JP2000229414A - インクジェットプリンタヘッドの製造方法 - Google Patents
インクジェットプリンタヘッドの製造方法Info
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- JP2000229414A JP2000229414A JP3364799A JP3364799A JP2000229414A JP 2000229414 A JP2000229414 A JP 2000229414A JP 3364799 A JP3364799 A JP 3364799A JP 3364799 A JP3364799 A JP 3364799A JP 2000229414 A JP2000229414 A JP 2000229414A
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- B41J2202/00—Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
- B41J2202/01—Embodiments of or processes related to ink-jet heads
- B41J2202/10—Finger type piezoelectric elements
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 多数並設された溝の内部に均一な密着力の強
いメッキを可能とすることである。 【解決手段】 板厚方向に分極した圧電部材17、18
又はこの圧電部材17、18とベース部材16とを一体
化して形成した基板19を設け、この基板19の表面側
に上部に開口するとともにその長さ方向の両端が閉塞し
た所定の深さおよび幅を有する複数の溝20を幅方向に
平行に形成し、これらの溝20の中央部にこれらの溝2
0と直交する方向に連通する凹部23を形成し、隣接す
る前記溝20を隔てる支柱22の少なくとも一部に無電
解メッキ法により電極24を形成し、前記基板19を前
記溝20と直交する方向に切断してヘッド基板を形成
し、前記溝20により形成された流路の上部を覆う天板
と前記溝20の正面部を覆うノズル板とを取り付けて前
記溝17、18と前記天板と前記ノズル板とにより囲ま
れた複数のインク室を形成して前記基板19から複数個
のインクジエットプリンタヘッドを形成するようにし
た。
いメッキを可能とすることである。 【解決手段】 板厚方向に分極した圧電部材17、18
又はこの圧電部材17、18とベース部材16とを一体
化して形成した基板19を設け、この基板19の表面側
に上部に開口するとともにその長さ方向の両端が閉塞し
た所定の深さおよび幅を有する複数の溝20を幅方向に
平行に形成し、これらの溝20の中央部にこれらの溝2
0と直交する方向に連通する凹部23を形成し、隣接す
る前記溝20を隔てる支柱22の少なくとも一部に無電
解メッキ法により電極24を形成し、前記基板19を前
記溝20と直交する方向に切断してヘッド基板を形成
し、前記溝20により形成された流路の上部を覆う天板
と前記溝20の正面部を覆うノズル板とを取り付けて前
記溝17、18と前記天板と前記ノズル板とにより囲ま
れた複数のインク室を形成して前記基板19から複数個
のインクジエットプリンタヘッドを形成するようにし
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電部材を利用し
たオンデマンド方式のインクジェットプリンタヘッドの
製造方法に関する。
たオンデマンド方式のインクジェットプリンタヘッドの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オンデマンド方式のインクジェッ
トプリンタヘッドとしては種々のものがあり、例えば特
開平8−281957号公報に開示されているように、
電力の印加に伴う圧電部材のシェアモード変形を利用し
