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JP2000305311A - 電子写真用トナー、現像剤およびそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、現像剤およびそれを用いる画像形成方法

Info

Publication number
JP2000305311A
JP2000305311A JP11397899A JP11397899A JP2000305311A JP 2000305311 A JP2000305311 A JP 2000305311A JP 11397899 A JP11397899 A JP 11397899A JP 11397899 A JP11397899 A JP 11397899A JP 2000305311 A JP2000305311 A JP 2000305311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particles
particle size
resin
dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11397899A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Takagi
正博 高木
Toshimoto Inoue
敏司 井上
Chiaki Suzuki
千秋 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP11397899A priority Critical patent/JP2000305311A/ja
Publication of JP2000305311A publication Critical patent/JP2000305311A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子形状が球形に近く、体積平均粒径が小さ
くても粒度分布の狭い、トナー粒子を含む電子写真用ト
ナーにおいて、良好な現像・転写性能を保持したまま、
優れたクリーニング適性を有する電子写真用トナー・現
像剤・画像形成方法を提供すること。 【解決手段】 結着樹脂を必須成分として含有し、トナ
ー粒子の体積平均粒子径が3〜10μm、体積平均粒度分
布(GSD)が1.25以下で、トナー粒子の形状係数
(ML^2/A)が105から130の範囲にあるトナー粒子を
含む電子写真用トナーであって、前記トナーが、平均分
散粒子径が0.01ないし0.5μm、溶融粘度が5.
5×104ないし1.0×108ポイズの範囲にある、ポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン含
有共重合体、フルオロポリエーテルおよびパーフルオロ
アルキル基含有化合物から選ばれる低分子量フッ素系化
合物の微粒子を含有することを特徴とする電子写真用ト
ナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法において静電潜像の現像のために使用する静電荷
像現像用トナーおよびそのトナーを用いた画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法など静電荷像を経て画像情報
を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。
電子写真法においては帯電、露光工程により感光体上に
静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現
像し、転写、定着工程を経て可視化される。ここで用いら
れる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤
と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分
現像剤とがあるがそのトナーの製法は通常、熱可塑性樹
脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶
融混練し、冷却後、微粉砕し、さらに分級する混練粉砕製
法が使用されている。これらトナーには、必要であれば流
動性やクリーニング性を改善するための無機、有機の微
粒子をトナー粒子表面に添加することもある。通常一般
に用いられている混練粉砕製法では、トナー形状及びト
ナーの表面構造は、不定形であり、使用材料の粉砕性や粉
砕工程の条件により微妙に変化するものの意図的なトナ
ー形状及び表面構造の制御は困難である。また特に粉砕
性の高い材料である場合、トナーとして現像機中におけ
る機械力などにより、さらに微粉の発生を招いたり、トナ
ー形状の変化を招いたりすることがしばしばである。
【0003】これらの影響により2成分現像剤において
は、微粉のキャリア表面への固着により現像剤の帯電劣
化が加速されたり、1成分現像剤においては、粒度分布の
拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー形状の変化に
よる現像性の低下により画質の劣化が生じやすくなる。
また、ワックスなどの離型剤を内添してトナー化する場
合、熱可塑性樹脂との組み合せにより表面への離型剤の
露出が影響されることが多い。特に高分子量成分により
弾性が付与されたやや粉砕されにくい樹脂とポリエチレ
ンのような脆いワックスとの組み合せではトナー表面に
はワックスの露出が多く見られる。これらは定着時の離
型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには
有利であるものの、トナー表層のワックスが機械力によ
り容易に移行するために現像ロールや感光体、キャリア
の汚染を生じやすくなり、信頼性の低下につながる。
【0004】またトナー形状が不定形であることにより
流動性助剤の添加によっても流動性が充分でなく、使用
中機械力による流動性助剤のトナー内部への埋没がおき
ることで、現像性、転写性、クリーニング性が悪化する。ま
たクリーニングにより回収されたトナーを再び現像機に
戻して使用するとさらに画質の低下を生じやすい。これ
ら防ぐためにさらに流動性助剤を増加すると感光体上へ
の黒点の発生や助剤粒子の飛散が生じるという状態に陥
る。そこで近年、意図的なトナー形状及び表面構造の制御
を可能とする手段として湿式トナー製法の検討が盛んで
あり、例えば特開昭63-282752や特開平6-250439号公報
では乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案され
ている。これらは、一般に乳化重合などにより樹脂分散液
を作製し、一方溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を
作製し、混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、
加熱することによって融合合一しトナーとする製造方法
が提案されている。
【0005】上記乳化重合凝集法は、混練粉砕法に比較
して、粒度分布を狭く保ちながらトナー小径化を行うこ
とが容易であるとともに、液中で融合合一化する条件に
よりトナー表面の平滑化や球形度制御を計ることができ
る利点を有する。ここで、トナー粒子を小粒径化するこ
とにより、解像度の向上、粒状性の向上等の高画質化が
はかれるが、一方、トナー小径化に伴いトナー一個の帯
電量は一般に低下するため、かぶりやすさ及びトナーダ
ート発生しやすさに起因する現像ラチチュードの低下
や、転写性、クリーニング性の低下といった問題が発生
することは周知の事実である。従来の混練粉砕法にて得
られる不定形トナー粒子は、帯電部材、例えば一成分現
像法におけるスリーブとの接触摩擦帯電をする際、或い
は、所謂二成分現像法におけるキャリアー粒子との接触
摩擦帯電をする場合、トナー粒子はその凸部が選択的に
帯電部材と接触帯電するため、実際のトナーの表面電荷
密度分布は均一なものではなくかなり不均一に局在化し
たものであると考えられている。さらにトナー小径化に
伴いトナー1個の有する帯電量も低下するため、この様
な不均一に局在化した帯電状態のトナーは結果として、
高い現像電界(トナーをスリーブ、キャリアーから引き
剥がすのに必要な電界)や高い転写電界(感光体からト
ナーを引き剥がすのに必要な電界)が必要となる。
【0006】球形トナーであれば少なくともトナー表面
