JP2000325099A - 新規な核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶液 - Google Patents
新規な核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶液Info
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Abstract
の高い迅速検出の可能な核酸ハイブリダイゼーション溶
液を提供する。 【解決手段】2%(重量/容量)以上の濃度で陰イオン性
界面活性剤およびポリエチレングリコールを含有し、か
つpHが7.2より高いことを特徴とする核酸ハイブリ
ダイゼーション用緩衝溶液。
Description
ゼーション用の試薬組成および方法に関する。さらに詳
しくは、ハイブリダイゼーション速度を上昇させ、かつ
非RI検出系でのバックグラウンドの上昇を抑制するこ
との可能な、ハイブリダイゼーション用の試薬組成およ
び該組成物を含有するキットおよび方法に関する。本発
明は、ナイロン膜上の核酸の検出およびDNAチップや
Microarrayなどのハイブリダイゼーション用途にも応用
が可能である。
を検出する上で、生化学、分子生物学分野での研究及び
臨床分野における診断に欠くことのできない重要な技術
の一つである。特に電気泳動技術とハイブリダイゼーシ
ョン技術を組み合わせたSouthern blotおよびNorthern
blotによる解析は、様々な重要な情報を得ることが可能
であることから広く使われている。これらの技術はプロ
ーブと呼ばれる標識核酸と一本鎖鋳型核酸の相補性を利
用した核酸の検出方法であるが、実際使用する上で、特
異性及びハイブリダイゼーションの速度が重要なファク
ターとなる。また、近年、従来から用いられてきたラジ
オアイソトープ(以下、RIと示す)ラベルしたプロー
ブに代わり、ジゴキシゲニン、ビオチンなどを用いた非
RI系で検出する例が多くなり、非RI系特有のバック
グラウンドを除去することが重要な課題の一つとなって
いる。
Molecular cloning second edition(1989) 9.50に記載
されるような、5〜6×SSPE(20×組成:3M
NaCl,173mMNaH2PO4, 25mMEDTA;
pH7.4)もしくは5〜6×SSC(20×組成:3M
NaCl,0.3Mクエン酸ナトリウム:pH7.0)を
ベースとした溶液に2〜10×Denhardt's(10×組
成:2% Ficol、 2% Bovin serum albumin、 2% Po
lyvinil piroridon)およびドデシル(ラウリル)硫酸ナ
トリウム(以下、SDSと示す)を0.1〜0.5%と
なるように添加したものが主流である。この緩衝液に
は、必要に応じて変性サケ精子DNAやホルムアミドが
添加される。また、これらの溶液にポリエチレングリコ
ール(以下、PEGと示す)もしくはデキストラン硫酸
を10%になるように添加することで、ハイブリダイゼ
ーションの速度を上昇させることが可能であることが明
記されている。この緩衝液の特徴は、SDSの濃度が1
%以下と比較的低く、ブロッキング作用の高いDenhard
t's溶液を使用することが特徴である。しかし、この緩
衝液を用いてジゴキシゲンンなどで標識したプローブを
用いてハイブリダイゼーション解析を実施した場合、バ
ックグラウンドが明らかに上昇する。
H7.2)をベースとした非RI用ハイブリダイゼーシ
ョン用緩衝液も報告され、現在ジゴキシゲンなどの非R
I系でのハイブリダイゼーション用緩衝液として主流と
なっている。この緩衝液はSDSを高濃度で添加するこ
とにより、膜へのプローブの非特異的な吸着を抑えるこ
とが可能であり、変性サケ精子DNAを加えることなく
使用できるため便利である(Analytical Biochemistry
210,235-244(1993))。しかし、この緩衝液は保存中に
室温が低下した場合、SDSが大量に析出する傾向にあ
り、ハンドリング面で問題となる。2%以上の濃度でS
DSを添加する組成は、非RI系において、様々な組成
が報告されている。いずれもpH7.0〜7.2、SD
S濃度が7〜20%というのが特徴である(脱アイソト
ープ実験プロトコール、秀潤社)。また、この組成に
おいてハイブリダイゼーションを促進する組成について
は報告されていおらず、一晩ハイブリダイゼーションす
るプロトコールとなっているのが現状である。
ハイブリダイゼーション速度を上昇させかつ非RI検出
系でのバックグラウンドの上昇が抑制でき、更に室温で
