JP2000228243A

JP2000228243A - 防水ケースの通気構造

Info

Publication number: JP2000228243A
Application number: JP11029450A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Nakamura; 哲也中村; Toru Sakuma; 亨佐久間; Nobuhiro Takano; 展裕高野; Yasuo Ito; 康男伊藤
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 1999-02-08
Filing date: 1999-02-08
Publication date: 2000-08-15

Abstract

(57)【要約】【課題】防水ケース内とコネクタの内部の双方を大気
と連通させて、吸水によるコネクタ内部のショートと回
路基板のショートの両方を防止する。【解決手段】ワイヤハーネス１９のコネクタ２０に
は、該コネクタ２０の内部を大気に連通するための複数
の通気孔２３を形成し、その通気孔２３には、通気性と
防水性とを兼ね備えた撥水フィルタ２４を溶着等により
組み付ける。一方、防水ケース１１内に収納された回路
基板１６のコネクタ１７には、ワイヤハーネス１９のコ
ネクタ２０の内部と防水ケース１１の内部を連通させる
１個又は複数個の連通孔２５を形成する。これにより、
防水ケース１１内とコネクタ２０の内部の双方をコネク
タ２０，１７の通気孔２３と連通孔２５によって大気と
連通させて、負圧による吸水を防止でき、コネクタ２０
内部のショートと回路基板１６のショートの両方を防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、防水ケースの内部
を大気に連通させた防水ケースの通気構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来より、自動車のエンジン電子制御回
路は、雨水や湿気から保護するために防水ケース内に収
納するようにしている。この防水ケースは、エンジンル
ーム内に配置されるため、比較的大きな温度変化にさら
される。従って、防水ケースを完全な密閉構造にする
と、温度変化によって防水ケースの内圧が変化して、防
水ケースの内圧と大気圧との間に圧力差が生じる。この
圧力差が大きくなると、防水ケースが変形してシール部
の防水性が低下するおそれがあり、それによって、シー
ル部から水分が防水ケース内に浸入して回路基板にショ
ート等の故障が発生するおそれがある。

【０００３】そこで、防水ケースに大気に連通する通気
孔を形成することで、防水ケース内を大気圧と同一に保
つようにしたものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、防水ケース
の一側面部に、該防水ケース内に収容した回路基板のコ
ネクタを貫通固定し、該回路基板のコネクタにワイヤハ
ーネスのコネクタを差し込み接続するようにしている。
このワイヤハーネスのコネクタと防水ケースとの間はゴ
ムパッキン等でシールされるため、コネクタの接続部が
密閉状態となる。このため、温度変化によってコネクタ
の接続部の内部と大気圧との間に気圧差が生じる。

【０００５】特に、防水ケースが配置されるエンジンル
ーム内の温度は、走行中に約１００℃程度まで上昇する
ため、エンジンルーム内が高温の状態で洗車を行うと、
洗浄水によってエンジンルーム内の温度が急激に低下し
てコネクタ内部の温度も急激に低下し、コネクタ内部が
大気圧に対して負圧になることがある。この負圧が大き
くなると、ワイヤハーネスを通してコネクタ内部に水分
を吸入してしまうおそれがあり、その吸水によってコネ
クタ内部でショートが発生するおそれがある。要する
に、上記従来構造では、防水ケースの通気孔を通して防
水ケース内を大気圧と同一に保つことができるが、コネ
クタ内部は、温度変化によって大気圧との間に気圧差が
生じてしまい、吸水によるショートが発生するおそれが
ある。

