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JP2000517513A - 多重搬送波伝送システムの改良 - Google Patents

多重搬送波伝送システムの改良

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JP2000517513A
JP2000517513A JP10512561A JP51256198A JP2000517513A JP 2000517513 A JP2000517513 A JP 2000517513A JP 10512561 A JP10512561 A JP 10512561A JP 51256198 A JP51256198 A JP 51256198A JP 2000517513 A JP2000517513 A JP 2000517513A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、高位QAM配列を持つ直交搬送波を使って、1搬送波及び記号につき複数のビットを送信する多重搬送波伝送システム、例えばDMTベースVDSLシステムを提供する。このシステムは、デジタル受信器及び送信機ユニットを持ち、受信機ユニットには、記号検出器がある。特徴は、このシステムが各単一の搬送波に関するパラメータを求めるため適用されていることで、このパラメータは、受信した信号の対応する配列ポイントからの偏向を示している。パラメータを上下限と比較し、パラメータが限度外である場合は、搬送波を変調するため使用している配列を隣の配列に変更する。記号検出器は、比d22であるパラメータを決定するために用いられる。ここで、dは隣り合った配列の最短距離、σは標準偏向、σ2は記号検出器の入出力信号値の偏向の分散である。

Description

【発明の詳細な説明】 多重搬送波伝送システムの改良 本発明は、高位QAM配列をもつ直交搬送波を使って1搬送波及び記号につき複 数のビットを伝送する多重搬送波伝送システム、及び多重搬送波伝送システムの ビットローディングの決定方法に関する。 遠距離通信ネットワークを通したマルチメディア及びその他の帯域幅サービス の提供に対する要望が、銅ペアケーブルを通して高ビット速度のトラフィックを 送信する必要性を生み出した。この要件がADSLやVDSL等の多数の異なる送信スキ ームの開発に導いている。これらの送信スキームに対する有望な変調システムの 1つが、DMT(discrete multi-tonc:離散マルチトーン)として知られるライン コードであり、それは直交周波数分割マルチプレクスに似たところがある広帯域 伝送技術である。 離散マルチトーン送信においては、利用できる帯域幅は、各々が小さな帯域幅 、おそらく、4kHzを有する複数のサブチャネルに分割される。トラフィックは各 サブチャネルの雑音電力と伝送損失に依存して、異なるサブチャネルに割り当て られる。各々のチャネルは11データビットまで表わすことができる多重レベルの パルスを搬送する。品質の良くないチャネルは少ないビットしか搬送しないか、 あるいは完全に止められるかもしれない。 データが両方向に送信される場合、つまり、対称二重通信システムの場合、銅 ペアケーブルのペア間干渉が高くなるので、多数の送信スキームは、高いデータ 速度での送信が一方向のみに行なわれる非対称スキームの使用を提案している。 このようなスキームは要求に応じたビデオ(video-on-demand)等の高い帯域幅 サービスに対する要望の多くを満たすが、長期的には、対称二重通信システムが 要求されると思われる。 VDSL技術はADSLに大きく類似しているが、ADSLはより大きな動的範囲の要求を 満たさなければならず、その結果かなり複雑である。VDSLは費用が安く、電力が 低いため構内VDSLユニットは上流向データの多重化のために、物理的層メ ディアアクセス制御を実施する必要がある。 4つのラインコードがVDSLのために提案されている: ‐CAP;キャリヤレスAM/PM、すなわち抑圧搬送波QAMバージョン、受動的NT構 成の場合、CAPは多重化のために上流のQPSKとTDMAタイプを使用するであろう( 但し、CAPは上流向多重化に対するFDMアプローチを妨げない); ‐DMT;離散マルチトーン、受動的NT構成の場合、個々の搬送波を作り出し、 復調するために、離散フーリエ変換を使用する多重搬送波システム;DMTは上流 向多重化のためにFDMを使用するであろう(但し、DMTはTDMA多重化戦略を妨げな い); ‐DWMT;離散ウェーブレットマルチトーン、個々の搬送波を作り出し、復調す るために、ウェーブレット変換を使用する多重搬送波システム、DWMTは更に上流 多重化のためにFDMも使用するが、TDMAも許容する;及び ‐SLC;シンプルラインコード、受動的NT構成の場合、ベースバンドをフィル タリングし、それを受信機で再生する4レベルのベースバンドシグナリングバー ジョン;FDMも可能であるが、SLCは上流多重化のためにTDMAを最も好ましく使用 することになる。 VDSLの初期のバージョンは、上流向チャネルから下流向チャネルを分離し、ま たPOTS及びISDNからその両方のチャネルを分離するために、周波数分割多重化を 使用する。対称的データ速度を特徴とする後世代のシステムに対しては、エコー 取消しが必要であるかもしれない。周波数における実質的な隔たりは、最低のデ ータチャネルとPOTSとの間において維持され、これにより非常に簡単で費用効果 的なPOTSスプリッタが可能になる。典型的な実践では、上流向チャネルの上に下 流向チャネルが位置付けられるであろう。しかしながら、DAVIC仕様はこの順序 を逆にして、同軸ケーブルシステムを通したVDSL信号の構内分配を可能にする。 1搬送波及び記号につき複数のビットを送信するために、高位QAM配列を持つ 直交搬送波を使用する最新の多重搬送波技術は、個々の搬送波に適した配列(ビ ットローディング)を決めるためある方法を使っている。これは、通常、各搬送 波のSN比(SNR)及び最大許容記号エラー率の推定に基づいている。 本発明の目的は、多重搬送波伝送システムにおいて、全ての信号が記号検出器 入出力で同スケールに正規化されるという事実を利用したビットローディングの 簡単な算定方法を提供することである。 本発明の他の目的としては、各搬送波に適した配列(ビットローディング)が 決まる多重搬送波伝送システムを提供し、全ての信号が記号検出器入出力で同ス ケールに正規化されるという事実を利用してビットローディングを決定すること である。 本発明の第一の態様によれば、1搬送波及び記号につき複数のビットを伝送す るために、高位QAM配列を持つ直交搬送波を使用する多重搬送波伝送システムを 提供する。このシステムは、デジタル受信機及び送信機ユニットを持ち、受信器 ユニットは、記号検出器を持っている。このシステムの特徴は、対応する配列ポ イントからの受信信号の偏差を表す各搬送波のパラメータを決め、パラメータを 上下限と比較し、パラメータが限度外である場合は、搬送波を変調するため用い る配列を隣の配列に変更するためにシステムが用いられることである。記号検出 器は、搬送波に対するパラメータを決めるために使用できる。 上記のパラメータは、d22比とできる。ここで、dは隣り合った配列間の 最短距離で、σは標準偏差、σ2は上記記号検出器の入出力信号値の偏差の分散 である。 記号検出器は、特定の配列ポイントの周辺範囲内で、そこに与えられた入力信 号をこのポイントの別個の値に対応付けるために使用できる。この別個の値は、 この記号検出器の出力の値である。また、搬送波の入出力間の差を測定するため に使用できる。この差を2乗し平均して、搬送波の変調に使用された配列に対す る2乗距離d2と同じ単位で表されるσ2の推定値が得られる。 上記記号検出器の入出力信号値間の差は、その値が変動し、その分散は、搬送 波に対する外乱の大きさで、SNRに正比例する。分散はSNRに比例する。 特定の配列に対するこの分散の上限は、最大許容記号エラー率により求められ 、下限は、次に大きい配列の上限と等しくなる。 特定の最大記号エラー率から、d/σの最小比率が得られる。 本発明の第2の態様によれば、1搬送波及び記号について複数のビットを伝送 するために高位QAM配列を持つ直交搬送波を使う多重搬送波伝送システムにおい て、デジタル受信機及び送信機ユニットを含むシステム、記号検出器を含む受信 器ユニット、各単一搬送波の配列(ビットローディング)を決める方法が提供さ れる。この方法の特徴としては、各単一搬送波のパラメータを決定するステップ があり、そのパラメータが対応する配列ポイントからの受信信号の偏差を表すこ と、パラメータを上下限と比較するステップがあり、パラメータが限度外の場合 は、その搬送波について、配列を隣の配列に変更するステップがあることである 。 好適な方法では、各搬送波のパラメータの決定は、この記号検出器により行わ れ、パラメータはd22比である。ここで、dは隣り合った配列間の最短距離 で、σは標準偏差であり、σ2は上記記号検出器の入出力信号値の偏差の分散で ある。 好適な方法によると、搬送波のパラメータを決定するためのステップとして、 上記の記号検出器への入力信号を、特定の配列ポイント周辺の範囲内で、この点 の別の値に対応させる。この別の値は記号検出器の出力値である。次に、搬送波 に対する記号検出器の入出力信号間の差を測定する。この差は2乗、平均し、搬 送波を変調するのに使用される配列に関する2乗距離d2と同じ単位で表される σ2の値の推定値が得られる。記号検出器の入出力信号値間の差は、変動し、そ の分散は、搬送波に対する外乱の大きさで、SNRに正比例する。分散はSNRに比例 する。 好適な方法によると、特定の配列に対する上記分散の上限は、最大許容記号エ ラー率によって決められ、下限は、次に大きい配列の上限に等しい。特定の最大 記号エラー率により、最低d/σ比が得られる。 本発明の第3の態様により、1搬送波及び記号につき複数のビットを伝送する ために、高位QAM配列を持つ直交搬送波を使用する多重搬送波伝送システムを提 供する。このシステムは、デジタル受信機及び送信機ユニットを持ち、受信器ユ ニットは、記号検出器を持っている。このシステムの特徴は、各単一搬送波の配 列を求めるために前項で述べたような方法を使うことである。 多重搬送波伝送システムは、例えばDMTベースのVDSLシステムのような、 DMTシステムとすることができる。 以下の記述と添付図を参照することにより、本発明の上述した特徴及びその他 の特徴をよりよく理解できるであろう。 図1は非対称通信システムを概略的に示す。 図2はDMTシステムを概略的に示す。 図3は非対称DMT通信システムにおいて使用されるチャネル分離をグラフ的に 示す。 図4は本発明が関係するマルチトーン搬送波システムモデムの基本的ブロック を概略的に示す。 図5は実装を容易にするために、図4に図示したマルチトーン搬送波システム モデムの分割を概略的に示す。 図6は銅ペアケーブルのスペクトル割り当てをグラフ的に示す。 図7はここで説明するマルチトーン搬送波システムにおいて使用されるフレー ム構造を概略的に示す。 図8は図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のアナログインター フェイスを概略的に示す。 図9はここで説明するマルチトーン搬送波システム用の、周波数に対するSN( signal-to-noisc)比の依存状態をグラフ的に示す。 図10は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される FFTアルゴリズムを概略的に示す。 図11は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される 、フレーム相関原理を概略的に示す。 図12は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムと共に使用するため の相関器を概略的に示す。 図13は、図12の相関器において使用される平均器を概略的に示す。 図14は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムと共に使用するため の、相関位置検出器を概略的に示す。 図15は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される 、 同期化ユニットの概観を概略的に示す。 図16は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される 、FFT/IFFTユニットの概観を概略的に示す。 