JP2000319189A - エラスターゼ阻害剤、及びこれを含有して成る老化防止用皮膚外用剤 - Google Patents
エラスターゼ阻害剤、及びこれを含有して成る老化防止用皮膚外用剤Info
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Abstract
に由来するエラスターゼに対して高い特異性及び阻害作
用を示すエラスターゼ阻害剤を得、エラスターゼ活性の
過剰亢進による真皮エラスチンの分解促進に起因する皮
膚の老化症状の防止及び改善に対し、有効な皮膚外用剤
を提供する。 【解決手段】 ワレモコウ,イタドリ,ハチジョウイタ
ドリ,オオイタドリ,メリッサ,マンネンロウ,ベニバ
ナ,ショウガの各抽出物の1種又は2種以上、或いはワ
レモコウの50容量%エタノール水溶液による抽出物
を、スチレンポリマー製の吸着ゲルクロマトグラフィー
にてエタノール−水混合溶媒で分画した際、30容量%
エタノール水溶液により溶出される画分を有効成分とし
て含有させて、エラスターゼ阻害剤を得、かかるエラス
ターゼ阻害剤の1種又は2種以上を外用剤基剤に含有さ
せて、老化防止用皮膚外用剤とする。
Description
産生するエラスターゼに対し、特異的且つ高い活性阻害
作用を有するエラスターゼ阻害剤、及びこれを含有して
成る、皮膚の老化症状の防止及び改善に有効な皮膚外用
剤に関する。さらに詳しくは、ワレモコウ,イタドリ,
ハチジョウイタドリ,オオイタドリ,メリッサ,マンネ
ンロウ,ベニバナ,ショウガの各抽出物の1種又は2種
以上、或いはワレモコウ抽出物の分画物を含有して成る
エラスターゼ阻害剤、及びこれを含有する老化防止用皮
膚外用剤に関する。
展性に富んだ組織に見られる構成タンパク質であり、エ
ラスターゼにより分解可溶化される。エラスターゼはセ
リンプロテアーゼに類別され、膵臓,白血球,線維芽細
胞等に由来するものが知られている。かかるエラスター
ゼの過剰発現或いは活性化によるエラスチンの過度の分
解は、肺気腫,肺線維症,気管支炎,気管支拡張症,肺
炎,リウマチ関節炎,心筋梗塞等の虚血性疾患,動脈硬
化,膵炎,腎炎,歯周炎,皮膚疾患などの原因となると
考えられている。そこで、過剰に亢進されたエラスター
ゼ活性を抑制するべく、種々のエラスターゼ阻害剤の検
索がなされている。
に対しては、イミノ誘導体(特開平7−41459),
p-グアニジノ安息香酸フェニルエステル誘導体(特開平
7−173062),アゼチジノン誘導体(特開平7−
242624)等が、ヒト白血球由来エラスターゼに対
しては、β-ケト酸誘導体(特開平7−17306
1),ヒドロキサム酸誘導体(特開平7−17312
7),4H-3,1-ベンズオキサジン-4-オン(特開平7−3
16056,同8−134050)等が開示されてい
る。
ゼの活性を阻害するものとしては、トウダイグサ科植物
(特開平9−87136),セプリク(特開平9−87
137),ツバキ科スチマ属植物(特開平9−9542
0),フトモモ科ベッケア属植物(特開平9−9543
6),クララ(特開平10−17460),カユアンギ
ン,ムリコ・ボロン(特開平10−29925),ジャ
ケツイバラ属植物(特開平10−29926),ミソハ
ギ科ウドフォルディア属植物(特開平10−3628
1),シソ科スファケレ属植物(特開平11−9235
4)等の抽出物や、ニワトコ抽出物由来のポリペプチド
等、植物由来のものが多く提案されている。
ゼ阻害剤には、好中球や白血球に由来するエラスターゼ
に対して特異性を示すものの、線維芽細胞由来のエラス
ターゼに対する特異性の低いものもあり、その他、特殊
な植物を原料とするため、一定品質のものを入手するの
が困難であるといった問題があった。
は、一定品質のものを容易に入手することができ、さら
にヒト線維芽細胞に由来するエラスターゼに対して高い
特異性及び阻害作用を示し、エラスターゼ活性の過剰亢
進に起因する真皮マトリックスの弾性低下を有効に防止
することのできるエラスターゼ阻害剤を得ることを目的
とした。またさらに、真皮エラスチンの分解促進に基づ
く皮膚の老化症状の防止及び改善に有効な皮膚外用剤を
提供することを目的とした。
く種々検討した結果、本発明者らは、ワレモコウ,イタ
ドリ,ハチジョウイタドリ,オオイタドリ,メリッサ,
マンネンロウ,ベニバナ,ショウガの各抽出物に高いエ
ラスターゼ阻害活性が存することを見いだし、本発明を
完成するに至った。
(Sanguisorba officinalis L.),イタドリ(Polygonu
m cuspidatum Sieb. et Zucc.),ハチジョウイタドリ
(Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc. var. hachidy
