JP2000343660A - 積層体及びそれからなる医療用袋 - Google Patents
積層体及びそれからなる医療用袋Info
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Abstract
つ耐熱性及び耐ピンホール性についても良好な積層体及
びそれよりなる医療用袋を提供することを課題とする。 【解決手段】 外層にポリプロピレン系樹脂を、中間層
にTREF溶出曲線の低結晶成分のピーク温度が45〜
85℃、低結晶成分のピーク高さ(H)と、低結晶成分
のピークと高結晶成分のピークとの間の最小谷間の高さ
(M)との割合(H/M)が9以上、溶出曲線の全面積
に対する低結晶成分のピーク温度以下の面積割合が35
%以上、MFRが0.1〜20g/10分である低結晶
成分と高結晶成分とを含むエチレン・α−オレフィン
(C3〜18)共重合体を主成分とするポリエチレン系
樹脂材料を用い、外層、中間層、内層をこの順で積層し
て積層体とし、これにより医療用袋を形成させる。
Description
透明性、耐熱性、耐ピンホール性等に優れた積層体、お
よびそれからなる薬液、血液等を収容しうる医療用袋に
関する。
ラス、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる硬質の
容器と、可塑剤を含むポリ塩化ビニルからなる軟質の袋
とが知られている。しかし、前者の硬質容器は、内容液
を滴下する際に、通気針又は通気孔つきの輸液セットを
用いて空気を導入しなければならず、さらに内容液の汚
染などを生じるおそれがある。また、ポリエチレン、ポ
リプロピレンからなる硬質容器は透明性が不十分で、内
容液の量が見えにくいという問題がある。
おけるような空気の導入が不要であり、また内容液の滴
下と共に袋自体が大気圧によって絞られるなどにより、
安全性が高く、また運搬の利便性が高いなどの利点があ
る。しかし、ポリ塩化ビニルについては、これに替わる
同等以上の性能を有する材料の開発が望まれている。
点で、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エラストマーな
どのポリマーを中間層に用いた多層の医療用袋が提案さ
れている(特開昭58−165866)が、中間層に使
われるこれらのポリマーは耐熱性が乏しいため滅菌時に
しわが生じる、あるいは滅菌後に透明性が低下するな
ど、外観が劣るという欠点がある。また、輸送時にピン
ホールが発生する等の問題もある。
をポリプロピレン系樹脂、中間層を従来の直鎖状エチレ
ン・α−オレフィン共重合体とする積層体が、特開平9
−141793号には、外層をポリプロピレン系樹脂、
中間層をメタロセン系触媒を用いて製造された融点が1
つのエチレン・α−オレフィン共重合体とする積層体
が、各々提案されている。しかし、これらの積層体から
なる医療用袋は、透明性、強度、柔軟性、及び耐熱性を
高レベルでバランスよく備えたものではない。
性が良好であるだけでなく、柔軟性及び透明性に優れ、
かつ耐熱性が高く、さらには輸送時に問題となる耐ピン
ホール性についても良好な医療用袋は、従来の多層医療
用袋では達成できていなかった。
く、柔軟性及び透明性に優れ、かつ耐熱性及び耐ピンホ
ール性についても良好な積層体及びそれからなる医療用
袋を提供することを課題とする。
を行った結果、外層にポリプロピレン系樹脂を用い、中
間層に特定のメルトフローレート(溶融流量:以下、
「MFR」という)、特定の性状を有する低結晶成分と
高結晶成分とからなるエチレン・α−オレフィン共重合
体を用いることにより、上記発明の目的が達成されうる
との知見を得て、本発明を完成するに至った。
間層及び内層をこの順で含む積層体により構成された積
層体において、前記外層がポリプロピレン系樹脂からな
り、前記中間層が低結晶成分と高結晶成分とを含むエチ
レンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体で
あって、以下に示す物性(a)〜(d)をすべて満たす
ものを主成分とするポリエチレン系樹脂材料からなるこ
とを特徴とする、積層体を提供する。
よって得られる溶出曲線において、低結晶成分の溶出ピ
ーク温度が45〜85℃であること。
よって得られる溶出曲線において、低結晶成分のピーク
の高さをHとし、低結晶成分のピークと高結晶成分のピ
ークとの間の最小谷間の高さをMとしたとき、H/Mの
値が9以上であること。
よって得られる溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の
溶出ピーク温度以下の面積割合が35%以上であるこ
と。
が0.1〜20g/10分であること。また、本発明
は、前記内層が、ポリプロピレン系樹脂、示差走査熱量
測定法(DSC)によって得られる融解ピークの補外融
解終了温度が110℃以上の高圧法低密度ポリエチレ
ン、及び密度が0.920g/cm3以上のエチレンと
炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体からなる
群から選ばれる樹脂材料からなることを特徴とする前記
積層体を提供する。
チレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体
の低結晶成分が、重合触媒として四価の遷移金属を含む
メタロセン化合物を用いて重合されたものである前記積
層体を提供する。また、本発明は、前記いずれかの積層
体からなることを特徴とする医療用袋を提供する。
て説明する。本発明の積層体は、少なくとも外層、中間
層及び内層をこの順で含むものである。
る。具体的には、プロピレン単独重合体、プロピレンと
エチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンとのラ
ンダム共重合体を挙げることができる。炭素数4以上の
α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチ
ル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4
−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。前記
ランダム共重合体中におけるプロピレンから誘導される
構成単位(プロピレン単位)の割合は、好ましくは80
重量%以上、特に好ましくは85重量%以上である。
限定されないが、好ましくは0.1〜100g/10
分、特に好ましくは0.3〜80g/10分である。こ
こでいうMFRはJIS−K6758(230℃、2.