図17は、サイクリックプレフィックスの使用を概略的に示す。 図18は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用するた めの、決定指示チャネル推定と等化システムを概略的に示す。 図19はb=6である場合の、QAMエンコーディングを示す。 図20は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される 、ビットローディング因数とエネルギーローディング因数の計算の実現を概略的 に示す。 図21は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される 、システムコントローラインターフェイスの概観を概略的に示す。 図22は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムの2つが、マルチト ーン搬送波伝送システムを作成するために相互接続される方法を概略的に示す。 図23は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される ベクトル管理システムを概略的に示す。 図24はBSIの長さを示す。 図25は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムに対する、BSI割り 込み用のNU SCロード分配を概略的に示す。 図26は図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のSUSパターンを示 す。 図27は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のDASパターンを 概略的に示す。 図28は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のウェイクアップ 信号を概略的に示す。 図29から31は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のセットア ップシーケンスを示す。 図32は、VDSLモデムアプリケーションネットワークインターフェイス用のネ ットワーク概観を概略的に示す。 本発明の理解を容易にするために、本特許明細書において使用した略語の語源 又は意味を以下に記載する: ADC:アナログ・ディジタル変換器 AIS:アラーム・イン・シグナル(信号内アラーム) ASIC:アプリケーション特有の集積回路 BPSK:バイナリ位相シフトキーイング BSI: ベース同期化間隔 BSI-D:ダウンリンク接続用のBSI BSI-U:アップリンク接続用のBSI CCH:制御チャネル CM1:搬送波モード1、ビットロードされ使用された搬送波 CM2:搬送波モード2、マスクアウトまたは不許可にされた搬送波 CM3:搬送波モード3、ゼロビットローディングが許可された搬送波 CP:サ イクリックプレフィックス DAC:ディジタル・アナログ変換器 DAS:DF3フレームシーケンス DF1:データフレーム、ランダムデータ並列CCH DF2:データフレーム、ランダムデータ1CCH DF3:データフレーム、完全にビットロードされた1CCH DMT:離散マルチトーン DWMT:離散ウェーブレットマルチトーン EMC:電磁適合性 FEC:フォワードエラー修正 FEXT:遠端漏話 FFT:高速フーリエ変換 FITN:ノードへのファイバ(Fibre To The Node) G1 MUSIC:第一世代、プロトタイプシステム(vmeベース) G2 MUSIC:3+2ASIC実装 G3 MUSIC:2チップシリコン実装 IFFT:逆高速フーリエ変換 IIR:無限大インパルス応答 ISDN:ディジタルネットワークに対する国際基準 ISI:記号間干渉 JTAG:ジョイントテストアクショングループ LEX:市内交換 LP:低域 NT:ネットワークターミナル NU:ネットワークユニット OFDM:直交周波数分割多重化 ONU:光ネットワークユニット PGA:プログラム可能利得減衰器 POTS:古典的電話サービス QAM:直角振幅変調 SC:システムコントローラ SDH:同期ディジタル階層 SF:同期フレーム SNR:SN比 STB:設定されたトップボックス SUS:同期フレームシーケンス SUS1:SF及びDF1フレームシーケンス SUS2:SF及びDF2フレームシーケンス TA:時間進行 TDMA:時分割多重アクセス UTP:シールドされていない撚り線ペアケーブル VCXO:電圧制御されたクリスタル発振器 VDSL:ビット速度のディジタル加入者ライン 本発明に関するシステムは、便利さのために、設置された銅ネットワーク用の 多重搬送波システムMUSICと称する。MUSICは広帯域マルチメディアサービスを支 えるための電話銅線ペアケーブルを通した高速通信を提供するためのものである 。 本明細書及び同日付同一出願人による特許出願の明細書において説明されてい るMUSICシステムは、シリコンによる費用効率的かつ丈夫な加入者実装を提供し 、既存の市内電話ネットワークで使用するために、銅ケーブル(<1300メートル )を通した26:2または13:2Mbpsの非対称送信を提供する。 MUSICシステムは、各々が多くのユーザに供給する光ファイバを使用して、ユ ーザの家庭付近のキャビネットまでFibre To The Node(FTNN)として知られる ネットワークコンセプトを使用してアクセスできる。従って、MUSIC用のケーブ ル長の仕様を1300メートルまでに制限することができる。 MUSICシステムは基本的に、加入者への下流向高ビット速度信号(26Mbps)と 、加入者からの上流向低ビット速度信号(2Mbps)の送信のためのものである。 図1はMUSICシステムを図示している。ネットワークユニットNUは光ファイバ リンク(FITN)によって固定ネットワークに接続される。マルチメディアアプリ ケーション、例えば、ビデオ・オン・ディマンド(video on demand)に接続さ れるネットワークターミナルNTは、銅ケーブルを介してNUに連結される。MUSIC システムは高い下流向データ速度とかなり低い上流向データ速度を支える。 ここで説明するMUSICシステムにおいて、2つの固定ビット速度(13:2、26:2M bps)が支持され、低い方のビット速度、13:2Mbpsは品質が良くないか、あるい は非常に長い銅ケーブルで使用するための特別のオプションとして実装すること ができる。 ネットワークターミナル(NT)に対して、接続はPOTS、ISDN、ATM25、及びエ サーネット(Ethernet)等の一組の標準インターフェイスで構成される。全ての 伝達プロトコルはモデムデータストリームによって搬送されるが、POTSサービス だけは受動的にフィルタリングされるのでモデム状態とは無関係になる。ネット ワークユニット(NU)は固定ネットワークにおいて終了する。 MUSICはアナログ部分の受動的フィルタリングによって、アップリンクとダウ ンリンクのスペクトルを分離する。 ここで説明するMUSICバージョンは将来的な機能性のグレードアップを目的と している。この理由から、FFT/IFFTブロックは、完全な機能性を支援するように 設計されてシステムの将来のグレードアップにおいて再使用できるようになって いる。 MUSICシステムは、DMTベースの多重搬送波VDSLシステムであり、これは離散フ ーリエ変換を使用して、個々の搬送波を作り出したり、復調したりする。これは 、図2に図示されており、2つのトランシーバのそれぞれが受信機Rxと送信機Tx を備え、撚り線銅ペアケーブルで接続されている。複数の搬送波を使用して2つ のトランシーバ間でデータが送信されるが、チャネル品質が非常に粗悪である場 合には、これらの搬送波のうち一部は使用しなくてもよい。各搬送波によって伝 達されるビット数も、チャネル品質に応じて変えてもよい。 DMT等の多重搬送波変調技術は、周波数に依存する損失及び撚り線ペアケーブ ルのノイズを効率的に処理する。MUSICシステムにおいて、利用できる10MHzの帯 域幅は、1024の搬送波に分割されている各々が9.77kHz幅になっている。個々の 搬送波に割り当てられる伝送電力は、各帯域のノイズ電力と伝送損失に依存する 。各搬送波は12ビットまでのデータ(4096QAM)を表わすことができるマルチレ ベルパルスを搬送する。個々の搬送波のSN比(SNR)は受信機側で計算される。 搬送波が高いSNRを有する場合、12ビットまでがその搬送波に割り当てられる。 低いSNR値の搬送波に対しては、少ないビット数がその搬送波に割り当てられる 。狭帯域干渉物によって影響される搬送波は止められる。フォワードエラー修正 とデータインターリービングとが使用されて、インパルスノイズの偶然のバース トの影響を緩和している。 非対称VDSLがMUSICシステムのこのバージョンに実装されるが、これは下流向 データ速度が上流向データ速度よりもずっと高いことを意味する。2つの固定さ れた下流向データ速度(26/13Mbps)はシステムによって支持されるが、選ばれ る 速度は実際のケーブル長(<1300メートル)及び/もしくはチャネルの品質に依 存する。上流向データ速度は2Mbpsに固定される。異なる周波数帯域がMUSICシス テムにおいて使用されて、下流向チャネルを上流向チャネルから分離したり、両 チャネルをPOTSから分離したりできる。図3を参照。 あるいは、他の二重通信システム、例えば、TDMA及び/もしくは一つおきの搬 送波が下流向チャネルと上流向チャネルのための専用の方法を使用することもで きる。 図4は本発明に関するMUSICモデムの概観を示している。主なハードウエアブ ロックは、ADCとDAC、同期化、フーリエ変換処理、チャネル推定値/等化器、記 号割り振りと検出、インターリービングを伴うコーディングとデコーディング、 ネットワークインターフェイス、及びシステムコントローラである。 モデムは以下の4つの基本的な機能ブロックの点から考慮することができる: ‐ディジタル受信機ユニット; ‐ディジタル送信機ユニット; ‐アナログフロントエンド;及び ‐システムコントローラ/PCI アナログフロントエンドは、シールドされていない撚り線ペアケーブル及びPO TSに接続されるハイブリッド変圧器を含む。受信機側では、ハイブリッド変圧器 が低域フィルターLPとプログラム可能利得減衰器PGAを介してアナログ・ディジ タル変換器に接続される。アナログ・ディジタル変換器を駆動するために、電圧 制御されたクリスタル発振器VCXOが使用される。送信機側では、ハイブリッド変 圧器が低域フィルターを介してディジタル・アナログ変換器に接続される。 ディジタル受信機ユニットは、図4に示すように、同期化ユニット及びチャネ ル推定器に接続される高速フーリエ変換及びリスケーリングユニットFFTを含む 。チャネル推定器は、記号検出ユニット、及びデインターリービング、デコーデ ィングユニットを介して、ビット操作ユニットに接続され、そこからネットワー クアプリケーションインターフェイスに接続される。 ディジタル送信機ユニットは、エンコーディング及びインターリービングユニ ット及び記号割り振り(マッピング)ユニットを介して、逆高速フーリエ変換及 びスケーリングユニットIFFTに接続されるビット操作ユニットを含む。 システムコントローラは、図4に示すように、ディジタル受信機及びディジタ ル送信機内の様々な機能ユニットに接続されたり、ネットワークアプリケーショ ンインターフェイス及びコンピュータインターフェイスに接続される。 ネットワークインターフェイスは高いプロトコルレベルをモデムレイヤ1機能 性(modem layer one functionality)に接続する。このブロックは、必要に応じ てダミーフレームを付け加えながらシステムに所定のビット速度でデータを提供 する。 次に、データはチャネルコード化されてインターリーブされる。ここで説明す るMUSICシステムは、インターリービングと組み合わされた合成コードを使用す る。多数のフレームの深さを使用して、組み合わされた周波数/時間インターリ ービングが得られる(本明細書の後半を参照)。 記号割り振り(mapping)ブロックは整数ベクトルとして入力データを受け取 る。このベクトルは現行のビットローディング値に応じて企図された配列に割り 振る(map)。割り振り器(mappcr)は交番2進コーディングスキームを使用し て、ビットエラーの確率を低下させる。 実際のベクトル掛け算はIFFTブロックにおける最初のステップである。これに よってこのシステムは各搬送波の出力電力レベルを概算(スケーリング)できる 。次に、IFFTブロックは入カデータに実際の2048のポイント逆FFTを行い、各搬 送波を変調する。