JP2000239709A - 直接通電焼結法および焼結装置 - Google Patents
直接通電焼結法および焼結装置Info
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- JP2000239709A JP2000239709A JP11048968A JP4896899A JP2000239709A JP 2000239709 A JP2000239709 A JP 2000239709A JP 11048968 A JP11048968 A JP 11048968A JP 4896899 A JP4896899 A JP 4896899A JP 2000239709 A JP2000239709 A JP 2000239709A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 セラミックス、金属、カーボン及びこれらの
複合体の粉末よりなる成形体を焼結させる焼結法におい
て、再現性が高くかつ容易に成形体を焼結させることが
できる焼結法および焼結装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の直接通電焼結法は、被焼結体を
非導電性の型内で保持した状態で、この被焼結体に通電
させることで被焼結体を焼結させる通電焼結法におい
て、被焼結体を挟持する一対の電極体と、被焼結体の電
極体との当接面の少なくとも一つに発熱体が当接した状
態で電極体間に通電し、発熱体から発生する熱および/
または被焼結体から発生する熱により被焼結体を焼結さ
せることを特徴とする。本発明の直接通電焼結法は、被
焼結体と発熱体とを電気的に直列に配した状態で通電さ
せるため、被焼結体に流れる電流を制限できるため電流
の暴走現象を生じさせることなく、被焼結体を焼結させ
ることができる。
複合体の粉末よりなる成形体を焼結させる焼結法におい
て、再現性が高くかつ容易に成形体を焼結させることが
できる焼結法および焼結装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の直接通電焼結法は、被焼結体を
非導電性の型内で保持した状態で、この被焼結体に通電
させることで被焼結体を焼結させる通電焼結法におい
て、被焼結体を挟持する一対の電極体と、被焼結体の電
極体との当接面の少なくとも一つに発熱体が当接した状
態で電極体間に通電し、発熱体から発生する熱および/
または被焼結体から発生する熱により被焼結体を焼結さ
せることを特徴とする。本発明の直接通電焼結法は、被
焼結体と発熱体とを電気的に直列に配した状態で通電さ
せるため、被焼結体に流れる電流を制限できるため電流
の暴走現象を生じさせることなく、被焼結体を焼結させ
ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス、金
属、カーボン及びこれらの複合体を焼結させる焼結方法
および焼結装置に関する。
属、カーボン及びこれらの複合体を焼結させる焼結方法
および焼結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のセラミックス粉末、金属粉末およ
びこれらの複合粉末よりなる導電性を有する成形体は、
成形体を高温の炉内に配置して焼結させる方法や、加圧
して焼結させるホットプレス法などの方法により焼結さ
れていた。しかし、これらの方法では、成形体を焼結さ
せる時間が数時間から数十時間と長くなっているととも
に、少なくとも数kW〜数十kWもの電力を必要として
いた。
びこれらの複合粉末よりなる導電性を有する成形体は、
成形体を高温の炉内に配置して焼結させる方法や、加圧
して焼結させるホットプレス法などの方法により焼結さ
れていた。しかし、これらの方法では、成形体を焼結さ
せる時間が数時間から数十時間と長くなっているととも
に、少なくとも数kW〜数十kWもの電力を必要として
いた。
【0003】また、成形体を焼結させる他の焼結方法と
しては、通電焼結法をあげることができる。通電焼結法
は、成形体を型内で保持した状態で、被焼結体にパルス
状電力を通電することで焼結させる焼結法である。すな
わち、型に成形体を保持し、この成形体に通電すること
で、成形体にジュール熱を発生させ、このジュール熱で
成形体を焼結させる焼結法である。このとき、成形体を
保持する型が導電性である場合には、型にもパルス状電
力が流れ、型を発熱させ、その熱により成形体が焼結さ
れる。
しては、通電焼結法をあげることができる。通電焼結法
は、成形体を型内で保持した状態で、被焼結体にパルス
状電力を通電することで焼結させる焼結法である。すな
わち、型に成形体を保持し、この成形体に通電すること
で、成形体にジュール熱を発生させ、このジュール熱で
成形体を焼結させる焼結法である。このとき、成形体を
保持する型が導電性である場合には、型にもパルス状電
力が流れ、型を発熱させ、その熱により成形体が焼結さ
れる。
【0004】具体的には、通電焼結法は、図3に示され
るような装置により成形体を焼結させる焼結法である。
すなわち、セラミックス等よりなる複合体の成形体43
をカーボン製のダイス13に投入し、同じくカーボン製
の上パンチ23および下パンチ33の間に機械的荷重を
印加するとともに、この成形体43にパルス状の電力を
供給する。このとき、ダイス13および両パンチ23、
33とのはめ合いを精度よく行うことで、パルス状の電
力は主としてパンチ23、33からダイス13を通って
流れるため、パンチ23、33およびダイス13が発熱
し、成形体43を焼結させる。また、成形体43が電気
的に導電性である場合は、成形体43にもパルス電流が
流れるようになり、成形体43がジュール熱を発生する
ことでこの熱により焼結される。
るような装置により成形体を焼結させる焼結法である。
すなわち、セラミックス等よりなる複合体の成形体43
をカーボン製のダイス13に投入し、同じくカーボン製
の上パンチ23および下パンチ33の間に機械的荷重を
印加するとともに、この成形体43にパルス状の電力を
供給する。このとき、ダイス13および両パンチ23、
33とのはめ合いを精度よく行うことで、パルス状の電
力は主としてパンチ23、33からダイス13を通って
流れるため、パンチ23、33およびダイス13が発熱
し、成形体43を焼結させる。また、成形体43が電気
的に導電性である場合は、成形体43にもパルス電流が