【０００６】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、コネクタ内部と防水
ケース内とが大気圧に対して負圧になることを防止で
き、吸水によるコネクタ内部のショートと回路基板のシ
ョートの両方を防止できる防水ケースの通気構造を提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１の防水ケースの通気構造は、回路
基板のコネクタに差し込み接続する外部のコネクタに、
該コネクタの内部を大気に連通させる通気孔を形成する
と共に、該回路基板のコネクタに、外部のコネクタの内
部と防水ケースの内部を連通させる連通孔を形成したも
のである。この通気構造では、外部のコネクタの内部
が、該コネクタに形成された通気孔を通して大気に連通
されているため、温度変化によらず、外部のコネクタの
内部が大気圧と同一に保たれ、外部のコネクタの内部に
気圧差による吸水が生じることが防止され、コネクタ内
部の端子間のショートが防止される。更に、防水ケース
の内部が、回路基板のコネクタに形成された連通孔と外
部のコネクタの通気孔を通して大気に連通されているた
め、温度変化によらず、防水ケースの内部も大気圧と同
一に保たれ、防水ケース内への水分の浸入が防止され、
防水ケース内の回路基板のショートが防止される。

【０００８】ところで、防水ケースは、収容する回路基
板のサイズ、形状、種類に応じて設計されるため、種々
のサイズ、形状、材質の防水ケースが存在するが、コネ
クタは、異なるサイズ、形状、材質の防水ケースに対し
ても共通のコネクタが用いられることが多い。従って、
本発明のように、共通部品化された２つのコネクタに通
気孔と連通孔を形成した方が、種類の多い防水ケースに
通気孔を形成する場合と比較して、安いコストで防水ケ
ースに通気性を持たせることができ、低コスト化の要求
も満たすことができる。

【０００９】この場合、請求項２のように、外部のコネ
クタの通気孔に、通気性と防水性とを兼ね備えた撥水フ
ィルタを設けることが好ましい。このようにすれば、外
部のコネクタの通気孔からの水分の浸入を撥水フィルタ
によって確実に防止できる。但し、本発明は、撥水フィ
ルタを設けた構成に限定されず、通気孔の形状を水分が
浸入しにくい形状としたり、或は、通気孔の位置を水分
が浸入しにくい位置に設けることで、通気孔からの水分
の浸入を防止するようにしても良い。

【００１０】また、請求項３のように、外部のコネクタ
に複数の通気孔を形成しても良い。このようにすれば、
１つの通気孔のみで通気性を確保する場合と比較して、
各通気孔の孔径を小さくできるため、各通気孔に異物が
入り込みにくくなると共に、万一、１つの通気孔が異物
で孔詰まりしても、他の通気孔で通気性を確実に確保で
き、耐久性を向上できる。

【００１１】また、請求項４のように、通気孔をコネク
タの端子の貫通方向と同じ方向に貫通するように形成す
ると良い。このようにすれば、コネクタの成形を簡単な
２分割型で行うことができ、コネクタの成形コストを低
減できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態（１）を
図１乃至図３に基づいて説明する。図１及び図３に示す
防水ケース１１は、ケース本体１２と、その下面開口部
を塞ぐカバー１３とから構成され、このカバー１３に形
成された係合片１４を、ケース本体１２に形成された被
係合部１５に係合させることで、カバー１３がケース本
体１２に固定されている。この防水ケース１１内には、
エンジン電子制御回路等を実装した回路基板１６が収納
されている。この回路基板１６には、オス型のコネクタ
１７が横向きに設けられ、このコネクタ１７がケース本
体１２の側面部に形成されたコネクタ嵌合部１８に内側
から嵌合固定されている。

【００１３】一方、防水ケース１１内のエンジン電子制
御回路に接続する信号線や電源線となるワイヤハーネス
１９の先端部には、樹脂製のメス型のコネクタ２０が設
けられている。このワイヤハーネス１９のコネクタ２０
を防水ケース１１のコネクタ嵌合部１８に外側から嵌め
込むことで、ワイヤハーネス１９のコネクタ２０の端子
２１を回路基板１６のコネクタ１７の端子２２に差し込
み接続するようになっている。ワイヤハーネス１９のコ
ネクタ２０と防水ケース１１のコネクタ嵌合部１８との
間は、ゴムパッキン（図示せず）等によりシールされて
いる。