に凹部は無いため不定形トナーに比べてトナーの帯電可
能面積は大きくなるため、帯電法によればかなり均一な
帯電が可能と考えられる。またトナー表面の帯電電荷密
度分布が均一になったためか、あるいは、接触面積低減
効果のためか不定形トナーに比べ付着力は小さくなる傾
向にあり、転写性改善等に効果があるものと考えられ
る。これらの観点からも、前記乳化重合凝集法トナーを
用いることによる上記問題点に対する改善期待は大き
い。しかしながら本発明者らの検討では、乳化重合凝集
法をはじめとする湿式製法を用いたトナーは一方で、ク
リーニング性が混練粉砕法不定形トナーに比べ悪化する
ことが判明している。特に、小粒径かつ球形度の高いト
ナーとした場合、従来のクリーニング方法では十分なク
リーニングを行うことが困難である。また、湿式トナー
製法においてその中心形状として不定形を狙った条件設
定を施した場合においても、小粒径側の形状が球形に近
くなることが多く、そのため小粒径トナーが選択的にク
リーニング不良となることがある。なお、ここでクリー
ニング性とは、有機感光体をはじめとする静電荷像担持
体表面に残存するトナー構成成分の除去性はもちろんの
こと、静電荷像担持体と接触する部材、具体的には接触
帯電ロール・中間転写ベルト・中間転写ドラム等に残存
するトナー構成成分の除去性も示す。
【0007】このクリーニング性の悪さを補う方法とし
て、静電ブラシにより電気的に残存トナーを補集する機
構を取り入れることも考えられるが、補集機構が複雑か
つ大容量となり、近年の小型化・省エネルギー要求を満
たすことができない。また、従来技術として、球形樹脂
微粒子、たとえばソープフリー重合によるポリメチルメ
タクリレート粒子をクリーニング助剤として用いること
が有効であることは公知であるが、これらの技術を乳化
重合凝集法トナーに適応し効果を発揮させるためには非
常に多量の添加量が必要となり、また球形樹脂粒子自体
がトナーから離脱しクリーニング部をすり抜け、露光障
害による画像障害を発生しやすいという不具合がある。
【0008】さらに、特開昭60−166957号公報
には、結着樹脂と磁性粉を含む一成分系トナーにおい
て、トナー粒子の内部および/または表面にフッ素樹脂
粉末を添加することにより、トナー粒子が感光体表面に
付着して感光体に損傷を与えることを防止することが、
また特開昭60−79361号公報には、同様な目的で
トナー粒子の表面にポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を固
定することが記載されている。また特開昭57−844
60号公報には、トナー粉末に滑剤、たとえばフッ素樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、二硫
化モリブデン等を添加して、クリーニング工程でブラシ
あるいはブレードによりトナー粒子を取り除く際に生ず
る感光体の損傷を防止することが記載されている。これ
らの公報に示されているトナー粒子は、いずれも粉砕法
により得られる、粒子形状が不定形で粒径範囲も広いト
ナー粒子であり、また、感光体表面の損傷防止のために
トナー粒子に添加されているフッ素樹脂等はいずれも高
分子量のフッ素樹脂である。しかし、このような高分子
量のフッ素樹脂粉末を添加する方法を湿式製法により作
製される、形状が球形に近く、体積平均粒径が小さくて
も粒度分布の狭いトナー粒子に適用しても、クリーニン
グ性の改善は図れない。一方、特開平4−102860
号公報には、結着樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒
子に分子量500〜5000のポリテトラフルオロエチ
レン微粒子(粒径0.5〜5μm)を加えてクリーニン
グ性を向上させることが記載されている。しかし、この
公報に記載されているトナー粒子も粉砕法により製造さ
れるものであり、また、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂の分子量は500〜5000と低く、このポリテトラ
フルオロエチレン樹脂の微粉末を湿式製法により作製さ
れるトナー粒子に添加してもクリーニング性は顕著には
向上しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、その目的は、粒子形状が比較的球
形に近く、体積平均粒径が小さくても粒度分布の狭い、
たとえば湿式製法により作製されるトナー粒子を含む電
子写真用トナーにおいて、良好な現像・転写性能を保持
したまま、優れたクリーニング適性を有する電子写真用
トナー、および前記トナーを含む現像剤を提供するこ
と、さらに前記トナーを用いる画像形成方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の電子写真用トナー、現像剤および画像形成方法を提
供することにより解決される。 1.(1)結着樹脂を必須成分として含有し、トナー粒
子の体積平均粒子径が3〜10μm、体積平均粒度分布
(GSD)が1.25以下で、トナー粒子の形状係数
(ML^2/A)が105から130の範囲にあるトナー粒子を
含む電子写真用トナーであって、前記トナーが、平均分
散粒子径が0.01ないし0.5μm、溶融粘度が5.
5×104ないし1.0×108ポイズの範囲にある、ポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン含
有共重合体、フルオロポリエーテルおよびパーフルオロ
アルキル基含有化合物からなる群から選ばれる低分子量
フッ素系化合物の微粒子を少なくとも一種以上含有する
ことを特徴とする電子写真用トナー。前記トナーを用い
て画像形成を行うと、現像および転写性能を保持したま
ま優れたクリーニング特性を得ることができ、また得ら
れる画像は画質に優れかつ二次障害も発生しない。
【0011】前記トナーにおいてトナー粒子の体積平均
粒度分布(GSD)が、好ましくは1.25以下、より
好ましくは1.23以下であることが好ましい。上記低
分子量フッ素系化合物としてはテトラフルオロエチレン
含有重合体、なかでもポリテトラフルオロエチレンが好
ましい。さらに、前記低分子量フッ素系化合物の微粒子
は、トナー粒子と単に混合されたものでも、トナー粒子
と該微粒子を混合させる際剪断力を与えて、トナー表面
に強く付着させたものでも、またトナー粒子を凝集法に
より製造する際凝集工程において前記微粒子の分散液を
添加して、トナー粒子表面に該微粒子が一部埋め込まれ
た状態のいずれの状態で存在していてもよい。
【0012】(2) 前記(1)の電子写真用トナーに
おいて、トナー粒子の粒度分布と形状係数(ML^2/A)の
関係が下記式(1)を満たすことが好ましい。 式(1) M50(b) >M50(a) >M50(c) ここで、M50(b)は、トナー粒子の粒度分布において、
粒子径の大きい側から数えた粒子数の累積個数%が16
%以下の粒子の平均形状係数を示し、M50(a)は、累積
個数%が42〜58%の範囲内の粒子の平均形状係数を
示し、またM50(c)は、累積個数%が84%以上の粒子
の平均形状係数を示す。 (3)また、前記(1)または(2)の電子写真用トナ
ーにおいて、トナー粒子が、少なくとも1μm以下の樹
脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と着色剤を分散した着
色剤分散液を混合し、樹脂粒子と着色剤をトナー粒径に
凝集させた後、樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱し
凝集体を融合合一して粒子を作製する方法により得られ
るものであることが好ましい。 (4)また、前記(1)ないし(3)のいずれか1に記
載の電子写真用トナーにおいて、トナー粒子が、少なく
とも1μm以下の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と
着色剤を分散した着色剤分散液を混合し、樹脂粒子と着
色剤を凝集させた後(母体凝集粒子の形成)、母体凝集
粒子の分散液中に、1μm以下の粒子分散液を少なくと
も一回追加混合し、母体凝集粒子表面に粒子を付着せし
めた後、母体凝集粒子および/または追加粒子に含まれる
樹脂のガラス転移点以上に加熱し融合合一させることに
より作製する(以下において、この方法を「母体凝集粒
子形成法」ということがある。)トナー粒子であること
が好ましい。
【0013】2.前記(1)ないし(4)のいずれか1
に記載の電子写真用トナーとキャリアを含む二成分現像
