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JP2000313326A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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Publication number
JP2000313326A
JP2000313326A JP11123502A JP12350299A JP2000313326A JP 2000313326 A JP2000313326 A JP 2000313326A JP 11123502 A JP11123502 A JP 11123502A JP 12350299 A JP12350299 A JP 12350299A JP 2000313326 A JP2000313326 A JP 2000313326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel speed
road surface
road
wheel
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP11123502A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuichi Nakadai
雄一 仲代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP11123502A priority Critical patent/JP2000313326A/ja
Publication of JP2000313326A publication Critical patent/JP2000313326A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面判定のタイミングを早めることと、路面
判定精度を高くすることとの両立を図って、制御品質の
向上を図ること。 【解決手段】 車両の各輪の制動用のブレーキ液圧を、
制御可能なブレーキユニットaと、各輪の車輪速を検出
する車輪速センサbと、各車輪速センサbからの入力に
基づいて路面判定を行う路面判定手段cと、前記車輪速
センサbからの入力ならびに路面判定手段cによる路面
判定結果に基づいて、ブレーキユニットaを作動させて
ブレーキ液圧の減圧・増圧を制御して車輪ロックを防止
するABS制御を実行する制御手段dと、を備えたブレ
ーキ制御装置において、前記路面判定手段cを、車輪加
速度の変化率である加加速度に基づいて路面判定を行う
よう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動時にブレーキ
液圧を制御して車輪ロックを防止する、一般にアンチロ
ックブレーキ制御(以下、ABS制御という)と称する
制御を実行するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ABS制御を実行するブレーキ制
御装置は、疑似車体速Viを演算し、この擬似車体速V
iに基づいて制動時における最適なスリップ率となる減
圧しきい値λ1を演算し、検出した車輪速Vwが減圧し
きい値λ1よりも低下すると車輪がロック状態であると
判定してホイルシリンダ圧を減圧し、その後、この減圧
により車輪ロック状態から復帰して、車輪速Vwが疑似
車体速Viの近傍まで復帰したら、再び増圧して制動力
を回復させるよう構成されている。
【0003】また、再増圧の制御において、ABS制御
の2サイクル目以降は、疑似車体速度Viの変化に基づ
いて減速度を求め、これにより路面摩擦係数(以下、路
面μという)の判断を行って、路面μに応じた増圧を実
行するようにしているが、時間的に減速度を検出できな
い1サイクル目においては、最初の減圧により車輪速V
wが上昇する際の変化率である車輪加速度△Vwを設定
値と比較することにより路面μを判定して、増圧状態を
切り換えるよう構成されている。
【0004】すなわち、高μ路では、車輪速Vwの復帰
速度が高いことから、車輪加速度△Vwが設定値を上回
る。そこで、このような場合には、増圧の傾きが急な早
期増圧を実行し、これにより車輪速Vwが疑似車体速V