流れるようになり、成形体43がジュール熱を発生する
ことでこの熱により焼結される。
【0005】この通電焼結法は、例えば、特開平5−1
304号、特開平5−24933号にも開示されてい
る。特開平5−1304号に記載の通電焼結法は、導電
性の型内に保持した成形体に直流のパルス電流を印加し
て、成形体の抵抗により生じるジュール熱により焼結さ
せる焼結法である。
304号、特開平5−24933号にも開示されてい
る。特開平5−1304号に記載の通電焼結法は、導電
性の型内に保持した成形体に直流のパルス電流を印加し
て、成形体の抵抗により生じるジュール熱により焼結さ
せる焼結法である。
【0006】また、特開平5−24933号に記載の通
電焼結法は、導電性の型内に保持した成形体の粉末試料
表面に放電することにより、粉末表面を活性化した後に
通電し、成形体の抵抗により生じるジュール熱により成
形体を焼結させる焼結法である。通電焼結法による焼結
は、焼結装置においてパンチとダイスの接触を良好に保
つことが困難であるとともに、パンチ間に供給される電
流が成形体およびダイスの両方あるいはどちらか一方に
流れるのかが特定できないため、再現性のある結果が得
られにくいという問題があった。
電焼結法は、導電性の型内に保持した成形体の粉末試料
表面に放電することにより、粉末表面を活性化した後に
通電し、成形体の抵抗により生じるジュール熱により成
形体を焼結させる焼結法である。通電焼結法による焼結
は、焼結装置においてパンチとダイスの接触を良好に保
つことが困難であるとともに、パンチ間に供給される電
流が成形体およびダイスの両方あるいはどちらか一方に
流れるのかが特定できないため、再現性のある結果が得
られにくいという問題があった。
【0007】さらに、従来の通電焼結法は、安定に電流
を流すために、あるいは複合体中に放電を生じさせるた
めに電力をパルス化させることが有効と言われている
が、電力をパルス化するためには特殊な電気回路が必要
となり、コストが余計に掛かっていた。また、試料が導
電性の高い金属粉末の成形体の場合には、成形体を絶縁
性の型に入れて、直接パルス状電力や通常の交流または
直流電流を成形体に流して、放電電力やジュール熱によ
り焼結を行わせる方法も知られている。(柳沢 平他、
放電焼結法に関する最近の研究、まてりあ、第33巻、
第12号(1994)1489〜1496)しかし、こ
の直接通電法は、金属のようにその抵抗の温度係数が正
で、かつ粉体の成形体が通電前にかなり緻密に成形され
ていないと、電流の暴走現象が生じ、良好な焼結体が得
られなかった。
を流すために、あるいは複合体中に放電を生じさせるた
めに電力をパルス化させることが有効と言われている
が、電力をパルス化するためには特殊な電気回路が必要
となり、コストが余計に掛かっていた。また、試料が導
電性の高い金属粉末の成形体の場合には、成形体を絶縁
性の型に入れて、直接パルス状電力や通常の交流または
直流電流を成形体に流して、放電電力やジュール熱によ
り焼結を行わせる方法も知られている。(柳沢 平他、
放電焼結法に関する最近の研究、まてりあ、第33巻、
第12号(1994)1489〜1496)しかし、こ
の直接通電法は、金属のようにその抵抗の温度係数が正
で、かつ粉体の成形体が通電前にかなり緻密に成形され
ていないと、電流の暴走現象が生じ、良好な焼結体が得
られなかった。
【0008】通電焼結法における電流の暴走現象を説明
する。一般的に、セラミックスを原子価制御法や還元処
理により導電性とした物質は、半導体的性質を示すとと
もに、その抵抗が温度の上昇とともに小さくなる負性抵
抗性を有する。このような負性抵抗性を有する物質に通
電すると、電流は抵抗の小さい部分に集中して流れるよ
うになる。電流が集中して流れると、電流が集中する部
分はジュール熱を発生して高温になる。そして、この高
温部の抵抗がますます小さくなり、ついには溶融を生
じ、時には爆発的に気化するようになる(このような現
象をブレークダウンと称する)。
する。一般的に、セラミックスを原子価制御法や還元処
理により導電性とした物質は、半導体的性質を示すとと
もに、その抵抗が温度の上昇とともに小さくなる負性抵
抗性を有する。このような負性抵抗性を有する物質に通
電すると、電流は抵抗の小さい部分に集中して流れるよ
うになる。電流が集中して流れると、電流が集中する部
分はジュール熱を発生して高温になる。そして、この高
温部の抵抗がますます小さくなり、ついには溶融を生
じ、時には爆発的に気化するようになる(このような現
象をブレークダウンと称する)。
【0009】また、被焼結体は、焼結前の状態が粉体あ
るいは圧粉体である。このような圧粉体の抵抗値は、粉
体あるいは圧粉体に電極体により加えられる圧力や粉体
あるいは圧粉体の密度に強く関係する。すなわち、一般
に圧粉体に加えられる圧力を大きくして、圧粉体の密度
を大きくすると、圧粉体の抵抗は小さくなる。このた
め、被焼結体の抵抗の温度係数が小さくても、焼結が進
むにつれて被焼結体の密度が大きくなるため、抵抗が小
さくなり、被焼結体にブレークダウンが生じることとな
る。
るいは圧粉体である。このような圧粉体の抵抗値は、粉
体あるいは圧粉体に電極体により加えられる圧力や粉体
あるいは圧粉体の密度に強く関係する。すなわち、一般
に圧粉体に加えられる圧力を大きくして、圧粉体の密度
を大きくすると、圧粉体の抵抗は小さくなる。このた
め、被焼結体の抵抗の温度係数が小さくても、焼結が進
むにつれて被焼結体の密度が大きくなるため、抵抗が小
さくなり、被焼結体にブレークダウンが生じることとな
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、セラミックス、金属、カーボ
ン及びこれらの複合体粉末よりなる成形体を焼結させる
焼結法において、再現性が高くかつ成形体を容易に焼結
させることができる焼結法および焼結装置を提供するこ
とを課題とする。
みてなされたものであり、セラミックス、金属、カーボ
ン及びこれらの複合体粉末よりなる成形体を焼結させる
焼結法において、再現性が高くかつ成形体を容易に焼結
させることができる焼結法および焼結装置を提供するこ
とを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者等は、成形体と発熱体とが接触した状態でこれ
らに通電し、発熱体を発熱させることにより成形体を焼
結させる直接通電焼結法および焼結装置を見出した。す