てインク滴を吐出させるものが知られている。ここに示
されているプリンタヘッドを量産等で多数生産する場合
は、コスト削減の目的と流路を機械的な加工で形成する
目的とから一般的に第7図(c)に示すように、分極方向が
異なる二枚の圧電部材1、2とベース部材3とを積層し
て一体化することにより基板4を形成し、この基板4の
一面に平行に形成された多数の溝5による流路6を二列
設けている(図では4ヘッド分)。この基板4を用いて
のインクジェットプリンタヘッドの作製方法及び構造に
ついて図4、図7乃至図9に基づいて説明する。第7図
(a)に示すようにベース部材1の上に二層の圧電部材
2、3を分極方向が板厚方向とその逆になるように接着
することで三層構造の基板4を形成する。次に、第7図
(b),(c)に示すように研削加工により前記基板4に対し
て圧電部材3の表面から圧電部材2の内部に達する等間
隔で互いに平行なU字形の流路6および支柱7を形成す
る。そして、この基板4の表面に第7図(d)に示すよう
にドライフィルム8を貼り付けフォトプロセスによって
所定のパターンを形成し、これに無電解メッキによって
第8図に示すように流路6及び平面部に電極9、配線パ
ターン10を形成する。このようにして電極パターンが
形成された基板4に第9図に示すようにインク供給路1
1を予め形成してある天板12を接着してから、流路5
を構成する溝及び基板4の中央にあたるA−A’の部分
で切断することで4つに分割され、これに予めインク吐
出口13を形成してあるノズル板14を接着し、インク
供給管15を接続することで第4図に示すようなインク
ジェットプリンタヘッドが形成される。
トプリンタヘッドとしては種々のものがあり、例えば特
開平8−281957号公報に開示されているように、
電力の印加に伴う圧電部材のシェアモード変形を利用し
てインク滴を吐出させるものが知られている。ここに示
されているプリンタヘッドを量産等で多数生産する場合
は、コスト削減の目的と流路を機械的な加工で形成する
目的とから一般的に第7図(c)に示すように、分極方向が
異なる二枚の圧電部材1、2とベース部材3とを積層し
て一体化することにより基板4を形成し、この基板4の
一面に平行に形成された多数の溝5による流路6を二列
設けている(図では4ヘッド分)。この基板4を用いて
のインクジェットプリンタヘッドの作製方法及び構造に
ついて図4、図7乃至図9に基づいて説明する。第7図
(a)に示すようにベース部材1の上に二層の圧電部材
2、3を分極方向が板厚方向とその逆になるように接着
することで三層構造の基板4を形成する。次に、第7図
(b),(c)に示すように研削加工により前記基板4に対し
て圧電部材3の表面から圧電部材2の内部に達する等間
隔で互いに平行なU字形の流路6および支柱7を形成す
る。そして、この基板4の表面に第7図(d)に示すよう
にドライフィルム8を貼り付けフォトプロセスによって
所定のパターンを形成し、これに無電解メッキによって
第8図に示すように流路6及び平面部に電極9、配線パ
ターン10を形成する。このようにして電極パターンが
形成された基板4に第9図に示すようにインク供給路1
1を予め形成してある天板12を接着してから、流路5
を構成する溝及び基板4の中央にあたるA−A’の部分
で切断することで4つに分割され、これに予めインク吐
出口13を形成してあるノズル板14を接着し、インク
供給管15を接続することで第4図に示すようなインク
ジェットプリンタヘッドが形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した基板
4に無電解メッキで電極9を形成する工程では、メッキ
する基板4の表面に凹凸を形成してメッキ層の密着性を
高めることが行われている。しかしながら、エッチング
および触媒核を付けるための前処理液やメッキ液が、流
路6の底部で滞留して置換が十分に行われないため、流
路6の上部のメッキ膜に比べて底部のメッキ膜は密着力
が弱くてその膜厚が薄い状態になる。そして、この基板