剤。 3.静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程、前記
静電潜像を現像剤により現像する工程、現像された像を
転写媒体に転写する工程、および静電荷像担持体および
/または静電荷像担持体の隣接部材に残存するトナーを
除去するクリーニング工程とを有する画像形成方法にお
いて、該現像剤として前記1.に記載のトナーを含有す
る現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。ここ
で、転写媒体とは、最終的な画像記録媒体だけでなく、
中間転写体も含む。また、前記静電荷像担持体の隣接部
材とは帯電部材あるいは中間転写体を意味する。特にゴ
ムブレードを圧接することによって残留トナーをクリー
ニングする工程を含む画像形成方法において本発明の電
子写真トナーを用いると、優れたクリーニング性を発揮
する。本発明の画像形成方法においては、上記の特定の
トナーを使用することにより前記1.に記載した効果を
達成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、特定の粒子
径、粒度分布、および形状係数を有するトナー粒子を含
む電子写真用トナーにおいて、トナーと静電荷像担持体
の接触界面、トナーと中間転写体の接触界面、トナーと
帯電ロールの接触界面等に特定の微粒子を介在させるこ
とより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0015】すなわち、湿式製法によって得られるトナ
ーの表面は、混練粉砕法のそれよりも微細凹凸がなく平
滑で緩やかな曲面を有するため、感光体表面の微細凹凸
とかみ合うことなく低接触抵抗を示す傾向にあると考え
られる。この傾向から、例えばドクター方式ブレードに
より感光体表面から残存トナーを除去することを想定し
た場合、残留トナーは並進・細密充填配置しようとし、
さらにはブレード/感光体間の接触ニップ部の押圧力が
強い部分にまでトナーが進入してしまう。その際、ブレ
ード/感光体間の接触ニップ部に挟まった残留トナーに
は、非常に強い圧縮応力と、剪断応力が発生するものと
推定されるが、これら応力によりブレードとの接触部近
傍でトナー表層が破壊された場合はトナーの形状をほぼ
維持したままブレードをすり抜けクリーニング不良とな
る。またブレード/感光体間の接触ニップ部近傍でトナ
ー表層が破壊された場合は主にトナー外添剤を中心とし
たトナー構成成分がブレードをすり抜けクリーニング不
良となる。そしてこのいずれのクリーニング不良も、帯
電ロール汚染や露光障害による画像筋・ムラのような画
像障害に発展してしまうことが判明した。
【0016】しかしながら、本発明にあるような平均分
散粒子径が0.01ないし0.5μm、溶融粘度が5.
5×104ないし1.0×108ポイズの範囲にあるポリ
テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン含有
共重合体、フルオロポリエーテルおよびパーフルオロア
ルキル基含有化合物からなる群から選ばれる低分子量フ
ッ素系化合物の微粒子をトナー外添剤の必須成分として
用いることにより、ブレード/感光体接触ニップ部に深
く入り込む前に該ポリテトラフルオロエチレン微粒子が
選択的に凝集破壊し、きわめて薄い該低分子量フッ素系
化合物成分層を感光体表面に形成させながら、残留トナ
ーが容易に回収できることを本発明者らは見出した。さ
らにはクリーニング工程で感光体表面に形成された該低
分子量フッ素系化合物成分層層は均一で厚みムラもな
く、ブレード/感光体接触ニップ部において潤滑作用を
示し、感光体表面の摩耗低減にも寄与していることも明
らかとなった。
【0017】また、本発明においては、上記のように特
定に低分子量フッ素系化合物粒子を外添するほかに、さ
らにトナー粒子の表面組成を制御することが、クリーニ
ング性向上により一層有効である。すなわち、湿式製法
のうち特に乳化重合凝集法によって得られるトナーの表
面組成分布も、クリーニング不良を発生させる加速因子
のひとつであることが本発明者らの検討により判明し
た。従来の乳化重合凝集法としては、乳化重合などによ
るイオン性界面活性剤による樹脂分散液と反対極性のイ
オン性界面活性剤で分散された顔料を混合し、ヘテロ凝
集を生じせしめることによりトナー径の凝集粒子を形成
し、その後樹脂のガラス転移点以上に加熱することによ
り凝集体を融合合一し、洗浄、乾燥するトナー製造法が知
られ、この製法は加熱温度条件を選択することでトナー
形状を不定形から球形まで制御することも提案されてき
ている。通常このプロセスは一括で混合し、凝集すること
によりなされるため均一な混合状態にある凝集体を合一
することになり、通常、トナーの表面組成分布は内部の
それと同等になるになることが多い。
【0018】特に離型剤を含有する場合は、合一後の表
面にはやはり離型剤が存在することになり、前記クリー
ニング過程においては離型剤露出部の部分的崩壊がクリ
ーニング不良発生を促進させるものと考えられる。。本
現象に関し、凝集工程・条件を鋭意検討の結果、凝集工程
において、初期の各極性のイオン性界面活性剤の量のバ
ランスをあらかじめずらしておき、ガラス転移点以下で
第1段階の母体凝集を形成、安定化の後、第2段階としてバ
ランスのずれを補填するような極性、量の界面活性剤で
処理された粒子分散液を添加し、さらに必要に応じ母体
または追加粒子に含まれる樹脂のガラス転移点以下でわ
ずかに加熱してより高い温度で安定化させたのち、ガラ
ス転移点以上に加熱することにより凝集形成の第2段階
で加えた粒子を母体凝集粒子の表面に付着させたまま合
一することにより、表層組成は第2段階で加えた粒子組
成で単一化された着色粒子を作製する。すなわち、表面
組成を制御したトナー粒子を作製する。さらに外添剤の
必須成分として平均分散粒子径が0.01ないし0.5
μm、溶融粘度が5.5×104ないし1.0×108
イズの範囲にある特定の低分子量フッ素系化合物の微粒
子を用いることにより、乳化重合凝集トナー粒子のクリ
ーニング発生防止効果をより高めることができることを
見出した。
【0019】ここで、上述したクリーニング性向上作用
は、必ずしも感光体上の残留トナーを除去する工程に関
してのみ効果を有するわけではなく、次に例示するよう
な感光体(静電荷像担持体)に隣接する部材からトナー
を除去する工程に対する効果をもすべて包含する。 (1)感光体上の現像トナー像を中間転写体へ転写し、中
間転写体上に複数種のトナー像を重ね合わせた後、紙を
はじめとする媒体に一括転写した後、中間転写体上に残
存するトナーを除去する工程。 (2)感光体上には直接トナー除去機構を設けない場合
(現像機構で同時クリーニングする工程、球形トナーを
用い転写効率を極めて高い水準に保つ場合等)、感光体
帯電部材上に微量ではあるが付着するトナーについて、
蓄積を防ぐため、帯電部材上から該付着物を除去する工
程。
【0020】以下に、本発明の電子写真用トナーについ
て詳細に説明する。まず、本発明の電子写真用トナーに
用いられるトナー粒子について説明する。本発明におけ
るトナー粒子は、結着樹脂を必須成分として含有し、ト
ナー粒子の体積平均粒子径が3〜10μm、体積平均粒度
分布(GSD)が1.25以下で、トナー粒子の形状係
数(ML^2/A)が105から130の範囲にあることを特徴
とする。ここで体積平均粒度分布GSDは、コールター
カウンターを用いて測定した累積体積粒度分布曲線にお
いて、小粒径側から積算して累積体積84%に相当する
粒子径をd84、および累積体積16%に相当する粒子径
をd16とし、(d84/d160.5に代入して求めること
ができる。また、体積平均粒子径は、前記曲線におい
て、累積体積50%に相当する粒子径d50を示す。この
ような特性を有するトナー粒子を作製する方法として
は、結着樹脂(バインダー樹脂)の重合性単量体を乳化
重合にて重合し、その分散液と着色剤必要に応じて、離
形剤、帯電制御剤、などの分散液を混合、凝集、加熱融
着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、バインダー
樹脂を得るための重合性単量体と着色剤必要に応じて、
離形剤、帯電制御剤などの溶液を水系溶媒に懸濁させて
重合する懸濁重合法、バインダー樹脂と着色剤必要に応
じて、離形剤、帯電制御剤などの溶液を水系溶媒に懸濁
させて造粒する溶解懸濁法等、いわゆる湿式製法トナー
とよばれるトナーが制限なく挙げられるが、この中でも
形状制御性の自由度の高さから乳化重合凝集法が好まし
