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JP2000310260A - 複合クラッチ装置 - Google Patents

複合クラッチ装置

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Publication number
JP2000310260A
JP2000310260A JP11121471A JP12147199A JP2000310260A JP 2000310260 A JP2000310260 A JP 2000310260A JP 11121471 A JP11121471 A JP 11121471A JP 12147199 A JP12147199 A JP 12147199A JP 2000310260 A JP2000310260 A JP 2000310260A
Authority
JP
Japan
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clutch
control type
input
type clutch
engagement
Prior art date
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Granted
Application number
JP11121471A
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English (en)
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Inventor
Yorito Nakao
頼人 中尾
Yoshiaki Kato
芳章 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP12147199A priority Critical patent/JP4240170B2/ja
Publication of JP2000310260A publication Critical patent/JP2000310260A/ja
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Publication of JP4240170B2 publication Critical patent/JP4240170B2/ja
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 細かな締結力の調整が可能なすべり制御型ク
ラッチの機能を確保しつつ、入出力要素間を継続的に締
結させるために必要なエネルギを軽減させる。 【解決手段】 複合クラッチ装置は、入出力要素11,12
間での動力伝達を多板クラッチ1のプレート3,4を押
圧することによって生じる摩擦力で行い、入出力要素1
1,12間の締結に際しては、多板クラッチ1をローラク
ラッチ2よりも先に締結させるから、入出力要素11,12
間の締結はこれら要素11,12間を継続的に締結するため
に必要なエネルギが小さく済むローラクラッチ2によっ
て行われ、プレート3,4を押圧するために大きなエネ
ルギを必要とする多板クラッチ1の締結は、ローラクラ
ッチ2の締結が完了するまでの短時間でよい。このた
め、細かな締結力の調整が可能な多板クラッチ1の機能
を確保しつつ、入出力要素11,12間を継続的に締結させ
るために必要なエネルギを軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入出力要素それぞ
れに摩擦部材を有し、摩擦部材を押圧し該摩擦部材間の
すべり摩擦力を締結力とするすべり制御型クラッチを具
えるクラッチ装置において、該すべり制御型クラッチの
締結に必要なエネルギーを最小限に抑えるための技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のすべり制御型クラッチとしては、
例えば、図5,6に示すような電制多板クラッチがあ
る。図5は、非通電時の電制多板クラッチを側面から示
した模式断面図、また、図6は、通電時の電制多板クラ
ッチを側面から示した模式断面図である。
【0003】図5,6は同一の電磁式の湿式多板クラッ
チであって、基本的には、入出力間を直結または開放す
るメインクラッチ21と、このメインクラッチ21を動作さ
せるパイロットクラッチ27と、メインクラッチ21および
パイロットクラッチ27間に設けたローディングカム機構
23で構成される。
【0004】メインクラッチ21は、入力シャフト20と一
体のケーシング内に設けた多数のクラッチプレート21a
と、出力シャフト22と一体に設けた多数のクラッチプレ
ート21bとを交互に配し、入出力間を直結するに際して
は、入力側クラッチプレート21aと、出力側クラッチプ
レート21bとの間を押圧させることにより、これらクラ
ッチプレート21a,21b間に生じるすべり摩擦力を締結
力とする。
【0005】パイロットクラッチ27は、入力シャフト20
に設けた多数のクラッチプレート27aと、ローディング
カム機構23を構成するパイロットカム25に設けた多数の
クラッチプレート27bとを交互に配して構成される。パ
イロットクラッチ27は、電磁コイル29に供給される電流
で作動する。電流が供給された場合は、図6(a)に示
す如く、パイロットクラッチ27内に磁界Eが発生するこ
とによって、パイロットクラッチ27の入出力側クラッチ
