの
油膜形成ができなくなる。
2圧縮室2bへの開口部の大きさをシール部材13eよ
り小さくしたが、圧力負荷,運転速度,圧縮室への給油
量条件などに応じてシール部材13eの幅W相当まで広
げることができ、潤滑油の油膜形成によって実質的な圧
縮効率低下を招くことがない。また、第2〜第4バイパ
ス小孔(39b,39c,39d)を更に拡大した場合
は、第2〜第4バイパス小孔(39b,39c,39
d)内にそれぞれのバイパス小孔を潤滑油で塞ぐだけの
油膜形成ができなくなる。
【0091】また、シール部材13eのシール部幅を大
きく設定した場合は、シール部材13eがその背面(シ
ール溝底部側)からの潤滑油によって固定スクロール7
の鏡板7aへ強く押し付けられ、摩擦損失入力も増加す
る。したがって、第2〜第4バイパス小孔(39b,3
9c,39d)の大きさの適正範囲は、圧縮機冷凍能力
等に応じて適当な値に定まる。
きく設定した場合は、シール部材13eがその背面(シ
ール溝底部側)からの潤滑油によって固定スクロール7
の鏡板7aへ強く押し付けられ、摩擦損失入力も増加す
る。したがって、第2〜第4バイパス小孔(39b,3
9c,39d)の大きさの適正範囲は、圧縮機冷凍能力
等に応じて適当な値に定まる。
【0092】また、上記実施例では一対の第2圧縮室2
bに対して、それぞれ複数対のバイパス穴を圧力的に対
称な位置に配設したが、旋回スクロールラップと固定ス
クロールラップの渦巻き形状が完全に同一でない場合
や、バイパス穴の大きさ・形状が同一でない場合などの
バイパス穴位置の設定は、上記実施例の通りでなくとも
バイパス作用とその効果は同様に期待できる。
bに対して、それぞれ複数対のバイパス穴を圧力的に対
称な位置に配設したが、旋回スクロールラップと固定ス
クロールラップの渦巻き形状が完全に同一でない場合
や、バイパス穴の大きさ・形状が同一でない場合などの
バイパス穴位置の設定は、上記実施例の通りでなくとも
バイパス作用とその効果は同様に期待できる。
【0093】(実施例2)図8は実施例1の図5で示す
リード部40bを有するバイパス弁40の代わりに、環
状のバイパス弁40cを配置しても良い。このバイパス
弁40cは、バイパス弁40よりも第2〜第4バイパス
小孔(39b,39c,39d)を同時に開閉すること
ができる。圧縮機高速運転時のバイパス弁40cの開閉
応答性が良くなり、バイパス作用による圧縮入力低減効
果の向上を期待できる。
リード部40bを有するバイパス弁40の代わりに、環
状のバイパス弁40cを配置しても良い。このバイパス
弁40cは、バイパス弁40よりも第2〜第4バイパス
小孔(39b,39c,39d)を同時に開閉すること
ができる。圧縮機高速運転時のバイパス弁40cの開閉
応答性が良くなり、バイパス作用による圧縮入力低減効
果の向上を期待できる。
【0094】(実施例3)図9は実施例1の図4におけ
るバイパス穴39の開設位置を変えて4対のバイパス穴
391 を配置した例で、更に低圧縮比領域のバイパス作
用を図ったものである。
るバイパス穴39の開設位置を変えて4対のバイパス穴
391 を配置した例で、更に低圧縮比領域のバイパス作
用を図ったものである。
【0095】上記実施例では冷媒圧縮機について説明し
たが、酸素、窒素、ヘリウムなど他の気体を扱うスクロ
ール気体圧縮機についても、実施例と同様のバイパス作
用と効果を期待できる。
たが、酸素、窒素、ヘリウムなど他の気体を扱うスクロ
ール気体圧縮機についても、実施例と同様のバイパス作
用と効果を期待できる。
【0096】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
1記載の発明は、吐出口に最も近い一対の各圧縮室にそ
れぞれ開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス穴を固
定スクロールの鏡板に配置すると共に、バイパス穴を介
して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容し且つ
バイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設け
ると共に、各圧縮空間への給油手段を備えた構成におい
て、 バイパス穴を構成するそれぞれのバイパス小孔の
圧縮室への各開口部の大きさを、旋回スクロールラップ
の先端に設けた渦巻き状溝に遊合状態で配置された渦巻
き状のシール部材の摺接部幅より小さく設定し、それぞ
れのバイパス小孔の圧縮室への各開口部は、シール部材
によって、常時、完全に閉塞されない位置に配置された
ものである。
1記載の発明は、吐出口に最も近い一対の各圧縮室にそ
れぞれ開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス穴を固
定スクロールの鏡板に配置すると共に、バイパス穴を介
して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容し且つ
バイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設け
ると共に、各圧縮空間への給油手段を備えた構成におい
て、 バイパス穴を構成するそれぞれのバイパス小孔の
圧縮室への各開口部の大きさを、旋回スクロールラップ