4を両端が長さ方向に閉塞された溝5からなる流路6の
中央で分割する際に、密着力の弱い流路6の底部におい
てメッキ膜の浮きや剥がれが生じ、インクの吐出特性に
大きな影響を及ぼすという問題があった。
4に無電解メッキで電極9を形成する工程では、メッキ
する基板4の表面に凹凸を形成してメッキ層の密着性を
高めることが行われている。しかしながら、エッチング
および触媒核を付けるための前処理液やメッキ液が、流
路6の底部で滞留して置換が十分に行われないため、流
路6の上部のメッキ膜に比べて底部のメッキ膜は密着力
が弱くてその膜厚が薄い状態になる。そして、この基板
4を両端が長さ方向に閉塞された溝5からなる流路6の
中央で分割する際に、密着力の弱い流路6の底部におい
てメッキ膜の浮きや剥がれが生じ、インクの吐出特性に
大きな影響を及ぼすという問題があった。
【0004】本発明は、上述のような課題を解決し、溝
5の内部に密着力が均一で強いメッキ層を形成すること
を可能にするインクジェットプリンタヘッドの製造方法
を提供することを目的とする。
5の内部に密着力が均一で強いメッキ層を形成すること
を可能にするインクジェットプリンタヘッドの製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
板厚方向に分極した圧電部材又はこの圧電部材とベース
部材とを一体化して形成した基板を設け、この基板の表
面側に上部に開口するとともにその長さ方向の両端が閉
塞した所定の深さおよび幅を有する複数の溝を幅方向に
平行に形成し、これらの溝の中央部にこれらの溝と直交
する方向に連通する凹部を形成し、隣接する前記溝を隔
てる支柱の側壁に無電解メッキ法により電極を形成し、
前記基板を前記溝と直交する方向に切断してヘッド基板
を形成し、前記溝により形成された流路の上部を覆う天
板と前記溝の正面部を覆うノズル板とを前記ヘッド基板
に取り付けて前記溝と前記天板と前記ノズル板とにより
囲まれた複数のインク室を形成して前記基板から複数個
のインクジエットプリンタヘッドを形成するようにした
ものである。
板厚方向に分極した圧電部材又はこの圧電部材とベース
部材とを一体化して形成した基板を設け、この基板の表
面側に上部に開口するとともにその長さ方向の両端が閉
塞した所定の深さおよび幅を有する複数の溝を幅方向に
平行に形成し、これらの溝の中央部にこれらの溝と直交
する方向に連通する凹部を形成し、隣接する前記溝を隔
てる支柱の側壁に無電解メッキ法により電極を形成し、
前記基板を前記溝と直交する方向に切断してヘッド基板
を形成し、前記溝により形成された流路の上部を覆う天
板と前記溝の正面部を覆うノズル板とを前記ヘッド基板
に取り付けて前記溝と前記天板と前記ノズル板とにより
囲まれた複数のインク室を形成して前記基板から複数個
のインクジエットプリンタヘッドを形成するようにした
ものである。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、凹部の溝幅を0.4mm以上としたもので
ある。
明において、凹部の溝幅を0.4mm以上としたもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1乃至
図5に基づいて説明する。インクジェットプリンタヘッ
ドを作製する工程は、基本的に従来と略同じであるが、
次に順を追って詳細に示す。まず、図1(a)に示すよう
にセラミックスからなるベース部材16の上に二層の圧
電部材17、18を、その分極方向が矢印のように逆向
きとなるよう接着することで三層構造の基板19を形成
する。次に、前記基板19に対して研削加工を施すこと
により、図1(b)〜(d)に示すよう圧電部材18の表面か
ら圧電部材17の内部に達すると共に互いに平行な複数
の溝20による流路21と支柱22とを複数列(図示の
ものでは2列)形成し、さらに、溝20の中央部にこれ
と直交する方向に流路21より深い溝状の凹部23を形
成する。ここでは、基板19の厚さを1.5mm、溝2