iに留まって減速度が低くなるのを防止して、制動距離
の短縮を図る。一方、低μ路では、車輪速Vwの復帰速
度が低いことから、車輪加速度△Vwが設定値を下回
る。そこで、このような場合には、所定の予め定められ
た時間に予め定められた増圧パルスを発生させて段階的
に増圧を実行して増圧の傾きを緩やかにした緩増圧制御
を実行し、これにより、再増圧時に車輪がすぐに再びロ
ックするのを防止するものである。なお、従来技術にあ
っては、2サイクル目以降の増圧時にも、この緩増圧を
実行するよう構成されている。ところで、上述のような
制動時の加速度は、前後加速度センサを別途設け、これ
により求めることもできるが、このような構成にあって
は、必要なセンサが増加してコストアップを招くもので
あり、上述の技術は、コスト的に優れた手段である。
【0005】ちなみに、上述のような従来技術として
は、書籍「自動車用ABSの研究」平成5年 株式会社
山海堂発行の第57頁に記載されたものが知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術にあっ
ては、ABS制御の1サイクル目の最初の減圧後におけ
る再増圧において、早期増圧と緩増圧のいずれを実行す
るかの判断を、車輪加速度△Vwに基づいて行うこと
で、路面μに応じた増圧を行うようにしていたが、以下
に述べるような解決すべき問題が残されていた。
【0007】上述したように、ABS制御の1サイクル
目の制御において、最初の減圧後の再増圧で早期増圧を
実行するのは、車輪速Vwが疑似車体速Vi付近に留ま
るのを防止して、制動力の向上を図るものであるが、制
動距離はできるだけ短くするのが好ましく、さらなる制
動力の向上が望まれていた。そこで、従来技術におい
て、早期増圧の実行時期を早くするには、車輪加速度△
Vwと比較する設定値を低くすることが考えられる。す
なわち、設定値を低くすれば、車輪加速度△Vwが設定
値を上回る時期が早まる。しかしながら、このように設
定値を低くすると、低μ路制動時において、車輪加速度
△Vwが設定値を上回るおそれが生じるもので、逆に、
低μ路において確実に緩増圧を実行させることが難しく
なる。
【0008】以上のように、従来技術にあっては、路面
判定のタイミングを早めることと、路面判定精度を高く
することの両立が難しいという問題があり、これによ
り、高μ路制動時において、早期増圧の実行タイミング
を早めることで制動力を向上させ、制動距離の短縮を図
ることと、低μ路判断を確実に行って低μ路制動におけ
る増圧時の早期ロックの防止を図ることとの両立を図る
ことが困難であった。
【0009】さらに、従来技術にあっては、2サイクル
目以降の制御において、増圧を緩増圧により行っていた
ため、車輪速Vwが疑似車体速Viに留まる時間が長く
なるもので、上記と同様にこの時間を短縮して制動力を
向上させ、制動距離の短縮を図ることが望まれていた。
【0010】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、路面判定のタイミングを早めること
と、路面判定精度を高くすることとの両立を図ることを
目的とし、さらに、これにより、ABS制御の1サイク
ル目における減圧後の再増圧において、高μ路に応じた
早期増圧の実行タイミングを早めることで制動距離の短
縮を図ることと、低μ路判断を確実に行って低μ路制動
における増圧時の早期ロックの防止を図ること、との両
立を図って、制御品質の向上を図ることを目的とし、ま
た、2サイクル目以降の制御にあっても、車輪速が疑似
車体速付近に留まる時間の短縮を図って、制動距離の短
縮を図ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明は、図1のクレーム対応図に示すように、車両
の各輪の制動用のブレーキ液圧を、制御可能なブレーキ
ユニットaと、各輪の車輪速を検出する車輪速センサb
と、各車輪速センサbからの入力に基づいて路面判定を
行う路面判定手段cと、前記車輪速センサbからの入力
ならびに路面判定手段cによる路面判定結果に基づい
て、ブレーキユニットaを作動させてブレーキ液圧の減
圧・増圧を制御して車輪ロックを防止するABS制御を
実行する制御手段dと、を備えたブレーキ制御装置にお
いて、前記路面判定手段cを、車輪加速度の変化率であ