最終ステップとして、アドレスラップアラウンドが出力データ に関して実行されて、フレームの端において最初の128サンプルのコピーを加え る。これはサイクリックプレフィックス(CP(循環接頭辞))と呼ばれる。 変調信号はDACへと進み、DACは84dBという真の最低動的範囲で信号を変換する 。DACはシステムサンプルクロックによって20MHzで刻時される。ナイキストゴー ストを除去するために、信号がLPフィルタリングされる。ハイブリッド変圧器は 銅ケーブルに平衡の干渉を提供する。 MUSIC送信機・受信機信号路の概観が図4に示されている。送信機部分は受信 機部分と同じハイブリッド構成を使用する。 受信機末端では、スプリッタ/ハイブリッドトランシーバが、POTSによって使 用される0から4kHzまでの周波数を、システムによって使用される周波数から分 離する。更に、スプリッタ/ハイブリッドトランシーバは、高レベル送信信号と 低レベル受信信号との組み合わせから、低レベル受信信号を抽出する。 信号に対するナイキスト効果を減少させるために、アナログ受信信号がPGA(プ ログラム可能利得増幅器)に供給される前に、アナログ受信信号は低域フィルタ ーにかけられる。 PGAは、ADCの動的範囲を最大限利用するために必要である。本システムでは、 動的範囲は少なくとも66dBであるべきである。 信号がディジタルフォーマットに変換された後、同期化・FFTブロックがデー タを受信する。 同期化ブロックでは、(FFTバッファの制御用の)フレームクロックとVCXO用 の制御信号を発生する。始めに、同期化ブロックがサンプル信号からフレームク ロックを検索する。次に、フレームクロックがフレームチミング推定値を計算す るために使用されて、VCXOフィードバックコントローラに送られる。VCXOはサン プリングクロック(20MHz)を発生する。 フレーム時間推定値のみによって制御されるサンプリングクロックは、DMTシ ステムにおいては十分正確であるとはいえない。従って、ロッキングシーケンス の後、専用パイロット搬送波が使用されて、高いサンプリングクロックタイミン グ精度を達成する。 BSI信号もパイロット搬送波から抽出される。BSIは送信機・受信機CCH通信を 同期化するために使用されるベース同期化間隔タイミング信号である。MUSICシ ステムの新規態様の1つは、同期化ブロックによって使用されるアルゴリズムで あり、それについては、本明細書の後半において詳述する。 2048ポイントの実際のFFTは、FFTブロック内の入力フレームに対して実行され る。この後、、エネルギーローディングパラメータに基づいて、リスケーリング が行われて、データが次のブロックに送られる。 チャネル推定及び等化はFFTブロックからの出力データに対して実行される。 全てのデータフレームがチャネル特性を推定するために使用される。更に、これ らのデータフレームはビットローディングベクトルを計算するために使用され、 各搬送波で送信されるビット数を決定する。その後、この情報は上流向制御チャ ネル(CCH)を通して送信機に送られる。 記号検出ブロックでは、ビットローディングマスクに従って、各搬送波に対し てデマッピング(demapping)が行われる。 デマッピングの後、検出されたビットストリームに対して、デインターリービ ング及びフォワードエラー修正(FEC)デコーディングが行われる。 データはビット操作の後、ネットワーク/アプリケーションインターフェイス ブロックに対して準備される。ダミーフレームはこのブロックで取り除かれる。 図4に示したシステムの中心にあるのが、システムコントローラ(SC)である 。SCは市内PCIバスを使用して、様々なサブブロックをインターフェイスして、 制御する汎用プロセッサである。ここで説明するMUSICバージョンでは、コント ローラCPUはプログラム可能である。オンボードJTAGインターフェイスを通して 外部ポートが設けられ、プログラミングを容易化する。 SCの主要な仕事は、システム始動と実行時間の運転を制御し、ビットローディ ングとエネルギーローディングの計算を行うことである。SCは専用の制御チャネ ル(CCH)を通してモデムの遠隔側と通信する。このチャネルはビット/エネル ギーローディング変化及び他のシステム信号に関係するデータを搬送する。 高ボリュームの使用のための費用効果的な製品を得るために、システムのディ ジタル部分は少なくとも2つのASIC回路に基づいていなければならない。図5は チップデザインのためにシステムがどのように分けられるかを示している。1つ のチップはFFT/IFFT零空間を含む。第2のチップはフレーム同期化、チャネル推 定及び等化、記号検出及び記号マッピングを含む。アナログブロックとネットワ ークインターフェイスブロックは第3及び第4のチップを各々使用して実装する ことができる。 ここで説明するMUSICシステムが使用するシステムパラメータは、本明細書に 添付される表1〜3に記載されている。 VDSLシステムは0から40MHzのスペクトルで作動する。この帯域では、ここで 説明するMUSICシステムは低い10MHzを占有する。図6を参照。POTSや幾つかの無 線アマチュア帯域を含む多数の古典的な帯域がこのスペクトルに存在する。異な る周波数帯域がここで説明するMUSICシステムにおいて使用されて、上流向チャ ネルから下流向チャネルを分離する。ここで説明するMUSICシステムは10MHzで10 24の搬送波を使用し、各搬送波は9.77kHzの帯域幅を有し、最初の2つの搬送波 はDCレベルとPOTSサービスによって割り当てられる。最後の搬送波は、ナイキス トポイントなので、許可されない。(無線帯域の)その他の搬送波は相殺する必 要があるかもしれない。これは基本的に、平衡した銅ペアケーブルに対する免疫 性と放射の問題である。 POTSスペクトルの受動的フィルタリングによって、このサービスはここで説明 するMUSICシステム、実行時間状態または電力供給とは無関係にすることができ る。 MUSICモデム接続のためにISDNサービスを提供するには2つの方法がある。1 つの方法は、POTSとISDNシステムがMUSIC周波数帯域の下に存在できるようにす ることである。これはPOTS用のものと同様のフィルタリングプロセスをISDN帯域 スペクトル用にも使用することで達成できる。このフィルタリングによって、機 器構成とは無関係にサービスを提供することかできる。 ISDNを提供する他の方法は、MUSICシステムにおいてISDNを運搬人サービス(b earer service)にすることである。この解決法はスペクトル効率の点から利点 がある。10MHzで1024の搬送波を使用することで、各搬送波に9.77kHzの帯域幅が 与えられる。ISDNスペクトルはこれらの搬送波の(150-4)/9.77=5の割り当て を必要とする。チャネル特徴のために、これら5つの搬送波はシステム内で最良 のSNRを有するように選択されなければならない。標準の接続に対して、これは 5×100=500kbpsの帯域幅である。 従って、最適の解決法は、モデムを運搬人として使用して、64kbpsだけを割り 当てて、64kbpsのISDNサービスに対する全帯域幅用の500kbpsと比較することで ある。 1つの遠距離通信オペレータネットワークに対して実施された減衰及びFEXT( 遠端漏話)の測定結果は、ケーブルが200〜300メートルより短い場合には、100M bps以上のビット速度を達成することが可能であることを示している。それより 長いケーブルに対しては、高周波数に対する減衰が最大ビット速度を制限する。 約500メートルのケーブルの場合は、40Mbpsを達成することかでき、1kmのケーブ ルの場合は、15〜20Mbpsが実現する。 性能を低下させる別の因子はEMCであり、これは使用される電力を制限する。 やはり周波数領域の一部を排除しなければならないかもしれない。 典型的なPSTNは以下のインパルスノイズ特性を有することが期待される: ‐ 最大持続時間250μs ‐ 中央間隔67ms ‐ 最大ピーク振幅20mV ‐ ほとんどのエネルギーが200kHz未満 ‐ 背景ノイズ-107dBm/Hz システム内の主なタイミング源はサンプルクロックである。サンプルクロック 用のリファレンスはNU側に置かれており、二次ケーブル内の全ての撚り線銅ペア ケーブルに共通になっている。サンプルクロック周波数は20MHz±10ppmであり、 位相ジッタは0.5ns以下である。 NT側のサンプルクロックはNU側に位相ロックされる。ロッキング論理は第1段 階でフレームタイミング推定を使用し、次にパイロット搬送波を使用して、ロッ キングの細かい調節を行う。ロッキング論理は18ビットのディジタル・アナログ 変換器を介してVCXOの周波数を制御する。VCXOに対する要件は20MHz±25ppmの範 囲と、100ppm/Vの感度である。最終的なロッキングは、位相ジッタが0.5ns以 下であり、サンプルの1/100の精度を有しているべきである。 フレームクロックはサンプルクロックの1/(2048+128)であり、受信フレーム と送信フレームの開始を制御する。送信と受信の両方に使用されるフレームクロ ックは、NU側とNT側の両方で位相が異なる。 NT側の送信用のフレームクロックが親装置であり、信号間隔の開始を制御する 。 図7を参照。 NT側の受信フレームクロックはフレームタイミング推定ハードウエア機能から 引き出され、フレームサンプリング期間の開始を制御する。図7を参照。 NT側の送信用のフレームクロックは、受信用のフレームクロックと同じである が、位相が「早い」TAサンプルである。TAはNU側でのシステム始動中に測定され 、銅線ケーブル上の伝播遅延の補償のために使用されるパラメーターである。こ れは、アップリンクとダウンリンクの両方に対して、サンプル抽出期間の中、銅 線ケーブルの直交性を維持するために行われなければならない。NT側の送信用フ レームクロックが信号間隔の開始を制御する。図7を参照。 NU側の受信フレームクロックは、TA計算が実施された後の送信用フレームクロ ックに対して、若干のサンプルクロックサイクル(TA)だけ遅らされる。開始シ ーケンスにおけるTAの計算前の遅延は、フレームタイミング推定用ハードウエア 機能によって決定され、その値はシステムコントローラによってアクセスするこ とができる。NU側の受信フレームクロックはフレームサンプリング期間の開始を 制御する。図7を参照。 送信側と受信側間のパラメータ変化を同期化するために、BSIクロックが使用 される。パラメータは、例えば、ビットローディング、エネルギーローディング 、あるいは制御チャネル周波数であってよい。パラメータは、両側のシステムコ ントローラによって更新され、そしてBSIクロックが新しい設定にスイッチを始 動させる。 BSIクロックはフレームクロックの1/8192である。アップリンク内のBSIクロッ クは、ダウンリンク内のBSIクロックに対して、半分のBSIクロックサイクルだけ 遅れる。 送信側と受信側間のBSI同期化のために、パイロットチャネル上の短い擬似ラ ンダムシーケンスが使用される。 サイクリックプレフィックスはFFTチップによって加えられるフレームの延長 部である。全信号期間中の直交性を維持するために、フレームの最後の128サン プルがコピーされ、実際のフレームの前に置かれる。この配置が時間分散によっ て引き起こされる記号間干渉に関連する問題を処理する。 受信側のみでサンプルされた信号期間部分は、銅ケーブル全体に沿って、1つ の信号期間を他の方向に重ねることが重要である。TAはこのオーバーラップ期間 を最適化するために使用される。最大ケーブル長は、TA=128サンプル=6.4μs 伝播遅延によって制限される。(伝播遅延が5ns/mである場合)これは1280メー トルに相当する。 アナログインターフェイスは、C1チップにおいて電話線で受信/送信したディ ジタルデータストリームを接続する。制御目的のために、T1チップとシステムコ ントローラに対する接続もある。 アナログインターフェイスは図8に図示されている。電話線はハイブリッド変 圧器に接続され、それはPOTSにもつながれている。ハイブリッド変圧器の受信側 では、入ってくる信号が低域フィルターとプログラム可能利得減衰器とを介して 、アナログ・ディジタル変換器ADCに送られ、またそこからC1チップに送られる 。ハイブリッド変圧器の送信機側では、出ていくディジタル信号がディジタル・ アナログ変換器DACによってアナログに変換され、そこから低域フィルターLPを 介してハイブリッド変圧器に送られる。ADCとDACの両方を駆動する電圧制御され たクリスタル発振器が、T1チップの同期化ブロックに接続される。 OFDM‐フレームは、位相及び振幅が変調されしかも、搬送波間の最低距離だけ 分離した周波数領域に隔置された正弦搬送波の合計である。