oense Ohwi),オオイタドリ(Polygonum sachalinense
Fr. Schm.),メリッサ(Melissa officinalis L.),
マンネンロウ(Rosmarinus officinalis L.),ベニバ
ナ(Carthamus tinctorius L.),ショウガ(Zingiber
officinale Roscoe)の各植物抽出物の1種又は2種以
上、或いはワレモコウ(Sanguisorba officinalis L.)
の50容量%エタノール水溶液による抽出物を、スチレ
ンポリマー製の吸着ゲルクロマトグラフィーにてエタノ
ール−水混合溶媒で分画した際、30容量%エタノール
水溶液により溶出される画分を有効成分として、担体又
は基剤に含有させてエラスターゼ阻害剤とする。さら
に、前記エラスターゼ阻害剤より1種又は2種以上を選
択して外用剤基剤に含有させ、老化防止用皮膚外用剤を
得る。
(Sanguisorba officinalis L.)は、日本各地に自生す
るバラ科に属する多年草で、根部を採取し乾燥したもの
が生薬「チユ」として用いられる。
(Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc.)は、日本各
地の山野に自生するタデ科に属する多年草で、根は生薬
「虎杖根」として用いられる。近縁植物であるハチジョ
ウイタドリ(Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc. va
r. hachidyoense Ohwi)及びオオイタドリ(Polygonums
achalinense Fr. Schm.)をも用いることができる。
lissa officinalis L.)は、シソ科に属し、ヨーロッパ
南部地中海,黒海,小アジアに自生又は栽培される多年
草である。
ウ(Rosmarinus officinalis L.)は、シソ科に属する
常緑低木で、ヨーロッパ南部において多く栽培されてい
る。
rthamus tinctorius L.)は、日本でも栽培されるキク
科に属する2年草で、花は生薬「コウカ」として用いら
れる。
(Zingiber officinale Roscoe)は、ショウガ科に属す
る多年草で、世界各国で栽培されている。根茎を乾燥し
たものは、生薬「ショウキョウ」として用いられる。
る抽出物を用いる。抽出には、上記各植物の花,葉,
茎,果実,根茎,根等の各部位を用いることができ、ま
た全草又は全木を用いてもよいが、それぞれ生薬として
用いられる部位、すなわちワレモコウについては根及び
根茎、イタドリ,ハチジョウイタドリ及びオオイタドリ
については根、メリッサ及びマンネンロウについては
葉、ベニバナについては花、ショウガについては根茎を
用いることが好ましい。
いが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理
を行った後抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶
媒に浸漬して行う。抽出効率を上げるため撹拌を行った
り、抽出溶媒中でホモジナイズすることもできる。抽出
温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度
とするのが適切である。抽出時間は、4時間〜14日間
程度とするのが適切である。
エタノール,プロパノール,イソプロパノール,ブタノ
ール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール,プ
ロピレングリコール,ジプロピレングリコール,1,2-ペ
ンタンジオール,グリセリン等の多価アルコール、エチ
ルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エ
チル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメ
チルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒、及びこれ
らの2種以上による混合溶媒が好ましく用いられ、50
容量%のエタノール水溶液が特に好ましい。また、生理
食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用い
てもよい。
ターゼ阻害剤に添加できるが、濃縮,乾固したものを水
や極性有機溶媒に再度溶解したり、或いはエラスターゼ
阻害作用を損なわない範囲で脱色,脱臭等の精製処理を
行った後に添加してもよい。また保存のためには、精製