結晶の析出しにくい液組成の開発が求められていた。す
なわち本発明の目的は、ハンドリングが良好で、非RI
系でのS/N比の高い迅速検出の可能なハイブリダイゼ
ーション液組成を提供することである。
に鑑み、種々検討を重ねた結果、2%以上のSDSおよ
びPEGを含有するpH7.2より高い緩衝液を用いる
ことによりハイブリダイゼーションを促進させつつ、非
RI系でのバックグラウンドの上昇を抑えることが可能
であることを見出し、また、2%以上のSDSとPEG
を共存させることにより低温下でのSDS結晶の析出を
緩和することが可能であることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
らなる。 (1)2%(重量/容量)以上の濃度で)陰イオン性界面
活性剤およびポリエチレングリコールを含有し、かつp
Hが7.2より高いことを特徴とする核酸ハイブリダイ
ゼーション用緩衝溶液。 (2)陰イオン性界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム
もしくはN−ラウロイルサルコシンナトリウムのいずれ
かである(1)の核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶
液。 (3)ベタイン及び/又は核酸成分を含有する(1)ま
たは(2)の核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶液。 (4)キレート剤を含有する(1)〜(3)のいずれか
の核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶液。 (5)タンパク質成分を含有する(1)〜(4)のいず
れかの核酸ハイブリダイゼーション緩衝液。 (6)2%(重量/容量)以上の濃度で陰イオン性界面活
性剤およびポリエチレングリコールを含有し、かつpH
が7.2より高い緩衝溶液であって、ベタイン及び/又
は核酸成分を含有する緩衝溶液を含有することを特徴と
する核酸ハイブリダイゼーション用キット。 (7)2%(重量/容量)以上の濃度で陰イオン性界面活
性剤およびポリエチレングリコールを含有し、かつpH
が7.2より高い緩衝溶液を用いて核酸をハイブリダイ
ズせしめることを特徴とする核酸ハイブリダイゼーショ
ン方法。
20000〜4000が好ましく用いられ、特に#20
000〜6000がハイブリダイゼーション効果が高く
好適に用いられる。また、PEG#20000は分子量
15000〜20000、#6000は分子量7300
〜9000、#4000は分子量2700〜3500の
分画である。従来よりハイブリダイゼーションを高める
効果の確認されているデキストラン硫酸は溶解が難しく
好ましくない。
活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(S
DS)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が挙げ
られ、なかでも、SDSが好ましく用いられる。その濃
度としては5%以上が好ましい。SDSはバックグラウ
ンドを抑える効果が高く、無添加ではバックグラウンド
の上昇が著しい。また、10%以上の添加は、室温保存
下における結晶析出の原因となるため、10%以下の濃
度で用いることが好ましい。
は特に限定されるものではないが、リン酸ナトリウム緩
衝液が特に好ましい。該緩衝液はpHが7.2より高い
ことが重要である。7.2以下では、バックグラウンド
を生じ易いジゴキシゲニンラベルしたプローブを用いた
場合、明らかにバックグラウンドの上昇が認められる。
また、pH7.6以上においては、シグナルの低下が認
められるため、リン酸緩衝液はpH7.4前後で使用す
ることが重要である。また、従来より使用されてきた、
SSCやSSPEなどの緩衝液は、5〜6×濃度で使用
した場合、保存時のSDSの析出が著しいために避ける
べきである。
イゼーション時には重要となるが、本発明においては
0.25〜1Mが好ましく用いられる。一方、ナトリウ
ムイオン濃度を高めるとSDSの析出が顕著となるため
注意が必要である。
や変性させた核酸成分を添加することにより非特異的ハ
イブリダイゼーションを抑制せしめることが可能であ
る。ベタインとしてはトリメチルグリシンが好適に用い
られ、その濃度は0.5〜1Mが好ましい。ベタインと
は正電荷と負電荷を同一分子内の分離した隣り合わない
位置に有しており、しかも正電荷を有する原子にはプロ
トンとして解離しうる水素原子が結合しておらず、分子
全体としては電荷を持たない分子の総称である。ベタイ
ンは核酸の塩基の水素結合に関与し、ハイブリダイゼー