16kg荷重)に準拠して測定した値である。MFRが
上記範囲内であれば、成膜が安定するという利点があ
る。
ては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピ
レン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1
−ブテン共重合体等が挙げられる。
に対して、本発明の効果を損なわない範囲で、柔軟性を
付与するため、もしくは/かつ、層間接着力を向上させ
るため、チーグラー型又はメタロセン系触媒によって重
合された結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体及
び/又はEBR、EPR等のエチレン・α−オレフィン
エラストマー、SEBS、HSBC(水添スチレンブロ
ック共重合体)等のスチレン系エラストマー等のゴム系
化合物を3〜75重量%配合することもできる。
を含むエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの
共重合体であって以下に示す物性(a)〜(d)をすべ
て満たすもの(以下、「エチレン・α−オレフィン共重
合体」又は単に「共重合体」という)を主成分とするポ
リエチレン系樹脂材料からなる。
ピーク温度 本発明の前記共重合体は、その温度上昇溶離分別によっ
て得られる溶出曲線が特定の性状を有する。
mperature Rising Elution Fraction)とは、一度高温
でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体
表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで温度を連続又
は段階的に昇温して、溶出した成分(ポリマー)を回収
し、その濃度を連続的に検出して、その溶出成分の量と
溶出温度とを求める方法である。その溶出分率と溶出温
度によって描かれるグラフが溶出曲線であり、これによ
りポリマーの組成分布(分子量及び結晶性の分布)を測
定することができる。温度上昇溶離分別(TREF)の
測定方法及び装置等の詳細については、Journal of App
lied Polymer Science、第26巻、第4217〜423
1頁(1981年)に記載されている。
ポリマーの分子量及び結晶性の分布によって異なる。例
えばピークが1つの曲線、ピークが2つの曲線、ピーク
が3つの曲線等があり、さらにピークが2つの曲線には
溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピークの
方が溶出分率が大きい(ピークの高さが高い)場合、溶
出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピークの方
が溶出分率が小さい(ピークの高さが低い)場合等があ
る。
晶成分と高結晶成分とを少なくとも含むものであるか
ら、上記溶出曲線のピーク(溶出ピーク)を少なくとも
2つ有する。該ピークが2つの場合、溶出温度の高い方
のピークが高結晶成分の溶出ピークであり、溶出温度の
低い方が低結晶成分の溶出ピークである。
2つ有するものであれば特に制限はなく、例えば溶出ピ
ークを3つ以上有するものであってもよい。その場合、
その溶出ピークのうち溶出温度が最も高いものが高結晶
成分の溶出ピークであり、該高結晶成分の溶出ピークよ
り溶出温度の低いピークのうち、ピーク高さが最も高い
ものが低結晶成分の溶出ピークである。したがって、低
結晶成分の溶出ピークの溶出温度より低い温度領域で、
該低結晶成分の溶出ピークよりピーク高さの低いピーク
が存在していてもよく、また高結晶成分の溶出ピークと
低結晶成分の溶出ピークとの間に、該低結晶成分の溶出
ピークよりピーク高さの低いピークが存在していてもよ
い。また、低結晶成分の溶出ピークの溶出温度より低い
温度領域、及び高結晶成分の溶出ピークと低結晶成分の
溶出ピークとの間の温度領域の双方に、該低結晶成分の
溶出ピークよりピーク高さの低いピークが存在していて
もよい。
1にピークが2つの場合の溶出曲線を表し、図2にピー
クが3つの場合の溶出曲線を表す。図2の(a)には低
結晶成分の溶出ピークの溶出温度より低い温度領域で、
該低結晶成分の溶出ピークよりピーク高さの低いピーク
が存在する場合を表し、図2の(b)には高結晶成分の
溶出ピークと低結晶成分の溶出ピークとの間に、該低結
晶成分の溶出ピークよりピーク高さの低いピークが存在
する場合を表す。図中、1が高結晶成分の溶出ピークで
あり、2が低結晶成分の溶出ピークである。
成分の溶出ピーク温度が45〜85℃、好ましくは48
〜80℃である。該ピーク温度が上記範囲より大きい
と、柔軟性、透明性、耐ピンホール性、フィルム強度が
低下するので好ましくない。また、該ピーク温度が上記
範囲より小さいと、耐熱性が低下するので好ましくな
い。
る溶出曲線において、低結晶成分のピークの高さをHと
し、低結晶成分のピークと高結晶成分のピークとの間の
最小谷間の高さをMとしたとき、H/Mの値が9以上で
ある。ここで、最小谷間とは、低結晶成分の溶出ピーク
と高結晶成分の溶出ピークとの間に形成される谷間のう
ち高さが最小となる部分である。H/Mの値が9より小
さいと、透明性、耐ピンホール性、フィルム強度が低下
するので好ましくない。なお、図1及び図2にHとMを
示す。
る溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶出ピーク温
度以下の面積割合が35%以上である。前記面積割合が
35%より小さいと、柔軟性、透明性、耐ピンホール
性、フィルム強度が低下するので好ましくない。なお、
図1及び図2に低結晶成分の溶出ピーク温度以下の面積
部分を斜線で示す。
分、好ましくは0.1〜15g/10分、より好ましく
は0.1〜10g/10分である。ここでいうMFRは
JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に
準拠して測定した値である。該MFR値が上記範囲より
大きいと耐熱性、フィルム強度が低下し、フィルムの成
膜が不安定となるので好ましくない。一方、該MFRが
上記範囲より小さいと樹脂圧力が高くなり、押出性が低
下するので好ましくない。
ないが、好ましくは0.880〜0.925g/c
m3、より好ましくは0.885〜0.920g/cm
3、特に好ましくは0.885〜0.919g/cm3
である。密度がこの範囲であれば、柔軟性、耐ピンホー
ル性が良好であるので好ましい。なお、ここでいう密度
はJIS−K7112に準拠して測定された値である。
共重合体は、該物性(a)〜(d)を単独で満たすエチ
レン・α−オレフィン共重合体(すなわち上述した低結
晶成分と高結晶成分とを同時に有するエチレン・α−オ