プレート27a,27b間を押圧させ、パイロットクラッチ
27を直結し、また、電流が供給されない場合は、図5
(a)に示す如く、パイロットクラッチ27内に磁界Eが
発生しないため、パイロットクラッチ27の入出力側クラ
ッチプレート27a,27b間を押圧させることなく、パイ
ロットクラッチ27を開放する。
【0006】ローディングカム機構23は、出力シャフト
22を軸方向に摺動自在なメインカム24とパイロットカム
25との間にボール部材26が介在し、メインカム24は、そ
の軸方向への摺動によって、メインクラッチ21を押圧す
ることができる。
【0007】図5(b)および図6(b)は、ローディ
ングカム機構23を拡大した模式図である。図5(b)に
示すように、ローディングカム機構23は、パイロットク
ラッチ27が開放された状態では、ボール部材26がメイン
カム24およびパイロットカム25に形成された溝内に嵌り
込んで軸方向に押し縮まった状態になる。つまり、電磁
コイル29に電流が供給されない場合、メインクラッチ21
に対してメインカム24からの押圧力が発生しないから、
メインクラッチ21のクラッチプレート21a, 21b間は開
放される。従って、電磁コイル29に電流が供給されない
場合は、メインクラッチ21は開放され、入力シャフト20
からのトルクは出力シャフト22に伝達されない。
【0008】これに対して、パイロットクラッチ27が直
結される状態では、ローディングカム機構23は、図6
(b)に示すように、ボール部材26がメインカム24およ
びパイロットカム25に形成された溝内からずれて軸方向
に押し開かれた状態になる。つまり、電磁コイル29に電
流が供給された場合、メインクラッチ21に対してメイン
カム24からの押圧力が発生するから、メインクラッチ21
のクラッチプレート21a, 21b間は締結される。従っ
て、電磁コイル29に電流が供給された場合は、メインク
ラッチ21が直結され、入力シャフト20からのトルクT
は、メインクラッチ21を介して出力シャフト22に伝達さ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような電制多板クラッチにあっては、電磁コイル29に
発生する電磁力Eの大小に応じてクラッチプレート21
a, 21b間を押圧し、メインクラッチ21で伝達可能なト
ルクを決定する。つまり、すべり制御型クラッチにあっ
ては、入出力シャフト20,22それぞれに有したクラッチ
プレート21a,21b間に生じるすべり摩擦力を締結力と
して、メインクラッチ21を締結する。
【0010】このため、上述のすべり制御型クラッチに
あっては、クラッチ21を締結するに際し、クラッチプレ
ート21a,21b間で生じるすべり摩擦によるエネルギー
損失を免れない。また、エンジン駆動による通常走行
時、または、惰性走行時のように、クラッチ21を継続的
に締結する必要がある場合は、クラッチプレート21a,
21b間を常時押圧させておかなければならないため、こ
の押圧力を発生させるためのエネルギー消費を免れな
い。
【0011】本発明の解決すべき課題は、上述の事実に
鑑みてなされたものであり、細かな締結力の調整が可能
なすべり制御型クラッチの機能を確保しつつ、入出力要
素間を継続的に締結させるために必要なエネルギーを軽
減させることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため、先ず第
1発明による複合クラッチ装置は、入出力要素それぞれ
に摩擦部材を有し、これら入出力要素間の締結に際して
は、摩擦部材を押圧し該摩擦部材間のすべり摩擦力を締
結力とするすべり制御型クラッチを具えるクラッチ装置
において、入出力要素間に回転体が介在し、これら入出
力要素間の締結に際しては、前記回転体が前記入出力要
素間に形成されたクサビ形状部に押し込まれることによ
って生じるクサビ力を締結力とするクサビ力制御型クラ
ッチを付加して具え、前記クサビ力制御型クラッチを前
記すべり制御型クラッチと並列に配置し、入出力要素間
の締結に際しては、前記すべり制御型クラッチを前記ク
サビ力制御型クラッチよりも先に締結させるようにした
ことを特徴とするものである。
【0013】第2発明である複合クラッチ装置は、上記
第1発明において、前記クサビ力制御型クラッチによる
締結が完了した後は、前記すべり制御型クラッチによる
締結を解除するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0014】第3発明である複合クラッチ装置は、上記
第2発明において、前記クサビ力制御型クラッチの締結
は、電磁力によって解除されるようにしたことを特徴と
するものである。
【0015】第4発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至3発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチの締結動作を開始させる際の判断は、
前記すべり制御型クラッチの締結動作の開始から所定時
間を経過後になされることを特徴とするものである。
【0016】第5発明である複合クラッチ装置は、上記
第4発明において、前記すべり制御型クラッチによる締
結動作は、車速が所定の速度以下になった場合に解除さ
れることを特徴とするものである。
【0017】第6発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至3発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチの締結動作を開始させる際の判断は、