【００１４】２つのコネクタ１７，２０は、共にハウジ
ング部が樹脂により形成され、更に、ワイヤハーネス１
９のコネクタ２０には、該コネクタ２０の内部を大気に
連通するための複数の通気孔２３が該コネクタ２０の端
子２１の貫通方向と同じ方向に貫通するように形成され
ている。これら複数の通気孔２３には、通気性と防水性
とを兼ね備えた撥水フィルタ２４が内側から溶着等によ
り組み付けられている。この撥水フィルタ２４は、例え
ばポリテトラフロロエチレンの多孔質構造体によって形
成されている。

【００１５】一方、回路基板１６のコネクタ１７には、
ワイヤハーネス１９のコネクタ２０の内部と防水ケース
１１の内部を連通させる１個又は複数個の連通孔２５が
端子２２の向きと同方向に貫通するように形成されてい
る。更に、ワイヤハーネス１９のコネクタ２０と回路基
板１６のコネクタ１７との間に形成されるコネクタ２０
内部の空間全体が連通孔２５に連通するように形成され
ている。換言すれば、コネクタ２０内部の空間が分離さ
れた複数の密閉空間とならないように形成されている。

【００１６】以上説明した実施形態（１）によれば、ワ
イヤハーネス１９のコネクタ２０の内部が、該コネクタ
２０に形成された通気孔２３を通して大気に連通されて
いるため、温度変化によらず、ワイヤハーネス１９のコ
ネクタ２０の内部が大気圧と同一に保たれ、該コネクタ
２０の内部に気圧差による吸水が生じることが防止さ
れ、コネクタ２０内部の端子２１間のショートが防止さ
れる。更に、防水ケース１１の内部が、回路基板１６の
コネクタ１７の連通孔２５と、ワイヤハーネス１９のコ
ネクタ２０の通気孔２３とによって大気に連通されてい
るため、温度変化によらず、防水ケース１１の内部も大
気圧と同一に保たれ、防水ケース１１内への水分の浸入
が防止され、防水ケース１１内の回路基板１６のショー
トが防止される。

【００１７】しかも、共通部品化された２つのコネクタ
２０，１７に通気孔２３と連通孔２５を形成するため、
サイズ、形状、材質の異なる種々の防水ケース１１に通
気孔を形成する場合と比較して、安いコストで防水ケー
ス１１に通気性を持たせることができ、低コスト化の要
求も満たすことができる。

【００１８】更に、ワイヤハーネス１９のコネクタ２０
の通気孔２３に撥水フィルタ２４を設けたので、該コネ
クタ２０の通気孔２３からの水分の浸入を撥水フィルタ
２４によって確実に防止することができる。しかも、コ
ネクタ２０は樹脂で形成されているため、撥水フィルタ
２４を溶着により簡単に組み付けることができる利点も
ある（防水ケース１１がアルミ等の金属で形成されてい
ると、仮に防水ケース１１に通気孔を形成しても、撥水
フィルタを溶着することは困難である）。

【００１９】但し、本発明は、撥水フィルタ２４を設け
た構成に限定されず、通気孔２３の形状を水分が浸入し
にくい形状としたり、或は、通気孔２３の位置を水分が
浸入しにくい位置に設けることで、通気孔２３からの水
分の浸入を防止するようにしても良く、この場合には、
撥水フィルタを設けなくても良い。

【００２０】また、上記実施形態（１）では、ワイヤハ
ーネス１９のコネクタ２０に複数の通気孔２３を形成し
たので、１つの通気孔のみで通気性を確保する場合と比
較して、各通気孔２３の孔径を小さくできる。このた
め、各通気孔２３に異物が入り込みにくくなると共に、
万一、１つの通気孔２３が異物で孔詰まりしても、他の
通気孔２３で通気性を確実に確保でき、耐久性を向上で
きる。但し、本発明は、１つの通気孔のみで通気性を確
保する構成としても良く、この場合でも、本発明の所期
の目的を十分に達成できる。