ションにおいてGC含量の影響を受け難くなることが報
告されている(Biochemistry 32, 137-144(1993))。
適に用いられる。濃度は10〜100μg/mlが好ま
しい。通常サケ精子DNAは、使用直前にボイリングし
た後、ハイブリダイゼーション緩衝液に添加されること
が多い。核酸成分については、バックグラウンドを抑え
る効果が以前より分かっており、現在使用されているハ
イブリダイゼーション緩衝溶液においても使用される例
が多く見受けられる。
ン用緩衝溶液にEDTAなどのキレート作用を有する試
薬(キレート剤)を添加することも可能である。キレー
ト剤としてはEDTAが好適に用いられ、1〜10mM
の範囲で添加されることが好ましい。該キレート剤は二
価のイオンの混入によるハイブリダイゼーションへの影
響を回避することに役立ち、また、デオキシリボヌクレ
アーゼの混入などによる影響を回避する役割も担ってい
る。更に、本発明のハイブリダイゼーション用緩衝溶液
にタンパク質成分を添加することもバックグラウンドを
抑える方策として有効である。タンパク質成分として
は、カゼインや牛血清アルブミンが有効であり、0.1
〜1%濃度が好適に用いられる。
衝溶液は、通常のNorthern blotおよびSouthern blotに
よる解析以外にも、ドットハイブリダイゼーション、ス
ロットハイブリダイゼーション、マイクロプレート用い
たDNA−ELISA法およびin situ hybridization
法などにも適用が可能である。また、MicroarrayやDN
Aチップに関してもその応用は可能である。
ン方法において用いることのできるプローブとしては、
ランダムプライミング法、ニックトランスレーション
法、PCR法などによってラベルされた二本鎖DNAプ
ローブ、インビトロトランスクリプション法で作製され
たRNAプローブおよび5'又は3'末端を標識したオリ
ゴヌクレオチドプローブなどを挙げることができる。ま
た、固相にプローブを固定して、標識された標的核酸を
ハイブリダイズさせるリバースハイブリダイゼーション
法やサイドイッチハイブリダイゼーション法において
も、その効果が容易に予測可能である。また、上記プロ
ーブは、32P、33Pなどのラジオアイソトープやビオチ
ン、ジゴキシゲニン、コレステロールなどの非RI化合
物、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの
酵素およびFITCなどの蛍光物質などで標識されたも
のが挙げられる。
衝溶液における好ましい一態様としては、500mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4;モル濃度はNa換
算)、7.5%SDS、5%PEG#6000、1 mM
EDTA、0.5%カゼインが挙げられる。
緩衝液を用いて核酸ハイブリダイゼーションを行う方法
および核酸ハイブリダイゼーション用キットにも関す
る。本発明により、簡単、迅速でバックグラウンドの低
いハイブリダイゼーションの解析が可能となる。なお、
本発明は非RI検出系において有用であることはいうま
でもないが、RI検出系においても同様に優れた効果を
奏するものである。
て、本発明の効果をより一層明確なものとする。なお、
実施例により、本発明は特に限定されるものではない。
EG添加によるハイブリダイゼーションの促進効果の検
討 (1)酵母サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces
cerevisiae)RNAの電気泳動およびナイロン膜への転
写 (i)以下の組成でRNAの調製を行う。試薬は全てナカ
ライテスク社製のものを使用し、ナイロン膜はアマシャ
ムファルマシア社製のHybond-N+を使用した。RNA量
は2種類で行った。 10μg/2.25μl(2.5μg/2.25μl)yeast total RNA
2.25μl ホルムアルデヒド 1.75μl ホルムアミド 5μl 10×MOPS 1μl (ii)65℃、15分間インキュベーション後、2μlの
電気泳動用色素を添加する。 (iii)6.7%ホルムアミド変性1%アガロースゲル(1
×MOPS)に上記組成物10μgおよび2.5μgを
アプライし、50VにてBPB色素がゲルの4/5まで
到達するまで泳動する。 (iv)10μg/lEtBr、0.05NNaOH溶液に
ゲルを20分間浸漬する。 (v)0.2M酢酸緩衝液(pH4.0)にゲルを浸漬し、
20分間振とうする。 (vi)(v)を繰り返す。 (vii)UV照射を行って、泳動像を確認する。 (viii)ブロッターを20×SSC(3MNaCl,0.3
Mクエン酸ナトリウム:pH7.0)で満たし、濾紙、ゲ
ル、ナイロン膜、濾紙2枚、ペーパータオル(5cm)
の順番で載せる。 (ix)一晩ブロッティングを行う。 (x)膜をはがし、2×SSCにて1分間洗浄し、濾紙上
で乾燥する。 (xi)30分間、80℃にてベーキングする。
yeast actin遺伝子断片(1kb)を精製した後、ベーリ
ンガーマンハイム社DIG DNA Labeling kit(CatNo. 1175
003)を用いてラベリングを行った。RT−PCRは東
洋紡社製RT-PCRhigh-Plus-(Code No. PCR-301)を用て行
った。またプライマーとしては、F:AACAATGGATTCTGAGGT
TGC R:CACCAATCCAGACGGAGTACを使用した。PCR増幅産
物の精製には、東洋紡績製MagExtractor-PCR&Gel Clean
up-(Code No. NPK-601)を用いた。PCR、精製および
ラベリングはキットの取扱説明書に従って行なった。プ
ローブはスポットテストを行ない最終濃度2ng/μl
に調製した。
調製 以下の組成のハイブリダイゼーション溶液を調製した。
試薬は全てナカライテスク社製のものを用いた。 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 10%SDS 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 10%SDS、 5%
PEG20000 (4)ハイブリダイゼーション、検出 (i)転写済みナイロン膜をハイブリダイゼーションバッ
クに入れ、ハイブリダイゼーション溶液を1ml添加
し、膜になじませる。 (ii)68℃、15分間放置する。 (iii)プローブ溶液を2ng/10μlとなるように滅
菌水で希釈し、5分間ボイルする。 (iv)新たに用意したハイブリダイゼーション溶液(68
℃)にの溶液を添加する。 (v)(ii)の溶液を捨て、の溶液を添加する。 (vi)68℃にて2時間もしくは16時間(終夜)ハイブ
リダイゼーションを実施する。 (vii)ナイロン膜を取り出し、2×SSC、0.1%SD
Sにて、室温で5分間洗浄する。 (viii)(vii)を繰り返す。 (ix)68℃にて暖めておいた0.1×SSC、0.1%
SDSにて、68℃で15分間洗浄する。 (x)(ix)を繰り返す。 (xi)100mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM
NaClにて膜をリンスする。 (xii)100mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM
NaCl、5% Blocking reagent(ベーリンガーマンハ
イム製)に膜を37℃、30分間浸漬する。 (xiii)アルカリホスファターゼ結合抗ジゴキシゲニン抗
体(ベーリンガーマンハイム製)を100mM Tris-H
Cl(pH7.5)、150mMNaCl、5% Blocking
reagentにて10000倍希釈した溶液に、膜を37
℃、30分間浸漬する。 (xiv)100mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM
NaCl、0.3% Tween20にて15分間洗浄する。 (xv)(xiv)を繰り返す。 (xvi)100mM diethanolamine、 2mMMgCl2,
0.02% NaN3にて5分間洗浄する。 (xvii) Lumiphos530(Lumigen社製)に5分間浸漬す
る。 (xviii)膜をラップにはさみ、暗室にてX線フィルムを
重ね、2時間感光する。 (xix)X線フィルムを現像する。
酸ハイブリダイゼーション緩衝液組成へのPEGの添加
による、ハイブリダイゼーションの促進効果の検討を行
ったものである。この結果、高濃度でSDSを含有する
ハイブリダイゼーション緩衝液組成へPEGを5%添加
することにより、ハイブリダイゼーションの時間短縮お
よびシグナル強度の増強が確認できた。また、PEGを
添加したものは室温が低下した場合もSDSの析出は見
られなかった。
来のDenhardt's系ハイブリダイゼーション緩衝溶液との
比較 (1)サッカロミセス・セレビジエRNAの電気泳動お
よびナイロン膜への転写実施例1(1)と同様に実施し
た。
調製 以下の組成のハイブリダイゼーション溶液を調製した。
試薬は全てナカライテスク社製のものを用いた。 6×SSC(pH7.0)、2×Denhardt's、0.1%S