なわち、本発明の直接通電焼結法は、被焼結体を型内で
保持した状態で、被焼結体に通電させることで被焼結体
を焼結させる通電焼結法において、被焼結体を挟持する
一対の電極体と、被焼結体の電極体との当接面の少なく
とも一つに発熱体が当接した状態で電極体間に通電し、
発熱体から発生する熱および/または被焼結体から発生
する熱により被焼結体を焼結させることを特徴とする。
本発明者等は、成形体と発熱体とが接触した状態でこれ
らに通電し、発熱体を発熱させることにより成形体を焼
結させる直接通電焼結法および焼結装置を見出した。す
なわち、本発明の直接通電焼結法は、被焼結体を型内で
保持した状態で、被焼結体に通電させることで被焼結体
を焼結させる通電焼結法において、被焼結体を挟持する
一対の電極体と、被焼結体の電極体との当接面の少なく
とも一つに発熱体が当接した状態で電極体間に通電し、
発熱体から発生する熱および/または被焼結体から発生
する熱により被焼結体を焼結させることを特徴とする。
【0012】本発明の直接通電焼結法は、被焼結体と発
熱体とを電気的に直列に配した状態で通電させるため、
被焼結体に流れる電流を制限できるため電流の暴走現象
を生じさせることなく、被焼結体を焼結させることがで
きる。本発明の焼結装置は、貫通孔を区画する内壁面が
少なくとも非導電性であるダイスと、貫通孔の一方の開
口部から貫通孔内に挿入され、貫通孔内で被焼結体と当
接するとともに被焼結体に電流を供給する一方のパンチ
と、貫通孔の他方の開口部から被焼結体と当接するとと
もに被焼結体に電流を供給する他方のパンチと、一対の
パンチ間に電力を供給する電力供給手段と、各パンチと
被焼結体との少なくとも一方の間にもうけられる発熱体
と、を有することを特徴とする。
熱体とを電気的に直列に配した状態で通電させるため、
被焼結体に流れる電流を制限できるため電流の暴走現象
を生じさせることなく、被焼結体を焼結させることがで
きる。本発明の焼結装置は、貫通孔を区画する内壁面が
少なくとも非導電性であるダイスと、貫通孔の一方の開
口部から貫通孔内に挿入され、貫通孔内で被焼結体と当
接するとともに被焼結体に電流を供給する一方のパンチ
と、貫通孔の他方の開口部から被焼結体と当接するとと
もに被焼結体に電流を供給する他方のパンチと、一対の
パンチ間に電力を供給する電力供給手段と、各パンチと
被焼結体との少なくとも一方の間にもうけられる発熱体
と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】(直接通電焼結法)本発明の直接
通電焼結法は、被焼結体と発熱体とが当接した状態でこ
れらに通電し、被焼結体と発熱体とを流れる電流により
発熱体および被焼結体の双方を発熱させ、この発生した
熱により被焼結体を焼結させる焼結方法である。
通電焼結法は、被焼結体と発熱体とが当接した状態でこ
れらに通電し、被焼結体と発熱体とを流れる電流により
発熱体および被焼結体の双方を発熱させ、この発生した
熱により被焼結体を焼結させる焼結方法である。
【0014】被焼結体は、導電性を有する。また、被焼
結体は、一対の電極体に挟持された状態で保持される。
導電性の被焼結体が一対の電極体に挟持されることで、
両電極体と被焼結体とが電気的に直列に配置される。発
熱体は、被焼結体の電極体との当接面の少なくとも一つ
に、被焼結体と電気的に直列にもうけられる。発熱体を
電極体との当接面にもうけることで、発熱体は被焼結体
と電気的に直列に配置される。また、発熱体は、被焼結
体の電極体との一方の当接面に発熱体を配置するだけ
で、十分に被焼結体を焼結できる。しかし、このこと
は、電極体と被焼結体との両当接面に発熱体を配置する
ことを排除するものではない。
結体は、一対の電極体に挟持された状態で保持される。
導電性の被焼結体が一対の電極体に挟持されることで、
両電極体と被焼結体とが電気的に直列に配置される。発
熱体は、被焼結体の電極体との当接面の少なくとも一つ
に、被焼結体と電気的に直列にもうけられる。発熱体を
電極体との当接面にもうけることで、発熱体は被焼結体
と電気的に直列に配置される。また、発熱体は、被焼結
体の電極体との一方の当接面に発熱体を配置するだけ
で、十分に被焼結体を焼結できる。しかし、このこと
は、電極体と被焼結体との両当接面に発熱体を配置する
ことを排除するものではない。
【0015】被焼結体と発熱体とを電気的に直列に配す
ることで、被焼結体が電気的に暴走(ブレークダウン)
することを抑制できる。すなわち、電流が集中して流れ
ることで被焼結体にブレークダウンが生じているが、本
発明の直接通電焼結法は、被焼結体と直列に発熱体をも
うけることで、この発熱体の抵抗により被焼結体に流れ
る最大の電流が制限され、ブレークダウンが生じにくく
なる。
ることで、被焼結体が電気的に暴走(ブレークダウン)
することを抑制できる。すなわち、電流が集中して流れ
ることで被焼結体にブレークダウンが生じているが、本
発明の直接通電焼結法は、被焼結体と直列に発熱体をも
うけることで、この発熱体の抵抗により被焼結体に流れ
る最大の電流が制限され、ブレークダウンが生じにくく
なる。
【0016】また、発熱体から発生する熱を被焼結体に
伝えるようにしておくと、全体の熱効率が向上するのみ
でなく、発熱体から発生する熱によって被焼結体の温度
が均質化され、均質な焼結体が得られるようになる。被
焼結体と発熱体の抵抗値の関係は、上述したような発熱
体の作用により、被焼結体の抵抗の温度係数の大小や被
焼結体の圧粉のしやすさの程度により変化する。たとえ
ば、被焼結体の抵抗の温度係数が大きい場合には、焼結
初期における被焼結体の抵抗を発熱体の抵抗より大きく
しておく。こうすると、通電初期には被焼結体が主に発
熱するが、高温になるにつれて徐々に発熱体の発熱が大
きくなり、均質に焼結する。
伝えるようにしておくと、全体の熱効率が向上するのみ
でなく、発熱体から発生する熱によって被焼結体の温度
が均質化され、均質な焼結体が得られるようになる。被
焼結体と発熱体の抵抗値の関係は、上述したような発熱
体の作用により、被焼結体の抵抗の温度係数の大小や被
焼結体の圧粉のしやすさの程度により変化する。たとえ
ば、被焼結体の抵抗の温度係数が大きい場合には、焼結
初期における被焼結体の抵抗を発熱体の抵抗より大きく
しておく。こうすると、通電初期には被焼結体が主に発
熱するが、高温になるにつれて徐々に発熱体の発熱が大
きくなり、均質に焼結する。