の先端に設けた渦巻き状溝に遊合状態で配置された渦巻
き状のシール部材の摺接部幅より小さく設定し、それぞ
れのバイパス小孔の圧縮室への各開口部は、シール部材
によって、常時、完全に閉塞されない位置に配置された
ものである。
【0097】そして、この構成によれば、旋回スクロー
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量を少なく
できる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張
し再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できるの
で、バイパス穴を設けない圧縮機構と同レベルの圧縮効
率を確保することができる。また、圧縮室圧力が過圧縮
の場合の圧縮室から吐出室への圧縮気体のバイパス作用
と、シール部材によって旋回スクロールラップを隔てて
隣接する圧縮室間の短絡を生じることなく、密封作用も
同時に機能させることができる。更に、圧縮室が吐出口
に開通後も、全てのバイパス穴が吐出室に開通している
ので、バイパス穴が補助吐出口としても機能し、圧縮室
での圧縮完了気体の一部を円滑に吐出室に排出させ、吐
出口に開通状態の圧縮室および吐出口での過圧縮を回避
して圧縮入力低減を図ることができるなど、圧縮途中行
程から圧縮気体排出行程までの広範囲に渡る過圧縮の低
減を図りながら圧縮効率の確保も図ることができる。
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量を少なく
できる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張
し再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できるの
で、バイパス穴を設けない圧縮機構と同レベルの圧縮効
率を確保することができる。また、圧縮室圧力が過圧縮
の場合の圧縮室から吐出室への圧縮気体のバイパス作用
と、シール部材によって旋回スクロールラップを隔てて
隣接する圧縮室間の短絡を生じることなく、密封作用も
同時に機能させることができる。更に、圧縮室が吐出口
に開通後も、全てのバイパス穴が吐出室に開通している
ので、バイパス穴が補助吐出口としても機能し、圧縮室
での圧縮完了気体の一部を円滑に吐出室に排出させ、吐
出口に開通状態の圧縮室および吐出口での過圧縮を回避
して圧縮入力低減を図ることができるなど、圧縮途中行
程から圧縮気体排出行程までの広範囲に渡る過圧縮の低
減を図りながら圧縮効率の確保も図ることができる。
【0098】請求項2記載の発明は、吐出口に最も近い
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、そのバイパス
穴を介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容
し且つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板
に設けると共に、各圧縮空間への給油手段を備えた構成
において、 バイパス穴を構成するそれぞれのバイパス
小孔の圧縮室への各開口部の大きさを、旋回スクロール
ラップの先端に設けた渦巻き状溝に遊合状態で配置され
た渦巻き状のシール部材の摺接部幅より小さく設定し、
それぞれのバイパス小孔の圧縮室への各開口部は、圧縮
室が吐出口に開通しない状態でシール部材によって、常
時、完全に閉塞されず、且つ、少なくとも圧縮室が吐出
口に開通直後の状態で、旋回スクロールラップの先端に
よって各開口部の開口面積が狭められない位置に配置さ
れたものである。
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、そのバイパス
穴を介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容
し且つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板
に設けると共に、各圧縮空間への給油手段を備えた構成
において、 バイパス穴を構成するそれぞれのバイパス
小孔の圧縮室への各開口部の大きさを、旋回スクロール
ラップの先端に設けた渦巻き状溝に遊合状態で配置され
た渦巻き状のシール部材の摺接部幅より小さく設定し、
それぞれのバイパス小孔の圧縮室への各開口部は、圧縮
室が吐出口に開通しない状態でシール部材によって、常
時、完全に閉塞されず、且つ、少なくとも圧縮室が吐出
口に開通直後の状態で、旋回スクロールラップの先端に
よって各開口部の開口面積が狭められない位置に配置さ
れたものである。
【0099】そして、この構成によれば、旋回スクロー
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量を少なく
できる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張
し再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できるの
で、バイパス穴を設けない圧縮機構と同レベルの圧縮効