る加加速度に基づいて路面判定を行うよう構成したこと
を特徴とする。
【0012】すなわち、車輪速の変化率である車輪加速
度は車輪速に対して位相が早まる。また、車輪加速度の
変化率である車輪加加速度は、車輪加速度に対して位相
が早まる。したがって、路面μに応じた車輪速の変化が
現れた際に、車輪加加速度にあっては車輪加速度よりも
早い位相で、その変化が現れる。よって、ABS制御の
1サイクル目における、減圧後の車輪速の上昇度合い
も、車輪加加速度にあっては車輪加速度よりも早い時期
に現れるもので、これにより路面判定手段cにあって
は、早期の路面判定を行うことができる。そして、この
判定において、判定基準値を下げたりしないので、低μ
路の判定精度が低下することもない。したがって、請求
項1記載の発明にあっては、路面判定時期を早めること
と高い路面判定精度を維持することの両立を図ることが
できる。
【0013】なお、請求項2に記載の発明ように、請求
項1記載のブレーキ制御装置において、前記路面判定手
段cを、車輪速の加加速度が予め設定された設定値を越
えたら高摩擦係数路であり、それ以外では低摩擦係数路
と判定するよう構成してもよいし、あるいは、請求項3
に記載の発明ように、請求項1記載のブレーキ制御装置
において、前記路面判定手段cを、車輪速の加加速度の
上向きピーク値に基づき、このピーク値が高いほど高摩
擦係数路であり低いほど低摩擦係数路と判定するよう構
成してもよい。請求項2記載の発明の場合、請求項3記
載の発明のように加加速度がピーク値に達する前に判定
可能である。請求項3記載の発明の場合、請求項2記載
の発明のように、高μ路か低μ路かの2種類の判定の他
に、ピーク値に応じて、量的な判定を行うことも可能と
なる。
【0014】また、請求項4に記載の発明のように、請
求項1ないし3記載のブレーキ制御装置において、前記
路面判定手段cを、ABS制御の開始後の1サイクル目
において、減圧処理後に車輪速が上昇する際の加加速度
に基づいて路面判定を実行するよう構成してもよい。請
求項4記載の発明では、ABS制御の1サイクル目にお
いて、早期に高い精度で路面判定を行うことができる。
【0015】また、請求項5に記載の発明のように、請
求項4記載のブレーキ制御装置において、前記制御手段
dは、ABS制御の開始後の1サイクル目における減圧
後の再増圧処理おいて、路面判定結果が高摩擦係数路で
あれば、増圧の傾きが急な早期増圧を実行し、一方、路
面判定結果が低摩擦係数路であれば、増圧の傾きが緩や
かな緩増圧を実行するよう構成してもよい。請求項5記
載の発明では、高μ路に応じた早期増圧の実行タイミン
グを早めることで制動距離の短縮を図ることと、低μ路
判定を確実に行って低μ路制動における早期ロックの防
止を図ることとの両立を図って、制御品質の向上を図る
ことができる。
【0016】また、請求項6に記載の発明のように、請
求項1ないし5記載のブレーキ制御装置において、前記
制御手段dは、車輪速に基づいて疑似車体速を求める疑
似車体速演算手段d1と、この疑似車体速に基づいて、
疑似車体速付近の第1目標車輪速、ならびに、第1目標
車輪速よりも低く、効率よく制動を行うことができる車
輪速である第2目標車輪速を求める目標車輪速演算手段
d2と、車輪速が第1目標車輪速に対して下から上に横
切れば目標車輪速を第2目標車輪速に設定し、一方、車
輪速が第2目標車輪速に対して上から下に横切れば目標
車輪速を第1目標車輪速に設定する目標車輪速切換手段
d3と、車輪速を各目標車輪速に向けて収束させる収束
制御手段d4と、を備えている手段としても良い。
【0017】請求項6記載の発明では、ABS制御によ
る車輪速の減速・加速に応じ、目標車輪速が、制動に好
適な第2目標車輪速と、疑似車体速近傍の第1目標車輪
速とに交互に切り換わり、各目標車輪速に向けて収束制
御を実行する。したがって、車輪速が目標車輪速から目
標車輪速へ向けて変化する時間の短縮が図られ、車輪速
が第1目標車輪速(疑似車体速)近傍に留まる時間が短
くなって、制動力の向上が図られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図2は実施の形態のブレーキ装置の要
部を示す構成図であって、図中1はマスタシリンダであ
る。このマスタシリンダ1は、運転者が図外のブレーキ