該すべり制御型クラッチへの制御信号が所定値以上にな
ったときになされることを特徴とするものである。
【0018】第7発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至3発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチの締結動作を開始させる際の判断は、
入出力要素間の回転数差が所定値以下になったときにな
されることを特徴とするものである。
【0019】第8発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至7発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチと、前記すべり制御型クラッチとの入
力側または出力側に共通な回転衝撃吸収用ダンパーを設
けることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】第1発明である複合クラッチ装置は、入
出力要素間での動力伝達を、すべり制御型クラッチの摩
擦部材を押圧することによって該摩擦部材間に生じるす
べり摩擦力で行い、例えば、クラッチ内のスリップ制御
などを可能にする。入出力要素間の締結に際しては、始
めに、前記すべり制御型クラッチによる締結を開始し、
その後、前記クサビ制御型クラッチによる締結を開始す
る。
【0021】この場合、入出力要素間の締結に際して
は、入出力要素間に介在する回転体がこれら入出力要素
間に形成されたクサビ形状部に押し込まれることによっ
て生じるクサビ力を締結力として、前記すべり制御型ク
ラッチを前記クサビ制御型クラッチよりも先に締結させ
るようにしたから、入出力要素間の締結は、入出力要素
間を継続的に締結するために必要なエネルギが小さく済
む前記クサビ制御型クラッチによって行われる。このた
め、摩擦部材を押圧するために大きなエネルギを必要と
する前記すべり制御型クラッチの締結は、少なくとも、
前記クサビ力制御型クラッチの締結が完了するまでの短
時間でよい。
【0022】従って本発明は、すべり摩擦力が締結力と
なるすべり制御型クラッチに、クサビ力が締結力となる
クサビ制御型クラッチを付加することによって、細かな
締結力の調整が可能なすべり制御型クラッチの機能を確
保しつつ、入出力要素間を継続的に締結させるために必
要なエネルギを軽減することができる。
【0023】第2発明である複合クラッチ装置は、上記
第1発明において、前記クサビ力制御型クラッチによる
締結が完了した後は、前記すべり制御型クラッチによる
締結を解除するようにしたから、入出力要素間を継続的
に締結させるために必要なエネルギの軽減に最も効果的
である。
【0024】第3発明である複合クラッチ装置は、上記
第2発明において、前記クサビ力制御型クラッチの締結
が電磁力によって解除されるようにしたから、前記クサ
ビ力制御型クラッチの締結がON,OFF制御による短
時間で行われる。このため、すべり制御型クラッチを締
結させておく時間も短時間で済み、締結で消費されるエ
ネルギをさらに軽減させることができる。
【0025】第4発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至3発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチの締結動作を開始させる際の判断が、
前記すべり制御型クラッチの作動開始から所定時間を経
過後になされるようにしたから、前記クサビ力制御型ク
ラッチの動作を開始させるための判断を容易に行うこと
ができる。
【0026】第5発明である複合クラッチ装置は、上記
第4発明において、前記すべり制御型クラッチによる締
結動作は、車速が所定の速度以下になった場合に解除さ
れるようにしたから、クラッチを締結する必要がない車
両の停止状態になった場合の判断が容易で、クラッチ締
結を速やかに中止することができる。
【0027】第6発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至3発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチの締結動作を開始させる際の判断は、
該すべり制御型クラッチへの制御信号が所定値以上にな
ったときになされるようにしたから、前記クサビ力制御
型クラッチの動作を開始させるための判断を容易に行う
ことができる。
【0028】第7発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至3発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチの締結動作を開始させる際の判断は、
入出力要素間の回転数差が所定値以下になったときにな
されるようにしたから、前記クサビ力制御型クラッチの
動作を開始させるための判断を容易にできる。
【0029】第8発明である複合クラッチ装置は、上記
第1乃至7発明のいずれか一発明において、前記クサビ
力制御型クラッチと、前記すべり制御型クラッチとの入
力側または出力側に共通な回転衝撃吸収用ダンパーを設
ける。前記回転衝撃吸収用ダンパーは、前記すべり制御
型クラッチまたは前記クサビ力制御型クラッチを締結す
る際に生じる回転方向の衝撃を吸収するための部材であ
る。
【0030】この場合、前記すべり制御型クラッチおよ
び前記クサビ力制御型クラッチの個々に設ける必要のあ
るダンパーが1つになることで、複合クラッチ装置内の