処理の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いること
が好ましい。
の50容量%エタノール水溶液による抽出物を、スチレ
ンポリマー製の吸着ゲルクロマトグラフィーにてエタノ
ール−水混合溶媒で分画した際、30容量%エタノール
水溶液により溶出される画分を用いることができる。ス
チレンポリマー製の吸着ゲルとしては、MCI GEL
(三菱化学株式会社製)等が好ましく使用できる。
各植物の抽出物の1種又は2種以上、或いはワレモコウ
抽出物の分画物をそのまま用い、又は担体に添加して得
る。担体としては、水、エタノール,プロパノール,ブ
タノール等低級アルコールなどの極性有機溶媒、これら
の混合液といった液状担体、各種乳濁液、各種クリーム
基剤、軟膏基剤、ゲル、粉体などが用いられる。従っ
て、本発明に係るエラスターゼ阻害剤は、ローション
剤,懸濁剤,乳剤,クリーム剤,軟膏剤,ゲル剤,粉末
剤等の形態で提供することができる。また、リポソーム
やマイクロカプセルに内包させた状態とすることもでき
る。なお、本発明に係るエラスターゼ阻害剤には、本発
明の特徴を損なわない範囲で、抗酸化剤,防菌防黴剤,
紫外線吸収剤等の安定化剤や、吸収促進剤等を添加する
こともできる。
エラスターゼ阻害剤の1種又は2種以上を外用剤基剤に
含有させて、皮膚の老化防止及び改善に有効な皮膚外用
剤を提供する。かかる皮膚外用剤は、ローション剤,懸
濁剤,乳剤,クリーム剤,軟膏剤,ゲル剤等の形状で提
供することができる。また、化粧水,乳液,クリーム,
パック剤等皮膚用の化粧料や、化粧下地用ローション又
はクリーム、乳液状,クリーム状,軟膏状,固形状の各
種ファンデーション等のメイクアップ化粧料、日焼け止
めローション又はクリーム等の日焼け止め化粧料、ハン
ドローション又はクリーム,レッグローション又はクリ
ーム,ボディローション又はクリーム等のボディ化粧料
などとしても提供することができる。
ても、上記エラスターゼ阻害剤の他に、本発明の特徴を
損なわない範囲で、各種油分,界面活性剤,低級一価ア
ルコール,保湿剤,多価アルコール,細胞賦活剤,抗酸
化剤,美白剤,紫外線吸収剤,防菌防黴剤,顔料,色素
類,香料等、一般的な皮膚外用剤添加成分を加えること
ができる。
詳細に説明する。
部,イタドリ根部,メリッサ葉,マンネンロウ葉,ベニ
バナ花及びショウガ根茎をそれぞれ乾燥したもの各10
0gを粉砕し、50容量%エタノール水溶液900ml
中に加えて、25℃にて7日間撹拌抽出を行った。抽出
液をろ過してろ液を回収し、それぞれ実施例1〜実施例
6とした。
コウ根部の50容量%エタノール水溶液による抽出物
を、MCI GEL(三菱化学株式会社製)を用いたカ
ラムクロマトグラフィーにかけ、エタノール−水混合溶
媒により分画した。そして、30容量%エタノール水溶
液により溶出される画分を回収して、実施例7とした。
ターゼ阻害率を測定した。まず、ヒト線維芽細胞を5(w
/v)%の牛胎仔血清を含有するダルベッコ基礎培地(D
MEM)に播種し、37℃で24時間培養してコンフル
エントとした後、0.5(w/v)%トリトンX-100水溶液
にて細胞を溶解し、酵素液とした。前記酵素液に、合成
基質であるサクシニル-アラニル-アラニル-アラニル-p-
ニトロアニリド(最終濃度1.2mM)及び試料(実施
例1〜実施例7)を添加し、37℃で2時間インキュベ
ートして、生成するp-ニトロアニリドの量を405nm
における吸光度を測定して求めた。この際試料の濃度と
しては、実施例1〜実施例6については最終濃度にして
100μg/ml、実施例7については最終濃度にして
50μg/mlとした。エラスターゼ阻害率(%)は、
試料を添加した場合の前記吸光度(As)を、試料を添
加しない対照について同様に測定した吸光度(Ac)で
除した値(As/Ac)を求め、(1−As/Ac)×10
0により算出した。結果は表1に示した。
1〜実施例6は、それぞれ100μg/mlの低濃度で
20%以上の有意なエラスターゼ阻害率を示していた。
特に実施例1は、68.7%と高い阻害率を示してい
た。また実施例7については、50μg/mlの濃度
で、74.0%と非常に高い阻害率が認められていた。
なお、今回エラスターゼ阻害率の評価に用いたヒト線維
芽細胞由来のエラスターゼは、紫外線曝露により放出さ
れるサイトカインであるインターロイキン-1αにより活
性化されることから、この酵素活性に対し阻害作用を有
する本発明の実施例1〜実施例7は、紫外線による皮膚
の光老化の防止,改善に有効であることが示唆される。
剤についての実施例の処方を示す。