0の幅を70μm、深さを300μm、凹部23の深さ
を0.5mmとし、幅を0(従来)〜1mmまで0.2m
mずつ変えた6種類の基板19を用意した。次に、これ
らの基板19に無電解メッキ法により電極24の形成を
行う。先ず、洗浄した基板19にラミネータを用いて図
2(a)、(b)に示すように圧電部材18の表面にドライフ
ィルム25を貼り付け、フォトマスク26を用いて露
光,現像処理することで図2(c)に示すようなレジスト
パターン27を形成する。レジストであるドライフィル
ム25は、光が当たったところが硬化するので、凹部2
3の部分が遮光されるようなフォトマスク26であれば
現像時に除去される。次に、無電解メッキ法の前処理と
して圧電部材17、18におけるレジストパターン27
に覆われていない部分に対してSnの吸着とエッチング
をSnF2+HFの溶液に所定時間攪拌しながら浸漬さ
せるセンシタイジング処理と、AgNO3の溶液に所定
時間攪拌しながら浸漬させることでSnとAgの置換反
応によりAgを吸着させる一段階目のアクチベーション
処理と、PdCl2+HClの溶液に所定時間攪拌しな
がら浸漬させることでAgとPdの置換反応によりPd
を吸着させる二段階目のアクチベーション処理とを行
う。そして、無電解ニッケルメッキの触媒核となるPd
が吸着した基板のレジストパターン27をNaOH溶液
で除去する。次に、導電性が良好なNi−Bメッキ液、
耐蝕性が良好なNi−Pメッキ液に連続して浸漬し、平
面部の膜厚が2μmとなる二層構造の電極24を形成す
る。ここで、各メッキ槽に基板19を浸漬させる際に
は、発生する水素ガスの除去と流路21内へのメッキ液
の置換が行われるように、基板19に振動を与えると共
に垂直方向からメッキ液の噴射を行っている。このよう
にして電極24が形成された図2(d)に示すような基板
19に対して、図3に示すようにインク供給路28を予
め形成してある天板29を接着してからA−A’の部分
で切断することで4つに分割され、これに予めインク吐
出口30を形成してあるノズル板31を接着し、インク
供給管(図示せず)を接続することで図4に示すような
インクジェットプリンタヘッド33が完成する。尚、凹
部23の幅が広い基板19を分割する際には、幅の広い
ブレードを用いて切断した。ここで、溝20内に形成さ
れた電極24の膜厚分布は、前処理液及びメッキ液の置
換性に起因するので密着性の良否もこれに対応し、基板
19を4分割する際のメッキ膜の浮きや剥がれに関係
し、インクの吐出特性に大きな影響を及ぼす。そこで、
各溝幅に対する基板19を分割した際の切断面から見た
溝20内面のニッケルメッキ膜の膜厚及び浮き・剥がれ
を調べたところ、図5に示すような結果となった。図中
の縦軸の比率は、溝20の上部の膜厚を1としたときの
溝20の底部にける膜厚を表したものであり、奥部の溝
幅が0である従来構造の基板では半分以下の0.4であ
るのに対し、0.2mmで0.72、0.4mmで94、
0.6mmで0.96、0.8mmでは1と凹部23の溝
幅が広くなるに従って膜厚分布が改善され、0.4mm
以上で流路21内にほぼ均一なメッキ膜が形成されてい
るとみなすことができる。また、凹部23の溝幅が0.
2mm以下では、メッキ膜の浮きや剥がれが観察される
のに対して、0.4mm以上ではそうしたものもなく密
着性が良好であると判断できる。尚、本実施例において
は、溝20、凹部23を形成した後にドライフィルム2
5でレジストパターン27を形成しているが、平面状の
基板19に液体レジストでパターンを形成した後に、そ
のパターンに合わせて溝20、凹部23を形成してもよ
い。また、本実施の形態においては二層の圧電部材1
7、18を有する基板19を用いたインクジェットプリ
ンタヘッド33としたが、本発明を適用できる基板19
としては、少なくとも一枚の圧電部材17又は18を使
用したものであればよく、樹脂で形成した下層部の上に
圧電部材17又は18を積層したものや、これとは逆に
圧電部材17又は18の上に樹脂で形成した上層部を積