部品点数が最小限に済むため、コストの軽減を図ること
ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0032】まず本発明を説明するに当たり、クサビ力
制御型クラッチを説明する。図7は、クサビ力制御型ク
ラッチの一実施形態である電制ローラクラッチを示し、
(a)は本形態を軸方向から示した断面図、また、
(b)は本形態を側面から示した断面図である。ローラ
クラッチは、トルク伝達部および電磁クラッチ部から構
成され、多角形状の断面を有した入力シャフト30と、出
力シャフトの外輪32との間に複数の回転ローラ31が介在
するものである。
【0033】本形態のトルク伝達部は、入力シャフト3
0、出力シャフトの外輪32、回転ローラ(係合子)31お
よび保持器34で構成され、入力シャフトのカム面30f
と、出力外輪の内周面32fでクサビ空間を形成し、スイ
ッチばね37によって保持器34と回転ローラ31をカム面30
fに対して中立位置に支持している。入力シャフト30
は、例えば、図(a)に示すように、6つのカム面30f
を有した六角形断面で、そのカム面30fそれぞれに保持
器34で回転自在に支持された6つの回転ローラ31を具え
る。但し入力シャフト30の断面形状および回転ローラ31
の個数は、6つに限定されるものではない。出力外輪32
は、中空の円筒形であるため、回転ローラ31がカム面30
fに対して中立位置にある場合、回転ローラ31は、入力
シャフトのカム面30fおよび出力外輪の内周面32fの間
を空転する。
【0034】電磁クラッチ部は、アーマチュア33,電磁
コイル35およびロータ36で構成され、アーマチュア33に
は保持器34が取り付けられている。電磁クラッチ部は、
電磁コイル35に供給される電流で作動する。電流が供給
された場合は、アーマチュア33がロータ36に吸引される
ため、保持器34がロータ36に対して固定され、また、電
流が供給されない場合は、アーマチュア33がロータ36に
吸引されることがないため、保持器34はロータ36に対し
て開放される。
【0035】図8は、ローラクラッチ内で伝達されるト
ルクTを説明するための作用図である。図8において、
上半分はクラッチが開放されたニュートラルポジション
(中立位置)を示し、図(a)は正面からクラッチを示
した断面図、図(b)は側面から示した断面図である。
また、図8において、下半分はクラッチが締結されたロ
ックポジション(係合位置)を示し、図(c)は正面か
らクラッチを示した断面図、図(d)は側面から示した
断面図である。
【0036】図9は、カム面30fと出力外輪32fとの間
で生じるクサビ力を説明するための作用図であり、
(a)はクラッチが締結されたロックポジション、
(b)はクラッチが開放されたニュートラルポジション
を示している。なお、図9(c)は他の実施形態であっ
て、入力側に外輪40を設けると共に、出力シャフト42の
外周にカム面42fを形成し、入力外輪の内周面40fと出
力シャフトのカム面42fとの間に保持器44で保持された
回転ローラ41を介在させたものである。
【0037】ここで、図7〜9を参照して、上記電制ロ
ーラクラッチの作用を詳細に説明する。
【0038】図8(b)に示すように、ローラクラッチ
は、アーマチュア33がロータ36に吸引されない状態で
は、ロータ36から離れた状態になる。つまり、電磁コイ
ル35に電流を供給しない場合、保持器34にはスイッチば
ね37による復元力が働くから、図9(b)に示す如く、
回転ローラ31はニュートラルポジションを保持され、そ
れ以後は、入力シャフト30と出力外輪32とが相対回転す
る空転状態となる。従って、電磁コイル35に電流を供給
しない場合は、図8(a)の如く、入力シャフト30と出
力外輪32との間が開放され、入力シャフト30からのトル
クTは出力外輪32に伝達されない。
【0039】これに対して、アーマチュア33がロータ36
に吸引される状態では、アーマチュア33とロータ36との
間に摩擦が発生する。この摩擦力は、スイッチばね37の
力よりも大きく、入力シャフト30が出力外輪32に対して
相対回転しようとすると、図8(d)に示すように、保
持器34がロータ36に対して固定された状態になる。つま
り、電磁コイル35に電流を供給した場合、アーマチュア
33がロータ36に吸引されるから、図9(a)に示す如
く、回転ローラ31が入力シャフトのカム面30fおよび出
力外輪の内周面32fで形成されたクサビ形状部に嵌り込
んだロックポジションに固定され、それ以後、入力シャ
フト30と出力外輪32とは相対回転が不可能な直結状態と
なる。従って、電磁コイル35に電流を供給する場合は、
図8(c)の如く、入力シャフト30と出力外輪32との間
が締結され、入力シャフト30からのトルクTは出力外輪
32に伝達される。
【0040】以下、本発明である複合クラッチ装置の一
実施形態を、図5,6および図7〜9で説明した電制湿
式多板クラッチおよび電制ローラクラッチを参照して詳
細に説明する。
【0041】図1は、本発明である複合クラッチ装置の
一実施形態を側面から示した断面図であって、ケーシン
グ18内に、ローラクラッチ2を湿式多板クラッチ1と並
列に配置したものである。本形態の複合クラッチ装置
は、入力シャフト10が出力シャフト13の端部に形成され
た外輪(出力要素)12内に突き当てした状態で構成され
ている。出力シャフト13は、軸受B2 を介してケーシン
グ18に支持されている。
【0042】すべり制御型クラッチである湿式多板クラ
ッチ1は、入力シャフト10に取り付けたクラッチアーム