フレーム内の記号が 等しく分配され、互いに相関しないという仮定によって、ほぼ正規的に分配され た瞬時振幅を備えた時間領域信号が生じる。このように、入力データが共同して 相互作用して、非常に大きなピークレベルを備えたパルスを作り出し得る可能性 がわずかに存在する。しかしながら、最大振幅は、これより低い振幅に制限して 、十分な数の量子化レベルがDACに存在するようにして、平均信号を処理しなけ ればならない。 DACが送信機において高いピークレベルを収容するのに充分な分解能を有する としても、受信機側(ADC)には限界がある。しかしながら、受信機側の関係は 外見ほど過酷ではないかもしれない。 短ケーブルは高い周波数範囲において長ケーブルよりも小さな減衰を有する。 図9を参照。これは、臨時パルスがケーブル特徴によってほとんど修正されずに 、受信機に現われ得ることを意味する。従って、受信機に比較的大きな動的範囲 が必要である。しかしながら、ほとんど均一の減衰は大きな動的範囲を必要とし ないので、これは容易に達成できる。ADCは図9において太い実線矢印で示され る領域を収容する必要がある。 しかしながら、長ケーブルのより大きな高い周波数減衰は大きな動的範囲を必 要とする。更に、高い周波数減衰は、受信機において高い振幅を達成するために 、送信機から幾つかの大きなピークを取るであろうことを意味し、この事例は1 つのピークだけの場合よりADC入力において発生しにくい。従って、ヘッドルー ムを減少させることができ、ADCは図9において太い点線矢印で示される領域を 収容するべきである。 要約すれば、ケーブル長に応じて、受信機ADCにおいて信号レベルを注意深く 設定することによって、性能を最適化することができる。 スプリッタ/ハイブリッドは2つの主要なタスクを有する。それは: ‐ 電話信号(POTS)とVDSL信号周波数帯域を分離させ、組み合わせること; 及び ‐ ケーブルのバランスを取ることによって、送信された信号が同じ装置の受 信機に現われるのを防止することである。 各々の送信方向はそれ自体の周波数帯域を持っているので、その各々の周波数 帯域のために両側を最適化して全体の性能を向上させることができる。 入力信号に対する低域フィルターの目的は、使用された周波数範囲の上の干渉 に対するエイリアシング効果(aliasing effects)を減少させることである。出 力低域フィルターは阻止帯における放射電力を減少させる。これらのフィルター はスプリッタ/ハイブリッドモジュールの一部であってよい。 市販されているうちで現在のところ最も優れているADCは、アナログデバイス( Analog Devices)AD9042であり、これは約66dBのSN比を有している。このADC、あ るいは、これに等しい性能を有するものを使用することが推奨される。 この説明目的のために、14ビット分解能のDACを使用すると仮定する。 FFT及びIFFTのアルゴリズムはデータ再編成を備えた1024ポイントの複素数FFT から構築され、同時に2つの実シーケンスの計算を可能にする。従って、FFT及 びIFFTは各々効果的に2048ポイントである。ハードウエア実現は基数‐32零空間 に基づいており、それは3パスの結果を計算する。図10を参照。 SN比とアルゴリズムの分解能との間の関係は以下の式で表わすことができる: SNR=22b-v-1 式中、b=ビット数であり、v=11(効果的な基数‐2パスの数)である。bを 解くことで、(ADCのSNRに基づいて)17ビットの分解能が得られるが、ADCはア ナログ信号退化の唯一の源はないので、システムを通じて分解能を維持するため には、アルゴリズムの16ビットの分解能が適当であるべきである。 VCXOはシステムのNT部分において使用されるサンプリング周波数を発生させる 。制御電圧は同期化ユニットからのデータに基づく。、クロック周波数は、非常 に安定しており、NUリファレンスクロックに位相ロックされて記号間の直交性が 保存されなければならない。 ADC動的範囲を完全に使用するために、プログラム可能減衰器をADCの前に挿入 しなければならない。減衰レベルは主にケーブル長の関数であり、システムコン トローラによってタイミングアドバンス値から決定され得る。 減衰器の分解能及び範囲、並びにタイミングアドバンス値と減衰レベル間との 関係を決定しなければならない。更に、計算において等化値及び分散値を使用し て、結果を向上させることもできる。 DMTシステムでは、特に搬送波が大きな配列で変調される場合、送信機と受信 機との間に非常に正確な同期化が必要である。ここで説明する態様では、受信し た信号構造に固有の相関特性に依存する新しいフレーム同期化方法が使用される 。 NU側では、固定周波数クリスタル発振器がサンプリングクロックを発生させる リファレンスとして使用される。NT側では、NU側の発振器に位相ロックされるVC XO(電圧制御されたクリスタル発振器)によってサンプリングクロックが発生す る。VCXOは初期にフレームタイミング推定値によって制御される。しかしながら 、本出願ではフレームタイミング推定値の分解能は充分ではない。従って、ロッ クインシーケンスの後、専用のパイロット搬送波が使用されて、非常に高いサン プリングクロックタイミング精度が達成される。 DMTシステムにおける長い記号持続時間のために、チャネル時間分散によって 引き起こされる記号間干渉は、時間領域内の全てのフレームに対するプレフィッ クスとして保護間隔を使用することによって、除去することができる。フレーム の直交性を維持するために、各プレフィックスの内容は、次のフレームの最後の 部分のコピーであり、フレームが部分的に周期的(サイクリック)であるように 見せる。 フレームタイミングを推定するために使用される同期化方法は、プレフィック スとこれに対応するフレーム部分との間に存在する高い相関関係を使用する。 (公知の)フレーム長によって時間的に分離された受信信号のサンプルを連続 的に相関することによって、保護間隔の通過により相関関係推定値にピークが生 じるであろう。従って、これらのピークはフレームに対する公知のタイミング関 係を有し、フレーム開始信号を作り出すために使用することができる。その原則 が図11に示されている。 相関器とピーク時間推定器はVCXOによって発生されるシステムクロックを使用 する。このクロックは信号間隔(サイクリックプレフィックスとフレーム)内の 全サンプル数で割られて、相関ピークと同じ期間を有する信号を作り出す。これ ら2つの信号間の位相差(フレーム時間の偏差)は、VCXO周波数を正しいサンプ リング周波数に調節するフィードバックコントローラへの入力として使用される 。しかしながら、このサンプリングクロックの位相はDMTシステムにおいて使用 するには充分正確ではない。従って、フレームタイミング推定は基本的にはロッ クイン操作のために使用される。更に、これは再同期化が必要になる主な偏差を 検出するためのフレームタイミングをモニタリングするためにも使用される。 受信データの相関関係は連続的に計算される。2つの信号間の時間差は、1つ のフレーム長のディジタル遅延ラインを使用して達成される。遅延ラインの出力 には非遅延信号が掛けられ、サイクリックプレフィックスの長さに等しい間隔に 積分(蓄積)される。積分器の出力は相関関数の推定値である。 相関推定のタイミング情報のみが使用されるので、簡略化された推定器が実装 され、入力データの符号のみを使用する。このハードウエア実装は完全なサンプ ルワード長を使用するのに比べて、複雑さを非常に減少させる。 コンピュータシミュレーションは、幾つかの信号間隔の同期的な平均値算出を 使用することが、フレームタイミング推定値の分散を減少させることを示してい る。相関器の掛け算器部分において使用される減少したデータワード長のために 、このような平均値算出機能を掛け算器のすぐ後に実装することが可能である。 相関器の実装を示すブロック線図が図12に示されている。入ってくる信号X( k)はN=1024の遅延を、つまり1フレームを通過し、結合器に至る。遅延及び 結合器からの出力は掛け合わされて、平均器に送られる信号Y(k)を作り出す 。平均器の出力Z(k)は引き算器に送られ、そこからL=128だけ遅らされたZ (k)が引き算される。この引き算によって、信号W(k)を生じ、この信号は出 力信号C(k)を作るアキュムレータに送られる。 相関器の平均値算出部分の詳細が図13に図示されている。図示するように、平 均器は加算器と組み合わされる一連の遅延成分から成る。出力信号は次のように 表わすことができ: 式中、Y(k)は入力信号であり、Z(k)は出力信号である。 平均値算出を信号のフレーム構造に同期させるために、遅延は信号間隔に等し い。 相関関数推定値の最大の大きさの位置を見つけるための検出器が図14に図示さ れている。これは最も最近の最大値用のレジスタ(#1)とコンパレータを使用 し て実装される。レジスタの内容と相関の大きさが比較され、レジスタの内容より も大きな値に出くわすたびに、新しい値がレジスタに記憶される。(信号間隔を 法として)サンプリング間隔をカウントするカウンタの現在の値も第2のレジス タ(#2)に加えられる。全体の信号間隔を通過した時、この第2のレジスタは その間隔の間に見い出された最大値に対するインデックスを含むであろう。この インデックスは信号間隔ごとに1回ずつ、第3のレジスタ(#3)に記憶され、 (シフトを使用して)第1のレジスタ(#1)の内容が2で割られる。 レジスタ#3に記憶されたインデックスは入力信号フレームのカウンタ値と実 際のタイミングとの間の偏差として解釈される。フィードバックコントローラは この偏差の平均をゼロに向かって収束させるであろう。そしてカウンタ値が信号 間隔へのポインタとして使用される。フレームタイミングクロックがこのカウン タ値を用いて発生して、フレーム開始を示す。 パイロット搬送波周波数領域複素数表現の推定は、システム内で利用できるFF Tユニットを使用して行われる。この方法を使用することの利点は、推定値が他 の搬送波の変動する変調とは無関係であることである。これは搬送波間の固有の 直交性のためである。許容できる程度に低い分散の推定値を得るために、ある種 の平均値算出が必要である。これは一次ディジタルIIRフィルタを使用して行わ れる。 残念なことに、推定値は直交座標の複素数で表わされるので、偏角を直接利用 できない。フィードバックループでは、非常に小さな偏角の偏差を検出すること が必要である。従って、偏角の分解能は高くなければならない。 フィードバックコントローラは、パイロット搬送波偏角をゼロに収束させる。 ゼロ周辺の小さな範囲でのみ線形となる上記偏角の近似は、許容できる性能を達 成するのに十分である。ほとんどすべての四分円で単調で、しかし、ディジタル 論理で実行が容易な有用な近似は、次の式で表すことができる: 式中、Cは複素数パイロット搬送波推定値であり、Mは正のスケーリング定数で あり、Kは関数の形状に影響を及ぼす正の定数(ここではK=2が使用される) である。 チャネルは入力信号フレームタイミングとパイロット偏角ゼロとの間に調整不 良を生じさせるかもしれないパイロット搬送波に対して位相シフトを導入する。 この問題を除去するために、パイロット搬送波推定値も周波数領域等化器を通し て送られる。この搬送波に対する等化器パラメータは、フレームタイミング推定 値がその最終値に収束された時の、始動シーケンスの間に設定される。 パイロット搬送波のセレクションは固定されるが、他の搬送波をパイロットと して選択するための論理も提供され得る。 フィードバックループは実際には2つのコントローラを有しており、その各々 がそれ自体の入力信号を有する。2つのコントローラの出力が、加算され、サン プリングクロックを発生するVCXOにディジタル・アナログ(D/A)変換器を介 して供給される。両コントローラともPI(比例/積分)タイプのものである。 図15は信号パスの概観を示している。受信した時間領域データは相関器とピー ク位置推定器とを通過して、フレームクロックを生じる。等化器から引き出され た複素数周波数領域パイロット搬送波はパイロット偏角推定器に送られ、その出 力は、やはりピーク推定器からの出力を受信するフィードバックコントローラに 送られる。フィードバックコントローラからの出力は次にディジタル・アナログ 変換器に送られて、VCXOを制御するために使用される信号を作り出す。 始動シーケンスの間に、フレームタイミングコントローラだけがアクティブで ある。フレームタイミングが安定化した時、パイロット搬送波用の等化パラメー タが計算され、(SCによって)設定される。これは一度だけ行われ、更にこのパ ラメータの更新が禁じられる。