層した基板19であってもよい。
図5に基づいて説明する。インクジェットプリンタヘッ
ドを作製する工程は、基本的に従来と略同じであるが、
次に順を追って詳細に示す。まず、図1(a)に示すよう
にセラミックスからなるベース部材16の上に二層の圧
電部材17、18を、その分極方向が矢印のように逆向
きとなるよう接着することで三層構造の基板19を形成
する。次に、前記基板19に対して研削加工を施すこと
により、図1(b)〜(d)に示すよう圧電部材18の表面か
ら圧電部材17の内部に達すると共に互いに平行な複数
の溝20による流路21と支柱22とを複数列(図示の
ものでは2列)形成し、さらに、溝20の中央部にこれ
と直交する方向に流路21より深い溝状の凹部23を形
成する。ここでは、基板19の厚さを1.5mm、溝2
0の幅を70μm、深さを300μm、凹部23の深さ
を0.5mmとし、幅を0(従来)〜1mmまで0.2m
mずつ変えた6種類の基板19を用意した。次に、これ
らの基板19に無電解メッキ法により電極24の形成を
行う。先ず、洗浄した基板19にラミネータを用いて図
2(a)、(b)に示すように圧電部材18の表面にドライフ
ィルム25を貼り付け、フォトマスク26を用いて露
光,現像処理することで図2(c)に示すようなレジスト
パターン27を形成する。レジストであるドライフィル
ム25は、光が当たったところが硬化するので、凹部2
3の部分が遮光されるようなフォトマスク26であれば
現像時に除去される。次に、無電解メッキ法の前処理と
して圧電部材17、18におけるレジストパターン27
に覆われていない部分に対してSnの吸着とエッチング
をSnF2+HFの溶液に所定時間攪拌しながら浸漬さ
せるセンシタイジング処理と、AgNO3の溶液に所定
時間攪拌しながら浸漬させることでSnとAgの置換反
応によりAgを吸着させる一段階目のアクチベーション
処理と、PdCl2+HClの溶液に所定時間攪拌しな
がら浸漬させることでAgとPdの置換反応によりPd
を吸着させる二段階目のアクチベーション処理とを行
う。そして、無電解ニッケルメッキの触媒核となるPd
が吸着した基板のレジストパターン27をNaOH溶液
で除去する。次に、導電性が良好なNi−Bメッキ液、
耐蝕性が良好なNi−Pメッキ液に連続して浸漬し、平
面部の膜厚が2μmとなる二層構造の電極24を形成す
る。ここで、各メッキ槽に基板19を浸漬させる際に
は、発生する水素ガスの除去と流路21内へのメッキ液
の置換が行われるように、基板19に振動を与えると共
に垂直方向からメッキ液の噴射を行っている。このよう
にして電極24が形成された図2(d)に示すような基板
19に対して、図3に示すようにインク供給路28を予
め形成してある天板29を接着してからA−A’の部分
で切断することで4つに分割され、これに予めインク吐
出口30を形成してあるノズル板31を接着し、インク
供給管(図示せず)を接続することで図4に示すような
インクジェットプリンタヘッド33が完成する。尚、凹
部23の幅が広い基板19を分割する際には、幅の広い
ブレードを用いて切断した。ここで、溝20内に形成さ
れた電極24の膜厚分布は、前処理液及びメッキ液の置
換性に起因するので密着性の良否もこれに対応し、基板
19を4分割する際のメッキ膜の浮きや剥がれに関係
し、インクの吐出特性に大きな影響を及ぼす。そこで、
各溝幅に対する基板19を分割した際の切断面から見た
溝20内面のニッケルメッキ膜の膜厚及び浮き・剥がれ
を調べたところ、図5に示すような結果となった。図中
の縦軸の比率は、溝20の上部の膜厚を1としたときの
溝20の底部にける膜厚を表したものであり、奥部の溝
幅が0である従来構造の基板では半分以下の0.4であ
るのに対し、0.2mmで0.72、0.4mmで94、
0.6mmで0.96、0.8mmでは1と凹部23の溝
幅が広くなるに従って膜厚分布が改善され、0.4mm
以上で流路21内にほぼ均一なメッキ膜が形成されてい
るとみなすことができる。また、凹部23の溝幅が0.