【0017】さらに、圧粉体の抵抗には、いわゆる電圧
依存性がある。圧粉体よりなる被焼結体は、電圧依存性
を有することから、印加される電圧が高くなると、その
抵抗値が小さくなり、ブレークダウンが生じやすくな
る。このため、電圧依存性の高い被焼結体の場合におい
ては、被焼結体の初期の抵抗を発熱体のそれより大きく
しておくと、印加電圧の大部分が被焼結体に印加され、
加熱に十分な電流が流れる。そして、加熱されて被焼結
体の密度が大きくなっていくと、被焼結体の抵抗が小さ
くなる。被焼結体の抵抗が小さくなると、被焼結体に大
きな電流が流れやすくなるが、そうなると、電圧が主と
して発熱体に印加される。このため、ブレークダウンが
生じることなく均質に焼結できる。
依存性がある。圧粉体よりなる被焼結体は、電圧依存性
を有することから、印加される電圧が高くなると、その
抵抗値が小さくなり、ブレークダウンが生じやすくな
る。このため、電圧依存性の高い被焼結体の場合におい
ては、被焼結体の初期の抵抗を発熱体のそれより大きく
しておくと、印加電圧の大部分が被焼結体に印加され、
加熱に十分な電流が流れる。そして、加熱されて被焼結
体の密度が大きくなっていくと、被焼結体の抵抗が小さ
くなる。被焼結体の抵抗が小さくなると、被焼結体に大
きな電流が流れやすくなるが、そうなると、電圧が主と
して発熱体に印加される。このため、ブレークダウンが
生じることなく均質に焼結できる。
【0018】たとえば、被焼結体の抵抗の温度係数が小
さいとか、電圧依存性の小さい場合には、焼結の初期か
ら発熱体が主たるジュール熱の発生体となるように、発
熱体の抵抗を被焼結体の抵抗より大きくしておくことが
好ましい。このような被焼結体と発熱体との抵抗の大き
さの相互関係は、通電焼結させる装置の許容電圧や許容
電流にも影響されるので、一義的に決められるものでは
なく、均質な被焼結体が得られるように適宜選ぶことが
できる。
さいとか、電圧依存性の小さい場合には、焼結の初期か
ら発熱体が主たるジュール熱の発生体となるように、発
熱体の抵抗を被焼結体の抵抗より大きくしておくことが
好ましい。このような被焼結体と発熱体との抵抗の大き
さの相互関係は、通電焼結させる装置の許容電圧や許容
電流にも影響されるので、一義的に決められるものでは
なく、均質な被焼結体が得られるように適宜選ぶことが
できる。
【0019】被焼結体は、導電性を有する。被焼結体の
導電性は、結果として導電性を有していればよく、導電
性と絶縁性の物質の混合物であってもよい。すなわち、
金属等の導電性の粉末の成形体でも、カーボンや金属等
の導電性の粉末とセラミックス等の絶縁性の粉末との混
合粉末の成形体であってもよい。本発明の直接通電焼結
法において電極体間に印加される電流は、パルス状電
流、通常の交流、直流など、どのような電流でもよい。
導電性は、結果として導電性を有していればよく、導電
性と絶縁性の物質の混合物であってもよい。すなわち、
金属等の導電性の粉末の成形体でも、カーボンや金属等
の導電性の粉末とセラミックス等の絶縁性の粉末との混
合粉末の成形体であってもよい。本発明の直接通電焼結
法において電極体間に印加される電流は、パルス状電
流、通常の交流、直流など、どのような電流でもよい。
【0020】一対の電極体間に供給される電力は、発熱
体および被焼結体のみに電流が流れることが好ましい。
すなわち、電極体から供給される電力が発熱体および被
焼結体以外に流れることによる電力のロスを抑えるとと
もに、発熱体および被焼結体に流れる電流を制御できる
ようになり、被焼結体を焼結する再現性を向上させるこ
とができる。
体および被焼結体のみに電流が流れることが好ましい。
すなわち、電極体から供給される電力が発熱体および被
焼結体以外に流れることによる電力のロスを抑えるとと
もに、発熱体および被焼結体に流れる電流を制御できる
ようになり、被焼結体を焼結する再現性を向上させるこ
とができる。
【0021】発熱体および被焼結体のみに電流を流す方
法としては、たとえば、電気的に絶縁された内壁面を有
する型および一対の電極体を用いて、この型内で電極体
で軸方向に被焼結体を保持するとともにこの電極体を通
じて電流を印加して焼結させる方法がある。被焼結体と
発熱体は、反応防止体を介して当接していることが好ま
しい。すなわち、被焼結体と発熱体との間に反応防止体
を配することで、被焼結体が焼結する時に、被焼結体と
発熱体とが反応して固着することが防止できる。この反
応防止体は、被焼結体と発熱体との間に配置されるた
め、被焼結体に印加される電流をよく流すとともに、発
熱体の熱を被焼結体によく伝えることが求められてい
る。
法としては、たとえば、電気的に絶縁された内壁面を有
する型および一対の電極体を用いて、この型内で電極体
で軸方向に被焼結体を保持するとともにこの電極体を通
じて電流を印加して焼結させる方法がある。被焼結体と
発熱体は、反応防止体を介して当接していることが好ま
しい。すなわち、被焼結体と発熱体との間に反応防止体
を配することで、被焼結体が焼結する時に、被焼結体と
発熱体とが反応して固着することが防止できる。この反
応防止体は、被焼結体と発熱体との間に配置されるた
め、被焼結体に印加される電流をよく流すとともに、発
熱体の熱を被焼結体によく伝えることが求められてい
る。
【0022】このような特性を満たす材料としては、カ
ーボン、各種耐熱金属等をあげることができる。例え
ば、反応防止体としてカーボンを用いる形態としては、
カーボン板、カーボン粉末、カーボン紙等の形態をあげ
ることができる。発熱体は、SiCセラミックスよりな
ることが好ましい。SiCセラミックスは、所定の抵抗
値を有するとともに、焼結温度程度における耐熱性を有
することから、発熱体に有効である。
ーボン、各種耐熱金属等をあげることができる。例え
ば、反応防止体としてカーボンを用いる形態としては、
カーボン板、カーボン粉末、カーボン紙等の形態をあげ
ることができる。発熱体は、SiCセラミックスよりな
ることが好ましい。SiCセラミックスは、所定の抵抗
値を有するとともに、焼結温度程度における耐熱性を有
することから、発熱体に有効である。
【0023】(焼結装置)本発明の焼結装置は、ダイス
と、一方のパンチと、他方のパンチと、電力供給手段
と、発熱体と、を有することを特徴とする。ダイスは、
貫通孔を区画する内壁面が少なくとも非導電性である。
ダイスに形成された貫通孔は、その内部で被焼結体を通
電焼結させる。このとき、被焼結体だけに電流が流れる