レフィン共重合体)を単独で用いてもよいし、また、2
種以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を混合して
上記物性(a)〜(d)を満たすようにしてもよい。
チレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、該共重
合体は、好ましくはエチレン;100〜80モル%とコ
モノマーであるα−オレフィン;0〜20モル%とから
なるものである。例えば、分子量及び結晶性の分布を制
御する公知の方法として、重合温度やコモノマー量を調
節する方法を適宜採用することにより、所望の物性のポ
リマーを得ることができる。
は、エチレンから誘導される構成単位を主成分とするも
のであり、コモノマーとして用いられるα−オレフィン
は、炭素数3〜18の1−オレフィンである。1−オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘ
キセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げる
ことができる。かかるエチレン・α−オレフィン共重合
体の具体例としては、エチレン・1−ブテン共重合体、
エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オク
テン共重合体等が挙げられる。
フィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2種
類以上用いた多元系共重合体も好ましいものとして含ま
れる。具体例としては、エチレン・プロピレン・1−ブ
テン3元共重合体等が挙げられる。
合体を混合して上記物性(a)〜(d)を満たすように
する場合は、温度上昇溶離分別(TREF)溶出曲線に
おいて、溶出ピーク温度が45〜85℃のエチレン・α
−オレフィン共重合体(低結晶成分:成分A)と、それ
よりも溶出ピーク温度が高いエチレン・α−オレフィン
共重合体(高結晶成分:成分B)とを混合し、樹脂混合
物として用いることが好ましい。
分)及び成分B(高結晶成分)として用いられるエチレ
ン・α−オレフィン共重合体については、そのエチレン
とコモノマーとの比率及びコモノマーの種類は、各々上
述した物性(a)〜(d)を単独で満たすエチレン・α
−オレフィン共重合体の場合と同様である。
20g/10分、より好ましくは0.1〜15g/10
分であり、密度は好ましくは0.870〜0.925g
/cm3、より好ましくは0.880〜0.920g/
cm3である。MFRがこの範囲であれば、フィルム強
度、成膜安定性に優れるという利点を有し、密度がこの
範囲であれば、柔軟性、耐ピンホール性に優れるという
利点を有する。かかる成分Aの具体例としては、エチレ
ン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共
重合体等が挙げられる。
g/10分、より好ましくは0.5〜40g/10分で
あり、密度は好ましくは0.930〜0.970g/c
m3、より好ましくは0.935〜0.968g/cm
3である。MFRがこの範囲であれば成膜安定性が良好
であり、密度がこの範囲であれば耐熱性が良好である。
かかる成分Bの具体例としては、エチレン単独重合体、
エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。
比率は特に限定されないが、該樹脂混合物全量に対し、
成分Aを98〜55重量%、より好ましくは95〜60
重量%、成分Bを2〜45重量%、より好ましくは5〜
40重量%含有させるのが好ましい。
(単独で使用する場合の共重合体、及び樹脂混合物とす
る場合における成分A並びに成分B等の各成分を含む)
の製造方法については、上記物性を満たすものを製造し
うる限り、その重合方法や触媒について特に制限はな
い。
媒(担持又は非担持ハロゲン含有チタン化合物と有機ア
ルミニウム化合物の組合せに基づくもの)、フィリップ
ス型触媒(担持酸化クロム(Cr6+)に基づくも
の)、カミンスキー型触媒(担持又は非担持メタロセン
化合物と有機アルミニウム化合物、特にアルモキサンの
組合せに基づくもの)等が挙げられる。
58−19309号、特開昭59−95292号、特開
昭60−35005号、特開昭60−35006号、特
開昭60−35007号、特開昭60−35008号、
特開昭60−35009号、特開昭61−130314
号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特
許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,
055,438号明細書、および国際公開公報WO91
/04257号明細書等に記載されているメタロセン触
媒もしくはメタロセン/アルモキサン触媒、又は、例え
ば国際公開公報WO92/07123号明細書等に開示
されているようなメタロセン化合物と、該メタロセン化
合物と反応して安定なイオンとなる化合物とからなる触
媒を挙げることができる。
に溶出ピークをもつエチレン・α−オレフィン共重合体
(高結晶成分:成分B)は、上記条件を満たすものが得
られる限り触媒に制約はなく、どの触媒で重合されたも
のでも本発明の効果を発揮しうる。
・α−オレフィン共重合体(低結晶成分:成分A)は、
高結晶成分及び低結晶成分を含まない、比較的狭い組成
分布をもつものが好ましいので、特にカミンスキー型触
媒すなわち四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用
いたメタロセン系触媒を用いるのが好ましい。具体的に
は、モノ−、ジ−、又はトリ−シクロペンタジエニルも
しくは置換シクロペンタジエニル金属化合物等を挙げる
ことができる。
でのスラリー法、気相流動床法(例えば特開昭59−2
3011号公報に記載の方法)や溶液法、あるいは圧力
が200kg/cm2以上、重合温度が100℃以上で
の高圧バルク重合法等が挙げられる。
共重合体の具体的な製法については、単独で上記物性
(a)〜(d)を満たすエチレン・α−オレフィン共重
合体を用いる場合は、通常は該共重合体を1つの反応槽
で製造する方法が採用される。また、前記エチレン・α
−オレフィン共重合体として、上記成分A、成分B等の
2つ以上の成分の樹脂混合物を用いる場合は、各成分を
1つの反応槽で製造する方法、2つ以上の反応槽を連結
して各槽で各成分を各々重合し、連続的に上記物性
(a)〜(d)を満たす樹脂組成物を製造する方法、各
成分を各々別個に重合した後、通常の樹脂組成物の製造
方法と同様の方法に従って各成分を配合することによっ
て、上記物性(a)〜(d)を満たす樹脂混合物を製造
する方法等の種々の方法を採用することができる。
成分B(高結晶成分)とを、あらかじめドライブレンド