DS(従来の組成) 6×SSC(pH7.0)、2×Denhardt's、0.1%S
DS、10%、PEG#20000 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 10%SDS 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 10%SDS、 5%
PEG#20000
EGを添加したものについては促進効果が確認できた
が、バックグラウンドが非常に高い傾向にあった。本発
明の組成においては、従来法と比較してPEGを添加す
ることによるバックグラウンドの上昇は確認されず、ハ
イブリダイゼーションの促進効果のみ確認することがで
きた。
々なpHでのハイブリダイゼーションにおけるバックグ
ラウンドの比較 (1)HeLa細胞RNAの電気泳動およびナイロン膜
への転写 以下の組成でRNAの調製を行う。 10μg/2.25μl(2.5μg/2.25μl)HeLa total RNA
2.25μl ホルムアルデヒド 1.75μl ホルムアミド 5μl 10×MOPS 1μl 以下の操作は、実施例1(1)と同様に実施した。 1μlの電気泳動用色素を添加する。
ブの調製 プローブは逆転写(RT)−PCR法を用いて増幅した
human transferrin receptor遺伝子断片(4.5kb)を
精製した後、ベーリンガーマンハイム社DIG DNA Labeli
ng kit(Cat No. 1175 003)を用いてラベリングを行っ
た。RT−PCRは東洋紡績製ReverTra dash(Code No.
PCR-401)を用いて行った。また、プライマーとして
は、F:CAGTTCAGAATGATGGATCAAG R:TACTCCTTAACGAGAAGAC
ATCTCAAGACを用いた。PCR増幅産物の精製には東洋紡
製MagExtractor-PCR&Gel Clean up-を用いた。PCR、
精製およびラベリングはキットの取扱説明書に従って行
なった。プローブは最終濃度2ng/μlに調製した。
調製 以下の組成のハイブリダイゼーション溶液を調製した。
試薬はすべてナカライテスク社製のものを用いた。 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.2;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 6%SDS、 5%
PEG#6000 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.3;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 6%SDS、 5%
PEG#6000 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 6%SDS、 5%
PEG#6000
or cDNA(4.5kb)プローブは、特にバックグランド
を生じ易い性質を有するプローブである。pH7.2の
ハイブリダイゼーション緩衝液を用いた場合は、シグナ
ルは検出可能であったが、膜全体が黒くバックグラウン
ドの上昇が認められた。一方、pH7.3および7.4
のハイブリダイゼーション緩衝液を用いた場合は、バッ
クグラウンドの出現が大きく改善されていることが分か
る。
びナイロン膜への転写 (i)以下のようにゲノムDNAの制限酵素消化を行う。
制限酵素は東洋紡績製を用いた。 滅菌蒸留水 7μl HeLa細胞(HL60細胞)ゲノムDNA(1μg/
μl) 1μl 10×制限酵素バッファー(M) 1μl Hae III(10U/μl) 1μl (ii)泳動用色素を1μl添加する。 (iii)1%アガロースゲルにHeLa、HL60ゲノムD
NAそれぞれアプライする。 (iv)1×TAE中で15V、16時間電気泳動を行な
う。 (v)10μg/lEtBr中でゲルを15分間染色す
る。 (vi)0.25NHCl溶液中で20分間ゲルを振とうす
る。 (vii)1.5MNaCl,0.5MNaOH溶液にゲルを
移し、15分間振とうする。 (viii)1.5MNaCl,0.5MNaOH溶液にゲル
を移し、15分間振とうする。 (ix)2×SSC溶液に浸漬する。 (x)ブロッターを20×SSC(3MNaCl,0.3M
クエン酸ナトリウム:pH7.0)で満たし、濾紙、ゲ
ル、ナイロン膜、濾紙2枚、ペーパータオル(5cm)
の順番で載せる。 (xi)一晩ブロッティングを行う。 (xii)膜をはがし、2×SSCにて1分間洗浄し、濾紙
上で乾燥する。 (xiii)30分間、80℃にてベーキングする。
ローブの標識は、実施例1(2)と同様に実施した。