等化パラメータのこの変更の後、偏角評価用の平 均器に充分な処理時間が与えられる。最後に、フレームタイミングコントローラ が停止され、パイロット偏角コントローラがアリティブになる。フレームタイミ ングコントローラが停止された時、その最後の出力値がロックされるので、VCXO 周波数はその最終値近傍にとどまる。 ベース同期化間隔(BSI)タイミング情報の送信のためにパイロット搬送波も 使 用される。搬送波偏角は通常一定であると仮定される。短いパターンは、位相0 とπとを使用し、BSI間隔の残りの期間中、位相0に搬送波を残して、搬送波上 でBPSK変調される。このパターンがBSI間隔のほんの少し部分(<1%)にすぎ ない場合、パイロット搬送波偏角推定の妨害は無視してよい。相関器はパターン を検出するために使用され、BSIのためにタイミング信号を提供する。 同期化ロック検出及びモニタリングの理由から、システムコントローラ(SC) はフレーム時間偏向推定値とパイロット偏角近似を保持するレジスタに対するア クセスを読み取っていなければならない。 パイロット搬送波の初期の等化を処理するために、SCが平均パイロット搬送波 複素数表示を読み取り、等化パラメータメモリに書き込むことが必要である。 入力データフレームとフレーム開始信号との間の相対的タイミングを決定する オフセットレジスタが必要であり、SCによって書込み可能でなければならない。 これはNT側で使用される。 検出されたBSIイベント信号は、受信及び送信の両方のために、割り込み入力 としてSCに接続されなければならない。 あるいは、パイロット搬送波は帯域フィルタを使用して、時間領域信号から再 生し、サンプリングクロック発振器の位相ロッキングに直接使用され得る。ここ で説明する周波数領域法は、パイロット搬送波推定値が直交性のために他の搬送 波の変調とは無関係であるという利点を有する。異なるフレーム同期化方法は、 一部のフレーム内の公知のパターンを含むことに依存するであろう。これはシス テムの能力を低下させる。 ここで説明する態様では、フレームとサイクリックプレフィックスの長さが固 定される。上述のように、この方法はVCXOを備えたフィードバックループにおい て作動するように設計される。固定されたサンプリングクロック発振器を使用す るユニットでは、フレームタイミング推定器のデザインをわずかに修正する必要 がある。フィードバックループはあまりに低すぎてこのような妨害を補償するこ とができないので、VCXOが非常に低い位相ノイズを有していることが重要である 。 離散マルチトーン(DMT)システムはN個の搬送波(ここでは、N=1024の搬 送波を使用する)上でN個の複素数データ記号を変調する。このマッピングは逆 高速フーリエ変換(IFFT)を使用することによって、逆離散フーリエ変換として 計算される。受信機では、N個の搬送波がFFTによって復調される。 ここで説明するモデムでは、FFT及びIFFTは異なる位相で同じ基数16または32 コアを使用して、同じユニットによって実行される。このプロセスが図16に概略 的に示されている。 主な演算は2048の実数値または1024の複素数値の長さのフレームに分割される 。各フレームのために、このユニットはFFT、IFFT、スケーリング、デスケーリ ング、及びサイクリックプレフィックスの追加を行う。 FFTとIFFTは2048ポイントの実際のFFTを計算し、最低16ビットの算術で演算す る。 ネットワークターミナル側(NT)に対しては、入力フレーム開始とIFFT出力開 始との間の同期化に対する要件がある。(上流向搬送波と下流向搬送波との間の 同期化)。送信機は、フレームを送り始めて、その後フレームを受信し始める、 いわゆるタイミングアドバンスになっているべきである。 スケーリングはIFFTの前に設けられるべきである。このスケーリングはこのユ ニットに記憶されている実際の係数と、記号マッパー(SM)からの入力値との間 の掛け算である。係数は各々16ビットである。 係数メモリは等しいサイズ(16×1024ビット)の2つのバンクから構成される。 1方のバンクを使用中に、他方のバンクが更新される。PCIコマンドを通してス イッチングが許可(イネーブル)され、次のBSIにおいて実行される。 FFTの後で、リスケーリングが実施されて、その後等化及び記号検出のために データを送信すべきである。このデスケーリングはスケーリング値の逆数による 掛け算である。係数は16ビットで表示される。 (ポストシフトを生じる)4ビットのベキ指数も精度を維持する必要があるで あろう。 係数メモリは等しいサイズ((16+4)×1024ビット)の2つのバンクから構 成 される。1つのバンクを使用中に、他方のバンクが更新される。PCIコマンドを 通してスイッチングが許可(イネーブル)され、次のBSIにおいて実行される。 各フレームの開始時に、サイクリックプレフィックスが加えられる。このプロ セスが図17に概略的に図示されている。サイクリックプレフィックスの挿入によ り、記号間干渉(ISI)が避けられ、トーン間の直交性が保存され、各々の搬送 波を別々のチャネルとして見ることができるようにする簡単な入力‐出力関係を 生じさせる。このサイクリックプレフィックスはフレームの最後の部分の繰り返 しから構成される。 タイミングアドバンスが使用され、最大ケーブル長が1300mであると仮定する と、128個のサンプルのサイクリックプレフィックスが必要となろう。このよう に、各々のフレームに対する出力は以下のサンプル:1920、1921、...、2046 、2047、0、1、2、...、2046、2047であるべきである。 上述の成分の各々に対して、外部世界をFFT/IFFTの入力メモリ及び出力メモリ とつなぎあわせるためにFIFOがある。このように、全体で4個のFIFOがある。 アナログ側をつなぎあわせるFIFOは384ワード(16ビット)のサイズを有し、T1 チップをつなぎあわせるFIFOは448ワード(32ビット)のサイズを有することが 推奨される。 フーリエ変換を使用しない別のDMT技術は、離散ウェーブレットマルチトーン 変換(DWMT)である。この方法はADSL基準委員会に提案されたが、拒絶された。 本技術において必要とされる精度は必要な動的範囲に依存し、それは次にアナ ログ成分(特にDAC)によって決定される。FIFOサイズはクロックのスピード差 及び使用されるタイミングアドバンスの量に依存するであろう。クリッピングの 使用は動的範囲(量子化ノイズ)とクリッピングノイズとの間のトレードオフで ある。 全てのデータフレームはチャネルモデルを更新するために使用されるので、チ ャネル推定は決定指示方法(decision directed method)を使用して行われる。 公知のデータフレームは始動時にのみ必要である。特定の条件下では、チャネル 上の 干渉は全てのデータフレームを使用して推定することができる。これはチャネル 送信品質の変動の初期検出にとって重要である。 決定指示推定(decision directed estimation)に対する基本的原則は、受信 したデータと公知の送信データとの間の差をチャネルモデルの更新に使用するこ とである。このプロセスのある段階では、チャネルモデルは受信データの等化の ために使用するのに充分な程度に正確であり、検出器は正確なデータを作り出す であろう。この出力データはチャネルモデルの更なる更新用の公知のデータとし て同じ方法で使用することができる。従って、予め定義されたデータフレームは もはや必要ではなく、チャネルを通して送信されるランダムデータが代わりに使 用される。 等化器の後のデータを1つの入力として、また検出器の後のデータを別の入力 として使用することによって、適応更新アルゴリズムを設計することができる。 それは等化器がチャネル逆数のモデルに向かって収束するような方向に、等化パ ラメータを小さなステップで修正する。図18はこのようなシステムのブロック線 図を示す。周波数領域入力データは等化器に入り、等化パラメータ更新ユニット EQの出力が掛けられる。結果的に生じる信号Uは、検出器(量子化器)に送られ 、その出力はYである。Yは次に記号デコーダに送られ、記号デコーダはデコー ドされたデータビットストリームを作り出す。UとYは等化パラメータ更新ユニ ットの入力及び分散推定器に送られる。分散推定器の出力はWである。 等化データ(u)と等化データ(Y)とを入力として使用して、等化パラメー タ(EQ)を推定するための適応アルゴリズムは、以下の式によって説明される: 式中、μは適応力学に影響を及ぼす正の定数(μ<<1)である。それより小さ な値は大きな値よりゆっくりした適応を示すが、更に入力信号に妨害がある場合 、より優れた頑丈さを提供する。 実装の点から、上記式に示された割り算部分は避けるべきである。式μ/|Uk|2 は定数で置き換えるにはあまりに大きすぎる動的範囲を有する。しかし、この 式を下記に示すような対数式で量子化することができる: 上記式のベキ指数は、バイナリ優先エンコーダの入力としてUkの絶対値を使 用し、その出力を無効にして得ることができる。この式は2の整数ベキであるの で、アルゴリズム内の掛け算演算はバレルシフタを使用して実施される。 各々の搬送波に対する干渉の分散は、平均から2乗された偏差を積分するとい う標準方法を使用して推定される。この場合、各々の量子化された値Yは、この Yに量子化されるデータ値Uの範囲に対する平均として使用される。この方法は 記号エラー率が各データ値にとって正しい平均と連合するのに充分低いことを仮 定する。しかしながら、異なる搬送波のために適当な配列が選択される場合、こ の条件が満たされる。 図18はこのシステムの一部としての分散推定器を示す。推定のために使用され るアルゴリズムは以下の式によって説明される: ここでは積分は指数関数的に加重された平均値算出フィルタによって置き換え られる。パラメータεはフィルタの動的特性に影響を及ぼす小さな正の定数(ε <<1)である。これは臨界パラメータではなく、2の整数ベキの中からεを選 択することで充分であろう。 優れた分散推定値を与えるεの値が選択された場合、アルゴリズムは干渉レベ ルの突然の変化を検出することができないであろう。従って、分散推定器と並行 して作業する別個のアルゴリズムかこのタスクのために必要かもしれない。 システムコントローラは等化パラメータを保持するメモリに対する読取り/書 込みアクセスを有していなければならない。パラメータの初期化は始動時に必要 である。パラメータがその最終値の充分近くに適応させた場合、パラメータのモ ニタリングも更に必要である。 チャネル分散メモリはシステムコントローラの読取り操作のために利用できな ければならない。全てのゼロへのこのメモリの初期化をシステムリセットに接続 することができる。 推定器の力学に影響するパラメータは、システムコントローラからの書込みの ためにアクセス可能でなければならない。 ここで説明する方法は、チャネル及び干渉推定の両方のために、特殊な始動シ ーケンスを仮定する。通常の実行の間に、この方法はビットローディングの適当 な選択に依存し、充分低い記号エラー速度を与える。 更新アルゴリズムに対する入力データは等化器を通過するので、始動シーケン スの開始時に、等化パラメータが単一の値に初期化されることが重要である。更 新アルゴリズムはデータパスの変化を概算すること(スケーリング)に対して敏 感である。 送信機におけるスケーリングの変化は受信機において補償されなければならな い。これは受信機におけるアナログ入力利得制御の使用において特別な注意を要 求する。 記号マッパー(エンコーダ)によって、多数のビットが搬送波の位相と振幅と を間接的に決定する複素数(I,Q)に割り振られる。特定のビット長の全ての 値のマッピングは配列と呼ばれ、図19に図示されている。この検出は、逆関数で あり、搬送上で送信されるビット値を複素数値から決定する。特定の搬送波で送 られるビット数は、その搬送波用のビットローディング因数によって決定される 。 特殊な配列の構成は、各ポイントを全ての他のポイントから可能な限り遠くへ 動かすことができるようにすることを目指している。同時に、平均エネルギーは 出来る限り低くあるべきである。別の制約は、マッピング及び検出ユニットが出 来る限りシンプルでなければならないことである。しかしながら、どちらの配列 を使用すべきかに関する決定は、記号マッピング及び検出ユニットのみならず、 ビットローディングにも、またおそらく適応等化器にも影響を及ぼすであろう。 所定の搬送波に対して、エンコーダはbビット(vb-1,vb-2,...,v1,v2)に 基づいて、正方形グリッドの配列から奇数整数ポイント(I,Q)を選択する。 説明の便宜上、これらのbビットはバイナリ表示が(vb-1,vb-2,...,v1,v2 )である整数ラベルで識別される。