(第1の入力要素)11aの外周部に設けた多数のクラッ
チプレート3と、出力外輪12の内周面に設けた多数のク
ラッチプレート4とを交互に配し、クラッチピストン5
を入力側に設ける。クラッチピストン5は、ベアリング
B1 を介して、油圧ピストン15の外周面に取り付けられ
る。油圧ピストン15は、ハウジング16に設けた油路17か
ら供給される油圧の大小によって、クラッチピストン5
と一体に軸方向に移動する。つまり、湿式多板クラッチ
1が入力シャフト10および出力シャフト13間を直結する
に際しては、オイルを供給された油圧ピストン15の押し
力が、クラッチピストン5を介して、入力側クラッチプ
レート3および出力側クラッチプレート4間を押圧させ
ることにより、これらクラッチプレート3,4間に生じ
るすべり摩擦力を締結力とする。
【0043】ここで、湿式多板クラッチ1の作用を説明
する。
【0044】湿式多板クラッチ1は、油路17からオイル
が供給されない場合、油圧ピストン15の押し力が生じな
いから、入出力側クラッチプレート3,4間を押圧させ
ることなく、これらクラッチプレート3,4間を開放す
る。従って、油路17からオイルが供給されない場合は、
クラッチピストン5からの押力が生じないため、入力シ
ャフト10と出力外輪12との間が開放され、入力シャフト
10からのトルクは出力シャフト13に伝達されない。
【0045】これに対して、油路17からオイルが供給さ
れた場合は、油圧ピストン15の押し力が生じ、この押し
力が、クラッチピストン5を介して、入力側クラッチプ
レート3および出力側クラッチプレート4間を押圧させ
ることにより、これらクラッチプレート3,4間を締結
する。従って、油路17からオイルが供給された場合は、
クラッチピストン5からの押力によって、入力シャフト
10と出力外輪12との間が直結され、入力シャフト10から
のトルクは出力シャフト13に伝達される。
【0046】クサビ力制御型クラッチであるローラクラ
ッチ2は、図7〜9で説明のローラクラッチと同様、ト
ルク伝達部および電磁クラッチ部から構成され、入力シ
ャフト10に取り付けた多角形状の断面(カム面11bf )
を有したローラクラッチ内輪(第2の入力要素)11b
と、出力シャフト13の外輪(出力要素)12との間に複数
の回転ローラ6が介在するものである。ローラクラッチ
内輪11bは、例えば、スプライン嵌合などによって入力
シャフト10に取り付けられている。
【0047】本形態のトルク伝達部は、ローラクラッチ
内輪11b、出力外輪12、回転ローラ6および保持器7で
構成され、ローラクラッチ内輪のカム面11bf と出力外
輪12の内周面12fでクサビ形状部(図7〜9で説明した
カム面30fおよび内周面32fで形成したクサビ形状部に
相当)を形成し、回転ローラ6と保持器7とをカム面11
bf に対して中立位置に支持している。
【0048】ローラクラッチ内輪11bは、6つのカム面
(図7〜9で説明したカム面30fに相当)11bf を有し
た六角形断面で、カム面11bf それぞれに保持器(図7
〜9で説明した保持器34に相当)7で回転自在に支持さ
れた6つの回転ローラ(図7〜9で説明した回転ローラ
31に相当)6を具える。出力外輪12は、中空の円筒形で
あるため、回転ローラ6がカム面11bf に対して中立位
置にある場合、回転ローラ6は、ローラクラッチ内輪の
カム面11bf および出力外輪の内周面12fの間を空転す
る。
【0049】電磁クラッチ部は、アーマチュア8および
電磁ソレノイド19で構成され、アーマチュア8には保持
器7が取り付けられている。電磁クラッチ部は、電磁ソ
レノイド19に供給される電流で作動する。電流が供給さ
れた場合は、アーマチュア8が電磁ソレノイド19側に吸
引されるため、保持器7が電磁ソレノイド19側に固定さ
れ、また、電流が供給されない場合は、アーマチュア8
が電磁ソレノイド19側に吸引されることがないため、保
持器7は電磁ソレノイド19側に対して開放される。
【0050】ここで、ローラクラッチ2の作用を説明す
る。
【0051】ローラクラッチ2は、アーマチュア8が電
磁ソレノイド19側に吸引されない状態では、図8(b)
で説明と同様、電磁ソレノイド19側(図7〜9で説明し
たロータ36に相当)から離れた状態になる。つまり、電
磁ソレノイド19に電流を供給しない場合、保持器7には
図示せぬスイッチばね(図7で説明したスイッチばね37
に相当)による復元力が働くから、図9(b)で説明と
同様、回転ローラ6はニュートラルポジションを保持さ
れ、それ以後は、ローラクラッチ内輪(図7〜9で説明
した入力シャフト30に相当)11bと出力外輪(図7〜9
で説明した出力外輪32に相当)12とが相対回転する空転
状態となる。従って、電磁ソレノイド19に電流を供給し
ない場合は、図8(a)で説明と同様、ローラクラッチ
内輪のカム面11bf と出力外輪の内周面12fとの間が開
放され、ローラクラッチ内輪11bからのトルクは出力シ
ャフト13に伝達されない。
【0052】これに対して、アーマチュア8が電磁ソレ
ノイド19側に吸引される状態では、アーマチュア8と電
磁ソレノイド19側との間に摩擦が発生する。この摩擦力
は、前記スイッチばねの力よりも大きく、ローラクラッ
チ内輪11bが出力外輪12に対して相対回転しようとする
と、図8(d)で説明と同様、保持器7が電磁ソレノイ
ド19側に対して固定された状態になる。つまり、電磁ソ
レノイド19に電流を供給した場合、アーマチュア8が電
磁ソレノイド19側に吸引されるから、図9(a)で説明
と同様、回転ローラ6がローラクラッチ内輪のカム面11