率を確保することができる。また、圧縮室圧力が過圧縮
の場合の圧縮室から吐出室への圧縮気体のバイパス作用
と、シール部材によって旋回スクロールラップを隔てて
隣接する圧縮室間の短絡を生じることなく、密封作用も
同時に機能させることができる。更に、吐出口に開通直
後の圧縮室と吐出口との間の通路が狭い状態でも、バイ
パス穴の圧縮室への開口面積が狭められていないので、
圧縮室の圧縮完了気体の一部を迅速且つ円滑に吐出室に
排出させ、吐出口に開通状態の圧縮室の過圧縮を回避し
て圧縮入力低減を図ることができる。
ルラップ先端の渦巻き状溝底とシール部材との間に入り
込んだ圧縮気体圧力によってシール部材が鏡板に軸方向
に押し付けられ、バイパス穴が開口する圧縮室壁面に付
着する潤滑油がシール部材によって掻き集められ、バイ
パス穴に充填され、バイパス穴内に油膜が形成され潤滑
油が保持され、バイパス穴内の残留圧縮ガス量を少なく
できる。その結果、バイパス穴内の残留圧縮ガスが膨張
し再圧縮されることによる圧縮効率低下を防止できるの
で、バイパス穴を設けない圧縮機構と同レベルの圧縮効
率を確保することができる。また、圧縮室圧力が過圧縮
の場合の圧縮室から吐出室への圧縮気体のバイパス作用
と、シール部材によって旋回スクロールラップを隔てて
隣接する圧縮室間の短絡を生じることなく、密封作用も
同時に機能させることができる。更に、吐出口に開通直
後の圧縮室と吐出口との間の通路が狭い状態でも、バイ
パス穴の圧縮室への開口面積が狭められていないので、
圧縮室の圧縮完了気体の一部を迅速且つ円滑に吐出室に
排出させ、吐出口に開通状態の圧縮室の過圧縮を回避し
て圧縮入力低減を図ることができる。
【0100】請求項3記載の発明は、各圧縮室に開口す
る複数個のバイパス小孔が、圧縮進行方向に従って順次
開弁されるべく、複数個のバイパス小孔を共通の弁部で
開閉するバイパス弁のリード弁部の先端を圧縮進行方向
とは反対の方向に向けて配置したもので、この構成によ
れば、リード弁部の先端部分を吐出口に最も遠いバイパ
ス小穴を開閉する構成にでき、過圧縮が少ない状態でも
バイパス弁の開弁を容易にし、迅速なバイパス作用によ
る圧縮入力低減を図ることができる。
る複数個のバイパス小孔が、圧縮進行方向に従って順次
開弁されるべく、複数個のバイパス小孔を共通の弁部で
開閉するバイパス弁のリード弁部の先端を圧縮進行方向
とは反対の方向に向けて配置したもので、この構成によ
れば、リード弁部の先端部分を吐出口に最も遠いバイパ
ス小穴を開閉する構成にでき、過圧縮が少ない状態でも
バイパス弁の開弁を容易にし、迅速なバイパス作用によ
る圧縮入力低減を図ることができる。
【0101】請求項4記載の発明は、吐出口に最も近い
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、バイパス穴を
介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容し且
つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設
けた構成において、バイパス穴を同時に開閉すべく、吐
出口を囲む環状形状のバイパス弁を配設したもので、こ
の構成によれば、一方または両方の圧縮室で過圧縮が発
生した場合や圧縮室が吐出口に通じた状態で、バイパス
穴が同時に開弁させることによって、一対の圧縮室の圧
力を同じにし、圧縮トルク変動を少なくし、圧縮機振動
を低減できる。
一対の各圧縮室にそれぞれ開口し且つ他端が吐出室に通
じるバイパス穴を鏡板に配置すると共に、バイパス穴を
介して各圧縮室から吐出室へのみの流体排出を許容し且
つバイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁を鏡板に設
けた構成において、バイパス穴を同時に開閉すべく、吐
出口を囲む環状形状のバイパス弁を配設したもので、こ
の構成によれば、一方または両方の圧縮室で過圧縮が発
生した場合や圧縮室が吐出口に通じた状態で、バイパス
穴が同時に開弁させることによって、一対の圧縮室の圧
力を同じにし、圧縮トルク変動を少なくし、圧縮機振動
を低減できる。
【0102】請求項5記載の発明は、底面にバイパス穴
が開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス吐出室を吐
出口を囲んで固定スクロールの鏡板に凹設し、そのバイ
パス吐出室にバイパス弁を配置し、吐出口の出口側を開
閉する逆止弁装置をバイパス弁より吐出室側の鏡板に配
置したもので、この構成によれば、バイパス弁と逆止弁
装置が干渉することがないので、過圧縮防止と補助吐出
口の両方を兼ねたバイパス穴を最適位置に配設し、バイ
パス効果を一層高めることができる。
が開口し且つ他端が吐出室に通じるバイパス吐出室を吐
出口を囲んで固定スクロールの鏡板に凹設し、そのバイ
パス吐出室にバイパス弁を配置し、吐出口の出口側を開
閉する逆止弁装置をバイパス弁より吐出室側の鏡板に配
置したもので、この構成によれば、バイパス弁と逆止弁
装置が干渉することがないので、過圧縮防止と補助吐出
口の両方を兼ねたバイパス穴を最適位置に配設し、バイ
パス効果を一層高めることができる。
【図1】本発明のスクロール気体圧縮機の一実施例の部
分縦断面図
分縦断面図