ペダルを操作することにより液圧を発生するよう構成さ
れている。
【0019】前記マスタシリンダ1は、ブレーキ回路2
を介してホイルシリンダ3に接続されている。そして、
ブレーキ回路2の途中には、ブレーキ回路2の上流(マ
スタシリンダ1側)と下流(ホイルシリンダ3側)とを
連通させてホイルシリンダ3のブレーキ液圧を増圧可能
な増圧状態(実際には増圧を行うのみではなくマスタシ
リンダ圧が低下すれば減圧も実行される)と、ホイルシ
リンダ3のブレーキ液をドレン回路4に逃がしてホイル
シリンダ圧を低下させる減圧状態と、ブレーキ回路2を
遮断してホイルシリンダ3のブレーキ液圧を保持する保
持状態とに切替可能な切替弁5が設けられている。した
がって、ホイルシリンダ2の液圧は、切替弁5の切り替
えに基づいて任意に増減制御可能である。
【0020】また、前記ドレン回路4には、ブレーキ液
を貯留可能なリザーバ6が設けられている。そして、前
記リザーバ6に貯留されているブレーキ液をブレーキ回
路2の前記切替弁5よりも上流位置に還流させるポンプ
7が設けられている。
【0021】上述した図2において一点鎖線で囲まれた
範囲の構成は、ブレーキユニット11として1つにまと
められている。図2では1つの車輪について構成を説明
しているが全体としては図3に示すように構成され、前
記ブレーキユニット11は、4つの車輪FR,FL,R
R,RLの各ホイルシリンダ3(図3において図示省
略)のブレーキ液圧を任意に制御することができるよう
構成されている。
【0022】前記ブレーキユニット11における切替弁
5,ポンプ7の作動は、コントロールユニット12によ
り制御される。このコントロールユニット12は、入力
手段として、各車輪FR,FL,RR,RLの回転速度
を検出す車輪速センサ13,13,13,13を備え、
制動時において車輪ロックを防止するABS制御を実行
する。
【0023】次に、実施の形態1のABS制御について
説明する。図4〜図6は実施の形態1のABS制御の流
れを示すフローチャートであり、まず、図4のステップ
101で、所定のイニシャライズを実行した後、ステッ
プ102において、各車輪速センサ13から信号を読み
込んで各輪ごとに車輪速Vwを算出する。ステップ10
3では、各車輪速Vwを微分して車輪加速度△Vwを算
出し、さらに、ステップ104において車輪加加速度△
△Vwを算出する。
【0024】続く、ステップ105では、車輪速Vwか
ら疑似車体速Viを算出する。この疑似車体速Viは、
制動時においてABS制御の非実行時には、各車輪速V
wの中で最も高い値であるセレクト車輪速Vfsから形
成し、ABS制御実行中にあっては、1サイクル目は、
予め設定された急減速時の減速度に基づいて推定し、2
サイクル目以降は、実際の減速状態に基づく推定とセレ
クト車輪速Vfsとに基づいて決定する。
【0025】さらにステップ106において、疑似車体
速Viに基づいて、第1目標車輪速MVw1および第2
目標車輪速MVw2を算出する。ここで、前記第1目標
車輪速MVw1は、図 に示すように、疑似車体速Vi
よりも極僅かに小さい値であるのに対し、第2目標車輪
速MVw2は、最も効率よく制動を行うことのできる車
輪速に相当する値である。いずれの目標車輪速MVw
1,MVw2も、下記の演算式に示すように、疑似車体
速Viに所定の係数K1,K2を乗じて求める。なお、
以下の説明において、各目標車輪速のいずれかを特定せ
ずに表現する場合には、単に目標車輪速MVwと述べる
ことにする。 MVw1=K1×Vi MVw2=K2×Vi ステップ107では、各車輪速Vwと目標車輪速MVw
とに基づいて、各輪に対する増減圧時間を算出し、ここ
で求めた増減圧時間に応答する増減圧パルスをステップ
108において出力する。なお、本実施の形態では、目
標車輪速MVwに向けて収束制御(PID制御)を実行
するものであり、この場合、車輪速Vwと目標車輪速M
Vwとの差dVwに基づいて、k1×dVw+k2×積
分(dVw)+k3×微分(dVw)により増減圧時間
を求める。
【0026】ステップ109では、10msが経過した
か否かを判定し、10msの経過後にステップ102に
戻る。すなわち、本実施の形態では、以上の流れを10
msが経過する度に実行するものである。
【0027】次に、図5に基づいて、ステップ107の