し、70℃に保つ。一方、(7)〜(10)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に
前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷
却した後40℃にて(11)を添加,混合する。
て添加し、次いで(3)を加えて増粘させ、(6)を添加,混
合する。
し、75℃に保つ。一方、(8)〜(10)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、75℃とする。この水相成分に
前記油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサー
にて均一に乳化し、冷却後40℃にて(11)を添加,混合
する。
75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して75℃に
加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後
40℃にて(7)を添加,混合する。
て70℃とし、油相とする。一方、(8)を(7)に溶解して
(9),(10)とともに(11)に加えて混合し、70℃に加熱
する。前記油相に水相を添加し、ホモジナイザー処理し
て乳化後冷却し、40℃にて(12)を添加,混合する。
し、75℃に保つ。一方、(5)〜(8)の水相成分を混合,
加熱して均一とし、これに(9)〜(11)を添加してホモミ
キサーにて均一に分散した後、75℃とする。この水相
成分に前記油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミ
キサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(12),(13)
を添加,混合する。
し、75℃に保つ。一方、(6)〜(9)の水相成分を混合,
加熱して均一とし、これに(10)〜(14)を添加してホモミ
キサーにて均一に分散した後、75℃とする。この水相
成分に前記油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミ
キサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(15),(16)
を添加,混合する。
し、75℃に保つ。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,
加熱して均一とし、75℃とする。この水相成分に前記
油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて
均一に乳化し、冷却後40℃にて(10),(11)を添加,混
合する。
ついての実施例のうち、実施例8〜実施例12につい
て、紫外線によるしわの発生に対する防止効果を評価し
た。なお各実施例において、配合した実施例1〜実施例
4及び実施例7のエラスターゼ阻害剤を、それぞれこれ
らにおいて溶媒として用いた50容量%エタノール水溶
液及び30容量%エタノール水溶液に代替したものをそ
れぞれ比較例1〜比較例5とし、同時に評価を行った。
しわの発生防止効果は、ヘアレスマウス5匹を1群と
し、各群について実施例及び比較例各0.2gをそれぞ
れ1日1回背部に塗布し、1J/cm2/週の長波長紫
外線(UVA)を50週間照射し、ヘアレスマウスにお
けるしわの発生状況を観察し、表2に示す判定基準に従
って点数化して行った。この際、精製水のみを塗布した
群を対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVA
照射日数との関係により表3に示した。
は、UVA照射日数が40週を超える頃には形成された
しわの深さは中程度にまで達し、50週後には深いしわ
の発生が認められていた。これに対し本発明の実施例塗
布群では、いずれにおいても有意なしわの発生の抑制が
認められ、50週後において微小ないし軽微なしわが認
められた程度であった。特に、実施例1又は実施例7を
含有する実施例8及び実施例12塗布群においては、顕
著なしわの発生抑制が認められていた。一方比較例塗布
群では、酢酸トコフェロールを含有する比較例2塗布群
で発生したしわの程度の軽減が若干認められた他は、有
意なしわの発生抑制或いは軽減は認められなかった。
た。この際にも、各実施例において配合した実施例1〜
実施例7のエラスターゼ阻害剤を、50容量%エタノー
ル水溶液又は30容量%エタノール水溶液に代替したも
のを比較例1〜比較例9とした。使用試験は、20才代
〜50才代の通常戸外で作業する女性20名を1群と
し、5月中旬〜6月中旬の1カ月間、各群に実施例及び