し、そのブレンド物をそのまま成形機のホッパーに投入
してもよい。また、そのブレンド物を押出機、ブラベン
ダーブラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブ
レンダー等を用いて溶融、混練し、通常用いられている
方法でペレット状とし、フィルムもしくはシートを製造
することもできる。
材料は、主成分である上記エチレン・α−オレフィン共
重合体のみからなるものであってもよいが、それに加
え、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、一
般に樹脂組成物用として用いられている補助添加成分を
必要に応じて配合することもできる。
ば、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、中和剤、熱安
定剤等を挙げることができる。前記酸化防止剤として
は、フェノール系、およびリン系酸化防止剤が好まし
い。
分Aと高温側に溶出ピークをもつ成分Bとの樹脂混合物
を用いる場合は、両成分の混合前、混合途中、あるいは
混合後に、両成分のいずれか一方、あるいは両方に上記
補助添加成分を配合することができる。
合体単独、もしくは低温側に溶出ピークをもつ成分Aと
高温側に溶出ピークをもつ成分Bとの樹脂混合物の総重
量に対して、本発明の効果が損なわれない範囲で、成形
時のバブル安定性を向上させ、かつ/もしくは透明性を
向上させるため、高圧法低密度ポリエチレン(HP−L
DPE)を3〜40重量%、もしくは/かつ、柔軟性を
付与するため、結晶性のエチレン・α−オレフィン共重
合体及び/又はEBR、EPR等のエチレン・α−オレ
フィンエラストマー、SEBS、HSBC等のスチレン
系エラストマー等のゴム系化合物を3〜75重量%配合
することもできる。
ましくは、(i)ポリプロピレン系樹脂、(ii)示差走
査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピークの
補外融解終了温度が110℃以上の高圧法低密度ポリエ
チレン、及び(iii)JIS−K7112に準拠して測
定された密度が0.920g/cm3以上のエチレンと
炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体、からな
る群から選ばれる樹脂材料が用いられる。
は、上記外層に用いられるポリプロピレン系樹脂の中か
ら選択することができる。前記(ii)示差走査熱量測定
法(DSC)によって得られる融解ピークの補外融解終
了温度が110℃以上の高圧法低密度ポリエチレンは、
そのMFRについては特に限定されないが、好ましくは
0.05〜100g/10分、より好ましくは0.1〜
80g/10分、特に好ましくは0.2〜70g/10
分である。ここでいうMFRはJIS−K7210(1
90℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値であ
る。該MFR値がこの範囲であれば、成膜が安定すると
いう利点を有する。また、密度は特に制限されないが、
好ましくは0.915〜0.940g/cm3、より好
ましくは0.920〜0.935g/cm3である。密
度がこの範囲であれば、耐熱性、柔軟性が優れるという
利点を有する。なお、ここでいう密度はJIS−K71
12に準拠して測定された値である。
3〜18のα−オレフィンとの共重合体としては、チー
グラー型触媒を用いて製造されたもの、カミンスキー型
触媒を用いて製造されたもの(上記中間層に用いられる
成分Bに相当するものを除く)、又は、上記中間層に使
用できるエチレン・α−オレフィン共重合体(単独で上
記物性(a)〜(d)を満たす場合の該共重合体、及び
成分Aと成分Bとを混合して上記物性(a)〜(d)を
満たすようにした樹脂混合物を含む)として挙げたもの
と同様の、上記物性(a)〜(d)を満たすエチレン・
α−オレフィン共重合体のうち、密度が0.920g/
cm3以上のものを挙げることができる。
いが、好ましくは0.05〜100g/10分、より好
ましくは0.1〜80g/10分、特に好ましくは0.
2〜70g/10分である。ここでいうMFRはJIS
−K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠し
て測定した値である。該MFR値がこの範囲であれば、
成膜が安定するという利点を有する。また、密度のより
好ましい範囲は0.915〜0.940g/cm3、特
に好ましくは0.920〜0.935g/cm 3であ
る。密度がこの範囲であれば、耐熱性、柔軟性、透明性
が優れるという利点を有する。なお、ここでいう密度は
JIS−K7112に準拠して測定された値である。
プロピレン・エチレンランダム共重合体、エチレン・1
−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、
高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。
は、該樹脂材料の総重量に対して、本発明の効果を損な
わない範囲で、成形時のバブル安定性を向上させ、かつ
/もしくは透明性を向上させるため、高圧法低密度ポリ
エチレン(HP−LDPE)を3〜40重量%、もしく
は/かつ柔軟性を付与するため、もしくは/かつ、層間
接着力を向上させるため、チーグラー型又はメタロセン
系触媒によって重合された結晶性のエチレン・α−オレ
フィン共重合体及び/又はEBR、EPR等のエチレン
・α−オレフィンエラストマー、SEBS、HSBC等
のスチレン系エラストマー等のゴム系化合物を3〜75
重量%配合することもできる。
で含むものであればよいが、上記外層、中間層及び内層
のほかに、かかる積層体に一般的に使用される各種層を
適宜必要に応じて設けることができる。具体的には、各
層の間に接着層やEVOH等のガスバリヤー層を設ける
ことができる。
冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ドラ
イラミネーション法、押出ラミネーション法等を採用す
ることができる。積層体は、通常チューブ状又はシート
状であり、これらを重ね合わせてヒートシールする等の
方法により、所定の形状・寸法に製袋し、注入口を取り
付けることによって、目的とする医療用袋を得ることが
できる。
7mm、より好ましくは0.15〜0.6mmである。
0.1mm未満では質量感が損なわれる。一方、0.7
mmを超えると柔軟性が不足気味となる。また、各層の
厚み割合は特に制限するものではないが、積層体に柔軟
性を十分付与するには、中間層の厚みを積層体全体の厚
みの50%以上、好ましくは60%以上、より好ましく
は98〜65%とするのがよく、内層の厚みは1〜30
%、外層の厚みは1〜20%とするのが好ましい。積層