く用いられる。
【0021】以下、乳化重合凝集法について詳説する。
上記乳化重合凝集法において用いられる分散液中の分散
粒子の分散径は、1μm以下であることが望ましい。ま
た、以下で述べる母体凝集粒子形成法によりトナー粒子
を作製する場合においても、母体凝集粒子形成用分散液
および追加分散液の双方の分散粒子の分散径は、1μm以
下であることが望ましい。分散粒子の分散径がそれ以上
である場合には最終的に生成するトナー粒子の粒径の分
布が広くなったり、遊離の粒子の発生が生じ、性能低下や
信頼性低下の原因となりやすい。本発明に用いられる熱
可塑性結着樹脂となる重合体の例としては、スチレン、パ
ラクロロスチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロ
ピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-
エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル
類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等
のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン
類、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフ
ィン類などの単量体などの重合体またはこれらを2種以
上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物、
さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹
脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル
系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を
重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることが
できる。
【0022】ビニル系単量体の場合は、イオン性界面活
性剤などを用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂
粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合
は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するもの
であれば樹脂をそれらの溶剤に溶かして、水中にイオン
性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザー
などの分散機により水中に微粒子分散し、その後加熱ま
たは減圧して溶剤を蒸散させることにより、樹脂分散液
を作製することができる。乳化重合、シード重合、顔料分
散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化などに
用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スル
ホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン
界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチ
オン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アル
キルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アル
コール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効
果的であり、分散手段としては、回転剪断型ホモジナイザ
ーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミ
ルなどの一般的なものが使用可能である。
【0023】離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、
加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸ア
ミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン
酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワック
ス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホ
バ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物
系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フ
ィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系
ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。これらのワ
ックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高
分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上
に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザ
ーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、1μm以下の粒
子の分散液を作製することができる。
【0024】着色剤の例としては、カーボンブラック、ク
ロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ス
レンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、 ウオッチ
ヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン
3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラ
ゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レー
キレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマ
リンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロラ
イド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
マラカイトグリーンオクサレレート、などの種々の顔料、
アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、ア
ジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジ
ン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジ
コ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチ
ン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チア
ジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料、な
ど着色剤は1種または複数種類を併せて使用することが
できる。また内添剤としてフェライト、マグネタイト、還
元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又は
これら金属を含む化合物などの磁性体を使用したり、帯
電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系
化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やト
リフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電
制御剤を使用することが出来るが、凝集や合一時の安定
性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から
水に溶解しにくい材料が好適である。
【0025】次に乳化重合凝集法によりトナー粒子を作
製する方法において、トナー粒子の表面組成を制御する
ことが可能な、凝集を複数段階で行う母体凝集粒子形成
法について説明する。母体凝集粒子形成法は、少なくと
も1μm以下の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と着
色剤を分散した着色剤分散液を混合し、樹脂粒子と着色
剤を凝集させた後(母体凝集粒子の形成)、母体凝集粒
子の分散液中に、1μm以下の粒子分散液を少なくとも
一回追加混合し、母体凝集粒子表面に粒子を付着せしめ
た後、母体凝集粒子および/または追加粒子に含まれる樹
脂のガラス転移点以上に加熱し融合合一させることを特
徴とするトナー粒子の形成法である。
【0026】この方法においては、凝集工程の条件は、
前述したように、初期の各極性イオン性界面活性剤の量
のバランスをあらかじめずらしておき、ガラス転移点以
下で第1段階の母体凝集粒子を形成、安定化の後、第2段階
としてバランスのずれを補填するような極性および量の
界面活性剤で処理された粒子分散液を添加し、さらに必
要に応じ母体凝集粒子または追加粒子に含まれる樹脂の
ガラス転移点以下でわずかに加熱してより高い温度で安
定化させたのち、ガラス転移点以上に加熱することによ
り凝集形成の第2段階で加えた粒子を母体凝集粒子の表
面に付着させたまま合一させる。この方法は、表面組成
の制御を行う観点からみて有効な方法である。しかもこ
れらの凝集の段階的操作は上記のように二回だけでな
く、それ以上繰り返し実施することができるため、トナ
ー粒子の表面から内部にかけて段階的に組成、したがっ
て物性を変化させることができ、トナー内部の構造制御
も極めて容易に行うことができる。
【0027】例えば、多色のトナーを用いるカラートナ
ーの場合では、第1段階で母体凝集粒子を樹脂粒子と顔料
粒子で作製した後、樹脂粒子分散液を追加してトナー表
面に樹脂層のみを形成することにより、顔料粒子による
帯電挙動への影響を最少化することが可能である。した
がって、フルカラートナーの場合、複数の顔料の種類に
よる帯電特性の差が出にくいようにすることができる。
また、第2段階で添加する樹脂粒子のガラス転移点を高
めに設定すれば、トナーがカプセル状に被覆されること
になり、その結果トナー表面強度が均一でクリーニング
性に対する悪影響を低減することができる。
【0028】また、第2段階で無機の微粒子の分散液を使
うと合一後には無機粒子によりカプセル化された構造を
作ることもできる。湿式添加する無機微粒子の例として
は、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の
外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や
高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用するこ
とができる。または、第2段階でワックスなどの離型剤粒
子分散液を加え、さらに第3段階で硬度の高い樹脂や無機
粒子の分散液を用いてトナー粒子の最表面にシェルを形
成すれば、ワックスの露出を抑制しながら定着時には有
効にワックスが離型剤として働くようにすることができ
る。
【0029】または追加する粒子として樹脂と顔料の複
合体粒子も用いることができ、これらを用いた場合、より
複雑な階層構造を実現出来ることになり、トナー構造を
精密に設計することが可能になる。この樹脂と顔料から
なる複合体粒子を含む分散液の調製は、樹脂と顔料を溶
剤中に溶解分散した後、上にも述べたような適当な分散
剤と共に水中に分散し、加熱、減圧により溶剤を除去して
得ることができる。また他の方法として、乳化重合やシ
ード重合により作製されたラテックス表面に機械的剪
断、または電気的に顔料を吸着、固定化することにより調
製することができる。追加する粒子として上記のような
複合体粒子を用いると、追加粒子としての顔料の遊離を
抑制したり、帯電性の顔料依存性を改善することに有効
である。
【0030】追加する粒子分散液の量は、含まれる粒子
の体積分率に依存し、追加粒子の量として最終的に生成
する体積で凝集粒子の50%以内であることが望ましい。
それ以上である場合、母体粒子への凝集ではなく、新たに
凝集粒子が生成する事により組成の分布や粒径の分布が
著しくなり、所望の性能が得られなくなる。
【0031】上記のように、段階的に表面に凝集構造を
形成することは、凝集後の高温度加熱での融合合一時に
おける粒度分布の維持性や平均粒度の凝集粒度からの変
動を抑制することができると共に、これら合一時の安定
性を高めるための界面活性剤や塩基または酸などの安定
剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に
抑制することができ、コストの削減や品質の改善が可能
となる。また、トナー粒径に相当するように凝集構造を
制御された分散液は、凝集構造を構成する樹脂のガラス
転移温度以上にまで加熱攪拌し、その攪拌剪断力や加熱
温度・時間により合一後の粒子の形状を制御することが
できる。また、粒子の追加を段階的に分割しておこなっ
たり、徐々に連続的に行うことにより、新たな微小な凝集
粒子の発生を抑制し、粒度分布をシャープにすることが
できる。さらに添加の段階ごとに母体凝集粒子または追
加粒子のガラス転移温度以下の範囲で温度を上昇させる
ことにより、遊離粒子の発生を抑制することができる。
【0032】本発明の電子写真用トナーにおけるトナー
粒子の形状は、粒子が分散している状態でスライドガラ
ス上に保持し光学顕微鏡により投影像を撮影した後、画
像解析装置(例えばLUZEXIII(株)ニレコ製)により下記
式(2)に従って粒子の形状係数ML^2/Aを算出し、個
数平均をとることにより定義される。 式(2) ML^2/A=(投影粒子像の最大長)2*π*100/(面積*4) ここで、形状係数ML^2/Aは105ないし130の範
囲内、好ましくは110ないし130の範囲、より好ま
しくは115ないし125の範囲内にあることが好まし
い。ML^2/Aが105を下回る、即ちより真球に近い
粒子を作製するためには高温かつ長時間の合一条件を設
定せねばならず、凝集粒子内部から低ガラス転移成分や
低融点成分、具体的には離型剤が表面に析出してしま
い、前述のようなクリーニング不良を誘発する因子とな
るので好ましくない。ここで、転写性能を向上させるた
めに形状係数を100に近づけることが有効であること
は公知であるが、実際には形状係数110近傍で転写性
能は飽和してしまい、また実際に形状係数が105より
小さいトナー粒子を製造することは困難である。また、
形状係数が130を超えると、本乳化重合凝集法では凹
部の深いトナーができてしまい、後述する外添剤が凹部
に埋まり十分に機能し無くなる、合一強度が不足して、
現像機内ストレスで粒子破壊が生じ易くなる等の不具合
があり好ましくない。
【0033】さらに本発明のトナーにおいては、トナー
粒子が小径側ほど球形に近い形状分布を有するトナー粒
子、すなわち、トナー粒子の形状係数に関して以下の式
を満足するようなトナー粒子を用いることが好ましい。 M50(b) >M50(a)>M50(c) ここで、M50とはトナー粒子の投影面積から換算した円
相当径の粒度分布を作成し、粒子径の大きい側から数え
た粒子数の累積個数%の特定の範囲内の各粒子の形状係
数を測定し、その平均値を求めたものである。M50(b)
は、累積個数%が16%以下の粒子(粒径が大きい側の
粒子)の平均形状係数を示し、M50(a)は、累積個数%
が42〜58%の範囲内の粒子(中間の粒径を有する粒
子)の平均形状係数を示し、M50(c)は、累積個数が8
4%以上の粒子(粒径が小さい側の粒子)の平均形状係
数を示す。
【0034】次に本発明の電子写真用トナーの成分であ
る低分子量フッ素系化合物の微粒子について説明する。
この低分子量フッ素系化合物の微粒子は、平均分散粒子
径が0.01ないし0.5μm、溶融粘度が5.5×1
4ないし1.0×108ポイズの範囲にある低分子量ポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン含
有共重合体、フルオロポリエーテルおよびパーフルオロ
アルキル基含有化合物からなる群から選ばれる一種以上
である。ここで平均分散粒子径とはトナー表面に該微粒
子が配置されたときの分散粒径を電子走査式顕微鏡で撮
影し、個数平均をとることにより求められる値である。
低分子量フッ素系化合物の微粒子の平均分散粒子径が
0.01μmを下回ると、該微粒子は機内ストレスによ
りトナー内部へ埋没しやすくなりクリーニング性向上効
果を発揮できなくなるため好ましくない。また、平均分
散粒子径が0.5μmを超えると、該微粒子はトナー表
面との付着力が低くなりクリーニング工程で機能する前
に機内で容易に離脱してしまう不具合があるため好まし
くない。さらに、前記低分子量フッ素系化合物の微粒子
は、通常外添剤粒子がトナー粒子に添加されるように、
トナー粒子と単に混合されたものでも、トナー粒子と該
微粒子を混合させる際剪断力を与えて、トナー表面に強
く付着させたものでもよく、またトナー粒子を凝集法に
より製造する際凝集の最終工程において前記微粒子の分
散液を添加して、トナー粒子表面に該微粒子が一部埋め
込まれたようにしたものでもよい。
【0035】本発明において使用する低分子量フッ素系
化合物の微粒子としては一定範囲内の分子量を有するも
のでなくてはならない。しかしながら、本材料系はその
溶剤可溶性の低さから、一般的に分子量を測定するGP
C(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法を用
いることができないため、本発明では以下に記載する溶
融粘度の測定を実施し、その測定値をもって好ましい範
囲を規定している。前記低分子量フッ素系化合物の溶融
粘度は5.5×104ないし1.0×108ポイズの範囲
内にあることが必要であるが、これは分子量としては、
5500〜35000に相当する。また前記溶融粘度は
好ましくは1.0×105から7.0×107ポイズの範
囲にあり、これは分子量としては、6000〜2500
0に相当する。溶融粘度の測定はフローテスター装置を
用い、低分子量フッ素系化合物の粉末を内径11.3m
mのシリンダーに装填し、温度380℃で5分間保持し
たのち、ピストン荷重P(ダイン)を任意設定し、内径
2R=0.21cm、長さL=0.8cmのオリフィス
を押出し流出量(Q:cm2 /秒)を測定した後、溶融
粘度を式(2)に従って求める。
【0036】 式(2) 溶融粘度(ポイズ)=(P*2R*π*R3)/(16*L*Q) 溶融粘度が5.5×104ポイズを下回ると、分子量が
低すぎるためクリーニング工程で本材料が機能する前工
程、特に現像工程で粒子が部材へ融着フィルミングが発
生させる傾向にあり現像性能を悪化させるため好ましく
ない。また溶融粘度が1.0×108ポイズを越えると
分子量が高く、前述したクリーニング性向上作用が得ら
れないので好ましくない。
【0037】本発明に用いられる低分子量フッ素系重合
体としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレンを主単量体とする共重合
体、主要構造単位−Cn 2n−O−(nは1〜4の整
数)を有するフルオロポリエーテル、主要構造
【0038】
【化1】
【0039】などを有するパーフルオロアルキル基含有
化合物(炭素数2〜20)が例示できる。本発明に用い
られる低分子量ポリテトラフルオロエチレンとして具体
的な商品名を挙げると、ルブロンL2、ルブロンL5、
ルブロンL5F(ダイキン工業社製)、KTL−500
F、KTL−8(喜多村社製)、バイダックスAR(デ
ュポン社製)、および旭硝子社製フルオンルブリカント
L169(旭硝子社製)等が、低分子量フルオロポリエ
ーテルとしてはフォンブリンZ25、フォンブリンY2
5(モンテフルオス社製)、デムナム(ダイキン工業社
製)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、これら例示商品の中には材料単体での平均粒径が
0.01ないし0.5μmの範囲より大きいものもある
が、トナーへ外部添加する際のシェアもしくは予備粉砕
により本発明構成に該当するよう処理すればよい。パー
フルオロアルキル基含有化合物としては、たとえば以下
に示すような反応性基を有する化合物とエチレン性不飽
和化合物との反応物(たとえばフルオロアルキルアクリ
レートなど)の重合体、ならびに上記反応性基およびポ
リフルオロアルキル基を有する化合物とその反応性基と
反応する基を有する各種重合体との反応物、または前述
の化合物の重縮合物などが挙げられる。
【0040】
【化2】
【0041】さらに本発明に用いられる低分子量フッ素
系化合物の微粒子をトナー粒子へ外添する方法として
は、前記の乳化重合凝集法においてトナー粒子の凝集工
程における最終段階で、分散液中に低分子量フッ素系化
合物の微粒子を例えば分散液の形態で添加してトナー表
層に固定する方法を挙げることができる。また、他の方
法として、凝集粒子を乾燥後、通常のトナーと同様に乾
燥状態で凝集粒子(トナー粒子)と低分子量フッ素系化
合物の微粒子を剪断をかけて混合することによりトナー
粒子表面へ低分子量フッ素系化合物の微粒子を添加する
方法を用いてもよい。さらに、トナー粒子と前記低分子
量フッ素系化合物の微粒子を単に混合したものでもよ
い。
【0042】添加量はトナー粒子100重量部に対して
0.1ないし5重量部、より好ましくは0.3ないし3
重量部の範囲に設定される。さらに、この際、公知トナ
ーと同様に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム
などの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコー
ンなどの樹脂微粒子、長鎖脂肪酸およびそのエステル・
アミド・金属塩、等をトナー表面へ併用あるいは段階的
に添加して流動性助剤や帯電制御助剤としての機能を付
与することもできる。
【0043】また、本発明の二成分現像剤は前記電子写
真用トナーとキャリアを含む。二成分現像剤に使用する
キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト
粉、ニッケル粉またはそれらの表面に樹脂コーティング
を施した粒子、磁性粉末を樹脂に分散球形化した粒子等
の材料が使用できる。また、本発明の電子写真トナー
は、二成分現像剤としてだけでなく、一成分現像剤とし
て使用できることは勿論である。
【0044】さらに、本発明は、静電荷像担持体上に静
電潜像を形成する工程、前記静電潜像を現像剤により現
像する工程、現像された像を転写媒体に転写する工程、
および残存トナーを除去するクリーニング工程とを有す
る画像形成方法にも関するもので、該現像剤として上で
説明した本発明のトナーを含有する現像剤を用いること
を特徴とする。本発明の現像剤は、静電荷像担持体(感
光体)あるいは静電記録体に形成される静電潜像を現像
するのに用いられる。即ち、セレン、酸化亜鉛、硫化カ
ドミウム、無定形シリコン等の無機光導電材料、フタロ
シアニン顔料、ビスアゾ顔料等の有機光導電材料からな
る静電荷像担持体に、電子写真的に静電潜像を形成し、
あるいはポリエチレンテレフタレートのような誘電体を
有する静電記録体に針状電極等により、静電潜像を形成
させ、磁気ブラシ法、カスケード法、タッチダウン法等
の現像方法によって、静電潜像に本発明のトナーを付着
させ、トナー像を形成する。ここで現像方法としては、
例えばスリーブ上にトナー層を形成させ静電荷像担持体
と対向させ現像を行なう所謂一成分現像方法、トナーと
磁性キャリアー粒子を混合しスリーブ上に現像剤層を形
成させ静電潜像担持体と対向させ現像を行う所謂二成分
現像方法等が好ましく適用できる。特にトナー粒子径が
6μm以下となるような場合は、トナー帯電制御性の観
点から二成分現像方法がより好ましい。いずれの現像方
式においても現像スリーブと静電潜像担持体との間に直
流電界と交番電界を重畳することが好ましい。交番電界
のパラメータはトナー粒径、スリーブ潜像担持体間距
離、等により随時選択が可能である
【0045】このトナー像は次いで転写媒体に転写され
る。すなわち、転写媒体である中間転写体に転写させた
後に、あるいは中間転写体に転写させることなく直接、
紙等の転写媒体に転写した後、定着して複写物となる。
静電荷像担持体および/または静電荷像担持体の隣接部
材、すなわち帯電部材あるいは中間転写体の表面に残留
するトナーはクリーニングされる。クリーニング法とし
ては、ブレード圧着によるクリーニング法、ウェブファ
ーブラシクリーニング法、ロール法、静電ブラシ法等を
用いることができる。特にゴムブレード圧着によって残
留トナーをクリーニングする工程を含む画像形成方法に
おいて本発明の電子写真トナーを用いると、優れたクリ
ーニング性を発揮する。
【0046】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 <樹脂分散液1の作製> スチレン 360g n−ブチルアクリレート 40g アクリル酸 6g ドデカンチオール 24g 4臭化炭素 4g 以上を混合溶解したものを、非イオン性界面活性剤ノニ
ポール400 6gとアニオン性界面活性剤ネオゲンSC10gを
イオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分
散、乳化し10分間混合しながら、過硫酸アンモニウム4gを
溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った。
その後フラスコを攪拌しながらオイルバスで内容物が70
℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し
た。これにより中心径160nm、ガラス転移点59℃、Mw13500
のアニオン性樹脂分散液1を得た。
【0047】<樹脂分散液2の作製> スチレン 300g n−ブチルアクリレート 100g アクリル酸 8g 以上を混合溶解したものを、非イオン性界面活性剤ノニ
ポール400 6gとアニオン性界面活性剤ネオゲンSC12gを
イオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分
散、乳化し10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニ
ウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を
行った。その後フラスコを攪拌しながらオイルバスで内
容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を
継続した。これにより中心径100nm、ガラス転移点54℃、Mw
45万のアニオン性樹脂分散液2を得た。
【0048】<顔料分散液1の作製> カーボンブラックモーガルL(キャボット) 50g 非イオン性界面活性剤ノニポール400 5g イオン交換水 200g 以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラッ
クス)により10分間分散し、中心粒径250nmのカーボンブ
ラック分散液を得た。
【0049】 <離型剤分散液1の作製> パラフィンワックス HNP0190(融点85℃日本精蝋) 50g カチオン性界面活性剤サニゾール 50(花王) 5g イオン交換水 200g 以上を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50に
て分散後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、中心
径520nmのワックス分散液を得た。
【0050】<凝集粒子Aの作製> 樹脂分散液1 130g 樹脂分散液2 70g 顔料分散液 30g 離型剤分散液 40g サニゾール B50 1.5g 以上を丸型ステンレス製フラスコ中で、ウルトラタラッ
クスT50にて混合分散した後、加熱用オイルバスでフラス
コを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で40分保持し
た後、光学顕微鏡にて観察すると、約5μmの凝集粒子が
生成していることが確認された。ここに樹脂分散液1を緩
やかに75g追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げ
て50℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、約
6.2μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
【0051】その後、ここにネオゲンSC3gを追加した後、
ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪
拌を継続しながら105℃まで加熱し、4時間保持した。冷却
後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、コールターカウ
ンターで粒径を測定すると6.2μm、体積粒度分布の指
標である体積GSDは,1.25であった。また、作製した粒子
の形状係数SFを測定したところ、121であった。この
凝集粒子Aを乾燥して取り出し、この粒子A 100重
量部に対して平均粒径12nmのシリカ粒子を0.5重量
部および平均粒径40nmのシリカ粒子を1.0重量部
および平均粒径0.3μmで溶融粘度5.0×105ポイズ
のポリテトラフルオロエチレン乳化重合粒子ルブロンL
2 (ダイキン工業)1.0重量部を添加し、ヘンシェ
ルミキサーにて混合して黒トナーを調製した。調製後、
トナー表面に分散しているポリテトラフルオロエチレン
の分散粒径を観察したところ0.3μmであった。
【0052】実施例2 <樹脂分散液3の作製> スチレン 330g n−ブチルアクリレート 70g アクリル酸 8g ドデカンチオール 12g 4臭化炭素 4g 以上を混合溶解したものを、非イオン性界面活性剤ノニ
ポール400(三洋化成)6gと、アニオン性界面活性剤ネオゲ
ンSC(第一工業製薬)10gをイオン交換水550gに溶解した
ものに、フラスコ中で分散、乳化し10分ゆっくりと混合
しながら、過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換
水50gを投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを攪
拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱
し、6時間そのまま乳化重合を継続した。これにより中心
径180nm、ガラス転移点54℃、Mw20000のアニオン性樹脂分
散液を得た。
【0053】 <樹脂/顔料複合体分散液の作製> ポリエステル樹脂(ビスフェノールA-フマール酸ープロピレンオキシド付加物 Mw12000 Tg57℃) 50g 塩化メチレン 100g フタロシアニン顔料(PV FAST BLUE) 5g 以上をボールミルにて混合溶解し、10%のポリエチレング
リコール、0.7%のネオゲンSCを含む純水中150gに分散し、
ウルトラタラックスにて強く剪断をかけて分散し、60℃
に加熱して1時間保持し、平均径850nmのポリエステル/顔
料複合体粒子分散液を得た。
【0054】<顔料分散液2の作製> フタロシアニン顔料(PV FAST BLUE) 100g 非イオン性界面活性剤ノニポール400 5g イオン交換水 200g 以上を混合溶解し、ローターステータータイプホモジナ
イザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、さ
らに超音波ホモジナイザーで5分分散し中心粒径150nmの
シアン顔料分散液を得た。
【0055】 <粒子分散液の作製> フルオロポリエーテル粒子フォブリンZ25粉砕粒子(モンテフルオス社製) 20g カチオン性界面活性剤サニゾールB50(花王) 8g イオン交換水 200g 以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラッ
クス)により20分間分散し、平均粒径0.18μmのフルオロ
ポリエーテル粒子分散液を得た。本分散液に用いたフル
オロポリエーテル粒子の平均粒子径は0.2μm、溶融
粘度は5.0×10 6ポイズであった。
【0056】<凝集粒子Bの作製> 樹脂分散液3 200g 顔料分散液2 15g サニゾールB50 2g 以上を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラック
スT50にて混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコ
を攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した
後、光学顕微鏡にて観察すると、約7.0μmの凝集粒子が
生成していることが確認された。ここに樹脂/顔料複合体
分散液を緩やかに50g追加し、さらに加熱用オイルバスの
温度を上げて50℃で30分保持した。光学顕微鏡にて観察
すると、約7.5μmの凝集粒子が生成していることが確