bf および出力外輪の内周面12fで形成されたクサビ形
状部に嵌り込んだロックポジションに固定され、それ以
後、ローラクラッチ内輪11bと出力外輪12とは相対回転
が不可能な直結状態となる。従って、電磁ソレノイド19
に電流を供給する場合は、図8(c)で説明と同様、ロ
ーラクラッチ内輪のカム面11bf と出力外輪の内周面12
fとの間が締結され、ローラクラッチ内輪11bからのト
ルクは出力シャフト13に伝達される。
【0053】図1の本発明複合クラッチ装置は、上述の
如く、多板クラッチ1にローラクラッチ2を付加して具
え、第1の入力要素であるクラッチアーム11aと第2の
入力要素であるローラクラッチ内輪11bとを入力シャフ
ト10に一体に取り付けて入力側を共通化すると共に、出
力側である出力外輪13を共通化し、ローラクラッチ2を
多板クラッチ1と並列に配置したものである。
【0054】本形態では、多板クラッチ1とローラクラ
ッチ2との入力側、即ち、多板クラッチ1のクラッチア
ーム11aおよびローラクラッチ2の内輪11b間には共通
な回転衝撃吸収用ダンパー9が設けられている。ダンパ
ー9は、多板クラッチ1またはローラクラッチ2を締結
する際に生じる回転方向の衝撃を吸収するための部材で
ある。この場合、多板クラッチ1およびローラクラッチ
2の個々に設ける必要のあるダンパーが1つになること
で、複合クラッチ装置を構成する部品点数が最小限に済
むため、コストの軽減を図ることができる。なお、図9
(c)で例示の如く、入力シャフトに外輪40を形成し、
この外輪40内にカム面42fを有する出力シャフト42を突
き当てした実施形態の場合は、多板クラッチ1とローラ
クラッチ2との出力側に共通な回転衝撃吸収用ダンパを
設けることにより、同様な効果が得られる。
【0055】図2は、本発明による複合クラッチ装置の
作用を説明する制御フローである。まずステップ100
にて、エンジンおよびトランスミッション間の締結指
令、即ち、アクセルペダルON、または、エンジンブレ
ーキONの指令を受けて、多板クラッチ1の制御を開始
し、この多板クラッチ1を作動させると同時に、ステッ
プ110にて、タイマーをスタートさせる。このタイマ
ーは、ステップ130で計測される時間が所定時間t1
に達するまで繰り返しカウントされる。
【0056】ステップ120では、車速Vを検出し、タ
イマーが所定の時間t1 に達する前に車速Vが所定値V
0 を下回った場合、即ち、車両がほぼ停止状態になって
しまった場合は、ステップ150に移行し、このステッ
プ150にて、多板クラッチ1の制御を中止させ、複合
クラッチ装置を制御するためのフローを終了する。
【0057】この場合、多板クラッチ1による締結動作
は、車速Vが所定の車速V0 を下回った場合に解除され
るようにしたから、クラッチを直結する必要がない車両
の停止状態になった場合の判断が容易で、クラッチ締結
を速やかに中止することができる。
【0058】ステップ130にて車速Vが所定時間t1
まで所定値V0 を下回るがことなければ、ステップ14
0に移行し、このステップ140にて、多板クラッチ1
が直結にあると判断して、ローラクラッチ2の締結動作
を開始する。その後、ステップ150にて、多板クラッ
チ1の締結動作を終了させると、回転ローラ6がクサビ
効果によって、ローラクラッチ内輪のカム面11bf と出
力外輪の内周面12fとの間に食い込むため、ローラクラ
ッチ内輪11bと出力外輪12との間が締結され、ローラク
ラッチ内輪11bからのトルクは出力シャフト13に伝達さ
れる。
【0059】本形態の複合クラッチ装置によれば、ロー
ラクラッチ2の締結動作を開始させる際の判断が、多板
クラッチ1の締結動作の開始から所定時間t1 を経過後
になされるようにしたから、ローラクラッチ2の締結動
作を開始させるための判断を容易に行うことができる。
【0060】なお、ローラクラッチ2は、電磁ソレノイ
ド19に供給される制御電流をOFFしても締結状態が維
持されるから、ステップ160のプログラムを付加し、
このステップ160にて、ローラクラッチ2の締結動作
を終了してもよい。このように、ローラクラッチ2によ
る締結が完了した後は、多板クラッチ1による締結を解
除するようにすれば、入力要素11および出力要素12間を
継続的に締結させるために必要なエネルギの軽減に最も
効果的である。
【0061】図3は、本発明による複合クラッチ装置の
作用を説明する他の制御フローである。この実施形態で
は、複合クラッチ装置内の多板クラッチ1を制御するた
めに出力されるトルク指令値Tを用い、このトルク指令
値Tが締結に必要な値を超えるかどうかで、クラッチ締
結を判断するものである。
【0062】まずステップ200にて、エンジンおよび
トランスミッション間の締結指令、即ち、アクセルペダ
ルON、または、エンジンブレーキONの指令を受け
て、多板クラッチ1の制御を開始し、多板クラッチ1を
作動させると同時に、ステップ210にて、多板クラッ
チ1のトルク指令値Tを検出する。この検出は、トルク
指令値Tが所定値T0 以上になるまで繰り返し行われ
る。
【0063】ステップ210にて、トルク指令値Tが所
定値T0 以上になれば、多板クラッチ1が直結状態であ
ると判断してステップ220に移行し、このステップ2
20にて、ローラクラッチ2の締結動作を開始する。そ
の後、ステップ230に移行し、このステップ230に
て、多板クラッチ1の締結動作を終了させる。この場
合、回転ローラ6がクサビ効果によって、ローラクラッ
チ内輪のカム面11bf と出力外輪の内周面12fとの間に
食い込むため、ローラクラッチ内輪11bと出力外輪12と