【図2】同要部拡大縦断面図
【図3】同要部拡大縦断面図
【図4】図1におけるA−A線に沿った断面図
【図5】バイパス弁の外観図
【図6】圧縮機運転速度と圧力の関係を示す特性図
【図7】圧縮室の容積変化と圧力変化状態を示す特性図
【図8】別の実施例のバイパス弁の外観図
【図9】別の実施例のバイパス穴の配置図
2 圧縮室 2b 第2圧縮室 4 駆動軸 5 本体フレーム 7 固定スクロール 7a 鏡板 7b 固定スクロールラップ 13 旋回スクロール 13a 旋回スクロールラップ 13b ラップ支持円板 13d 渦巻き状溝 13e シール部材 19 スラスト軸受 27 自転阻止部材 30 吐出口 31 吸入室 32 吐出室 35 逆止弁装置 35a リード弁 35b 弁押え 36 バイパス吐出室 38 バイパス通路 39a 第1バイパス穴 39b 第2バイパス小孔 39c 第3バイパス小孔 39d 第4バイパス小孔 40 バイパス弁 40c バイパス弁
Claims (5)
- 【請求項1】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板
上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した形
状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両ス
クロール間に渦巻き形の一対の圧縮空間を形成し、前記
固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口
を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を
設け、駆動軸と係合する前記ラップ支持円板と、前記固
定スクロールを締結し且つ前記駆動軸を支持する本体フ
レームとに係合する前記旋回スクロールの自転阻止部材
を介して、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに
対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸
入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に
区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧
縮機構を形成し、前記吐出口に最も近い一対の各圧縮室
にそれぞれ開口し且つ他端が前記吐出室に通じるバイパ
ス穴を前記鏡板に配置すると共に、前記バイパス穴を介
して前記各圧縮室から前記吐出室へのみの流体排出を許
容し且つ前記バイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁
を前記鏡板に設けると共に、前記各圧縮空間への給油手
段を備えた構成において、 前記バイパス穴を構成する
それぞれのバイパス小孔の前記圧縮室への各開口部の大
きさを、前記旋回スクロールラップの先端に設けた渦巻
き状溝に遊合状態で配置された渦巻き状のシール部材の
摺接部幅より小さく設定し、前記それぞれのバイパス小
孔の前記圧縮室への前記各開口部は、前記シール部材に
よって、常時、完全に閉塞されない位置に配置されたス
クロール気体圧縮機。 - 【請求項2】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板
上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した形
状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両ス
クロール間に渦巻き形の一対の圧縮空間を形成し、前記
固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口
を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を
設け、駆動軸と係合する前記ラップ支持円板と、前記固
定スクロールを締結し且つ前記駆動軸を支持する本体フ
レームとに係合する前記旋回スクロールの自転阻止部材
を介して、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに
対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸
入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に
区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧
縮機構を形成し、前記吐出口に最も近い一対の各圧縮室
にそれぞれ開口し且つ他端が前記吐出室に通じるバイパ
ス穴を前記鏡板に配置すると共に、前記バイパス穴を介
して前記各圧縮室から前記吐出室へのみの流体排出を許
容し且つ前記バイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁
を前記鏡板に設けると共に、前記各圧縮空間への給油手
段を備えた構成において、 前記バイパス穴を構成する
それぞれのバイパス小孔の前記圧縮室への各開口部の大
きさを、前記旋回スクロールラップの先端に設けた渦巻