ように、すなわち、発熱体や被焼結体からの電流がダイ
スに流れ込まないように、貫通孔は非導電性の内壁面を
有している。
と、一方のパンチと、他方のパンチと、電力供給手段
と、発熱体と、を有することを特徴とする。ダイスは、
貫通孔を区画する内壁面が少なくとも非導電性である。
ダイスに形成された貫通孔は、その内部で被焼結体を通
電焼結させる。このとき、被焼結体だけに電流が流れる
ように、すなわち、発熱体や被焼結体からの電流がダイ
スに流れ込まないように、貫通孔は非導電性の内壁面を
有している。
【0024】ダイスは、非導電性の内壁面を有していれ
ばよく、ダイス全体が非導電性の材質により形成されて
いなくてもよい。すなわち、従来の通電焼結法において
用いられていた導電性のダイスにおいて、貫通孔の内壁
面に非導電性の物質を付与したダイスとしてもよい。こ
の非導電性の材質としては、アルミナ、ムライト等のセ
ラミックス、ジルコニア、アルミナ、ガラス等の繊維の
成形体をあげることができ、好ましくはアルミナ、ムラ
イト等のセラミックスである。
ばよく、ダイス全体が非導電性の材質により形成されて
いなくてもよい。すなわち、従来の通電焼結法において
用いられていた導電性のダイスにおいて、貫通孔の内壁
面に非導電性の物質を付与したダイスとしてもよい。こ
の非導電性の材質としては、アルミナ、ムライト等のセ
ラミックス、ジルコニア、アルミナ、ガラス等の繊維の
成形体をあげることができ、好ましくはアルミナ、ムラ
イト等のセラミックスである。
【0025】一方のパンチは、貫通孔の一方の開口部か
ら貫通孔内に挿入され、貫通孔内で被焼結体と当接する
とともに被焼結体に電流を供給する。また、他方のパン
チは、貫通孔の他方の開口部から貫通孔内に挿入され、
貫通孔内で被焼結体と当接するとともに被焼結体に電流
を供給する。すなわち、一方のパンチと他方のパンチと
をダイスの貫通孔の両端側から挿入し、被焼結体を貫通
孔の内部で保持するとともに、この両パンチ間に電流を
流すことで被焼結体に通電し、焼結させる。この両パン
チを形成する材質としては、通常、黒鉛が用いられる。
ら貫通孔内に挿入され、貫通孔内で被焼結体と当接する
とともに被焼結体に電流を供給する。また、他方のパン
チは、貫通孔の他方の開口部から貫通孔内に挿入され、
貫通孔内で被焼結体と当接するとともに被焼結体に電流
を供給する。すなわち、一方のパンチと他方のパンチと
をダイスの貫通孔の両端側から挿入し、被焼結体を貫通
孔の内部で保持するとともに、この両パンチ間に電流を
流すことで被焼結体に通電し、焼結させる。この両パン
チを形成する材質としては、通常、黒鉛が用いられる。
【0026】電力供給手段は、一対のパンチ間に電力を
供給する手段である。発熱体は、各パンチと被焼結体と
の少なくとも一方の間にもうけられる。発熱体は、その
抵抗により電流を制限して供給するとともに、電力供給
手段から供給された電流によりジュール熱を発生させ、
この熱により、被焼結体を焼結させる部材である。
供給する手段である。発熱体は、各パンチと被焼結体と
の少なくとも一方の間にもうけられる。発熱体は、その
抵抗により電流を制限して供給するとともに、電力供給
手段から供給された電流によりジュール熱を発生させ、
この熱により、被焼結体を焼結させる部材である。
【0027】発熱体と被焼結体との抵抗の大きさの相互
関係は、被焼結体の抵抗の温度係数の大小や被焼結体の
圧粉のしやすさの程度により変化するとともに、通電焼
結させる装置の許容電圧や許容電流にも影響されるの
で、一義的に決められるものではなく、均質な被焼結体
が得られるように適宜選ぶことができる。発熱体は、S
iC質セラミックスよりなることが好ましい。SiC質
セラミックスは、所定の抵抗値を有するとともに、焼結
温度程度における耐熱性を有することから、発熱体に有
効である。
関係は、被焼結体の抵抗の温度係数の大小や被焼結体の
圧粉のしやすさの程度により変化するとともに、通電焼
結させる装置の許容電圧や許容電流にも影響されるの
で、一義的に決められるものではなく、均質な被焼結体
が得られるように適宜選ぶことができる。発熱体は、S
iC質セラミックスよりなることが好ましい。SiC質
セラミックスは、所定の抵抗値を有するとともに、焼結
温度程度における耐熱性を有することから、発熱体に有
効である。
【0028】被焼結体と発熱体との間に、反応防止体が
挟持されることが好ましい。すなわち、被焼結体と発熱
体との間に反応防止体を配することで、被焼結体が焼結
する時に、被焼結体と発熱体とが反応して固着すること
が防止できる。この反応防止体は、被焼結体と発熱体と
の間に配置されるため、被焼結体に印加される電流をよ
く流すとともに、発熱体より生じる熱を被焼結体によく
伝えることが求められている。
挟持されることが好ましい。すなわち、被焼結体と発熱
体との間に反応防止体を配することで、被焼結体が焼結
する時に、被焼結体と発熱体とが反応して固着すること
が防止できる。この反応防止体は、被焼結体と発熱体と
の間に配置されるため、被焼結体に印加される電流をよ
く流すとともに、発熱体より生じる熱を被焼結体によく
伝えることが求められている。
【0029】このような特性を満たす材料としては、カ
ーボン、各種耐熱金属等をあげることができる。例え
ば、反応防止体としてカーボンを用いる形態としては、
カーボン板、カーボン粉末、カーボン紙等の形態をあげ
ることができる。本発明の焼結装置は、発熱体と被焼結
体との間に測温用ブロックを配してもよい。被焼結体が
焼結する温度の測定および制御は、通常の熱電対や光高
温計により行うことができるが、温度の上昇が非常には
やいため、熱電対を用いる場合には、被焼結体の近傍に
配置する必要がある。このため、被焼結体と発熱体との
間に配置することが好ましい。
ーボン、各種耐熱金属等をあげることができる。例え
ば、反応防止体としてカーボンを用いる形態としては、
カーボン板、カーボン粉末、カーボン紙等の形態をあげ
ることができる。本発明の焼結装置は、発熱体と被焼結
体との間に測温用ブロックを配してもよい。被焼結体が
焼結する温度の測定および制御は、通常の熱電対や光高
温計により行うことができるが、温度の上昇が非常には
やいため、熱電対を用いる場合には、被焼結体の近傍に
配置する必要がある。このため、被焼結体と発熱体との
間に配置することが好ましい。
【0030】測温用ブロックは、その内部に温度測定手
段を有する熱伝導性および電気伝導性を有する部材によ