の間が締結され、ローラクラッチ内輪11bからのトルク
は出力シャフト13に伝達される。
【0064】なお、ローラクラッチ2は、電磁ソレノイ
ド19に供給される制御電流をOFFしても締結状態が維
持されるから、ステップ240のプログラムを付加し、
このステップ240にて、ローラクラッチ2の締結動作
を終了してもよい。このように、ローラクラッチ2によ
る締結が完了した後は、多板クラッチ1による締結を解
除するようにすれば、入力要素11および出力要素12間を
継続的に締結させるために必要なエネルギの軽減に最も
効果的である。また、クラッチ締結の判断に用いたトル
ク指令値Tは、多板クラッチ1を制御する電磁ソレノイ
ドに供給される電流値Iを用いてもよい。
【0065】本形態の複合クラッチ装置によれば、ロー
ラクラッチ2の締結動作を開始させる際の判断が、多板
クラッチ1への制御信号が所定値以上になったときにな
されるようにしたから、ローラクラッチ2の締結動作を
開始させるための判断を容易に行うことができる。
【0066】図4は、本発明による複合クラッチ装置の
作用を説明するさらに他の制御フローである。この実施
形態では、入力側回転数、例えば、入力シャフト10の回
転数Ni と、出力側回転数、例えば、出力シャフト13の
回転数No とを検出し、これら入出力側回転数Ni およ
びNo との回転差から、クラッチ締結を判断するもので
ある。
【0067】まずステップ300にて、エンジンおよび
トランスミッション間の締結指令、即ち、アクセルペダ
ルON、または、エンジンブレーキONの指令を受け
て、多板クラッチ1の制御を開始し、多板クラッチ1を
作動させると同時に、ステップ310にて、入力側回転
数Ni および出力側回転数No を検出する。この検出
は、入力側回転数Ni が出力側回転数No と等しくなる
まで繰り返し行われる。
【0068】ステップ310にて、入力側回転数Ni が
出力側回転数No と等しく(Ni =No )なれば、多板
クラッチ1が直結状態であると判断してステップ320
に移行し、このステップ320にて、ローラクラッチ2
の締結動作を開始する。その後、ステップ330に移行
し、このステップ330にて、多板クラッチ1の締結動
作を終了させる。この場合、回転ローラ6がクサビ効果
によって、ローラクラッチ内輪のカム面11bf と出力外
輪の内周面12fとの間に食い込むため、ローラクラッチ
内輪11bと出力外輪12との間が締結され、ローラクラッ
チ内輪11bからのトルクは出力シャフト13に伝達され
る。
【0069】なお、ローラクラッチ2は、電磁ソレノイ
ド19に供給される制御電流をOFFしても締結状態が維
持されるから、ステップ340のプログラムを付加し、
このステップ340にて、ローラクラッチ2の締結動作
を終了してもよい。このように、ローラクラッチ2によ
る締結が完了した後は、多板クラッチ1による締結を解
除するようにすれば、入力要素11および出力要素12間を
継続的に締結させるために必要なエネルギの軽減に最も
効果的である。
【0070】本形態の複合クラッチ装置によれば、ロー
ラクラッチ2の締結動作を開始させる際の判断が、入力
側および出力側間の回転差が所定値以下になったときに
なされるようにしたから、ローラクラッチ2の締結動作
を開始させるための判断を容易に行うことができる。
【0071】上述したことから明らかなように、本発明
複合クラッチ装置は、入出力シャフト10,13間での動力
伝達を、多板クラッチ1のクラッチプレート3,4を押
圧することによってこれらクラッチプレート3,4間に
生じる摩擦力で行い、例えば、複合クラッチ装置のスリ
ップ制御を可能にする。入出力要素10,13間の締結に際
しては、初めに、多板クラッチ1による締結を開始し、
その後、ローラクラッチ2による締結を開始する。
【0072】この場合、入力シャフト10および出力シャ
フト13間を直結状態するに際しては、ローラクラッチ内
輪のカム面11bf および出力外輪の内周面12f間に介在
する回転ローラ6がこれらカム面11bf および内周面12
f間に形成されたクサビ形状部に押し込まれることによ
って生じるクサビ力を締結力として、多板クラッチ1を
ローラクラッチ2よりも先に締結させるようにしたか
ら、入力要素11および出力要素12間の締結は、入出力要
素11,12間を継続的に締結するために必要なエネルギが
小さく済むローラクラッチ2によって行われる。このた
め、クラッチプレート3,4を押圧するために大きなエ
ネルギを必要とする多板クラッチ1の締結は、少なくと
も、ローラクラッチ2の締結が完了するまでの短時間で
よい。
【0073】従って、本発明複合クラッチ装置によれ
ば、すべり摩擦力が締結力となる多板クラッチ1に、ク
サビ力が締結力となるローラクラッチ2を付加すること
によって、スリップ制御などの細かな締結力の調整が可
能な多板クラッチ1の機能を確保しつつ、入力要素11お
よび出力要素12間、即ち、入力シャフト10および出力シ
ャフト13間を継続的に直結状態にさせるために必要なエ
ネルギを軽減することができる。
【0074】特に、本形態の複合クラッチ装置は、ロー
ラクラッチ2の締結が電磁力、即ち、電磁ソレノイド19
によって解除されるものであるから、ローラクラッチ2
の締結がON,OFF制御による短時間で行われる。こ
のため、多板クラッチ1を締結させておく時間も短時間
で済み、締結で消費されるエネルギをさらに軽減させる
ことができる。
【0075】上述したところは、本発明の好適な実施形
態を示したにすぎず、当業者によれば、請求の範囲にお