き状溝に遊合状態で配置された渦巻き状のシール部材の
摺接部幅より小さく設定し、前記それぞれのバイパス小
孔の前記圧縮室への前記各開口部は、前記圧縮室が前記
吐出口に開通しない状態で前記シール部材によって、完
全に閉塞されず、且つ、少なくとも前記圧縮室が前記吐
出口に開通直後の状態で、前記旋回スクロールラップの
先端によって前記各開口部の開口面積が狭められない位
置に配置されたスクロール気体圧縮機。 - 【請求項3】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板
上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した形
状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両ス
クロール間に渦巻き形の一対の圧縮空間を形成し、前記
固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口
を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を
設け、駆動軸と係合する前記ラップ支持円板と、前記固
定スクロールを締結し且つ前記駆動軸を支持する本体フ
レームとに係合する前記旋回スクロールの自転阻止部材
を介して、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに
対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸
入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に
区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧
縮機構を形成し、前記吐出口に最も近い一対の各圧縮室
にそれぞれ開口し且つ他端が前記吐出室に通じるバイパ
ス穴を前記鏡板に配置すると共に、前記バイパス穴を介
して前記各圧縮室から前記吐出室へのみの流体排出を許
容し且つ前記バイパス穴の出口側を開閉するバイパス弁
を前記鏡板に設けると共に、前記バイパス穴を構成する
それぞれのバイパス小孔を前記各圧縮室に複数個設けた
構成において、 前記各圧縮室に開口する前記複数個の
前記バイパス小孔が、圧縮進行方向に従って順次開弁さ
れるべく、前記複数個の前記バイパス小孔を共通の弁部
で開閉する前記バイパス弁のリード弁部の先端を圧縮進
行方向とは反対の方向に向けて配置したスクロール気体
圧縮機。 - 【請求項4】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一
面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラッ
プに対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円
板上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した
形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両
スクロール間に渦巻き形の一対の圧縮空間を形成し、前
記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出
口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室
を設け、駆動軸と係合する前記ラップ支持円板と、前記
固定スクロールを締結し且つ前記駆動軸を支持する本体
フレームとに係合する前記旋回スクロールの自転阻止部
材を介して、前記旋回スクロールが前記固定スクロール
に対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が
吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室
に区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール
圧縮機構を形成し、前記吐出口に最も近い一対の各圧縮
室にそれぞれ開口し且つ他端が前記吐出室に通じるバイ
パス穴を前記鏡板に配置すると共に、前記バイパス穴を
介して前記各圧縮室から前記吐出室へのみの流体排出を
許容し且つ前記バイパス穴の出口側を開閉するバイパス
弁を前記鏡板に設けた構成において、前記バイパス穴を
同時に開閉すべく、前記吐出口を囲む環状の弁体を備え
た前記バイパス弁を配設したスクロール気体圧縮機。 - 【請求項5】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一
面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラッ
プに対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円
板上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した
形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両