体全体に対する内外層の厚み比がそれぞれ上記範囲を超
えると、積層体の柔軟性が不足気味となる。また、内外
層の厚みがそれぞれ0.01mm未満では、耐熱性が劣
る傾向にある。
袋等に使用することができる。医療用袋の具体的用途と
しては、輸液バッグ、体液や薬液等の注入、排出、保存
用等の容器、腹膜透析バッグ、人工透析バッグ等が挙げ
られる。食品包装用袋としては、レトルト食品用袋等が
挙げられる。
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、これらの実施例及び比較例における
樹脂の各種物性の測定、及び積層体の成形並びに評価
は、以下に示す方法によって実施した。 1.樹脂の物性の測定方法 (1)MFR エチレン・α−オレフィン共重合体及び高圧法低密度ポ
リエチレンのMFRについては、JIS−K7210
(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
ポリプロピレン系樹脂のMFRについては、JIS−K
6758(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測
定した。
の測定:本発明におけるTREFによる溶出曲線の測定
は、以下のようにして行った。測定装置としてクロス分
別装置(三菱化学株式会社製、CFC・T150A)を
使用し、附属の操作マニュアルの測定法に従って行っ
た。このクロス分別装置は、試料を、溶解温度の差を利
用して分別する温度上昇溶離分別(TREF)機構と、
分別された区分を更に分子サイズで分別するサイズ排除
クロマトグラフ(Size Chromatography:SEC)とを
オンラインで接続した装置である。
−オレフィン共重合体)を溶媒(o−ジクロロベンゼ
ン)を用いて濃度が4mg/mlとなるように、140
℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注
入した。以下の測定は、設定条件に従って自動的に行わ
れた。
は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム
(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4m
m、長さ150mmの装置附属のステンレス製カラム)
に0.4ml注入された。該サンプルは、1℃/分の速
度で140℃から0℃の温度まで冷却され、上記不活性
担体にコーティングされた。このとき、高結晶成分(結
晶しやすいもの)から低結晶成分(結晶しにくいもの)
の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。TR
EFカラムを0℃で更に30分間保持した後、0℃の温
度で溶解している成分2mlを、1ml/分の流速でT
REFカラムからSECカラム(昭和電工株式会社製、
AD80M・S、3本)へ注入した。SECで分子サイ
ズでの分別が行われている間に、TREFカラムでは次
の溶出温度(5℃)に昇温され、その温度に約30分間
保持された。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔
で行われた。溶出温度としては以下の温度が用いられ、
段階的に昇温された。
0,25,30,35,40,45,49,52,5
5,58,61,64,67,70,73,76,7
9,82,85,88,91,94,97,100,1
02,120,140℃。
された溶液について、装置附属の赤外分光光度計でポリ
マーの濃度に比例する吸光度を測定し(波長3.42μ
m、メチレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のク
ロマトグラムを得た。内蔵のデータ処理ソフトを用い、
上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムの
ベースラインを引き、演算処理した。各クロマトグラム
の面積が積分され、積分溶出曲線が計算された。また、
この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計
算された。計算結果の作図はプリンターに出力した。出
力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を10
0℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(溶出分率:全
積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量と
した)0.1当たり76.5mmで行った。
のピークを高結晶成分の溶出ピークとし、それより低温
側の最大ピークを低結晶成分の溶出ピークとした。ま
た、低温側のピーク高さをHとし、低結晶成分の溶出ピ
ークと高結晶成分の溶出ピークとの間の最小谷間の高さ
をMとして、H/Mの値を算出した。次いで、積分溶出
曲線より、全面積に対する低結晶成分の溶出ピーク温度
以下の面積割合を求めた。
測定した。
終了温度 熱プレスによって成形した100μmのフィルムから約
5mgの試料を秤量し、それをセイコー電子工業(株)
製RDC・220・DSC装置にセットし、170℃に
昇温して、その温度で5分間保持した後、降温速度10
℃/分で−10℃まで冷却した。次に、−10℃で1分
間保持した後、昇温速度10℃/分で170℃まで昇温
してDSC測定を行い、−10℃から170℃までのD
SC曲線を得た。JIS−K7121に準拠し、DSC
曲線の高温側のベースラインを低温側に延長した線と、
融解ピークの高温側の曲線に勾配が最大になる点で引い
た接線の交点の温度を補外融解終了温度とした。
イ径;100mmφ、ダイリップ;3mm、ダイス温
度;200℃)を用い、内外層厚み17.5μm、中間
層厚み315μm、折り径;160mmのチューブ状積
層体を成形した。
いほど、透明性が高く優れていることを意味する。
ン型オートグラフにセットしてタテ方向(フィルム又は
シートの引き取り方向)の引張弾性率を測定した。この
値が小さいほど、柔軟性があり、優れていることを意味
する。
形の治具(先端角度;0.25R、底辺径;15.6m
m、高さ;18.5mm)を取り付け、23℃の雰囲気
下、該円錐治具を50mm/分の速度で試料シートに突
き刺した。該シートが破れた(穴が空いた)ときの最大
強度を突き刺し強度とした。
140mm×140mmの大きさに切り出し、三方をヒ
ートシールして袋状にした。次いで、その中に純水を充
填し、もう一辺をヒートシールして密封した。このよう
にして得られたサンプル袋を、高温高圧調理殺菌試験機
((株)日阪製作所製、RCS・40RTGN型)の中
に入れたのち加圧し、121℃まで雰囲気温度を上昇さ
せて30分間121℃を保持した。その後、該サンプル
袋を試験機から取り出し、以下の基準で評価した。○の
評価を得たサンプルは、耐熱性があり、優れていること
を意味する。 ×:サンプル袋にしわが発生し、もしくは透明性が低下
した。 ○:サンプル袋にしわが発生せず、温度上昇前と後とで
外観に変化がない。
造)触媒の調製を、特開昭61−130314号公報に
記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビ
ス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコ
ニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファ
ー社製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1000モ
ル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶
液を調製した。次に、得られた触媒溶液を用い、以下の
方法で重合を行った。
ーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合
物を、1−ヘキセンの組成が83重量%となるように供
給し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、
105℃の温度で反応を行った。反応終了後、MFRが
2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温
度が55℃のエチレン・1−ヘキセン共重合体「PE−
1」を得た。
温度を変えた以外は上記と同様の兵法で触媒調製及び重
合を行い、MFRが2.2g/10分、TREFによる
溶出曲線のピーク温度が65℃のエチレン・1−ヘキセ
ン共重合体「PE−2」を得た。
して、エチレン含量が4.0モル%で、MFRが5.0
g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン
・エチレンランダム共重合体)を用いた。
「PE−1」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム
(株)製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、M
FR;7g/10分、密度;0.964g/cm3)を
任意の割合で配合し、ペレット化して得られたポリエチ
レン系樹脂組成物を用いた。なお、この樹脂組成物は、
TREFによる溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温
度;55℃、該溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の
ピーク温度以下の面積割合;56%、H/M;48、樹
脂組成物のMFR;2.5g/10分の、低結晶成分と
高結晶成分とを含む混合物である。
0モル%で、MFRが5.0g/10分のポリプロピレ
ン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重合体)を
用いた。
製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セット
し、上記条件で水冷インフレーション成形を行って厚さ
350μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に
示す。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。
−1」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、MFR;
7g/10分、密度;0.964g/cm3)を任意の
割合で配合し、ペレット化して得られた、TREFによ
る溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;55℃、該
溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピーク温度以下
の面積割合;56%、H/M;48、樹脂組成物のMF
R;2.5g/10分の、低結晶成分と高結晶成分とを
含む樹脂組成物を用いた。
された密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g
/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。こ
れら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷
インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水
冷インフレーション成形を行って厚さ350μmの積層
体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。
−1」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、MFR;
7g/10分、密度;0.964g/cm3)を任意の
割合で配合し、ペレット化して得られた、TREFによ
る溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;55℃、該
溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピーク温度以下
の面積割合;56%、H/M;48、樹脂組成物のMF
R;2.5g/10分の、低結晶成分と高結晶成分とを
含む樹脂組成物を用いた。
によって得られる融解ピークの補外融解終了温度が11
2℃、MFRが0.7g/10分の高圧法低密度ポリエ
チレンを用いた。
製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セット
し、上記条件で水冷インフレーション成形を行って厚さ
350μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に
示す。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。
−1」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、MFR;
7g/10分、密度;0.964g/cm3)を任意の
割合で配合し、ペレット化して得られた、TREFによ
る溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;55℃、該
溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピーク温度以下
の面積割合;45%、H/M;30、樹脂組成物のMF
R;3.1g/10分の、低結晶成分と高結晶成分とを
含む樹脂組成物を用いた。
された密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g
/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。こ
れら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷
インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水
冷インフレーション成形を行って厚さ350μmの積層
体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。
−2」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、MFR;
7g/10分、密度;0.964g/cm3)を任意の
割合で配合し、ペレット化して得られた、TREFによ
る溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;65℃、該
溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピーク温度以下
の面積割合;57%、H/M;46、樹脂組成物のMF
R;2.5g/10分の、低結晶成分と高結晶成分とを
含む樹脂組成物を用いた。
された密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g
/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。こ
れら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷
インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水
冷インフレーション成形を行って厚さ350μmの積層
体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。
−1」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、MFR;
7g/10分、密度;0.964g/cm3)を任意の
割合で配合し、ペレット化して得られた、TREFによ
る溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;55℃、該
溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピーク温度以下
の面積割合;30%、H/M;15、樹脂組成物のMF
R;4.4g/10分の、低結晶成分と高結晶成分とを
含む樹脂組成物を用いた。
された密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g
/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。こ
れら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷
インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水
冷インフレーション成形を行って厚さ350μmの積層
体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このもの
は、耐熱性は良好であるが、透明性、柔軟性、突き刺し
強度が劣り、好ましくない。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。中間層には、上記製造例で得られた
「PE−1」のみ(TREFによる溶出曲線の低結晶成
分の溶出ピーク温度;55℃、該溶出曲線の全面積に対
する低結晶成分のピーク温度以下の面積割合;65%)
を用いた。内層には、チーグラー型触媒を用いて製造さ
れた密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g/
10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。
製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セット
し、上記条件で水冷インフレーション成形を行って厚さ
350μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に
示す。このものは、透明性、柔軟性、突き刺し強度は良
好であるが、耐熱性が劣るので好ましくない。
含量が4.0モル%、MFRが5.0g/10分のポリ
プロピレン系樹脂(プロピレン・エチレンランダム共重
合体)を用いた。中間層には、上記製造例で得られた
「PE−2」のみ(TREFによる溶出曲線の低結晶成
分の溶出ピーク温度;65℃、該溶出曲線の全面積に対
する低結晶成分のピーク温度以下の面積割合;73%)
を用いた。内層には、チーグラー型触媒を用いて製造さ
れた密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g/
10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。
製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セット
し、上記条件で水冷インフレーション成形を行って厚さ
350μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に
示す。このものは、透明性、柔軟性、突き刺し強度は良
好であるが、耐熱性が劣るので好ましくない。
れた密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g/
10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。
−1」と、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名「ノバテックHD・HJ560」、MFR;
7g/10分、密度;0.964g/cm3)を任意の
割合で配合し、ペレット化して得られた、TREFによ
る溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;55℃、該
溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピーク温度以下
の面積割合;56%、H/M;48、樹脂組成物のMF