り形成される。測温用ブロックの材質としては、カーボ
ン、耐熱性金属等の材質をあげることができる。
段を有する熱伝導性および電気伝導性を有する部材によ
り形成される。測温用ブロックの材質としては、カーボ
ン、耐熱性金属等の材質をあげることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。 (焼結装置)実施例の焼結装置は、図1に示された構造
を有する焼結装置であり、ダイス11と、上パンチ21
と、下パンチ31と、発熱体61と、電力供給装置(図
示せず)と、を有する。ダイスの内壁面に電気絶縁性の
アルミナ質の絶縁壁を形成して、パンチとダイスとを電
気的に絶縁していることを特徴とする。
を有する焼結装置であり、ダイス11と、上パンチ21
と、下パンチ31と、発熱体61と、電力供給装置(図
示せず)と、を有する。ダイスの内壁面に電気絶縁性の
アルミナ質の絶縁壁を形成して、パンチとダイスとを電
気的に絶縁していることを特徴とする。
【0032】ダイス11は、その内部にアルミナ質の絶
縁管51からなる貫通孔を有する。この貫通孔は、直径
が16mmとなるように形成されている。また、ダイス
11は、絶縁管51以外は、黒鉛により形成されてい
る。上パンチ21および下パンチ31は、ダイス11に
形成された貫通孔に挿入できる円柱状の黒鉛棒であり、
円柱の太さが貫通孔の内径と一致する太さの16mmで
あった。この両パンチ21、31は、黒鉛により形成さ
れている。
縁管51からなる貫通孔を有する。この貫通孔は、直径
が16mmとなるように形成されている。また、ダイス
11は、絶縁管51以外は、黒鉛により形成されてい
る。上パンチ21および下パンチ31は、ダイス11に
形成された貫通孔に挿入できる円柱状の黒鉛棒であり、
円柱の太さが貫通孔の内径と一致する太さの16mmで
あった。この両パンチ21、31は、黒鉛により形成さ
れている。
【0033】発熱体61、61は、上パンチ21および
下パンチ31の貫通孔の内部における端面に当接するよ
うにダイス11の貫通孔内に配置されている。この発熱
体61は、SiC質セラミックスより形成された円板形
状をしており、その直径が16mm、厚さが5mmであ
った。電力供給装置(図示せず)は、上パンチ21およ
び下パンチ31と電気的に接続され、この両パンチ2
1、31を通じて成形体41および発熱体61に通電す
るための電流を供給する装置である。本実施例において
は、住友石炭鉱業(株)製のSPS装置(パルス通電焼
結装置)を用いた。ここで、この電力供給装置は、手動
あるいは自動で供給する電流を制御することができる。
下パンチ31の貫通孔の内部における端面に当接するよ
うにダイス11の貫通孔内に配置されている。この発熱
体61は、SiC質セラミックスより形成された円板形
状をしており、その直径が16mm、厚さが5mmであ
った。電力供給装置(図示せず)は、上パンチ21およ
び下パンチ31と電気的に接続され、この両パンチ2
1、31を通じて成形体41および発熱体61に通電す
るための電流を供給する装置である。本実施例において
は、住友石炭鉱業(株)製のSPS装置(パルス通電焼
結装置)を用いた。ここで、この電力供給装置は、手動
あるいは自動で供給する電流を制御することができる。
【0034】(使用方法)本実施例の焼結装置の具体的
な使用方法としては、まず、ダイス11の貫通孔内に下
パンチ31の先端部が挿入された状態で、下パンチ31
の先端面に当接するように発熱体61を配置する。この
状態で、貫通孔の下パンチ31の挿入されていない他方
の開口部から、成形体41を貫通孔内で発熱体61と当
接するように投入する。つづいて、開口部から発熱体6
1が成形体41と当接するように投入された後に、上パ
ンチ21を貫通孔に挿入して、この上パンチ21を下パ
ンチ31側に押圧し、この状態で電力供給装置から電流
を流して成形体41を焼結させる。
な使用方法としては、まず、ダイス11の貫通孔内に下
パンチ31の先端部が挿入された状態で、下パンチ31
の先端面に当接するように発熱体61を配置する。この
状態で、貫通孔の下パンチ31の挿入されていない他方
の開口部から、成形体41を貫通孔内で発熱体61と当
接するように投入する。つづいて、開口部から発熱体6
1が成形体41と当接するように投入された後に、上パ
ンチ21を貫通孔に挿入して、この上パンチ21を下パ
ンチ31側に押圧し、この状態で電力供給装置から電流
を流して成形体41を焼結させる。
【0035】(実施例1)実施例1は、TiO2-x粉末
成形体を焼結させた。高純度のTiO2粉末を水素雰囲
気中で4時間、1000℃に加熱して還元し、導電性の
TiO2-x粉末を調整した。このTiO2-x粉末の平均粒
径は、0.1μmであった。
成形体を焼結させた。高純度のTiO2粉末を水素雰囲
気中で4時間、1000℃に加熱して還元し、導電性の
TiO2-x粉末を調整した。このTiO2-x粉末の平均粒
径は、0.1μmであった。
【0036】この導電性のTiO2-x粉末に静水圧成形
を施し、直径16mm、厚さ4mmのペレット状成形体
を得た。この静水圧成形の成形圧力は、200MPaで
あり、成形体の相対密度は、55%であった。つづい
て、この成形体を本発明の直接通電焼結法により焼結さ
せた。ここで、焼結装置へは、成形体の厚さ方向の両端
面に、厚さが0.5mmの黒鉛シートを介してSiC質
発熱体を当接させるように投入した。 ダイスに投入さ
れた発熱体を有する成形体は、上パンチと下パンチとで
30MPaの圧力で加圧された状態で、手動で電流を制
御することで焼結された。電流の制御は、10分間で7
0Aにまで電流を上昇させ、その後この70Aで5分間
保持した。この焼結にかかった電力は、700Wであっ
た。
を施し、直径16mm、厚さ4mmのペレット状成形体
を得た。この静水圧成形の成形圧力は、200MPaで
あり、成形体の相対密度は、55%であった。つづい
て、この成形体を本発明の直接通電焼結法により焼結さ
せた。ここで、焼結装置へは、成形体の厚さ方向の両端
面に、厚さが0.5mmの黒鉛シートを介してSiC質
発熱体を当接させるように投入した。 ダイスに投入さ
れた発熱体を有する成形体は、上パンチと下パンチとで
30MPaの圧力で加圧された状態で、手動で電流を制
御することで焼結された。電流の制御は、10分間で7
0Aにまで電流を上昇させ、その後この70Aで5分間
保持した。この焼結にかかった電力は、700Wであっ