スクロール間に渦巻き形の一対の圧縮空間を形成し、前
記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出
口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室
を設け、駆動軸と係合する前記ラップ支持円板と、前記
固定スクロールを締結し且つ前記駆動軸を支持する本体
フレームとに係合する前記旋回スクロールの自転阻止部
材を介して、前記旋回スクロールが前記固定スクロール
に対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が
吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室
に区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール
圧縮機構を形成し、前記吐出口に最も近い一対の各圧縮
室にそれぞれ開口し且つ他端が前記吐出室に通じるバイ
パス穴を前記鏡板に配置すると共に、前記バイパス穴を
介して前記各圧縮室から前記吐出室へのみの流体排出を
許容し且つ前記バイパス穴の出口側を開閉するバイパス
弁を前記鏡板に設けた構成において、底面に前記バイパ
ス穴が開口し且つ他端が前記吐出室に通じるバイパス吐
出室を前記吐出口を囲んで前記固定スクロールの前記鏡
板に凹設し、前記バイパス吐出室に前記バイパス弁を配
置し、前記吐出口の出口側を開閉する逆止弁装置を前記
バイパス弁より吐出室側の鏡板に配置したスクロール気
体圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000211066A JP2001041183A (ja) | 2000-01-01 | 2000-07-12 | スクロール気体圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000211066A JP2001041183A (ja) | 2000-01-01 | 2000-07-12 | スクロール気体圧縮機 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8026394A Division JPH09217690A (ja) | 1995-12-05 | 1996-02-14 | スクロール気体圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001041183A true JP2001041183A (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=18707240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000211066A Pending JP2001041183A (ja) | 2000-01-01 | 2000-07-12 | スクロール気体圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001041183A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023842A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Mitsubishi Electric Corp | スクロール圧縮機 |
CN102042224A (zh) * | 2009-10-14 | 2011-05-04 | 松下电器产业株式会社 | 涡旋式压缩机 |
CN108716465A (zh) * | 2018-04-02 | 2018-10-30 | 广州万宝集团压缩机有限公司 | 一种具有单向阀功能的密封结构和涡旋压缩机 |
-
2000
- 2000-07-12 JP JP2000211066A patent/JP2001041183A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023842A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Mitsubishi Electric Corp | スクロール圧縮機 |
JP4624201B2 (ja) * | 2005-07-13 | 2011-02-02 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
CN102042224A (zh) * | 2009-10-14 | 2011-05-04 | 松下电器产业株式会社 | 涡旋式压缩机 |
CN108716465A (zh) * | 2018-04-02 | 2018-10-30 | 广州万宝集团压缩机有限公司 | 一种具有单向阀功能的密封结构和涡旋压缩机 |
CN108716465B (zh) * | 2018-04-02 | 2019-06-25 | 广州万宝集团压缩机有限公司 | 一种具有单向阀功能的密封结构和涡旋压缩机 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |