JP2000356704A - 反射防止膜の形成方法および光学素子 - Google Patents
反射防止膜の形成方法および光学素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】光の吸収損失が少なく透過性に優れた反射防止
膜を得ることができる反射防止膜の形成方法およびこの
ような反射防止膜を有する光学素子を提供する。 【解決手段】光学素子用基材2に気相成膜法により屈折
率の異なる材料の薄膜を積層させた反射防止膜を形成す
る反射防止膜の形成方法は、光学素子用基材2側の第1
層目の薄膜4を最外層の薄膜10より低い成膜温度で形
成する。この時、第1層目の薄膜4の成膜温度は、20
0℃以下が好ましい。また、この第1層目の薄膜は、A
l2O3、Ta2O5等の金属酸化物層で構成されることが
好ましい。
膜を得ることができる反射防止膜の形成方法およびこの
ような反射防止膜を有する光学素子を提供する。 【解決手段】光学素子用基材2に気相成膜法により屈折
率の異なる材料の薄膜を積層させた反射防止膜を形成す
る反射防止膜の形成方法は、光学素子用基材2側の第1
層目の薄膜4を最外層の薄膜10より低い成膜温度で形
成する。この時、第1層目の薄膜4の成膜温度は、20
0℃以下が好ましい。また、この第1層目の薄膜は、A
l2O3、Ta2O5等の金属酸化物層で構成されることが
好ましい。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、反射防止膜の形成
方法および光学素子に関するものである。
方法および光学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、眼鏡レンズやカメラレンズのよ
うな光学部品には多層薄膜からなる反射防止膜が設けら
れている。従来、反射防止膜等の薄膜を形成する場合、
手法の容易さや成膜条件の制御のし易さ等から真空蒸着
法が多く用いられてきた。
うな光学部品には多層薄膜からなる反射防止膜が設けら
れている。従来、反射防止膜等の薄膜を形成する場合、
手法の容易さや成膜条件の制御のし易さ等から真空蒸着
法が多く用いられてきた。
【0003】真空蒸着法により薄膜を形成する場合、光
学的および機械的性能を十分に満足する薄膜を得るため
に、蒸着時および蒸着後に基板を高温に加熱することが
行われてきた。
学的および機械的性能を十分に満足する薄膜を得るため
に、蒸着時および蒸着後に基板を高温に加熱することが
行われてきた。
【0004】このようにして反射防止膜を設けることに
より、光学素子の低反射率化を実現することができる
が、一方で反射防止膜と基板との界面における光吸収が
問題となることがあった。このため、反射防止膜の膜性
能を向上させるために、光吸収を減少させるべく、光学
素子の使用波長において吸収の少ない薄膜材料を用いる
等の工夫がなされている。ところが、光吸収の少ない材
料を選択しても、反射防止膜と基材との界面付近で何ら
かの反応が生じることによって吸収損失が起きてしまう
という問題があった。特に、PbO、Nb2O5、TiO
2等の特定の成分を含むガラス基材を用いた場合や、高
温で真空蒸着が行われた場合に著しい吸収損失がみられ
た。
より、光学素子の低反射率化を実現することができる
が、一方で反射防止膜と基板との界面における光吸収が
問題となることがあった。このため、反射防止膜の膜性
能を向上させるために、光吸収を減少させるべく、光学
素子の使用波長において吸収の少ない薄膜材料を用いる
等の工夫がなされている。ところが、光吸収の少ない材
料を選択しても、反射防止膜と基材との界面付近で何ら
かの反応が生じることによって吸収損失が起きてしまう
という問題があった。特に、PbO、Nb2O5、TiO
2等の特定の成分を含むガラス基材を用いた場合や、高
温で真空蒸着が行われた場合に著しい吸収損失がみられ
た。
【0005】このような吸収損失の問題は、反射防止膜
の膜構成を設計する段階では予想不可能であり、吸収損
失を生じた場合には成膜温度、成膜速度等を繰り返し変
更し、試行錯誤によって吸収損失を最も減少させる成膜
条件を見いだす以外に方法はなく、最適な成膜条件を見
いだすまでに非常に多くの時間と労力を必要としてい
た。
の膜構成を設計する段階では予想不可能であり、吸収損
失を生じた場合には成膜温度、成膜速度等を繰り返し変
更し、試行錯誤によって吸収損失を最も減少させる成膜
条件を見いだす以外に方法はなく、最適な成膜条件を見
いだすまでに非常に多くの時間と労力を必要としてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光の
吸収損失が少なく、透過性に優れた反射防止膜を得るこ
とができる反射防止膜の形成方法およびこのような反射
防止膜を有する光学素子を提供することにある。
吸収損失が少なく、透過性に優れた反射防止膜を得るこ
とができる反射防止膜の形成方法およびこのような反射
防止膜を有する光学素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1)〜(13)の本発明により達成される。
【0008】(1) 光学素子用基材に気相成膜法によ
り複数の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する
反射防止膜の形成方法であって、前記基材側の第1層目
の薄膜を最外層の薄膜より低い成膜温度で成膜すること
を特徴とする反射防止膜の形成方法。これにより、光の
吸収損失が少なく、透過性に優れた反射防止膜を得るこ
とができる。
り複数の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する
反射防止膜の形成方法であって、前記基材側の第1層目
の薄膜を最外層の薄膜より低い成膜温度で成膜すること
を特徴とする反射防止膜の形成方法。これにより、光の
吸収損失が少なく、透過性に優れた反射防止膜を得るこ
とができる。
【0009】(2) 前記第1層目の薄膜の成膜温度
は、200℃以下である上記(1)に記載の反射防止膜
の形成方法。これにより、光学素子基材と第1層目の薄
膜との界面における光吸収をより少なくすることができ
る。
は、200℃以下である上記(1)に記載の反射防止膜
の形成方法。これにより、光学素子基材と第1層目の薄
膜との界面における光吸収をより少なくすることができ
る。
【0010】(3) 光学素子用基材に気相成膜法によ
り複数の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する
反射防止膜の形成方法であって、前記基材側の第1層目
の薄膜を200℃以下の成膜温度で成膜することを特徴
とする反射防止膜の形成方法。これにより、光の吸収損
失が少なく、透過性に優れた反射防止膜を得ることがで
きる。
り複数の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する
反射防止膜の形成方法であって、前記基材側の第1層目
の薄膜を200℃以下の成膜温度で成膜することを特徴
とする反射防止膜の形成方法。これにより、光の吸収損
失が少なく、透過性に優れた反射防止膜を得ることがで
きる。
【0011】(4) 前記反射防止膜は、屈折率の異な
る材料の薄膜が積層されたものである上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の反射防止膜の形成方法。これ
により、透過率を増大することができ、高い透過率を有
する反射防止膜を得ることができる。
る材料の薄膜が積層されたものである上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の反射防止膜の形成方法。これ
により、透過率を増大することができ、高い透過率を有
する反射防止膜を得ることができる。
【0012】(5) 前記第1層目の薄膜は、金属酸化
物層で構成される上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載の反射防止膜の形成方法。これにより、低い成膜温
度でも十分な膜密度を有する薄膜を形成することができ
る。
物層で構成される上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載の反射防止膜の形成方法。これにより、低い成膜温
度でも十分な膜密度を有する薄膜を形成することができ
る。
【0013】(6) 前記金属酸化物層は、Al2O3、
TiO2、Ta2O5のうちの少なくとも1つを含む材料
で構成される上記(5)に記載の反射防止膜の形成方
法。これにより、特に、化学的に安定で、十分に高い屈
折率を有する層を得ることができる。
TiO2、Ta2O5のうちの少なくとも1つを含む材料
で構成される上記(5)に記載の反射防止膜の形成方
法。これにより、特に、化学的に安定で、十分に高い屈
折率を有する層を得ることができる。
【0014】(7) 前記最外層の薄膜は、前記第1層
目の薄膜より低い屈折率の低屈折率層で構成される上記
(1)ないし(6)のいずれかに記載の反射防止膜の形
成方法。これにより、低い屈折率層を有する反射防止膜
を得ることができる。
目の薄膜より低い屈折率の低屈折率層で構成される上記
(1)ないし(6)のいずれかに記載の反射防止膜の形
成方法。これにより、低い屈折率層を有する反射防止膜
を得ることができる。
【0015】(8) 前記低屈折率層は、MgF2を含
む材料で構成される上記(7)に記載の反射防止膜の形
成方法。これにより、特に、化学的に安定で、十分に低
い屈折率を有する層を得ることができる。
む材料で構成される上記(7)に記載の反射防止膜の形
成方法。これにより、特に、化学的に安定で、十分に低
い屈折率を有する層を得ることができる。
【0016】(9) 前記第1層目の薄膜の膜厚は、5
nm以上である上記(1)ないし(8)のいずれかに記
載の反射防止膜の形成方法。これにより、光学素子基材
と第1層目の薄膜との界面における光吸収をより少なく
することができる。
nm以上である上記(1)ないし(8)のいずれかに記
載の反射防止膜の形成方法。これにより、光学素子基材
と第1層目の薄膜との界面における光吸収をより少なく
することができる。
【0017】(10) 前記反射防止膜は、真空蒸着法
により設けられる上記(1)ないし(9)のいずれかに
記載の反射防止膜を有する反射防止膜の形成方法。これ
により、成膜の制御が比較的簡易であり、膜厚、屈折率
の再現性に優れ、多層薄膜を精度よく形成することがで
きる。
により設けられる上記(1)ないし(9)のいずれかに
記載の反射防止膜を有する反射防止膜の形成方法。これ
により、成膜の制御が比較的簡易であり、膜厚、屈折率
の再現性に優れ、多層薄膜を精度よく形成することがで
きる。
【0018】(11) 前記光学素子用基材は、Pb
O、Nb2O5、TiO2のうちの少なくとも1つを含む
ガラス基材である上記(1)ないし(10)のいずれか
に記載の反射防止膜の形成方法。これにより、含有する
ガラス基材は、透明性に優れ、高屈折率を有する。
O、Nb2O5、TiO2のうちの少なくとも1つを含む
ガラス基材である上記(1)ないし(10)のいずれか
に記載の反射防止膜の形成方法。これにより、含有する
ガラス基材は、透明性に優れ、高屈折率を有する。
【0019】(12) 前記ガラス基材中の前記Pb
O、Nb2O5、TiO2の少なくとも1つの合計含有量
は、50重量%以上である上記(11)に記載の反射防
止膜の形成方法。これにより、さらに、高屈折率を有す
るガラス基材を得ることができる。
O、Nb2O5、TiO2の少なくとも1つの合計含有量
は、50重量%以上である上記(11)に記載の反射防
止膜の形成方法。これにより、さらに、高屈折率を有す
るガラス基材を得ることができる。
【0020】(13) 光学素子用基材に対し、上記
(1)ないし(12)のいずれかに記載の反射防止膜の
形成方法により反射防止膜を形成してなることを特徴と
する光学素子。これにより、吸収損失が少なく透過性に
優れた反射防止膜を有する光学素子を得ることができ
る。
(1)ないし(12)のいずれかに記載の反射防止膜の
形成方法により反射防止膜を形成してなることを特徴と
する光学素子。これにより、吸収損失が少なく透過性に
優れた反射防止膜を有する光学素子を得ることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の反射防止膜の形成
方法および光学素子を添付図面に示す好適実施形態に基
づいて詳細に説明する。なお、説明中「膜厚」とは、物
理的膜厚を意味するものとする。
方法および光学素子を添付図面に示す好適実施形態に基
づいて詳細に説明する。なお、説明中「膜厚」とは、物
理的膜厚を意味するものとする。
【0022】図1は、本発明の反射防止膜の形成方法に
より形成された反射防止膜を有する光学素子の第1実施
形態を示す断面図である。
より形成された反射防止膜を有する光学素子の第1実施
形態を示す断面図である。
【0023】本発明は、光学素子用基材2に気相成膜法
により複数の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成
する反射防止膜の形成方法であって、光学素子用基材2
側の第1層目の薄膜(以下、単に「第1層目の薄膜」と言
う)4を最外層の薄膜10より低い成膜温度で成膜する
ことを特徴とする。
により複数の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成
する反射防止膜の形成方法であって、光学素子用基材2
側の第1層目の薄膜(以下、単に「第1層目の薄膜」と言
う)4を最外層の薄膜10より低い成膜温度で成膜する
ことを特徴とする。
【0024】図1に示すように、反射防止膜3aは、屈
折率の異なる材料の薄膜を積層したものが好ましい。屈
折率の異なる材料を交互に積層させることで反射防止膜
の透過率を増大することができる。これにより、反射防
止膜3aは、高い透過率を得ることができる。
折率の異なる材料の薄膜を積層したものが好ましい。屈
折率の異なる材料を交互に積層させることで反射防止膜
の透過率を増大することができる。これにより、反射防
止膜3aは、高い透過率を得ることができる。
【0025】以下の光学素子用基材2に反射防止膜3a
を形成する。光学素子用基材2は、例えばガラス基材等
が用いられ、特に、PbO、Nb2O5、TiO2のうち
の少なくとも1つを含むガラス基材であることが好まし
い。
を形成する。光学素子用基材2は、例えばガラス基材等
が用いられ、特に、PbO、Nb2O5、TiO2のうち
の少なくとも1つを含むガラス基材であることが好まし
い。
【0026】このようなガラス基材は、この場合、透明
性に優れ、高屈折率であるため眼鏡用レンズ等の薄物レ
ンズ用基材として好適である。さらに、耐熱性に優れて
いるため、反射防止膜を形成する際の高温環境にも十分
耐え得るので取扱性にも優れる。
性に優れ、高屈折率であるため眼鏡用レンズ等の薄物レ
ンズ用基材として好適である。さらに、耐熱性に優れて
いるため、反射防止膜を形成する際の高温環境にも十分
耐え得るので取扱性にも優れる。
【0027】また、前述のガラス基材中のPbO、Nb
2O5、TiO2の少なくとも1つの合計含有量は、50
重量%以上であることが好ましく、特に、60重量%以
上であることがより好ましい。これにより、さらに、高
屈折率を有するガラス基材を得ることができるので優れ
た光学特性を有する光学素子用基材2を得ることができ
る。特に、最近では鉛成分による環境への影響を考慮
し、Nb2O5およびTiO2のみを含有するガラス基材
がより好ましく用いられる。
2O5、TiO2の少なくとも1つの合計含有量は、50
重量%以上であることが好ましく、特に、60重量%以
上であることがより好ましい。これにより、さらに、高
屈折率を有するガラス基材を得ることができるので優れ
た光学特性を有する光学素子用基材2を得ることができ
る。特に、最近では鉛成分による環境への影響を考慮
し、Nb2O5およびTiO2のみを含有するガラス基材
がより好ましく用いられる。
【0028】この光学素子用基材2に、反射防止膜3a
を、次のようにして形成する。反射防止膜3aの各層
は、気相成膜法で形成する。この気相成膜法としては、
例えば、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法(化学的気
相堆積法)、ALE法(原子層エピタキシ法)等が挙げ
られる。その中でも特に真空蒸着法が好ましい。
を、次のようにして形成する。反射防止膜3aの各層
は、気相成膜法で形成する。この気相成膜法としては、
例えば、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法(化学的気
相堆積法)、ALE法(原子層エピタキシ法)等が挙げ
られる。その中でも特に真空蒸着法が好ましい。
【0029】真空蒸着法は、成膜条件の制御が比較的簡
易であり、膜厚、屈折率の再現性に優れ、多層薄膜を精
度よく形成することができる。
易であり、膜厚、屈折率の再現性に優れ、多層薄膜を精
度よく形成することができる。
【0030】反射防止膜3aを形成する成膜装置として
真空蒸着装置(図示せず)が用いられる。
真空蒸着装置(図示せず)が用いられる。
【0031】真空蒸着装置は、真空槽と、基板ホルダー
と、ルツボと、電子銃と、熱電対と、加熱ヒータと、制
御手段とを有している。
と、ルツボと、電子銃と、熱電対と、加熱ヒータと、制
御手段とを有している。
【0032】ルツボおよび電子銃は、真空槽の底面に配
設されており、ルツボには、蒸発源が充填されている。
このルツボ近傍に配設した電子銃は、高エネルギー密度
の電子ビームを放出し、ルツボ内の蒸発源を加熱し、蒸
発させる。
設されており、ルツボには、蒸発源が充填されている。
このルツボ近傍に配設した電子銃は、高エネルギー密度
の電子ビームを放出し、ルツボ内の蒸発源を加熱し、蒸
発させる。
【0033】基板ホルダーは、真空槽上部に配設されて
いる。基板ホルダーの形状は、例えば、傘状をなし、傘
の内面には、光学素子用基材2を実装することができ
る。
いる。基板ホルダーの形状は、例えば、傘状をなし、傘
の内面には、光学素子用基材2を実装することができ
る。
【0034】基板ホルダーの近傍に成膜温度を測定する
熱電対が配設されている。また、所定の成膜温度まで真
空槽の雰囲気を加熱する加熱ヒータが基板ホルダーと真
空槽の間に配設されている。これら熱電対と加熱ヒータ
は、制御手段によりその作動が制御される。
熱電対が配設されている。また、所定の成膜温度まで真
空槽の雰囲気を加熱する加熱ヒータが基板ホルダーと真
空槽の間に配設されている。これら熱電対と加熱ヒータ
は、制御手段によりその作動が制御される。
【0035】また、反射防止膜3aの各層を形成するに
は、まず、真空槽内を排気ポンプ(図示せず)により排
気し、10-5〜10-6Torr程度の高真空状態に到達
させ、酸化物は酸素を導入して所定の真空度を保持し、
その他誘電体はガス導入しない状態で電気銃で蒸発源を
加熱・蒸発させ、成膜を行う。
は、まず、真空槽内を排気ポンプ(図示せず)により排
気し、10-5〜10-6Torr程度の高真空状態に到達
させ、酸化物は酸素を導入して所定の真空度を保持し、
その他誘電体はガス導入しない状態で電気銃で蒸発源を
加熱・蒸発させ、成膜を行う。
【0036】[I]第1層目の薄膜の成膜工程 まず、光学素子用基材2側の第1層目の薄膜4を形成す
る。
る。
【0037】第1層目の薄膜4は、金属酸化物層で構成
されることが好ましい。金属酸化物には、高い膜密度を
有する材料が多く、低い成膜温度でも十分な膜密度を有
する薄膜を形成することができる。
されることが好ましい。金属酸化物には、高い膜密度を
有する材料が多く、低い成膜温度でも十分な膜密度を有
する薄膜を形成することができる。
【0038】この金属酸化物層としては、例えば、Al
2O3、TiO2およびTa2O5のうちの少なくとも1つ
を含む材料で構成されるものが挙げられる。このような
材料からなる薄膜は、膜密度が高いので水分が外部から
侵入するのを抑えて、光学素子用基材2がヤケ等により
変質することを防止することができる。
2O3、TiO2およびTa2O5のうちの少なくとも1つ
を含む材料で構成されるものが挙げられる。このような
材料からなる薄膜は、膜密度が高いので水分が外部から
侵入するのを抑えて、光学素子用基材2がヤケ等により
変質することを防止することができる。
【0039】また、第1層目の薄膜4の膜厚(物理的膜
厚)は、5nm以上であることが好ましく、5〜100
0nmがより好ましい。
厚)は、5nm以上であることが好ましく、5〜100
0nmがより好ましい。
【0040】膜厚が5nm未満である場合、連続膜とし
て成膜することが困難となり、光学素子用基材2の表面
を完全に被覆することができず、光学素子用基材2がヤ
ケ等により変質することを十分に防止できない場合があ
る。また、第1層目の薄膜4の膜厚が厚すぎる場合、広
い波長範囲で反射防止特性を保てなくなり透過率が低下
して光学的性能を損なうおそれがある。
て成膜することが困難となり、光学素子用基材2の表面
を完全に被覆することができず、光学素子用基材2がヤ
ケ等により変質することを十分に防止できない場合があ
る。また、第1層目の薄膜4の膜厚が厚すぎる場合、広
い波長範囲で反射防止特性を保てなくなり透過率が低下
して光学的性能を損なうおそれがある。
【0041】また、第1層目の薄膜4の成膜温度は、最
外層の薄膜10の成膜温度より低い温度で成膜する。こ
れにより、光学素子用基材2と第1層目の薄膜4との界
面における光吸収を少なくすることができる。
外層の薄膜10の成膜温度より低い温度で成膜する。こ
れにより、光学素子用基材2と第1層目の薄膜4との界
面における光吸収を少なくすることができる。
【0042】このとき、第1層目の薄膜4の成膜温度
は、200℃以下であることが好ましく、室温(25
℃)〜200℃であることがより好ましく、80〜20
0℃であることがさらに好ましい。特に、150〜20
0℃であることが最も好ましい。これにより、光学素子
用基材2と第1層目の薄膜4との界面における光吸収を
より少なくすることができる。
は、200℃以下であることが好ましく、室温(25
℃)〜200℃であることがより好ましく、80〜20
0℃であることがさらに好ましい。特に、150〜20
0℃であることが最も好ましい。これにより、光学素子
用基材2と第1層目の薄膜4との界面における光吸収を
より少なくすることができる。
【0043】第1層目の成膜温度を上述のようにするこ
とにより、光吸収を少なくできることの原理は、定かで
ないが、第1層目の薄膜4を低温で成膜することによ
り、光学素子用基材2に含有するPbO等の特定成分が
光学素子用基材2の界面に偏析することや、前記特定成
分と第1層目の薄膜4との界面における化学反応による
変質が抑制されるからであると推測される。
とにより、光吸収を少なくできることの原理は、定かで
ないが、第1層目の薄膜4を低温で成膜することによ
り、光学素子用基材2に含有するPbO等の特定成分が
光学素子用基材2の界面に偏析することや、前記特定成
分と第1層目の薄膜4との界面における化学反応による
変質が抑制されるからであると推測される。
【0044】[II]第2層目の薄膜の成膜工程 第1層目の薄膜4の上に第2層目の薄膜5を形成する。
【0045】第2層目の薄膜5の構成材料としては、第
1層目の薄膜4と同様の構成材料の他に、例えば、Mg
F2等の金属フッ化物が挙げられる。第2層目の薄膜5
の構成材料は、前述した構成材料中、第1層目の薄膜4
の材料とは違う材料である。このような材料からなる薄
膜は、化学的に安定な反射防止膜を形成することができ
る。
1層目の薄膜4と同様の構成材料の他に、例えば、Mg
F2等の金属フッ化物が挙げられる。第2層目の薄膜5
の構成材料は、前述した構成材料中、第1層目の薄膜4
の材料とは違う材料である。このような材料からなる薄
膜は、化学的に安定な反射防止膜を形成することができ
る。
【0046】第2層目の薄膜5の膜厚は、特に限定され
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、10〜30nm程度が好ましく、16〜
24nm程度がより好ましい。
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、10〜30nm程度が好ましく、16〜
24nm程度がより好ましい。
【0047】[III]第3層目の薄膜の成膜工程 第2層目の薄膜5の上に第3層目の薄膜6を形成する。
【0048】第3層目の薄膜6の構成材料としては、第
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第3層目の薄膜6の構成材料は、前述した構成材料中、
第2層目の薄膜5の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第3層目の薄膜6の構成材料は、前述した構成材料中、
第2層目の薄膜5の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
【0049】第3層目の薄膜6の膜厚は、特に限定され
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、6.5〜19.5nm程度が好ましく、
10.4〜15.6nm程度がより好ましい。
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、6.5〜19.5nm程度が好ましく、
10.4〜15.6nm程度がより好ましい。
【0050】[IV]第4層目の薄膜の成膜工程 第3層目の薄膜6の上に第4層目の薄膜7を形成する。
【0051】第4層目の薄膜7の構成材料としては、第
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第4層目の薄膜7の構成材料は、前述した構成材料中、
第3層目の薄膜6の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第4層目の薄膜7の構成材料は、前述した構成材料中、
第3層目の薄膜6の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
【0052】第4層目の薄膜7の膜厚は、特に限定され
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、29.5〜88.5nm程度が好まし
く、47.2〜70.8nm程度がより好ましい。
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、29.5〜88.5nm程度が好まし
く、47.2〜70.8nm程度がより好ましい。
【0053】[V]第5層目の薄膜の成膜工程 第4層目の薄膜7の上に第5層目の薄膜8を形成する。
【0054】第5層目の薄膜8の構成材料としては、第
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第5層目の薄膜8の構成材料は、前述した構成材料中、
第4層目の薄膜7の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第5層目の薄膜8の構成材料は、前述した構成材料中、
第4層目の薄膜7の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
【0055】第5層目の薄膜8の膜厚は、特に限定され
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、7.5〜22.5nm程度が好ましく、
12〜18nm程度がより好ましい。
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、7.5〜22.5nm程度が好ましく、
12〜18nm程度がより好ましい。
【0056】[VI]第6層目の薄膜の成膜工程 第5層目の薄膜8の上に第6層目の薄膜9を形成する。
【0057】第6層目の薄膜9の構成材料としては、第
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第6層目の薄膜9の構成材料は、前述した構成材料中、
第5層目の薄膜8の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
2層目の薄膜5の構成材料と同様な材料が挙げられる。
第6層目の薄膜9の構成材料は、前述した構成材料中、
第5層目の薄膜8の材料とは違う材料である。これによ
る効果は、第2層目の薄膜5と同様である。
【0058】第6層目の薄膜9の膜厚は、特に限定され
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、9.5〜28.5nm程度が好ましく、
15.2〜22.8nm程度がより好ましい。
ないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得る
ために、通常、9.5〜28.5nm程度が好ましく、
15.2〜22.8nm程度がより好ましい。
【0059】[VII]第7層目(最外層)の薄膜の成膜
工程 第6層目の薄膜9の上に最外層である第7層目の薄膜1
0を形成する。
工程 第6層目の薄膜9の上に最外層である第7層目の薄膜1
0を形成する。
【0060】第7層目の薄膜10は、第1層目の薄膜4
より低い屈折率の低屈折率層で構成されることが好まし
い。空気に接する最外層をこのような低屈折率層とする
ことにより、低い反射率を有する反射防止膜を形成する
ことができる。
より低い屈折率の低屈折率層で構成されることが好まし
い。空気に接する最外層をこのような低屈折率層とする
ことにより、低い反射率を有する反射防止膜を形成する
ことができる。
【0061】この低屈折率層としては、例えば、MgF
2等を含む材料で構成されるものが挙げられる。このよ
うな材料からなる薄膜は、化学的に安定で高耐久性を有
し、低い反射率を有する。このような反射防止膜を得る
ことにより、光の透過量を増加することができる。
2等を含む材料で構成されるものが挙げられる。このよ
うな材料からなる薄膜は、化学的に安定で高耐久性を有
し、低い反射率を有する。このような反射防止膜を得る
ことにより、光の透過量を増加することができる。
【0062】第7層目の薄膜10の膜厚は、特に限定さ
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、42.5〜127.5nm程度が好ま
しく、68〜102nm程度がより好ましい。
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、42.5〜127.5nm程度が好ま
しく、68〜102nm程度がより好ましい。
【0063】以上のようにして、光学素子用基材2の上
に薄膜4、薄膜5、薄膜6、薄膜7、薄膜8、薄膜9、
薄膜10がこの順に積層された光学素子1aを得ること
ができる。
に薄膜4、薄膜5、薄膜6、薄膜7、薄膜8、薄膜9、
薄膜10がこの順に積層された光学素子1aを得ること
ができる。
【0064】前述したように反射防止膜3aの形成にお
いては、第1層目の薄膜4を最外層の薄膜10より低い
成膜温度で成膜するので、反射防止膜3aの各層を1つ
の成膜装置で連続的に成膜する場合には、最低1回、低
温側から高温側に成膜温度(基板温度)の切り換えを行
う必要がある。
いては、第1層目の薄膜4を最外層の薄膜10より低い
成膜温度で成膜するので、反射防止膜3aの各層を1つ
の成膜装置で連続的に成膜する場合には、最低1回、低
温側から高温側に成膜温度(基板温度)の切り換えを行
う必要がある。
【0065】この温度切換えにおける昇温(ヒートアッ
プ)のトータルの時間をなるべく少なくするという観点
からは、成膜温度の切り換えができるだけ少ない回数で
あることが好ましい。温度切換えの回数が1回(最小回
数)である場合、昇温(ヒートアップ)時間を短縮する
ことができ、反射防止膜3aの生産効率を向上すること
ができる。
プ)のトータルの時間をなるべく少なくするという観点
からは、成膜温度の切り換えができるだけ少ない回数で
あることが好ましい。温度切換えの回数が1回(最小回
数)である場合、昇温(ヒートアップ)時間を短縮する
ことができ、反射防止膜3aの生産効率を向上すること
ができる。
【0066】温度切換えの回数が1回である場合に、温
度切換えは、第1層目の薄膜4の形成後、第2層目の薄
膜5の形成後、第3層目の薄膜6の形成後、第4層目の
薄膜7の形成後、第5層目の薄膜8の形成後、第6層目
の薄膜9の形成後のいずれでもよい。
度切換えは、第1層目の薄膜4の形成後、第2層目の薄
膜5の形成後、第3層目の薄膜6の形成後、第4層目の
薄膜7の形成後、第5層目の薄膜8の形成後、第6層目
の薄膜9の形成後のいずれでもよい。
【0067】また、成膜する薄膜の膜密度の観点から、
低温側から高温側への温度切換えは、なるべく早めが好
ましい。すなわち、第1層目の薄膜4の形成後または第
2層目の薄膜5の形成後には、高温側への温度切換えが
行われることが好ましい。これにより、温度切換え後、
高温側の成膜温度で形成した薄膜は、密着力、膜密度が
高まるので、反射防止膜全体として膜耐久性が向上す
る。
低温側から高温側への温度切換えは、なるべく早めが好
ましい。すなわち、第1層目の薄膜4の形成後または第
2層目の薄膜5の形成後には、高温側への温度切換えが
行われることが好ましい。これにより、温度切換え後、
高温側の成膜温度で形成した薄膜は、密着力、膜密度が
高まるので、反射防止膜全体として膜耐久性が向上す
る。
【0068】図2は、本発明の反射防止膜の形成方法に
より形成された反射防止膜を有する光学素子の第2実施
形態を示す断面図である。
より形成された反射防止膜を有する光学素子の第2実施
形態を示す断面図である。
【0069】光学素子用基材2に気相成膜法により複数
の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する反射防
止膜の形成方法であって、光学素子用基材2側の第1層
目の薄膜(以下、単に「第1層目の薄膜」と言う)11を
200℃以下の成膜温度で成膜することを特徴とする。
の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する反射防
止膜の形成方法であって、光学素子用基材2側の第1層
目の薄膜(以下、単に「第1層目の薄膜」と言う)11を
200℃以下の成膜温度で成膜することを特徴とする。
【0070】図2に示すように、反射防止膜3bは、屈
折率の異なる材料の薄膜を積層したものが好ましい。屈
折率の異なる材料を交互に積層させることで反射防止膜
の透過率を増大することができる。これにより、反射防
止膜3bは、高い透過率を得ることができる。
折率の異なる材料の薄膜を積層したものが好ましい。屈
折率の異なる材料を交互に積層させることで反射防止膜
の透過率を増大することができる。これにより、反射防
止膜3bは、高い透過率を得ることができる。
【0071】以下、主に第1実施形態との相違点につい
て説明し、同様の事項については説明を省略する。
て説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0072】光学素子用基材2としては、第1実施形態
と同様のものが挙げられる。この光学素子用基材2に、
反射防止膜3bを、次のようにして形成する。
と同様のものが挙げられる。この光学素子用基材2に、
反射防止膜3bを、次のようにして形成する。
【0073】反射防止膜3bの各層の形成は、第1実施
形態と同様に気相成膜法、特に真空蒸着法によるのが好
ましい。これによる作用・効果は、第1実施形態の真空
蒸着法と同様である。
形態と同様に気相成膜法、特に真空蒸着法によるのが好
ましい。これによる作用・効果は、第1実施形態の真空
蒸着法と同様である。
【0074】[I]第1層目の薄膜の成膜工程 光学素子用基材2側の第1層目の薄膜11を形成する。
【0075】第1層目の薄膜11は、金属酸化物層で構
成されることが好ましい。金属酸化物には、高い膜密度
を有する材料が多く、低い成膜温度でも十分な膜密度を
有する薄膜を形成することができる。
成されることが好ましい。金属酸化物には、高い膜密度
を有する材料が多く、低い成膜温度でも十分な膜密度を
有する薄膜を形成することができる。
【0076】この金属酸化物層としては、例えば、Al
2O3、TiO2およびTa2O5のうちの少なくとも1つ
を含む材料で構成されるものが挙げられる。これによる
作用・効果は第1実施形態の金属酸化物層と同様であ
る。
2O3、TiO2およびTa2O5のうちの少なくとも1つ
を含む材料で構成されるものが挙げられる。これによる
作用・効果は第1実施形態の金属酸化物層と同様であ
る。
【0077】また、第1層目の薄膜11の膜厚は、5n
m以上であることが好ましい。これによる作用・効果
は、第1実施形態における第1層目の薄膜4の膜厚と同
様である。
m以上であることが好ましい。これによる作用・効果
は、第1実施形態における第1層目の薄膜4の膜厚と同
様である。
【0078】第1層目の薄膜を200℃以下の成膜温度
で成膜する。これにより、光学素子用基材2と第1層目
の薄膜11との界面における光吸収を少なくすることが
できる。
で成膜する。これにより、光学素子用基材2と第1層目
の薄膜11との界面における光吸収を少なくすることが
できる。
【0079】このとき、第1層目の薄膜11の成膜温度
は、室温(25℃)〜200℃であることが好ましく、
80〜200℃であることがより好ましく、特に、15
0〜200℃であることが最も好ましい。これにより、
光学素子用基材2と第1層目の薄膜4との界面における
光吸収をより少なくすることができる。
は、室温(25℃)〜200℃であることが好ましく、
80〜200℃であることがより好ましく、特に、15
0〜200℃であることが最も好ましい。これにより、
光学素子用基材2と第1層目の薄膜4との界面における
光吸収をより少なくすることができる。
【0080】なお、光吸収を抑制することの原理は、第
1実施形態で前述した原理と同様である。
1実施形態で前述した原理と同様である。
【0081】[II]第2層目の薄膜の成膜工程 第1層目の薄膜11の上に第2層目の薄膜12を形成す
る。
る。
【0082】第2層目の薄膜12の構成材料としては、
第1層目の薄膜11と同様の構成材料の他に、例えば、
MgF2等の金属フッ化物が挙げられる。第2層目の薄
膜12の構成材料は、前述した構成材料中、第1層目の
薄膜11の材料とは違う材料である。このような材料か
らなる薄膜は、化学的に安定な反射防止膜を形成するこ
とができる。
第1層目の薄膜11と同様の構成材料の他に、例えば、
MgF2等の金属フッ化物が挙げられる。第2層目の薄
膜12の構成材料は、前述した構成材料中、第1層目の
薄膜11の材料とは違う材料である。このような材料か
らなる薄膜は、化学的に安定な反射防止膜を形成するこ
とができる。
【0083】第2層目の薄膜12の膜厚は、特に限定さ
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、6.5〜19.5nm程度が好まし
く、10.4〜15.6nm程度がより好ましい。
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、6.5〜19.5nm程度が好まし
く、10.4〜15.6nm程度がより好ましい。
【0084】[III]第3層目の薄膜の成膜工程 第2層目の薄膜12の上に第3層目の薄膜13を形成す
る。
る。
【0085】第3層目の薄膜13の構成材料としては、
第2層目の薄膜12の構成材料と同様な材料が挙げられ
る。第3層目の薄膜13の構成材料は、前述した構成材
料中、第2層目の薄膜12の材料とは違う材料である。
これによる効果は、第2層目の薄膜12と同様である。
第2層目の薄膜12の構成材料と同様な材料が挙げられ
る。第3層目の薄膜13の構成材料は、前述した構成材
料中、第2層目の薄膜12の材料とは違う材料である。
これによる効果は、第2層目の薄膜12と同様である。
【0086】第3層目の薄膜13の膜厚は、特に限定さ
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、34〜102nm程度が好ましく、5
4.4〜81.6nm程度がより好ましい。
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、34〜102nm程度が好ましく、5
4.4〜81.6nm程度がより好ましい。
【0087】[IV]第4層目の薄膜の成膜工程 第3層目の薄膜13の上に第4層目の薄膜14を形成す
る。
る。
【0088】第4層目の薄膜14の構成材料としては、
第2層目の薄膜12の構成材料と同様な材料が挙げられ
る。第4層目の薄膜14の構成材料は、前述した構成材
料中、第3層目の薄膜13の材料とは違う材料である。
これによる効果は、第2層目の薄膜12と同様である。
第2層目の薄膜12の構成材料と同様な材料が挙げられ
る。第4層目の薄膜14の構成材料は、前述した構成材
料中、第3層目の薄膜13の材料とは違う材料である。
これによる効果は、第2層目の薄膜12と同様である。
【0089】第4層目の薄膜14の膜厚は、特に限定さ
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、7.5〜22.5nm程度が好まし
く、12〜18nm程度がより好ましい。
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、7.5〜22.5nm程度が好まし
く、12〜18nm程度がより好ましい。
【0090】[V]第5層目の薄膜の成膜工程 第4層目の薄膜14の上に第5層目の薄膜15を形成す
る。
る。
【0091】第5層目の薄膜15の構成材料としては、
第2層目の薄膜12の構成材料と同様な材料が挙げられ
る。第5層目の薄膜15の構成材料は、前述した構成材
料中、第4層目の薄膜14の材料とは違う材料である。
これによる効果は、第2層目の薄膜12と同様である。
第2層目の薄膜12の構成材料と同様な材料が挙げられ
る。第5層目の薄膜15の構成材料は、前述した構成材
料中、第4層目の薄膜14の材料とは違う材料である。
これによる効果は、第2層目の薄膜12と同様である。
【0092】第5層目の薄膜15の膜厚は、特に限定さ
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、17.5〜52.5nm程度が好まし
く、28〜42nm程度がより好ましい。
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、17.5〜52.5nm程度が好まし
く、28〜42nm程度がより好ましい。
【0093】[VI]第6層目(最外層)の薄膜の成膜工
程 第5層目の薄膜15の上に最外層である第6層目の薄膜
16を形成する。
程 第5層目の薄膜15の上に最外層である第6層目の薄膜
16を形成する。
【0094】第6層目の薄膜16は、第1層目の薄膜1
1より低い屈折率の低屈折率層で構成されることが好ま
しい。空気に接する最外層をこのような低屈折率層とす
ることにより、低い反射率を有する反射防止膜を形成す
ることができる。
1より低い屈折率の低屈折率層で構成されることが好ま
しい。空気に接する最外層をこのような低屈折率層とす
ることにより、低い反射率を有する反射防止膜を形成す
ることができる。
【0095】この低屈折率層としては、例えば、MgF
2等を含む材料で構成されるものが挙げられる。このよ
うな材料からなる薄膜は、化学的に安定で高耐久性を有
し、低い反射率を有する。このような反射防止膜を得る
ことにより、光の透過量を増加することができる。
2等を含む材料で構成されるものが挙げられる。このよ
うな材料からなる薄膜は、化学的に安定で高耐久性を有
し、低い反射率を有する。このような反射防止膜を得る
ことにより、光の透過量を増加することができる。
【0096】第6層目の薄膜16の膜厚は、特に限定さ
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、49.5〜148.5nm程度が好ま
しく、79.2〜118.8nm程度がより好ましい。
れないが、可視光域でより低い反射率の反射防止膜を得
るために、通常、49.5〜148.5nm程度が好ま
しく、79.2〜118.8nm程度がより好ましい。
【0097】以上のようにして、光学素子用基材2の上
に薄膜11、薄膜12、薄膜13、薄膜14、薄膜1
5、薄膜16がこの順に積層された光学素子1bを得る
ことができる。
に薄膜11、薄膜12、薄膜13、薄膜14、薄膜1
5、薄膜16がこの順に積層された光学素子1bを得る
ことができる。
【0098】反射防止膜3bの形成においては、第1層
目の薄膜11の成膜温度が200℃以下であるが、第1
層目の薄膜11よりも上層の薄膜12〜16の成膜温度
は、特に、限定されない。
目の薄膜11の成膜温度が200℃以下であるが、第1
層目の薄膜11よりも上層の薄膜12〜16の成膜温度
は、特に、限定されない。
【0099】前記第1層目の薄膜11よりも上層の薄膜
12〜16の成膜温度は、形成する薄膜の膜密度の観点
からは、ある程度高温であることが好ましい。これによ
り、それぞれの薄膜は、膜密度および密着力が高まるの
で、反射防止膜全体として膜耐久性が向上する。
12〜16の成膜温度は、形成する薄膜の膜密度の観点
からは、ある程度高温であることが好ましい。これによ
り、それぞれの薄膜は、膜密度および密着力が高まるの
で、反射防止膜全体として膜耐久性が向上する。
【0100】また、反射防止膜3bの薄膜11〜16の
すべての成膜温度を同一温度とすれば、薄膜間のヒート
アップ時間をなくすことができ、反射防止膜3bの生産
効率をさらに向上することができる。
すべての成膜温度を同一温度とすれば、薄膜間のヒート
アップ時間をなくすことができ、反射防止膜3bの生産
効率をさらに向上することができる。
【0101】以上、本発明の反射防止膜の形成方法およ
び光学素子を図示の各実施形態について説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、反射
防止膜の層構成、層数、構成材料、膜厚等についてはい
かなるものであってもよい。
び光学素子を図示の各実施形態について説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、反射
防止膜の層構成、層数、構成材料、膜厚等についてはい
かなるものであってもよい。
【0102】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。 1.反射防止膜を有する光学素子の作製 (実施例1)光学素子用基材2として、屈折率1.85
5のSF03ガラス基材(PbOを76%含有)からな
るレンズ(レンズ径28mm、厚さ1mm)を用いた。
る。 1.反射防止膜を有する光学素子の作製 (実施例1)光学素子用基材2として、屈折率1.85
5のSF03ガラス基材(PbOを76%含有)からな
るレンズ(レンズ径28mm、厚さ1mm)を用いた。
【0103】反射防止膜3aの形成において光学素子用
基材2側の第1層の薄膜4を180℃の成膜温度で、第
2層目から最外層までの薄膜を300℃の成膜温度で真
空蒸着法により成膜した。
基材2側の第1層の薄膜4を180℃の成膜温度で、第
2層目から最外層までの薄膜を300℃の成膜温度で真
空蒸着法により成膜した。
【0104】図1に示すような反射防止膜3aを設け、
反射防止膜3aを有する光学素子を作製した。光学素子
用基材、反射防止膜の各層の構成材料および屈折率等を
表1に示す。
反射防止膜3aを有する光学素子を作製した。光学素子
用基材、反射防止膜の各層の構成材料および屈折率等を
表1に示す。
【0105】なお、反射防止膜3aの反射特性を分光光
度計(株式会社日立製作所:U400)により測定した
ところ、波長460〜710nmの領域で反射率1.0
%以下となった。
度計(株式会社日立製作所:U400)により測定した
ところ、波長460〜710nmの領域で反射率1.0
%以下となった。
【0106】
【表1】
【0107】(実施例2)光学素子用基材2として、屈
折率1.855のSFL03ガラス基材(Nb2O5、T
iO2を計60%含有)からなるレンズ(レンズ径28
mm、厚さ1mm)を用いた。
折率1.855のSFL03ガラス基材(Nb2O5、T
iO2を計60%含有)からなるレンズ(レンズ径28
mm、厚さ1mm)を用いた。
【0108】反射防止膜3bの形成においてすべて薄膜
に対して成膜温度を180℃に設定し、真空蒸着法によ
り成膜した。
に対して成膜温度を180℃に設定し、真空蒸着法によ
り成膜した。
【0109】図2に示すような反射防止膜3bを設け、
反射防止膜3bを有する光学素子を作製した。光学素子
用基材、反射防止膜の各層の構成材料および屈折率等を
表2に示す。
反射防止膜3bを有する光学素子を作製した。光学素子
用基材、反射防止膜の各層の構成材料および屈折率等を
表2に示す。
【0110】なお、反射防止膜3bの反射特性を分光光
度計(株式会社日立製作所:U400)により測定した
ところ、波長370〜740nmの領域で反射率1.0
%以下となった。
度計(株式会社日立製作所:U400)により測定した
ところ、波長370〜740nmの領域で反射率1.0
%以下となった。
【0111】
【表2】
【0112】(比較例1)それぞれの薄膜に対して30
0℃の成膜温度で実施例1と同様にして反射防止膜を有
する光学素子を作製した。光学素子用基材、反射防止膜
の各層の構成材料および屈折率等を表3に示す。
0℃の成膜温度で実施例1と同様にして反射防止膜を有
する光学素子を作製した。光学素子用基材、反射防止膜
の各層の構成材料および屈折率等を表3に示す。
【0113】
【表3】
【0114】(比較例2)それぞれの薄膜に対して30
0℃の成膜温度で実施例2と同様にして反射防止膜を有
する光学素子を作製した。光学素子用基材、反射防止膜
の各層の構成材料および屈折率等を表4に示す。
0℃の成膜温度で実施例2と同様にして反射防止膜を有
する光学素子を作製した。光学素子用基材、反射防止膜
の各層の構成材料および屈折率等を表4に示す。
【0115】
【表4】
【0116】2.反射防止膜を有する光学素子の光吸収
率の評価各実施例および比較例で作製した反射防止膜を
有する光学素子について、前述の装置により25℃にお
ける反射率および透過率を測定し(入射角10°)、そ
れらの値から下記式(I)に基づいて光吸収率を求め
た。 A=100−(R+T)・・・(I) A:光吸収率(%) R:反射率(%) T:透過率(%) また、対照例として光学素子用基材(SF03およびS
FL03)のみの光吸収率を求めた。それぞれについて
入射光の波長と光吸収率との関係を図3および図4に示
す。
率の評価各実施例および比較例で作製した反射防止膜を
有する光学素子について、前述の装置により25℃にお
ける反射率および透過率を測定し(入射角10°)、そ
れらの値から下記式(I)に基づいて光吸収率を求め
た。 A=100−(R+T)・・・(I) A:光吸収率(%) R:反射率(%) T:透過率(%) また、対照例として光学素子用基材(SF03およびS
FL03)のみの光吸収率を求めた。それぞれについて
入射光の波長と光吸収率との関係を図3および図4に示
す。
【0117】これらのグラフから明らかなように、各実
施例で作製された光学素子の光吸収率は、光学素子用基
材のみの光吸収率と殆ど相違しないものであった。一
方、各比較例で作製された光学素子は、光学素子用基材
のみの場合に比べて光吸収率が非常に増加していた。
施例で作製された光学素子の光吸収率は、光学素子用基
材のみの光吸収率と殆ど相違しないものであった。一
方、各比較例で作製された光学素子は、光学素子用基材
のみの場合に比べて光吸収率が非常に増加していた。
【0118】これらのことから、第1層目の薄膜に対し
成膜温度を180℃という低温で成膜したことにより、
光学素子用基材2と第1層目の薄膜との界面での光吸収
がより抑制され光吸収がほとんど生じていないことがわ
かった。
成膜温度を180℃という低温で成膜したことにより、
光学素子用基材2と第1層目の薄膜との界面での光吸収
がより抑制され光吸収がほとんど生じていないことがわ
かった。
【0119】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、必
要な反射防止性能を確保しつつ、光学素子用基材と第1
層目の薄膜との界面付近で生じる光の吸収損失を低減す
ることができる。
要な反射防止性能を確保しつつ、光学素子用基材と第1
層目の薄膜との界面付近で生じる光の吸収損失を低減す
ることができる。
【0120】また、第1層目の薄膜よりも上層の薄膜
を、ある程度高温の成膜温度で形成することにより、耐
久性に優れた反射防止膜を得ることができる。
を、ある程度高温の成膜温度で形成することにより、耐
久性に優れた反射防止膜を得ることができる。
【0121】また、反射防止膜を構成する各薄膜のすべ
ての成膜温度を同一温度とすることにより、昇温(ヒー
トアップ)時間を短縮し、よって、より短時間で反射防
止膜を形成することができるので生産効率を向上するこ
とができる。
ての成膜温度を同一温度とすることにより、昇温(ヒー
トアップ)時間を短縮し、よって、より短時間で反射防
止膜を形成することができるので生産効率を向上するこ
とができる。
【0122】このような反射防止膜を有する光学素子
は、カメラ、眼鏡、望遠鏡などの光学機器に用いること
により、光学機器全体の全透過率の向上を図ることがで
き、非常に有用である。
は、カメラ、眼鏡、望遠鏡などの光学機器に用いること
により、光学機器全体の全透過率の向上を図ることがで
き、非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜を有する光学素子の第1実
施形態を示す断面図である。
施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の反射防止膜を有する光学素子の第2実
施形態を示す断面図である。
施形態を示す断面図である。
【図3】実施例1および比較例1で作製された反射防止
膜を有する光学素子の光吸収率を示すグラフである。
膜を有する光学素子の光吸収率を示すグラフである。
【図4】実施例2および比較例2で作製された反射防止
膜を有する光学素子の光吸収率を示すグラフである。
膜を有する光学素子の光吸収率を示すグラフである。
1a、1b 反射防止膜を有する光学素子 2 光学素子用基材 3a、3b 反射防止膜 4 第1層目(Al2O3層) 5 第2層目(TiO2層) 6 第3層目(MgF2層) 7 第4層目(TiO2層) 8 第5層目(MgF2層) 9 第6層目(TiO2層) 10 第7層目(最外層)(MgF2層) 11 第1層目(Ta2O5層) 12 第2層目(MgF2層) 13 第3層目(Ta2O5層) 14 第4層目(MgF2層) 15 第5層目(Ta2O5層) 16 第6層目(最外層)(MgF2層)
Claims (13)
- 【請求項1】 光学素子用基材に気相成膜法により複数
の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する反射防
止膜の形成方法であって、 前記基材側の第1層目の薄膜を最外層の薄膜より低い成
膜温度で成膜することを特徴とする反射防止膜の形成方
法。 - 【請求項2】 前記第1層目の薄膜の成膜温度は、20
0℃以下である請求項1に記載の反射防止膜の形成方
法。 - 【請求項3】 光学素子用基材に気相成膜法により複数
の光学薄膜を順次積層して反射防止膜を形成する反射防
止膜の形成方法であって、 前記基材側の第1層目の薄膜を200℃以下の成膜温度
で成膜することを特徴とする反射防止膜の形成方法。 - 【請求項4】 前記反射防止膜は、屈折率の異なる材料
の薄膜が積層されたものである請求項1ないし3のいず
れかに記載の反射防止膜の形成方法。 - 【請求項5】 前記第1層目の薄膜は、金属酸化物層で
構成される請求項1ないし4のいずれかに記載の反射防
止膜の形成方法。 - 【請求項6】 前記金属酸化物層は、Al2O3、TiO
2、Ta2O5のうちの少なくとも1つを含む材料で構成
される請求項5に記載の反射防止膜の形成方法。 - 【請求項7】 前記最外層の薄膜は、前記第1層目の薄
膜より低い屈折率の低屈折率層で構成される請求項1な
いし6のいずれかに記載の反射防止膜の形成方法。 - 【請求項8】 前記低屈折率層は、MgF2を含む材料
で構成される請求項7に記載の反射防止膜の形成方法。 - 【請求項9】 前記第1層目の薄膜の膜厚は、5nm以
上である請求項1ないし8のいずれかに記載の反射防止
膜の形成方法。 - 【請求項10】 前記反射防止膜は、真空蒸着法により
設けられる請求項1ないし9のいずれかに記載の反射防
止膜の形成方法。 - 【請求項11】 前記光学素子用基材は、PbO、Nb
2O5、TiO2のうちの少なくとも1つを含むガラス基
材である請求項1ないし10のいずれかに記載の反射防
止膜の形成方法。 - 【請求項12】 前記ガラス基材中の前記PbO、Nb
2O5、TiO2の少なくとも1つの合計含有量は、50
重量%以上である請求項11に記載の反射防止膜の形成
方法。 - 【請求項13】 光学素子用基材に対し、請求項1ない
し12のいずれかに記載の反射防止膜の形成方法により
反射防止膜を形成してなることを特徴とする光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11170239A JP2000356704A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 反射防止膜の形成方法および光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11170239A JP2000356704A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 反射防止膜の形成方法および光学素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000356704A true JP2000356704A (ja) | 2000-12-26 |
Family
ID=15901259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11170239A Pending JP2000356704A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 反射防止膜の形成方法および光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000356704A (ja) |
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003248103A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-09-05 | Olympus Optical Co Ltd | 反射防止膜と光学レンズおよび光学レンズユニット |
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JP2009162989A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Hoya Corp | 反射防止膜及びこれを有する光学部品、交換レンズ及び撮像装置 |
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US9753271B2 (en) | 2011-12-28 | 2017-09-05 | Nikon Corporation | Eyepiece lens, viewfinder optical system and optical apparatus equipped with the same, and method for manufacturing eyepiece lens |
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-
1999
- 1999-06-16 JP JP11170239A patent/JP2000356704A/ja active Pending
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