増減圧時間算出処理について説明する。ステップ201
では、ABS制御の実行中か否か制御中フラグに基づい
て判定し、実行中にはステップ207に進み、非実行中
はステップ202に進む。ステップ202では、ABS
制御の1サイクル目を示す1cycleフラグをセット
する。
【0028】ステップ203では、車輪加速度△Vwが
設定値M1VWDよりも小さく、かつ、車輪速Vwが第
2目標車輪速MVw2よりも大である、あるいは、車輪
加速度△Vwが設定値M2VWDよりも小さく、かつ、
車輪速Vwが第2目標車輪速MVw2以下である、とい
う条件を満足するか否かを判定し、いずれかの条件を満
足した場合には、車輪がロック傾向にあってABS制御
(減圧)の開始が必要であるもので、ステップ204に
進んで、制御中フラグをセットし、さらに、ステップ2
05に進んで、減圧時間をセットする。一方、ステップ
203においていずれの条件も満足しない場合には、ス
テップ206に進んで、通常の制動作動である通常ブレ
ーキ処理を実行する。
【0029】また、ステップ201において、ABS制
御中である場合、すなわち、ABS制御の1サイクル目
の処理を実行した後の場合には、ステップ207に進ん
で、1cycleフラグが1にセットされているか否か
を判定し、1cycle=1の場合は、ステップ208
に進み、1cycle≠1の場合は、ステップ215に
進む。ステップ208では、後述する早期増圧フラグが
クリアされているか否かを判定し、クリアされている場
合にはステップ209に進み、セットされている場合に
は、ステップ212に進む。ステップ209では、車輪
加加速度△△Vwが予め設定されている増圧しきい値M
1VWDDよりも大きいか否かを判定し、YESすなわ
ち△△Vw>M1VWDDの場合は、ステップ210に
進み、NOすなわち△△Vw>M1VWDDの場合はス
テップ212に進む。ステップ210では、早期増圧フ
ラグをセットし、さらに、ステップ211において早期
増圧時間をセットする。
【0030】ステップ212では、車輪加速度△Vwが
0未満、かつ、車輪加速度Vwが第1目標車輪速MVw
1よりも大きいか否か、すなわち、車輪速度Vwが疑似
車体速Viに復帰したか否かを判定し、YESの場合に
は、ステップ214に進んで1cycle目フラグをク
リアした後、ステップ215に進んで2サイクル目以降
の制御を実行し、一方、NOの場合には、ステップ21
3に進んで緩増圧時間をセットする。
【0031】すなわち、図5に示す増減圧時間算出制御
にあっては、ABS制御の実行を開始するにあたって、
まず、1サイクル目では、ステップ202に進み、ステ
ップ203→ステップ204→ステップ205に進ん
で、減圧時間をセットし、減圧を実行する。そして、次
回の制御によりステップ201→207→208→20
9と進み、車輪加加速度△△Vwが設定値M1VWDD
よりも大きい場合には、ステップ210→211により
早期増圧を実行し、車輪加加速度△△Vwが設定値M1
VWDD未満の場合は、ステップ212→213に進ん
で緩増圧を実行する。よって、1サイクル目では、減圧
を行った後、車輪加加速度△△Vwの値に応じ、緩増圧
か早期増圧のいずれかの増圧処理を実行する。そして、
この増圧により車輪速Vwが疑似車体速Viに復帰すれ
ば、1cycleフラグをクリアして、ステップ215
による2サイクル目以降の制御を実行する。
【0032】次に、ステップ215による2サイクル目
以降の制御を、図6のフローチャートにより説明する。
ステップ301では、前回の制御周期における車輪速V
w(10ms前)が、前回の第2目標車輪速MVw2
(10ms前)よりも大きく、かつ、今回の車輪速Vw
が、今回の第2目標車輪速MVw2以下であるか否か、
すなわち、車輪速Vwが深い値である第2目標車輪速M
Vw2を上から下に横切ってロック傾向が強い状態であ
るか否か、を判定し、YESの場合はステップ302に
進んで、対象輪(後輪)の目標車輪速MVwを第1目標
車輪速MVw1とする。一方、ステップ301において
NOの場合には、ステップ303に進み、前回の制御周
期における車輪速Vw(10ms前)が、前回の第1目
標車輪速MVw1(10ms前)未満であり、かつ、今
回の車輪速Vwが、今回の第1目標車輪速MVw1以上
であるか否か、すなわち、車輪速Vwが浅い値である第