2mm以下では、メッキ膜の浮きや剥がれが観察される
のに対して、0.4mm以上ではそうしたものもなく密
着性が良好であると判断できる。尚、本実施例において
は、溝20、凹部23を形成した後にドライフィルム2
5でレジストパターン27を形成しているが、平面状の
基板19に液体レジストでパターンを形成した後に、そ
のパターンに合わせて溝20、凹部23を形成してもよ
い。また、本実施の形態においては二層の圧電部材1
7、18を有する基板19を用いたインクジェットプリ
ンタヘッド33としたが、本発明を適用できる基板19
としては、少なくとも一枚の圧電部材17又は18を使
用したものであればよく、樹脂で形成した下層部の上に
圧電部材17又は18を積層したものや、これとは逆に
圧電部材17又は18の上に樹脂で形成した上層部を積
層した基板19であってもよい。
【0008】前述の実施の形態におけるインクジェット
プリンタヘッド33において用いた基板19について、
溝幅50〜120、深さ250〜500μmの範囲につ
いてメッキ膜の形成について同様な試作を行ない、確認
を行ったが、前述したようなデメンジョンにおける基板
19と同様な結果が得られた。また、凹部23の深さ
は、前記の0.5mmで行なったが、少なくとも溝20
の深さ以上であれば、同様な結果が得られた。
プリンタヘッド33において用いた基板19について、
溝幅50〜120、深さ250〜500μmの範囲につ
いてメッキ膜の形成について同様な試作を行ない、確認
を行ったが、前述したようなデメンジョンにおける基板
19と同様な結果が得られた。また、凹部23の深さ
は、前記の0.5mmで行なったが、少なくとも溝20
の深さ以上であれば、同様な結果が得られた。
【0009】つぎに、図6に基いて本発明の他の実施の
形態を説明する。本実施の形態は、アルミナ基板等によ
る二枚のベース板材34、35を積層してベース基板3
6を形成し、このベース基板36の一面に二条の溝37
を形成する。そして、この溝37内に二枚の圧電部材3
8、39を積層したものを埋め込んで接着剤で接着固定
して基板40を形成する。このように形成した基板40
の前記圧電部材38、39の部分に前述の溝20と同様
な多数の溝41を形成し、かつ、前記圧電部材38、3
9の中心に前記溝41と直交する方向に凹部42を形成
する。
形態を説明する。本実施の形態は、アルミナ基板等によ
る二枚のベース板材34、35を積層してベース基板3
6を形成し、このベース基板36の一面に二条の溝37
を形成する。そして、この溝37内に二枚の圧電部材3
8、39を積層したものを埋め込んで接着剤で接着固定
して基板40を形成する。このように形成した基板40
の前記圧電部材38、39の部分に前述の溝20と同様
な多数の溝41を形成し、かつ、前記圧電部材38、3
9の中心に前記溝41と直交する方向に凹部42を形成
する。
【0010】このように形成した状態は、前述の実施の
形態における図1(c)と同じ形状となり、その後の電極
24の形成その他の工程は、同様に行われる。そのた
め、圧電部材38、39は、平板状のものを積層する形
式のみならず、埋め込みにより形成することも可能であ
る。従って、高価な圧電部材38、39の使用量を少な
くすることができてコストダウンを図ることができる。
形態における図1(c)と同じ形状となり、その後の電極
24の形成その他の工程は、同様に行われる。そのた
め、圧電部材38、39は、平板状のものを積層する形
式のみならず、埋め込みにより形成することも可能であ
る。従って、高価な圧電部材38、39の使用量を少な
くすることができてコストダウンを図ることができる。
【0011】また、上記の各実施の形態は、インクジエ
ットプリントヘッド33についての一例を示したが、同
様に微細な溝部を有し、特に溝幅方向より深さが大きい
部材にメッキを行う場合にも同様な方法で実施すること
ができる。
ットプリントヘッド33についての一例を示したが、同
様に微細な溝部を有し、特に溝幅方向より深さが大きい
部材にメッキを行う場合にも同様な方法で実施すること
ができる。
【0012】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、板厚方向に分極
した圧電部材又はこの圧電部材とベース部材とを一体化
して形成した基板を設け、この基板の表面側に上部に開
口するとともにその長さ方向の両端が閉塞した所定の深
さおよび幅を有する複数の溝を幅方向に平行に形成し、
これらの溝の中央部にこれらの溝と直交する方向に連通
する凹部を形成し、隣接する前記溝を隔てる支柱の側壁
に無電解メッキ法により電極を形成し、前記基板を前記
溝と直交する方向に切断してヘッド基板を形成し、前記
溝により形成された流路の上部を覆う天板と前記溝の正
面部を覆うノズル板とを前記ヘッド基板に取り付けて前
記溝と前記天板と前記ノズル板とにより囲まれた複数の
インク室を形成して前記基板から複数個のインクジエッ
トプリンタヘッドを形成するようにしたので、溝が解放
されているのと同様の作用、すなわち、エッチング液や
前処理液およびメッキ液が流路の底部でも十分に置換さ
れ、密着力や膜厚が均一な電極を形成することができ、
インクの吐出特性が安定したインクジェットプリンタヘ
ッドを提供することができ、また、電極形成や天板接着
といったヘッドに分割する前までの多数個取りの基板単
位で工程を進めていくことができるため、工数の削減に
も寄与するという効果を有する。
した圧電部材又はこの圧電部材とベース部材とを一体化
して形成した基板を設け、この基板の表面側に上部に開
口するとともにその長さ方向の両端が閉塞した所定の深
さおよび幅を有する複数の溝を幅方向に平行に形成し、
これらの溝の中央部にこれらの溝と直交する方向に連通
する凹部を形成し、隣接する前記溝を隔てる支柱の側壁
に無電解メッキ法により電極を形成し、前記基板を前記
溝と直交する方向に切断してヘッド基板を形成し、前記
溝により形成された流路の上部を覆う天板と前記溝の正
面部を覆うノズル板とを前記ヘッド基板に取り付けて前
記溝と前記天板と前記ノズル板とにより囲まれた複数の
インク室を形成して前記基板から複数個のインクジエッ
トプリンタヘッドを形成するようにしたので、溝が解放
されているのと同様の作用、すなわち、エッチング液や
前処理液およびメッキ液が流路の底部でも十分に置換さ
れ、密着力や膜厚が均一な電極を形成することができ、
インクの吐出特性が安定したインクジェットプリンタヘ
ッドを提供することができ、また、電極形成や天板接着
といったヘッドに分割する前までの多数個取りの基板単
位で工程を進めていくことができるため、工数の削減に
も寄与するという効果を有する。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、凹部の溝幅を0.4mm以上としたので、
溝が解放されているのと同様の作用、すなわち、エッチ
ング液や前処理液およびメッキ液が流路の底部でも十分
に置換され、密着力や膜厚が均一な電極を形成すること
ができるという効果を有する。
明において、凹部の溝幅を0.4mm以上としたので、
溝が解放されているのと同様の作用、すなわち、エッチ
ング液や前処理液およびメッキ液が流路の底部でも十分
に置換され、密着力や膜厚が均一な電極を形成すること
ができるという効果を有する。
【図1】本発明の一実施の形態を示すもので、(a)はベ
ース部材と圧電部材とを積層した側面図、(b)は溝を形
成した状態の側面図、(c)は凹部を形成した状態の側面
図、(d)は上面側から見た斜視図である。
ース部材と圧電部材とを積層した側面図、(b)は溝を形
成した状態の側面図、(c)は凹部を形成した状態の側面
図、(d)は上面側から見た斜視図である。
【図2】電極形成工程を示すもので、(a)は基板にドラ
イフィルムを貼り付けた状態の側面図、(b)はフォトマ
スクを用いて露光している状態を示す斜視図、(c)はレ
ジストパターンが形成された状態の斜視図、(d)は電極
が形成された状態の斜視図である。
イフィルムを貼り付けた状態の側面図、(b)はフォトマ
スクを用いて露光している状態を示す斜視図、(c)はレ
ジストパターンが形成された状態の斜視図、(d)は電極
が形成された状態の斜視図である。
【図3】天板を接着した状態であり、かつ、切断位置を
示す一部を切り欠いた側面図である。
示す一部を切り欠いた側面図である。
【図4】一部を切り欠いたインクジェットプリンタヘッ
ドの斜視図である。
ドの斜視図である。
【図5】溝の幅に対してメッキ層の浮きや剥がれが発生
する割合を示したグラフである。
する割合を示したグラフである。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す側面図である。
【図7】従来のインクジェットプリンタヘッドの製造工
程の一例を示すもので、(a)はベース部材と圧電部材と
を積層した側面図、(b)は溝を形成した状態の側面図、
(c)はドライフィルムを貼り付けた状態の斜視図、(d)は
その側面図である。
程の一例を示すもので、(a)はベース部材と圧電部材と
を積層した側面図、(b)は溝を形成した状態の側面図、
(c)はドライフィルムを貼り付けた状態の斜視図、(d)は
その側面図である。
【図8】電極が形成された状態の斜視図である。
【図9】天板を接着した状態であり、かつ、切断位置を
示す一部を切り欠いた側面図である。
示す一部を切り欠いた側面図である。
16 ベース部材 17 圧電部材 18 圧電部材 19 基板 20 溝 21 流路 22 支柱 23 凹部 29 天板 31 ノズル板 33 インクジェットプリンタヘッド
Claims (2)
- 【請求項1】 板厚方向に分極した圧電部材又はこの圧
電部材とベース部材とを一体化して形成した基板を設
け、この基板の表面側に上部に開口するとともにその長
さ方向の両端が閉塞した所定の深さおよび幅を有する複
数の溝を幅方向に平行に形成し、これらの溝の中央部に
これらの溝と直交する方向に連通する凹部を形成し、隣
接する前記溝を隔てる支柱の側壁に無電解メッキ法によ
り電極を形成し、前記基板を前記溝と直交する方向に切
断してヘッド基板を形成し、前記溝により形成された流
路の上部を覆う天板と前記溝の正面部を覆うノズル板と
を前記ヘッド基板に取り付けて前記溝と前記天板と前記
ノズル板とにより囲まれた複数のインク室を形成して前
記基板から複数個のインクジエットプリンタヘッドを形
成するようにしたことを特徴とするインクジェットプリ
ンタヘッドの製造方法。 - 【請求項2】 凹部の溝幅を0.4mm以上としたこと
を特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタヘ
ッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3364799A JP2000229414A (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | インクジェットプリンタヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3364799A JP2000229414A (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | インクジェットプリンタヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000229414A true JP2000229414A (ja) | 2000-08-22 |
Family
ID=12392253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3364799A Pending JP2000229414A (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | インクジェットプリンタヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000229414A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004001368A (ja) * | 2002-04-16 | 2004-01-08 | Sii Printek Inc | ヘッドチップ及びその製造方法 |
JP2006341469A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェットヘッドの製造方法 |
JP2009113501A (ja) * | 2002-04-16 | 2009-05-28 | Sii Printek Inc | ヘッドチップ及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-02-12 JP JP3364799A patent/JP2000229414A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004001368A (ja) * | 2002-04-16 | 2004-01-08 | Sii Printek Inc | ヘッドチップ及びその製造方法 |
JP2009113501A (ja) * | 2002-04-16 | 2009-05-28 | Sii Printek Inc | ヘッドチップ及びその製造方法 |
JP2006341469A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェットヘッドの製造方法 |
JP4613704B2 (ja) * | 2005-06-08 | 2011-01-19 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | インクジェットヘッドの製造方法 |
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