例えば、b=2の場合、4つの配列ポイント は(v1,v2)=(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)に対応して、各々0、2、 1、3とラベル付けされる。 bの偶数値に対しては、配列ポイント(I,Q)の整数値I及びQが、以下の ようにbビット(vb-1,vb-2,...,v1,v2)から決定される。VをVI=(vb-1,vb-3 ,...,v1)と、VQ=(vb-2,vb-4,...,v0)に分割する。次に逆交番2進 コード(Gray Code)をVI及びVQに適用する。これはI=2Gray'(VI)+1と、Q=2Gr ay'(VQ)+1としてI及びQを産する。 図19はb=6と仮定した場合、Vのバイナリパターンを如何にしてI及びQに 割り振るかを示している。 これらの値はIFFTに送られる前に、これらの数のmsbが出力のmsb(残された16 -[b/2]ステップ)になるように、これらの値をシフトすることによって正規化 される。 所定の搬送波に対して、デコーダは配列ポイント(I,Q)を使用してbビッ ト(vb-1,vb-2,...,v1,v2)を決定する。説明の便宜上、これらのbビットは 整数ラベルで識別され、それらのバイナリ表示は(vb-1,vb-2,...,v1,v2)で ある。 I及びQの値は飽和によって範囲(X,Y)に制限されると仮定する。Vを決 定するために、値I=(i15,i14,...,i1,i0)、及びQ=(q15,q14,...,q1 ,q0)が交番2進コード化され、次にV=(gi15,gq15,gi14,gq14,...)とし てVに組み合わされ、その場合上部bビットは無効である。 各々の搬送波が搬送するビット数は各々のSN比(SNR)に依存する。SN比は受 信機において各搬送波のために計算される。SN比に基づいて、ビットローディン グ因数が各搬送波のために計算される。このように、各々の搬送波が送信された 記号ごとに搬送すべきビット数が決定される。これらのビットローディング因数 は初期のトレーニングセッションにおいて計算され、必要に応じて更新するこ とができる。MUSICシステムは各搬送波に対して2次元の直角振幅変調(QAM)を 使用し、ビットローディング因数は0から12ビットに変化する。 各搬送波で送信されるビット数は以下のように表わすことができる。:式中、Γ、SNRギャップは変調、可能なコーディング及びシステムマージンに依 存し、Lはコーディングに必要な余分なビットによる配列膨張である。QAM配列 及びある形態のコーディングを使用すると、以下のようになる: 式中、Psは所望の記号エラ一率であり、γdはシステム内のコーディングの利得 であり、γmarginはシステムマージンである。システムマージンはモデル作成さ れない損失インパルスノイズ等を補償するために使用される因数である。式(1 )は無限大の粒度を含むビットローディング因数を示している。ビットローディ ング因数は支持される因数(0から12ビット)を与えるためにまるめられる。 まるめ手順はDMTシステムの性能を低下させるであろう。エネルギー分布が変 化し得る場合、各搬送波のためにエネルギーローディング因数を計算することが できる。これはエネルギー整調の可能性を提供するので、式(1)はシステムに よって支持されるビットローディング因数を結果的に生じる。整調は以下のよう に示される: しかしながら、これは搬送波エネルギー間に非常に大きな差を生じさせ得る。 幾つかの異なるDMTシステムを備えた環境下では、異なるエネルギーがあまりに も大きく変化し得る場合、独特の効果が発生するかもしれない。このような環境 下では、遠端漏話(FEXT)が重大に変化し、一部のDMTシステムがケーブルの 容量の全てを得るかもしれない。これらの影響を防止するために、搬送波の少し の変化だけが許される。別の制限要素は各搬送波に許される最大エネルギーであ る。 ビットローディングアルゴリズムに対する入力データは、選ばれた周波数領域 等化器に依存するであろう。適応DFEが使用される場合、SNRは下記の式(4)に よって与えられる: SNRi=Wi (4) 式中、Wiは上述の推定された干渉分散である。 各搬送波のために、ビットローディング因数及びエネルギーローディング因数 が計算される。ビットローディング因数は3ビットで表示されてよいが、奇数の ビットローディング因数用のシステムを同様に準備するために、4ビットが推奨 される。エネルギーローディングに関しては、2n-1の可能な因数を与えるために 、nビットが使用される。 ビットローディング因数及びエネルギーローディング因数の計算の実施は、図 20に示すように4段階で為され得る。所定のビット速度に達するために、必要な SNRを計算することができ、システムマージンが調整されて、所望のビット速度 に達する。図20に示したプロセスは以下のステップを含む。 ‐第1に、式(4)を使用してSNRを計算する。 ‐第2に、ビットローディング因数を表わす4ビットの各々に対して4回の比 較を行う。しきい値はLとΓに依存し、予め計算することができる。最初の比較 は、ビットローディング因数が7より大きいか否かを決定し、この比較結果がビ ットローディング因数を表わす4つのビットの最初のビットを制御し、更に次の 比較のためのしきい値を制御する。同様に、この比較か第2のビットとその次の 比較用のしきい値を制御する。4回の比較後、ビットローディング因数が明確に なる。 ‐ 第3のステップは、チャネルがより効率的に使用されるように、送信され たエネルギーに対してスケール因数を計算することである。エネルギーは式(3 )に従って概算される。 ‐ 最後に、スケール因数がnビットに量子化される。 一定のエネルギーローディングを備えたシステムを実装するために、最初の2 つのステップだけが必要であることに注意すべきである。 エネルギーローディング及び記号マッピングにおける正規化のために実施され るシフティングにより、IFET/FFTプロセッサに送られるスケーリング因数及びデ スケーリング因数が決定される。 このように、各搬送波に適した配列(ビットローディング)を決めるために使 われる方法は、通常、各搬送波のSNRの推定値と最大許容記号エラー率に基づい ている。本発明の簡易方法は、全ての信号が、記号検出器(図4及び図5参照) の入出力で、同じスケールに正規化されるという事実を利用している。 各単一搬送波について、記号検出器は、特定の配列(ビットローディング)ポ イント周辺範囲の入力信号をこのポイントの別な値、つまり検出器出力値に対応 させる。入力信号値とこの別な出力値との偏差の分散は、搬送波に対する外乱の 大きさで、SNRに比例する。 配列は、通常、複素数ドメインのポイントのパターンとして記述される。外乱 がガウス分布を持つと仮定すると、入力信号値の確率密度は、それぞれの異なっ た配列ポイントに集中された回転対称ガウスベル型で表せる。ベルの形は分散に より決まる。 ある配列(ビットローディング)に対する分散の上限は、最大許容記号エラー 率により決まる。分散下限は、次に大きい配列の上限と等しくなる。 分散の平方根である標準偏差σは、各配列ポイントに集中した円で表せる。隣 合ったポイント間の最短距離は、配列のパラメータである。特定の最大記号エラ ー率により、最小d/σ比が得られる。 ある搬送波に対する検出器入出力信号間の2乗した差の平均をとることにより 、 使用配列に関する2乗距離d2と同じ単位て表される分散σ2というを推定値が得 られる。d/σの範囲限度も、d22として得られる。これらの限度は、所与の最 大記号エラー率に対して一定になり、d2はある配列に対して固定パラメータとな る。これにより、多重搬送波伝送システムの他の部分での別なスケーリングと関 係無く、特定の搬送波にどの配列を使うべきかを決める極めて簡単な方法が得ら れる。 よって、本発明によるビットローディング決定方法は、 − 多重搬送波伝送システムの信号スケーリングと別個に行われ、 − 記号エラー率が、検出器入出力信号を使用して推定できる分散と固定配列パ ラメータとの間の関係の関数であるという事実を利用している。 チャネルコーディングの目的は、ビットエラー率を低下させることである。使 用すべきコーディングのタイプは、エラーパターン特性に依存する。予想される エラー源としては、(ランダムビットエラーを誘発する)ランダムノイズ、(エ ラーバーストを誘発する)インパルスノイズ、及び(エラーバーストを誘発する )クリッピングが挙げられる。 インパルスノイズによって引き起こされるエラーは基本的に搬送波ごとに1つ のビットあるいは2つのビットに影響を及ぼすであろう。1搬送波に関する1ビ ットエラーの可能性は、2ビットエラーの可能性より常に高く、2ビットエラー の可能性は3ビットエラーの可能性より高い、等々である。これは記号内のビッ トがコード化される方法(つまり交番2進コーディング)に依存する。 コードワード及び/もしくはインターリービングブロック用のスタートビット を決定するために、全てのコーディングが同期化に依存する。MUSICモデム等の システムでは、フレーム同期化の損失あるいはビットローディング調整不良をな くデータフロースリップが決して発生しないので、簡単な推測位置決定法(dead reckoning)で充分であろう。これらのエラーは部分的あるいは完全なシステム 再始動を必要とするであろう。 更に、チャネルコーディングはバーストエラーを修正する可能性を増大させる ために、インターリービングを含むであろう。 インターリービングは最適の作業を得るために、出来る限り深くするべきであ る。深さに関する制限要素はシステムに導入される時間遅延である。 時間及び周波数インターリービング間の差はあまり重要ではない。なぜなら、 コーディング及びインターリービング機能はフレーム境界に敏感ではないからで ある。 リード‐ソロモンコードは基本的に、いわゆる記号と呼ばれる、少数のビット (通常8ビット)に関するバーストエラー修正であるという欠点を有する。イン パルスノイズからのバーストエラーはある記号内の1ビットエラーをほとんど導 入するであろう。リード‐ソロモンコードの利点を活用するために、ほとんどの エラーになりやすいビットを1つまたは2〜3のリード‐ソロモン記号に集中させ なければならない。 システムマージンはそれ自体、一種のコーディングであり、各搬送波のマージ ンを記号の冗長として使用する。この記号ごとの冗長は共有される冗長に変換す べきであり、それはバーストエラーを処理するために多数の記号によって使用さ れ得る。これが強要する高いコーディング速度は、幾つかのタイプのたたみこみ コードによって使用することができる。 従って、ソフトな情報と組み合わされたたたみこみコードの使用は、MUSICチ ャネル特性を備えたシステムにとって最適の解決策である。 たたみこみコードはインターリービングと組み合わせるべきである。残りのビ ットエラーを検出/修正するために、トップレベルのリード‐ソロモンコード、 あるいは別のバーストエラー修正コード、例えばファイヤコードを使用すること ができる。これらのエラーがたたみこみコードのデコーディング結果として現わ れるので、これは特に有用である。 システムコントローラはマイクロコントローラ、あるいは信号プロセッサに基 づき、容量の要件に依存する。MUSICシステムに対しては、プロセッサを外部に 置くことができる。システムコントローラと、モデムを構成する異なるASICとを 接続するために、PCI‐バスインターフェイスが使用される。システムコントロ ーラの操作は、システムコントローラとFFTチップとの間、データマッピングチ ップと検出チップとの間、及びコーディングチップとデコーディングチップとの 間 のPCIバスを通した相互作用パスを示す図21に概略的に示されている。システム コントローラが果たす機能は以下の通りである: ‐ 制御チャネル信号の処理; ‐ ビットローディング因数とエネルギーローディング因数の計算; ‐ システムパラメータの実時間更新;及び ‐ システム管理 ここで説明するモデムと共に使用されるシステムコントローラは、プログラム 可能であり、オンボードJTAGインターフェイスを通してアクセス可能である。 図22に示すように、ここで説明するモデムを使用したモデム接続において、2 つのデータパスは同じ物理的銅ケーブル上で互いに無関係に作用動、ネットワー ク側のネットワークユニット(Nu)、ユーザ側のネットワークターミナル(NT) において終了する。送信機Tx及び受信機Rxの両方がシステムコントローラによっ て制御される。 システムコントローラは、始動後、ビットローディング因数とエネルギーロー ディング因数を計算し、更新する。この更新は送信側と受信側の両方で、同じフ レームから開始して、同時に行わなければならない。 