1目標車輪速MVw1を下から上に横切って疑似車体速
Viに近づいているか否かを判定し、YESの場合には
ステップ304に進んで対象輪の目標車輪速MVwを第
2目標車輪速MVw2とし、NOの場合にはステップ3
05に進んで目標車輪速MVwを前回値MVw(10m
s前)に保持する。
【0033】次に、実施の形態1の作動を図7〜図9に
基づいて説明する。図7は、ABS制動が実行された場
合の車輪速Vwおよび目標車輪速MVwの変化を示すタ
イムチャートである。この図に示すように、車輪速Vw
が低下して、深く設定された第2目標車輪速MVw2よ
りも低下すると、目標車輪速MVwは、浅く設定された
第1目標車輪速MVw1に切り換わり、また、車輪速V
wが第1目標車輪速MVw1よりも大きくなると、深く
設定された第2目標車輪速MVw2に切り換わる。そし
て、このように目標車輪速MVwが切り換わる度に、各
目標車輪速MVw1,MVw2に向けて車輪速Vwを収
束させる。
【0034】このように、車輪速を、交互に切り換わる
各目標車輪速MVw1,MVw2に向けて車輪速Vwを
収束させる結果、特に、増圧時において、従来のような
一定の緩増圧を実行するのに比べて、短時間に増圧が成
され、車輪速Vwが疑似車体速Viに留まる時間が短く
なり、制動距離の短縮を図ることができる。
【0035】さらに、本実施の形態1では、1サイクル
目の減圧を行った後に、車輪加加速度△△Vwの値に応
じ、この値が設定値M1VWDDよりも大きい場合に
は、早期増圧を実行するように構成している。すなわ
ち、減圧後の車輪加加速度△△Vwの立ち上がりが大き
い場合、路面摩擦係数(以下、路面μという)が高いこ
とを示しており、路面μが高いと判定された場合には、
増圧を早く行って、車輪速Vwを素早く制動力が得られ
る速度まで低下させ、これにより高い制動力を得ること
を目的としている。
【0036】図8は、低μ路と高μ路における疑似車体
速Vi,車輪速Vw,車輪加速度△Vw,車輪加加速度
△△Vwの変化を示しており、この図に示すように、高
μ路の場合、低μ路に比べて、減圧により車輪速Vwが
疑似車体速Viに復帰する速度が速く、この復帰速度の
早さが、車輪加速度△Vwおよび車輪加加速度△△Vw
において山形に現れている。
【0037】また、図9は、制動時における車輪速V
w,車輪加速度△Vw,車輪加加速度△△Vwの変化、
ならびに、ホイルシリンダ圧Pw/cの変化を示してお
り、図のように車輪速Vwが低下した後の上昇度合い
は、車輪加速度△Vwよりも車輪加加速度△△Vwの方
が、早く現れる。したがって、この図に示すように、車
輪速Vwが低下したのに応じて減圧を行って、これによ
り車輪速Vwが上昇した時に、この上昇度合いが急であ
る場合には、早期増圧を行って、早期にこれを抑制し
て、図において、一点鎖線で示すように、車輪速Vwが
疑似車体速Viに張り付かないようにして、制動力の向
上を図ることができる。
【0038】ちなみに、図において、実線で示すのが従
来技術の場合であり、従来のように車輪加速度△Vwに
より減圧後の車輪速Vwの上昇度合いを検出する方法で
は、検出タイミングが遅れることにより、増圧タイミン
グも遅れ、よって、車輪速Vwが疑似車体速Viに張り
付くことになり、それだけ制動力が不足して、制動距離
が長くなる。
【0039】(実施の形態2)次に、実施の形態2のブ
レーキ制御装置について説明する。なお、この実施の形
態2は、実施の形態1の変形例であり、基本的構成は実
施の形態1と同一であるので説明を省略し、また、制御
の流れについても、実施の形態1との相違点のみを説明
する。
【0040】この実施の形態2にあっては、2サイクル
目以降の制御において、実施の形態1では、2つの目標
車輪速MVw1,MVw2に対して収束制御を行ってい
たのを従来通りの1つの減圧しきい値λ1に基づいて制
御するようにした例である。したがって、実施の形態1
では、ステップ106において2つの目標車輪速MVw
1,MVw2を求めていたのに対し、このステップで
は、1つの減圧しきい値λ1を求める。
【0041】次に、実施の形態2の2サイクル目以降の
制御を図10のフローチャートにより説明する。ステッ
プ401では、車輪加速度△Vwが0以下であるか否か
を判定し、△Vw≦0の場合にはステップ402に進