【００２１】また、通気孔２３をコネクタ２０の端子２
１の貫通方向と同じ方向に貫通するように形成したの
で、コネクタ２０の成形を簡単な２分割型で行うことが
でき、コネクタ２０の成形コストを低減できる。

【００２２】但し、本発明は、通気孔をコネクタ２０の
端子２１の貫通方向と異なる方向に貫通するように形成
しても良く、この場合でも、本発明の所期の目的を十分
に達成できる。

【００２３】例えば、図４に示す本発明の実施形態
（２）では、ワイヤハーネス１９のコネクタ２０の上部
に、該コネクタ２０の内部を大気に連通するための１個
又は複数個の通気孔３１を形成し、この通気孔３１の入
口部に撥水フィルタ３２を溶着等により組み付けてい
る。そして、防水ケース１１のコネクタ嵌合部１８に
は、撥水フィルタ３２の真上の位置に、通気用の孔３３
を形成している。その他の構成は、前記実施形態（１）
と同じである。

【００２４】このような構成の実施形態（２）において
も、ワイヤハーネス１９のコネクタ２０の通気孔３１と
回路基板１６のコネクタ１７の連通孔２５とによって、
ワイヤハーネス１９のコネクタ２０の内部と防水ケース
１１内の両方を大気圧と同一に保つことができ、吸水に
よるコネクタ２０内部のショートと回路基板１６のショ
ートの両方を防止できる。

【００２５】尚、本発明は、エンジン電子制御回路を収
納する防水ケースに限定されず、車両に搭載される種々
の電子制御回路を収納する防水ケースや、車両以外の装
置の電子制御回路を収納する防水ケースに適用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態（１）における防水ケースの
通気構造を示す部分縦断面図

【図２】ワイヤハーネスのコネクタの斜視図

【図３】防水ケース全体の外観斜視図

【図４】本発明の実施形態（２）における防水ケースの
通気構造を示す部分縦断面図

【符号の説明】

１１…防水ケース、１２…ケース本体、１３…カバー、
１６…回路基板、１７…コネクタ、１８…コネクタ嵌合
部、１９…ワイヤハーネス、２０…コネクタ、２１，２
２…端子、２３…通気孔、２４…撥水フィルタ、２５…
連通孔、３１…通気孔、３２…撥水フィルタ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者高野展裕愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地株式会社デンソー内 (72)発明者伊藤康男愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地株式会社デンソー内Ｆターム(参考） 4E360 AB14 BD02 BD10 GA29 GB99 5E087 EE02 EE14 FF03 FF06 FF12 HH01 HH02 LL02 LL17 MM02 MM05 QQ04 RR12 RR31 RR49

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】防水ケース内に回路基板を収容すると共
に、該回路基板に設けられたコネクタを前記防水ケース
の一側面部に貫通固定し、該回路基板のコネクタに、外
部のコネクタを差し込み接続するものにおいて、前記外部のコネクタに、該コネクタの内部を大気に連通
させる通気孔を形成すると共に、前記回路基板のコネク
タに、前記外部のコネクタの内部と前記防水ケースの内
部を連通させる連通孔を形成したことを特徴とする防水
ケースの通気構造。
【請求項２】前記通気孔に、通気性と防水性とを兼ね
備えた撥水フィルタを設けたことを特徴とする請求項１
に記載の防水ケースの通気構造。
【請求項３】前記外部のコネクタに、前記通気孔を複
数個形成したことを特徴とする請求項１又は２に記載の
防水ケースの通気構造。
【請求項４】前記通気孔は、前記外部のコネクタの端
子の貫通方向と同じ方向に貫通していることを特徴とす
る請求項１乃至３のいずれかに記載の防水ケースの通気
構造。