た。
【0037】ここで、電流を70Aで5分間保持した状
態での、焼結終了直前の上下パンチ間の全抵抗は0.1
5Ωであり、このうち、SiCよりなる発熱体の抵抗が
0.1Ω、成形体の抵抗が0.05Ωと推定された。本
実施例により得られた焼結体は、その密度を測定したと
ころ、3.99g/cm3であり、ほぼ緻密化している
ことがわかった。また、焼結体は、表面が黒色で十分に
焼結していた。また、焼結体は、その電気伝導性が保持
されていた。
態での、焼結終了直前の上下パンチ間の全抵抗は0.1
5Ωであり、このうち、SiCよりなる発熱体の抵抗が
0.1Ω、成形体の抵抗が0.05Ωと推定された。本
実施例により得られた焼結体は、その密度を測定したと
ころ、3.99g/cm3であり、ほぼ緻密化している
ことがわかった。また、焼結体は、表面が黒色で十分に
焼結していた。また、焼結体は、その電気伝導性が保持
されていた。
【0038】この焼結体に、大気中で1200℃、4時
間の加熱処理を施した。加熱処理後の焼結体は黄白色と
なった。また、その密度を測定したところ、4.20g
/cm3とTiO2の理論密度の4.26g/cm3とほ
ぼ同等の密度であった。さらに、加熱処理後の焼結体は
電気的に絶縁となっていた。 (実施例2)実施例2では、TiO2-x粉末成形体を多
孔体に焼結させた。
間の加熱処理を施した。加熱処理後の焼結体は黄白色と
なった。また、その密度を測定したところ、4.20g
/cm3とTiO2の理論密度の4.26g/cm3とほ
ぼ同等の密度であった。さらに、加熱処理後の焼結体は
電気的に絶縁となっていた。 (実施例2)実施例2では、TiO2-x粉末成形体を多
孔体に焼結させた。
【0039】まず、実施例1と同様の水素還元処理を施
して、導電性のTiO2-x粉末を調整した。このTiO
2-x粉末を実施例1と同様の手段により成形、焼結させ
た。ここで、焼結前の成形体は、その相対密度が55%
であった。また、焼結時に加えられる電流の制御は、1
0分間で45Aにまで電流を上昇させ、その後この45
Aで5分間保持することで行われた。
して、導電性のTiO2-x粉末を調整した。このTiO
2-x粉末を実施例1と同様の手段により成形、焼結させ
た。ここで、焼結前の成形体は、その相対密度が55%
であった。また、焼結時に加えられる電流の制御は、1
0分間で45Aにまで電流を上昇させ、その後この45
Aで5分間保持することで行われた。
【0040】なお、焼結終了直前の上下パンチ間の全抵
抗は約0.2Ωであり、このうち、SiCよりなる発熱
体の抵抗が0.1Ω、成形体の抵抗が0.1Ωと推定さ
れた。製造された焼結体は、黒色で、吸水性を有し、そ
のかさ密度が2.5g/cm 3(相対密度約60%)で
あった。この相対密度は、成形体の相対密度とよく似た
密度を有する焼結体であることがわかった。また、成形
体は指で触るだけでくずれるのに対し、焼結体は人力で
容易に破壊できないほどの強度を有していた。
抗は約0.2Ωであり、このうち、SiCよりなる発熱
体の抵抗が0.1Ω、成形体の抵抗が0.1Ωと推定さ
れた。製造された焼結体は、黒色で、吸水性を有し、そ
のかさ密度が2.5g/cm 3(相対密度約60%)で
あった。この相対密度は、成形体の相対密度とよく似た
密度を有する焼結体であることがわかった。また、成形
体は指で触るだけでくずれるのに対し、焼結体は人力で
容易に破壊できないほどの強度を有していた。
【0041】このため、本実施例のTiO2-x焼結体
は、多孔質であるにもかかわらず、強度が高い焼結体で
ある。 (実施例3)実施例3では、金属シリコン粉末とカーボ
ン粉末とからなる混合粉末よりなる成形体を焼結させ
た。
は、多孔質であるにもかかわらず、強度が高い焼結体で
ある。 (実施例3)実施例3では、金属シリコン粉末とカーボ
ン粉末とからなる混合粉末よりなる成形体を焼結させ
た。
【0042】まず、平均粒径が10μmの金属シリコン
粉末と平均粒径が0.05μmのカーボン粉末とを重量
比で90:10となるように秤量し、乾式で乳鉢を用い
て十分に混合した。この混合粉末に200MPaの静水
圧成形を施し、直径16mm、厚さ3mmのペレット状
成形体を得た。成形体の相対密度は、57%であった。
粉末と平均粒径が0.05μmのカーボン粉末とを重量
比で90:10となるように秤量し、乾式で乳鉢を用い
て十分に混合した。この混合粉末に200MPaの静水
圧成形を施し、直径16mm、厚さ3mmのペレット状
成形体を得た。成形体の相対密度は、57%であった。
【0043】つづいて、この成形体を直接通電焼結法に
より焼結させた。焼結は、図2の焼結装置により行われ
た。この焼結装置は、図1に示した焼結装置において、
発熱体62と下パンチ32の間に測温用ブロック72を
配置した焼結装置であり、この測温用ブロック72によ
り成形体42の加熱温度を測定できるようになってい
る。
より焼結させた。焼結は、図2の焼結装置により行われ
た。この焼結装置は、図1に示した焼結装置において、
発熱体62と下パンチ32の間に測温用ブロック72を
配置した焼結装置であり、この測温用ブロック72によ
り成形体42の加熱温度を測定できるようになってい
る。
【0044】測温用ブロック72は、黒鉛よりなる直径
16mmの円板であり、10mmの厚さを有し、その厚
さの中央に熱電対82が配置されている。成形体は、そ
の厚さ方向の両端面に、厚さが1mmのカーボン板を介
した状態で、SiC質抵抗体と当接するように投入され
た。ダイスに投入された成形体は、上パンチと下パンチ
とで30MPaの加圧力で加圧された状態で、手動で電
流を制御することで焼結された。
16mmの円板であり、10mmの厚さを有し、その厚
さの中央に熱電対82が配置されている。成形体は、そ
の厚さ方向の両端面に、厚さが1mmのカーボン板を介
した状態で、SiC質抵抗体と当接するように投入され
た。ダイスに投入された成形体は、上パンチと下パンチ
とで30MPaの加圧力で加圧された状態で、手動で電
流を制御することで焼結された。
【0045】焼結は、測温用ブロックにもうけられた熱
電対により測定された温度に基づいて、焼結のための電
力を供給した。ここで、焼結時の温度の制御は、100
℃/minで1400℃まで昇温し、この1400℃で
5分間保持した後に自然放冷した。1400℃で保持し
たときの、抵抗を電圧および電流から計算したところ、
全抵抗は0.1Ωであったため、発熱体の抵抗が約0.