比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回使用させ、
使用前後の皮膚のしわ及び皮膚弾性の変化を観察して行
った。皮膚のしわについては写真撮影後の目視評価及び
レプリカ法により評価し、皮膚弾性についてはキュート
メーターによる測定により評価した。結果は、各パネラ
ーについて使用後の皮膚のしわ及び皮膚弾性を使用前と
比べて、「改善」,「やや改善」,「変化なし」,「や
や悪化」,「悪化」の5段階にて評価し、各評価を得た
パネラー数にて表4に示した。
使用群ではいずれにおいても、皮膚のしわ及び皮膚弾性
の悪化傾向を認めたパネラーはおらず、皮膚のしわにつ
いては65%以上、皮膚弾性については90%以上のパ
ネラーにおいて、改善又はやや改善されたと評価されて
いた。特に、実施例1又は実施例7のエラスターゼ阻害
剤を含有する実施例8,実施例12,実施例15及び実
施例16、紫外線吸収剤を併用する実施例13の各使用
群で、高い改善傾向が認められた。これに対し比較例使
用群では、皮膚のしわ及び皮膚弾性について明確に改善
されたと評価されたパネラーは存在せず、皮膚のしわに
ついては85%以上、皮膚弾性については70%以上の
パネラーで症状の改善が見られなかった。また、皮膚の
しわについては10〜40%、皮膚弾性については15
〜55%のパネラーにおいて、各症状の悪化傾向を認め
ていた。
いては、上記の使用期間中に含有成分の析出,分離,凝
集,変色,変臭といった状態変化は全く見られなかっ
た。また各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や皮
膚感作性反応を示したパネラーも存在しなかった。
ト線維芽細胞に由来するエラスターゼに対して高い特異
性及び阻害作用を示し、紫外線曝露等により惹起される
エラスターゼ活性の過剰亢進に起因する真皮マトリック
スの弾性低下を有効に防止し得るエラスターゼ阻害剤を
得ることができた。なお、本発明に係るエラスターゼ阻
害剤の原料とする植物は容易に入手することができるた
め、一定の品質のものを安定供給することが可能であ
る。また本発明により、紫外線曝露等による真皮エラス
チンの分解促進に基づく皮膚の老化症状の防止及び改善
において、有効な皮膚外用剤を提供することができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 ワレモコウ(Sanguisorba officinalis
L.),イタドリ(Polygonum cuspidatum Sieb. et Zuc
c.),ハチジョウイタドリ(Polygonum cuspidatum Sie
b. et Zucc. var. hachidyoense Ohwi),オオイタドリ
(Polygonum sachalinense Fr. Schm.),メリッサ(Me
lissa officinalis L.),マンネンロウ(Rosmarinus o
fficinalis L.),ベニバナ(Carthamus tinctorius
L.),ショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の各植
物抽出物の1種又は2種以上を含有して成る、エラスタ
ーゼ阻害剤。 - 【請求項2】 ワレモコウ(Sanguisorba officinalis
L.)の50容量%エタノール水溶液による抽出物を、ス
チレンポリマー製の吸着ゲルクロマトグラフィーにてエ
タノール−水混合溶媒で分画した際、30容量%エタノ
ール水溶液により溶出される画分を含有して成るエラス
ターゼ阻害剤。 - 【請求項3】 請求項1及び請求項2に記載のエラスタ
ーゼ阻害剤より選択した1種又は2種以上を含有して成
る、老化防止用皮膚外用剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13267499A JP3839618B2 (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | エラスターゼ阻害剤、及びこれを含有して成る老化防止用皮膚外用剤 |
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JP13267499A Expired - Lifetime JP3839618B2 (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | エラスターゼ阻害剤、及びこれを含有して成る老化防止用皮膚外用剤 |
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