受信側で計算が行われ、更新が開始される。BSIクロックと組み合わされた制 御チャネルが使用て、更新の同期化が保証される。 更に、システムコントローラはシステムを管理する。システムの故障の表示に は、制御チャネルがエラー、またはチャネルデコーディングユニットからあまり に多くのエラーを受信したことを示し始めることが含まれる。システムコントロ ーラは異なるレベルで、例えば、「アイドルモード」に戻る、あるいは完全な始 動等の、再始動を開始することかできる。 制御チャネルは2つのモデム間の信号発信のためにのみ使用される選択された 搬送波である。搬送波上の配列は初期には4QAMであり、データ速度はほぼ16kBit /sである。、ビットローディングを別の配列に変更して、データ速度を増大させ てもよい。 制御チャネルのプロトコルは物理的層のHDLCに部分的に基づいている。これ はメッセージが「フラグシーケンス」と「ビットスタッフィング」の使用により 、多数のオクテットとして圧縮されることを意味する。16ビットの「フレームチ ェックシーケンス」が全てのメッセージが正しく受信されることを保証する。 「フラグシーケンス」、「ビットスタッフィング」及び「フレームチェックシ ーケンス」は、ハードウエア内のマッピングチップ及び検出チップにおいて、処 理される。メッセージの内容はシステムコントローラによって処理される。 マッピングチップ及び検出チップのバッファのサイズに起因して、最大のメッ セージ長は64オクテットに制限される。 高レベルのプロトコルは部分的に、CCITT Q.921の勧告に基づくことができる 。 MUSICモデムSCでは、幾つかの異なるベクトルが管理され、これらは図23に概 略的に示されている。 送信機部分のために、ビットローディングベクトルとエネルギースケーリング ベクトルとがある。受信機側ではそれに対応して、ビットローディングベクトル 、デスケーリングベクトル、及び等化ベクトルがある。 前述のように、パイロット搬送波は特殊なパターンを送信・検出することによ って、送信機/受信機の同期化を伝える。このクロックはシステムによって使用 されて、送信機ベクトルと受信機ベクトル内の変動を同期化させる。 パイロット同期化パターン間の時間はベース同期化間隔(BSI)と呼ばれ、図2 4に示すように、システム応答時間によって決定される。 このBSIはハードウエアに依存する。応答時間は常に同じであるので、その長 さは変更されないであろう。 システムが立ち上がっており、作動中である場合、ベース同期化間隔アップリ ンク(BSI-U)及びベース同期化間隔ダウンリンク(BSI-D)によって、アップリ ンク送信機と受信機との間に同期化が存在するであろう。図25を参照。これらの BSIは正確に同じ長さのものであるが、BSI間隔の半分だけシフトされる。 NUあるいはNTにおけるSCは、BSI-U及びBSI-Dに対する割込みを受信するであろ う。 NUに対しては、送信BSI-D割込みと、受信BSI-U割込みがあるであろう。BSI-U をBSI/2だけシフトすることによって、SCの荷重はBSI期間に亘ってうまく分散さ れるであろう。 ビットローディングベクトルはシステムに各搬送波用の変調パターンを供給す る。これはエラーの無い接続を提供するための、送信機側と受信機側で正確に同 時に保持し、更新する必要があるベクトルである。BSIを使用して、ベクトルは 受信機側と送信機側で同期的に変更される。 各搬送波に対して使用されるビットローディング因数、配列は、マッピングチ ップと検出チップに対する受信用の2つのメモリと送信用の2つのメモリによっ て処理される。4つのメモリの各々は各搬送波用に4ビットワード(1024×4) を内含する。 システムコントローラは次にBSI間隔からの開始後に、メモリのどれを送信用 に使用し、どれを受信用に使用するかを指示する。 ビットローディング因数は0から12までの値を持つことができ、0は未使用の 搬送波を示し、1から12は配列内のビット数を示す(例えば、4QAM用に2、16QAM 用に4、1024QAM用に10)。 エネルギーベクトルは搬送波がエネルギー内でどのようにスケール/デスケー ルされるかに関する情報を保持する。これは同期的に更新される必要かあるベク トルであり、そうでなければ、ゆがめられたチャネル推定値及びビットエラーを 発生させるであろう。スケーリングベクトルは取り消された搬送波用のマスクと しても使用される。 送信側での異なる搬送波のスケーリングは、FFTチップ上のメモリエリアによ って処理される。メモリは各搬送波ごとに1つの16ビットワード(1024×16)か ら構成される。周波数領域において、各搬送波用のベクトルをこれらの値に掛け る(IとQに別個に値を掛ける)。 同期的更新を保証するためにメモリを倍にする。システムコントローラは次の BSI間隔の開始から2つのメモリのうちどちらを使用するかを指示する。 記号検出前に搬送波をリスケールするために、対応する(二倍にされた)メモ リが受信側に実装される。これらのメモリが各搬送波用の複素数値(32ビット/ 搬送波)を含む場合、I値のみかりスケーリングのために使用される。 スケーリング因数とリスケーリング因数は0.5から2.0までの値を有する。値0 は搬送波取り消しのために使用される。 等化ベクトルはチャネル特性に従って受信したフレームを等化するために使用 される。チャネル推定値は受信機によって計算されるので、このベクトルは、他 方の側とは無関係に、周期的に更新される。 搬送波の特殊な送信特徴に応じて、搬送波に以下のモードの1つが指定される : ‐ 通常の搬送波‐この搬送波は計算されたビットローディング値に相応して データを送信し、送信機でスケールされ、受信機でデスケールされる; ‐ 取り消された搬送波‐この周波数では如何なるエネルギーも送信されず、 従ってスケーリングベクトルはゼロに設定される;あるいは ‐ 不良搬送波‐SNRが低すぎて如何なるデータも送信できない。従って、ビ ットローディングはゼロに設定される。 搬送波モード1(CM1)の場合、システムは通常通りに作動する。受信機はチ ャネルを絶えず推定する。各々の新しい推定値のために等化変更が行われる。そ の特徴を使用して、SCは最適のビットローディング因数を計算する。この値は、 CCHを使用して送信機に送られ、同期的変更が行われる。 搬送波モード2(CM2)の場合、エネルギーがスケール/デスケールされた値 がゼロに設定され、如何なる出力/入力エネルギーも不許可にする。ビットロー ディングベクトル値もゼロに設定され、搬送波が不許可にされたことを示す。こ の搬送波に対しては、如何なるチャネル推定値も得られない。 搬送波モード3(CM3)の場合、受信機はビットローディング因数に対してゼ ロを算出している。これは、送信機側では如何なるデータも送信でず、受信機側 では如何なるチャネル推定も行えないことを意味する。これを避けるために、同 期化(sync)フレームから対応する搬送波値が送られ、受信機側でチャネル推定 を実施できるようにする。出力電力を低下させるために、スケーリング/デスケ ーリング値を使用することができる。搬送波モードは表4に要約されている。 システム始動シーケンス、つまり、コールド/ウォームブート用の基本的な機 能性を現在考慮中である。 初めにシステムはNU、NTの一端または両端で電力が切られると考えられている 。これは停電によって電力が失われた場合、あるいはユーザがNT設備のプラグを 抜いた場合に発生する。始動に関して主に考慮すべき事項は、接続機能の他に、 近くのケーブルで動かされている他のモデムに対する干渉レベルを最低にするこ とである。 本システムによって使用される様々なフレームタイプについて考慮する。 1.同期化フレームがチャネル推定のために使用される。このフレームは全ての 搬送波用の固定変調パターンを保持し、それによって簡単なチャネル推定を可能 にする。変調パターンをランダムシーケンスによって説明することによって、フ レーム内部の相互相関が低く保持され、同期化のために使用されるフレーム相関 が改善される。 2.データフレーム1(DF1)は、制御チャネル(CCH)を並列して送信する4つ の予め定義される搬送波を除き、全ての搬送波でランダムデータを搬送する。デ ータフレーム1はCCH搬送波がまだ決定されていない場合に始動時に使用され、 受信機が最も妨害されていない搬送波を選択できるようにし、それによってCCH 接続を保証する。 3.データフレーム2(DF2)は制御チャネル(CCH)を支える1つの搬送波を除 き、全ての搬送波でランダムデータを搬送する。データフレーム2は、CCH搬送 波が決定されており、ビットローディング因数がまだ設定されていない場合に使 用される。 4.データフレーム3(DF3)はデータを搬送し、ビットローディング機能性を利 用して、帯域幅を最大にする。1つの搬送波が常に制御チャネル(CCH)専用に 指定される。 システムは始動時及びアイドルモードの時に、始動シーケンス(SUS)と呼ば れる、図26に示した特殊なフレームシーケンスを使用する。 SUSは、しかるべくSUS1及びSUS2と呼ばれる、異なるデータフレーム、DF1及び DF2を使用することによって構成することができる。SUSフレームシーケン スでは、同期化フレームがチャネル推定のために使用される。 始動後、図27に示すように、同期化フレームはデータフレームで置き換えられ 、チャネル推定プロセスは同期化フレームの使用から、データフレームの使用に 切り替える。このシーケンス用のデータフレームタイプはDF3である。 システム開始時には、モデムのNU、NTいずれの側も銅ペアケーブルでエネルギ ーを送信していない。この状態では、各々の側用のデフォルト設定が受信機を動 かし、送信機を無作動状態にとどめる。 各々の側の受信機は、フレーム開始を検出するためにフレーム相関を実行しよ うとする。この相関はしきい値機能を通して行われ、他方の側が送信を開始した 時、受信機に明確な指示を与える。ウェイクアップ信号として作用するのはこの 指示である。 ウェイクアップ信号はNT側でのみ使用される。始動の決定がNU側でなされた場 合、システムは後述する「セットアップシーケンス」へと直接進む。 「セットアップシーケンス」への移行が検出されない場合、始動手順のこの部 分はタイムアウトにされる。 基本モデムのウェイクアップ信号が図28に示されている。初期には、両方のモ デムがフレーム相関をサーチしている。図28の右側の一方のモデムが、SUS1の形 態でウェイクアップ信号を送信する。他方のモデムがフレーム相関を検出し、後 述のセットアップシーケンスを開始させる。 ウェイクアップ状態が過ぎると、ネットワーク側(NU)は「セットアップシー ケンス」を始動させる。 次に、セットアップシーケンスについて考慮する。このセットアップシーケン スは、ネットワーク側がウェイクアップ信号を検出したか、あるいはネットワー クがセットアップを始動させた後で開始する。 セットアップシーケンスの最初のステップが図29に示されている。この段階で は、NUがSUS1パターンを送り始める。NUはタイミングアドバンス(TA)設定を繰 り返し送信する。TA=ゼロ、CCHでメッセージ送信。システム内のマスタークロッ クは現在NU送信フレーム及びサンプルクロックである。パイロットが連 続的に送信される。 NT受信機側は、フレーム相関をサーチし、フレームを検出し、フレームとサン プルクロックを検索することができる。次に、現在の同期化フレーム速度で、正 確な推定値を300msec以内に計算するチャネル推定を開始する。この推定を使用 して、受信機は予め定義されているCCH搬送波をポーリングし始め、メッセージ の受信と同時に、この搬送波をCCHのために選択する。NT送信機が次にローカル タイミングのためにTA=0で開始し、受信された各TAセレクションメッセージに 対してCCH搬送波でack(受信確認)を送り、受信したTA値を繰り返す。更に、SC 荷重が経時的に分散されるように、入ってくるパイロット搬送波から出ていくパ イロット搬送波をBSI/2だけシフトする。NUがフレーム相関を検出した時、セッ トアップシーケンスのステップ2への移行が行われる。 このように、ネットワークユニットモデムにおいて、セットアップシーケンス のステップ1が送信機によって開始され、周期的間隔でTA=0で、SUS1及びTAメ ッセージを送信する。この受信と同時に、ターミナルモデムの受信機は: ‐ フレーム相関を実施し、フレームクロックを検索する; ‐ FFT処理を開始する; ‐ パイロットデコーディングを許可する; ‐ BSIを検索する; ‐ チャネル推定を許可する; ‐ CCHを選択する;及び ‐ TAセレクションメッセージをデコードする。 