調製 以下の組成のハイブリダイゼーション溶液を調製した。
試薬は全てナカライテスク社製のものを用いた。 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 7%SDS、5%P
EG#6000 500mMNa−Pi緩衝液(pH7.4;モル濃度
はNaで計算)、1mMEDTA、 7%SDS、5%P
EG#6000、1Mトリメチルグリシン
(4)と同様に実施した。
であり、繰り返し配列の繰り返し回数の違いを用いて近
年、個体識別などに使用されることが多い。この繰り返
し数は染色体レベルで多形性を示すため、多くの場合解
析時に2本のバンドが出現する。また、本プローブは若
干の繰り返し配列を有しているために目的外の遺伝子に
ハイブリダイズする傾向が強く、ハイブリダイゼーショ
ンの特異性を見るには最適であった。ハイブリダイゼー
ションの結果を図5に示す。ベタイン無添加のハイブリ
ダイゼーション用緩衝液を用いた場合は、HL60の解
析において、目的以外のバンドが多数確認できるのに対
し、ベタインを添加した系については目的のバンド以外
のバンドはほとんど検出されていないのが分かる。ま
た、ベタイン無添加の系に関しては、高分子域のバンド
の方が低分子域のものに比べてかなり濃いのに対し、ベ
タインを添加した系ではそれが緩和されている。これ
は、ベタインを添加したことにより、より特異的にハイ
ブリダイゼーションが進行したことを示している。
RI系において核酸ハイブリダイゼーション解析を行う
場合において、迅速、高感度な解析が可能となった。ま
た、従来の高濃度でSDSを含有する組成のハイブリダ
イゼーション緩衝溶液に比べ、室温保存時のSDSの析
出も低減され、ハンドリング面でも大きく改善がなされ
た。この方法を用いることにより、従来法に比べ、簡便
かつ確実な結果が得られる。
るハイブリダイゼーションの促進を示す図である。
s系ハイブリダイゼーション緩衝溶液との比較を示す図
である
核酸ハイブリダイゼーションにおけるバックグラウンド
の比較を示す図である。
示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 2%(重量/容量)以上の濃度で陰イオン
性界面活性剤およびポリエチレングリコールを含有し、
かつpHが7.2より高いことを特徴とする核酸ハイブ
リダイゼーション用緩衝溶液。 - 【請求項2】 陰イオン性界面活性剤がラウリル硫酸ナ
トリウムもしくはN−ラウロイルサルコシンナトリウム
のいずれかである請求項1記載の核酸ハイブリダイゼー
ション用緩衝溶液。 - 【請求項3】 ベタイン及び/又は核酸成分を含有する
請求項1または2に記載の核酸ハイブリダイゼーション
用緩衝溶液。 - 【請求項4】 キレート剤を含有する請求項1〜3のい
ずれかに記載の核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶
液。 - 【請求項5】 タンパク質成分を含有する請求項1〜4
のいずれかに記載の核酸ハイブリダイゼーション緩衝
液。 - 【請求項6】 2%(重量/容量)以上の濃度で陰イオン
性界面活性剤およびポリエチレングリコールを含有し、
かつpHが7.2より高い緩衝溶液であって、ベタイン
及び/又は核酸成分を含有する緩衝溶液を含有すること
を特徴とする核酸ハイブリダイゼーション用キット。 - 【請求項7】 2%(重量/容量)以上の濃度で陰イオン
性界面活性剤およびポリエチレングリコールを含有し、
かつpHが7.2より高い緩衝溶液を用いて核酸をハイ
ブリダイズせしめることを特徴とする核酸ハイブリダイ
ゼーション方法。
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---|---|---|---|
JP11140591A JP2000325099A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 新規な核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶液 |
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---|---|---|---|
JP11140591A JP2000325099A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 新規な核酸ハイブリダイゼーション用緩衝溶液 |
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