R;2.5g/10分の、低結晶成分と高結晶成分とを
含む樹脂組成物を用いた。
用いて製造された密度が0.921g/cm3、MFR
が1.1g/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を
用いた。これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3
種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上
記条件で水冷インフレーション成形を行って厚さ350
μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に示す。
このものは、透明性、柔軟性、突き刺し強度は良好であ
るが、耐熱性が劣るので好ましくない。
MFRが5.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体)を用いた。中間
層には、三井化学(株)製、商品名「ウルトゼックス1
020L」(TREFによる溶出曲線の低結晶成分の溶
出ピーク温度;66℃、該溶出曲線の全面積に対する低
結晶成分のピーク温度以下の面積割合;52%、H/
M;3.5、樹脂組成物のMFR;2g/10分を用い
た。
された密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g
/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。こ
れら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷
インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水
冷インフレーション成形を行って厚さ350μmの積層
体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このもの
は、透明性、柔軟性は良好であるが、耐熱性及び突き刺
し強度が劣る。
MFRが5.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体)を用いた。中間
層には、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム
(株)製、商品名「ノバテックLL・UF230」、T
REFによる溶出曲線の低結晶成分の溶出ピーク温度;
81℃、該溶出曲線の全面積に対する低結晶成分のピー
ク温度以下の面積割合;52%、H/M;1.2、樹脂
組成物のMFR;1.1g/10分を用いた。
された密度が0.921g/cm3、MFRが1.1g
/10分のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。こ
れら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷
インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水
冷インフレーション成形を行って厚さ350μmの積層
体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このもの
は、耐熱性は良好であるが、突き刺し強度、透明性、柔
軟性に劣る。
だけでなく、柔軟性及び透明性に著しく優れ、かつ耐熱
性、さらには輸送時等に問題となる耐ピンホール性(突
き刺し強度)についても優れている。よって、食品包装
用袋や医療用袋、特に輸液バッグ等の医療分野における
軟質容器として、好適に用いることができる。
す。
す。図2(a)は低結晶成分の溶出ピークの溶出温度よ
り低い温度領域で、該低結晶成分の溶出ピークよりピー
ク高さの低いピークが存在する場合を表す。図2(b)
は高結晶成分の溶出ピークと低結晶成分の溶出ピークと
の間に、該低結晶成分の溶出ピークよりピーク高さの低
いピークが存在する場合を表す。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも外層、中間層及び内層をこの
順で含む積層体において、前記外層がポリプロピレン系
樹脂からなり、前記中間層が低結晶成分と高結晶成分と
を含むエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの
共重合体であって、以下に示す物性(a)〜(d)をす
べて満たすものを主成分とするポリエチレン系樹脂材料
からなることを特徴とする、積層体。 (a)前記共重合体の温度上昇溶離分別によって得られ
る溶出曲線において、低結晶成分の溶出ピーク温度が4
5〜85℃であること。 (b)前記共重合体の温度上昇溶離分別によって得られ
る溶出曲線において、低結晶成分のピークの高さをHと
し、低結晶成分のピークと高結晶成分のピークとの間の
最小谷間の高さをMとしたとき、H/Mの値が9以上で
あること。 (c)前記共重合体の温度上昇溶離分別によって得られ
る溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶出ピーク温
度以下の面積割合が35%以上であること。 (d)前記共重合体のメルトフローレートが0.1〜2
0g/10分であること。 - 【請求項2】 前記内層が、ポリプロピレン系樹脂、示
差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピー
クの補外融解終了温度が110℃以上の高圧法低密度ポ
リエチレン、及び密度が0.920g/cm3以上のエ
チレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体
からなる群から選ばれる樹脂材料からなることを特徴と
する、請求項1記載の積層体。 - 【請求項3】 前記中間層を形成するエチレンと炭素数
3〜18のα−オレフィンとの共重合体の低結晶成分
が、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化
合物を用いて重合されたものである、請求項1又は2記
載の積層体。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体
からなることを特徴とする医療用袋。
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DE2000618498 DE60018498T2 (de) | 1999-04-01 | 2000-03-31 | Mehrschichtfolie und deren Verwendung als medizinischer Beutel |
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