1Ωであるのでシリコンとカーボンの複合体の抵抗は極
めて小さく、発熱体の熱により複合体は焼結したものと
考えられた。
電対により測定された温度に基づいて、焼結のための電
力を供給した。ここで、焼結時の温度の制御は、100
℃/minで1400℃まで昇温し、この1400℃で
5分間保持した後に自然放冷した。1400℃で保持し
たときの、抵抗を電圧および電流から計算したところ、
全抵抗は0.1Ωであったため、発熱体の抵抗が約0.
1Ωであるのでシリコンとカーボンの複合体の抵抗は極
めて小さく、発熱体の熱により複合体は焼結したものと
考えられた。
【0046】本実施例により得られた焼結体は、緻密で
吸水性はなかった。また、得られた焼結体をX線回折に
より、組成を確認したところ、シリコンと炭化ケイ素
(SiC)とが検出された。このSiCは、原料として
用いられたシリコンとカーボンとの反応生成物である。
吸水性はなかった。また、得られた焼結体をX線回折に
より、組成を確認したところ、シリコンと炭化ケイ素
(SiC)とが検出された。このSiCは、原料として
用いられたシリコンとカーボンとの反応生成物である。
【0047】
【発明の効果】本発明の直接通電焼結法は、被焼結体と
発熱体とを電気的に直列に配した状態で通電させるた
め、被焼結体に流れる電流を制限できるため電流の暴走
現象を生じさせることなく、被焼結体を焼結させること
ができる効果を有する。また、本発明の直接通電焼結法
は、極めて小さなエネルギーで、短時間に焼結させるこ
とができるため、焼結体の製造コストを大きく低減させ
ることができる。さらに、焼結させるために被焼結体に
供給される電流が、通常の交流あるいは直流の電流でよ
いため、電力をパルス化する必要もなく、電気回路も安
価となる。
発熱体とを電気的に直列に配した状態で通電させるた
め、被焼結体に流れる電流を制限できるため電流の暴走
現象を生じさせることなく、被焼結体を焼結させること
ができる効果を有する。また、本発明の直接通電焼結法
は、極めて小さなエネルギーで、短時間に焼結させるこ
とができるため、焼結体の製造コストを大きく低減させ
ることができる。さらに、焼結させるために被焼結体に
供給される電流が、通常の交流あるいは直流の電流でよ
いため、電力をパルス化する必要もなく、電気回路も安
価となる。
【図1】 本発明の実施例の焼結装置の図である。
【図2】 測温用ブロックを有する焼結装置の図であ
る。
る。
【図3】 従来の通電焼結法を示した図である。
11、12、13…ダイス 21、22、23…上パンチ 31、32、33…下パンチ 41、42、43…成形体 51、52…絶縁壁 61、62…発熱体 72…測温用ブロック 82…熱電対
フロントページの続き (72)発明者 マーティン リンダー 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 和田 重孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3K058 AA71 BA19 FA02 FA05 4K018 AA01 AB07 AD01 AD09 AD11 EA22
Claims (4)
- 【請求項1】 被焼結体を型内で保持した状態で、該被
焼結体に通電させることで該被焼結体を焼結させる通電
焼結法において、 該被焼結体を挟持する一対の電極体と、該被焼結体の該
電極体との当接面の少なくとも一つに発熱体が当接した
状態で該電極体間に通電し、該発熱体から発生する熱お
よび/または該被焼結体から発生する熱により該被焼結
体を焼結させることを特徴とする直接通電焼結法。 - 【請求項2】 貫通孔を区画する内壁面が少なくとも非
導電性であるダイスと、 該貫通孔の一方の開口部から該貫通孔内に挿入され、該
貫通孔内で被焼結体と当接するとともに該被焼結体に電
流を供給する一方のパンチと、 該貫通孔の他方の開口部から該被焼結体と当接するとと
もに該被焼結体に電流を供給する他方のパンチと、 一対の該パンチ間に電力を供給する電力供給手段と、 各該パンチと該被焼結体との少なくとも一方の間にもう
けられる発熱体と、を有することを特徴とする焼結装
置。 - 【請求項3】 前記発熱体は、SiC質セラミックスよ
りなる請求項2記載の焼結装置。 - 【請求項4】 前記被焼結体と前記発熱体との間に、反
応防止体が挟持される請求項2記載の焼結装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11048968A JP2000239709A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 直接通電焼結法および焼結装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11048968A JP2000239709A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 直接通電焼結法および焼結装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000239709A true JP2000239709A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12818087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11048968A Pending JP2000239709A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 直接通電焼結法および焼結装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000239709A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008044320A1 (fr) * | 2006-10-13 | 2008-04-17 | Mole's Act Co., Ltd. | Procédé de chauffage par conduction de pièces, procédé de production de corps liés, procédé de production de corps frittés, et dispositif de chauffage par conduction de pièces |
JP2012227447A (ja) * | 2011-04-21 | 2012-11-15 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 熱電変換材料およびその製造方法 |
WO2013121801A1 (ja) * | 2012-02-17 | 2013-08-22 | 独立行政法人科学技術振興機構 | マクロ多孔性チタン化合物モノリスとその製造方法 |
WO2019145498A1 (de) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | Siemens Aktiengesellschaft | Sinteraggregat und verfahren zum spark-plasma-sintern |
-
1999
- 1999-02-25 JP JP11048968A patent/JP2000239709A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008044320A1 (fr) * | 2006-10-13 | 2008-04-17 | Mole's Act Co., Ltd. | Procédé de chauffage par conduction de pièces, procédé de production de corps liés, procédé de production de corps frittés, et dispositif de chauffage par conduction de pièces |
JP2012227447A (ja) * | 2011-04-21 | 2012-11-15 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 熱電変換材料およびその製造方法 |
WO2013121801A1 (ja) * | 2012-02-17 | 2013-08-22 | 独立行政法人科学技術振興機構 | マクロ多孔性チタン化合物モノリスとその製造方法 |
JPWO2013121801A1 (ja) * | 2012-02-17 | 2015-05-11 | 独立行政法人科学技術振興機構 | マクロ多孔性チタン化合物モノリスとその製造方法 |
US9902623B2 (en) | 2012-02-17 | 2018-02-27 | Japan Science And Technology Agency | Macroporous titanium compound monolith and method for producing same |
WO2019145498A1 (de) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | Siemens Aktiengesellschaft | Sinteraggregat und verfahren zum spark-plasma-sintern |
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