いて種々の変更を加えることができる。他のすべり制御
型クラッチとしては、例えば、特開平8−219190
号公報に記載されたパウダークラッチがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である複合クラッチ装置の一実施形態
を側面から示した断面図である。
【図2】 本発明装置の作用を説明する制御フローであ
る。
【図3】 本発明装置の作用を説明する他の制御フロー
である。
【図4】 本発明装置の作用を説明するさらに他の制御
フローである。
【図5】 すべり制御型クラッチである多板クラッチを
側面から示した断面図である。
【図6】 同多板クラッチを側面から示した断面図であ
る。
【図7】 (a)は、クサビ力制御型クラッチであるロ
ーラクラッチを正面から示した断面図、(b)は、ロー
ラクラッチを側面から示した断面図である。
【図8】 (a)は、電磁コイルOFF時のローラクラ
ッチを正面から示した断面図、(b)は、同ローラクラ
ッチを側面から示した断面図、(c)は、電磁コイルO
N時のローラクラッチを正面から示した断面図、(d)
は、同ローラクラッチを側面から示した断面図である。
【図9】 (a)は、図7のローラクラッチにクサビ力
が生じたときの正面から示した断面図、(b)は、図7
のローラクラッチにクサビ力が生じないときの正面から
示した断面図、(c)は、他のローラクラッチにクサビ
力が生じたときの正面から示した断面図である。
【符号の説明】
1 多板クラッチ(すべり制御型クラッチ) 2 ローラクラッチ(クサビ力制御型クラッチ) 3 入力側クラッチプレート 4 出力側クラッチプレート 5 クラッチピストン 6 回転ローラ 7 保持器 8 アーマチュア 9 衝撃吸収用ダンパ 10 入力シャフト 11a クラッチアーム 11b ローラクラッチ内輪 11bf カム面 12 出力シャフトの外輪 12f 出力外輪の内周面 13 出力シャフト 15 油圧ピストン 16 ハウジング 17 油路 18 ケーシング 19 電磁ソレノイド B1 ,B2 軸受

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入出力要素それぞれに摩擦部材を有し、
    これら入出力要素間の締結に際しては、摩擦部材を押圧
    し該摩擦部材間に生じるすべり摩擦力を締結力とするす
    べり制御型クラッチを具えるクラッチ装置において、 入出力要素間に回転体が介在し、これら入出力要素間の
    締結に際しては、前記回転体が前記入出力要素間に形成
    されたクサビ形状部に押し込まれることによって生じる
    クサビ力を締結力とするクサビ力制御型クラッチを付加
    して具え、 前記クサビ力制御型クラッチを前記すべり制御型クラッ
    チと並列に配置し、 入出力要素間の締結に際しては、前記すべり制御型クラ
    ッチを前記クサビ力制御型クラッチよりも先に締結させ
    るようにしたことを特徴とする複合クラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記クサビ力制御型クラッチによる締結
    が完了した後は、前記すべり制御型クラッチによる締結
    を解除するようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の複合クラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記クサビ力制御型クラッチの締結は、
    電磁力によって解除されるようにしたことを特徴とする
    請求項2に記載の複合クラッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記クサビ力制御型クラッチの締結動作
    を開始させる際の判断は、前記すべり制御型クラッチの
    締結動作の開始から所定時間を経過後になされることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合
    クラッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記すべり制御型クラッチによる締結動
    作は、車速が所定の速度以下になった場合に解除される
    ことを特徴とする請求項4に記載の複合クラッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記クサビ力制御型クラッチの締結動作
    を開始させる際の判断は、該すべり制御型クラッチへの
    制御信号が所定値以上になったときになされることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合ク
    ラッチ装置。
  7. 【請求項7】 前記クサビ力制御型クラッチの締結動作
    を開始させる際の判断は、入出力要素間の回転数差が所
    定値以下になったときになされることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか一項に記載の複合クラッチ装置。
  8. 【請求項8】 前記クサビ力制御型クラッチと、前記す
    べり制御型クラッチとの入力側または出力側に共通な回
    転衝撃吸収用ダンパーを設けることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれか一項に記載の複合クラッチ装置。
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