み、△Vw>0の場合にはステップ409に進んで、保
持処理(ホイルシリンダ圧の保持)を行う。
【0042】ステップ402では、車輪速Vwが減圧し
きい値λ1よりも大きいか否かを判定し、Vw>λ1の
場合はステップ403に進み、Vw≦λ1の場合はステ
ップ406に進む。ステップ403では、前回の車輪加
速度△Vw(10ms前)が0よりも大きいか否かを判
定し、△Vw(10ms前)>0の場合は増圧時間をセ
ットし、△Vw(10ms前)≦0の場合は緩増圧時間
をセットする。車輪速度Vwが減圧しきい値λ1よりも
低下した場合に進むステップ406では、車輪速度Vw
(10ms前)が減圧しきい値λ1よりも大きいか否か
を判定し、Vw(10ms前)>λ1の場合には減圧時
間をセットし、Vw(10ms前)≦λ1の場合には保
持を行う。
【0043】図11は、図10に示す処理を行った場合
の動作例を示している。なお、図において、404〜4
09の符号は、図10のフローチャートにおける処理ス
テップに対応している。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では、
路面判定手段を、車輪加速度の変化率である加加速度に
基づいて路面判定を行うよう構成したため、加速度セン
サが不要な安価な手段でありながら、路面μに応じた車
輪速の変化が現れた際に、車輪加加速度にあっては車輪
加速度よりも早い位相でその変化が現れるもので、判定
基準値を下げて判定精度を低下させることなく、早期に
路面判定を行うことができる。したがって、加速度セン
サが不要な安価な手段でありながら、路面判定時期を早
めることと高い路面判定精度を維持することの両立を図
ることができるという効果が得られる。
【0045】また、請求項2に記載の発明では、車輪速
の加加速度と予め設定された設定値とを比較して路面判
定を行うよう構成したため、より早期に路面判定が可能
であり、請求項3に記載の発明では、車輪速の加加速度
の上向きピーク値に基づいて路面判定を行うように構成
したため、高μ路か低μ路かの2種類の判定の他に、路
面摩擦係数の、量的な判定を行うことも可能となる。
【0046】また、請求項4に記載の発明では、路面判
定手段を、ABS制御の開始後の1サイクル目におい
て、減圧処理後に車輪速が上昇する際の加加速度に基づ
いて路面判定を実行するよう構成したため、ABS制御
の1サイクル目において、早期に高い精度で路面判定を
行うことができるという効果が得られる。
【0047】また、請求項5に記載の発明の発明では、
制御手段が、ABS制御の開始後の1サイクル目におけ
る減圧後の再増圧処理おいて、路面判定結果が高摩擦係
数路であれば、増圧の傾きが急な早期増圧を実行し、一
方、路面判定結果が低摩擦係数路であれば、増圧の傾き
が緩やかな緩増圧を実行するよう構成したため、高μ路
に応じた早期増圧の実行タイミングを早めることで制動
距離の短縮を図ることと低μ路判定を確実に行って低μ
路制動における早期ロックの防止を図ることとの両立を
図って、制御品質の向上を図ることができるという効果
が得られる。
【0048】また、請求項6に記載の発明では、車輪速
に基づいて疑似車体速を求める疑似車体速演算手段と、
この疑似車体速に基づいて、疑似車体速付近の第1目標
車輪速、ならびに、第1目標車輪速よりも低く、効率よ
く制動を行うことができる車輪速である第2目標車輪速
を求める目標車輪速演算手段と、車輪速が第1目標車輪
速に対して下から上に横切れば目標車輪速を第2目標車
輪速に設定し、一方、車輪速が第2目標車輪速に対して
上から下に横切れば目標車輪速を第1目標車輪速に設定
する目標車輪速切換手段と、車輪速を各目標車輪速に向
けて収束させる収束制御手段と、を設けた構成としたた
め、ABS制御による車輪速の減速・加速に応じ、目標
車輪速が、制動に好適な第2目標車輪速と、疑似車体速
近傍の第1目標車輪速とに交互に切り換わり、各目標車
輪速に向けて収束制御を実行するものであり、したがっ
て、車輪速が目標車輪速から目標車輪速へ向けて変化す
る時間の短縮が図られ、車輪速が第1目標車輪速(疑似
車体速)近傍に留まる時間が短くなって、制動力の向上
が図られるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ制御装置を示すクレーム対応
図である。