ターミナルユニット内の送信機が次にack、SUS1、TA=0メッセージ、及びBSI/ 2だけシフトされたパイロット搬送波を送信する。ネットワークユニットの受信 機はフレーム相関を待つ。 セットアップシーケンスのステップ2(図30を参照)は、NU側でタイミングア ドバンス値(TA)の計算を開始する。CCHメッセージは新しい、修正されたTA値 に変更される。 NT側が新しいTA値を受信すると、新しいTA値で、全てのTAセレクション メッセージのために、ローカルタイミングを変更し、ackメッセージを送り続け る。 フレームクロックを変更するNT送信機に起因して、NUの受信機側ではフレーム クロックが失われ、ユニットは再相関を必要とする。フレームクロックが検索さ れた後、CCHがデコードされ、新しいTA値を含むackの検出と同時に、システムは TAメッセージを終了し、セットアップシーケンスの第3のステップに進む。 このように、セットアップシーケンスのステップ2はネットワークユニットNU 内の送信機で開始し、ターミナル送信機から送信されたSUS1及びTA=0メッセー ジに答えて、正しいTA、例えばXを含むTAメッセージを、SUS1と共に送信する。 ターミナルユニットNTは: ‐ 新しいTAメッセージを受け取る; ‐ 出ていくフレームクロックを修正する;及び ‐ SUS1及びTA=Xのackを送信する。 ネットワークユニットNUは: ‐ フレーム相関を実行する; ‐ フレームクロックを検索する; ‐ FFT処理を開始する; ‐ パイロットデコーディングを許可する; ‐ BSIを検索する; ‐ チャネル推定を許可する; ‐ CCHを選択する;及び ‐ メッセージをデコードする。 最後のセットアップシーケンス、ステップ3(図31を参照)は、アップリンク 及びダウンリンク用のCCH選択を処理する。アップリンク用に、NU受信機は最も 適当な搬送波を選択しており、このセレクションを含むCCHメッセージをNT側に 送る。ackを受信するまでメッセージを繰り返し送り続ける。 NT側では、受信機はCCHメッセージをデコードし、SUS1を終了し、SUS2を送信 する、つまり、並列CCH送信を終了し、選択された搬送波でCCHのみを送信する。 次にアップリンクCCH搬送波が設定される。ダウンリンク用に、同じステップ が並列して実施され、最初のCCHセレクションメッセージをNUから受信した後、N T側を通して開始される。 このように、ステップ3では、ネットワークユニットは: ‐ アップリンク用に選択されたCCHを送信する; ‐ ackを待つ;及び ‐ CCHメッセージを終了する。 ターミナルユニットは: ‐ アップリンク用のCCHセレクションを受信する; ‐ SUS1を終了する; ‐ SUS2を開始する;及び ‐ 各CCHセレクションの受信確認(ack)をする。 ネットワークユニットは次に: ‐ ダウンリンク用の選択されたCCHを受信する; ‐ SUS1を終了する; ‐ SUS2を開始する;及び ‐ 各CCHセレクションの受信確認(ack)をする。 ターミナルユニットは: ‐ ダウンリンク用のCCHセレクションを送信する; ‐ ackを待つ;及び ‐ CCHメッセージを終了する。 これらのステップが実施された時、モデムはアイドルモードに達し、SUS2を送 る。次に、CCHを使用して、チャネル特徴に従ってビットローディング因数を変 更することができ、DAS送信が開始される。 VDSLモデムはモデムの物理的な位置に応じて、つまりアクセスノード構内にお いて、あるいは加入者構内において、異なるネットワーク成分をつなぐことがで きる。加入者構内では、VDSLモデムはアクティブなネットワーク終了設備をつな ぐことができる。アクセスノードでは、VDSLモデムはアクセス特有のインターフ ェイスをつなぐ。アクセス特有のインターフェイスはVDSLモデムをつなぐネット ワーク成分の論理図を示す図32を参照。 VDSLモデムはネットワーク終了設備と物理的に統合されてもよく、アクセスノ ードにおいて、VDSLモデムは物理的に、アクセスノードが置かれるキャビネット 内に置かれてもよい。 NT(インターフェイスA1)及びアクセスノード(インターフェイスA2)はVDSLモデ ムからレイヤ1フレームフォーマットを要求する。フレームヘッダ及びペイロー ドは別として、レイヤ1フレームに統合されるのは、管理・制御情報用の多数の 情報フィールドである。これらの管理・制御フィールドはSDHアラーム等の異な るアラーム指示器、例えば性能モニタリング用の(加入者構内に至るまでSDHが取 られた場合にのみ有効である)AISビットエラー率測定、同期化が不良であるとか 、あるいは失われたことの指示、あるいは電力ロス及び高温等に対する設備処理 アラーム等を含む。更に、管理フィールドは操作及び保守目的のために、モデム に対する異なるループテスト用の賦活を含む。 表1 全体のシステム用のシステムパラメータ表2 送信機用システムパラメータ表3 受信機用システムパラメータ 表4 搬送波モード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トンヴァル,ハーリー スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 オルソン,レンナート スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、ルシェテルラッセン 2、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 ステファンソン,トーマス スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 エーマン,ハンス スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 バーレンベルグ,ギュンナー スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 イサクソン,アンデルス スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 エクヴィスト,ゲラン スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 リュンググレン,リス―マリエ スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 ノルドストレーム,トーマス スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 イサクソン,ラルス―オーケ スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 ベルグトソン,ダニエル スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 ホカンソン,シヴェルト スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内 (72)発明者 ヴェン,イェー スウェーデン王国、エス―977 75 ルー レオ、アウロルム 6、テリア リサーチ アクティエ ボラーグ内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.高位QAM配列を持つ直交搬送波を使って、1搬送波及び記号につき複数のビ ットを伝送する多重搬送波伝送システムであって、前記システムは、デジタル受 信器及び送信機ユニットを持ち、前記受信機ユニットは記号検出器を有するシス テムにおいて、前記システムは各単一の搬送波に対するパラメータを決めるよう になっており、前記パラメータは対応する配列ポイントからの受信信号の偏差を 示しており、前記パラメータを上下限と比較し、前記パラメータが限度外である 場合には、搬送波を変調するため使用している配列を隣の配列に変更することを 特徴とするシステム。 2.上記記号検出器が搬送波のパラメータを決定するために用いられることを 特徴とする請求項1に記載の多重搬送波伝送システム。 3.上記パラメータが、比d22であり、ここで、dは隣り合った配列間の最 短距離であり、σは標準偏差であり、σ2は前記記号検出器の前記入出力信号値 の偏差の分散であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多重搬送波伝送シ ステム。 4.上記記号検出器が、特定の配列ポイント周辺の範囲内で、そこで与えられ る入力信号を、前記記号検出器の出力値であるこの点の別な値に対応させ、搬送 波の入出力信号間の差を測定し、この差は、2乗して、平均されて、σ2の推定 値を与えることを特徴とする請求項3に記載の多重搬送波伝送システム。 5.σ2が、搬送波変調のために使用される配列に対する2乗距離d2と同じ単 位で表されることを特徴とする請求項4に記載の多重搬送波伝送システム。 6.記号検出器の入出力信号値間の差の値が変動し、その分散が搬送波に対す る外乱の大きさで、SNRに正比例することを特徴とする請求項4又は5に記載の 多重搬送波伝送システム。 7.上記分散がSNRに比例することを特徴とする請求項6に記載の多重搬送波伝 送システム。 8.特定の配列に対する上記分散の上限が最大許容記号エラー率によって決定 され、前記分散の下限が次に大きい配列の上限に等しいことを特徴とする請求項 6 または7に記載の多重搬送波伝送システム。 9.特定の最大記号エラー率により最小d/σ比が得られることを特徴とする請 求項8に記載の多重搬送波伝送システム。 10.上記システムがDMTシステムであることを特徴とする前記請求項のいずれ かに記載の多重搬送波伝送システム。 11.上記システムがDMTベースのVDSLシステムであることを特徴とする前記請 求項のいずれかに記載の多重搬送波伝送システム。 12.1搬送波及び記号につき複数のビットを伝送するために高位QAM配列を持 つ直交搬送波を使う多重搬送波伝送システムで、デジタル受信機及び送信機ユニ ットを含み、その受信器ユニットが記号検出器を有するシステムにおいて、各単 一搬送波の配列(ビットローディング)を決める方法であって、各単一搬送波の パラメータを決定するステップがあり、そのパラメータは対応する配列ポイント からの受信信号の偏差を表わし、パラメータを上下限と比較して、パラメータが 限度外の場合には、その搬送波に対する配列を隣の配列に変更することを特徴と する方法。 13.各単一搬送波に対するパラメータが上記記号検出器により影響されること を特徴とする請求項12に記載の方法。 14.パラメータが、比d22であり、ここで、dは隣り合った配列間の最短 距離であり、σは標準偏差であり、σ2は記号検出器の入出力信号値の偏差の分 散であることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。 15.搬送波のパラメータ決定において、記号検出器への入力信号を、特定の配 列ポイント周辺の範囲内で、前記記号検出器の出力値であるこの点の別な値に対 応させ、しかも搬送波に対する記号検出器の入出力信号間の差を測定して、この 差を、2乗して、平均してσ2の推定値を得ることを特徴とする請求項14に記載 の方法。 16.σ2が、搬送波変調のために使用される配列に対する2乗距離d2と同じ単 位で表されることを特徴とする請求項15に記載の方法。 17.前記記号検出器の入出力信号値間の差の値が分散し、その分散が搬送波に 対する外乱の大きさであり、SNRに正比例することを特徴とする請求項15又は16 に記載の方法。 18.上記分散がSNRに比例することを特徴とする請求項17に記載の方法。 19.特定の配列に対する上記分散の上限が最大許容記号エラー率によって決定 され、上記分散の下限が次に大きい配列の上限に等しいことを特徴とする請求項 17または18に記載の方法。 20.特定の最大記号エラー率によって最小d/σ比が得られることを特徴とす る請求項19に記載の方法。 21.上記システムがDMTシステムであることを特徴とする請求項12から20のい ずれかに記載の方法。 22.上記システムがDMTベースのVDSLシステムであることを特徴とする請求項1 2から21のいずれかに記載の方法。 23.1搬送波及び記号につき複数のビットを伝送するために高位QAM配列を持 つ直交搬送波を使う多重搬送波伝送システムであって、前記システムはデジタル 受信機及び送信機ユニットを含み、前記受信器ユニットは記号検出器を有してお り、各単一搬送波の配列(ビットローディング)を決めるために請求項12から22 のいずれかに記載の方法を用いることを特徴とするシステム。
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