認された。ここにさらにフルオロポリエーテル粒子分散
液1を10g添加して、さらに温度を上げて53℃で1時間保持
した。平均分散粒径の変化は殆ど観測されないが、最後に
添加したフルオロポリエーテル粒子が凝集粒子表面に付
着していることを確認した。
【0057】その後、ここにネオゲンSC2gを追加した後、
ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪
拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。冷却
後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、コールターカウ
ンターで粒径を測定すると7.4μmであった。体積粒度分
布の指標である体積GSDは,1.23であった。また形状係数
SFは136であった。この凝集粒子Bを乾燥して取り
出し、粒子B 100重量部に対して平均粒径20nm
のチタニア粒子0.7重量部および平均粒径50nmの
シリカ粒子1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサー
にて混合してシアントナーを調製した。調製後、トナー
表面に分散しているフルオロポリエーテルの分散粒径を
観察したところ0.2μmであった。
【0058】実施例3 <凝集粒子Cの作製> 樹脂分散液1 180g 樹脂分散液2 100g 顔料分散液1 30g 離型剤分散液1 40g サニゾールB50 1.6g 以上を丸型ステンレス製フラスコ中にてウルトラタラッ
クスT50で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコ
を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で90分保持した
後、光学顕微鏡にて観察すると、約6.3μmの凝集粒子が
生成していることが確認された。その後、ここにネオゲン
SC3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力
シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、6
時間保持した。冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄
後、コールターカウンターで粒径を測定すると6.2μmで
あった。また、体積粒度分布の指標である体積GSDは,1.2
3、形状係数SFは107であった。この凝集粒子Cを乾
燥して取り出し、この凝集粒子C 100重量部に対し
て平均粒径20nmチタニア粒子0.8重量部および平均
粒径80nmのシリカ粒子1.9重量部および平均粒径0.7
μmで溶融粘度が6.0×107ポイズであるポリテト
ラフルオロエチレン粒子(KTL−500F、喜多村社
製)2.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混
合して黒トナーを調製した。調製後、トナー表面に分散
しているポリテトラフルオロエチレンの分散粒径を観察
したところ0.4μmであった。
【0059】比較例1 実施例1のトナー作製において、外添剤としてポリテト
ラフルオロエチレン粒子を調合しない他はすべて実施例
1と同様にしてトナーを作製した。
【0060】比較例2 実施例2のトナー作製において、粒子分散液作製に用い
たフルオロポリエーテル粒子に代えて、平均粒径が0.
3μmで溶融粘度が3.0×1011ポイズであるポリテ
トラフルオロエチレン乳化重合粒子を用いる以外はすべ
て実施例2と同様にしてトナーを作製した。この時ポリ
テトラフルオロエチレン粒子の平均分散粒径は0.3μ
mであった。
【0061】比較例3 実施例3のトナー作製において、外添剤として加えるポ
リテトラフルオロエチレン粒子を平均粒径1.5μm溶
融粘度7.2×107ポイズのポリテトラフルオロエチ
レン粒子に代えた以外はすべて実施例3.と同一処方に
てトナーを作製した。この時ポリテトラフルオロエチレ
ン粒子の平均分散粒径は0.7μmであった。
【0062】[評価]調製した各トナー6重量部と、ポ
リメチルメタクリレートが0.5重量%コーティングさ
れた50μmCu−Znフェライトからなるキャリア1
00重量部をブレンダーで混合し、2成分現像剤を調製
した。さらに、これらの現像剤をAcolor635複
写機に入れ、1万枚の複写テストを行った。現像バイア
スとしてDC成分−500V、AC重畳成分としてVp
−p1.5kV、周波数6kHzの矩形波を重畳したも
のを、現像スリーブに印加しプリントテストを行った。
クリーニングは感光体表面にウレタンゴムブレードを圧
接する方式を用いた。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示されるように、本発明の特定の粒
径および溶融粘度を有するポリテトラフルオロエチレン
樹脂の微粒子を外部添加したトナーを用いて画像形成し
た場合には、1万枚以上コピーした場合にもクリーニン
グ不良は発生しなかった。また現像および転写性能にも
影響はなく、良好な画質が得られた。一方、このような
ポリテトラフルオロエチレン樹脂の微粒子を使用しなか
ったトナーを用いた場合は、1600枚の時点でクリー
ニング不良が発生し、また二次障害として2000枚の
時点で黒点が、2500枚の時点でスジが発生した(比
較例1)。また、分子量が本発明のものより高いポリテ
トラフルオロエチレン樹脂を用いると、3500枚の時
点でクリーニング不良が発生し、4000枚で全面スジ
が発生した(比較例2)。さらに、粒子径が0.8μm
と本発明のものより大きいポリテトラフルオロエチレン
樹脂を用いた場合には、30枚の時点でクリーニング不
良が発生し、100枚で黒帯が発生した(比較例3)。
これらの例から、外添剤として使用するポリテトラフル
オロエチレン樹脂の粒子径および溶融粘度が適正な範囲
に含まれることが重要なことが分かる。
【発明の効果】本発明は、特定の粒径範囲および粒子形
状を有するトナー粒子に、特定の粒径範囲と溶融粘度を
有するフッ素系樹脂または化合物を組み合わせ、これを
トナー粒子に外部添加して電子写真用トナーとすること
により、前記トナーを用いる画像形成においては、現像
および転写性能を保持したまま優れたクリーニング特性
を得ることができ、また得られる画像は画質に優れかつ
二次障害も発生しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 千秋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 AA15 CA11 EA03 EA05 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂を必須成分として含有し、トナ
    ー粒子の体積平均粒子径が3〜10μm、体積平均粒度分
    布(GSD)が1.25以下で、トナー粒子の形状係数
    (ML^2/A)が105から130の範囲にあるトナー粒子を
    含む電子写真用トナーであって、前記トナーが、平均分
    散粒子径が0.01ないし0.5μm、溶融粘度が5.
    5×104ないし1.0×108ポイズの範囲にある、ポ
    リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン含
    有共重合体、フルオロポリエーテルおよびパーフルオロ
    アルキル基含有化合物からなる群から選ばれる低分子量
    フッ素系化合物の微粒子を少なくとも一種以上含有する
    ことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子写真用トナーとキ
    ャリアを含む二成分現像剤。
  3. 【請求項3】 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する
    工程、前記静電潜像を現像剤により現像する工程、現像
    された像を転写媒体に転写する工程、および静電荷像担
    持体および/または静電荷像担持体の隣接部材に残存す
    るトナーを除去するクリーニング工程とを有する画像形
    成方法において、該現像剤として請求項1に記載のトナ
    ーを含有する現像剤を用いることを特徴とする画像形成
    方法。
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