【図2】実施の形態1の要部を示す構成図である。
【図3】実施の形態1のブレーキ制御装置を示す全体図
である。
【図4】実施の形態1のABS制御のフローチャートで
ある。
【図5】実施の形態1の増減圧時間算出処理のフローチ
ャートである。
【図6】実施の形態1の増減圧時間算出処理の2サイク
ル目以降のフローチャートである。
【図7】実施の形態1の作動例を示すタイムチャートで
ある。
【図8】実施の形態1の作動例を示すタイムチャートで
ある。
【図9】実施の形態1の作動例を示すタイムチャートで
ある。
【図10】実施の形態2の増減圧時間算出処理の2サイ
クル目以降のフローチャートである。
【図11】実施の形態2の作動例を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 ブレーキ回路 3 ホイルシリンダ 4 ドレン回路 5 切替弁 6 リザーバ 7 ポンプ 11 ブレーキユニット 12 コントロールユニット 13 車輪速センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各輪の制動用のブレーキ液圧を、
    制御可能なブレーキユニットと、 各輪の車輪速を検出する車輪速センサと、 各車輪速センサからの入力に基づいて路面判定を行う路
    面判定手段と、 前記車輪速センサからの入力ならびに路面判定手段によ
    る路面判定結果に基づいて、ブレーキユニットを作動さ
    せてブレーキ液圧の減圧・増圧を制御して車輪ロックを
    防止するABS制御を実行する制御手段と、を備えたブ
    レーキ制御装置において、 前記路面判定手段は、車輪加速度の変化率である加加速
    度に基づいて路面判定を行うよう構成されていることを
    特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記路面判定手段は、車輪速の加加速度
    が予め設定された設定値を越えたら高摩擦係数路であ
    り、それ以外では低摩擦係数路と判定するよう構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記路面判定手段は、車輪速の加加速度
    の上向きピーク値に基づき、このピーク値が高いほど高
    摩擦係数路であり低いほど低摩擦係数路と判定するよう
    構成されていることを特徴とする請求項1記載のブレー
    キ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記路面判定手段は、ABS制御の開始
    後の1サイクル目において、減圧処理後に車輪速が上昇
    する際の加加速度に基づいて路面判定を実行するよう構
    成されていることを特徴とする請求項1ないし3記載の
    ブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、ABS制御の開始後の
    1サイクル目における減圧後の再増圧処理において、路
    面判定結果が高摩擦係数路であれば、増圧の傾きが急な
    早期増圧を実行し、一方、路面判定結果が低摩擦係数路
    であれば、増圧の傾きが緩やかな緩増圧を実行するよう
    構成されていることを特徴とする請求項4記載のブレー
    キ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、車輪速に基づいて疑似
    車体速を求める疑似車体速演算手段と、この疑似車体速
    に基づいて、疑似車体速付近の第1目標車輪速、ならび
    に、第1目標車輪速よりも低く、効率よく制動を行うこ
    とができる車輪速である第2目標車輪速を求める目標車
    輪速演算手段と、車輪速が第1目標車輪速に対して下か
    ら上に横切れば目標車輪速を第2目標車輪速に設定し、
    一方、車輪速が第2目標車輪速に対して上から下に横切
    れば目標車輪速を第1目標車輪速に設定する目標車輪速
    切換手段と、車輪速を各目標車輪速に向けて収束させる
    収束制御手段と、を備えていることを特徴とする請求項
    1ないし5記載のブレーキ制御装置。
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